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Exercise therapy versus arthroscopic partial meniscectomy for degenerative meniscal tear in middle aged patients: randomised controlled trial with two year follow-up 中中中中中中中中中中中中中中中 中中中中 vs 中中中中中中中中中中中中 RCT( 中 中 follow-up 中中中中中中中中中

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Page 1: 2016.11.4 中年者の半月板変性断裂における運動療法vs関節鏡下半月板部分切除

Exercise therapy versus arthroscopic partial meniscectomy for degenerative meniscal tear in middle aged patients: randomised controlled trial with two year follow-up中年者の半月板変性断裂における運動療法 vs関節鏡下半月板部分切除の RCT(2年 follow-up)

*画像はイメージです

Page 2: 2016.11.4 中年者の半月板変性断裂における運動療法vs関節鏡下半月板部分切除

半月板とは

http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/12hangetuban.html

役割 (大きく分けて2つ ) 1)関節にかかる荷重、衝撃の吸収。

2)膝の安定性を確保する。

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半月板断裂

①外傷性断裂下腿が固定された状態で、大腿が捻られるようなスポーツ (バスケットボール、サッカー、スキー等)や膝の側面を強く打撲した時に生じる。

②変性断裂加齢などで半月板老化、水分・弾力性・柔軟性の低い状態で生じる。外傷の記憶が無いほどのわずかな外傷でも断裂が生じる。

③その他(円板状半月板)*成長過程で何らかの原因で半月板の吸収が阻害され、円板状半月板の状態が持続することで生じる。

*新生児の半月板は円板状の型をしており、成長過程で半月板の一部が吸収され、三日月型の半月板が形成される

https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/meniscal_tear.html

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半月板断裂の症状

急性の症状ひねった際に、ボキッと音(しない場合もある)とともに違和感や疼痛を感じる。ひざを伸ばすときに、ひっかかるような違和感がある(キャッチング)。ひざがピンと伸ばせなくなる(ロッキング)。階段を下りる際にがくんとひざが崩れる(ギビングウエイ)。

慢性の症状関節炎を生じ、関節内に関節液や血が溜まって腫れる。長期化すると大腿四頭筋の萎縮を招くこともある。重症化する(半月板がめくれる)と、関節軟骨を傷つけ、変形性膝関節症を招くこともある。

激痛や可動域制限で歩けにくい、歩けない

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半月板変性断裂

半月板は決して強い訳でなく、ひねったりすることで、容易に傷がつくことがある。

傷がついた半月板のまま膝を使っていると、大腿骨や脛骨の軟骨にも傷が広がり、徐々に膝が悪くなるため、半月板に対する治療の多くは半月板部分切除術になる。 

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半月板変性断裂

損傷形態が小さければ縫合で治療可能だが、半月板は外周付近にしか血行がありません。

血行がない場所が損傷した場合、自然治癒はほぼなく、縫合も出来ません。

そのため、悪い部分を少し切り取る関節鏡下半月板部分切除術が広く行われている。

https://rehatora.net/%E5%8D%8A%E6%9C%88%E6%9D%BF%E6%90%8D%E5%82%B7%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%EF%BD%9C%E4%BF%9D%E5%AD%98%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%A8%E6%89%8B%E8%A1%93%E7%99%82%E6%B3%95/

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半月板変性断裂

切除した半月板は完全に回復することはないので、関節軟骨に負担がかかりやすくなる。

半月板とは、膝のクッションであり、そのクッションを取れば、膝関節の緩衝材は減少する。

人によって激しい運動ができなくなったり、歩きにくさは続くことがある。

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半月板変性断裂

また若い時期に半月板部分切除を行うと、変形性膝関節症の発症を早める可能性があると言われている。

たくさん歩いて軟骨がすり減る→関節裂隙が狭小  →骨が擦れ合う→骨棘が形成→変形性膝関節症

http://ameblo.jp/t-y-ki/entry-11476343325.htmlhttp://www.kansetsu-itai.com/doctor/doc078.php

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BACKGROUND

半月板変性断裂に対して西洋では、毎年 100 万人のうち300人は関節鏡下半月板部分切除術を受けます。デンマークでの手術率は 2000年~ 2011年にかけて二倍になりました。

しかし、関節鏡下半月板部分切除は有益性が低く、有害性があるかもしれないとも考えられてます。

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過去の研究では、変形性膝関節症に対しても関節鏡視下半月板部分切除術を行っていたり、運動プログラムが不十分であったと考えられました。

そこで今回の研究では、中年者の半月板変性断裂に対し、運動療法と関節鏡下半月板部分切除の優越性を検討した無作為試験が行われました。

BACKGROUND

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METHODS

観察期間 )2009年 10月~ 2012年 9月

観察対象者 )ノルウェーのオスロ大学病院( 2009年 10月~ 2011年 4月)、マルチナ・ハンセン病院( 2011年 5月~ 2012年 9月)の患者で評価対象者 341人から適格基準を満たす 226 例を登録した。

平均年齢 49.5 歳 (35.7 ~ 59.9 歳 )

このうち適格条件でかつ参加可能な患者 140 例 (運動療法群70 例、手術群 70 例 )を解析対象とした。

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METHODS

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適格規準 )

1) 精神的外傷のない(一つの身体的なイベントから生じた突然の膝の  痛みの出現と定義される) 2 ヶ月以上の片側の膝の痛み。

2)MRIで内側退行性の半月板変性断裂と診断されたもの。

3)Kellgren-Lawrence分類で最高でもグレード 2に等しい X 線像。

を確認されたもの。

METHODS

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除外基準: 115人膝に痛みがない: 24人ひざの両面に痛みがある人: 15人身体的な活動を実行することができない: 16人ノルウェー語が話せない人: 13人kellgren-lawrence 分類でグレードがⅢ以上: 11人関節鏡視下の部分的な半月板切除術の適応ではない: 7人若すぎたり、高齢者すぎる人: 5人靱帯損傷: 3人精神的な痛み: 3人その他: 1人

METHODS

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その他の除外 ( 今回の研究の適応だが除外した人 ) : 86人

今回の調査の参加を拒否した人: 85人運動療法を受けたくない人: 52人関節鏡視下の部分的な半月板切除術を受けたくない人:17人アンケート調査 (KOOS、 SF)に参加したくない人: 5人調査施設までの距離が遠くて参加を拒否した人: 11人別の怪我が生じて参加拒否した人: 1人

METHODS

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関節鏡下半月板部分切除を行うグループ ( 以下、手術群 ) 70人と手術をしないで 12 週間の運動療法を行うグループ 70人に無作為に分けました。

手術群は足取りが正常化するまで、手術後に 2 本の松葉杖を使うように勧められました。松葉杖に関しては特に問題はありませんでした。 運動療法群には、運動療法について書面による口頭指示とその運動療法を毎日 2 ~ 4回行うことを奨励されました。

METHODS

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Primary outcomes・ KOOS(膝損傷・変形膝関節症のアウトカムスコア )による 患者の報告 (3、 12、 24 ヶ月後に評価 )

・ A Biodex 6000 dynamometerによる筋力評価 (3、 12 ヶ月後に評価:静止した自転車で 10分のウォームアップ した後に筋力と下肢性能試験を行いました。 )

KOOSは、ベースラインを基準として 3 ヶ月、 12 ヶ月、24 ヶ月後の変化で計算しました。3 ヶ月と 12 ヶ月では病院を受診した際に収集し、24 ヶ月後のフォローアップでは郵便で行われました。

METHODS

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Secondary outcomes ・ホップ・テストによる筋力の評価 (fig4)

・ KOOSスコア (疼痛、他の症状、スポーツまたはレクリエーション機能、日常生活機能、膝関連 QOL)での、それぞれの平均スコア (fig5)

・ SF-36による患者の報告 (fig5)

この時の KOOSと SFは 12 ヶ月~24 ヶ月の変化をもとに分析されている。

方法

http://innervate.exblog.jp/25954020/

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METHODS

両群に大きな違いはありません

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結果

KOOSにおいて、ベースラインから 24 ヶ月後のフォローアップまで両群間に差はありませんでした。24 ヶ月後における KOOSスコアの平均点は運動療法群で 25.3ポイント( 21.6 ~ 29.0)、手術群で 24.4ポイント( 20.7 ~ 28.0)でありました。KOOSスコアにおいて手術群 81%と運動療法群 80%は 10.1ポイント以上改善されました。

fig2

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A Biodex 6000 dynamometerによる筋力評価において、運動療法群では3 ヵ月後において全ての筋力変数に大きな改善がありました。( P≤0.004)

また、 peak torque flexion(Nm)、 peak torque extension(Nm)、 total work flexion(J)、 total work extension(J)のいずれも両群に優位差はありませんでした (いずれも 95% 信頼区間は 1をまたぐ )

結果fig3

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運動療法群では全ての筋力テストで 12 ヶ月のフォローアップで大きな改善がありました。 ( P < 0.03)特に the 6 m timed hop testにおいて運動療法群では 3 ヶ月後( P=0.02)と12 ヶ月後( P=0.04)に大きな改善がありました。

One leg hop test、 Knee bends 30 secについて 3 ヶ月、 12 ヶ月後の評価では両群に優位差はありませんでした

結果fig4

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KOOS24 ヶ月時点の KOOSにおける両群変化に、臨床的に意義のある差は認められなかった。(KOOS : 0.9ポイント、 95% 信頼区間 [CI]:-4.3~6.1、 p=0.72)

運動療法群は手術群より Symptomにおいて 5.3ポイントの統計差が見られました。( 95% 信頼区間 0.5 ~ 10.2;P=0.03)

SF-36における両群変化に、臨床的に意義のある差は認められなかった。

重篤な有害事象は、追跡期間中に両群とも報告されなかった。なお、運動療法群に割り付けられた被験者のうち 19%が、追跡期間 3 ~ 16 ヶ月 ( 平均 7.7 ヶ月 )の間に手術を受けたが、付加的な改善は得られなかった。

結果fig5

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DISCCCATION

少なくとも 2年という短期間では、半月板変性断裂に対する下腿の筋力向上について、運動療法は関節鏡視下の半月板部分切除術に対し、前向きな影響を示しました。

両群において 2年後に臨床的な改善が報告されました。

KOOSスケールで測られる symptomを除いて、患者の報告によるsecondary outcomesは観察期間 2年において両群の臨床的な違いを認められませんでした。運動療法群は symptom(膝の腫脹、運動制限など)の改善が報告されました。

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DISCCCATION

KOOSの疼痛の評価において、手術群の方が運動療法群に対し、3 ヶ月後に 8 点、 12 ヵ月後に 6 点高い結果が報告されました。

12 ヶ月後では、 KOOSの膝関連 ADLとスポーツとレクリエーションの機能評価で、必ずしも手術群の方が良いという報告は出なかった。

しかし、これは観察対象期間が 2年という短期間であり、これ以降の変化については明らかにしていません。

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LIMITATION

患者による医療効果評価 (KOOS、 SF)は、プラセボ効果の傾向がある。

外科的介入を非外科的介入と比較した臨床試験の解釈のため、客観的な結果はプラセボの傾向があるかもしれない。

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LIMITATION

今回は客観的な結果として筋力テストを用いた。

患者による医療効果評価 (KOOSや SF-36)を使って評価される際に、処置間の有意差を見つけなかったが、筋力においては運動療法群では、 3 ヶ月と 12 ヶ月で大きな改善がみられた。

運動療法群では筋力がすぐに増加し、 12 ヶ月まで維持されたが、手術群では 3 ヶ月の筋力の増加は 12 ヶ月の筋力と比較し少ないです。

運動療法では、この強化効果によって筋力が 12 ヶ月後まで維持されると考えられます。

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LIMITATION

この研究では、より若い人で、半月板の変性断裂や、スポーツなどによる外傷性断裂が起こった場合は対象とされていません。そのため、同じ結果がそれらに当てはまるかどうかは分かりません。

一般的に、ここで対象とされたような場合に手術をするかどうかは、症状などから判断されています。判断に迷うような場合に、実際に試したデータが役に立ちます。

Page 29: 2016.11.4 中年者の半月板変性断裂における運動療法vs関節鏡下半月板部分切除

中年者の半月板変性断裂に対して、監督された運動療法は関節鏡下半月板部分切除と比較し、少なくとも短期的には下腿の筋力を向上させる前向きな影響を示しました。

中年者の半月板変性断裂に対して、関節鏡下半月板部分切除と運動療法の効果は同程度という結果でした。

中年者の半月板変性断裂に対して運動療法を治療の選択肢と奨励しなければなりません。

CONCLUSION