2017/4 contents - kyukeiren.or.jp · 温もりの手漉き和紙を訪ねる...

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CONTENTS2017/4

巻頭言 熊本地震からの復興、そして明治150年に向けて           (一社)九州経済連合会 特別顧問 村岡 嗣政〔山口県知事〕九経連活動紹介 「九州・山口ベンチャーマーケット2017」開催報告                  九州・山口ベンチャーマーケット実行委員会  2017年度事業計画について意見交換                            正副会長・委員長会議 日本再興戦略と九経連活動について意見交換                                 諮問委員会 大規模沖合養殖施設システム視察                           農林水産委員会水産部会 〈委員会紹介〉観光委員会 日誌(2月) 1日㈬~2日㈭ 第2回地熱・温泉熱エネルギー産業化実務者会議 2日㈭ 行財政委員会 第2回企画部会・講演会 2日㈭ 第5回IoTビジネス研究会 3日㈮ 正副会長・委員長会議 6日㈪ 農林水産委員会第2回林業部会 7日㈫ 九州・山口ベンチャーマーケット 8日㈬~9日㈭ 九州航空宇宙開発推進協議会エアロスペース・ネットワーク視察事業 10日㈮ 国際委員会グローバル人材部会 10日㈮ 第10回福岡空港等の運営及び地方創生に関する研究会 13日㈪ サイバーセキュリティセミナー 14日㈫ 農林水産委員会第3回企画部会 15日㈬ 第1回九州・大学発ベンチャー振興会議 16日㈭ 農林水産委員会第2回水産部会 19日㈰ 九州・沖縄文化力推進会議 宮崎県文化プログラムキックオフイベント 20日㈪ 諮問委員会 20日㈪ 第2回観光委員会 20日㈪ 海外進出企業向け 安全対策セミナー 21日㈫ 第2回資源エネルギー・環境委員会 22日㈬ 情報通信委員会第2回企画部会 22日㈬ 第2回外国人材の活用検討チーム 27日㈪ 先導的ICT人材育成事業 関係者会議 27日㈪ 先導的ICT人材育成事業 第17回成果報告会 27日㈪ 平成28年度エネルギー講演会 28日㈫ 国際委員会 28日㈫ 第15回外国人介護士受入れ検討WG講演要旨 「空港整備をめぐる最近の動向」                 長谷川 武(国土交通省 航空局空港施設課長) 「林業の成長産業化実現への取組」                    池田 直弥(林野庁 九州森林管理局長)会員紹介 商品を通して、たくさんの人や国への架け橋となる存在でありたいと思っています。                             株式会社 ハノ商店九州観光推進機構ニュース 感動と物語の九州―歴史と文化を掘り下げる薀蓄の旅⑬  温もりの手漉き和紙を訪ねる   ~日本の文化を支えてきた職人の技~九州・山口地域動向

表紙説明・新入会員企業(2月)

2017/4 九経連月報 1

昨年4月に発生した「熊本地震」から、間もなく1年が経とうとしています。御承知のとおり、この地震は、わずか2日という短い間に、震度7の激震が続けて起こるという、これまで我々が経験したことのないものでした。それ故、被害は甚大で、被災地には今なお大きな爪痕が残り、復旧・復興は、まだその途上にあります。山口県としても、熊本の早期の復旧・復興に向け、引き続き、積極的に支援を行ってまいります。こうした被災地支援の取組と並行して、本県では、支援業務の中で得た貴重な教訓を今後に活かしていくため、庁内にプロジェクトチームを設け、初動体制や事前に備えるべきソフト対策等についての検討を行い、昨年末、新たな防災対策を取りまとめました。現在、九州地方知事会においても、広域応援についての検証・評価が進められており、こうした取組とも連携しながら、今後起こり得る大規模自然災害への備えを強化していくこととしています。加えて、今回の災害で痛感したのが、信頼性の高い道路網構築の重要性です。熊本地震の際は、自衛隊等の多くの緊急車両が、本州から「関門橋」、「関門トンネル」を渡って被災地に駆けつけ、迅速な人命救助や災害応急対応、救急物資の搬送などが行われましたが、本県と九州とをつな

ぐ大動脈であるこの2つの道路は、いずれも開通後長年を経過しており、老朽化に伴う補修工事をはじめ、事故や異常気象等による通行規制が頻繁に行われています。このため、関門地域において、多重性・代替性を確保し、災害時等にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点から、さらに、地域間の連携や交流を促進する観点からも、私は、下関北九州道路の早期整備が是非とも必要と考えています。その実現に向けては、今、国も前向きな検討を進めており、今後とも、九州地域の皆様と手を携えながら、精力的に取り組んでいきたいと考えています。また、来年は、明治改元から150年という記念すべき年を迎えます。これに先立ち、一昨年には、「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録され、その23の構成資産のうち、21の資産が所在している九州・山口地域は、まさに「明治」に最もゆかりの深い地域の一つと言えます。我が国が成し遂げた近代化の歴史に世界の注目が集まり、さらに、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催される中で、私は、この「明治150年」が、九州・山口地域の更なる飛躍に向けた大きなチャンスになると考えています。山口県では、平成29年度から、明治150年プロジェクト「やまぐち未来維新」を展開し、広く全国に情報発信・PR等を行います。その一環として、今年9月から12月までの4か月間、JRグループ6社と連携し、「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」を実施するほか、来年度においても、全国都市緑化やまぐちフェア「山口ゆめ花博」を開催するなど、さまざまな記念事業に取り組む予定です。皆様には、この機会に是非、山口県へお越しいただきますとともに、皆様と連携して、「明治150年」を大いに盛り上げていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(一社)九州経済連合会 特別顧問

村岡 嗣政〔山口県知事〕

熊本地震からの復興、 そして明治150年に向けて

九経連月報 2017/42

九経連活動紹介

⑴大学による合同新技術説明会・技術展示大学合同説明会では、九州・山口の8大学

(九州大学、九州工業大学、福岡大学、北九州市立大学、大分大学、熊本大学、鹿児島大学、山口大学)による新技術の説明および展示が行われた。

⑵商談ブース・展示会メイン会場では、九州・山口各県のイチオシ企業53社によるブース展示が行われた。内訳は、住宅建築5社・医療福祉5社・生活文化9社・農業3社・バイオテクノロジー2社、新製造技術7社、情報通信11社・食品9社と、業種が多岐にわたり、地域も、福岡県8社・佐賀県7社・長崎県7社・熊本県5社・大分県7社・宮崎県6社・鹿児島県4社・沖縄県2社・山口県7社と、幅広いエリアからの参加であった。通常このような展示会は、業種や地域に幅がある分、総花的になり、実質的な商談に結び付きにくいことがあるが、本イベントではあらかじめ、展示企業から出された商談先希望リストに基づき九経連が中心となって声かけを行い、大手企業(NTT西日本、JR西日本、西日本鉄道、麻生介護サービス等)との商談タ

イムをセッティングした。各社20分ずつというタイトなスケジュールながらも、双方に日頃出会うチャンスが少ない企業同士の出会いであり、後日正式な商談に発展したケースも複数見られた。

⑶�九州・山口ベンチャーアワーズ(ビジネスプラン発表会)展示企業の中から各県1社ずつ選考された計9社が、壇上にてビジネスプランを発表した。事前に、トーマツベンチャーサポート㈱によるプレゼン資料やプレゼン手法のブラッシュアップを行った上で、当日の審査員には、グロービスキャピタルの仮屋薗聡一氏をはじめとする首都圏を中心とした10名のメンバー(国内ベンチャーキャピタル2名、政府系ベンチャーキャピタル1名、大手事業会社3名、ベ

九州・山口の各県と経済団体が連携し、各県イチオシのベンチャー企業と、国内外の投資家やビジネスパートナーが集うビジネスマッチングイベント「九州・山口ベンチャーマーケット」が開催された。2回目の開催となる今回は、新技術・新商品を提供し続ける九州・山口のイチオシ企業53社の展示会をはじめ、展示企業から選考された9社によるビジネスプラン発表会、ジャクール㈱の後藤玄利代表取締役(ケンコーコム創業者)による新たなビジネスに関する講演、各県の企業や経済団体、ビジネスパートナーが一堂に会する大交流会など、盛りだくさんの内容で構成された。来場者数も570名と、前回(490名)を大きく上回る盛況となった。

九州・山口ベンチャーマーケット実行委員会(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、

沖縄県、山口県、(一社)九州経済連合会、九州商工会議所連合会、

九州経済同友会、九州経営者協会、(一社)九州ニュービジネス協議会、

福 岡 証 券 取 引 所、( 独 )中 小 企 業 基 盤 整 備 機 構 九 州 本 部 )

と き 2月7日(火)

ところ 福岡市・ホテルオークラ福岡

「九州・山口ベンチャーマーケット2017」開催報告

2017/4 九経連月報

ンチャー支援者等3名、メディア関係者2名)が招へいされた。各社ごとに質疑応答の時間も設け、審査員からの質問によって、新たな視点や今後の事業展開のヒントの発掘に繋がった。<発表者>

⑷講演会講演者は、ジャクール㈱代表取締役兼CEO、一般社団法人タグフィット代表理事である後藤玄利氏(ケンコーコム創業者)。後藤氏は、㈱ヘルシーネット(後のケンコーコム㈱)を設立し、20年にわたり代表を務め、2004年には東証マザーズ上場に導いた経歴を持つ。医薬品ネット販売をめぐって国を提訴し、2013年に最高裁で勝訴したことでも知られる。

講演タイトルは、「連続起業に向ける思い」。昨年10月に立ち上げたジャクール㈱および一般社団法人タグフィットでは、モバイルデバイスを活用した多言語翻訳アプリを開発・展開し、飲食店のメニューをはじめ多言語化が必要な情報にQRコードを無償で付与することで、訪日旅行者の言葉の壁を解消することを狙う。一社だけでは決して解決しない問題を、行政・NPO・企業・研究機関などが、互いの垣根を取り払って社会変革を起こしていく「ソーシャルイノベーション」の未来を感じさせる講演であった。

⑸表彰式・大交流会「九州・山口ベンチャーアワーズ」で特に優秀だった4社の表彰が行われた。受賞企業は以下の通り。

表彰式のあとは、各県の企業や経済団体、ビジネスパートナー等による大交流会が行われ、丸一日にわたるイベントは大盛況のうちに終了した。

【産業振興部 髙野】

県名 企業名

福岡県 ㈱スカイディスク 使いやすいワンストップIoTプラットフォームの実現

佐賀県 ㈱緑門 国産100%茶の実油専門店

長崎県 ㈱玉乃舎 湧水から生まれた「おもてなしスイーツ かんざらし」

熊本県 ㈲宮川洋蘭 洋蘭のボトルフラワーの開発・販売

大分県 ㈱Nitlon 営業特化型クラウドソーシング「kakutoku」

宮崎県 ㈱SUNAO製薬 九州ドライベジ

鹿児島県 ㈱テクノマックス南日本 微生物の生態を考えた新しい

農法(T・Y式リセット農法)

沖縄県 67andパートナーズ(合)個人間レンタルプラットフォーム モノシェア

山口県 ㈲ひわだや 檜皮葺(ひわだぶき)を活用したあかりのプロダクト

大賞 ㈲宮川洋蘭(熊本県)

洋蘭のボトルフラワー開発・販売

優秀賞 ㈱スカイディスク(福岡県)

使いやすいIoTワンストッププラットフォームの実現

地域活性化賞

㈱緑門(佐賀県)自然栽培茶実油&茶実油ジェルクリームについて

㈱SUNAO製薬(宮崎県)

九州ドライベジについて

九経連月報 2017/44

例年、この時期に開催している正副会長・委員長会議にて、2017年度事業計画(主要事業)について審議を行った。会議ではまず麻生会長が挨拶の中で、キラリと光る九州らしさを具現化する取組みとして、生産者重視の農林水産物の輸出拡大や、旅行者一人あたりの消費拡大につながる観光インバウンド増への対応など、九州の稼ぐ力を高め、若者の地方回帰による地方創生につなげていくことの重要性について説明。次に、事務局から2017年度事業計画/主要事業(案)を説明。中長期事業計画(2015~2020年度)における、8項目の中長期的課題の解決に向けて、それぞれ意見を頂戴した。

【総務広報部 矢野】

正副会長・委員長会議

と き 2月3日(金)

ところ 福岡市・ホテルニューオータニ博多

出席者 15名

2017年度事業計画について意見交換

〔中長期的課題〕Ⅰ.�熊本地震の復旧・復興への九州一体の取組みⅡ.地域産業の振興・育成Ⅲ.環境・エネルギー問題への対応Ⅳ.アジアとの交流及びビジネスの拡大Ⅴ.社会基盤の整備促進Ⅵ.少子高齢化・人口減少社会への対応Ⅶ.人材育成Ⅷ.地方分権の推進及び道州制の導入

〔主な意見〕1.計画全体について ・�計画をどうやって実現に結びつけるかのマトリクス(横軸にテーマ、縦軸にどうやってやるか)を示すことで、会員企業も動きやすくなる。

2.新技術(AI・IoT)、ビッグデータの活用 ・�東京主導で半歩遅れたままいくのではなく、九州で地に着いた取組が必要。

 ・�企業レベルでは進んでいる。設備関係のセンサー/データから、ベンチャーとのマッチングで、どこにAIが使えるかを発見し早く対応することが重要。

 ・�九州らしさの一つが農水産業。品質管理から輸送、海外の販売先へいつどの時期にどの産品が売れるか、AIが有効では。

3.規制改革(観光) ・�消費額・長期滞在の点から、欧州人の来訪促進が重要。地方空港への着陸料補助、入国管理の人員強化等、引き続き国に要望すべき。

 ・�訪日外国人はAirbnbやUberなど自国で当たり前のサービスが利用できない。新しい時代でのインバウンド増、それに対応するベンチャー育成のため、規制改革が必要。

 ・�新たな動きの取り込みについて、実験的に特区で認めていくことは考えられる。  

4.地産地消(一次産業の強化) ・�域内消費・地産地消がまだまだ本格的にやれていない。原産地表示について、飲食店への推奨メリットを検討してはどうか。

 ・�輸送エネルギーを考慮した、フード・マイレージの視点を入れてはどうか。

5.基盤整備ほか ・�那覇空港の第2滑走路増設(2020年完成)を機に、更なる利便性向上のため、ターミナル移設への働きかけを展開。

 ・�上海や東京から九州に呼び込むため、九州一体の分野横断的な展示会など、盛り上げの仕掛けが必要。

 ・�医療ツーリズムに入る前段階として、まず、九州各県・大学の医療技術・施設の向上を前面に押し出す工夫・仕掛けをつくるべき。

2017/4 九経連月報 5

今回の諮問委員会では、2017年度事業計画(主要事業)について審議を行った。会議ではまず麻生会長が挨拶の中で、日本のGDPが25年間横這い、世界シェアが約14%から6%へ低下していることの危機感、次世代への責任感と、他地域よりも恵まれた環境にある九州から日本を動かす(Let’s� move� Japan�forward� from�九州!)ことの重要性について説明。次に、内閣官房日本経済再生総合事務局・宇野雅夫次長より「アベノミクス成長戦略~未来投資会議の議論を踏まえて」と題し、ご講演いただいた。

続いて、事務局から2017年度事業計画/主要事業(案)を説明。中長期事業計画(2015~2020年度)における、8項目の中長期的課題の解決に向けて、それぞれ意見を頂戴した。

【総務広報部 矢野】

諮問委員会

と き 2月20日(月)

ところ 福岡市・ホテルニューオータニ博多

出席者 39名

日本再興戦略と九経連活動について意見交換

〔講演骨子〕1.未来投資会議(成長戦略の司令塔) ・イノベーションの社会実装 ・構造改革の総ざらい2.Society5.0の実現に向けて ⑴第4次産業革命とは ・�IoT、ビッグデータ、AI、ロボットで自律的な最適化が可能に。

 ⑵戦略分野(イノベーションの社会実装) ・健康・医療・介護 → 健康寿命の延伸 ・自動走行の社会実装 → 社会課題の解決 ・建設現場の生産性革命 等 ⑶リスクテイク/チャレンジできる社会へ ・�競争力の確保に十分なスピード感をもってビジネス創出を支える環境整備を推進。

  - 新たなチャレンジ促進の制度枠組創設  - 事業者目線での規制改革 等3.ローカルアベノミクスの鍵 ・�地域の雇用や経済を支える中小企業・サービス産業の生産性向上

  (中小企業、農業、観光・スポーツ・文化)4.公共施設等の民間運営  �PPP/PFIの活用拡大�→�新たなビジネス機

会創出

〔主な意見〕○�大分のダム建設現場での先進的な無人化システム(i-construction)や、南九州の焼酎メーカーでの焼酎粕でのバイオマス発電など、九州各地にある“強み”を全国に発信してはどうか。○�強みを伸ばす観点から、災害に強い製造拠点とすべき。京都では、自社のBCPに加え、サプライチェーン含めた体制づくりに取り組んでいる。九州でも経済団体にリードしてもらいたい。○�PFIのコスト削減効果が見えにくく進んでいない。自治体・関係事業者による勉強会「PFI大学校」を開催しており、経済界全体への啓蒙に協力いただきたい。○�農業の強化で、輸出の一方で内需開拓の余地がまだまだある。食文化の多様性を受けての新野菜の開発と農業生産性の向上により、内需の拡大に取り組むべき。○�人口減少下での産業革命では、若い人よりも、逆に高齢者が働き続けることに価値があるのではないか。高齢者をマーケティング対象とした取組みを検討すべき。

九経連月報 2017/46

1.水産部会の体制と活動の柱

水産部会は、上記のような体制で事業を展開している。2017年度は、水産物の海外販路開拓事業に傾注しつつ、国内需要創出に資するため社食等における地産地消の推進や中食・外食における産地表示の提言活動などを活動の柱とする。

2.境港水産物地方卸売市場(視察)鳥取県境港水産事務所の細本誠所長の案内で、境港水産物地方卸売市場の水揚げ状況を視察した。現在、高度衛生管理に向けた整備事業が進められており、東京五輪開催の2020年までの主要部分供用開始を目指している。境港の水揚げ量は2015年で12.6万トンと全国3位を誇り、市場を介した流通網と加工施

設を含めた地域の雇用創出の核となっている。

と き 2月16日(木)~17日(金)

視察先 1.境港水産物地方卸売市場

2.弓ヶ浜水産㈱(大規模沖合養殖施設:新日鉄住金エンジニアリング㈱)

大規模沖合養殖施設システム視察

水産部会では、来年度主要事業として、ブリ・マグロの海外販路開拓を促進する事業を検討した。また、今回は、新日鉄住金エンジニアリング㈱施工による大規模沖合養殖施設の実証試験に取り組む弓ヶ浜水産㈱並びに境港水産物地方卸売市場を視察した。

水産部会の事業体制 参加者一覧

企業名 役職 氏名

1 副部会長 太平洋貿易㈱ 会長 田嶋  猛

2 〃 ㈱大森淡水 社長 大森 伸昭

3 〃 グローバル・オーシャン・ワークス㈱ 社長 増永 勇治

4 〃 熊本県海水養殖漁業協同組合 組合長 深川 英穂

5 〃 新日鉄住金エンジニアリング㈱九州支社 支社長 佐野 雅彦

6 〃 新日鉄住金エンジニアリング㈱九州支社 調整室長 打越 隆宏

7 〃 スクレッティング㈱ 社長 伊藤 良仁

8 〃 ㈱トクスイコーポレーション 社長 徳島 建征

9 〃 林兼産業㈱ 部長 三代 健造

10 〃 林兼産業㈱ 課長 三宅 謙嗣

11 〃 ㈱ヒガシマル 副統括 末吉 俊哉

12 〃 ㈱兵殖 課長 中平 和浩

13 〃 ㈱ブリミー 取締役 濱  隆博

14 〃 ㈱ほんぽ 社長 本保 浩司

15 〃 マルハニチロ㈱ 副部長 藤田耕太郎

16 〃 ヤマエ久野㈱ 顧問 手嶋 泰樹

17 オブザーバー 水産庁 課長補佐(養殖企画班担当) 今井 浩人

18 〃 新日鉄住金エンジニアリング㈱事業創出センター 部長 松原 淳一

19 〃 新日鉄住金エンジニアリング㈱事業創出センター

シニアマネジャー 狩谷 卓郎

20 〃 ㈱みなと山口合同新聞社 参与 佐々木 満

順不同、敬称略

農林水産委員会水産部会

2017/4 九経連月報 7

当日は、紅ズワイガニの水揚げがピークを迎え、あふれんばかりにケースに詰め込まれたカニが所狭しと、市場に山積みされていた。

3.大規模沖合養殖システム(視察)

新日鉄住金エンジニアリング㈱が施工した大規模沖合養殖施設は、鳥取県境港の弓ヶ浜水産㈱で実証試験が行われており、今回、鳥取県の漁業監視船「はやぶさ」から洋上視察を行った。昨年12月から本施設で、ギンザケを養殖し

ており、洋上の飼料タンクから自動給餌が出来るシステムで、浮沈型の大規模生簀が沖合に立ち並ぶ風景は、次代を担う養殖業の姿を彷彿とさせる。

本施設は、岸から約3km離れた沖合に設置され、波高7m、潮流2ノットまで耐えられる設計であるが、熊本県天草において、先行して同様の自動給餌システムを用いた沖合生簀の試験を実施した事例から、設置場所によっては潮流の力が強いため、その対策が必要等の指摘があった。次年度以降、水産部会では水産業アクションプランの重点実施年として、事業を進めて行くこととしており、今回の視察において、大規模な沖合養殖システムが稼働できる状況が訪れるよう、先ずは海外需要の開拓に力点を置くこととしている。

【農林水産部 真次】

沖合の洋上餌料貯蔵施設

漁業監視船「はやぶさ」の前で

洋上の浮沈生簀

水揚げされた紅ズワイガニ

水揚げされた天然ブリ

九経連月報 2017/48

�1.委員会の概要・役割観光委員会の事業は、観光を九州の新たな基幹産業とするため、九州一体となった観光戦略の第二次アクションプランを策定するとともに、全国を上回る伸びを示すインバウンドに対する消費拡大策、受入れ環境整備策の検討や実施、MICE産業の振興に資する取組みや各種要望活動等を行っています。観光委員会は通常年2回開催し、九州観光戦略委員会が策定したアクションプランの報告、観光委員会の前年度の実績・次年度計画案等の報告、観光に関する要望案を承認する等の役割を持ち運営しています。また、委員会を補佐し、支援する機能として企画部会を設置しています。企画部会は年2回開催され、委員会活動の戦略立案を行います。2016年は、観光に関する要望検討のため、別途2回企画部会委員によるプロジェクト会議を追加開催しました。

�2.今年度の主な活動内容⑴�「第二期九州観光戦略 第二次アクションプラン」(2017年~2019年度)九州観光戦略委員会では、「観光産業を九州の基幹産業とする10年間」と位置付け、2014年から取組んできた第二期九州観光戦略の残

り7年間について、観光客数を増やすだけでなく、観光消費額を増やすための計画を策定しました。2017年から2019年の3年間に行う「第二期九州観光戦略第二次アクションプラン」は、先の第一次アクションプランで最重点戦略として取組んだ九州ブランドのイメージ戦略の継続的な取組みと共に「観光消費額の増加」を最終目標として「来訪者数の増加」「旅行消費単価の向上」「リピーターの獲得」の3点の実現をめざし、九州が一体となり効果的と考えられる取組みを作成しました。これらの目標に対し、①九州ブランドイメージ戦略②観光インフラ整備戦略③九州への来訪促進戦略④来訪者の滞在・消費促進戦略の4つの戦略項目を設定し、これを細分化した24の実施事項について各県、(一社)九州観光推進機構、経済団体、民間企業がそれぞれ分担することと、出来る限り成果の目安となる指標を設定し、結果の良否が分かる計画にしました。

⑵�外国人観光客の滞在・消費拡大と外国人受入環境の整備に向けた対策「外国人観光客消費拡大の仕組みづくりプロジェクト」推進のため(一社)九州観光推進機構が九州全体の取組みとして各国の旅行博への出店、在京ツアーオペレーターを対象とした観光商談会の実施、各国現地メディアを招請し、九州ならではの温泉や体験型観光の撮影により制作したTV番組の放映やWEB動画

観光委員会委員会紹介

九経連では、事業推進機関として11の委員会を設けています。今月は「観光委員会」について、委員会の役割や活動等について紹介します。

◆観光委員会(委員数167名) 委員長:石原 進(九州旅客鉄道㈱ 相談役) 副委員長:古田 和吉(㈱JTB九州 社長) ◇企画部会(委員数32名)  部会長:古田 和吉(㈱JTB九州 社長)

2017/4 九経連月報 9

を使った九州の魅力発信事業などのプロモーションの他、2次交通事業者が販売するフリーパスの利便性PRとレンタカー借上げ料金減額キャンペーンを通じて誘客に努めました。旅館への外国人宿泊客誘致による旅館振興の取組みは、特定のエリアを対象に、地元自治体、観光関連事業者、商店主等と共同でエリアのブランディング、観光素材(温泉、観光地、体験型観光、見所の再発見、ニューツーリズム)ごとの見直しや開発、エリアの魅了発信による集客促進の取組み等を開始しました。外国人受入環境の整備では、無料Wi-Fiスポットの拡大と観光アプリダウンロード促進のためにFACEBOOKやNAVERを使い、台湾、韓国への情報発信と経産省事業のプロモーションによる利用者の拡大を行いました。また多言語対応の促進のため「ぐるなび」の飲食店向けインバウンド対応セミナーとジャパンショッピングツーリズム協会の道の駅事業者、物販店、果樹園事業者、自治体向けのインバウンドセミナー等を活用した啓発活動を行いました。 ⑶�九州へのMICEの誘致協力とMICE人材育成カリキュラム策定の働きかけインセンティブツアー誘致用の視察受入先の開拓とエリア拡大を2016年度の目標に九州各県の会員法人の協力をいただき九経連ホームページへの掲載数を大幅に増やしました。MICE人材育成のため、福岡市内の大学生のインターンシップマッチング事業をMICE関連事業者を対象に実施しました。

⑷IR推進協議会への参画IR推進協議会出席による情報収集と九州内

のIR誘致活動団体(西九州統合型リゾート研究会等)との情報交換を行い、実施法案成立後の統合型リゾートの九州への誘致に向けた取組みを継続しています。

⑸観光振興に関する要望活動観光事業に携わる宿泊、運輸、観光施設、物販、旅行等の事業者からのヒアリングや検討会で議論を重ね要望事項をまとめました。「熊本地震からの早期復興」「人材・制度」「インフラ・データ整備」などに関する12項目の要望書について、昨年9月6日に石原進観光委員長、古田和吉副委員長並びに企画部会員とともに、内閣官房、国土交通省、観光庁、財務省、経済産業省、内閣府他関係省庁への陳情を行いました。

�3.今後に向けて2017年度の観光委員会の事業は、前年からの継続事業の他、九州・沖縄両地域の観光連携による欧米の高品質クルーズ事業の共同実施に向けた体制構築や関係機関、事業者と協力してニューツーリズムの普及・促進・開発への取組み、着地型観光商品開発への協力など新たな活動により、九州観光推進機構が設定した目標値達成のため九州の観光振興に取り組んでまいります。

九経連月報 2017/410

日 誌

「平成28年度第2回地熱・温泉熱エネルギー産業化実務者会議」が開催された。会議は大分県を事務局として、議事�①アクションプランに関する各県からの状況報告②地熱・温泉熱プロジェクト組成件数③平成28年度実績報告及び平成29年度事業計画④九経連の地熱パンフレット英語版作成及び地中熱・九州モデル研究会の平成28年度活動報告と平成29年度活動計画⑤経産省の補助金情報などについて、報告・審議され、平成28年度実績報告及び平成29年度事業計画について、事務局案で了承された。また平成28年12月1日までのプロジェクト組成件数は68件を達成と報告された(2020年度目標は200件)。各県からの状況報告では、情報交換の他、色々な質疑が活発に行われる有意義な会議となった。また翌日は、アストマックス・トレーディング㈱の企業・再エネ事業紹介の後、現在JOGMECの支援を受けている尾八重野(おべの)地域地熱資源開発調査事業の試掘井掘削地点(計画1,500m、現在約1,000m)まで出向いて現場見学を行い、メンバーの知見をより深めることができた。今回の会議の内容は、3月17日開催の再生可能エネルギー産業化推進委員会にて報告される予定である。

〔産業振興部 室屋〕

行財政委員会では、企業の競争力強化と九州の地域活性化に繋がる行財政の基盤づくりや、事業活動の前提となる「リスクを加味した安心・安全な社会基盤・経営基盤づくり」を推進するための取組みを行っている。本委員会企画部会としては、初めての熊本市での開催で、当日は2017年度事業計画(案)と本年度活動の中から全会員に発信したい内容(BCPの強化)について審議を行った。その結果、2017年度は①「道州制」の実現や「広域連携」の推進②BCPや本業を通じた社会貢献(CSV)への取組み③官民連携など3つの項目について対応策の調査・検討に取り組むことで合意した。企画部会後には、熊本地域の会員にもご参加いただいた上で、アイシン九州㈱の髙橋寛社長に「熊本地震での被災と復旧」について、また、福岡地域戦略推進協議会の石丸修平事務局長に「官民連携の将来像」についてご講演いただき、上記①~③の実状と課題について学び、出席者による意見交換を行った。� 〔企画調査部 三代〕

製造業におけるIoTの利活用をテーマに第5回IoTビジネス研究会を開催した。最初に、第4回の研究会の結果報

告と第5回、第6回の研究会の概要や関連団体の取り組みについて事務局から説明した。続く講演会では、九州大学の松隈浩之准教授に「社会問題解決に向けたヘルスケアとエンターテイメント」と題して、シリアスゲームによる社会問題解決への取り組みについて講演していただいた。続いて、㈱Fusicの浜崎陽一郎副社長に「IoTビジネスの普及拡大に向けた当社の取り組み」と題して、クラウドを活用したIoTビジネスプラットフォームの活用方法等について講演していただいた。講演会後の意見交換では、シリアスゲームのビジネス化における欧州と日本の環境の違いやクラウドにおけるデータのセキュリティの確保策など、幅広く活発な議論が行われ有意義な研究会となった。� 〔産業振興部 古谷〕

会長、副会長、各委員長で構成する「正副会長・委員長会議」を開催し、2017年度事業計画〔主要事業〕(案)に対する様々な意見や要望を伺った。⇒本誌4ページに詳細を掲載

平成28年度第2回林業部会(部会長:古賀稔久・九州林産㈱社長)を開催した。まず「『大規模木造建築』の現状と可能性」と題して㈱シェルター九州

1日(水)〜2日(木)

第2回地熱・温泉熱エネルギー産業化実務者会議えびの市・えびの高原荘出席者:26名

2月February

2日(木)

行財政委員会第2回企画部会・講演会熊本市・熊本市民会館出席者:16名

2日(木)

第5回IoTビジネス研究会福岡市・TKPガーデンシティ福岡渡辺通出席者:40名

3日(金)

正副会長・委員長会議福岡市・ホテルニューオータニ博多出席者:15名

6日(月)

農林水産委員会第2回林業部会福岡市・九経連会議室出席者:27名

2017/4 九経連月報 11

2月February

エリア統括の林隆氏に講演いただいた。講演終了後、事務局より平成28年度事業実績見込みについて報告。その後、平成29年度事業計画(案)及び平成29年度要望(案)について議論された。事業計画案については、「木材輸出商談会において、海外のバイヤーと参加している日本の製材所との製品の食い違いが特に感じられた。来年度は、商談会を企画する前に意見が言える場所があればと思う」等の意見が出された。要望案については、「東京オリンピック・パラリンピック競技施設に対する建設資材には、確実に森林認証材が使われる。しかし、森林認証の取得状況に各自治体で温度差があるため足並みが揃わない。国や県が一体となって森林認証取得できるように費用面も含めて要望してほしい」等の意見が出された。今回の議論をもとに修正し、農林水産委員会において審議を予定している。� 〔農林水産部 中原〕

九州・山口の各県と経済団体が連携して、ベンチャー企業と国内外の投資家ビジネスパートナーが集うビジネスマッチングイベントを開催した。⇒本誌2~3ページに詳細を掲載

航空機部品製造産業参入を目指す九航協エアロスペース・ネットワーク

(QAN)は長野県飯田市にあるクラスターを訪問し、この先行事例者と意見交換、工場視察を行った。メンバーは九州各県に散らばるQAN会員企業11社と福岡県航空機産業振興会議、大分県産業創造機構、それに事務局である九経連の総勢25名。飯田市へは各社最寄りの空港から中部国際空港へ移動集結し、そこからバスで2時間強の距離である。飯田市は人口10万人の山間部の都市であるが、10年前「飯田航空宇宙プロジェクト」を設立、市内の企業38社が専門知識の習得、必要認証の取得、世界の航空宇宙展示会への出展等積極的な活動を続けており、昨年は193件(2千点以上の部品)の受注実績を上げている。またその中から10社がチームを組んで川下企業からの単工程加工外注ではなく、付加価値を付けた多工程一貫生産を武器に売込みをかけている(チーム名「エアロスペース飯田」)。飯田市には航空機部品メーカー大手の多摩川精機㈱があり、その子会社である多摩川パーツマニュファクチャリング㈱も特殊工程でそのチームの支援をしている。チーム形成やQANとは違う視点での活動等見習う点は多々あった。

〔産業振興部 文野〕

標記部会(部会長:塩次喜代明・九州大学名誉教授、福岡女子大学特命教授)を開催した。はじめに、1月27日に公開された九州の企業と留学生をつなぐマッチングサイトについて、福島明彦福岡県企

画・地域振興部理事兼国際局長からその事業趣旨の説明があり、村石豪一㈱ワールドインテック�グローバル・ソリューション本部ソリューション課課長から、サイトの利用方法について説明があった。その後、留学生の紹介動画の撮影方法の助言や、雇用の際の就労ビザとのミスマッチを回避する対応策の必要性などについて、ユーザー側の様々な視点から活発な意見交換が行われ、九州の県をまたいだ取組への企業・大学等の期待の大きさがうかがわれた。続いて、平成28年度事業実績及び平成28・29年度事業計画について事務局から説明をした後、外国人材の活躍のための取組の一環として、特に外国人留学生のインターンシップ受入れに関する意見交換があり、多くの企業・大学等において、グローバル人材に対する関心が高まりつつあることを感じた。今回の部会での意見を参考にして、今後の九経連のグローバル人材の育成・活用についてより効果的に取り組んでいくこととした。� 〔国際部 野口〕

第10回「福岡空港等の運営及び地方創生に関する研究会」は、民間委託の実施方針の公表を来月に控える中、国土交通省航空局航空ネットワーク部航空ネットワーク企画課長の宮澤康一氏をゲストに招き、「福岡空港コンセッションについて」というテーマでご講演をいただいた。まず、福岡空港の収支状況や混雑空港指定による運用上の

8日(水)〜9日(木)

九州航空宇宙開発推進協議会エアロスペース・ネットワーク視察事業長野県飯田市、南信州・飯田産業センター、TPM、三和ロボティクス出席者:25名

7日(火)

九州・山口ベンチャーマーケット福岡市・ホテルオークラ福岡出席者:570名

10日(金)

国際委員会グローバル人材部会福岡市・九経連会議室出席者:30名

10日(金)

第10回福岡空港等の運営及び地方創生に関する研究会福岡市・電気ビル共創館出席者:150名

九経連月報 2017/412

制約、並びに現在進められている滑走路増設と平行誘導路二重化などの国内線ターミナル地域再編事業等について説明があった。その後、民間委託に関して、国内他空港の検討状況や仙台空港及び海外の先行事例から見えてくる民間委託の期待される効果等について説明があった。最後に、運営権者を目指す事業者に対し、「単なる利益追求ではなく、空港や地域の活性化を目指す事業提案が重要である」とのアドバイスを行うとともに、運営権者募集へのより多くの参加が呼びかけられ、質疑応答の後に閉会した。

〔社会基盤部 西岡〕

情報通信委員会では「今、経営者に求められる対策について」をテーマに九州経済産業局との共催でサイバーセキュリティセミナーを開催した。冒頭、主催者を代表して本会の廣瀬香社会基盤部長が挨拶し、「IoTやAI等情報通信の進展は著しいものがあるが、同時にサイバーセキュリティのリスクも高まっている。サイバーセキュリティ対策は企業の重要な経営課題であり、本セミナーが課題解決の一助となってほしい」と述べた。基調講演では、S&J㈱の三輪信雄社長より「経営者が求めるセキュリティ対策~『感染は防げない』から『感染しないネットワーク構成』への転換~」と題し、重要なデータを有する場合は、インターネットと切り離すことも一案であるとの話があった。

その後、福岡県警察本部の兼高廣氏より「サイバー犯罪の現状と対策」、九州経済産業局の秋吉英治氏と情報処理推進機構の加藤慎也氏より「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer1.1と解説書について」と題した講演があり、質疑応答の後、閉会した。国立研究開発法人情報通信研究機構

(NICT)によると、2016年のサイバー攻撃の通信は前年比2.4倍に急増したとのことである。今回の講演も160名超の申込みがあり、サイバーセキュリティについての関心の高さを実感した。

〔社会基盤部 金城〕

今年度第3回の企画部会を開催した。今回新たに鹿児島の㈱カミチクホールディングス(畜産業)にご入会いただき、同社の紹介に併せて畜産業の課題等についてお話しいただいた。畜産業では特に繁殖農家の高齢化の進展から和牛子牛の頭数が減少し、価格高騰を招いているなど課題が山積。同社は日本の畜産業が生き残る方策として、飼料製造から加工・販売(外食含む)まで一貫して行う6次化事業「ビースマイルプロジェクト」を立ち上げ、これに参加する畜産農家等も増えているとのことであった。また、今回は28年度の事業報告の後、29年度の事業計画及び農畜産関係の国への要望事項の審議を行った。要望事項では、耕作放棄地対策や鳥獣害防止対策、人手不足の対策としての外国人活用における規制緩和など、

いずれも喫緊の課題であり、対策の強化が必要であるなど活発な発言があった。今後、林業・水産業も含めて7月頃を目途にまとめていく予定である。

〔農林水産部 折原〕

今回、九州の大学発ベンチャーを支援する第1回「九州・大学発ベンチャー振興会議」を開催し、本会の麻生泰会長と九州大学の久保千春総長を共同代表とする同会議を設立した。同会議の構成メンバーは、九州大学など九州・沖縄の12大学、トヨタ自動車九州など地元企業12社、本会など経済団体6団体。会議では、文部科学省の牛尾則文文部科学戦略官と九州経済産業局の髙橋直人局長による来賓祝辞の後、各出席メンバーが、各大学におけるベンチャー振興の取組状況、経済界による支援、同会議への要請等について意見を述べ、九州における大学発ベンチャーの現状と課題について認識の共有が図られた。今後は、同会議の下に「実践会議」

(議長:二橋岩雄・トヨタ自動車九州㈱会長)を設置し、具体的な課題解決を検討していく予定である。� 〔企画調査部 西村〕

13日(月)

サイバーセキュリティセミナー福岡市・電気ビル共創館出席者:160名

2月February

15日(水)

第1回九州・大学発ベンチャー振興会議福岡市・電気ビル共創館出席者:30名

14日(火)

農林水産委員会第3回企画部会福岡市・九経連会議室出席者:30名

2017/4 九経連月報 13

2月February

来年度の事業計画の審議とともに、大規模沖合養殖施設を視察した。⇒本誌6~7ページに詳細を掲載

九州経済連合会は、九州地域戦略会議において設立された「九州・沖縄文化力推進会議」の事務局として、九州・沖縄・山口の各地域における文化活動の充実に、官民一体となって取り組んでいる。九州・沖縄文化力推進会議では、宮崎県並びに宮崎県芸術文化協会との共催により、2020東京五輪に向けた文化活動のキックオフイベント「天孫降臨から日本のひなた宮崎県へ」を開催した。イベントでは、河野俊嗣宮崎県知事の挨拶に始まり、NPO法人BEPPU�PROJECTの山出淳也代表理事による記念講演、さらに宮崎県内の12団体が、郷土芸能や日本舞踊、民謡、文芸、合唱、創作ダンスなどを披露した。このイベントは、東京2020応援プログラムとして、国から正式に認定されている。また宮崎県では、2020年に国民文化祭も開催されることになっており、県民一体となり、各地域の様々な文化芸術を発信していく機運を高める貴重な機会となった。� 〔企画調査部 重吉〕

本社を東京等に置く企業の九州での代表や、地場企業のトップで構成される「諮問委員会」を開催し、2017年度事業計画〔主要事業〕(案)に対する様々な意見や要望を伺った。⇒本誌5ページに詳細を掲載

2016年度第2回観光委員会は、①第二期観光戦略・第二次アクションプラン②観光振興に関する要望③2017年度観光委員会事業計画(案)について事務局から報告した。続いて九州観光広報センターから、国の熊本地震の風評被害対策の取組であるOne�Kyushu�Projectで、アジア各国のテレビ局や映像事業者が九州で撮影し、You�Tube等ネットで配信した映像を織り交ぜながら、映像による九州の観光地の安全性PRと魅力発信をした事業内容についての紹介があった。その後NTTアドから、熊本地震前後のビッグデータ解析で見える地震前後のインバウンドの訪日状況についての紹介と、今後観光関連事業者や自治体の観光プロモーション等にビッグデータの活用が有効なことをデータで示すなど大変分かりやすい説明があった。後半は、「ハウステンボスの観光戦略」と題して、専務取締役の髙木潔氏

から、2010年のテーマパーク事業開始から2015年の入場者数300万人超えに至るまでの様々な取組と今後の事業展開について興味深い講演をいただいた。� 〔産業振興部 立崎〕

標記セミナーは、外務省及び九州経済国際化推進機構と共催で、アジアをはじめとする海外にビジネスのために渡航又は駐在員を送り出している企業を対象に開催した。昨年7月にはダッカ襲撃テロ事件が発生し、日本のコンサルタントが巻き込まれるなど、安全に対するリスクが高まる中、企業の危機管理体制の構築が課題となっている。本セミナーでは、①「海外における安全確保について~日本人と日本企業に対する脅威と政府の対応~」②「海外派遣者の危機管理体制構築と運営実務」の2つの題目で講演が行われた。①の講演では、外務省領事局の石瀬素行海外邦人安全課長が現在のテロ情勢、緊急事態への備え(予防と対処方法、外務省の取組)について解説し、また「在留届」の届出や「たびレジ」登録の徹底を参加者にお願いした。②の講演では、海外安全対策のスペシャリストである安全サポート㈱の有坂錬成代表取締役が海外における安全上の脅威、海外派遣者に対する安全配慮義務、海外危機発生時の対応等、危機管理体制構築について解説した。その中で、身代金誘拐事件を想定した演習を参加者にグループ討議してもらい理解を高めた。最後に、各企業の危機管理に関する課題について希望者を対象に個別相談会を行った。� 〔国際部 吉川〕

19日(日)

九州・沖縄文化力推進会議宮崎県文化プログラムキックオフイベント宮崎市・メディキット県民文化センター出席者:約1,200名

16日(木)

農林水産委員会第2回水産部会鳥取県境港市出席者:20名

20日(月)

諮問委員会福岡市・ホテルニューオータニ博多出席者:39名

20日(月)

第2回観光委員会福岡市・タカクラホテル福岡出席者:75名

20日(月)

海外進出企業向け安全対策セミナー福岡市・電気ビル共創館出席者:35名

九経連月報 2017/414

「平成28年度第2回資源エネルギー・環境委員会」を開催した。貫委員長による開会挨拶の後、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術戦略研究センター�電子・情報・機械システムユニット研究員の大窪宏明氏に「IoT/AI技術のエネルギー・環境への応用について」と題して、基調講演をいただき、IoT/AIを巡る最新の取組状況を知ることができた。続いて、事務局から、当委員会の今年度事業実績報告の後、①中長期事業計画(2015~2020年)の見直し案及び②来年度事業計画案を提案し、ご審議いただいた。今回は、事前にメンバー全員に対して①に対するご意見・ご要望を伺う形をとり、それを反映した案であったこともあり、両案とも事務局案にて了承された。今後は、両案とも、3月27日開催の理事会の場において、審議・決定される予定である。�  〔産業振興部 諸江〕

情報通信委員会では、平成28年度第2回企画部会を開催した。湯越眞一部会長の挨拶の後、議事として本年度の活動報告を行い、続いて次年度の事業計画について審議を行った。

活動報告では、本年度産業振興委員会と共同で設置した「IoTビジネス研究会」の取り組みと、事業開始後10年を経過する先導的ICT人材育成事業を中心に説明した。次年度の事業計画では、新規計画である「サイバーセキュリティ推進WG〈仮称〉」の設置と、2018年5月に福岡市等で開催される「第16回アジア太平洋地域ITSフォーラム」に向けたITSの普及促進の取り組みを中心に説明し、了承された。その後の講演会では、㈱ラックの三宅康夫氏より「サイバー攻撃における管理者の役割~事例紹介と企業に求められる対応~」をテーマに講演をいただいた。参加者の関心も高く、講演終了後に積極的な質疑が行われた。

〔社会基盤部 金城〕

外国人材の活用検討チーム(体制:経済界7、大学等4、自治体12/事務局:大分県、九経連)は、平成28年8月の九州地域戦略会議・夏季セミナーでの議論を契機として、外国人材の活用推進について九州一体となって取り組むために設置したものである。本チームでは、第1回(会合)における議論の結果、①国への規制緩和等の要望②九州で推進する取組宣言③国家戦略特区の共同提案の3つをチームの検討成果としてまとめることとした。第2回の会合では、審議の結果、事前に委員から徴した意見を踏まえ修正した各取組の事務局案について、一部原案を修正の上合意を得た。今後、推敲の上

関係会議にも諮りつつ、6月を目途に要望活動等を行う予定である。� 〔国際部 野口〕

情報通信委員会では、先導的ICT人材育成事業(実践インターンシップ)に関して、次年度の事業運営のために関係者会議を開催し、本事業に参画する企業や大学の関係者で意見交換を行った。昨年度同様、今回も下期(第17回)成果報告会と同一日に開催した。会議では、アンケート結果を中心に、今年度の実施結果を振り返るとともに、次年度の実施内容について確認を行った。関係者からは、より良い事業の実現に向けた発言があり、有意義な意見交換を行うことができた。また、事業開始後10年を記念した事業の内容についても話し合い、次年度実施に向けて、今後企画及び調整を図っていくこととした。なお、次年度の計画としては、例年同様、4月から7月までの間に、実践インターンシップ参加者の募集及びマッチングを行った後、8月から順次インターンシップを開始する予定である。

〔社会基盤部 植木〕

21日(火)

第2回資源エネルギー・環境委員会福岡市・電気ビル共創館出席者:53名

22日(水)

情報通信委員会第2回企画部会福岡市・TKPガーデンシティ福岡渡辺通出席者:30名

2月February

27日(月)

先導的ICT人材育成事業関係者会議福岡市・TKPガーデンシティ福岡渡辺通出席者:16名

22日(水)

第2回外国人材の活用検討チーム福岡市・九経連会議室出席者:28名

2017/4 九経連月報 15

2月February

情報通信委員会では、「先導的ICT人材育成事業」の一環として、通算で17回目となる成果報告会を開催した。本報告会は、本会主催のインターンシップに参加した情報通信系の学生が発表を行うものであり、これをもって育成プログラム事業の締めくくりとしている。今回は、前回の報告会に参加できなかった上期(夏期)参加者及び下期(秋・冬期)参加者を対象に、5名の学生が報告を行った。自己の気づき、学生と社会人の意識の違い、及び経験を踏まえた今後の取り組み等について、それぞれの体験をもとに発表があった。その後、会場からの質疑応答に加えて、参画企業や大学関係者からもコメントやアドバイスをいただいた。長期の実践的なインターンシップならではの成果が発表され、関係者にとっても、本事業の有効性を再認識する良い機会となった。� 〔社会基盤部 植木〕

九州エネルギー問題懇話会は、今年度3回目のエネルギー講演会として「環境とエネルギー~待ったなしの温暖化対策。私たちのすべきことは?~」と題したシンポジウムを開催した。第1部基調講演では、福岡大学名誉教授で中央環境審議会委員の浅野直人

氏が「地球温暖化の現状と取り組み状況について」と題し講演。2月まで中央環境審議会会長を務められるなど環境問題の第一人者の立場から国内外の状況や今後の政府の方針などについて説明した。第2部パネルディスカッションでは、基調講演を行った浅野名誉教授の他、エネルギー問題の専門家や消費生活アドバイザーの方が登壇し、科学ジャーナリスト東嶋和子氏のコーディネートのもと、温暖化を防止するため、国や電力会社、生活者のすべきことについて意見交換した。参加者からは「異なる立場の方から多角的な意見を聞けて勉強になった」とのコメントが寄せられている。九州エネルギー問題懇話会では、エネルギー環境問題の理解向上のため、今後もこのような取り組みを進めていく。� 〔エネ懇 山田〕

当委員会では、①28年度事業実績②29年度事業計画(案)③九経連事業活動に関するアンケート調査結果(国際関係のみ)について事務局から説明し、質疑応答・意見交換を行った。①では28年度重点事業としている中国・上海、マレーシア、ミャンマーでのMOUを活用したセミナーや交流事業、外国人留学生を活用するための取組(マッチングサイト他)等について説明、②では重点事業(MOU等を活用した経済交流の拡大、外国人材の活用促進)を中心に説明、③では2年前に国際委員会所属の会員を

対象にしたアンケート調査と比較しながら、進出を希望する国、分野、海外展開の形態、九経連の国際交流事業に関する要望等について説明を行った。質疑応答では、アンケート調査により多くの回答をもらう努力をするよう求められ、回答方法の工夫等を検討する旨回答した。また、29年度事業計画(案)については、特に異論はなく了承された。その後、張本邦雄委員長(TOTO㈱会長)が「グローバルサプライチェーン構築の課題」と題して特別講演を行った。その中で、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等でTOTO㈱が事業を展開する上でのグローバルサプライチェーンに関する方向性について解説があった。� 〔国際部 吉川〕

九州モデルの構築を目標に進めてきた本WGも、2期目の終わりを間近に控え、具体的な結論を煮詰める段階に入った。設立目標である人材センターの特徴は「初任者研修資格で就労できること」であるが、現行制度では在留資格の壁があり、実現には特区等の仕組みが必要となる。介護事業者を対象に行ったアンケートによって明らかになった人材不足を裏付ける結果をもとに、行政への働きかけを継続していく。同時に、介護職技能実習制度の開始にあたり、日本式介護の教師の需要が高まっていることを背景に、生活全般まで踏み込んだ指導ができる日本人教師の育成に向けても取り組むことになった。外国人材がイキイキと活躍でき、介護人材不足解消にも繋がる九州モデルづくりのため、今回も胸襟を開いた熱い議論が交わされた。

〔産業振興部 高野〕

27日(月)

先導的ICT人材育成事業第17回成果報告会福岡市・TKPガーデンシティ福岡渡辺通出席者:33名

27日(月)

平成28年度エネルギー講演会

福岡市・電気ビル共創館出席者:84名

28日(火)

第15回外国人介護士受入れ検討WG福岡市・九経連会議室出席者:18名

28日(火)

国際委員会福岡市・電気ビル共創館出席者:40名

九経連月報 2017/416

1.利用者利便の向上⑴航空需要の動向世界の航空旅客数は右肩上がりに伸びでおり、今後10年は年6%で伸びると見ている。その中心はアジアである。我が国の航空旅客の動向は、全体的には右肩上がりであるが、国内航空は東日本大震災で大きく減少し、回復はしているものの過去最高とはなっていない。世界的な傾向とは異なる動向である。出入国者数の推移は大きく伸びている。特に2015年には出国日本人を入国外国人が上回るようになった。航空旅客の伸びの要因でもある。入国外国人の空港の内訳では、成田、羽田、関西で7割を占めるが、この中で羽田の伸びが大きい。羽田の国際線を充実させることで都心部とのアクセスの良さもあり、増えてきている。意外と伸びていないのが中部である。次に福岡、那覇、新千歳が伸びてきている。また、LCC旅客数の伸びが大きく、全体の10%を超えており。今後もLCCの伸びに期待したい。⑵航空局の取り組み政府として、観光産業に力を入れている。それに欠かせないのが空港であり、特に地方空港利用の促進を進めている。昨年、訪日外国人旅行者が2,000万人を突破した。今後、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人を目標としている。また、農林水産物の輸出力強化にも取り組み、成田空港、那覇空港の貨物エリアの整備・拡大に取り組む。⑶主要空港の機能強化計画①�羽田空港:飛行経路を見直すことで離着陸回数を増加させる。②成田空港:3本目の滑走路の建設を計画③�那覇空港:海上を埋め立て、2本目の滑走路を建設。④�福岡空港:現在の空港の敷地内に2本目の滑走路を建設する。その財源のひとつとして空港のコンセッションによる調達を行う。⑤�新千歳空港:外国航空機乗り入れ制限を緩

和し、発着回数を増やす。2.空港経営改革航空自由化を推進し、LCCなどの新規企業の参入を促進することで、航空分野の成長、日本経済の活性化を図り、民間投資を喚起する成長戦略の一翼を担うことを目指している。そのためにはこれらの受け手となる空港の経営改革が必要となる。現在、管制と滑走路等は国が運営し、空港ビルを民間が運営している。今後、滑走路等の運営を民間に委託し、例えば離着陸料への裁量を持たせ(安くできる)、空港ビルと一体で運営することで事業を成り立つようにするスキーム(コンセッション方式)を考えている。民間への委託は、民間の知恵やノウハウを活用して空港を活性化するものであるが、安全性や利用者利便の確保の最終的な責任は国が負う。ここが民営化とは異なる点である。国内の第1号案件が仙台空港であり、平成28年7月より運営を開始した。3.�熊本空港ビル再建にかかる航空局の取り組み平成28年4月の熊本地震では、滑走路はほとんど被害がなかったものの、空港ビルは、過去4回拡張をしており、その境目に大きな被害が出た。被災後、熊本県知事から①国内線と国際線が一体となったターミナルビルを新たに建設したい、②その実現のためにコンセッション方式の導入を目指す、③国に対してこの方式の導入を要請するという方針が出された。これに対して、国土交通大臣は、この県知事の方針を歓迎するとともに現行のビルの復旧や改善は難しいし、コンセッション方式には民間も関心があるだろうと述べられた。航空局としては、新たに空港ビルを整備するスキームは初めてであるが、できるだけ早く実現するために、臨時的な国内線の別棟を国が建設し、今のビルを撤去。並行して民間委託の事業体の選定を行い、新ビルの設計、建設を進めるという方法を考えている。

「空港整備をめぐる最近の動向」(平成29年1月23日(月)「第2回熊本地域委員会」での講演)

国土交通省航空局空港施設課長

長谷川��武

講演要旨

2017/4 九経連月報 17

【国内の森林資源は利用期へ】日本は、世界の先進国の中でもフィンランド、スウェーデンに次ぐ森林率を誇る森林国であり、その森林は国土の約7割を占める。戦後に植林された人工林の51%が利用期を迎えており、現状のまま推移すると平成34年には77%が利用期となる。その中でも九州の森林面積は全国の11%を占め、スギの素材資産量では33%を占めている。

【林業を担う人材の育成・確保】日本の人口は40年後の2060年には約6,000万人に減少すると予想されており、この影響は、特に農山村地域で顕著となる。その中で林業従事者数においては、近年下げ止まりが見られ、また若年者の就業率が増加傾向にある。これは、平成15年度からの「緑の雇用」事業により、新規就業者の確保・育成を推進してきた結果、約15,000人がこの制度を利用して就業している。

【「林業の成長産業化」のシナリオ】平成28年5月に「森林・林業基本計画」が閣議決定され、その中で「林業の成長産業化」が大きく謳われている。この「林業の成長産業化」の政策を行うためには、①木材需要の創出と、②国産材の安定供給が大きな課題である。

【木材需要の創出の3本柱】ⅰ.中高層建築物への木材利用の可能性新たな建築部材として、CLT(直交集成板)

(注1)や、耐火木材等の開発・普及が進めば木材の需要が増大する。ⅱ.公共建築物等の木造化「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が平成22年10月に施行。この基本方針において、「国は、自ら率先してその整備する公共建築物における木材の利用に努めなければならない」と明記され、全都道府県で都道府県木材利用方針が策定されている。ⅲ.木質バイオマスのエネルギー利用再生可能エネルギー特措法(固定価格買取制度)により、今まで使われなかった未利用間伐材等が活用され木材の流れが変わってきている。

【国産材の安定供給に向けて】国産材が安定供給されるためには、①森林所有者の所有規模が小さい②所有者不明森林などが多い③境界が明確化されていない④林業技術者が足りない⑤伐採・搬出、伐採後の更新にコストがかかる等多くの課題があり現在、林地台帳の整備、ICT技術を活用した施業集約化や路網整備、高性能林業機械の導入と路網整備による低コストの原木生産の推進等を図っている。

【充実した資源を活かし成長産業化を実現】以上の「国産材の安定供給体制の構築」と

「新たな国産材需要の創出」を自治体や地域と連携して取組み、国産材供給量を増大させ、林業の成長産業化を実現させていきたい。(注1:�CLTとは、ひき板を繊維方向が直交するよ

うに積層接着した重厚なパネル)

「林業の成長産業化実現への取組」(平成29年1月30日(月)「九州の森林・林業・木材交流会in日田」での講演)

林野庁九州森林管理局長

池田��直弥

講演要旨

九経連月報 2017/418

商品を通して、たくさんの人や国への架け橋となる存在でありたいと思っています。

<2015年12月17日入会>

会 員 紹 介 Member introduction

沿 革

1992年 木材の輸入会社として㈱ハノ商店 

設立。

1995年 工務店に直接販売する直需市場「天

拝市場」を福岡県筑紫野市に開設。

1997年 2店舗目の「菊水市場」を熊本県玉

名郡和水町に開設。

2005年 福岡県糟屋郡篠栗町に温浴施設「若

杉の湯」を開園。

2011年 今後の木材需要を考え、韓国・中国

にはじめて木材を輸出。

経営理念

当社の根本は卸売業です。物を作ることがな

い卸売業は情報とサービスを販売していると

思っています。物を作る楽しみがない分、売る

楽しみがあります。良い商売ができれば、仕入

先・販売先両方から「ありがとう」と言ってい

ただけます。そうした商売を国内はもとより海

外でもより多くしていきたいと思っています。

会社概要・事業紹介

(天拝市場)木材の競り売り、プレカットの請負はもとよ

り、建材・住設機器の卸売りを行っています。

筑紫野市に店舗があり、筑紫野市・大宰府

市・春日市・朝倉市を商圏に会員様・非会員の

現金取引のお客様、約1,000社の建築会社・工

務店・大工との取引があります。

(菊水市場)天拝市場と同様の店舗です。熊本の玉名郡和

代表取締役 杷野��努

会 社 名

設 立

代 表 者

事 業 内 容

従 業 員 数

本 社 所 在 地

電 話 番 号

関 連 会 社 等

ホームページ

株式会社 ハノ商店

代表取締役 杷野 努

木材、建材、住宅設備の卸売。

大衆浴場「若杉の湯」の経営。

木材・建材の輸出入。

36名

〒811-2313

福岡県糟屋郡粕屋町大字江辻759-1

092-938-6226

「天拝市場」「菊水市場」「若杉の湯」

http://www.hanosyoten.com/

株式会社 ハノ商店

2017/4 九経連月報 19

水町に店舗があり、玉名郡・玉名市・山鹿市・

大牟田市・熊本市はもとより阿蘇市などからも

お客さんが来店されます。特にこの市場の展示

会は「物が売れる展示会」として多くの建材

メーカー様より賞賛いただいています。

(貿易部)輸入では中国・ベトナム・タイ・インドネシ

アより商社を通さず直接買い付けを行い、オリ

ジナル商品としてフローリングや集成材を当社

市場で販売しています。

輸出では日本産の杉・桧の原木・製材品はも

とよりケヤキや樟などの雑木と呼ばれるものの

原木や製材品を主に韓国・中国へと輸出してい

ます。

近年、特に力を入れている事業です。

温浴事業(若杉の湯)福岡市内より気軽に行ける糟屋郡篠栗町に店

舗があります。大浴場(露天2・内湯1)と10

室の特色ある家族湯が魅力です。また家族湯は

お客様ごとにお湯を入れ替えるのも魅力の一つ

で、多くのメディアのみなさまに取り上げてい

ただきました。

今後の取り組み・展望

今後、少子化の波を受け建築業界は縮小傾向

にあると言われています。

主力の建築資材の卸業はこれからますます競

争が激化し、生き残りをかけた市場の取り合い

が予測されます。また、建築基準法の改正への

対応や当社の主力取引先の高齢化や職人不足な

ど多くの課題があります。

その中で、当社は日本の木材市場を熟知し、

なおかつ直接貿易の経験が豊富な数少ない会社

であると思っています。木造住宅の少ない他の

アジア諸国と日本では製材方法も違えば使用目

的も大きく違います。その差を埋めるために今

できることと10年後のためにしておくことの

両方があると私は思います。

当社は20年以上にわたる木材取引の経験と豊

富な貿易の経験や人脈を活かし、国内需要にと

どまらずこうした海外需要の開拓に力を入れて

いきたいと思っています。

九経連月報 2017/4

第1回九州観光振興大会in大分・日出町(2/10:別府湾ロイヤルホテル)

当機構と、九州7県議会の関係議員でつくる九州観光振興議員連盟との共催で、各県が連携し広域的な観光振興の推進を目指すことを目的とし、第1回九州観光振興大会を開催しました。

当日は雪の影響が心配される中、大会参加者281名、大会後の懇談会209名、マスコミ5社(テレビ大分・旅行新聞・大分合同新聞社・共同通信社・毎日新聞社)の参加をいただきました。

大会は、九州観光振興議員連盟の近藤和義会長、当機構の石原進会長による主催者挨拶で幕を開け、来賓に大分県副知事の太田豊彦様、大分県議会議長の田中利明様においでいただき、ご挨拶いただきました。また、九州運輸局の佐々木良局長、当機構の髙橋誠本部長、グーグル合同会社の陳内裕樹氏による、観光振興についての講演も行いました。懇談会では、大分県の銘酒が振る舞われ、またアトラクションとして庄内子供神楽の催しで、華を添えました。

「九州教育旅行ふっこうセミナー」(2/27~3/1:熊本県、長崎県、鹿児島県)

昨年4月に発生した熊本地震は、修学旅行の分野においても多くの学校のキャンセルや行先変更等多大な影響を及ぼしました。早期に九州修学旅行の復興を目指すべく、全国の旅行会社及びマスコミ関係者を招き「九州修学旅行ふっこうセミナー」を阿蘇で開催し、九州修学旅行のPRや地震後の実施校の事例発表を行いました。

参加者人数・旅行会社56名、マスコミ8社、九州側70名(県、連盟、市町村受入施設、機構)でした。

翌日からは、長崎コースと鹿児島コースに分かれ1泊2日の現地視察会を実施。旅行会社担当者に今後の修学旅行の企画に役立ていただく為に、主な修学旅行の素材を実際に見聞してもらいました。熊本城ではくまモンも登場し、実際の修学旅行同様のサプライズも体験していただきました。

ASEANトラベルマート出展(2/7~8:横浜市)横浜パシフィコで開催された訪日商談会「VISIT JAPAN

ASEAN + INDIA Travel Mart 2017」(JNTO主催)に参加しました。海外の旅行会社を主とするバイヤー93社、国内の観光関係セラー約120団体・地域が参加しました。

当機構は、2日間で29社(シンガポール:4社、タイ:5社、マレーシア:8社、インドネシア8社、フィリピン2社、ベトナム2社)と商談をしました。九州には来たことがない方も多く、温泉・自然・食の情報を中心として九州をアピールしました。今後とも、東南アジアからの観光客増加を図るため九州のPRに努めていきます。

20

感動と物語の九州―歴史と文化を掘り下げる薀蓄の旅 13

日本に残っている一番古い「和紙」は、正倉院に収められている。大宝2(702)年に書かれた筑前の国

の戸籍の一部だそうだ。1300年以上の時を経ても、その墨の字はかすかに読める。

ましてや、世界最古の紙となれば、紀元前150年にもさかのぼる。中国の放馬灘で出土した前漢時代の

地図だとか。紙とはそれほどに長く保存ができるものなのだ。

江戸時代まで、日本の文化を支えてきた和紙も、明治時代にアメリカから「洋紙」の技術が入ってくる

と、需要は次第に衰えてくる。均一で大量生産が可能な洋紙に切り替わってきたからだ。しかも最近で

は、和紙でさえ木材パルプも使って量産ができる機械漉きが増えている。昔ながらの手漉き和紙は、貴重

な日本文化の財産といえるだろう。

九州でもまだ、各地にこの手漉きの伝統が守り伝えられている。福岡県の八女市や佐賀市の富士町や嬉

野市、伊万里市、宮崎県の美々津や鹿児島県の蒲生町、さつま町など、それぞれに原料や漉き方、風合い

などに特長をこらし、また和紙を使ったさまざまなクラフト類もデザインされている。結合材、サイズ

材、填料、紙力増強材などの化学薬品を使わない和紙は、環境にやさしい壁紙などインテリアとしても好

評だとか。

千年以上の伝統に立脚しながら、現代の暮らしに生かされる「和紙」。その産地を歩きながら、手仕事

のぬくもりを再発見してほしい。

温もりの手漉き和紙を訪ねる〜日本の文化を支えてきた職人の技〜

−宮崎県(日向市、高千穂町)、鹿児島県(蒲生町、さつま町)、福岡県(八女市)、佐賀県(佐賀市、嬉野市)−

NEWS九州観光推進機構

ニュース九州観光推進機構

ニュース

2017/4 九経連月報

美々津和紙工房(日向市)

高鍋藩の時代から、藩の奨励産業として保護されてきた歴史を持つ。温暖

な気候のもとで自生が盛んな原料のコウゾやミツマタを、石並川の流れでさ

らして紙を漉いてきた。現在は佐々木寛治郎さん一家が継承している。県の

伝統工芸士であり、日向市文化賞も受賞。

蒲生和紙工房(蒲生町)

かつて薩摩藩のコウゾ蔵が置かれたほど製紙業が盛んだった蒲生。

最盛期には500軒もの紙漉き場があったという。現在は小倉正裕さん

が伝統を受け継ぎ、地元のカジノキの皮で紙漉きを行っている。カジ

ノキは繊維が長く、皮が厚いので引きの強い紙ができると評判。近くには、この和紙を

使った紙布織や和紙のオブジェの作家たちも創作活動をしている。

鶴田手漉和紙工房(さつま町)

手揉み茶を作る際の茶取り紙として漉かれた和紙が始ま

り。江戸時代になると藩の保護のもとに、下級役人の間で

盛んに行われていた。明治時代に最盛期を迎える。火に強

く、今でも高級茶作りに欠かせない紙である。

八女手漉和紙(八女市)

八女和紙の歴史は九州で最も古い。今から400年ほど前、文禄4年(1595年)、全国行脚

の途中に立ち寄った日蓮宗の僧・日源上人が、越前国(現・福島県)に伝わる紙の技術を伝

授したことから始まる。矢部川の清流に恵まれ、繊維の長い楮を主原料としているので、

引きが強く、腰が強い。愛好家には、版画家の棟方志功などがいる。

肥前名尾和紙工房(佐賀市)

福岡から佐賀に山越えする峠近くの名尾地区に、300年以上伝わる伝統の和紙。か

つてこの集落の納富由助が筑後で修業して技術を持ち帰り、農家の副業として盛ん

に行われたが、今では谷口祐次郎さん一家がそれを受け継いでいる。麻紙、杉皮紙、

カヤの漉き込み、柿渋染め、土藁紙など、さまざまな原料にも挑戦しており、その

バリエーションが楽しい。

鍋野手漉き和紙工房(嬉野市)

嬉野市の塩田町は、天草から有田焼の陶石を運び込む港としても有名だが、農家

の副業として350年前から行われていたのが紙漉きだった。水がきれいでコウゾなど

の原料も豊富に自生していたのである。最盛期には100戸近くが携わり、傘紙や提灯

紙、障子紙など暮らしに根づいた和紙を生産していた。現在は保存会として13名ほ

どが関わり、工房では紙漉き体験も受け付けてくれる。(日曜祭日のみ、要予約)

21

1日目 各地→阿蘇くまもと空港(熊本駅)→高千穂町→日向市[美々津和紙工

房]→宮崎市又は綾(泊)

2日目 宮崎市→蒲生町[蒲生和紙工房]→さつま町[鶴田手漉和紙工房]→

八女市[八女手すき和紙]→川上峡温泉(泊)

3日目 川上峡温泉→佐賀市[肥前名尾和紙工房]→嬉野市[鍋野手漉き和紙

工房]→長崎空港(長崎駅)又は佐賀空港→各地

《問い合わせ先》一般社団法人 九州観光推進機構 TEL:092−751−2943

九州観光推進機構のホームページ http://www.welcomekyushu.jp「九州旅ネット」 も併せてご覧ください。

美々津和紙工房(日向市)

2泊3日コース

北九州市(戸畑・門司)

長崎空港

日向市

さつま町

八女市佐賀市

嬉野市

高千穂町

上椎葉

宮崎市

川上峡温泉

阿蘇くまもと空港

蒲生町

福岡県佐賀県

大分県

長崎県

鹿児島県

山口県

島根県

熊本県

宮崎県

蒲生和紙工房(蒲生町)

八女手漉和紙(八女市)

鶴田手漉和紙工房(さつま町)

肥前名尾和紙工房(佐賀市)

鍋野手漉き和紙工房(嬉野市)

九経連月報 2017/422

維新の風が誘いざな

う。おもしろき国 山口

山口 Yamaguchi

佐賀 Saga

「佐賀さいこう!」PR動画に新作登場!

来年は、明治改元から150年という節目の年。そこで、県では、近代日本の原点「やまぐち」を形成してきた歴史や文化に併せ、自然や町並みなどの景観、「ぶちうま!」な食、温泉などの地方ならではの癒やしなどを満喫していただけるよう、全国のJRグループ6社と連携し、「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」を展開する。デスティネーションキャンペーン(DC)とはDestination(目的地)とcampaign(宣伝)の造語。大胆かつ柔軟な思考と迅速果断な行動力の一方で、酒や三味線を愛する娯楽性など、「風」のような多面性・多様性を持つ高杉晋作をイメージキャラクターに採用し、彼が残した「おもしろきこともなき世をおもしろく」の句から、キャッチフレーズを「維新の風が誘いざな

う。おもしろき国山口」にした。9月1日から12月31日までのDC期間中は、「名探偵コナン幕末維新やまぐちミステリーツアー」や、全国的に知名度の高い「ふく」「地酒」を使った特別キャンペーンなど、「やまぐちらしい」コンテンツを展開し、食・温泉・歴史・文化などの本県の魅力を体感していただき、全国から多くの方に来ていただけるようPRに取り組む。この機会に、ぜひ山口へおいでませ。

《問い合わせ先》山口県観光プロジェクト推進室TEL:083-933-3204

人口減少社会を迎えるにあたり、多くの中小企業にとって人材の確保や育成、雇用慣行の見直し、就労環境の改善は重要な課題となっている。

福岡県では、こうした課題に対応し、女性活躍の観点から解決方法を提案する「よくわかる女性活躍支援の手引き」を作成。この手引きにある「自社分析チェックシート」を使うと、採用、配置、育成、昇進、就業継続の5つのカテゴリごとに自社の課題を知ることができる。また他の中小企業が同様の課題をどのように解決しているのかを紹介しており、企業にとって、実践的な取組を検討できる内容となっている。このほかにも、女性の活躍の取組効果、利用できる助成金や県の事業もわかりやすく掲載している。手引きは県ホームページからもダウンロードできる。是非ご覧いただきたい。

《問い合わせ先》福岡県女性活躍推進室 TEL:092-643-3399

佐賀県が持つ魅力を県内外に発信するPR動画「佐賀さいこう!」シリーズに新たに2つの動画が加わった。昨年2月に公開された動画に引き続き、佐賀県の謎解き人役を山口祥義佐賀県知事、その助手役を唐津市出身のシンガーソングライター、カノエラナさんが演じ、佐賀県の魅力あふれる地域資源をミステリータッチで伝えている。今回新たに加わった動画は「明治維新150年篇」と

「吉野ヶ里歴史公園篇」。「明治維新150年篇」は、平成30年に明治維新150年を迎えるにあたり、当時の佐賀藩が明治維新に大きく寄与したことを紹介。カノエさんが“この日本の最西端で最先端を走っていた”などと歌っていて、楽しみながら佐賀の誇りを感じることができる。また、「吉野ヶ里歴史公園篇」では“弥生人の声が聞こえる”がコンセプトの公園で、たくさんの子供たちのはしゃぐ声が聞こえる秘密に迫っている。「子育てし大

たいけん

県さが」を掲げ、子育てに力を入れている佐賀県らしい内容となっている。カノエさんの思わず口ずさんでしまうオリジナルの楽曲とともに、佐賀県の魅力がぎゅっと詰まった「佐賀さいこう!」PR動画。これまでの5篇も絶賛公開中。新作動画とあわせて、是非ご覧いただきたい。

《問い合わせ先》佐賀県広報広聴課TEL:0952-25-7219FAX:0952-25-7263

http://sy.pref.saga.lg.jp/saga_saiko/

福岡 Fukuoka

「中小企業のためのよくわかる女性活躍支援の手引き」を作成

�福岡県 よくわかる女性活躍支援の手引き 検索

�佐賀さいこう! 検索

2017/4 九経連月報 23

「長崎べっ甲」が国の伝統的工芸品に指定!

長崎 Nagasaki

県産豚肉統一ブランド「米の恵み」登場!

大分 Oita

今年1月、「長崎べっ甲」が国の「伝統的工芸品産

業の振興に関する法律」に定める伝統的工芸品に指定

された。長崎県内では、「三川内焼」、「波佐見焼」につ

いで39年ぶり、3件目の指定となる。

「長崎べっ甲」は、隋・唐の時代に中国で生み出さ

れた技術がポルトガル船やオランダ船を通じて伝来

し、17世紀後半から長崎で作られ始めた300年以上の

歴史を持つ工芸品。ウミガメの一種「タイマイ」の甲

羅を主原料とし、厚みや色合いなどを職人の手作業で

丹念に整えた緻密で精巧な技法が特徴で、髪飾りなど

の小物だけでなく、宝船など大型の置物も製造されて

いる。

今回の指定により、原料確保の研究や後継者育成な

どで国の補助が活用できるようになり、後継者不足や

ワシントン条約でのタイマイの輸入禁止など、厳しい

状況が続いているべっ甲業界にとっては嬉しい知らせ

となった。

べっ甲業界は今、大学や市民団体などを巻き込み、

多角的な視点から「長崎べっ甲」の魅

力を発信するため、PR活動を行って

いる。物産展等の催事の際には足を運

んでいただき、「長崎べっ甲」の魅力

に触れ、ぜひご愛用いただきたい。

《問い合わせ先》長崎県食品産業・産地振興室TEL:095-895-2637

昨年4月14日、4月16日に、2度にわたる震度7

の地震に襲われた熊本県。その後も4200回を超える

余震が発生するなどし、震災の爪痕は、今も随所に見

られるものの、道路や橋などのインフラの復旧・復興

が急ピッチで進められている。

熊本県では、この「平成28年熊本地震」の震災から

1年が経過することに伴い、平成29年4月中旬を「復

興祈念ウィーク」として位置づけ、14日には地震で

犠牲となられた方々への哀悼の意を表す「犠牲者追悼

式」、16日には熊本地震の記憶を風化させることなく、

地震対応で得た教訓や復興する熊本の姿を全国に発信

するために「復興祈念シンポジウム」を開催する。

そのほか、県、市町村、各種団体等による様々な行

事を、県内各地で実施する予定である。スポーツ・イ

ベントや音楽会、映画祭、美術展

のほか、熊本の食や物産など、元

気な熊本をアピールしていく催し

が盛りだくさんとなっている。

各種催しに関する情報につい

ては、熊本県ホームページをご覧

ください。

《問い合わせ先》熊本県広報課 TEL:096-333-2027

県内の養豚生産者組織及び関係団体などで構成する

「大分米ポークブランド普及促進協議会」は、昨年12

月に豚肉の県の統一ブランド「米の恵み」の販売を開

始した。こうした県全域にわたるブランド化の取り組

みは全国で初めてとのこと。

ブランド名は、一般公募の840点から選定した「米

の恵み」。「お米を食べて育った美味しい豚肉」をコン

セプトとしている。

認証基準は、米を10%以上配合した餌を出荷前約

60日間与えること、食肉処理施設において食肉脂質

測定装置により脂肪中のオレイン酸含有率を測定する

ことなどが定められている。

米を与えることによって、豚肉はオ

レイン酸含有率が増加し、なめらかな

舌触りで美味しい肉質となる。

オレイン酸含有率が42%(平均値は

38~39%)を超えた豚肉は「米の恵み

プレミアム」として販売することとし

ている。

県は、「米の恵み」が消費

者に愛されるブランドに育

ち、延いては生産者の経営

安定に繋がるよう協議会の

取り組みを支援している。

《問い合わせ先》大分県畜産振興課 TEL:097-506-3676

熊本地震から一年経ちました。

熊本 Kumamoto

©2010熊本県くまモン

�熊本県復興祈念ウィーク 検索

精巧に作られたかんざし

九経連月報 2017/424

「旅の楽しみは?」と聞かれると、「食」と答える方

も多いのでは。

宮崎県では、食の宝庫宮崎でグルメな旅を楽しみた

い方にぴったりのガイドブック「宮崎オススめし−

MIYAZAKIOSUSUMESHIBOOK−」を作成した。

このガイドブックは、昨年10月に実施した県民総

選挙によって選ばれたとっておきの料理を紹介するも

の。県内飲食店の全メニューを対象として1か月間投

票を受け付けた結果、30~40代を中心に幅広い年齢

層から合計1万3385票の投票があり、その結果をも

とに投票数の多かった59品を「宮崎オススめし」とし

て紹介している。

一般的なグルメガイドと違い、県民投票で選ばれた

ものであるため、いわゆるよく知られた定番メニュー

だけでなく、地元の人が通う知る人ぞ知る店舗の料理

も掲載されている。また、期間限定の来店特典を設け

た店舗もあり、県外からの観光客はもちろん、地元県

民も楽しめる内容となっている。

ガイドブックは、宮崎空港、宮崎駅、道の駅など、

観光客が多く利用する場所で配布している。また、イ

ンターネット上では、ガイドブックと同じ内容が、英

語、中国語(繁体字)、韓国語版でも紹介されている。

宮崎に観光やビジネスなど

でお越しの際は、ぜひこの本

を片手に宮崎の新たなおいし

さを発見していただきたい。

《問い合わせ先》宮崎県産業政策課 企画推進担当 TEL:0985-26-7052

現在、鹿児島空港国際線には、ソウル線(大韓航

空:平成2年5月就航)が週3便、上海線(中国東方

航空:平成14年8月就航)が週2便、台北線(チャイ

ナエアライン:平成24年3月就航)が週4便、香港線

(香港航空:平成26年3月就航、香港エクスプレス:

平成28年7月就航)がそれぞれ週5便の合計4路線、

週19便が運航している。

近年、旺盛なインバウンド需要により、外国人の利

用者が増え、平成28年の定期便と臨時便を合わせた利

用者数は、速報値ではあるが、過去最高となる19万人

超を記録した。

国際定期航空路線の安定的な運航のためには、イ

ン・アウト双方のバランスが取れていることが重要で

あるため、鹿児島県では、航空会社や各国の観光公社

等と連携し、鹿児島空港発着の旅行商品の広告支援や

テレビCMの放映、ツアー助成等を実施するととも

に、平成27年度からは、県内の大学祭において、若者

向けのPRも実施している。

また、今年は、台北線が

5周年、上海線が15周年

を迎えるため、これらを契

機に、更なる利用促進に取

り組んでいきたい。

《問い合わせ先》鹿児島県交通政策課 TEL:099-286-2457

2011年11月に、国際的に卓越した科学技術の教

育・研究を行うことで、世界の科学技術の向上及び沖

縄の自立的発展に寄与することを目的として設立され

た沖縄科学技術大学院大学(OIST)。2012年9月の

開学(学生受入れ)から5年目を迎え、50余りの国と

地域から集まった学生、教員、研究員、職員は約900

名の陣容となり、約60の研究ユニットが発足した。こ

れまでに、主要学術誌の表紙を飾るいくつかの論文を

含め、数多くの卓越した研究成果を発表し、特許の申

請や取得、産学連携も積極的に推進している。

産学連携の例としては、地元企業との微生物を用い

た廃水処理・発電プロジェクトをはじめ、大手住宅

メーカーと蒸暑地域でのサステナブルな暮らしを実現

する住宅開発にかかる共同研究など、様々な分野に及

んでいる。

世界に先駆けた新しいスタイルの教育研究機関とし

て、内外から募った優秀な人材に対し、基礎研究を促

進するための十分なサポートと自由度の極めて高い環

境を提供し、人的交流や最先端の研究機器の共有を推

進する学際性の高い環境を

作り出したOISTは、さ

らなる規模拡充を目指しな

がら、世界的な学問・産業

を牽引していく未来のリー

ダーを育成していく。

《問い合わせ先》沖縄科学技術大学院大学(OIST)コミュニケーション・広報ディビジョン メディアセクションTEL:098-982-3447(直通)https://www.oist.jp/ja

開学から5年目を迎えた沖縄科学技術大学院大学(OIST)

沖縄 Okinawa

「宮崎オススめし-MIYAZAKI OSUSUMESHI BOOK-」が完成!

宮崎 Miyazaki

鹿児島空港国際線の利用者数が過去最高

鹿児島 Kagoshima

ⓒOIST/ギンター

2017/4 九経連月報 25

◆九経連ホームページ  http://www.kyukeiren.or.jp ◆九経連メールアドレス [email protected]  月報・ホームページをご覧になったご感想やご意見をお寄せください。

お知らせ:�本誌裏表紙に広告を募集します。詳しくは、本会総務広報部(Tel:092-761-4261)までお問い合わせください。

アカマツ照明オブジェ 零こ ぼ れ び

れ日(木工作家 竹

た け べ

部徳と く ま

真)

表紙説明

古くは東大寺再建のために使用されたことでも知られる山口県の木アカマツ。古来から、建築や陶芸、書道など、日本文化にはなくてはならない優れた素材です。そのアカマツを素材として、独自の轆

ろくろ

轤技術を用い、極限まで薄く削った「零こぼ

れ日」は、内なる光を透過させて幻想的な空間をかもし出します。木は切られることで一度命を失いますが、さまざまな形で私たちの生活の中に溶け込み、新たな

生を受け、その時間を刻みはじめます。穏やかに呼吸をしながら、しっかりと生きているのです。「零れ日」は、木が生きた“時間や歴史”を赤く透け出す木目(年輪)で視覚化した作品です。大自然が語りかける優しい灯りに人々は癒やされ、その心の中にともった灯りは、周りの人たちも照らします。作品には、平和に対する想いや願いが込められています。普段目にしている木とは全く異なる表情とともに、大自然から感じる優しさを感じていただけた

らと思います。

【作家紹介】木工作家 竹

たけべ

部徳とくま

真 �1987年兵庫生まれ。山口市宮野の工房を拠点に、“世界に通用するmade�in�JAPAN”を目指し、国内外で活動中。第7回やまぐち新進アーティスト大賞�受賞。やまぐちブランド第77号登録。ミラノ国際博覧会milano�expo–2015出展。経産省The�wonder�500認定。個展J–COLLABO内(NY�Brooklyn)–2015。Leepa�Rattner�Museum�of�Art�個展(Tampa�FL)。Japanese�Arts�&Crafts�EXHIBITION(Rovaniemi�Finland)。

新入会員企業(2月)

社長 平岡 省吉

執行役員九州事務所長 木幡  悟

㈱大建設計

大阪市西区京町堀1丁目13-20 TEL:06-6449-6800 従業員数:328名

福岡市博多区住吉3丁目1-1 TEL:092-291-0717

事業内容:建築物の設計・監理・コンサルタント業務