2017...ceoメッセージ p&gは、良き企業市民として、...

27
日本版 2017 シチズンシップ・リポート 2017 現在 、そして 未来 人々よりよい らしを

Upload: others

Post on 23-Jan-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

日本版

2017シチズンシップ・リポート 2017

現在、そして未来の人々によりよい暮らしを

Page 2: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

目次

CEOメッセージ

良き企業市民として 5つの活動エリア

5.環境サステナビリティ

2020年中期目標と進捗状況

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

企業理念

コーポレートガバナンス

3

5

19

20

※シチズンシップ・リポート2017(日本版)では、良き企業市民としてP&Gが取り組んでいる活動と実績を紹介しています。P&Gグループの世界規模での活動と、国内での活動の両方について、2016/17年度(2016年7月~2017年6月期)の具体的事例やデータを中心に掲載しています。

国内での取り組み 22

海外での取り組み 25

1.企業倫理と責任

2.社会貢献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

7

8

11

・・・・・・・・・・・・・・・・

3.ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)

4.性別による差別の排除 17

【補足資料】

・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

6

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P&Gグループの世界での活動について、詳細は米国本社発行のリポート(英文)をご覧ください。http://us.pg.com/sustainability/at-a-glance/sustainability-reports

海外での取り組み

国内での取り組み

2

・・・・・・・・・・・・・ 13

Page 3: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

CEOメッセージ

P&Gは、良き企業市民として、

よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

P&Gでは、シチズンシップ(良き企業市民としての活動)を、事業の中に組み込み、業

績目標の達成を目指しながら、同時にシチズンシップ活動も展開してまいりました。こ

のたび、2017年度シチズンシップ・リポートを発行し、製品ブランドを通じて、社員を通

じて、事業を通じて、またビジネスパートナーの皆様との協働を通じて、"世界中の

人々の暮らしをよりよいものにする"ために行ってきた活動をご報告しています。

P&Gは、日々"良き力"となり、"成長への力"を発揮すべく努力しています。シチズン

シップ活動の5つの重点エリアである、企業倫理と責任、社会貢献、ダイバーシティ&

インクルージョン(多様性の受容と活用)、性別による差別の排除、環境サステナビリ

ティにおいて、全てのステークホルダーの皆さまに良き影響をもたらすことが、私たち

の願いです。

P&Gは何十年もの間、環境サステナビリティに率先して取り組んでまいりました。エネ

ルギー、輸送、廃棄物、水に関して、2020年の達成を目指していた目標を前倒しで達

成するなど、力強い実績をあげています。そして今後も、これらの分野でイノベーション

を続けていくとコミットしています。例えば、浜辺に漂着したプラスチックごみから作った

初めての再生プラスチックボトルのシャンプーを、テラサイクル社、スエズ社との協働

により、フランスで発売しました。最近では、プラスチックのリサイクル業界に変革を起

こしうる画期的なテクノロジーに関して、ピュアサイクル社と協働を始めました。このテ

クノロジーは、一度使ったポリプロピレンを、バージン材並みの品質で再生できるた

め、大きな需要がありながら、これまで市場に十分出回っていなかった高品質の再生

プラスチックについて、十分に供給できる可能性を開きました。

私たちは世界中のコミュニティに対して、社員の力、製品ブランド、社外パートナーとの協働を通じて、"安心で快適な暮らし"と"健康と衛

生"を提供しています。例えば、衣料用洗剤ブランド「タイド」は被災地でお洗濯代行サービスを提供する「Tide Loads of Hope」活動を行い、

全社的な活動である「安全な飲み水を 世界中の子どもへ」プログラムによって累計120億リットルの安全な飲み水を世界中で提供し、「パン

パース」はユニセフと協働し約20カ国で新生児破傷風の根絶を目指しています。

社員に関しては、多様性を十分に活かすことが、ビジネスを成功に導くと考えており、一人ひとりを尊重し、能力をフルに発揮できるようサ

ポートしています。ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)をより強力に推進するため、約300社とともに「CEO Action for

Diversity & Inclusion」に加わりました。この団体は3つのキーエリアとして、対話を生む信頼できる職場環境、誰もが無意識に持っている偏

見への理解、成功・失敗例の共有と学びを掲げています。この活動は、私たち会員企業だけでなく、社会全体にとっても重要だと考えてい

ます。多様な人材が集まり、最高の知恵とアイデアとパフォーマンスを出し合える環境ができれば、ビジネス成長を促す、より多くのアイデ

アが実現するでしょう。この活動が意義があるものである証として、ヒューマン・ライツ・キャンペーン財団の企業平等指数で、4年連続となる

満点をいただきました。

性別による偏見をなくし、誰もが平等に意見を述べることができる社会 ― 私たちは社内のみならず、誰にとってもよりよい世界をつくりたい

と心から願っています。世界でも指折りの広告主として、アリエールの#SharetheLoad、オールウェイズの#LikeAGirlといったキャンペーンを

通じて、社会に変化を与える議論を起こしてきました。2017年は国際女性デーにあわせて、#WeSeeEqualという動画を配信し、人々を巻き込

んで偏見のない世界を促進する方法だと評価を得ています。

良き企業市民としての活動(シチズンシップ)は、企業理念に支えられています。そして、その企業理念こそが、180年にわたって我々を導い

てきたP&Gの基盤です。

3

TAKETSUNA
Page 4: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

私はこの場を借りて、P&Gと意義あるパートナーシップを結んでいただいている、世界中の企業、NGO、政府や自治体の皆さまに感謝の

意を述べたいと思います。私たちの活動は、貧困をなくし、不平等や不公正と戦い、気候変動に立ち向かう持続可能な開発目標(SDGs)と

も一致しています。

私たちはこれまでの活動成果を誇らしく思う一方、5つの重点エリアそれぞれに、まだ取り組みの余地が残っていると考えています。お客さ

まは、自分たちが購入し使っている製品について、その背後にはどんな企業がいるのか興味をお持ちです。今買おうとしている製品は信

頼できる企業が提供しているものか、知りたいと願っておられます。私たちは企業理念のもと、毎日、信頼を少しずつ積み上げてまいりま

す。常に正しい方法で、誠実さと勝利への情熱を忘れず邁進してまいります。P&Gは常にベストをつくします。

4

Page 5: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

良き企業市民として 5つの活動エリア

P&Gは、"現在、そして未来の、世界中の人々の暮らしをよりよいものにする"ことを企業理念に掲げ、社員一人ひとりが日々、取り組んで

います。良き企業市民として果たすべき行動を事業活動に組み込み、企業としての成長を目指すと同時に、製品ブランドを通じて、社員を

通じて、事業を通じて、またパートナーの皆様との協働を通じて、社会に良き力をもたらすことを目指しています。

「企業倫理と責任」をすべての基盤とし、「社会貢献」、「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)」、「性別による差別の排

除」、「環境サステナビリティ」を、シチズンシップにおける重要な活動エリアに定め、活動を続けています。

企業倫理と責任 Ethics & Corporate Responsibility

社会貢献 Community Impact

ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用) Diversity & Inclusion

性別による差別の排除 Gender Equality

環境サステナビリティ Environmental Sustainability

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P7

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P17

・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P19

・・・P13

5

TAKETSUNA
Page 6: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

企業倫理と責任

P&Gは世界50億人近くの人々に向けて製品とサービスをお届けしている日用消費財

メーカーです。約70カ国に事業拠点を構え、お客様に信頼いただける品質の高い製品

で、市場をリードしてまいりました。世界中のお客様に長く愛され続けるためには、良き

企業市民として「正しいことを行う」姿勢が不可欠です。事業の透明性を保ち、社外の

皆様との協力関係を深め、人材を尊重し、社会的にも環境面でも責任ある調達を行う

― 私たちが長年にわたって、こつこつと築き上げてきた取り組みが、今、皆さまからの

信頼につながっていると確信しています。

・企業理念(PVP)について・・・・・・・・・・P26

・コーポレートガバナンスについて・・・・P27

・安全・安心な製品づくりについてhttp://jp.pg.com/sustainability/safety.jsp

P&Gグループ全社員の行動の根幹となり、共通の指針となるものが、企業理念(PVP=Purpose, Values, Principles)です。"お客様の暮らし

を、毎日少しずつであっても、よりよいものにしていこう"という、社員が共有する目標であり、企業としての成長戦略でもあります。

P&Gグループでは、どの国で働く社員もまた組織も、各国の法律と法の精神にのっとり、高い倫理基準のもとで事業を行っています。私た

ちは、優れたコーポレートガバナンスは、優れた株主価値を生み出すと信じて、経営説明責任を果たすガバナンス原則・方針・実践を維持

してまいりました。企業理念に基づいたこのコミットメントが、株主の皆様にも、われわれP&Gにも利益を与えるものと考えています。

【関連資料】

6

TAKETSUNA
Page 7: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

社会貢献

P&Gの製品は、お客さまの毎日の暮らしをお手伝いしています。お風呂で、お洗濯

で、お掃除で、赤ちゃんのおむつを変えるときも、いつもお客さまの暮らしに寄り添って

います。

災害に遭われた方や、社会的問題に苦しんでいる方など、P&G製品や社員の力を

もっと深く、もっと切実に必要とされることがあります。そんな時も、私たちは皆さまの暮

らしにしっかりと寄り添います。健康で衛生的な暮らしや、安心して暮らせる場の提供

など、P&Gだからこそ大きく貢献できる分野を見定め、特に力を注いでいます。

「女性支援・子ども支援」、「防災・災害・復興支援」、

「地域支援」の3つのエリアを中心に、P&Gの製品や

事業で培った知見、社員のスキルなどを生かした貢献

をしています。

世界的に活動する社会貢献団体ともパートナーシップを組

み、災害被災地や開発途上国などで支援を必要としてい

る方へ、深く広くアプローチしています。

P8 P11

"暮らし"によりそう P&Gならではの社会貢献活動

国内での取り組み 海外での取り組み

7

TAKETSUNA
Page 8: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

社会貢献

国内での取り組み

P&Gでは、製品・サービスや、事業の中で培ってきた知識、社員が持つスキルを生かして、「災害支援」「子ども・女性支援」「地域貢献」

を中心に社会貢献活動を続けています。

毎日の暮らしをサポートする日用消費財を提供している企業として、P&Gでは大きな災害が起きた際には、被害にあわれた方々が少し

でも早く日常を取り戻せるよう、迅速かつニーズに合った支援を行っています。災害が起きる前の備えや防災に関しても、P&Gならでは

の活動を行っています。

自治体の備蓄用に製品を提供

関西広域連合と神戸市

大災害の後は交通が制限され、企業だけの力では、緊急物資を被災者の方々へ届

けることが困難です。また自治体側も様々な対応に追われ、受け入れに時間がかか

ることもあります。そこでP&Gでは、地方自治体の災害用備蓄として、あらかじめ製

品を提供しておくことで、いざという時に必要な物資をタイムリーに配布いただけるよう

協力しています。

2013年から、関西広域連合と災害用備蓄に関する協定を結んでいます。これまで救

援物資の受け入れ拠点27か所に、累計で紙おむつ「パンパース」約39万5千枚、

生理用ナプキン「ウィスパー」約5万5千枚、パンティライナー約22万枚を寄贈しています。これらは必需品であるとともに、お風呂や洗濯

に水が使えないときに便利な製品です。災害時に弱い立場となりがちな女性やお子さんを、製品提供を通じて支援しています。

2017年11月には神戸市の災害備蓄として、紙おむつ「パンパース」約1万5千枚、生理用ナプキン「ウィスパー」約3万枚を寄贈しました。

小さなお子さんのいるご家庭へ

神戸市の協力で防災マニュアルを5万部提供

防災教育のエキスパートであるNPO法人プラス・アーツ監修のもと、小さなお子さんの

いるご家庭に向けた防災マニュアル「もしもの時も暮らしはつづく」手帳を、2016年に発

行しました。当社が阪神・淡路大震災で被災したときの経験や、東北などの災害支援

を通じて得た学びを生かしつつ、災害をご経験された、小さなお子さんの保護者の

方々にもお話をうかがい、具体的なアドバイスをまとめました。防災グッズや備蓄か

ら、家族との連絡方法や心のケアといったソフト面での備えまで、イラストを用いてわ

かりやすく紹介しています。

2017年は神戸市に編集協力をいただき、市の防災ポータルサイト、防災ネットやハ

ザードマップなど、市民の皆さまに便利な情報を加えてバージョンアップして発行し

ました。このほか「地震が起こったら―イザというときに備えて、ふだんから安全行

動を親子で確認しよう」のページも追加。市内の保育園・幼稚園など約400施設に、

5万部を配布しました。

ウェブサイトにPDFを掲載しています。

神戸市バージョンはこちら

http://jp.pg.com/bousai.jsp

オリジナル版はこちら

http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2017/06/20170628020001.html

8

TAKETSUNA
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
Page 9: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

小さく生まれてきた赤ちゃんにも「パンパース」を。

世界初*1 出生体重が800g未満の赤ちゃんサイズの製品発売赤ちゃんの健やかな成長を応援する乳幼児用紙おむつブランド「パンパース」は、

小さく生まれてきた赤ちゃんのために、病産院向け製品を発売してきました。国内外

のNICU(新生児集中治療室)の看護師150人の皆さまからご意見をお聞きし*2、

2017年春、「パンパースのはじめての肌へのいちばん*3」の病産院向けシリーズを改良。

全ての赤ちゃんの成長をサポートするため、サイズ展開を細かく設定し、また世界初とな

る800g未満で生まれてきた赤ちゃん用のための紙おむつ「P-3」を発売しました。

小さく生まれてきた赤ちゃんは、器官が未発達で皮膚も繊細なので、睡眠、適切な発育ポジショニングと発育環境が大切です。病産院の

先生や看護師さんによると、NICUでは、おむつ替えが赤ちゃんの負担になったり、やむを得ずサイズのあわないおむつを使用していると

いう現状がありました。そこで「パンパース」は、おむつ替えの際の安全性、心地よさ、やさしいケアを届けられる製品を目指して既存製品

を大幅改良しました。新たに発売した「P-3」と、1,500gまでの「P-2」は前後どちら向きでも使うことができ、うつ伏せで寝ている赤ちゃ

んを仰向けにしなくても、おむつ替えができます。

1 P&G調べ(世界のリーディングブランドとの比較 2016年11月)

2 当社製品内比較

3 P&G調べ(2016年8月 US COINN(国際新生児看護協会・カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー会議)に来場した日本人看護師に

対するインタビュー)

*

*

*

がん治療中の女性にウィッグを提供

パンテーン「キレイの力」プロジェクト

抗がん剤治療による脱毛は、特に女性の患者さんにとって深刻な悩みのひとつで

す。"美しい髪を通じて、すべての女性がもっと輝く手助けをすること"を目指すP&G

のヘアケアブランド「パンテーン」は、2008年からNPO法人キャンサーリボンズと協働

し、がん治療中の女性に医療向けウィッグをお贈りする活動を続けています。

看護学生さんに協力を呼び掛け、パンテーンで手入れしながら約半年間かけて伸ば

した髪をこれまで685名から提供いただき、ウィッグの一部に使っています。これまで

にウィッグをお贈りすることができた患者さんは377名(2017年12月末時点)。患者さん

からは"前向きな気持ちになれた"、"元気になったらおしゃれを楽しみたい"など喜び

の声をいただいています。看護学生さんからも"ヘアケアする時間が患者さんのことを

考える時間になりました"、"自分の髪が患者さんの笑顔のきっかけになると思うとと

ても嬉しい"などの声をいただいています。

「パンテーン キレイの力」について

http://www.ribbonz.jp/kireinochikara/

9

Page 10: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

神戸まちづくり六甲アイランド基金

P&Gは積水ハウスと共同出資し、復興と未来への街づくりを目的とした非営利活動

を支援する「公益信託神戸まちづくり六甲アイランド基金」を設立しました。設立から

20年以上が経つ現在も、この基金を利用して、地域交流や街づくりに関する様々な

活動が行われています。

児童養護施設に製品を提供

神戸市内にあるすべての児童養護施設に、2006年から、紙おむつ、洗剤、シャンプーなどの生活必需品を定期的に、かつ継続的にお贈

りしています。これまでに1400人のお子さんにお贈りすることができました。子どもたちの健やかな成長を願い、製品提供を通じて、気持

ちよく安心して暮らせる環境づくりをお手伝いしています。

高崎工場:「環境フェア2017」で、

水の大切さを学ぶクイズや環境教室を実施

P&G高崎工場(群馬県高崎市)は2017年6月、「環境フェア2017」(主催:高崎市)に

参加しました。洗剤や柔軟剤など水に関連した製品を製造しており、水や化学に関す

る知識が深いことを活かして、小学生の皆さんに水の大切さを学んでもらうクイズや

環境教室を開きました。

工場からは社員ボランティア17名が参加。クイズ大会は、お家でできる節水方法や、

P&Gにおける環境保全の取り組みを展示したパネルの中から出題。子どもたちは

「一日に平均どのくらいの水を使っているの?」「効果的な節水の方法は?」といった

問題用紙を手に、パネルを読んだり、社員ボランティアに質問しながら、熱心に取り

組んでいました。

環境教室では、アフリカなどで安全な飲み水が手に入らず深刻な病気に苦しむ人々の現状を伝え、開発途上国や災害被災地で提供し

ている"P&G簡易浄水剤"を使って、泥水を安全な飲み水にする実験を行いました。イベントに参加した子どもたちやご家族からは、「ク

イズが面白かった」、「楽しく環境を学ぶことができ有意義だった」と大好評。参加した社員ボランティアは、「高崎市にP&Gの工場がある

とはじめて知った方もおられ、地元の皆さまと交流を深めることができ、とても嬉しい」と話しています。

明石工場:設立35周年イベントで復興支援ご当地グルメ展を開催

「パンパース」を生産している明石工場(兵庫県明石市)は2017年6月、設立35周年を

祝って、社員とその家族など約400人を招いて「ファミリーデー」を開催しました。家族

の皆さんには、普段働いている工場の見学や、記念植樹、ゲームなどを楽しんでも

らったほか、東北・熊本から取り寄せたご当地グルメ展も開催。楽しい雰囲気の中

で、震災からの復興に今もとりくんでおられる両地域の特産品を紹介・販売しました。

ご当地グルメの売上金は、別途、国内各地の社員から集めた募金に合わせ入れ、会

社から同じ額をマッチングして、2017年夏に九州で豪雨被害にあわれた地域へ、日

本赤十字を通じてお贈りする予定です。

10

TAKETSUNA
テキストボックス
地域支援
Page 11: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

社会貢献

海外での取り組み

「安全な飲み水を 世界中の子どもへ」 ウェブサイト(英語)はこちら

https://csdw.org/csdw/

「安全な飲み水を 世界中の子どもへ」活動

累計120億リットルの安全な飲み水を提供

「安全な飲み水を 世界中の子どもへ」活動は、P&Gが2004年からグローバルに展開し

ている社会貢献活動です。世界には、安全な飲み水が十分に手に入らない人々が10億

人近くいます。不衛生な飲み水が原因でコレラや赤痢、腸チフスといった下痢疾患にか

かり、毎日約1000人の子どもが命を落としています。また、多くの女性や子どもたちが、

毎日何キロも歩いて家族のために水を汲みに行っています。健康を損なうと、経済的な

問題も引き起こします。子どもたちは学校を休みがちになり、大人は働くことができず、現

在も将来的にも安定した収入を得ることが難しくなります。

P&Gは、米国疾病対策センターと共同開発した「P&G簡易浄水剤」を、安全な飲

み水が恒常的に手に入らない開発途上地域や、災害や紛争時の緊急支援物資として、

無償あるいは非営利で提供してきました。浄水剤1包で10リットルの水を家庭でも簡単に

浄化でき、水そのものを運ぶより軽くてかさばらず、物資の輸送が難しい地域でも効率

的に配布できます。社会貢献団体など150以上の社外パートナーと協力し、持続可能な

開発目標(SDGs)・目標6の「水・衛生」の実現へ貢献しています。これまでに120億リット

ル以上の安全な飲み水を提供し、2020年まで

に150億リットルの提供を目標にしています。

世界20ヵ所以上で、

被災地の皆さまの暮らしをお手伝い

P&Gグループとして、2017年度は世界20ヵ所以上の災害被災地に対し、製品提供や支

援活動を通じて、被災者の皆さまの暮らしを少しでもよりよいものするお手伝いをしまし

た。

製品提供については、生理用品「オールウェイズ」、かみそり「ジレット」、ヘアケア製品

「ヘッド&ショルダーズ」「パンテーン」、歯磨き・歯ブラシ「オーラルB」、紙おむつ「パン

パース」などをご提供しました。支援活動に際しては、多くの災害支援団体とも協力して

おり、現地で活動している支援団体への寄付も行いました。

衛生関連サービスが使えるコミュニティセンター設立

ケニヤ・ナイロビの近郊にあるキベラは、貧困に苦しんでいる人の多い地域です。P&G

では、NGOパートナー「ヒューマン・ニーズ・プロジェクト」と協力して、これまでになかった

形式のコミュニティセンターを設立しました。暮らしに必要でありながら、経済的に得ること

が難しかったサービスを、利用ごとに料金を支払う形式にすることで、サステナブルに提

供できます。衛生関連サービスが主で、アリエールによるお洗濯サービス、シャワー、トイ

レ、安全な飲料水、カフェテリア、高速インターネット、コンピューターの授業、成人教育、

低金利ローンの貯蓄・融資信用組合などがあります。2015年3月の開設以来、のべ23万

人以上の人々が利用しています。 11

TAKETSUNA
Page 12: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

ヨーロッパ

ホームレスの方々の無料洗濯サービスに協力

P&Gイタリアでは、ローマ教皇慈善活動室とワールプール社とパートナーシップを結

んで、ホームレスなど経済的に恵まれない方々への無料洗濯サービスに協力してい

ます。P&Gからは洗濯用製品「ダッシュ」「レノア」を提供、ワールプール社から洗濯

機や乾燥機などを提供しています。教皇慈善活動室との協働は、2015年にホームレ

スの人々に無料でシャワーや散髪を提供する施設へ、かみそりやシェービングクリー

ムを提供したことからスタートしました。

よりよい教育の場を提供「HOPEプロジェクト」

P&G中国が続けてきた、子どもたちによりよい教育の場を提供する「HOPEプ

ロジェクト」が20周年を迎えました。これまでに200校以上を改修し、30万人以上

の子どもたちのお手伝いをしてきました。そして新たな5年計画がスタートします。

地方部では家族を残して、都会に出稼ぎに出る人も少なくなくありません。そこ

で、寂しい思いをしている子どもたちに寄り添う活動に力をいれる計画です。演

劇、スポーツ、美術、音楽など包括的な教育を提供し、子どもたちに積極的な参

加と、自分を表現するように働きかけることで、子どもたちが自信をもち、愛情の

力を信じることを目指します。

12

Page 13: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

ダイバーシティ&インクルージョン

(多様性の受容と活用)

P&Gが目指すダイバーシティ&インクルージョンの形

多様な人材が組織の中にいる状態(ダイバーシティ)だけでは、十分なメリットは得られません。一人ひとりの違いをお互いが受け入れ、積極

的に活かし合うこと(インクルージョン)で初めてメリットが得られます。

お客様、企業、社員にもたらすメリット

P&Gにとって、ダイバーシティ&インクルージョンの推進は、重要な経営戦略の一つです。お客様にも、私たち企業にも、社員にも大きなメリッ

トがあると考えているからです。

メリット例

・多様なアイデアが集まることで、より多くのイノベーションが生まれ、今までにない製品やサービスを提供することができる。

・お客様自体が多様性にとんでいるため、社内に多様性を持つことでニーズを深く理解できる。

・社員一人ひとりが充実感をもって働くことで、持てる能力を最大限に発揮でき、生産性が向上する。

・より広い母集団から、優秀な人材を確保することができる。

・グローバルに活躍する人材を育てるための土壌となる。

性別、国籍、年齢や、経験、価値観などの目に見えない違いも含め、人間は一人ひとり異な

ります。P&Gは社員が持つ多様性を、貴重な財産と考え、個々の違いを互いに認めて活か

しあう「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)」を、1990年代前半から推

進してきました。

多様な才能とアイデアが集まることで、思いもよらないイノベーションが生まれます。多様な

お客様のニーズを深く理解でき、よりよい製品とサービスを提供することができます。社員一

人ひとりが持てる力を最大限に発揮し、ビジネスにメリットをもたらす重要な経営戦略の一つ

として、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。

13

TAKETSUNA
Page 14: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

3つの推進の柱

P&Gでは、「企業文化」「制度」「スキル」の三本柱が整い、その相乗効果がうまれることによって、多様な個々人の「能力」と「成果」の両方

が最大化されると考えています。

国内での主な取り組み事例

ダイバーシティ&インクルージョン ウィーク

毎年3月、全社員を対象に、セミナー、社外スピーカーによる講演、トレーニングなどを

通じて、改めてダイバーシティ&インクルージョンのビジネスにとっての重要性を学ぶ

機会を提供し、自ら行動することを促しています。一人ひとりの最高のパフォーマンス

を互いに引き出しあう企業文化の醸成を目指しています。

柔軟な働き方をサポートする制度

在宅勤務、フレックス・ワーク・アワーなど、社員が自分の仕事スタイルや、家庭環境も

含めて、自分に合った働き方を柔軟に選べるように制度を拡充してきました。2012年に

は「フレックス@ワーク」という考え方を導入し、これらの制度を、自身の生産性を向上

し、最大の成果を出すためのものであると位置づけ、計画的・積極的に活用することを

推奨しています。

制度例

ロケーション・フリー・デー: 特別な事由なく月に最大5日、会社や自宅以外の場所でも

勤務できる、いわば"在宅勤務の進化形" (育児や介護など特別な事由がある場合は

最大10日まで取得可能)

コンバインド・ワーク: 会社と自宅での勤務時間を合計して、フルタイム勤務ができ

る"時短勤務と在宅勤務の進化形"。育児・介護などの事由がある場合、最大週5日取

得が可能。

14

Page 15: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

スキル研修

社員が日頃から職場でダイバーシティ&インクルージョンを実践するためには、その

方法(スキル)を身につけることが重要です。新入社員を対象としたダイバーシティ&

インクルージョンの重要性を学ぶ研修、管理職を対象とした部下をインクルージョンす

るための研修、経営陣を対象にしたインクルーシブな組織と文化醸成のための研修

など、それぞれの立場で必要なスキルを身につける研修を行っています。

P&Gダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト

25年をかけて培ってきたダイバーシティ&インクルージョンに関する知見を、広く社

外でも役立てていただこうと、2016年3月に社外啓発組織「ダイバーシティ&インク

ルージョン啓発プロジェクト」を立ち上げました。セミナーやアンケート調査などを通

じて、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する意義を発信するとともに、社内

研修をベースに開発した独自の管理職向けのインクルージョンスキル研修の無償

提供などを行っています。2017年12月末までに、約300組織(企業、行政、大学な

ど)に研修やノウハウを提供しました。

国内のダイバーシティ&インクルージョン推進体制

15

Page 16: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

海外での主な取り組み事例

CEO Action for Diversity and Inclusionに参加270社以上のCEOが、職場におけるD&I推進にコミット

2017年6月、米国企業を中心に各社のCEO(最高経営責任者)が職場における

ダイバーシティ&インクルージョン推進をコミットする「CEO Action for Diversity

and Inclusion」に、P&Gも参加しました。同会議には、現在270社以上のCEOが

参加しており、「安心して対話ができる職場環境の実現」「誰もが無意識に持って

いる偏見への理解」「ベストプラクティスの共有」の3つの活動について、各社で

推進することを宣言しています。

ダイバーシティ&インクルージョンに関する最近の主な受賞

・内閣府「平成27年度 子供と家族・若者応援団表彰」 子育て・家族支援部門 内閣府特命担当大臣表彰

・厚生労働省「イクボスアワード2016」 グランプリ

・日本の人事部「HRアワード2016」 (後援:厚生労働省)企業人事部門 特別賞

・Forbes JAPAN 「JAPAN WOMEN AWARD 2016」 企業部門「活躍推進部門」グランプリ、個人部門「・革新をもたらすリー

ダー賞」を含む3 部門で受賞

・Forbes JAPAN 「JAPAN WOMEN AWARD 2017」 人材開発賞 準グランプリ

・東京都「平成28年度 東京都女性活躍推進大賞」 産業分野 大賞

・兵庫県「平成28年度 ひょうご子育て応援賞」

・兵庫県「平成29年度 ひょうご女性の活躍企業表彰」

台所用洗剤「ジョイ」

夫婦の家事分担ムービー「ふたりでわけあうもの」が話題に

2017年、台所用洗剤「ジョイ」は、11月22日の"いい夫婦の日"にあわせて、「家事分

担をJOBからJOYへ」をテーマにしたメッセージ動画"ふたりでわけあうもの"を公開

しました。

ジョイが行ったインタビューから、家事や仕事、育児に忙しく、切羽詰まっている妻が

思わず発する「もう少し夫にも家事やってほしいなあ」という声や想いと、その本音に

は、夫からのちょっとした手助けや気遣いを求める気持ちがあることが分かりまし

た。一方、夫は、その言葉を受けて、責められていると感じることも多く、実は家事分

担は夫婦の気持ちの問題であることが分かりました。

そこで「家事分担をJOBからJOYへ」というプロジェクトメッセージのもと、家事の分け合いだけではなく、夫婦の気持ちまで分け

合う家事分担を提案しています。動画のストーリーは、いろんなものをわけあってきた二人が、恋人から夫婦になり、子供が生ま

れ、抱えるものがふえてきて、わけあっていたはずが、わかりあえなくなって…。最後にお互いの気持ちに気付き、"わけあいた

いのは、わかりあいたいから"と、家事の分担はもちろん、気持ちも分け合おうというメッセージで終わります。公開約3週間で340

万回の再生があり、多くの共感をいただきました。

「家事分担をJOBからJOYへプロジェクト」 特設サイトはこちら

http://m.myrepi.com/joy/jobtojoy/

16

Page 17: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

性別による差別の排除

広く社会を見わたすと、性別による偏見や差別が、意識的であれ、無意識であれ、残って

いることがあります。P&Gは、全ての人が尊重され、意見を述べることができる社会づくり

に貢献したいと考えています。女性が使う製品やサービスを多く持つP&Gでは、女性の暮

らしを観察し、想いをお聞きすることで、こうありたいという願いや、抱える課題について理

解を深めてきました。家庭、職場、学校など、あらゆる場で、女性が自由に活躍し、持てる

力を十分に発揮できる社会になるよう、製品やサービス、社会貢献などを通じてお手伝い

をしています。

広告の力で多くの人々に気付きと行動のきっかけを。

#WeSeeEqualキャンペーン

誰の目にも明らかな不公平だけではなく、多くの人が無意識に抱いている偏見にもスポッ

トライトをあてることで、一人ひとりが自分にも偏見があることに気付き、偏見をなくすこと

への関心や行動が高まり、ひいては社会全体の変革につながると考えています。生理用

品「オールウェイズ」の#LikeAGirlキャンペーンなど、"広告"を活用してメッセージを広く発

信することで、多くの人々にダイレクトに語り掛け、社会的な対話を促してきました。

2017年3月、「#WeSeeEqual」と題した動画を新たに配信。おむつを替える男性と

「Diapers don't care who change them.(おむつは、誰に替えられるかなんて気にしない)」

といったシンプルな映像と文章が次々と現われ、古い常識は捨てて、新しくニュートラルな

目を持とうと提案しています。180カ国以上で何百万回も再生されました。

教育の機会や経済的成功への壁をなくす

P&Gでは、性別と関係なく、教育の機会が与えられ、経済的に成功する機会が得られる

よう、活動を行ってきました。企業としての活動事例として、米国で40年以上続けている「サ

プライヤー・ダイバーシティ・プログラム」があります。物品やサービスを購入する際、女性

や、退役軍人、障がい者、LGBTなど多様な人が経営する企業を選ぶことを奨励するプロ

グラムです。現在は中国、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、トルコなどでも展開していま

す。

生理用品「オールウェイズ」が30年以上続けている「Puberty and Confidence(思春期・自

信を育てる)教育プログラム」は、思春期に起こる心と身体の変化を理解して、うまく対処で

きるように、女の子と保護者や先生方に、無料の教育マテリアルやサンプルを提供する活

動です。各国のニーズや文化、習慣などに合わせた形で行っており、年間70カ国、約1700

万人の女の子たちに提供されています。

17

TAKETSUNA
Page 18: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

「オールウェイズ」はこの他にも深刻な問題に取り組むプログラムがあります。女子児童・学生の1割近くが、毎月、生理中は学校を欠席し、

その結果、多くの退学者が出ている地域があります。「オールウェイズ」は無償で思春期教育とナプキンを提供することで、生理期間中も通

学できるよう支援してきました。2006年から、サハラ以南のアフリカ(サブサハラ)に暮らす10万人以上の女の子に、累計800枚以上のナプキ

ンをお渡ししています。

社内のインクルージョン文化を育成

女性特有の悩みに対処するため11の「サークル」開始

働く女性が共通して持つことの多い悩みについて、同じ立場の仲間と話し合い、情報共有

やアドバイスがもらえる場を提供する「サークル」活動を2017年3月に開始しました。1990

年代前半に導入したメンターシップ制度も盛んに活用されており、社員同士が相談しあえ

る体制が整っています。

「サークル活動」は、社員のニーズを元に選んだ11テーマ(管理職の女性の会、独身の

会、未就学児をもつ母の会、夫が日本企業勤務の妻の会、自分をどうケアするかを考え

る会、小学生の子どもをもつ母の会、中高生の子をもつ母の会、夫よりリーディングキャリ

アの妻の会、ディンクスの会、介護中の会、など)で、現在活動中。ビデオ会議システムを

使って、本社、東京オフィス、工場、営業など各地の社員同志が交流可能です。所属部門

や職務経験を超えて、情報を共有できる場ができたことで、現在、100名程度の社員が参

加しています。

18

Page 19: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

環境サステナビリティ

P20 P22

2020年中期目標と

進捗状況 国内での取り組み 海外での取り組み P25

すべての社員が包括的に環境負荷を低減

P&Gは世界最大の日用消費財メーカーです。たとえ一つひとつの製品が環境に与える影響は

小さくても、世界各地のご家庭で毎日製品が使われていることを考えると、事業規模と比例して

当社の環境保全への責任は大きく、果たしうる貢献も大きいと考えています。また、地球環境に

配慮した製品やサービスを提供することは、ビジネス成長の機会でもあります。お客様に喜んで

いただける優れた製品づくりを目指すと同時に、資源を大切に使い、環境への負荷を最小限に

する努力をしています。

長期ビジョン

P&Gは環境保全に関して、今後、何十年もかけて取り組むべき重点課題として、

4項目からなる長期ビジョンを掲げています。

当社の工場の動力源を100%

再生可能なエネルギーにす

る。

すべての製品および包装に

100%再生可能材料、または

リサイクル材料を使用する。

消費者を満足させると同時

に、資源保存を最大化する

製品設計を採用する。

埋め立て処理となる消費後

の廃棄物、製造における廃

棄物をなくす。

19

TAKETSUNA
Page 20: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

※2017年6月30日現在/2010年を基準年とする

環境サステナビリティ

2020年中期目標と進捗状況

2020年までに当社施設によるエネルギー消費量を

生産単位あたり20%削減する

達成済:2010年度比で22%削減

生産単位あたりのトラック輸送距離(km)を20%削

減する

達成済:2010年度比で25%以上削減

2020年までに、温室効果ガスの絶対排出量を30%

削減する

2010年度比で16%削減

当社工場での再生可能エネルギー使用を30%に引

き上げる

利用率10%

消費者による洗濯回数合計の70%を、低エネル

ギーで行うようにする

67%

パーム油に関するコミットメントの実行 3つの戦略の柱に対して、引き続き進捗

2015年までに、紙製品および吸収性のある衛生製

品に使用するバージン木材繊維のすべてを第三者

認証を得たものにする

100%達成済

2020年までにコストと規模が許す限りにおいて、主

な石油由来の原材料を、再生可能材料に置き換え

る技術を確立する

当社が重点を置いている3つの材料区分

のうち2つ(樹脂、洗浄剤)で完了。残る1つ

(アクリレート)を調査中。

水効率のよい製品を10億人の消費者に提供する 世界で6億1千万人へ提供

生産施設における生産単位あたりの水使用量を

20%削減。特に水不足地域における水の保全を中

心に展開

達成済:27%以上削減

20

TAKETSUNA
TAKETSUNA
長方形
TAKETSUNA
長方形
TAKETSUNA
グループ
目標
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
す。
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
す。
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
す。
TAKETSUNA
グループ
目標
TAKETSUNA
グループ
進捗
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
TAKETSUNA
グループ
進捗
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
TAKETSUNA
グループ
進捗
Page 21: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

2020年までに生産活動で出る廃棄物の埋め立て処

理をゼロにする

P&Gの生産施設の72%で達成

2020年までにすべての紙容器・包装に、リサイクル

紙または第三者認証紙を使用する

サプライヤーから報告された98%が条件

をクリア

消費者1回使用あたりの容器・包装量を20%削減する

2010年比で約13%削減

プラスチック容器・包装におけるリサイクル樹脂使用

を2倍にする

約34,400トンのリサイクル材をプラスチッ

ク容器・包装に使用。目標まで32%達成。

製品の容器・包装の90%をリサイクル可能にするか、

リサイクル可能とするためのプログラムを用意する

86%達成済。さらにリサイクル可能とする

強力な施策を実行中

固形廃棄物の埋め立て処理・単純廃棄を削減する

方法を検討するために、先進市場と開発途上市場

の両方で試験的研究を行う

社外パートナーと協働し、様々な試験的

プロジェクトを実行

21

TAKETSUNA
タイプライターテキスト
TAKETSUNA
ノート注釈
TAKETSUNA : Marked
TAKETSUNA
ノート注釈
TAKETSUNA : Marked
TAKETSUNA
ノート注釈
TAKETSUNA : Accepted
TAKETSUNA
タイプライターテキスト
TAKETSUNA
グループ
進捗
TAKETSUNA
グループ
目標
Page 22: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

環境負荷の低減を目指して、国内に3拠点ある工場を筆頭に、原材料調達、輸送、間接業務など全ての事業活動において、全ての社員

が取り組んでいます。工場では特に、長年にわたって、CO 排出削減、水環境の保全、廃棄物削減の3つのエリアを中心に取り組みを進

めてまいりました。また当社だけではなく、取引先やサプライヤーとも協力を深めることで、サプライチェーン全体での環境保全も推進して

います。

工場

環境サステナビリティ

国内での取り組み

気候変動

紙おむつ「パンパース」を生産している明石工場(兵庫県明石市)では、環境保全活動の中

でも、節電に重点的に取り組んでいます。2017年度は、2015年6月に製造棟の約8割で行っ

た屋根の遮熱塗装により(写真)、当該施設の空調使用電力を前年比で30%削減しました。

また同工場の設立当初から使用してきた建屋や付帯設備を中心に、2015年度から4カ年計

画で、エネルギー効率の高いものに順次置き換えています。2017年度も昨年と同様に、バ

キューム、ファン、空調などを刷新し、4カ年計画の対象設備の電力消費量を、生産量当た

り約10%削減できる見込みです。2017年春から、新しい試みとして、ソーラーライトを駐車場

に導入しました。災害時には非常用電源や携帯の充電器に使えるようにしており、今後、故

障や老朽化した電灯はソーラーライトに置き換えていきます。

洗剤類を生産している高崎工場(群馬県高崎市)では、省エネルギーならびにCO2排出削減の機会を常に探して取り組んでいます。例え

ば、工場内に10か所ある変電所の4か所について4年計画で、変圧器を湿式(油入変圧器)から、よりエネルギー効率の高い乾式(トップラン

ナー変圧器)に変更中。2017年度も1か所交換し、年間で47GJの節電を図りました。また換気扇の一部を、約9割の節電が見込める新式に

交換し、年間349GJを節電しました。

滋賀工場(滋賀県野洲市)では、2017年度、事務所等の空調を大型空調から個別空調に変更し、必要な箇所だけ効率的に利用すること

で、空調にかかっていた電力を約30%削減しました。また当年度は消火槽を増設しましたが、既存のポンプに比べて使用電力が約10%少

ない高効率ポンプを採用しました。

高崎工場の主な水の用途は、製品への利用のほか、生産する製品の切り替え時のタンクや配管の清掃です。設備の改善や、洗浄方法の

見直しなどの積み重ねにより、2017年度は生産量当たりで前年比7.6%、水使用量を減らすことができました。

滋賀工場では、製品や生産設備の洗浄に純水を大量に使用するため、純水装置が不可欠です。増産に伴い、新たに1台の高効率純水装

置を導入しました。既存の装置は投入した水に対して、純水にしきれない廃水が15%出ていましたが、新装置では10%と、5%分改善しまし

た。昨年の実績で換算すると、新装置では800トンの節水ができることになります。

廃棄物

高崎工場では、不要になった施設を解体した際、通常、がれきは埋め立て処理するところ

を、環境保全の観点から、業者との協働により100%リサイクル化しました。例えば、コンク

リート部は工場内で分別し(写真)、コンクリートは再生砕石として工場内で再利用、鉄筋は

有価物として売却しました。金属スクラップ約1000トンは全てを有価物として売却しました。

22

TAKETSUNA
Page 23: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

オフィス

輸送

積載効率の向上と鉄道利用で、5年間で11.5%のCO2削減

輸送においては、トラックの積載効率向上、倉庫を経由しない取引先への直接輸送の拡

大、鉄道輸送の利用などにより、コスト削減とともに、CO2排出量の削減も行ってきました。

単位輸送量あたりのCO2排出量について、平成28年度(2016年4月~2017年3月)*は、こ

の5年間で最も大きな削減成果を出し、平成23年度比で11.5%の削減となりました。

* 輸送に関するデータは、経済産業省への報告数値に基づいているため、当社の会計年度ではなく、3月締

めです。

平成28年度の主な取り組み例として、紙おむつを生産する明石工場では、トラックの荷台

に効率よく積載するために、製品の組み合わせと積み込み方法を自動計算するシステム

を利用していますが、システムを改良したことにより、1トラックあたりの積載率が、前年の

81%から、平成28年度は83%に向上しました。

また取引先への直接配送を拡大し、輸送距離を短縮することで、タイムリーな配送ならび

に費用削減に加えて、CO2削減にも効果をあげました。また鉄道輸送の利用を全体的に

増やすことで、環境保全ならびに、特に繁忙期の安定輸送を図りました。

環境に配慮したCASBEE神戸Sランクのビルに移転

P&G日本本社(兵庫県神戸市)は、2016年夏に神戸市三宮地区にオフィスを移転しまし

た。移転先を選定する際は、環境へ配慮されたビルであることも条件として検討し、新ビル

は、神戸市建築物総合環境評価制度(CASBEE神戸)で最高のSランクと、DBJグリーンビ

ルディング認証でGold(Plan)2013を取得するなど、様々な面で環境保全対策がなされてい

ます。

また新オフィスでは、社員が固定のデスクを持たないフリーアドレス制を採用するなど、オ

フィスの利用効率をさらに向上することで、社員一人あたりのエネルギー消費量の削減を

図っています。移転の前後に集中的に行ったペーパーレス化も、引き続き積極的に進めて

いるほか、ゴミ箱の数を減らすなど、社員が日常業務の中で廃棄物削減を意識するような

活動も行っています。環境側面だけではなく、充実したITインフラや、社員間の交流を促進

するオープンなオフィス設計など、社員の生産性を向上し、快適に働ける環境を整備して

います。

*1 ガス使用量が大きく減少しているのは、新しいビルではガスを使用していないためです。

*2 廃棄物が大きく増加しているのは、移転に伴い、古い什器を処分するなど、一時的に大量の廃

棄が出たためです。

23

Page 24: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

製品・容器

エアケア製品ブランド「ファブリーズ」は、カー用品大手の「オートバックスセブン」、リサイク

ル企業「テラサイクル」と協働し、2017年10月から、使用済みのクルマ用消臭芳香剤を回収

し、交通安全用の反射板キーホルダーにリサイクルするプロジェクトを行っています。

全国のオートバックスグループ店舗内に回収ボックスを設置し、テラサイクル社でプラスチッ

ク原料(ペレット)にした後、反射板キーホルダーにリサイクル。キーホルダーは地域の小学

校や団体に寄贈される予定です。環境保全とともに、交通事故の減少にも貢献できる画期

的なプロジェクトです。

P&Gはテラサイクル社と世界的に様々なブランドで協働し、リサイクル活動を行っており、

日本での活動はこのプロジェクトが初めて。海外での事例としては、2017年夏にフランス

で、海岸に漂着したプラスチックゴミをリサイクルし、ヘアケア製品「ヘッド&ショルダーズ」の

パッケージに利用して発売しました。

「ファブリーズ」がオートバックス、テラサイクルと協力

使用済みクルマ用消臭芳香剤を、反射板キーホルダーにリサイクル

容器・包装プラスチック削減で長期的な取り組み

容器や包装の省資源化は、資源の保全に貢献するだけでなく、お客様が製品をご使用に

なった後の廃棄物削減にもつながる重要な活動です。P&Gは1989年、国内初の洗濯用洗

剤の詰め替えパウチを発売し、その後も詰め替え容器の利用拡大をすすめてまいりまし

た。その他、容器の薄肉化によるプラスチック量の削減、リサイクル原料や再生可能原料

の採用など、容器による環境負荷の低減へ多角的に取り組んでいます。

24

Page 25: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

環境サステナビリティ

海外での取り組み

写真提供 : Constellation

北米の工場内に

バイオマス燃料を用いた熱電供給プラントが完成

ペーパータオル「バウンティ」や、トイレットペーパー「シャーミン」を製造しているオール

バニー工場(米国ジョージア州)の敷地内に、コンステレーション社が運営する、バイ

オマス燃料を用いた50メガワットの熱電併給プラントが完成しました。2017年年初から

稼働し、生産に使う蒸気の100%と、電力の大部分をこの新プラントで賄っています。

燃料には、地元の林業から出る木や枝などの廃材、ピーナッツの殻などを用いていま

す。P&Gでは2020年までに工場で使うエネルギーの30%を再生可能エネルギーに

転換するという目的を掲げており、すでにテキサスで行っている風力発電の利用とあ

わせると、目標の3分の2まで到達できることとなります。

廃棄物を価値に変える

"2020年までに工場から出る廃棄物の埋め立て処理をゼロにする"という目標を達成するには、工場のある地域のパートナー企業と協力し

て、64万トン以上の廃棄物の有効利用法を見つける必要があります。現在、当社の生産拠点の70%以上において、また日本、中国、インド

を含め23カ国で、埋め立て廃棄物ゼロを完了しています。環境保全への貢献に加え、19億ドル以上のコスト削減にもつながりました。

プラスチックのリサイクル業界に革命

P&Gでは1980年代後半から再生プラスチックを容器に利用しています。しかし再生ポリ

プロピレンについては、高品質な材料が市場に少なく、利用が限られていました。その解

決策として、自社で研究に取り組み、再生ポリプロピレンから、色、ニオイ、混入物質を除

去するテクノロジーを開発しました。この技術を応用して、自社だけではなく、他社にも高

品質な再生ポリプロピレンの供給が広がるよう、ピュアサイクル・テクノロジー社と協働を

始めました。

世界資源研究所と水環境の保全マップを作成

P&Gが水環境に関して、世界資源研究所(WRI)とパートナーシップを結んで5年を迎え

ました。同研究所の「アキダクト計画」に携わる専門家と協働し、当社の生産拠点や供給

パートナーのいる地域、主な国について、詳細な水リスクの評価プロセスを開発しまし

た。これによって、社内のどこに課題があるかを特定し、特に取り組み効果が高い項目

に集中して投資することが可能となります。例えば紙製品をつくるオックスナード工場(米

国カリフォルニア州)では、5つのプロジェクトを展開することで、上水の利用量を28%を

削減。米国森林・製紙協会から2016年度サステナビリティアワード(水部門)を受賞しまし

た。またお客さまのご家庭での水保全についても、製品を通じて貢献しています。例え

ば、洗濯洗剤「タイド HE ターボ」は高い洗浄力を持ちつつ、高効率洗濯機を利用し、余

分なすすぎと水の利用を減らすことができます。

25

TAKETSUNA
Page 26: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

・私たちは、すべての個人を尊重します。

・会社とその個人の利害は分かち難いものです。

・私たちは、戦略的に重要な仕事を重点的に行います。

・革新は、私たちの成功の礎です。

・私たちは、社外の状況を重視します。

・私たちは、個人の専門能力に価値をおきます。

・私たちは最高を目指します。

・相互協力を信条とします。

世界の人々の、よりよい暮らしのために

P&G社員のすべての活動の原点になるものが「企業理念」です。社員一人ひとりが誠実であること、すべての個人を尊重すること、そし

て、常に正しいことを行うという当社の伝統は、175年以上続くP&Gの長い歴史を通じて脈々と受け継がれてきました。世界中のP&G

社員が、世界中のお客様の信頼に応えて、より優れた品質と価値をもつ製品とサービスを提供するため、日々、最善を尽くしています。

企業目的/Our Purpose

私たちは、現在そして未来の、世界の消費者の生活を向上させる、優れた品質と価値をもつP&Gブランドの製品とサービスを提供しま

す。その結果、消費者は私たちにトップクラスの売上と利益、価値の創造をもたらし、ひいては社員、株主、そして私たちがそこに住み働

いている地域社会も繁栄することを可能にします。

補足資料①

共有する価値観/Our Values

P&Gは、社員とその生き方を導く価値観(バリュー)とから成ります。 私たちは、世界中で

最も優秀な人材を引きつけ、採用します。 私たちは、組織の構築を内部からの昇進によっ

て行い、個々人の業績のみに基づき社員を昇進させ、報奨します。 私たちは、社員が常に

会社にとって最も重要な資産であるという信念に基づき、行動します。

行動原則/Our Principles

以下は、企業目的および共有する価値観から派生する、社員の行動原則です。

企業理念

26

TAKETSUNA
Page 27: 2017...CEOメッセージ P&Gは、良き企業市民として、 よりよい社会へと変化を起こします。(シチズンシップ・リポート 2017 米国本社オリジナル版より抜粋)

ワールドワイド・ビジネス・コンダクト・マニュアルに定めた項目例

製品安全性の確保、公正な取引と公正な競争、利害の衝突の開示、プライバシー保護、正確

な帳簿や記録の保持、賄賂・不正行為の防止、環境保護、職場における互いの尊重、公正な

雇用慣行、職場の安全と衛生の確保、上記に対する違反の報告

“Do the right thing (正しいことを行う)”という信念のもと、P&Gは早くから強固なコーポレート・ガバナンス体制を整え、法規制を遵守

し、高い倫理基準に則った公正で透明な経営を続けてきました。経営陣が自らの利益にとらわれず、会社を長期的かつ健全に成長さ

せることに専念するようにシステムを整えています。

内部統制

明文化したポリシーと業務手順、職務の分離(セグリゲーション)、社員の慎重な採用と教育により、厳格な内部統制を行っています。

P&Gの取締役会は社外取締役が大半を占めており、経営陣から独立性をもってガバナンスを実現するという自らの役割を深く理解し

て行動しています。

取引はすべて公認された方法で行い、財務記録については十分な信頼性を保つため、米国で一般的に認められた会計原則に則って

合理的な保証ができるシステムを構築しています。また、公開すべき情報を適切かつタイムリーに報告するシステムを整えています。

監査

内部統制が正しく機能しているかは、社内外の監査によって継続的に確認しています。P&Gの監査部門は米国本社を中心とするグ

ローバル組織で、通常業務から独立性を保ちながら、社内のあらゆる部署を監査する権限を持っています。監査は統一された厳格な

基準のもと、国や地域ごとに行い、結果は米国本社のCFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)と、経営や財務に関する知識が豊富

な社外監査役からなる取締役会監査委員会に直接報告されます。さらに、社外の会計監査法人が、内部統制の有効性を評価してい

ます。

コンプライアンス誠実で透明性のある経営を実践するのは社員であり、その基礎をなすのは企業理念です。P&Gではこの企業理念を、行動規範

「ワールドワイド・ビジネス・コンダクト・マニュアル」として、社員が日々の業務の中で取るべき具体的な行動に落とし込んでいます。業

務上の意思決定をすべて行動規範に基づいて行うよう、社員自らが定期的に自己診断する制度を設けています。万が一、法律や行

動規範に対する違反を発見した場合に、社員がそれを匿名で会社に報告できるシステム「ヘルプライン」を導入しています。

補足資料②

コーポレート・ガバナンス(企業統治)

27

TAKETSUNA