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ZENDESKベンチマーク 調査対象:ネットプロモータースコア(NPS) を使用した顧客ロイヤルティの計測 Q3 2014

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ZENDESKベンチマーク 調査対象:ネットプロモータースコア(NPS)

を使用した顧客ロイヤルティの計測

Q32014

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

目次

概要 01

02

10

12

13

14

調査対象:ネットプロモータースコア

顧客ロイヤルティの測定NPSベンチマークのパイロット調査NPSアンケートの回答率およびコメント率NPSアンケートの回答の分析NPSアンケートの効果を高めるための5つのヒント

02030408 09

改良されたZendeskベンチマークテスト

Zendesベンチマークについて

付録

第3四半期における主な変化

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

概要今回の四半期ベンチマークレポートでは、Zendeskに新たに導入された「ネットプロモータースコア®(NPS)」指標について詳しく解説します。NPSを使用することで、 企業は顧客ロイヤルティを測定できます。 10万3,000件ものNPSアンケートの回答に基づいて行われたNPSデータの初回分析では、 適切なNPS値および、 NPSアンケートからどのようなフィードバックを得ることができるかが明らかになりました。

初回のアンケート結果によると、NPSのグローバルスコアは33でした。さらに、踏み込んでみて見ると、アンケート回答者の53パーセントが、自由記入式のフィードバックコメントも残しています。さらに、定性的なフィードバックの分析を行うことで、良いカスタマーサービスの経験が、長期的な顧客ロイヤルティに与えうる影響についても洞察を得ることができました。

第3四半期の国別の調査結果の目立った動きとして、ペルー、アルゼンチン、イタリアの顧客満足度が第2四半期から大きく躍進しています。業界別のベンチマークでは、旅行、Webホスティング、エンターテインメント/ゲームの各業界が大きな改善を示しました。

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Zendeskベンチマーク

Net Promoter、Net Promoter Score、および NPS はSatmetrix Systems, Inc.、Bain & Company, Inc.およびFred Reichheldの商標です。

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

調査対象:ネットプロモータースコア顧客ロイヤルティを測定する

Zendeskでは、長期的に見た企業とお客様との関係の、健康状態を計測するために、ネットプロモータースコア(NPS)アンケートツールを新たに導入しました。基本的には、NPSは顧客ロイヤルティを計測する指標です。NPSのような指標を長期にわたって追跡することで、企業はお客様に与える印象を定量化でき、企業の長期的な成功に欠かせない貴重なフィードバックを収集することができます。「X社を知人に勧める可能性はどのくらいありますか?」という1つの質問(図1)を通じて、強力なエバンジェリストであるお客様や、リスクを拡散させるお客様を、すばやく見つけ出すことができるようになるのです。

アンケートから得られるのは、定量的データおよび定性的データの両方です。お客様がつけたスコアを集計したものがNPSであり、それは長期にわたって追跡、改善をしてゆくことができます。また、お客様が残した自由記入式のフィードバックコメントからは、お客様が企業とその製品についてどのように感じているか、さまざまな洞察が得られます。

> NPSについて詳しくはこちらのページ をお読みください。

図1 ZendeskによるNPSアンケート

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

NPSベンチマークのパイロット調査

過去2か月間、Zendeskの顧客企業はZendesk NPSアンケートツールをパイロット運用(試験的に使用)し、100万件を超えるアンケートをエンドユーザーに配布しました。今回の分析結果は、同パイロット期間中に230社の企業から回収された10万3,000件のNPSアンケートの回答に基づいています。今期の四半期レポートには、お客様から20件以上の評価を受けた企業のみが含まれています。この数値は、初期調査結果のプレビューのようなものであり、公式なベンチマークとしての数値を意味するものではありません。今後、統計的に有意となる回答サンプル数が得られ次第、NPSベンチマークの正式な指標を策定します。

22か国と16業種の企業から収集したこの初期データセットからは33というNPS値が得られました。NPSの計算方法について詳しくない方のために補足をすると、企業はNPSを算出する際に、お客様が付けた0~10の11段階の評価に基づいて、お客様を3つのグループに分類します。

• 0~6の評価を行ったお客様は、その企業に不満を持つ「批判者」です。たいていの場合、友人や同僚にその企業の製品やサービスを使用することを止めさせようとします。

• 7~8の評価を行ったお客様は、その企業のことを他人に積極的には勧めることのない「中立者」です。

• 9~10の評価を行ったお客様は、その企業を他人に積極的に勧める「推奨者」です。

次に、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いてスコアを算出します1 (図2)。

NPSの分布を見ると、評価は11段階の評価の両端に偏る傾向があり、回答者の54%が「0」または「10」を付けています(図3)。NPSの各カテゴリ(推奨者、中立者、批判者)の割合に応じて評価をグループ分けすると、回答者の55%が推奨者であることが分かります。

グローバルNPSの測定は確かに興味深い統計ですが、お客様の感情やロイヤルティは、お客様のタイプや企業とどのようなやり取りが行われるかに大きく左右されます。お客様のZendeskの利用目的はさまざまですが、用途の大半は、従来のカスタマーサービスです。つまり、企業が他の企業や個人消費者へのサポートを提供するというものです。一方で、IT部門や人事部のように、社内の他の部門へのサポートを提供するためにZendeskを使用しているという組織もあります。

NPSアンケートは、通常、企業と社外のお客様との関係を測定するための手段として使用されます。しかし、特に大企業では、社内向けのサービスを提供する部門でも、他の社員からのフィードバックを収集する手段として、NPSアンケートに価値を見出しています。サービスの対象となるお客様のタイプ別にNPSの結果を詳細に見ていくと、個人消費者にサービスを提供する業種のNPSは、他の業種よりも高いことがわかります(図4)。とはいえ、最も高いスコアを示したのは、社内の他の部門にサービスを提供するチームのNSPです。NPSの回答者が、取引先の企業よりも、自分の同僚に高いNPS評価を与えたくなるのはもっともなことかもしれません。

1 推奨者の合計の割合から批判者の合計の割合を差し引いた値とNPSベンチマークの値が等しくない理由は、ベンチマークでは、お客様ごとに計算してから、すべてのお客様に対して中央値のNPSを取

っているからです。詳細については、このベンチマークレポートの巻末にある「改良されたZendeskベンチマーク」のセクションを参照してください。

図3 NPS評価の分布

図2 NPSの計算

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

では、このNPSの結果は良いのか悪いのか、どちらを示しているのでしょう。 それは場合によって異なります。この最初のNPSがすべてを物語っているわけではありません。NPSについての私たちの理念は、最初のスコアはベースラインにすぎないということです。NPSの結果の最も重要な部分は、お客様からのフィードバックです。そして、お客様のフィードバックやニーズに答えることができたら、それはNPSにどのように影響を与えるでしょうか。

NPSアンケートの回答率およびコメント率

世界最大のホテル料金比較サイトの1つであるtrivagoの顧客窓口の責任者は、改善が必要な点を知るために、お客様にNPSアンケートを送りました。 その結果、Webサイトに関するフィードバックが非常に多かったため、同部門は、お客様のショッピングエクスペリエンスを改善すべく、このフィードバックを製品チームと共有しました。 NPSアンケートを実施することで、 企業はどの程度のお客様からのフィードバックを期待できるものなのでしょうか。

回答率とコメント率という点で、NPSアンケートを、一般的なアンケート調査(顧客満足度)と比較してみました(図5)。どちらの調査も、製品やWebサイト内でアンケートを組み込むのではなく、お客様に直接メール配信する方法をとっています。

世界最大のホテル料金比較サイトの1つであるtrivagoは、ユーザーサポートに対する満足度だけでなく、企業としてのtrivagoに対するお客様の印象を知りたいと考えました。そこで、trivagoのユーザーサポートチームの責任者であるJulia Sadowski氏は、初回のNPSアンケートを送信しました。お客様から膨大な数のコメントが返ってきたことについて、Sadowski氏は、「Webサイトに関して非常に多くのフィードバックを得ることができ、改善が必要な点に関する情報を製品チームと共有できた」と述べています。企業としてのNPSが算出されたことで、同チームは、今後も改善のベンチマークとしてNPSを使用することを計画しています。

NPS: -1 回答率: 15% 業種: 旅行、接客、観光

32 29 49個人消費者をサービス対象とする企業

企業をサービス対象とする企業

社内の他の部門を サービス対象とする部署

図4 サービス対象のお客様タイプ別NPS

4

図5 Zendeskの顧客満足度調査の例

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期 5

21%

13%

顧客満足度調査

NPSアンケート

回答率は、アンケートへの協力を依頼したお客様の数に対して、回答をいただいたお客様の数の割合を表しています。顧客満足度調査の回答率は、NPSアンケートの回答率よりも1.6倍高い数値を示しています

(図6)。この理由として、多くの場合、顧客満足度調査は、お客様が会社に問い合わせをした直後に送信されているということがあげられます。

一方、NPSアンケートは、お客様と企業の間にやり取りがあったかどうかに関係なく、顧客基盤の各層を代表する幅広い顧客サンプルに対して実施されます。NPSアンケートのベストプラクティスでは、ランダムに抽出した顧客サンプルに定期的にアンケートを送付するのが、回答の偏りを避け、最も正確なフィードバックを収集するための最良の方法であることを示唆しています。

会社を評価できるだけでなく、NPSアンケートと顧客満足度調査では、評価の理由についてお客様が自由にコメントする機会を提供しています

(図7、図8)。

図6 調査タイプ別の回答率の中央値

図7 NPSアンケートのコメント欄

図8 顧客満足度調査のコメント欄

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

28%

63%

25%

53%

50%

37%

55%

コメント率全体の中央値

悪い評価のコメント率の中央値

良い評価のコメント率の中央値

批判者(評価0~6)のコメント率の中央値

中立者(評価7~8)のコメント率の中央値

推奨者(評価9~10)のコメント率の中央値

顧客 満足度 調査 NPSアンケート

調査別および評価別のコメント率

図9 調査別および評価別のコメント率

自由記入式のフィードバックコメントを残したお客様の割合を見ると、NPSアンケート全体のコメント率は顧客満足度調査のほぼ2倍になっていることがわかります(図9)。NPSアンケートへの回答率は顧客満足度調査の半分であっても、NPSアンケートに回答するお客様は説明を記入する傾向にあるため、企業にとって貴重なフィードバックになります。

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

評価の種類に着目してコメント率をさらに詳しく見ると、顧客満足度調査では悪い評価を付けたお客様の63%がフィードバックコメントを残しているのに対し、 良い評価を付けたお客様のうちフィードバックコメントを残しているのはたった25%でした。企業とのやり取りで悪い印象を持ったお客様は、その点について不満を表明する傾向にありますが、これは本質的には悪いことではありません。それは、企業がお客様をフォローアップし、印象を好転させるチャンスでもあるからです。

一方、NPSアンケートでは、批判者と推奨者のコメント率がそれぞれ50%と55%という高水準を示しています。NPSの評価スケールの両端を占めるお客様のコメント率が高い理由は、そのようなお客様は企業に対して強い感情を抱いていて、その理由をフィードバックとして残しやすい傾向にあるためです。一方、中立者は、単に評価において中立的であるだけでなく、フィードバックについても中立的な傾向があり、NPSアンケート回答に関してコメントを残したのはわずか37%でした。

コメント率だけでなく、フィードバックコメントの長さもまた、お客様が付けたNPSの評価によって異なります(図10)。傾向として、推奨者のコメントは短く、 中央値で63ワードです。これらのコメントの多くは、「この会社の大ファンです」のような短いフレーズでした。一方、批判者は、長いコメントを残す傾向にあります。悪い評価の理由を十分に説明しようとするせいか、コメントの長さは中央値で106ワード、95パーセンタイルでは残されたコメントは542ワードに達します。

図10 推奨者、中立者、および批判者のNPSアンケートの自由記入コメントの長さ(ワード数)

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欧州最大手の高級コスメブランドのオンラインショップ、feelunique.comのオペレーションディレクターであるCraig Wheeler氏は、国際的な顧客基盤を積極的に開拓するために、ZendeskのNPSアンケートツールを利用しました。NPSアンケートのシンプルさは、国際的なお客様からの応答の速さを裏付けするものであり、アンケートの送信から24時間後には8%の回答率を得ています。69という高いNPSを得たことで、Wheeler氏と彼のチームは、批判者に対するフォローアップや、引き続きよりよい顧客関係を構築するために推奨者に報いることなど、NPSについてさまざまな計画を立てています。

NPS: 69 回答率: 10% 業種: リテール

企業にとっては、選択式のアンケートの回答よりも、率直な意見を聞ける自由記入のフィードバックのほうがより高い価値があります。自由記入式のコメント欄には、企業に対して強い感情(プラスよりもマイナスの感情が多い)を抱いているお客様が、その思いをすべて書き出すことができるからです。自由記入式のフィードバックにより、企業は、Street light effect(探しやすい場所ばかり探してしまうことによるバイアス)を回避できます。

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

NPSアンケートの回答の分析

では、推奨者と批判者は、具体的にどのような内容をコメント欄に記したのでしょうか。Zendeskでは、お客様を推奨者または批判者たらしめている主な理由を把握するために、両グループについてNPSアンケートの自由記入式フィードバックを分析しました。お客様からフィードバックを集めるだけでなく、集めたフィードバックから効果のある施策を導くことが重要なのです。

この定性的なフィードバックを分析するために、自由記入のフィードバックに含まれるフレーズと、そのフレーズを含む回答が推奨者と批判者のどちらのものであるかの相関を調べました。今回は、そのフレーズがコメントに含まれている場合に、推奨者のコメントに含まれている確率がどれくらい高いのか、あるいは批判者のコメントに含まれている確率がどれくらい高いのかという条件付き確率に基づいてリストを作成しました。

この分析(図11)は、「引き続きこの企業の製品やサービスを利用するか」や、「企業や製品について口コミをするか」といった、企業の総体的な印象に対して、カスタマーサービスが与える影響の重要性を明らかしています。

そこで、カスタマーサービスとNPSフィードバックとの関係を理解するために、サポート後の顧客満足度を測定する顧客満足度データについて調べてみました。カスタマーサービスとのやりとり後にお客様が残した満足度評価に基づいて、推奨者、中立者、批判者を分類してみると、過去にカスタマーサービスに好意的な評価をした(「満足」と回答をした)お客様の62%は、NPSアンケートの結果でも推奨者として分類されるということがわかります(図12)。対照的に、過去のカスタマーサービスのやりとりで悪い評価を付けた(「不満」と回答をした)お客様が推奨者となる割合はわずか17%です。

図11 NPSアンケートのフィードバックに関する推奨者と批判者の比較

図12 過去の顧客満足度調査で良いまたは悪い評価を付けたNPS推奨者、中立者、批判者の分布

1. サービスがよい2. カスタマーサービスがよい3. 価格が安い4. 使いやすい5. 品質がよい6. 商品の配送/サービスの提供がはやい

1. カスタマーサービスがひどい2. 時間の無駄3. 効果がない 4. 時間がかかりすぎる5. 聞いたことがない6. 使いづらい

推奨者のコメントで よく使われるフレーズ

批判者のコメントで よくつかわれるフレーズ

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

NPSアンケートの効果を高めるための5つのヒント

各企業は各種NPSアンケートツールを自由に選ぶことができますが、どのツールにも応用ができる、NPSアンケート最大限活用のためのヒントをいくつか紹介しましょう。

1. 調査はシンプルに: 回答率とコメント率が高くなります。調査フローに追加する質問が増えるほど、調査の回答率は低くなります。必要があれば、後から個々の事情に合わせて妥当な質問をすることで、いつでもフォローアップはできます。

2. NPSの方法論に従うこと: NPSアンケートには、アンケートの偏りを低減するためのベストプラクティスが組み込まれています。さらに、標準のNPSアンケートを選ぶことで、他の会社を基準としたベンチマークと比較を行うこともできます。

3.顧客基盤から無作為抽出した顧客サンプルをアンケート対象とする: こうすることで、お客様の感情を正確に読み取ることができます。集計と分析に十分な回答を集めるには、NPSアンケートへの協力を2,100人以上のお客様に依頼することをお勧めします。

4. 定性的なフィードバックに注目する: 評価やスコアのみに着目するのではなく、お客様がその評価を付けた理由を理解することが重要です。また、お客様のフィードバックから、カスタマーエクスペリエンスを改善するためのチャンスを見出すこともできます。

5. 調査を定期的に実行する(毎月、四半期ごと、など): NPSの傾向を長期にわたって定期的に追跡します。調査の頻度はどの程度が適当でしょうか。経験則として確かに言えることは、調査が頻繁過ぎて、前回のアンケート結果の分析、対策の立案、実行をしていないうちに次のアンケートを送信してしまうということがあってはいけないということです。

ZendeskのNPSアンケートツールは、Plus、Enterprise、Enterprise Eliteの各プランのお客様に無料でご利用いただけます。

お客様の意見を知ることは、企業にとって、改善すべき点と改善策を見出す手引きとなります。また、問題が発生する前にお客様をフォローアップしたり、対話を始める機会にもなります。フィードバックへの感謝を述べたり、詳しい情報の提供を求めたり、コメントで報告された問題を解決することが、対話のきっかけとなるでしょう。

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オーストラリア最大のeコマース企業であるCatchグループでカスタマーエクスペリエンス部門の責任者を務める Adam Rudy氏は、お客様をよりよく知るためにNPSアンケートを実施しました。その結果、お客様から得られた率直なフィードバックにより、カスタマーエクスペリエンスを向上させるための改善点が明らかになりました。このデータが得られたことで、Rudy氏はビジネスに対して加えた変更の影響を測定し、それらの変更がカスタマーエクスペリエンスの向上にどのように結びついたかを示すことができるようになったのです。「当社のNPSが58という結果になったことを、非常に誇りに思います」とRudy氏は述べています。「しかし、もっと重要なのは、当社のどの部分がお客様の期待に応えられていないかを特定できたことです。」

NPS: 58 回答率: 21% 業種: リテール

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

改良されたベンチマークテスト

当社では第2四半期に、現在のベンチマークの集計方法について再検討してきました。お客様からのフィードバックの中で多かったものの1つに、Zendeskベンチマーク指標の妥当性に関するフィードバックがあります。たとえば、どのような業界においても、その業界に属する企業の規模は、会社によって大きく異なります。わずか数人の顧客しか持たない個人経営のショップと、数百万人の顧客を抱える大規模なグローバル企業の両方に、同じベンチマーク指標を適用できるものでしょうか。非常によい質問です。当社ではこの質問に対処するために、現在のベンチマークの方法を改善することにしました。

従来は、たとえば業界別の顧客満足度のベンチマークを算出する場合、その業界におけるすべての回答を集計して平均満足度を算出していました(図13)。この方法は、実行可能で正確なアプローチですが、業界内で満足度調査の送付件数が多い企業に数値が偏向する可能性があります。

図13 以前のベンチマーク方法

A社B社C社

高い満足度評価の回答

満足度回答の合計

245

300

= 顧客満足度の評価のベンチマーク

= 81.7%

100

100

会社 顧客満足度評価の件数 アンケートの回答数 満足度の評価

908075

顧客満足度評価の合計: 245

100100100

調査回答数の合計: 300

90%80%75%

ベンチマーク: 81.7%

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

調査の送付件数が多い企業への偏りを解消したいと考えた理由としては、通常は送付件数が大量になる原因が、サポートチケットの大量発行にあるためです。 一般的に、チケット件数の増大と顧客満足度評価の低下には相関関係があります(図14)。そのため、以前のベンチマーク算出方法では、大量のチケットが発行された企業の満足度調査が大規模化し、顧客満足度評価が低下するという偏った結果となっていました。

今後は、業界向けの顧客満足度のベンチマークは、個々の会社全体の満足度評価の中央値で示します(図15)。中央値は、基本的に50パーセンタイルです。中央値をベンチマークとすると、そのグループ内のお客様の半分はベンチマークよりも高い値であり、残りの半分がベンチマークよりも低い値となります。この変更によるメリットは、同じ業界の各会社を同一の基準で比較検討できるようになったことです。つまり、満足度調査を数件しか配布していない個人経営のショップと、数千件の満足度調査を配布した大規模なグローバル企業とを、同じ基準で比較検討できるようになるということです。 この変更は、すべてのベンチマーク指標に対してグローバルに適用されており、この第3四半期レポートにも反映されています。

図14 月間の平均チケット数に基づく企業の顧客満足度

図15 新しいベンチマーク方法

A社B社C社

会社 お客様満足評価の数 調査回答数 満足度の評価

908075

100100100

90%80%75%

満足度評価ベンチマークの中央値: 80%

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

第3四半期における主な変化 Zendeskでは、四半期ごとに、国別および業界別に企業の顧客満足度を比較します。ここでは、顧客満足度が大きく躍進した国や産業、大きく後退した国や産業に注目し、2014年の第2四半期から第3四半期の間で起きた大きな変動を紹介します。

1. ぺルー

2. アルゼンチン

3. イタリア

1. 旅行

2. WEBホスティング

3. エンターテインメント/ゲーム

1. インドネシア

2. アラブ首長国

3. ベトナム

1. 不動産

2. リテール

3. WEBアプリケーション

国名

業界

国名

業界

前四半期からの変化*

前四半期からの変化*

前四半期からの変化*

前四半期からの変化*

Q3の顧客満足度

Q3の顧客満足度

Q3の顧客満足度

Q3の顧客満足度

Q2の顧客満足度

Q2の顧客満足度

Q2の顧客満足度

Q2の顧客満足度

8.8

1.6

5.1

1.3

4.4

1.2

76.5%94.5%96.2%

91.8%95.3%86.7%

79.4%88.7%82.6%

94.7%89.9%94.2%

67.7%89.4%91.7%

90.3%94.0%85.6%

86.1%92.5%85.1%

96.1%90.4%94.3%

顧客満足度が低下した国

顧客満足度が低下した業界

6.6

1.4

3.8

0.4

2.5

0.2

顧客満足度が大きく改善された国

顧客満足度が大きく改善された業界

すべての業界および国の順位リストについては、「付録」を参照してください。

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* 増減率(%ポイント単位)

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

ZENDESKのベンチマーク調査の背景Zendeskベンチマーク調査は、参加企業が自社のサポートのパフォーマンスを同業他社と比較する手段として、2012年3月に初めて導入されました。

Zendeskベンチマーク調査は、アンケートによる意識調査や専門家の所見ではなく、調査への参加に同意した140か国、2万5,000社以上の企業における実際のサポートおよびカスタマーサービスにおけるやり取りに基づいています。このデータにより、1)お客様満足、2)初回の対応時間、3)チケットの量に関する重要な指標を測定します。Zendeskベンチマークに含まれている会社は、これらの3つのパフォーマンス指標を使用して、業界、ターゲットオーディエンス、または企業規模の観点について、同じ目標を掲げている他の企業と自分の企業を比較することができます。

Zendeskでは、四半期ごとに、既存のベンチマーク指標の全体的な傾向を調査・報告すると同時に、お客様との関係とサポート業務の健全性を企業が評価できるよう新しい方法を開拓しています。ベンチマークの指標は、 通常、回答件数が最小条件を満たした区分(業界別、国別、その他)ごとに報告されます。国をレポート対象に含めるには、顧客満足度調査に対して当該四半期内に少なくともその国の10社以上の企業から10,000件以上の回答を必要とするため、必ずしもすべての国が四半期レポートに掲載されるとは限りません。

今期のレポートに含めたNPSデータは、Zendesk NPSアンケートツールをパイロット運用したお客様から収集されたもので、このグループ全体で10万人以上のお客様にアンケートを送信しました。初回の分析結果は、 同パイロット期間中に230社の企業から回収されたNPSアンケートへの10万3,000件の回答に基づいています。今回の四半期レポートに掲載されるためには、お客様から20件以上の評価を受けている必要があります。この数値は、初期調査結果のプレビューのようなものであり、公式なベンチマークとしての数値を意味するするものではありません。

https://www.zendesk.co.jp/resources/zendesk-benchmark-2014q3

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Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期

付録

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97.1% 94.5% 89.7%

97.0% 93.7% 88.7%

87.6%

96.7% 93.5% 88.7%

86.8%

96.5% 93.3% 88.3%

82.6%

96.2% 93.3% 87.7%

79.4%

96.0% 92.9% 87.6%

76.7%

76.5%

67.1%

95.6% 92.4%

95.6% 92.3%

95.5% 92.1%

95.3% 91.8%

94.9% 91.8%

94.8% 91.4%

94.5% 90.7%

1.

2.

3.

4.

5.

6.

7.

8.

9.

10.

11.

12.

13.

14.

15.

16.

17.

18.

19.

20.

21.

22.

23.

24.

25.

26.

27.

28.

29.

30.

31.

32.

33.

34.

35.

36.

37.

38.

39.

ニュージーランド アルゼンチン スペイン

ベルギ― イスラエル アラブ首長国

ルーマニア

アイルランド フィンランド ポーランド

インド

南アフリカ オランダ タイ

ベトナム

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Q2(2014) 国名

Q2(2014) 国名

Q2(2014) 国名

Q1(2014) との比較*

Q1(2014) との比較*

Q1(2014) との比較*

0.4 5.1

0.2

2.8

0.5 2.8

1.5

0.8

4.4

0.2

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0.3

0.3

2.6

1.3

1.0

0.9

0.9

2.9

0.9

2.8

8.8

0.1

3.1

2.52.4

0

0.3

0.5 0.1

0.6

0.3

3.8

2.4

0.4

6.6

2.5

1.5

1.2

国別顧客満足度ランキング 15

* 増減率(%ポイント単位)

Page 18: 2014 ZENDESKベンチマーク...Zendeskベンチマーク 2014年第3四半期 概要 今回の四半期ベンチマークレポートでは、Zendeskに新たに導入された「ネットプロモータースコア®(NPS)」指標について詳しく解説します。NPS

98.1% 95.5% 91.8%

97.7% 95.3%

96.2%

90.5%

97.4% 95.0% 89.9%

96.2% 94.7% 86.7%

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95.6% 93.2%

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政府 / 非営利団体

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ソフトウェア マーケティング / 広告

Q2 (2014) 業界

Q2 (2014) 業界

Q2 (2014) 業界

Q1(2014) との比較*

Q1(2014) との比較*

Q1(2014) との比較*

0.80.2

0.8

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1.3 0.2

1.6

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業界別顧客満足度ランキング

0.1

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* 増減率(%ポイント単位)