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SAFER PRESCRIBING — A TRIAL OF EDUCATION, INFORMATICS, AND FINANCIAL INCENTIVES TOBIAS DREISCHULTE, PETER DONNAN, AILEEN GRANT ET AL. NEJM MARCH 17, 2016

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Health & Medicine


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Page 1: 2016.7.1 教育・情報・インセンティブによる、より安全な処方に関するトライアル

SAFER PRESCRIBING — A TRIAL OF EDUCATION,INFORMATICS, AND FINANCIAL INCENTIVESTOBIAS DREISCHULTE, PETER DONNAN, AILEEN GRANT ET AL.NEJM

MARCH 17, 2016

                            

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BACKGROUND

• プライマリケアにおいて , ハイリスクな処方はしばしばみられる .  それによる予防可能な薬剤関連合併症への関心は高い .• 緊急入院のうち4%が回避しえた薬剤の有害な副作用によるもの .   これは医療費高騰の一因でもある .• 入院の原因の多くが NSAIDs や抗血小板薬の処方による         心血管 / 腎 / 消化管イベントによるもの .• 複合的介入によってプライマリケア医による高リスク処方の頻度と臨床アウトカムがどれほど改善するか .

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METHODSTUDY DESIGN / PARTICIPANTS

 ・スコットランド テイサイド州  33 の診療所 ・無作為に 10 群に割り付け , 48 週間の介入を施行 . ・介入開始時期は 2011/10~2012/9 ・介入終了後にも 48 週間の追跡期間 . 介入前にも調査期間 ・介入内容は、教育・金銭的インセンティブ・ IT

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METHODINTERVENTION

• 介入は以下3種類すべて行われた• ① 教育:介入開始時に薬剤師による訪問教育セッション1時間。紙媒体での情報提供。介入開始から8週間ごとに E メール。• ② 金銭的インセンティブ:この試験に参加した金銭的インセンティブとしてまず350ポンド。その後ハイリスク処方をターゲットとした患者レビュー1人分ごとに15ポンド。• ③Informatics :レビューが必要なハイリスク処方のある患者を同定し、チェック・訂正するためのウェブベースの情報ツール提供。

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METHODINTERVENTION-2  前スライド③について

• 電子カルテの情報から , ハイリスク処方がなされた患者にフラグが立つ .• フラグは医師のレビューを必要とし、①処方は妥当であると明示する②処方を中止する③ PPI or H2 ブロッカーを追加処方するなどの対応によって消える .• 1週間ごとにハイリスク処方率・レビュー進捗度が更新

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METHODOUTCOMES

Primary outcome ・ NSAIDs/ 抗血小板薬の高リスク処方の割合(定義後述) Secondary outcome ・上記処方を原因とした  心不全、急性腎不全、消化管出血による入院

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9 HIGH-RISK PRESCRIBING • ① 消化性潰瘍患者での消化器保護薬なしの NSAIDs ・アスピリン• ②75 歳以上の患者で消化器保護薬なしの NSAIDs• ③65 歳以上でアスピリン内服中の患者での消化器保護薬なしの NSAIDs• ④65 歳以上でクロピドグレル内服中の患者での消化器保護薬なしの NSAIDs• ⑤ 経口抗凝固療法中で消化器保護薬なしの NSAIDs• ⑥ 経口抗凝固療法中で消化器保護薬なしのアスピリン・クロピドグレル• ⑦RAS 系阻害薬もしくは利尿剤を内服中の患者で NSAIDs• ⑧CKD 患者での NSAIDs• ⑨心不全既往患者での NSAIDs

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METHODRANDOMIZATION & START DATE CONCEALMENT

・ 33 の診療所が 10 群に無作為割付・統計調査チームに診療所は匿名化されていた .・介入の開始に関してはマスクできなかったが , 処方内容の会計については診療所、研究班にデータが渡る前 第3者が行った .

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METHODSTATISTICAL ANALYSIS

・ ITT解析・多変量ロジスティック回帰分析によって , 介入前後での Odds比と 95 %信頼区間を解析した .・介入前期間と介入期間 ,各々通しての全入院とハイリ スク患者を合計し , イベント発生率を比較 .・介入効果について調べるため介入期間後半と介入後観 察期間後半の比較解析 .・クラスター RCT. stepped wedge 法 .

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Supplementary Appendix Figure S1: Illustration of the stepped wedge design as implemented in the DQIP trial. Each row represents practices

randomised to the same start date and each box represents an eight weekly measurement of the primary outcome.

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RESULT

• 介入期間前に 1 つ以上の危険因子を有していた 33,334例と介入期間中に 1 つ以上の危険因子を有していた33,060例をデータ解析

• 標的としたハイリスク処方は , 介入直前の3.7% ( 1102/29537 人)から , 介入終了時 2.2%( 674 /30187 人)へと有意に低下(調整 OR 0.63 : 0.57-0.68 )

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RESULT

・実際に1度でもハイリスク処方された患者の総数  2905人・医師の対応は多い順に 1 . 処方の妥当性を患者と話し合う  515 人2 .次回外来で相談         409 人3 . 薬剤変更し郵送で情報提供    163 人 

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RESULTS

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DISCUSSION

• 教育、インセンティブ、 IT の組み合わせにより有意に効果あり• どれが1番効果的だったのかは不明• 「高リスク処方中止に対する」インセンティブは、リスクベネフィットの天秤を狂わせる恐れがあるため、「レビューすることそのもの」に対するインセンティブとした• それでもインセンティブ単独では「簡便なチェックボックス」化する恐れがあったため、意味のあるレビューとするため教育と IT による情報提供をした• 先行研究 PINCER trial でも薬剤師による教育は有効だったが、介入をやめると効果が減弱した

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DISCUSSION

• 電子カルテさえあれば今回のスタディは応用可能 .• ただし介入の効果は必ず前後関係で判定すること .• このチェック機構に対する医師の反応は , 収入や医療経済の構造に左右される可能性がある .• 教育 , インセンティブ , Informatics による複合的介入は , 介入終了後も効果は持続する .

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LIMITATION

• 1. 参加者は不参加者に比べ、モチベーションが高く、介入による効果があがりやすい集団だった可能性 .• 2. Stepped-wedge 法では、もし介入以前にすでにアウトカムが改善傾向にあった場合に介入の効果を判定しにくい . • 3. 有害事象による入院は発生数が少ないのでしっかりフォロー出来ているか不明 . • 4. IT ツールによるレビューを介さず、電子カルテ上で直接操作できたらなおよかった .