自然エネルギーフォーラム2016① (2016.12.4 pv-net兵庫)

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神戸市灘区水車新田における 小規模水力発電設置計画 NPO法人 PVネット兵庫グローバルサービス 理事長 北方 龍一

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Page 1: 自然エネルギーフォーラム2016① (2016.12.4 PV-Net兵庫)

神戸市灘区水車新田における小規模水力発電設置計画

NPO法人 PVネット兵庫グローバルサービス理事長 北方 龍一

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候補場所の所在地

阪急六甲駅

神戸大学

大土神社

水車新田

大月大橋

大土神社

取水可能場所

発電タービン設置可能場所

上掛水車設置可能場所

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水車新田

江戸時代の中ごろ(享保9年(1724)頃)、新しく田を開くことと水車を使って仕事を

することを目的に水車新田村が作られました。その後、都賀川上流の傾斜面の川水を利用して、灯油用に菜種を搾る目的での水車業が盛んになりました。1,800年代初頭以降、幕府の統制で原料の菜種の入荷が減ったことや各地に水車業が興ったこともあり、灘の酒造用の米をつく水車に転換。灘の酒造りに大きな役割を果たしました

灘百選より昭和13年の阪神大水害で全て消失し、地形を変わりました

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この地域は水車新田と呼ばれ、天明年間(1781~89年)には25基の水車がありました。これらの水車を利用した水車業者は、菜種から油を絞り、灯油として京阪や江戸に輸送していました。大土神社は寛延元年(1748年)に村内と油の海上輸送の安全を願い、創建されました。境内には、六甲山への登山者によく知られている自然石の「かえる石」があり、旅行などで出かける時に撫でて参拝すると「無事かえる」といわれています。また、境内は、神戸市の「市民の森」に指定されています。

大土神社(おおつちじんじゃ)(国登録有形文化財)

寛延元年(1748)に村内と油の海上輸送安全を願い、天照大神・住吉大神・天満宮などを勧請し創建された。文化財建造物(以下6建造物)

本殿、拝殿及び弊殿、摂社住吉社本殿、摂社天満社本殿、蔵、鳥居

灘百選より3

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大月大橋

取水候補地点(標高260m)

発電所候補地点(標高212m)大土神社西の河川敷(標高201m)

発電設備設置候補場所

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小水力発電設備構成(タービン方式)5

渓流利用イメージ 上掛水車方式

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水系河川名 :都賀川水系 六甲川取水地点 :灘区水車新田滝の下近辺発電設備設置場所 :灘区水車新田宮坂近辺

「貴重な歴史資源や河川景観に配慮した再生可能エネルギーの有効活用と啓発」

①小水力発電を設置することで、現在、未利用となっている水のエネルギーを電力として有効活用を図る。

②市民への再生可能エネルギー啓発施設として地球温暖化防止などの環境問題に貢献する

整備候補地

目的

①市民の目にふれる場所に設置することで、啓発効果が期待でき、環境教育につなげることができる。

②景観に配慮して設備、周辺を一体的に整備することで観光面でのPR効果が高くなる。

期待される効果

神戸市灘区水車新田における小水力発電施設計画概要

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小水力発電施設の整備・取水施設・導水路・ヘッドタンク・水圧管路の設置・発電設備(水車・発電機・配電盤・変圧器)の設置・発電電力は系統連系し売電

見学スペースの整備・施設説明表示板、発電状況表示板の設置・誘導表示、転落防止柵の整備

整備概要

売電収入により得られた収益については、・周辺の公園整備費用への寄付・再生可能エネルギーの普及啓発事業のための活動費

売電収益の活用

六甲川水車新田小水力発電所

現在の発電出力

本日の発電出力量

kW

kWh

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想定発電規模(タービン方式)

[想定条件]河川流量: 0.03 ~ 0.08 m3/s (30~ 80 ℓ/s)

※維持流量:0.01 ~ 0.02 m3/s (10 ~ 20 L/s)と仮定有効落差: 30 ~ 40 m水車効率: 65%設備利用率:70%

[想定出力]発電出力: 5 ~ 20kW

[想定発電量]年間発電量:30,660kWh~122,640kWh

(10世帯 ~40世帯分)

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推進状況

2016年4月:■灘区水車新田における小水力発電設置構想浮上2016年5月:■現地調査開始

■兵庫県の「住民協働による小水力発電復活プロジェクト推進事業」に応募(7月に採択される)

2016年6月:■ひょうご環境創造協会の専門家派遣制度による現地調査実施

2016年6月~: ■関連機関にご意見、ご指導を頂く神戸市 灘区役所まちづくり課

河川課、環境貢献都市課、教育委員会兵庫県 温暖化対策課環境省 神戸自然保護官事務所神戸大学 施設部神戸松蔭女子学院大学 企画部灘財産区丹生神社 大土神社宮司灘五郷酒造組合都賀川守ろう会

2016年9月:■専門化によるポテンシャル調査実施■先進地見学(東吉野小水力発電)

2016年11月:■専門化によるポテンシャル調査報告会

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可能性の調査

事業性の評価

事前協議

許認可申請

発電所建設

運転開始

実施設計

導入の流れ

・現地調査を行い、経済性、実行性のある地点を選択する。・流量と落差から、大まかな発電規模を決定

・基本設計を実施(測量、流量測定、概略図面の作成、工事費の算出等)

・地元住民への説明・発電した電気の使い道を決め、事業の採算性を評価

・河川管理機関への許認可、電力系統接続検討の事前協議

・施工図面の作成、仕様書、設計書の作成

・河川管理機関、経済産業省(設備認定)への許認可申請

・工事発注、建設開始・工事計画の届出、主任技術者選任、保安規程の届出等・土木工事、機器据付け工事、試験調整

・完成検査、使用前審査手続き後、運転開始

現時点

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事業実施可否判断ポイント

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神戸市新聞掲載記事