2009/04/30  · 株主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶...

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  • ホームページアドレス  http://www.kenedix.com

    〒105-0004東京都港区新橋2-2-9TEL:03-3519-2530 FAX:03-3519-2533

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  •  株主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたび当社は第�3期(平成�9年�月�日から同年�2月3�日まで)を終了いたしましたので、ここに事業報告書をお届けいたします。 当期におきましては、依然優良物件の獲得競争が続く一方、下期にはサブプライムローン問題が発生する等、やや不透明な事業環境のもとで、豪チャレンジャー社と共同で、日本国内の不動産を投資対象とする不動産投資信託(LPT)を組成し、現地証券取引所に上場するなど、当社グループ独自の取り組みにより収益の拡大に努めてまいりました。その結果、開発案件が本格的な収穫期を迎えたこと、アセットマネジメントの受託残高が7,000億円を突破し、各種フィー収入が順調に増加したこと等により、�2期連続で増収増益、かつ過去最高益を達成することができました。 今後とも優良案件の発掘と海外を含めた投資地域の多様化を進め、あわせて今後も増加するであろう年金基金や海外資金の不動産投資の取り込みにより、顧客投資家層の拡大に努めてまいる所存です。 株主の皆様におかれましては、当社の株主重視の経営方針をご理解いただき、旧倍のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

    業績ハイライト ごあいさつ

    0

    30,000

    60,000

    90,000

    120,000

    150,000

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    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    0

    3,000

    6,000

    9,000

    12,000

    15,000

    20072003 2005 20062004 20072003 2005 20062004

    20072003 2005 20062004 20072003 2005 20062004

    (百万円)

    (億円)

    0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    8,000

    債権投資マネジメント事業アセットマネジメント事業不動産アドバイザリー事業不動産投資事業

    (百万円)

    (百万円)

    オフィスビル賃貸マンション商業施設物流施設その他

    (百万円)債権投資マネジメント事業アセットマネジメント事業不動産アドバイザリー事業不動産投資事業

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    100,000

    通 期

    20062005200420032002

    ●セグメント別営業収益(注1)(注2) ●経常利益

    ●当期純利益 ●受託資産残高(注3)

    開発案件が本格的収穫期を迎え、アセットマネジメントの受託残高も順調に拡大、過去最高益を達成

    平成20年3月

    代表取締役社長 代表取締役会長 

    (注 �) 開発型案件の増加傾向を勘案し、従来、「不動産アドバイザリー事業」に含めておりました自己勘定による不動産投資を新たなセグメント「不動産投資事業」として、前中間期より独立した新たな事業区分として表示しております。(注 2) 販売用不動産の売却時の会計処理について、従来、売却収入と売却原価を相殺した売却損益の純額を営業収益に計上しておりましたが、当連結会計年度より、売却収入を営業収益に、売却原価を営業原価に計

    上する方法に変更することといたしました。これによる営業総利益以下の利益に与える影響はありませんが、営業収益が、従来に比べ大幅に増加しております。(注 3) 当社グループでは、以下の基準で受託資産残高の集計を行っております。

    (�)当社グループがアセットマネジメント業務を受託している不動産物件が対象で、竣工前の開発物件は含まれていません。 (2)取得時の物件購入価格(税抜)で集計し、取得付随費用やバリューアッド費用(物件価値を上昇させるための資本的支出)等のコストについては、本来は会計上の簿価を構成するものですが、受託資産残高には含まれていません。 (3)当社グループが一時的に自己勘定で取得し、アセットマネジメントを行っている物件が含まれています。 また、当社の関係会社が資産運用を受託しているJ-REIT(ケネディクス不動産投資法人および日本ロジスティクスファンド投資法人)が保有する物件も含まれています。

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  • 2

    ある企業グループに育てていかなければならないと痛感した1年でもありました。本間 株価低迷は業界全体に及んでいるし、基本的には市場が決めることなので、如何ともしがたい面もあります。ケネディクスならではの仕事をして2007年度同様、きちんと結果を残していけば、いずれ業績に見合った評価をいただけるでしょう。そうなるように、株主の皆様へ好業績の要因をしっかりアピールしておかないといけません。川島 そうですね。2007年度には業績を裏付ける3つの出来事がありました。まず、オーストラリア証券取引所への不動産投資信託(LPT)の上場です。これは現地の上場企業チャレンジャー社との共同事業で、当社が発掘した日本

    代表取締役社長 代表取締役会長 

    本間 1年を振り返って、僕自身は、業界がなかなか難しい時期を迎えた中で、146億円以上の当期純利益を確保できたのだから、業績的には120点くらい付けてもいいと思っています。事業環境の変化に対処すべく、若い人にバトンタッチしたのは間違いではなかったと評価してます。川島 確かに、業績面では申し分のない結果を残せたと思います。しかしながら株式市場からは非常に厳しい評価をいただいて、株価では50点というところでしょうか。株主の皆様には大変申し訳なく、当社をもっともっと投資魅力の

    トップインタビュー

     これまで順調に市場を拡大してきた不動産投資ファンドが、転換期を迎

    えている。金融庁の規制強化や米国発のサブプライムローン問題などに

    よる金融収縮で、逆風が吹き始めているのだ。そんな事業環境の変化を

    ものともせず、好業績を維持するケネディクスの強みとは何か。過去最高

    益を更新した当期の総括と今後の事業展開を本間良輔会長と川島敦社

    長に話し合っていただいた。

    投資家と不動産を結びつけるゲートキーパー&ソリューションプロバイダー

    過去最高益を更新した業績は120点低迷した株価は50点

    Top Interview

    010_9281201302003.indd 2 2008/03/19 22:31:03

  • 3

    件を順調に売却できたことが、収益拡大の要因です。 また、以上3案件に供給した物件のアセットマネジメントをすべて当社で受託した結果、受託残高は7,349億円と、当初目標をかなり上回る金額になり、安定的な収益基盤の強化につながりました。

    本間 海外投資案件においても、米国で投資している賃貸住宅物件2件が、現地の不動産ファンドなどに売却できたのも収益を押し上げた一因ですね。サブプライムローン問題が発生する中でも、うまく売却できました。川島 新築戸建て住宅への低所得者向け融資がサブプライム問題の根源ですから、当社が投資する賃貸住宅にはほとんど影響がなかったですね。むしろ、住宅バブルがはじけたあとの米国では賃貸住宅への需要増が見込まれているようです。 そのような中で当社グループでサブプライムの影響を受けたのは、オーストラリアのLPTかも知れません。米国に資産を保有している他社のLPTが無配当に陥ったことをきっかけに市場全体が低迷し、当社関連のLPTの価格も下がりました。これはちょっと思惑違いでした。

    国内15の商業施設のポートフォリオに投資したもの。国内商業施設のみを投資対象としたファンドの海外証券市場への上場は本邦初のケースです。 次に、当社グループがスポンサーであるJ-REIT、ケネディクス不動産投資法人の公募増資に伴い、当社の保有物件を同投資法人へ売却し、さらに、同じく当社関連のJ-REIT銘柄である日本ロジスティクスファンド投資法人へも当社で開発した物流施設を供給できました。このように、これまで仕込んできた開発案件が本格的な収穫期を迎え、自己勘定で保有していた物

    トップインタビュー

    サブプライムローン問題の事業への影響は軽微

    代表取締役会長

    本 間 良 輔

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  • 本間 資金調達の面ではどうでしょう。サブプライムローン関連で大きな損失を計上した米国の大手金融機関からのファイナンスは期待できないし、日本の銀行の融資姿勢もますます厳しくなってくるといわれています。川島 2007年度は前年に引き続き、2つの国内大手銀行から総額700億円を超えるコミットメントラインを設定していただきましたし、8月には公募増資も計画どおり実現できました。加えて、秋には当社初の公募普通社債も発行しています。これらは当社グループがこれまで積み上げてきた実績を高く評価していただいた賜物といえ、2008年度に向けて資金面の対応も万全です。 ただし、今後の不動産投資マーケットにおいては金融収縮の事態も予想されますので、当社の信用力を維持しつつ、一層の資金調達ルートの多様化を進めていくことも必要です。

    本間 これからの不動産マーケットには悲観論もあるようですね。川島 激しい争奪戦で優良物件の高騰が続いていたマーケットの潮目が変わり、久々に値下がりしそうな気配も感じています。というのも、J-REIT市場が全体的に低迷しているために、い

    ま物件供給に渋滞が起こっているからです。幸い当社関連の2銘柄は価格の下落率も低く、昨年のファイナンスによって新たな物件調達の余力を十分備えていますが、下落率の高い銘柄は、金融収縮の流れの中、運用物件を増やすに増やせない状況にあります。本間 つまり、今後融資の期限を迎えてリファイナンスできない案件が、マーケットに安く放出される可能性がある。川島 そうです。多少安くてもいいから確実に買ってほしいというニーズが出てきて、それに機敏に対応していけば、効率的な物件調達がで

    潮目が変わったマーケットでチャンス到来、海外展開も積極的に

    代表取締役社長

    川 島   敦

    Top Interview

    010_9281201302003.indd 4 2008/03/19 22:31:05

  • きます。当社の資金調達力、ファンド組成力、J-REITの投資余力を活かせば、このマーケットの潮目の変化は大きなチャンスと考えています。本間 一方で、開発案件も注力していかなければならない。川島 もちろんです。来期以降も毎期、安定的に収穫期を迎えられるよう、都市部のオフィスビルや集合住宅、まだまだ不足している物流施設、人口密集地域の商業施設などの開発に引き続き注力していきます。また、シニア・ヘルスケア案件もいま工事中の物件を含めて老人ホームが29棟、資産規模で300億円とかたちになってきましたので、何とか2008年中にファンド化したいですね。本間 当社グループの特徴である海外投資案件についても拡充していきましょう。川島 2007年度は米国のみならず、アジアやヨーロッパへ投資エリアを拡大すべくアプローチし、英国や東欧で投資を実行できました。しか

    し、中国やベトナムといったエマージングマーケットでは、信頼できるローカル・パートナーが不可欠なのですが、そのパートナー探しが難しいですね。まだまだ手探り状態ですが、いずれ世界を舞台に総合不動産投資ビジネスを展開することが、顧客投資家からも当社グループに期待されていることと考えています。今後も取り組みを怠らず、数年後には全投資比率の一定割合を海外案件で確保したいと考えています。本間 2008年度の通期業績予測で当期純利益が4.3%増の153億円とは、やや控えめに映るかも知れませんね。川島 株主の皆様を裏切らないための、あくまでも堅い数字です。そうした真面目さ、そして変化に対応する柔軟性とスピード重視が創業以来の当社の伝統ですから。本間 そうですね。その姿勢を堅持して二人三脚で事業に邁進し、2008年度も予測以上の数字を残して、株主の皆様のご期待にお応えできるように頑張りましょう。

    Top Interviewトップインタビュー

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  • 2007 TOPICS

    7 月 8 月 9 月 10 月 12 月 2 月2007年

    2007年11月国内無担保普通社債を発行

    2007年8月に行った500億円の発行登録の枠内において、当社としてはじめての公募普通社債150億円(期間3年)を発行しました。従前から資金調達手段の多様化を進めてきましたが、今回の発行を通じて、さらに安定的に資金調達を実現できる環境を実現することができました。

    2008年

    2007年9月コンプライアンス部を設立

    2007年9月末の「金融商品取引法」施行にともなう態勢整備の一環として、コンプライアンス部を新設しました。従来より社長直属のコンプライアンスオフィサーを置いてグループ内の法令等遵守体制の実現を図ってきましたが、その姿勢をより強化し、法令順守を一層徹底してまいります。

    2007年10月/ 2008年1月 ルーマニアのオフィスビルに投資

    ルーマニアの首都ブカレストにおいて、現地のパートナーと共同でオフィスビル3棟に投資を行いました。ルーマニアは、2007年1月にEU加盟を果たしたことによる法やインフラの整備、経済成長による優良不動産への需要増加、銀行による商業向け金融の拡大が見込まれています。加えて、競争力のある人件費や他の欧州諸国に比べて有利な税率等も背景に、開発プロジェクトでの高収益が期待され、まさに時宜を得た投資機会ととらえています。

    1 月

    2007年11月 アメリカ投資先の集合住宅を一部売却

    米国ケネディ・ウィルソン社と共同で投資した西海岸の賃貸住宅物件を、当初の計画に則り一部売却しました。折からのサブプライムローン問題で不透明な市場環境下にありましたが、優れた立地にある競争力の高い物件に投資をしていたため、計画に沿った売却利益を実現することができました。

    11 月

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  • 7

    —— KENEDIX の好業績を牽引する開発事業の概要をお聞かせください。 当社が開発事業の拡大に至った背景には、ここ数年の地価高騰やプレイヤーの増加といった不動産投資市場の過熱化が挙げられます。多くの投資家にとって「旨みのある投資」が難しくなってきたため、2006年に開発事業部を本格的に立ち上げて用地取得から建物の企画・設計、運営管理までを一貫して行う開発事業に着手したわけです。現在、住宅、オフィス、商業施設、物流倉庫、シニア・ヘルスケアなどの分野で開発事業を進めています。

    マネジメントトーク

    開発事業のフレームワークと陣容

    執行役員投資事業部長兼開発事業部長

    藤 井 英 介

    投資・アセットマネジメント事業で培った豊富な実績と

    経験を活かし、不動産の持つポテンシャルを最大限に

    引き出しています。

    開発事業部 ( 統括部長 )

    エンジニアリングチーム リーシングチームソーシングチーム

    ●2003年より開発への取り組みを開始し幅広いネットワークを構築

    ●インハウスによる企画、デザインを可能とする専任のエンジニアリング・デザイナー集団

    ●リーシングの観点から開発企画をサポート●テナントニーズを汲み上げた商品企画を実践

    KDX日本橋2��ビル アビダシオン千葉

    010_9281201302003.indd 7 2008/03/19 22:31:07

  • —— どのような陣容で事業に取り組んでいるのですか。 開発事業部には現在18名のメンバーが在籍し、①土地情報を仕入れるソーシングチーム、②一級建築士やデザイナーを擁し、建物の意匠・設計、施工管理を担当するエンジニアリングチーム、③テナント(借り手)の視点から開発企画をサポートし、完成後のテナント誘致を行うリーシングチームの3チームで構成されています。

    —— どのようなところにポイントをおいて開発案件に取り組んでこられたのですか。 まずはスピードです。当社がこれまで数多くの投資・アセットマネジメント業務で培ってきたノウハウを最大限に活かして、投資判断を迅速に行い、短期間で意思決定しています。それにより業界での信用力がアップして、より良い情報が集まるようになったのです。 もう一つは人材です。開発事業部には、商社建

    設部・ゼネコン・デベロッパー出身の、不動産の本質を追及した「ものづくり」に従事してきた経験をバックグラウンドに持つ人材で構成されています。一方でマーケット動向を見据えた金融的アプローチで事業を検証するなど「ものづくり」だけに偏らない柔軟性も持ち合わせています。そうした「少数精鋭のプロ集団」が開発事業部です。

    開発案件の特長と強み

    Management Talk

    商品企画段階 建設段階 運営段階

    KDX 予約契約(建設途中)事業主体 : デベロッパー

    KDX 予約契約事業参画 (着工時 )

    KDX運営管理FUND,REITへ移行

    事業主体 : デベロッパー

    KDX 予約契約事業参画 (確認申請取得時 )

    事業主体:KDX土地取得 /マーケティング 着 工 竣 工

    事業主体 : デベロッパー

    カリーノ千歳台 レガーロ西早稲田 芝公園ビル レガーロ八雲 福浦物流

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  • 9

    マネジメントトーク

    —— なるほど、それがケネディクスの開発事業の特長であり、強みでもあるわけですね。収益貢献度が飛躍的に高まった要因を挙げるとすれば? 当社は、アセットマネジメント事業の差別化を図る一環として、他社に先駆け開発事業に着手したこと、またマーケットに合致した建物をオーダーメイド型で開発してきた結果、建物完成時までには事業計画どおりにテナントが誘致でき、収益性の高い商品に仕上げられてきたことが大きな要因です。当社関連のJ-REIT銘柄やオーストラリアの不動産投資信託(LPT)等への売却によって、堅実な収益貢献が実現できたということです。

    ——今後の事業展開と注力分野があればお願いします。 これまで「レガーロ」シリーズで展開している賃貸住宅の割合が最も大きかったのですが、今後はオフィスビルや物流倉庫、商業施設の開発にも注力していきます。今般、組織横断的な専門チームとして「商業・物流開発チーム」を新設し、積極的に事業を拡大していくこととしました。また、この2008年2月に竣工した「KDX晴海ビル」のような大型案件にも継続的に取り組んでいくことでトラックレコードを蓄積し、実績と信用が伴ってきた段階で、他人資本を導入した開発ファンドを組成したり、大手デベロッパーとコンソーシアムを組んだりして、当社がプロジェクトマネージャーの役割を果たしながら大規模な開発も手がけていきたいと考えております。

    今後の展開と注力分野

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    700(億円)

    2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

    44 64

    298

    624 655開発事業規模

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  • �0

    「KDX晴海ビル」開発物語

     「KDX晴海ビル」は、東京都中央区晴海3丁目に位置し、地下1階・地上11階建て、延床面積3,900坪を超える、当社が手がけたオフィスビルの中でも大型案件の一つです。 本件は、都心に近く周辺の開発も活発なベイエリアの潜在価値に着目し、バックオフィスや合併統合企業の移転需要等を見込んで、2005年夏に投資を決定しました。竣工時期はテナントの誘致活動とゴールデンウィーク中の入居も見越して、2008年2月としたのです。 ところが、2005年11月から開始した行政等への事前相談・協議において、手続に予想以上の時間を要し、建築確認取得まで1年3カ月余りを費やしました。ようやく昨年3月に着工したのですが、予定した竣工までは実質1年、この規模の工事としては厳しい状況となりました。 開発案件では、予算のオーバーは絶対に許されないこととあわせ、時間もコストの内といわれるように工期の遅延も避けなければいけません。一方で、昨今の建設資材高騰もあり、施工者は、工事予算及び工期について余裕を持てるように、建物並びに設備の仕様をなるべく抑えようとします。 当社は、予算と予定の工期を守る一方で、Sグレードの品質維持に妥協しないという方針で臨みました。具体的には、設計段階での建物並びに設備の仕様を詰める時点で、設計者

    や施工者とはコスト等を入念に調整し、事前に合意を図るよう努力しました。また、当社の設計及び管理のプロが、設計初期の段階から竣工まで、監修及び施工管理の立場で直接協議や調整に加わり、当初の企画仕様を維持して予定の工期及び予算内で収めることに努めました。 そうしたかいもあって、また施工者並びに関係各位の絶大な理解と尽力も加わり、本年2月29日に予定通り竣工にこぎつけたのです。 本物件は、無駄を省いたスタイリッシュな外装・内装、制震装置を施した構造に加え、非接触型カード方式でのハイレベルセキュリティーによる安全と安心を提供しています。オフィス空間は無柱で使い勝手が良く、外の熱の影響を低減する複層ガラスに電動ブラインド、年中何処に居ても冷房・暖房が自動でコントロールされる冷暖フリー空調に、昼光センサーを利用した自動調光照明を採用して、省エネかつ快適なオフィス空間を作り出しました。また、屋上緑化も取り入れ、館内廃棄物はオールリサイクル型での収集処理を行い、環境への配慮も忘れていません。こうした安全・快適・省エネ・環境への配慮を追求する当社ならではの高付加価値の物件に仕上がったと自負しています。 現在、テナントを募集中ですが、入居を希望される企業の方々が大勢お越しになり、当初の目論見を上回る状況です。 今後も、ケネディクスならではの、進化したオフィスビルを、企画・開発していきたいですね。

    開発事業部 部長代行

    菅田 昇

    �0

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  • ��

    連結財務諸表

    (単位:百万円)

    科 目

    ● 連結貸借対照表(単位:百万円)

    科 目

    資産の部 338,509 158,147

    流動資産 307,766 134,566

    現金及び預金 39,3�9 3�,390

    信託預金 �,9�� �,�2�

    営業未収入金 97� ���

    たな卸資産 2�3,�9� ��,���

    買取債権 �,�32 3,�03

    繰延税金資産 2,729 �79

    その他 �,�29 3,���

    貸倒引当金 △ 327 △ 32

    固定資産 30,743 23,581

    有形固定資産 203 153

    無形固定資産 973 8

    投資その他の資産 29,566 23,419

    投資有価証券 2�,�3� �7,���

    出資金 ��� 3,�2�

    長期貸付金 �,920 �,�3�

    繰延税金資産 — 77

    その他 2,32� �,22�

    資産合計 338,509 158,147

    負債の部 258,020 118,353流動負債 106,397 64,772

    営業未払金 �77 3�2短期借入金 �0,720 3�,900コマ−シャルペーパー �,000 —1年内返済予定長期借入金 �7,3�2 ��,2�91年内償還予定社債 3,�3� 2,7��未払法人税等 �,�09 �,0��預り敷金 �,�0� 3,�7�繰延税金負債 �2� —役員賞与引当金 �30 270その他 3,��3 �,��2

    固定負債 151,623 53,581社債 �7,��0 30,��9長期借入金 �03,�9� 22,���匿名組合出資預り金 ��2 279繰延税金負債 30� 303退職給付引当金 �7 �3役員退職慰労引当金 — ���その他 33� �3�

    純資産の部 80,488 39,794株主資本 60,047 36,510

    資本金 ��,��� 9,���資本剰余金 ��,�0� 9,907利益剰余金 30,�2� ��,99�自己株式 △ �2� △ �2

    評価・換算差額等 788 700その他有価証券評価差額金 773 �7�繰延ヘッジ損益 72 △ ���為替換算調整勘定 △ �7 �37

    少数株主持分 19,652 2,583負債純資産合計 338,509 158,147

    当 期平成�9年�2月3�日現在

    前 期平成��年�2月3�日現在

    当 期平成�9年�2月3�日現在

    前 期平成��年�2月3�日現在

    010_9281201302003.indd 11 2008/03/19 22:31:10

  • �2

    Consolidated Financial Statements

    ● 連結損益計算書 (単位:百万円)科 目

    営業収益 138,025 27,044

    営業原価 101,476 4,659

    営業総利益 36,549 22,384

    販売費及び一般管理費 5,686 3,747

    営業利益 30,863 18,637

    営業外収益 1,519 376

    営業外費用 6,261 2,552

    経常利益 26,120 16,461

    特別利益 141 20

    匿名組合損益分配前税金等調整前当期純利益 26,262 16,481

    匿名組合損益分配額 90 �7�

    税金等調整前当期純利益 26,172 16,007

    法人税、住民税及び事業税 �2,�0� �,739

    法人税等調整額 △ 2,797 △ 2�3

    少数株主利益 �,702 ���

    当期純利益 14,662 9,015

    ● 連結キャッシュ ・ フロー計算書 (単位:百万円)科 目

    当 期平成�9年 �月  �日から平成�9年�2月3�日まで

    前 期平成��年 �月  �日から平成��年�2月3�日まで

    営業活動によるキャッシュ・フロー △ ��,77� △ 2,900

    投資活動によるキャッシュ・フロー △ 3�,9�2 △ �,�9�

    財務活動によるキャッシュ・フロー 9�,��� 2�,2�3

    現金及び現金同等物に係る換算差額 △ 209 ��

    現金及び現金同等物の増減額 �,93� ��,�03

    現金及び現金同等物の期首残高 37,07� �9,�7�

    連結範囲変更に伴う現金及び現金同等物の増減額

    9�2 �,392

    現金及び現金同等物の期末残高 ��,9�2 37,07�

    販売用不動産については、従来、売却時に売却収入と売却原価を相殺した売却損益の純額を「営業収益」に計上しておりましたが、前中間連結会計期間より、売却収入を「営業収益」に、売却原価を「営業原価」に計上する方法に変更いたしました。理由といたしましては、開発型案件の増加に伴い、ファンド組成の

    ために一時的に物件を保有していた場合と比較して相対的に保有期間が長くなる傾向があり、また物件の仕様決定等に主体的に関わり相応の開発利益を享受しているため、販売用不動産の売却取引総額を営業収益に計上するのが、当社グループの経営成績を適正に反映するために適当と判断されたからです。

    会計処理の変更に関して

    当 期平成�9年 �月  �日から平成�9年�2月3�日まで

    前 期平成��年 �月  �日から平成��年�2月3�日まで

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  • �3

    社     名 ケネディクス株式会社

    Kenedix,Inc.

    設     立 平成7(1995)年4月17日

    所 在 地 本社 〒105-0004

    東京都港区新橋2-2-9

    資 本 金 14,546,074,908円

    従 業 員 数 87名(連結162名)

    主要金融機関 株式会社三井住友銀行

    株式会社三菱東京UFJ銀行

    株式会社みずほ銀行

    株式会社りそな銀行

    中央三井信託銀行株式会社

    株式会社あおぞら銀行

    代表取締役会長 本間 良輔代表取締役社長 川島 敦取   締   役 吉川 泰司:CFO取   締   役 柴岡 博夫: 総務・人事部長兼グループコンプライアンス・オフィサー

    取   締   役 柏木 昇監   査   役 本田 商一監   査   役 菅野 慎太郎監   査   役 舩橋 晴雄監   査   役 大村 多聞監   査   役 久保田 英二

    執 行 役 員 田中 晃 :運用事業部長兼運用管理部長執 行 役 員 藤井 英介:投資事業部長兼開発事業部長執 行 役 員 片山 慶三:大阪営業所長執 行 役 員 山﨑 健一:財務・経理部長

    ケネディクス・アドバイザーズ株式会社

    ケネディクス・リート・マネジメント株式会社

    三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社

    ケネディクス・デベロップメント株式会社

    パシフィック債権回収株式会社

    株式会社アセット・ワン

    住宅流通株式会社

    KWMulti-FamilyManagementGroup,Ltd.

    ● 概 況 ● 役 員(平成20年3月7日現在)

    ● 主要関係会社 ● HP ご案内

    会社概要 (平成�9年�2月3�日現在) Corporate Profile

    http://www.kenedix.comホームページアドレス

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  • ��

    発行可能株式総数 1,400,000株(*)発行済株式の総数 635,140株(*)株主数 13,080名*平成19年7月1日付で株式分割(1株→2株)を実施しております。

    事 業 年 度 毎年1月1日〜12月31日定時株主総会 毎年3月開催基 準 日 毎年12月31日 (その他必要がある時は、あらかじめ公告する一定の日)

    ■株式事務取扱場所

    株主名簿管理人 東京都港区芝三丁目33番1号 中央三井信託銀行株式会社

    同事務取扱場所 東京都港区芝三丁目33番1号 中央三井信託銀行株式会社 本店

    同事務取扱所 東京都杉並区和泉二丁目8番4号 証券代行事務センター(〒168-0063) 中央三井信託銀行株式会社証券代行部 電話0120-78-2031(フリーダイヤル)

    同 取 次 所 中央三井信託銀行株式会社 国内各支店 日本証券代行株式会社 本店および全国各支店

    ■公告方法

    証券会社14,546株(2.29%)

    その他国内法人14,975株(2.36%)

    個人・その他109,870株(17.30%)

    外国法人307,816株(48.46%)

    金融機関187,763株(29.56%)

    外国個人170株(0.03%)

    ● 発行株式数及び株主数 ● 株主メモ

    ● 大株主 (上位10名)

    株式情報 (平成�9年�2月3�日現在)

    (注)個人・その他には証券保管振替機構名義株式を含めております。

    Stock Information

    株  主  名 持株数(株)持株比率(%)日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 66,773 10.51

    ステートストリートバンクアンドトラストカンパニー 54,206 8.53

    日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 43,296 6.81

    ジェーピーモルガンチェースオッペンハイマーファンズジャスデックアカウント 40,000 6.29

    資産管理サービス信託銀行株式会社(信託B口) 29,839 4.69ザバンクオブニューヨークジャスディックトリーティーアカウント 19,612 3.09

    本間良輔 14,908 2.34カーギルインターナショナルトレーディングピーティーイーリミテッドナンバーツー 14,128 2.22

    モルガン・スタンレーアンドカンパニーインク 11,957 1.88メロンバンクトリーティークライアンツオムニバス 10,605 1.67

    ● 所有者区分別株式分布状況電子公告にて当社のホームページ(http://www.kenedix.com)に掲載いたします。ただし、やむをえない理由により電子公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載いたします。

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  • ホームページアドレス  http://www.kenedix.com

    〒105-0004東京都港区新橋2-2-9TEL:03-3519-2530 FAX:03-3519-2533

    環境に配慮した「大豆油インキ」を使用しています。

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