リスク可視化20140921
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第1回日本医療安全学会学術総会での講演資料TRANSCRIPT
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リスク可視化の基本的方法~お茶大伊藤研究室の事例を含めて~
伊藤貴之お茶の水女子大学
理学部情報科学科 教授
2014 年 9 月 21 日 第 1 回日本医療安全学会学術総会
Itoh Laboratory, Ochanomizu University
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最初に言い訳
• 根っからの理工学・情報科学の出身です– 理工学部出身 → IT 企業 → 情報科学科教員
• 医療安全の業務に携わったことはありません– 医療安全の学会も初めての参加です
• 『手段の研究』の話をします– 汎用的な道具(=手段)としての可視化の研究をしています
• 本講演の論旨:1) 可視化の定義2) 他分野でのリスク可視化の研究事例紹介3) 可視化の適用に関する議論
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
Itoh Laboratory, Ochanomizu University
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「可視化」とは…さまざまな定義
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物理実験(例:流体計測)
現物化 可描化 可読化
電力利用状況
捜査の可視化
計算機上の描画
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本講演での「可視化」の範疇
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Itoh Laboratory, Ochanomizu University
• 計算機の画面上での『可描化』• 主に以下を対象とする
– 計算によって初めて得られる知見の表現– 文章や数字では伝えきれない情報の伝達– 図示することで初めて理解できる知識の理解
本講演が対象としない事例 1:
「今日の電力消費は 80% 」
図示しなくても読み上げれば理解できる事象を「可視化」と称する事例
本講演が対象としない事例 2:
「ビデオによる捜査の可視化」
計算しなくても撮影すれば理解できる事象を「可視化」と称する事例
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「可視化」には学術的に 2 種類ある
• Scientific Visualization (SciVis)– 主に科学技術系データ
(物理計算、医療画像、分子…)
– 主に物理空間
• Information Visualization (InfoVis)– 科学に限らず一般的なデー
タ (金融、流行分析、セキュリティ…)
– 主に論理空間
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「可視化」には学術的に 2 種類ある
• 歴史的には SciVis のほうが古い– 流体の実験・計算結果の表示– 分子構造の立体表現– 医療画像からの 3 次元形状の復元
• 本講演では InfoVis を対象– 直訳すると「情報可視化」– 「データ可視化」と呼ぶ人も
(明確な定義の違いはない)
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医療関係者の中には、可視化といったらSciVis を連想する人も多いはず
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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TED で発表された有名な可視化の例
• Facebook に現れる『失恋・別れ』の件数
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http://mashable.com/2010/11/02/facebook-status-updates-breakups/
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難しく考える必要はない
• 世界で最近最も注目された可視化結果のひとつは単なる折れ線グラフである
• 棒グラフや折れ線グラフだけでも可視化は実現できる– 例えば EXCEL の表やグラフは立派な可視化ツールである
• 可視化はさりげなく日常に浸透している– マスメディアでの「インフォグラフィックス」の普及– インターネット上でのリアルタイムな可視化技術の普及– 解説書の充実
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インターネット上の事例紹介 (1)
• 金融動向の可視化 (finviz.com)
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インターネット上の事例紹介 (2)
• 人名の変遷の可視化 (http://www.babynamewizard.com/)
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インターネット上での開発環境
• 例えば D3.js
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有名な書籍に紹介されている技法
• 棒グラフ、折れ線グラフ以外にも身近によく見かける数々の技法が「可視化」を実現する
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レーダーチャート
Sankeyチャート
バブルチャート
ヒートマップ
• 言い換えれば、可視化するだけなら既存の描画技法で十分である
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では情報可視化の学術的論点はどこなのか
• 新しい表現の追求• 大規模化、複雑化への対応• 入力情報による分類 [1]
• 操作方法
• 実用分野の拡大• 視認性や実用性の検証・評価• その他…
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[1] B. Shneiderman, The eyes have it:a task by data type taxonomy for informationvisualizations, Proc. Visual Languages, 1996.
Visual information seeking Mantra (念仏 ) [1]
Overview first, zoom and filter, details on demand
高次元、木構造、グラフ、時系列…
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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TED で発表された有名な可視化の例(再び)
• Facebook に現れる『失恋・別れ』の件数
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http://mashable.com/2010/11/02/facebook-status-updates-breakups/
この 1枚を見ただけでも別れに関する多彩な事象が理解できたような気になる…が…
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本当に我々は全てを理解できたのか?
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どこの国に多い現象?
単なる別れなのか、次の人を見つけたの
か ?
なぜこの日に激減するのか?
なぜ 4 月の月曜 ? この細かい凹凸に
意味はあるか ?
1枚の可視化結果に全ての知識が現れているわけではない
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Visual Analytics … より深い知識の発見へ
• 情報をそのまま可視化して得られる知識は限られている
• そこで「分析と可視化を反復する」ことで知識を発見するシステムの開発が進む → Visual Analytics の台頭
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可視化
人間による操作・判断
計算機による分析
知識・勘
次の分析への意思決定
知識発見領域特定
重要知識の付与局所への絞込み
情報提示
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ウェブのアクセス傾向の単純な情報可視化
• ページごとのアクセス数を単純に 3D棒グラフに
棒 → ページ色 & 高さ → アクセス数境界線 → ディレクトリ
• 単純な集計結果を表すのみ
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講義資料
論文
トップページ
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※データ:お茶の水女子大学伊藤研究室ウェブサーバーより
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ウェブのアクセス傾向の Visual Analyticsの例
• まずアクセスパターンを分析し、その結果を色で表現する
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研究室メンバー
出張記 2
出張記 1
講義科目リスト
科目 A
論文
科目 B
一定以上の人数が訪問したページのセットに特定の色を割り当てる
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※データ:お茶の水女子大学伊藤研究室ウェブサーバーより
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ウェブのアクセス傾向の Visual Analytics の例
• まずアクセスパターンを分析し、その結果を色で表現する
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出張記 1
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2000 年の出張記(全 17ページ)を全ページ読んでいる人が一定数いる
※データ:お茶の水女子大学伊藤研究室ウェブサーバーより
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ウェブのアクセス傾向の Visual Analyticsの例
• まずアクセスパターンを分析し、その結果を色で表現する
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科目 A
論文
科目 B
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科目 A
科目 B
試験のある科目 (A) は全資料にアクセスがあり、試験のない科目 (B) は一部の資料にアクセスがある
科目 (A)
科目 (B)
※データ:お茶の水女子大学伊藤研究室ウェブサーバーより
![Page 24: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/24.jpg)
リスク管理には Visual Analytics
リスク管理には多角的な情報から重要な知識を切り出す必要がある→ 必要なのは単なる可視化ではなく Visual Analytics である
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• 単なる可視化なら既に便利なツールが揃っている
• 複雑な Visual Analytics には専用の作り込みが必要(必要に応じてご相談下さい)
• 情報を多角的に表示する複数の可視化技術• 重要な知識を切り出すための分析技術• これらの技術を正しく組み合わせる全体的な設
計
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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![Page 26: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/26.jpg)
薬物探索情報の可視化
• 製薬には時間がかかる– かつて New York Times で、 1 種類の薬品の開発に
『 12 年& 8億ドルかかっている』と報道されたことがある
• 探索プロセスの節減、臨床リスク低減のために– 理論から実験結果を予測することが重要視される
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創案 探索 前臨床 臨床
製薬候補となる各種の化合物
理論(構造的特徴) CYP2C9
CYP2D6
CYP3A4
既知の実験結果
実験結果予測↓
薬品の機能予測へ
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薬物探索情報の可視化
• 分子構造に関する特徴で薬物を分類• 色合いで実験の種類、色の濃さで実験値の大きさを表現• 未実験の新薬物の実験値を分子構造から予測するために
可視化が実用される
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灰色の枠: 同一分類に属する薬物群
左:分子構造から実験値が予測できそうな薬物の集合
右:分子構造から実験値が予測できなさそうな薬物の集合
カラフルなドット:薬物
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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![Page 29: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/29.jpg)
原子炉システムの計測情報の可視化
• 原子炉システムには多くの計測情報– 気圧・温度・流量・回転数など: 1 システムに対して数千個
• これらの 1個 1個に着目するための可視化技術の確立へ
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高速増殖炉「もんじゅ」のシステム構成図
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可視化例
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わずか 1個の計器が急激に値を増している
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しかし、このわずか 1ヶ所の異常により
システム全体の停止の必要性が生じる
非常に多くの棒グラフが低い青=異常に低い値で安定している
幸いにしてシステムは無事に停止に向かっていた
システム全体にわたす多数の値を同時に眺めることが、危険発見や全体的措置に貢献する
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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![Page 32: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/32.jpg)
クレジットカード不正検出の VA
• クレジットカード不正検出のためのルール作成支援のために不正分布理解の VA (Visual Analytics) を確立する
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カード加盟店
CARD不正検出システム
ルール作成支援ツールとしての情報可視化システム
ルールに該当すると警告
[問題点 ] カード会社が独自ルールを手動設定 ⇒不十分なルールや不必要なルールが設定されている現状
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![Page 33: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/33.jpg)
色 : 不正種別51: 紛失52: 盗難53: 偽造54: 番号盗用55: その他
縦: 加盟店コード
横:時刻
盗難/偽造カードの不正手口の違い
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■51 :紛失■53 :偽造… 日中~夜
■52 :盗難… 深夜~早
朝
不正種別によって時間帯に偏りがある
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ガソリン・オイル類のみ表示
※夜間の(特に居酒屋や電車の)盗難カードを、翌朝までに一気に不正使用しようとする手口があるらしい、という知見が検証された
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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![Page 35: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/35.jpg)
ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 怪しい要因を含む通信をその都度ログに記録する– 怪しい要因=人が設定したルール
• 怪しさ自体を自動判定する研究も多いが、完璧ではない• (聞くところによると)日本では特に自動判定に対して慎重らし
い
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http://www.secomtrust.net/service/kanshi/fusei.html
• ルールだけではわからない「本当の怪しさ」の判断
• 不正侵入の時間的分布の理解• 不正侵入の空間的分布の理解
可視化の意義
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可視化例 (1)
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多数の送信元
多数の受信先
集中攻撃中の送信元
集中攻撃中の受信先
多数の送信元から多数の受信先へのアクセスで、探りを入れてい
る?
カモになる送信元と受信先を発見したので、集中攻撃を開始した?
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青い棒:怪しい通信の送信機(加害者) 赤い棒:怪しい通信の受信機(被害者)
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可視化例 (2)
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新し く集中攻撃さ れ る受信先
引き続き集中攻撃さ れる受信先
新しい送信元 同一 ドメイン内に横断的に攻撃さ れる受信先集中攻撃の送信元をきら
れたので、新しい送信元から集中攻撃を続行?
新たな攻撃の標的を特定組織の中に探している予感?
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青い棒:怪しい通信の送信機(加害者) 赤い棒:怪しい通信の受信機(被害者)
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講演内容
• 前置き– 本講演における可視化の定義
• 可視化は身近になった• ビジュアルアナリティクス
~より深い知識の発見へ• お茶大伊藤研究室におけるリスク管理関係の可視化
– 薬物探索情報の可視化– 原子力システムの計測情報の可視化– クレジットカード不正検出の Visual Analytics– ネットワーク不正侵入検出結果の可視化
• 議論
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![Page 39: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/39.jpg)
議論 1 :リスクの可視化に何が必要か
• 単に可視化するなら Excel でもできる…が、目的によっては可視化システムの作りこみが必要
• 深い知識を発見するには– 複数の可視化画面の併用
(例えば、全体俯瞰の画面と、詳細探索の画面)– 分析技術の併用を含めた全体的なシステム設計
• 瞬時にリスクを発見したいなら– データ全体をリアルタイムに俯瞰するシステム構築
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本講演の例では、薬物分類分析、ウェブのアクセス分析など
本講演の例では、ネットワークや原子力システムのリアルタイム監
視
![Page 40: リスク可視化20140921](https://reader033.vdocuments.pub/reader033/viewer/2022061201/5479cce5b4af9fa0158b4939/html5/thumbnails/40.jpg)
議論 2: 海外ではリスク可視化に投資されている
• 911連続テロ以降の国防対策への投資– 意思決定や仮説検証の手段として Visual Analytics にも集中投資→近隣学術分野の多くの研究者が参入
– セキュリティ、生命情報、災害対策などの可視化が特に発展
• 日本では同じ動きはなく、むしろ私の国内経験では可視化に対してこんなことを言われる… 「何も見ないで済む技術が欲しい」 「自分の管轄以外の情報は見たくない」→ 総論として、情報から目をそむけようとする発言が多い
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議論:日本人はいくつかの場面で意思決定や仮説検証を放棄しようと
しているのではないか?
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医療にも:計算機と人間の共存型意思決定
• 事例: IBM ワトソン– 2011 年 米国のクイズ番組で人間を破ってチャンピオンになっ
たコンピュータシステム
– 医療への応用• 患者の症例から仮説をたてる• 複数の解答(病名)候補とその確信度を計算機が返す• 医者が総合的な判断により治療法を決定
• 持論:「可視化」の役割も同じ人間による仮説検証と意思決定のための、能動的・主観的な分析手段
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Itoh Laboratory, Ochanomizu University
http://www-06.ibm.com/software/jp/info/ibmsoftware/bao/interview.html
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まとめ
• 可視化の概論– 難しく考える必要はない– 単にデータを可視化するなら Excel でもできる
• リスク可視化には Visual Analytics– 複数の可視化手法の併用、分析手法の併用などが望ましい– 単なる可視化で十分とは限らない(作りこみが必要な場合も)
• 可視化することはゴールではない…例えば以下の工程を支援するものである– リスクの原因に対する仮説と検証– リスク低下のための意思決定
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おまけ:医療安全のための可視化を始めました
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• 医療画像の特徴から考えうる病状を計算機で予測• 意思決定を支援するための可視化結果を提供
特徴算出
特徴値 1
特徴値 2データベースとの照合による病状予測
可視化による専門家への伝達
※シドニー大学滞在中( 2014 年 8 ~ 9 月)の共同研究として開始※未発表研究につき技術的詳細は紹介しません