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F4選手権はダンロップタイヤのワンメイクレースです。

F4協会HPwww.f4k.co.jp

JAFF4Text：髙橋カズキヨ（Kazukiyo Takahashi）Photo：酒井聖一（Seiichi Sakai）

Vol.5

国内唯一開発競争のあるミドルフォーミュラF4の魅力を探る

2020 FORMULA 4 CHAMPIONSHIP

PADDOCK NEWS

長年JAF F4に参加しているエントラントやサポート企業の協力により、今年も各賞典が設けられた。「SATO-SS SPORTS賞」は決勝１～６位のドライバーが対象。なかでも日本一決定戦で目覚ましい活躍をしたチームに贈られる「同特別賞」は、シーズン途中にケガで欠場していたハンマー伊澤が復活し、決勝４位に入ったハンマーレーシングに授与された。そのほか、決勝１～３位が対象の「ルーニーホールディングス賞」、決勝グリッドに着いたドライバー全員が対象の「ヨネタニ賞」、20年最も活躍したシャシーのマニュファクチャラーが対象の「国土交通大臣賞」が贈られたほか、タイヤサプライヤーのダンロップからもウェアなどが提供された。また、年間表彰も併せて行なわれ、2020年F4協会グランドチャンピオン ＳクラスのKAMIKAZE、2020年JAF F4シリーズチャンピオンの中島功も登壇した。

（上から時計回りに）予選はハーフウエット。太田（写真）と金井のふたりだけが２分１秒台をマーク。優勝候補の一角だったハンマー伊澤は「ペースがなかなか上がらなかった」と決勝４位。「ダラーラF3からのコンバート車両＋マツダエンジン」で挑んだ米谷浩は決勝でマイナートラブル。マシンの調子自体はいいとのことで、来季の巻き返しは必至。今回唯一の女性ドライバーとなった翁長実希は前戦富士でJAF F4デビュー。徐々に習熟が進んできたか。３位石谷豪志はJAF F4初参戦で、もてぎも初めて。「もう少し走り込んで、クルマともてぎの感覚をつかみたい」と意欲を駆られていた。

「F4協会グランドチャンピオン Ｓクラス」を獲れたということで、

「日本一決定戦は若い者に任せました」というKAMIKAZE（右の写真の右から３番目）。「しっかり勝ってくれた。練習から調子は良かったので、いけるかなと思っていました。クルマは仕上がっていましたね。僕が出たらどうなっていたのかなとも思いました（笑）」。

賞典も多彩

　

インリンクもてぎで行なわれた

「２０２０年ＪＡＦ

Ｆ４日本一

決定戦」は、太田達也と金井亮忠が予

選、セミファイナルともトップ２で安

定。決勝でもほぼ一騎打ちとなりそう

な様相を呈していた。セミファイナル

後は、「金井選手は思いっきりという

感じではなさそうですね。戦意を削ぎ

にいくような走りを見せたい」（同１

位太田）、「太田選手は後ろを見ながら

走っていたんじゃないですかね。スタ

ートで前に出てから勝負といきたい」

（同２位金井）と、決勝に向けて互い

に警戒レベルをアップ。ふたりは第１

戦もてぎで相まみえ、太田がポール・

トゥ・ウイン。金井は予選２番手／決

ツ

勝２位で、ここには雪辱を期して臨ん

でいた。コースは決勝を迎えるまでに

ほぼ完全にドライへ。日本一決定戦に

ふさわしい舞台が整った。

　

だが、決勝スタートで金井がまさか

のエンジンストール。「狙っていた」（金

井）というスタートで痛恨のミスを喫

し、10番手あたりに落ちてしまう。２

番手には山本幸彦が、３番手にはハン

マー伊澤が浮上。ポールポジションス

タートの太田はオープニングラップか

ら快調で、１周目を終えると２番手山

本に２・３秒差を構築。独走態勢に持

ち込む意図を隠していなかった。

　

金井はその後、猛然とプッシュを開

始。３周目には決勝のファステストラ

ップをマークして２番手まで戻してき

ていた。そのペースは「クルマの仕上

がりはセミファイナルよりも良かった」

（金井）という感触どおりで、トップ

太田との差を３周目の３・７秒から５

周目には３・３秒に短縮。怒涛の追い

上げ開始かと思われていた。

　

だが、太田はクルマにもドライビン

グにも余力を残していた。「予選から

セッティングをブラッシュアップでき、

アンダーステアも解消できていた」と

仕上がりに自信を持っていた太田は、

金井がギャップを詰め始めたのを見る

と、６周目には金井が出したファステ

ストラップを更新。11周目にも塗り替

え、リードを５秒以上に拡大する。金

井も10周目に自己ベストを更新するが、

太田との間隔を縮めるまでには至らず、

最後は太田が余裕を持ってトップチェ

ッカー。４度目の挑戦で初のＪＡＦ

Ｆ４日本一決定戦制覇を果たした。

「金井選手がすごい勢いで追い上げて

きたので、（プッシュのほうに）気持

ちを切り替えました。ＫＡＭＩＫＡＺ

Ｅさんから出場のチャンスをいただき、

結果でお返しできてよかったです」と

太田。２位の金井は「完全に僕のミス。

申し訳ないです。でも、このクルマの

ベストを尽くすような走りはできまし

た。今季４回目の出場ですが、クルマ

はノントラブルですし、すべて表彰台

に上がれました。学生たちがしっかり

メンテナンスをしてくれて、結果とし

て出せたのではないかと思います」と

納得の様子。ＮＡＴＳではモータース

ポーツ科長を務めている金井。最後は

指導者としての表情に戻っていた。

　

これをもって、２０２０年のＪＡＦ

Ｆ４の公式戦は全日程を終了。ＪＡＦ

Ｆ４ならではの独創性あふれるマシン

による、若手からベテランまでの戦い

は例年以上に見応えがあった。また、

ＪＡＦ

Ｆ４の17年日本一決定戦チャ

ンピオンの角田裕毅が21年はアルファ

タウリからＦ１にフル参戦することが

決定。彼の日本における成長の基盤の

ひとつとなったＪＡＦ

Ｆ４への注目

度がまた上がりそうだ。

Pos No Class Driver Type Lap Time / Delay Best B/L Car Name1 9 - 太田 達也 MC090 15 29'03"708 1'54"890 11/15 スーパーウィンズ＆HRF.MC0902 72 - 金井 亮忠 NATS001 15 3"998 1'55"294 10/15 チームNATS・正義・0013 4 - 石谷 豪志 RK-01 15 15"138 1'56"018 10/15 RS-EMA☆レプリ☆RK-014 19 - ハンマー伊澤 疾風 15 21"844 1'56"043 15/15 ぶーにゃんCハンマーレーシング☆ハヤテ5 2 - 山本 幸彦 KK-ZS 15 32"879 1'56"904 8/15 佐藤製作所・ミスト・KEIHAN・5166 56 - 河野 靖喜 FR2000 15 36"570 1'57"060 15/15 CMS☆RISING7 99 - 武居 義隆 RS2000 15 46"285 1'57"785 9/15 CMS NUTEC ルノー8 33 - 中島 功 RD10W 15 47"580 1'57"997 8/15 SHINSEI.KK9 48 - 翁長 実希 MC090 15 1'10"856 1'58"497 12/15 フジタ薬局アポロ電工モーターテクニカMP

10 92 - 黒沼 聖那 RK01 15 1'39"274 2'00"720 10/15 ファーストガレージＳウィンズRK-0111 46 H 入榮 秀謙 WEST056A 15 2'01"559 2'01"922 13/15 アポロ電工フジタ薬局MTマスターピース♡12 0 - 渡邊 義人 WXR MK-2 15 2'05"679 2'02"166 10/15 チームNATS・エクシズWXR

以上完走（規定周回数：10 Laps）8 - 米谷 浩 F301 7 8 Laps 1'58"708 5/7 KK・ヨネタニ

47 H 徳升 広平 WEST056B 0 フジタ薬局アポロ電工高山短大MTIMP☆Fastest Lap

- 1'54"890（11/15） 150.436 km/h　9 太田 達也／スーパーウィンズ＆HRF.MC090H 2'01"922（13/15） 141.759 km/h　46 入榮 秀謙／アポロ電工フジタ薬局MTマスターピース♡

2020 F4日本一決定戦 F4決勝ファイナルリザルト2020/12/06　ツインリンクもてぎ　Weather: Fine | Track: Dry

2020年F4日本一決定戦

抜群の安定感で 太田が初制覇

好スタートを決 め た 太 田

（９号車）が先頭で１コーナーへ。金井はその後、５番手で１周目を終えてきたが、太田にとって楽な展開とさせてしまった。