2012年3月31日ちよだプラットスクエアー - osdn ·...

2012年3月31日

@ちよだプラットスクエアー

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2

1. はじめに [10min]

2. 業務編 [30min]

3. システム編 [60min]

4. まとめ [20min]


3






4

目的 ADempiereに関する知識を共有し、全般的な理解を深める。

想定参加者

ADempiereの利用に興味を持っている人 (当面はユーザ視点に立ち、ADempiereの標準機能を説明の中心とする。)

参加者の前提知識

特になし

勉強会の構成

・業務編・システム編

参考資料 ●Bayu Chauya Pamungkas, “ADempiere 3.4 ERP Solutions “, PACKT ●落合和雄, 「ITエンジニアのための【会計知識】がわかる本」, 翔泳社 ●岩谷誠治, 「この1冊ですべてわかる会計の基本」, 日本実業出版社 ●国際通貨研究所, 「外国為替の知識」, 日経文庫


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2. 業務編 [30min] 1. 財務会計入門

1. 基礎知識

2. 日常の取引

3. 決算




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財務会計の基本となる用語、概念を以下に記載します。

• 勘定科目 – 資産・負債・資本、収益・費用を管理しやすいように小さい単位に分類したもの

例) 現金、借入金、売上

• 勘定口座 – 各勘定科目の増減を帳簿上(総勘定元帳)で管理する場所。

• 取引 – 資産・負債・資本、収益・費用を発生させるもの。

• 仕訳 – 各取引における勘定科目の増減を表現するもの。

• 会計期間 – 企業の財産状態、経営状況を示すために区切られた一定の期間。会計期間のはじめを期首、おわりを期末という。


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勘定科目例を以下に示します。

勘定科目

資産現金

商品

備品

売掛金

貸付金

負債借入金

買掛金

未払い金

資本資本金

勘定科目

収益商品売買益

受取手数料

受取利息

費用支払い手数料

給料

水道光熱費


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財務会計の基本となる用語、概念を以下に記載します。

4/1に商品¥10,000を掛けで仕入れた

借方貸方

4/1 商品 10,000 買掛金 10,000

<仕訳>

<取引>

商品

4/1 買掛金10,000

買掛金

4/1 商品 10,000

<総勘定元帳> (元帳転記)

(仕訳生成)


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期末時点の資本、負債、資本の関係を表したものが貸借対照表 (Balance Sheet)。

勘定科目ごとの貸借対照表は勘定式として内部用に利用され、法律で規定されている財務諸表には、報告式の形で作成する必要があります。

(期末)資本

費用

(期末)負債

(期首)資本

収益

(資産の部) 流動資産固定資産

(負債の部) 流動負債固定負債

(純資産の部) 株主資本

評価・換算差額等新株予約権

貸借対照表 (報告式)

1年以内に現金化される資産を流動資産、1年以内に返済期日がくる債務を流動負債など、1年を基準に流動・固定が設定される。

精算表 (勘定式)


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会計期間の収益と費用の関係を表したものが損益計算書 (Profit and Loss Statement)

勘定科目ごとの損益計算書は勘定式として内部用に利用され、法律で規定されている財務諸表には、報告式の形で作成する必要があります。

(期末)資本

費用

(期末)負債

(期首)資本

収益費用収益

損益計算書 (報告式)

I 売上高

II 売上原価

III 販売費および一般管理費

IV 営業外収益

V 営業外費用

VI 特別利益

VII 特別損失

精算表 (勘定式)


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日常の記帳および決算の流れを以下に示します。

START

決算

日常の記帳

END

仕訳帳総勘定元帳合計残高試算表

精算表繰越試算表財務諸表


12

日常の記帳の流れを以下に示します。

(日常の記帳の詳細については、第12回勉強会で説明予定です)

START

元帳転記

仕訳生成

END

START

決算

日常の記帳

END

仕訳帳

総勘定元帳

合計残高試算表


13

決算の流れを以下に示します。

(特に棚卸、決算整理については、第13回勉強会で説明予定です)

START

元帳転記

決算振替仕訳

END

START

決算

日常の記帳

END

仕訳帳・元帳締切 (決算整理・振替仕訳)

仕訳帳・元帳締切 (日常取引)

棚卸

決算整理仕訳

精算表

財務諸表の作成

財務諸表

繰越試算表


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仕訳データ

残高データ

ERPにおける仕訳作成、元帳転記におけるシステムでの動作の流れの例を以下に記載します。

(実装自体はパッケージに依存します)

残高計算

関連データ

仕訳転記

仕訳入力

関連データ

入力

仕訳帳合計残高

試算表

上流システム

会計システム (GL)


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• 収益・費用の諸勘定および損益勘定の締切 (決算振替仕訳の生成) – 収益・費用の残高を損益勘定に振替

– 損益勘定の貸借の差額を資本金勘定に振替

• 資産・負債・資本の諸勘定の締切 (仕訳は生成せず、元帳に直接反映) – 資産の次期繰り越し

– 負債の次期繰り越し

仕訳帳、元帳の締めの前に行う決算振替仕訳、資産・負債繰越の内容を以下に記載します。


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決算振替仕訳のイメージを以下に記載します。

借方貸方

3/31 商品売買益 10,000 損益 10,000

損益 1,000 給料 1,000

損益 9,000 資本金 9,000

<仕訳>

商品売買益

3/31 損益 10,000

給料

3/31 損益 1,000

<総勘定元帳> (元帳転記)

損益

3/31 給料 1,000 3/31 商品売買益 10,000

3/31 資本金 9,000

資本金

3/31 損益 9,000


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資産・負債の次期繰り越しのイメージを以下に記載します。

売掛金

3/X 商品 10,000 3/X 現金 8,000 3/31 次期繰越 2,000

買掛金

3/X 現金 3,000 3/31 次期繰越 2,000

3/X 商品 5,000

<総勘定元帳>

売掛金

4/1 前期繰越 2,000

買掛金

4/1 前期繰越 2,000

次期


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ADempiereでは多国通貨を管理できますが、国際取引における外国為替関連の基本事項を記載します。(詳細については別途説明予定)

C銀行

会社A (日本)

D銀行

会社B (アメリカ)

①送金依頼

100万円払込

②送金支払い指図

銀行勘定を通じての資金決済

③送金到着案内

1万ドル支払い

会社A (日本)

会社B (アメリカ)

米ドル建て取引 (1万ドル)

JPY⇒USDへのドル換算が必要

1万ドル=100万円


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外国為替取引としては、直物取引 (Spot Exchange) と先物取引(Forward Exchange)が挙げられます。(先物取引はデリバティブの一つとされています)

取引種別内容

直物取引 (Spot)

外国為替の売買契約成立と同時に、もしくは成立後2営業日以内に受け渡しを実行

先物取引 (Forward)

将来の特定日ないし一定期間後に契約時に定めたい低条件で為替の受け渡しを実行

80. 20-25

Bid(買値): 80円20銭

Offer(売値): 80円25銭


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3. システム編 [60min] 1. ADempiereの基本コンセプト

2. ADempiere3.4 ERP Solutions 1. 第3章組織構造とクライアントの初期セットアップ

2. 第4章マスターデータのセットアップと会計処理の設定



21

ADempiereでは、アカウントコンビネーション (Account combination) という形で、勘定科目のディメンジョン管理を行います。

組織勘定科目製品

ビジネスパートナー

プロジェクトキャンペーン

アカウントコンビネーションの例

HQ-14120-_-_-_-_


22

(おそらく) 仕訳データはヘッダーと明細として管理されており、明細において、アカウンティングコンビネーションが指定される。勘定科目ではなく、アカウンティングコンビネーションを指定することにより、管理会計における多次元分析が可能となる。

仕訳ヘッダ仕訳明細

勘定科目 (アカウントコンビネーション)

借方 (JPY) 貸方 (JPY)

現金 10,000

商品 8,000

商品売買益 2,000

仕訳明細の構成


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仕訳を勘定科目単位で管理している限りは、各勘定科目単位の合計金額しかわからないが、アカウントコンビネーション単位で仕訳管理することで、様々な角度から資産状況、収支状況を確認できる。

売上高人件費間接費

A支店 3,000 1,300 1,100

B支店 4,000 2,400 1,130

C支店 2,500 1,330 1,210

勘定科目

組織

組織単位での分析イメージ


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初期設定では、勘定科目コンビネーションを登録することができません。

ADempiereの画面制御は、アプリケーションディクショナリの設定に基づいており、各ウィンドウは、下記のようなウィンドウタイプとしてカテゴライズされて、管理しています。

(アプリケーションディクショナリのウィンドウタイプを変更することで、制御を切り替えることが可能です)

Window Type 内容例

Maintain データの追加、修正を行うことができます。

-Product -Bank -Cashbook

Query Only データの表示のみを行うことができ、追加変更を行うことはできません。

-Accounting Facts -Access Audit

Transaction トランザクションデータの管理に利用されます。

-GL Journal -Purchase Order -Material Receipt


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ADempiereでは、各機能間で取引先が共有されており、顧客・仕入先・従業員合わせて、「ビジネスパートナー」として管理されます。

また、ビジネスパートナーの間で関連性も定義することができます。

BP (顧客)

BP (仕入先)

BPグループ

BP (従業員)

ビジネスパートナーの構成

仕入先 A社

仕入先 A社B部門

仕入先 A社C部門

関連付け (支払先)

取引は部門単位で行うが、

請求先は会社単位でまとめて行う場合など

ビジネスパートナー間の関連付け


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ビジネスパートナーでは、下記に示すような属性管理が行われます。

顧客、仕入先、従業員それぞれで、名前、住所、課税制度は共通項目として管理され、各エンティティ固有の管理項目も追加管理することが可能です。

ビジネスパートナー

ビジネスパートナーの属性管理

名前 (Name)

住所 (Address)

課税制度? (Tax Identity)

固有設定

顧客、仕入先、従業員の共通管理項目


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ビジネスパートナーグループごとにアカウントコンビネーションを設定できますが、アカウントコンビネーションには、大きく2つの種類に分類できます。

分類内容例

Shared default account ビジネスパートナーグループに関連づけられたすべてのビジネスパートナーで参照される勘定科目 (アカウントコンビネーション)

-Payment Discount Expense -Write-off -Not-invoiced Receivables -Not-invoiced Revenue -Unearned Revenue -Payment Discount Revenue -Not-invoiced Receipts

Private default account 特定のビジネスパートナーで参照される勘定科目 (アカウントコンビネーション)

-Customer Receivables -Receivable Services -Customer Prepayment etc


28

以下の赤枠がShared default accountとなります。


29

ADempiereでは、仕入用、販売用にわけて価格設定できます。

また、各価格設定(プライスリスト)では、推奨小売価格、標準価格、限度価格の3タイプを設定・管理できます。

プライスリスト

推奨小売価格

標準価格

限度価格

価格の種類


販売用プライスリスト Sales Price list

仕入用プライスリスト Purchase Price list


30

各取引での価格は、取り扱う製品と取引先ごとに関連づけられているプライスリストから導きだされる。

取引

取引先


取引ごとの価格設定

製品

プライスリストでは定価、標準価格、限度価格ごとに金額や割引率を定義する

価格種別内容

List Price 推奨小売価格

Standard Price 標準価格

Limit Price 限界価格

この価格以下で販売することはできない


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ADempiereで管理する製品の分類を以下に記載します。

製品タイプ内容例

Item 売買する品物で、在庫管理の対象となるもの

シャツドレス

Expense Type

売買する品物で、在庫管理の対象外となるもの

文房具類

Service サービスコンサルティングフィー

Resource 一定期間利用可能なものコンサルタント


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製品に関する仕訳を以下に記載します。

製品タイプ Db Cr

Item Asset (Product Asset) Not Invoiced Receipt

Expense Type Service Resource

Expenses (Product Expenses) Not Invoiced Receipt


33



3. システム編 [60min] 1. ADempiereの基本コンセプト

2. ADempiere3.4 ERP Solutions 1. 第4章マスターデータと会計関連設定



34

マスター関連の設定として、以下の流れで説明いたします。

1) アカウントコンビネーション

2) ビジネスパートナー

3) 現預金出納帳

4) 多国通貨

5) 価格管理

6) 製品


35

アカウントコンビネーションのERDを以下に示す。

C_ValidCombination (Combination)

AD_Org (Organization)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

1) Create account combination 1) Menu | Performance Analysis | Accounting Rules | Account

Combination


36

アカウントコンビネーションの追加の流れを以下に記載します。

1) Menu | Performance Analysis | Accounting Rules | Account Combinationをオープン

⇒アカウントコンビネーションが表示。ただし、Newボタンが利用不可。

アプリケーションディクショナリの設定を変更することで、会計コンビネーションを追加できるようにします。


37

アカウントコンビネーションを追加できるように、Application Dictionaryの設定を変更します。

1) Menu | Application Dictionary | Window, Tab & Fieldウィンドウをオープン

2) Nameフィールドに”Account Combination%”を指定してOKボタンをクリック

3) Account Combinationの画面設定が表示されるので、Window Typeを”Query Only”から、”Maintein”に変更し、保存する。

⇒Account Combinationウィンドウにおいて、データの追加、変更が可能となる。


38

以下の手順で、アカウントコンビネーションを新規作成できます。

同じアカウントコンビネーションを複製することができますが、一度作成すると削除できないので、ご注意ください。(無効化することは可能です)


2) New Recordボタンをクリック

3) Alias, Organization, Accountを入力

⇒保存ボタンをクリックすれば、アカウントコンビネーションが作成される。


39

アカウントコンビネーションの指定の簡便化のためAliasという項目があります。

デフォルトでは値が設定されていませんが、こちらを設定することにより、アカウントコンビネーションの選択が楽になります。


2) 例として、HQ-17710-_-_-_-のAliasに17710を入力し、保存

⇒保存ボタンをクリックすると、Aliasとして検索することができるようになる。


40

ビジネスパートナーのERDを以下に示す。

C_BP_Group (Business Partner Group)

C_BP_Group_Acct (Accounting)


C_Bpartner (Assigned Partners)

C_BP_Customer_Acct (Customer Accounting)

C_BP_Vendor_Acct (Vendor Accounting)

C_BP_Employee_Acct (Employee Accounting)

C_BP_Location (Location)

AD_User (Contact(User))


42

ビジネスパートナーグループの追加の流れを以下に記載します。

1) Menu | Partner Relations | Business Partner Rules | Business Partner Groupをオープン

2) 新規作成ボタンをクリックし、ビジネスパートナーグループを追加


43

ベンダーの追加の流れを以下に記載します。

1) Menu | Partner Relations | Business Partner Rules | Business Partnerをオープン

2) 新規作成ボタンをクリックし、ビジネスパートナーを追加

3) ベンダータブでVendorにチェック

⇒このチェックで、追加したビジネスパートナーがベンダーと認識される


44

ベンダーの住所情報を入力します。

1) Locationタブに移動し、

新規作成ボタンをクリック

2) Addressフィールドの右

手にあるボタンをクリックし、表示されるウィンドウに住所情報を入力し、OKボタンをクリック


45

ベンダーのコンタクト先 (マーケティング担当者)の情報を入力します。

1) Contactタブに移動し、

新規作成ボタンをクリック

2) フィールドに値を入力し、保存ボタンをクリック


46

新規作成したベンダーに対して、アカウントコンビネーションにデフォルトアカウントが設定されていることを確認する。

1) Vendor Accountingタブに移動

⇒Vendor Liability, Vendor Service Liability, Vendor Prepaymentに値が入っていることを確認


47

ベンダーに対しては、下記のようなアカウンティングコンビネーションの設定項目があります。

(各設定項目の内容については、現時点では憶測です。確認でき次第、マニュアル等に反映予定)

設定項目内容デフォルト設定値

Vendor Liability 買掛金 (商品)

おそらく、発注登録した時にこのアカウントコンビネーションの仕訳が生成

21100 (Accounts Payable Trade)

Vendor Service Liability 買掛金 (サービス)

おそらく、発注登録した時にこのアカウントコンビネーションの仕訳が生成 (購買対象がサービスのとき?)

21200 (Accounts Payable Services)

Vendor Prepayment 仮払金

おそらく、事前に支払いを実施したときにこのアカウントコンビネーションの仕訳が生成)

12510 (Vendor prepayment)


48

カスタマーの追加の流れを以下に記載します。

1) Menu | Partner Relations | Business Partner Rules | Business Partnerをオープン

2) 新規作成ボタンをクリックし、ビジネスパートナーを追加

3) カスタマータブでCustomerにチェック

⇒このチェックで、追加したビジネスパートナーがカスタマーと認識される

あとは、ベンダーと同様にLocation, Contactを設定


49

カスタマーに対しては、下記のようなアカウンティングコンビネーションの設定項目があります。

(各設定項目の内容については、現時点では憶測です。確認でき次第、マニュアル等に反映予定)

設定項目内容デフォルト設定値

Customer Receivables 売掛金 (商品)

おそらく、受注登録した際に本アカウントコンビネーションの仕訳が生成される

12110 (Accounts Receivable – Trade)

Receivable Services 売掛金 (サービス)

おそらく、受注登録した際に本アカウントコンビネーションの仕訳が生成される

12115 (Accounts Receivable Services – Trade)

Customer Prepayment 前受金

おそらく、事前に支払いを受けたときに本アカウントコンビネーションの仕訳が生成される

21510 (Customer Prepayments)


50

現金出納帳(Cash Book) および預金出納帳 (Bank Account Document) のERDを以下に示す。

C_Bank (Bank)

C_BankAccount (Account)


C_BankAccountDoc (Bank Account Document)

C_CashBook (Cashbook)

C_CashBook_Acct (Accounting)

C_Charge (Charge)

C_Charge_Acct (Accounting)


52

預金出納帳を設定するには、銀行および銀行口座を登録する必要があります。

ここでは、銀行、銀行口座、預金出納帳の設定の流れを示します

1) Menu | System Admin | Organization Rules | Bankをオープン

2) Bankタブで新規作成ボタンをクリックし、情報を登録し保存する。

3) Accountタブに移動し、口座情報を設定する。

4) Bank Account Documentタブに移動し、口座に紐付く、銀行口座通知書を作成する。


53

現金出納帳の設定の流れを以下に記載します。

1) Menu | System Admin | Organization Rules | Cash bookをオープン

2) Cashbookタブで新規作成ボタンをクリックし、情報を登録し保存する。

⇒初期状態では限られた勘定科目の仕訳しか生成されないため、現金出納帳の記録管理対象とする費目の追加手順を以後説明します。


54

Accountingタブから、現金出納帳で指定される、デフォルトで指定される勘定科目を確認できます。

現預金出納帳による取引としては、初期設定では、General Expenses (一般費用), General Receipt (一般収益)のみが設定されています。

以後のスライドで、現金出納帳から生成する仕訳で利用する、アカウントコンビネーションの追加手順を記載します。

Db (借方) Cr (貸方)

General Expenses (一般費用)

Cash Book Expence 小口現金取引の費用 (79400)

Petty Cash 小口現金 (11900)

General Receipts (一般収益)

Petty Cash 小口現金 (11900)

Cash Book Receipt 小口現金取引の収益 (79500)


55

現金出納帳の借方に各種費用を費用科目として指定できるようにするための設定を記載します。

まず最初にアカウントコンビネーションを追加します。

1) Menu | Performance Analysis| Accounting Rules| Account Combinationをオープン

2) アカウントコンビネーションを新規作成する。


56

追加したアカウンティングコンビネーションを現金出納帳での記録に指定できるようにChargeを設定します。

1) Menu | Performance Analysis | Accounting Rules | Chargeをオープン

2) 新規作成ボタンをクリックし、Organization, Nameを指定の上、Accountingタブに移動

3) Charge Expense, Charge Revenueにアカウントコンビネーションを指定し、保存

⇒これで現金出納帳から、新しく設定したChargeを指定した仕訳を生成することが可能


58

デフォルト状態では、通貨選択が標準の174レコードから選択するようになっています。

以下手順により、利用通貨を制限することができます。(ただし本手順は、クライアントすべてに対して適用されます)

1) Systemユーザ(職責：System Administrator)でログイン

2) Menu | Performance Analysis | Accounting Rules | Currencyウィンドウを開く

3) 対象通貨のActiveフラグを解除

⇒通貨の選択対象から解除される。(例： Menu | Open Items | Payment)


59

Currency Typeとして、通貨換算のタイプを設定できます。

デフォルトでは、Average, Company, Period End, Spotから選択できます。

1) Systemユーザ(職責：System Administrator)でログイン

2) Menu | Performance Analysis | Accounting Rules | Currency Typeウィンドウを開く

3) Currency Typeの追加レコードを作成


60

通貨換算レートの設定手順を以下に記載します。

1) クライアントのadminユーザでログイン

2) Menu | Performance Analysis | Accounting Rules | Currency rateウィンドウを開く

3) 換算レートを入力し保存


61

プライスリストでは価格の値のみならず、Schema Lineにより価格を自動設定するルールを管理することも可能です。

プライスリストのERDを以下に示す。

M_DiscountSchema (Price List Schema)

M_DiscountSchemaLine (Schema Line)


M_PriceList (Price List)

1) Create Price List Schema 1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List

Schema

2) Create Price List, Price List version 1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List

M_PriceList_Version (Version)

M_ProductPrice (Product Price)


62

プライスリストの設定として、まずプライスリストスキーマの設定を行う必要があります。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List Schemaをオープン

2) プライスリストスキーマを作成する。


63

プライスリストの設定を行います。プライスリストの履歴管理については、Price List Versionで管理します。

Sales Price listチェックボックスの選択を解除すると、それは仕入用のプライスリストを示すようになります。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List をオープン

2) プライスリストの作成を行う。(履歴管理する場合には、Versionタブで設定を行う)


64

製品のERDを以下に示す。

M_Product_Category (Product Category)

M_Product_Category_Acct (Accounting)


C_UOM (Unit of Measure)

C_UOM_Conversion (Conversion)

M_Product (Product)

M_Product_PO (Purchasing)

M_ProductPrice (Price)

M_DiscountSchemaLine (Price List Schema Line)


66

製品カテゴリーの設定を行います。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Product Categoryをオープン

2) 製品カテゴリーを登録し、保存する。

3) Accountingタグに移動し、Costing Method, Costing Levelを設定


67

Accountingタブから、製品カテゴリーの設定を行うことが可能です。

データ項目内容選択項目

Costing Method 原価計算方法 -Average Invoice -Average PO -FIFO -Last Invoice -Last PO Invoice -LIFO -Standard Costing

Costing Level 原価の管理単位 -Batch/Lot -Client -Organization

デフォルトでは、Costing MethodはStandard Costing, Costing LevelはClientが指定される。


68

測定単位の設定を行います。

Conversionタブでは、1Yard = 0.9144Meterのように、単位間の換算レートを設定できます。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Unit of Measureをオープン

2) 測定単位を入力し、保存

3) 必要に応じて、Conversionタブに値を設定し保存する


69

製品の設定を行います。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Productをオープン

2) Productタブで製品情報を入力

3) Purchaseタブで、販売、仕入に関する情報を設定

4) Priceタブに移動し、製品価格の設定を行う。


70

製品価格の設定には、手動による設定と自動による設定があります。

ここでは自動による設定の流れを示します。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List Schemaウィンドウを開く

2) Price List SchemaタブでPrice List Schemaレコードを選択し、Schema Lineタブに設定を行う。

3) Price List ウィンドウのVersionタブでCreate Price Listボタンをクリック

⇒対象のPrice List Schemaに対応する商品の価格設定が行われる。


71

製品価格の自動設定に用いられる、Price List Schemaのパラメータ項目を以下に示す。

データ項目内容設定例

Sequence 10

Currency Type Weekly

Product Category 価格計算対象とする製品カテゴリー

Raw Material

List price Base 製品のList priceの設定方法

List Price PurchaseタブのList Priceの値を指定

Standard price Base 製品のStandard priceの設定方法

List Price PurchaesタブのList Priceの値を指定

Standard price Discount % 製品のStandard priceの設定方法 (割引率)

20 Standard priceは20%discount


72

製品価格の自動設定に用いられる、Price List Schemaのパラメータ項目を以下に示す。

データ項目内容設定例

Limit price Base Limit priceの設定方法

Fixed Price Fixed Limit Priceの値を指定

Fixed Limit Price Fixed Limit Priceの値

0.00 Limit priceに0.00を指定


73




4. まとめ [20min] 1. 質疑応答

2. 今後の活動 (フリーディスカッション)


74

<業務編>

1. 全体業務フロー・・・第9回勉強会

2. 会計業務

1. 会計入門・・・第10回勉強会

2. 財務会計・・・第11/12/13回勉強会

3. 管理会計

4. 税務会計

3. 人事業務

1. 人事業務

2. 給与計算

4. 販売・仕入業務

5. 在庫管理

6. 製造管理

今後の勉強会で取り扱っていくテーマを以下に記載します。


75

<システム編> 1. ADempiere基本コンセプト・・・第9回勉強会 2. ADempiere 3.4 ERP Solutions

1. ADempiereのインストール・・・第9回勉強会 • ADempiereのインストール • ADempiereクライアントの基本操作

2. 初期セットアップ・・・第10/11回勉強会 • 組織構造とクライアントの初期セットアップ • マスターデータのセットアップと会計処理の設定

3. 仕入・生産・販売・・・第12回勉強会 • 仕入 • Landed Cost 生産、販売

4. 会計・在庫管理 • 会計情報と設定 • 在庫管理

5. ワークフロー・レポート • ADempiereワークフロー • レポート管理

6. インポート・セキュリティ設定 • データのインポート • セキュリティの実装


76

著作権

本書の記載内容は、著作権の対象となっています。

本書の内容の全部または一部について、私的使用または引用等著作権法上認められた行為として、適宜の方法により出所を明示することにより、引用・転載複製を行うことができます。

免責事項

本書に記載されている情報の正確さについては万全を期しておりますが、利用者が本書の情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。

その他

本書は、予告なしに内容を変更またはSourceForge.jpからの公開の取りやめを行う場合がありますが、あらかじめご了承ください。

本書の記載内容に関するお問い合わせ先

ADempiere Japan Users Group

http://sourceforge.jp/projects/adempiere/

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