2017年 5月...
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2017年 5月人と車のテクノロジー展
ハイテン領域まで対応可能となった
SPR接合技術
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ご紹介内容
弊社ご紹介
軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
SPR概説
SPR ハイテン材接合:
解決の方策:リベット/ダイスの開発+先進締結装置
SPR締結の締結・品質管理
まとめ
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Corporate Summary
設立 :1968年(昭和43年)3月14日株主: スタンレーブラック&デッカー (持株比率100%)資本金: 3億550万円
代表取締役社長: 山田 剛輝取締役 : 鈴木 伸一取締役 : ケヴィン・ヴィンス・フェルナンド監査役 : クリストファー・ボーナート
年商 : 21,500百万円(2016年)
営業品目 : ポップリベット、ポップナット及び取付工具クリップ、スタッド及び全自動式スタッド溶接機カレイナット、ウェルナット、ヘリコイル、ジャックナット、HUCKファスナー、セルフピアスリベット
従業員数 : 329 (2016年)
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ポップリベット・ファスナーの歴史
設立ーブラインド
リベット国産化
ポップナット内製開始
プラスチッククリップ内製開始
ブラック&デッカー
一〇〇%
子会社化
親会社合併によりS
tan
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Bla
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Decker
誕生
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とイ
ンファステック合併により
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へ
御津工場操業開始
1968M
ar.
19811982
1998
2010
2014
2016
2004S
PR
販売開始
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ポップリベット・ファスナーの経営理念
弊社は、日本国内において総合ファスニング・カンパニーとしてPOPリベットやPOPナットをはじめとするメタル商品群、自動車で幅広く使われている樹脂クリップ商品群、スポット溶接に代わる最新の接合方法SPR、圧倒的な溶着力のドローンアーク溶接機やスタッドを中心とした溶接商品群を長年日本のお客様へ供給しております。
海外の日系のお客様へも有力な代理店ネットワークやStanley Engineered Fasteningグローバルネットワークを通じて安定供給できる体制を構築しております。
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販売´14:1,5 bln。USD
従業員:5,000ww証明書: ISO TS 16949
ISO 14001OHSAS 18001
売上:´15 ; 11B USD
従業員:52,000 以上
STANLEY Engineered Fastening
世界最大の電動工具メーカーStanley Black & Decker社のSTANLEY Engineered Fastening Groupとして、ファスナー業界のリーディングカンパニーです。世界各地に生産と販売の拠点を持っており、R&Dの推進、新製品の開発を進め、幅広い業種に対して製品とサービスを提供しております。
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各種工業用締結部品並びに 締結装置
スタッド/WELDFAST 溶接機
POPリベット / POPナット
SPR
POPリベット・POPナット ツール
プラスチック製品
KALEI⑥ プレスファスナー
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主な納入先
(※敬称略、ご了承お願いいたします。)「自動車」トヨタ自動車(株)、日産自動車(株)、本田技研工業(株)、三菱自動車工業(株)、マツダ(株)、スズキ(株)、富士重工業(株)、ダイハツ工業(株)、いすゞ自動車(株)、日野自動車(株)
「電機」沖電気工業(株)、シャープ(株)、(株)東芝、日本電気(株)、パナソニック(株)、(株)日立製作所、富士通(株)、三菱電機(株)、(株)リコー
「車両・トラック架装」川崎重工業(株)、東プレ(株)、日本車輌製造(株)、日本トレクス(株)、日本フルハーフ(株)、(株)パブコ
「住宅・建材」クリナップ(株)、三協立山(株)、積水化学工業(株)、文化シャッター(株)、(株)LIXIL、YKK(株)
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ご紹介内容
弊社ご紹介
軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
SPR概説
SPR ハイテン材接合:
解決の方策:リベット/ダイスの開発+先進締結装置
SPR締結の締結・品質管理
まとめ
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軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
地球温暖化防止のため自動車等 運輸部門の燃費向上は最重要の
テーマです。しかしながら安全性の確保や快適性、利便性向上ニーズか
ら車両重量は増加傾向にあり、燃費と顧客満足度向上という相反する
目標を達成するため車両軽量化技術の導入が加速しています。
車両の骨格をなすホワイトボディー(BIW)は、自動車 車両総質量の約
30%を占めます。
剛性を維持しながら軽量化を行うために、 BIWの最適設計と共に軽量
材料への置き換えも合わせて進められます。
©Audi AG
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アルミニウム、CFRP、ハイテン、超ハイテン等の軽量材料は適材適所に用いら
れますが、これらの組合せは従来の軟鋼板に比べ接合が困難になっ
ています。アルミニウム
ハイテン
ホットスタンプ
アルミダイカスト
これら全ての組合せ
高強度アルミニウム
CFRP/CFRTP
BIW 軟鋼から軽量材料への置換
超ハイテン ©Audi AG
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アルミニウム/マグネシウム
CFRP/
熱硬化性樹脂ハイテン
熱可塑性樹脂
機械締結(SPR・POP リベット)
溶接接着
接合 締結
接合・締結ポートフォリオ
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ご紹介内容
弊社ご紹介
軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
SPR概説
SPR ハイテン材接合:
解決の方策:リベット/ダイスの開発+先進締結装置
SPR締結の締結・品質管理
まとめ
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SPR (Self Piercing Riveting)概説
締結プロセス
リベット と ダイス側ワークでインターロックを形成しワークを締結します。
締結に際し下穴は不要です。
リベットはダイス側ワーク内に留まり、ダイス側からの水密性があります。
① ダイスの上に締結するワークを2枚以上の置きます。
② ノーズピースとダイス間で母材を密着し、隙間を無くします。
③ リベットをパンチで押込み、パンチ側ワークを穿孔します。さらに押込むとリベット脚先が展開しインターロックを形成します。
④ 締結完了し、次打点に移動します。
リベット
パンチ側ワーク
ダイス
パンチ
ノーズピースとダイス間で母材密着
穿孔・脚先展開
ノーズピース
ダイス側ワーク
インターロック 締結完了
① ② ③ ④
リベット
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コントローラ
C-Frame
Feedtube 8m
リベット フィーダ
締結ツール
フィードチューブ
Cフレーム
ダイス
ツール信号線
ツール動力線
SPR締結装置
SPR締結装置の一般的な構成
ロボットはお客様に準備願います。
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ご紹介内容
弊社ご紹介
軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
SPR概説
SPR ハイテン材接合:
解決の方策:リベット/ダイスの開発+先進締結装置
SPR締結の締結・品質管理
まとめ
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SPR ハイテン材接合:リベット/ダイスの開発 + 先進締結装置
(2) ダイス交換システム
(3) 異種リベット供給システム
(4) 締結をコントロールする高速システム
(1) リベット+ダイスの開発
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SPR ハイテン材接合の課題
軟鋼からハイテン材への材料置換により、軽量かつ高剛性の車両を実現できますが、ハイテン化により
⇒降伏点の上昇
⇒伸びの低下SPR締結困難
ひずみ
応力
MP
a
• 打込み力の上昇• リベットの途中座屈• ワークの割れ
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(1) ハイテン材用リベットの開発
下記観点からハイテン用SPRリベットの開発に取り組みました。 リベット胴部剛性・靭性向上
⇒胴部寸法変更、材質変更、熱処理変更、硬度アップ
打込み力の低減⇒先端切刃形状改良、低μ表面処理の選択
従来アルミ/軟鋼用リベット 開発品 ハイテン用リベット
PAT.PENDING
材質 硬度 熱処理 表面処理
SCM440相当 Hv520 オーステンパー メタスYC
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締結実施例
SPR ハイテン材用リベット
上板:1200MPa ハイテン材
下板:アルミ材
リベット長:5mm
上板:アルミ材
下板:590MPa ハイテン材
リベット長:5mm
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過酷な使用条件
お客様の使用環境下での試験において、リベット内側に亀裂が入る事象が発生しました。
不具合の要因分析を行い、対策しました。
リベット内部の亀裂
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リベットの改良
CAEシュミレーションと現物のすり合わせ
リベットの応力を正しく評価するために、CAEシュミレーションで得られた断面形状と現物断面が一致するようキャリブレーションを行いました。
リベット先端部の詳細形状(現物ベース)
各部摩擦係数
結果、近似形状を得ることができました。
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不具合品 応力状態の評価
最大主応力 径方向応力 周方向応力
近似形状を得られた条件で応力状態を観察したところ、顧客使用条件下では、亀裂発生部に大応力が発生していることが判りました。同結果をもとに応力を緩和する対策を行いました。
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応力緩和のため各部寸法・R形状を見直し、応力値が最小となる組合せから下記寸法・形状を導きました。
内筒部深さ
内筒部R
内筒部先端R
同部R
対作リベットの考案
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対作リベットの効果
従来品 対策品
最大主応力
対策により、破断応力を緩和し、亀裂の発生を防止しました。
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締結荷重の低減
“フローバリア”型 ダイスカップ形状開発により締結荷重の抑制を行います。
ダイスカップ内にワーク+リベット脚が充満すると締結荷重は一挙に上昇します。特にワークの外周方向の流れにより加速します。
外周方向への流れ
“フローバリア ダイ”はカップ中央部にくぼみを設けカップ体積を稼ぐと共に、外周方向へのワーク流れを抑制し締結荷重を約15%低減できました。
カップ内充満
従来型 フローバリア型
カップ内充満
カップ内余裕
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対策品の反映
ワーク
ダイス
リベット長・径・硬度
総板厚/上下比率リベット
ワーク仕様に適した 最適リベット+ダイスを選択することは重要ですが、BIWは様々なワーク組合せがあり、従来装置ではきめ細かく対応することが困難でした。
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(2) ダイス交換システム
(3) 異種リベット供給システム
(4) 締結をコントロールする高速システム
(1)リベット+ダイスの改良
SPR ハイテン材接合:リベット/ダイスの開発 + 先進締結装置
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(2) ダイス交換システム
コントローラ
C-Frame
リベット フィーダ
締結ツール
フィードチューブ
Cフレーム
ダイス
ツール信号線
ツール動力線
SPR締結装置の一般的な構成
ダイスの変更にはツールチェンジャを用いて締結ツール+Cフレーム毎交換
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ダイス交換システムを開発し、ラインを止めずにダイス交換を可能としました。ダイス交換ステーションで最大5種の異なるダイスを着脱可能です。
ダイスをCフレームへワンタッチで着脱可能としました。
これに伴うCフレームの外形寸法に差はありません。
(2) ダイス交換システム
ダイス選定の柔軟性を増しSPRツールを有効活用します。(経費削減)
ダイス交換ステーション
Cフレーム
ダイス
ビデオ
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(2) ダイス交換システム
(3) 異種リベット供給システム
(4) 締結をコントロールする高速システム
(1)リベット+ダイスの改良
SPR ハイテン材接合:リベット/ダイスの開発 + 先進締結装置
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コントローラ
Feedtube 8m
リベット フィーダ
締結ツール
フィードチューブ
Cフレーム
ダイス
ツール信号線
ツール動力線
(3) 異種リベット 供給システム
SPR締結装置の一般的な構成
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4連デバイダを開発しました。4種類のリベットを1台の締結ツールに供給できます。
リベット選択の柔軟性を増しSPRツールを有効活用します。(経費削減)
2台のスライダを連動させ4種類の中から1つのリベットを選択供給します。4台のフィーダ及びデバイダの制御は1台のコントローラで行います。
(3) 異種リベット 供給システム
スライダ①
スライダ②
4連デバイダ
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(3) 異種リベット 供給システム
コントローラ
Feedtube 8m
リベット フィーダ① ② ③ ④
締結ツール
フィードチューブ
Cフレーム
ダイス
ツール信号線
ツール動力線
4連デバイダ
4連デバイダを付加した締結装置
4台のフィーダ及びデバイダの制御は1台のコントローラで行います。
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(2) ダイス交換システム
(3) 異種リベット供給システム
(4) 締結をコントロールする高速システム
(1)リベット+ダイスの改良
SPR ハイテン材接合:リベット/ダイスの開発 + 先進締結装置
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(4)締結をコントロールする 高速システム
サーボモーター駆動+フィードバック制御 高速締結ツール
締結荷重/ストローク測定によりフィードバック制御を行い、リベット締結品質を高く維持します。
ハイテン材打抜き直後の急激な荷重変動に対応する高速フィードバック制御を行い、リベットを正しく打ち込みます。
サーボモータ
ロードセル
サテライトローラ
プリクランプスプリング
直動エンコーダ
スピンドル
CPU
締結ストローク
締結荷重打抜き直後の荷重急低下
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(4)締結をコントロールする 高速システム
サーボモーター駆動+フィードバック制御 高速締結ツール
締結リベットの出代管理を行います。
リベットの締結前から締結後までプロセスコントロールが可能です。
締結ツールのスピンドル稼動速度を従来の200m/sから300m/sに改善しました。
リベットの供給時間を含むサイクルタイムは約25%の短縮できました。
締結荷重は100kNに対応します。
サーボモータ
ロードセル
サテライトローラ
プリクランプスプリング
直動エンコーダ
スピンドル
CPU
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ご紹介内容
弊社ご紹介
軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
SPR概説
SPR ハイテン材接合:
解決の方策:リベット/ダイスの開発+先進締結装置
SPR締結の締結・品質管理
まとめ
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SPR締結の締結・品質管理
締結リベットの出代管理を行います。出代(でしろ)とは、上板上表面と締結したリベット頭頂部
の位置の ±誤差寸法をあらわします。
リベット出代 +出代
-出代
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リベットの出代が変化すると?
3.00
4.00
5.00
6.00
7.00
-0.20 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60
せん断荷重kN
出代測定値 mm
例) 出代-せん断荷重
+出代:打込み不足
- 出代:打込み過大
+出代ではインターロック量が減少するため接合荷重が下がります。
-出代ではリベット脚の母材突き抜けによる水密性破壊(リベット先端の腐食)リスクがあります。
出代を±0に制御することが肝要です。
+出代0
弊社実力範囲
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出代を ±0 に制御する方法
パンチ先端=レシーバ先端
出代 = ±0!0値になるまでリベットを打込む
パンチ
レシーバ
ダイス
リベットを押すパンチ先端と、母材を押さえるレシーバ先端が面
一になるよう制御すればリベットの出代は±0となります。
弊社設備は唯一同値のフィードバック制御を行っています。
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弊社機はパンチ位置測定系 並びにレシーバ位置測定系を別
個に備え、協働してフィードバック制御を行います。
特許:第4216505号
クランプスプリング
モーターリゾルバ
歯車
直動エンコーダレシーバ位置測定
パンチ位置測定
リベット送給
ベーシックポジションセンサ
ロードセル
ローラースクリュー
パンチ
レシーバ
一般的な設備はパンチ位
置測定系しかなく、打点
毎に出代をマニュアル調整
します。
しかし母材厚のばらつ
きや母材固さのばらつ
きにより生ずるCフレーム
の変形差 = ダイス位置
差に追従できません。
出代を ±0 に制御する装置構成
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プロセス コントロール
プリクランプ
荷重・ストローク適正値
リベット長範囲内?
板厚測定
板厚範囲内?
リベット長測定
締結中止異常出力
締結中止異常出力
締結中止異常出力
ストローク範囲内?
カーブ範囲測定
基準カーブ範囲内?
締結完了異常出力
締結完了異常出力
リベッティング
ストローク範囲測定
スタ-ト
締結完了
YES
YES
YES
YES
YES
NO
NO
NO
NO
NO
リベット締結前⇒締結完了まで全プロセスをモニターします。
締結前に板厚・リベット長さを測定し、規格外品を検出すると即座に
停止し手直し作業を防止します。
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プロセス コントロール
リベット締結前⇒締結完了まで全プロセスをモニターします。
締結後にリベットカーブ(ストローク-荷重線図)を表示し、締結異常を
検出・報告します。
管理カ-ブ異常出力
管理カ-ブ警告出力
締結カ-ブ
ストローク範囲
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ご紹介内容
弊社ご紹介
軽量車両設計の鍵となる締結・接合技術
SPR概説
SPR ハイテン材接合
解決の方策:リベット/ダイスの開発+先進締結装置
SPR締結の締結・品質管理
まとめ
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まとめ
• 締結・接合技術は軽量車両実現の鍵となります。
• SPR(Self Piercing Riveting)は軽量車両において、世界で最も広く使われ
ている締結工法です。
• 弊社ポップリベット・ファスナー株式会社は、SPR装置・リベットの製造・供給と共
に、技術サービス並びに装置のメンテサービスを一環してご提供いたします。
• 新技術の開発と共に、お客様工程の簡略化・省力化をご提案し、トータルコスト
ダウンの実現に大きく貢献してまいります。
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ご清聴ありがとうございました。
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ONE COMPANY. POWERFUL BRANDS.