20170806 中華メイカーはコピーをどう考えているか #mft2017

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中華メイカーは コピーをどう考えているか 17:30- 高須正和 (チームラボMake) TAKASU Masakazu @ tks

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Small Business & Entrepreneurship


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Page 1: 20170806 中華メイカーはコピーをどう考えているか #MFT2017

中華メイカーはコピーをどう考えているか

17:30-

高須正和 (チームラボMake部)TAKASU Masakazu @ tks

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自己紹介世界的なDIYの祭典:メイカーフェア深圳(中国)/シンガポールの運営者

現在シンガポール在住世界でいちばん多くアジアのメイカーフェアに参加している

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コピーされやすいものとされづらいもの

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天使度と悪魔度(By 東京大学暦本純一教授)

もとは映画監督黒澤明の「悪魔のように細心に!天使のように大胆に!」から

アイデアの優れた要素を天使度実装の優れた要素を悪魔度と評す

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天使度の高いプロジェクト例思いつきは素晴らしいが、創るのは簡単

悪魔度の高いプロジェクト例誰でも思いつくが、実際に創るのは難しい

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Kickstarterに見られる天使度の高いプロジェクト

中国の通販サイトに見られる天使度の高い製品

$20$79$19

$2 $12 $0.6

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中国のメイカー達は、自分たちのアイデアをどう考えているのか

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具体例1:深圳の発明家Robin Wu, 山寨王と呼ばれる。

彼はiPadの発表後わずか60日でIntel

CPUを積んだコピー製品を発売し、「山寨王」と呼ばれるようになった。もちろんコピー品ばかりでなく、IoTマグやGPSつきジャケットなど、様々な発明品を開発しているほか、彼のブランドのStick

PCはAmazonでも買える。

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山寨王が語るコピー対策

たいていのものは、90日もあればコピー品が出回る。

「見れば作れる」ようなものは、大当たりしたらどんどんコピーされて値段が下がっていく。

最初に大量生産して売り抜け、別のものを発明していくのが自分のやりかた。

後追いは競争になるが、最初は競争がない。

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深圳の発明家Robin Wuの4つのビジネス

ローリスク ハイリスク

中国

エチオピア

Hi360と組んでカーナビの製造(300万台販売)

自社製品(山寨含む)

デジタル機器の製造(EUへの無関税輸出)

プラットフォームビジネス

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具体例2:

Chen Rex, 上海の発明家彼はSTARYという自分たちの電気スケートボードを発明

$742,239 Founded on Kickstarter

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Chen Rex が語るコピー対策

COPY STARY

STARYは$899の製品で、コピー品は$150-250ぐらいで売られている。STARYはその金額を、「普通のスケートボードに見える」ように、専用のバッテリやギヤ、様々なところに使っている。コピー会社は「安く作る」ことに注力するから、値段が上がる部分は作らず、僕らの製品をほしがる人はコピーはほしがらないだろう。

DJIのように、高価格に見合った価値を出し続ければ生き残れる。GoProのように、後追い品と価値が変わらなくなれば失敗するだろう。

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どこが「オリジナル」でどこが「コピー?」

中国に見る「つくる」の

グラデーション

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Prototypeのための部品をつくる「公板」CPU,マザーボードなどの規格品の存在で、多くの人が「自作PC」がつくれる(それなりにノウハウは必要)

チップメーカー(画像処理チップやスマホのCPUなど)+つきあいのあるデザインハウスが作成し流通する「公板」自作PCのように、自作スマホや自作カメラを作れるさまざまなモジュールが流通している

ヒットしたモジュールはコピーされ、価格が(たいていは品質も)下がったものがさらに流通する

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Promote, Produceだけの「貼牌」

香港のトレードショーでは、さまざまな「ノーブランド家電」(白牌と呼ばれる)が出展されている。

こうした白牌を自分のブランドで売り出すことを貼牌(TiePaiティエパイ)と呼ぶ。「作られてない製品」

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Promote, Produce, Prototypeが揃って「つくる」

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DTP=同人誌DTM=同人ミュージック

デスクトップファブリケーション=同人ハードウェア

印刷するぐらいの手軽さでハードウェアがつくれることによる、知財の意識の変化

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どうもありがとうございました。

詳細はこちら「メイカーズのエコシステム」にて。

連絡先:高須正和 [email protected]

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