2013年08月 夏サミ2013-a5「devopsってどうなのよ?」

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Summit Developers Developers Summit 2013 Summer 黒帯ディベロッパーたちに聞く DevOpsって 伊藤直也 #natsumiA5 Sansan株式会社 Eight事業部 宍倉 功一 株式会社サーバーワークス 大石 本当のところどうなのよ?

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翔泳社主催のソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers Summit 2013 Summer」(夏サミ2013)で、サーバーワークスの代表 大石をモデレーターに、はてな・GREEでCTOを歴任された伊藤直也さん、Sansan株式会社でEightの開発指揮を執られている宍倉功一さんと3人で「DevOpsって本当のところどうなのよ?」と題したパネルディスカッション行いました。 本資料は、その内容をダイジェスト形式にまとめたものです。

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Page 1: 2013年08月 夏サミ2013-A5「DevOpsってどうなのよ?」

Summit Developers

Developers Summit 2013 Summer

黒帯ディベロッパーたちに聞く  DevOpsって

伊藤直也

#natsumiA5

Sansan株式会社 Eight事業部

宍倉 功一 株式会社サーバーワークス

大石 良

本当のところどうなのよ?

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Developers Summit 2013 Summer

自己紹介

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自己紹介

 宍倉功一(ししくら こういち)    Sansan株式会社 Eight事業部   Eight開発統括 兼   Webアプリケーションエンジニア    Twitter:  @orangesupporter  Facebook:  koichi.shishikura

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Meets

宍倉功一

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NAOYA ITO

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–  昭和48年7月20日 新潟市生まれ –  コンピューターの購入は11歳のとき、SHARP X1 –  中2の時に初めてプログラムが書籍に掲載 –  大学生の時にパソコン通信開始。本格的にシェアウェアを販売 –  総合商社でインターネットサービスプロバイダー事業に携わる –  2000年にECのASPを立ち上げるべく起業 –  2007年よりAWSの利用を開始 –  2009年よりAWS専業のインテグレーターとして活動 –  2012年 AWS Advanced Consulting Partner –  2013年3月 Developers Summit ベストバリュー賞受賞

おおいし 大石 株式会社サーバーワークス 代表取締役

クラウド の すけ

蔵人之助

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持ちネタ

切腹

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もし今日のパネルディスカッションで 皆さんに何も得るものがなければ・・・

切腹します

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本日のお題

DevOps って 本当のところどうなのよ?

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これからDDeevvOOppssをやろうとするときにBBiizzから、またはマネジメントから 聞かれるであろう問答を疑似体験する ことで、効果的に説明・説得できるよう

なヒントを提供する!

「本日のねらい」

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まずは聞いてみよう

宍倉さん、伊藤直也さんの DevOps成功例を教えて!

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宍倉さんのDevOps

•  Eightの開発は10名、運用は1名  •  最初からDevOpsを目指してやっていた訳では無く、

会社で最初のB2Cサービスだったので、運用レベルの向上が課題だった  

•  そのために①AWSの利用②サーバー構築の自動化③デプロイの簡略化(Capistrano)を進めていったら、結果的にDevOps的なものになった  

•  メトリクスを取得するためのツールは自作した  

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宍倉さんが考えるDevOpsのメリット

•  Eightでの実績  – 開発スピードと品質が向上した→(結果、20万

ユーザーのサービスに成長!)  – お互いのツールを理解することで、チーム間の相  

互理解が進んだ  

•  気をつけたこと  – 近くに座るとか、物理的なコミュニケーションも気

をつけた

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伊藤直也さんのDevOps

•  はてなでのDevOps  –  インフラ担当が3名でサーバー1,000台  –  手作業ではムリになって自動化を進めてきたのがPXE

ブートによる構築自動化→劇的に構築がスピードアップ!  –  2006年くらいにpuppetを使い始めるなど、2009年のVelocity  Conferenceの前からやっていた  

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DevOpsの定義って?

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伊藤直也さんの考える定義

•  広い意味  –  OpsとDevの溝を無くしてチームのベクトルをそろえる    

•  (最近の流れ)狭義  –  インフラをツールとコードで自動化していく方法論  

•  「DevOps」が狭義の意味で使われ始めている背景  –  2007-­‐2008年頃はオンプレが中心だったので、自動化の恩恵が限定的だった  –  今はAWSなどのクラウドが当たり前で、多数のサーバーを構築するケースが劇的に増

えた。そのため、手作業で構築することが非現実的になり、ツールやプログラミングでインフラを構築するアプローチが注目されるようになてきた

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現実

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現実

•  「DevOpsやってますか?」という  岩切さんの質問に対して  本日挙手した人  

0人

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使われていないのには  理由があるはず!

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なにが阻害要因?

「いいものだけど流行らない」原因は?    

① DevOpsはハードル高すぎない?  インフラエンジニアにRuby書けとかAWSのAPIを全部理解させるとかムリゲー  

② そもそもお客さんの方に「開発と運用をシームレスに」なんていう意識がないのでは?  

③ DevOpsで開発と運用の距離が近くなると、一つのプロジェクトに開発者(運用担当)がへばりつくようになって、退職などのリスクが増すのでは?  

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宍倉さんの反論

①DevOpsはハードルが高いんじゃ?。インフラエンジニアにコードを書かせるのはムリゲー  

•  逆にこれが醍醐味。教育が必要  

•  インフラエンジニアにコードを書いてもらう工夫は

いくつかある→ex.ペアプロ  

•  実績として1ヶ月くらいでOps側が(Chefの)recipeを書けるようになっている  

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伊藤直也さんの反論(1)

②そもそもお客さんの方に「開発と運用をシームレスに」なんていう意識がないのでは?  

•  確かに事情によって(エンタープライズ用途では)向かないケースもありえる  

•  アジャイル界隈でも「なんでもアジャイルにすればよいというわけではない」という議論に収束しつつあることと同様、「なんでもDevOpsにすればよい」という話ではない(DevOpsの適用自体が目的ではない)  

–  DevOpsの適用を積極的に検討すべきポイント  •  運用が継続するプロジェクトは絶対にやるべき  •  AWSなどコードで操作できるインフラを利用する場合は、そのメリットを引

き出すためにDevOpsを適用すべき  

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伊藤直也さんの反論(2)

③DevOpsで開発と運用の距離が近くなると、一つのプロジェクトに開発者(運用担当)がへばりつくようになって、退職などのリスクが増すのでは?  

•  完全に誤解。考え方が逆  •  今までは運用が継続すると複雑化してしまったサー

バーの状態なども、Chefのrecipeなどを使うことで誰でも同じ状態を保てるようにできる  

•  今までは運用担当者の頭にしか無かった暗黙知をDevOpsによってコード化し、属人性を排除することができる  

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斬り込みタイム

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DDeevvOOppssがDDeevvとOOppssとBBiizzのコミュニケーションの話なら、 BBiizz側の話を聞かないとダメ

じゃね?

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Biz側からツッコミ…

(宍倉さんに質問)  •  サービスの企画・営業としては正直  

DevとかOpsとかどうでもいい  んだけど、DevOpsをわざわざやる意味、  メリットってなんかあるの?

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Dev側から反論!

•  サービスの企画・営業としては正直「DevとかOpsとかどうでもいい」んだけど?  –  DevOpsって、そういう垣根を無くして「みんなで同じ方向を向こうぜ」と

いう話  –  DevOpsは早くアウトプットする方法論。早くリリースすれば早くフィード

バックが得られてビジネス側もメリットが増えるはず  –  DevOpsでない時(DevとOpsが分かれていたころ)は経験としてスピー

ドが遅かった。ビジネスのスピードを向上させるためにも、DevOpsは現時点での最適解だと思う

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Biz側からツッコミ…

(伊藤直也さんに質問)  •  そもそもDevとOpsが相互に協力できるような

組織になっていないんだけど?  •  DevOpsって、サービスの開発にしか使えなく

ない?SIビジネスにDevOpsとか使えるの?  

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Dev側から反論!

•  DevとOpsが相互に協力できるような組織になっていないんだけど?  –  これはマネジメントの問題  –  DevとOpsが協力できるような組織にする努力を、マネジメントが行っ

ていく必要がある  –  DevOpsの目指すところは、自動化によるビジネスのスピード向上。

DevOpsは、スピードの向上によって変化に対する適応力をつけようという(アジャイルやリーンスタートアップと同様な)流れの一部。部分的に閉じた自動化を行っても影響は限定的なので、自動化によるスピード向上を組織全体に適用していくべき  

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Dev側から反論!

•  DevOpsって、サービスの開発にしか使えなくない?SIビジネスにDevOpsとか使えるの?  – これからは継続的な開発(頻繁なリリース)が前提の

案件が増えると考えられるので、適用できるケースは増える  

– 開発環境をDevOpsで構築していくような方法もある  –  「こういうケースではできない」という話では無く、カス

タマイズして自分たちの組織に部分的に適用することもできる  

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じゃあどうするの?

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SIビジネスの現場にDevOpsを導入するには?

•  コンシューマーサービス(Eight)の開発に従事している宍倉さんのアイディア  – DevOpsの神髄はチームのコミュニケーション  – 設計段階からOpsチームのメンバーにも参加して

もらう  – 小さくはじめてみる。部分的な協力からはじめてみ

よう!  

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SIビジネスの現場にDevOpsを導入するには?

•  コンシューマーサービスの開発でDevOpsをバリバリやってきて、アジャイルとかDevOpsとかの先端パラダイムをエンタープライズに持ち込もうと奮戦している、伊藤直也さんのアイディア  –  エピソード:  

•  SIerのところにお客さんから「AWSを使いたい」「アジャイルでやってほしい」という話がくる  

•  ところが、そのままやっても満足されない  •  よく調べてみると、お客さんの期待はそういう表面的なことではなく、「本当に求めて

いる期待にもっと高いレベルで応えて欲しい」ということだった  

–  このエピソードから分かるように、DevOpsもそれ自体が目的なのでは無く、変化に対して強く、たくさんの試行錯誤を繰り返せるような「柔らかい」組織にしましょう、という手段の話  

–  重要なことは「何をやりたいか」という目的を明確にすること

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SIビジネスの現場にDevOpsを導入するには?

•  Biz側代表としてモデレータからも1つアイディアを  •  Bizなヒトにとって一番大切なメトリクスは「お金」  •  AWSならお金の情報が全て取れるので、サーバーワークスではそれを

Salesforceに突っ込んで見られるようにしている。これで、うまくいっているのかいないのか、コストはどれだけかかっているのか、Dev,  Ops,  Bizが共通のメトリクスで会話できるようになる  

•  定性的な情報や感情で議論するのでは無く「事実」で議論できる素地が整う

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AAWWSSの利用料金をSSaalleessffoorrcceeでレポート化

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クラウド利用で メトリクス取得が容易に

↓ DDeevvとOOppssとBBiizzが

共通の数字で語り合える基礎 ができる

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いかがでしたか?

Page 38: 2013年08月 夏サミ2013-A5「DevOpsってどうなのよ?」

切腹しろ

という方は お申し出下さい

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Let’s  Dev♡Ops

黒帯ディベロッパーのお話を参考に、  サービス開発だけでなくSIビジネスの現場でもDevOpsが適用できるように、そしてDevもOpsもBizもハッピーな職場にできるよう  このムーブメントを一緒に拡げていきましょう!

#natsumiA5

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Developers Summit 2013 Summer

Speakers

Speaker  and  moderator            Special  Thanks  to…  •  翔泳社取締役・デブサミプロデューサー 岩切晃子さん  •  デブサミ事務局 荒井千恵さん

伊藤 直也 @naoya_ito h]p://d.hatena.ne.jp/naoya/

宍倉 功一 @orangesupporter

大石 良 @ooishi h]p://blog.serverworks.co.jp/ceo/