平成22年度消防防災gisサポーター事業報告書gis.bousaihaku.com/download/05jireih22kitukicity.pdf平成22年度消防防災gisサポーター事業報告書...

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平成22年度消防防災GISサポーター事業報告書 自治体名 大分県 杵築市役所 所属部課 総務課 消防防災係 役 職 主事 亀井 辰徳 活用内容 自主防災組織活性化における消防防災GISの活用について 平成22年4月に消防科学総合センターからの通知により消防防災GISサポー ターの募集を知った。また、今年度杵築市でも独自にGISを導入することもあり 双方の機能を連動し、活用することを計画していた。 しかし、杵築市GISの運用開始が平成23年2月にずれ込み連動して活用する ことが難しくなった。そこで懸案事項であった自主防災組織の活性化のために今年 度は消防防災GISを活用した。 活用事例 今年度は各行政区の集会等にあわせて東南海・南海地震に対する啓発に努めた。 なかでも、要援護者宅などの確認や避難経路、各行政区で起こりうる被害想定 を挙げ、災害時の対応などを検討した。 今回報告する塩田区敬老会では東南海・南海地震についてパワーポイントを利用 した啓発活動を行い、予測される災害とそこから見えてくる被害想定箇所さらには 地域の弱点を認識させるため消防防災GISを活用した。 1

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平成22年度消防防災GISサポーター事業報告書

自治体名 大分県 杵築市役所

所属部課 総務課 消防防災係 役 職 主事

氏 名 亀井 辰徳

活用内容 自主防災組織活性化における消防防災GISの活用について

経 緯

平成22年4月に消防科学総合センターからの通知により消防防災GISサポー

ターの募集を知った。また、今年度杵築市でも独自にGISを導入することもあり

双方の機能を連動し、活用することを計画していた。

しかし、杵築市GISの運用開始が平成23年2月にずれ込み連動して活用する

ことが難しくなった。そこで懸案事項であった自主防災組織の活性化のために今年

度は消防防災GISを活用した。

活用事例

今年度は各行政区の集会等にあわせて東南海・南海地震に対する啓発に努めた。

なかでも、要援護者宅などの確認や避難経路、各行政区で起こりうる被害想定

を挙げ、災害時の対応などを検討した。

今回報告する塩田区敬老会では東南海・南海地震についてパワーポイントを利用

した啓発活動を行い、予測される災害とそこから見えてくる被害想定箇所さらには

地域の弱点を認識させるため消防防災GISを活用した。

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効 果

各行政区防災講演会での活動を通じて消防防災GISを活用し、その地区の弱点

を認識・共有化することでその後の迅速な対応・行動に結びつけるように啓発した。

市民からも地図にすることで危険箇所が目で見て確認でき、危険箇所を特定するのに

わかりやすいと好評だった。

今後の課題

来年度は杵築市内全域で消防防災GISによるハザードマップを作成し、平成

23年2月から運用開始する杵築市独自のGISとの連携を図る。

また、全行政区にて消防防災GISで作成した地図を利用し、図上訓練等を実

施しながら地域の防災力の向上に努めたい。

本GISに期待すること

今後GISシステム導入を検討する自治体も予想される。その中で消防防災GISを

知らない自治体もあると思われる。消防防災GISは利用面やコスト面からみても近年

まれに見る優良GISシステムであり、今後多くの自治体で利用してもらいたい。

また、防災担当1年目ということもあり他のサポーターの方からを学ぶことも多く、防

災担当としてのスキルアップにもつながった。今後も消防防災GISを活用し、市はもと

より市民の防災力向上に役立てたい。

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杵築市役所 総務課

消 災係 亀井 辰徳消防防災係 亀井 辰徳

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大分県の紹介

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大分県の紹介

面積 6,340k㎡(H22,10.1)

人口 1,192,097人(H22,10.1)

世帯数 92 467世帯(H22 10 1)

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世帯数 92,467世帯(H22,10.1)

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杵築市の紹介KITSUKIKITSUKI CITYCITY

杵築市の紹介

面積 280.01k㎡ (H22,10.1)

人口 32,706人(H22,10.1)

世帯数 13 500世帯(H22 10 1)世帯数 13,500世帯(H22,10.1)3

観光施設観光施設・特産品

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観光施設

○江戸時代の風情が今もなお残る杵築。

杵築城を中心に、南北の高台に武家屋敷があり、その谷間に商人の町が挟まれて

います このような凹凸のある“サンドイ チ型”城下町は 杵築だけと言われていますいます。このような凹凸のある“サンドイッチ型”城下町は、杵築だけと言われています。

特産品

瀬戸内式特有の温暖な気候を生 生産 れ

温暖な風土から生まれた「きつき ウスみかん は

守江湾は、大分県一を誇るカキの産地 シ ズン中は湾沿いにカキ

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気候を生かして生産される「きつき茶」は、甘味とコクが自慢です。

「きつきハウスみかん」は、甘味と酸味がマッチした高級みかんです。

産地。シーズン中は湾沿いにカキ焼きのお店が並び新鮮なカキを味わえます。

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大分県内で注目される災害とは・・・KITSUKIKITSUKI CITYCITY

大分県内で注目される災害とは・・・ 近年、大分県内でもっとも注目される災害は東南海・南

海地震と言われています海地震と言われています。

東南海・南海地震とは?

南 海 ト ラ フ

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東海地震南海地震 東南海地震

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東南海・南海地震の発生率は?東南海 南海地震の発生率は

地震調査研究推進本部によると東南海・南海地震は2

011年1月1日を基準にして考えた場合 30年以内に011年1月1日を基準にして考えた場合、30年以内に東南海地震が70%、南海地震が60%の確立で発生すると言われています。ると言われています。

なかでも大分県杵築市は東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されており、主に震度5弱の地震と地震発生後1時間から1時間半の間に2mから3mの津波が到達すると言われています。

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杵築市の対策①KITSUKIKITSUKI CITYCITY

杵築市の対策①杵築市ではいつ起こるか分からない東南海・南海地震

についてどのような対策を取る必要があるか検討しました。

対策① 防災行政無線の整備杵築市では現在、防災行政無線が整備されておらず、災害発

生時には市ケーブルテレビによるテロップ放送、消防団による広報車等の呼びかけなどを実施しています。

しかしながら、ケーブルテレビ加入者以外の市民への周知がしかしながら、ケ ブルテレビ加入者以外の市民への周知が困難である為、防災行政無線の早急な整備が必要と考えます。

対策② 杵築市事業継続計画(BCP)の策定対策② 杵築市事業継続計画(BCP)の策定杵築市では地域防災計画を作成済みですが、大規模災害時

に想定される、庁舎が被災した場合などを記載した事業継続計画(

を 成 ず 防災行政無線同様に早急な策定が必要と

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BCP)を作成しておらず、防災行政無線同様に早急な策定が必要と考えます。

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杵築市の対策②

対策その③ 自主防災組織の活性化現在杵築市では自主防災組織の結成率が82 6%と高水現在杵築市では自主防災組織の結成率が82.6%と高水

準となっており、大分県全体でも同様に87%という高い結成率で全国7位となっています。

しかしながら、訓練等の活動の実態は全国1位の静岡県が1自主防災組織につき年1.5回訓練を実施しているのに対し 大分県内の平均は年0 1回となっており静岡県の1割対し、大分県内の平均は年0.1回となっており静岡県の1割程度で全国最下位となっております。このままでは自主防災組織が災害時には機能しないことも

考えられるため、杵築市では東南海・南海地震対策推進の足掛かりとして平成23年度から自主防災組織活性化を最重要対策として目標に掲げ その一環として自主防災組織への補

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対策として目標に掲げ、その 環として自主防災組織への補助金を決定しました。

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自主防災組織活性化補助金の内容とは

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自主防災組織活性化補助金の内容とは・・・

①資機材購入に係る経費への補助

自主防災組織が資機材を購入するのに必要な経費で補自主防災組織が資機材を購入するのに必要な経費で補助対象経費の3分の2以内の額とし、1の自主防災組織につき50,000円を限度として補助する。

②訓練に係る経費への補助1回の開催につき30 000円を限度として補助する1回の開催につき30,000円を限度として補助する。

③防災士資格取得に係る経費への補助

防災士資格取得試験に係る受験料(3,000円)と合格後

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の防災士登録料(5,000円)を補助する。

消防防災 活用事例 報告①

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消防防災GIS活用事例の報告①

今年度は来年度の自主防災組織活性化に向け 各行今年度は来年度の自主防災組織活性化に向け、各行

政区の集会等に合わせ東南海・南海地震等に関する防

災講演会を実施 ま た災講演会を実施しました。

その講演会の中の1つ、塩田区敬老会の消防防災GIS

活用事例をご報告します。

塩田区は杵築市の沿岸部に位置し、東南海・ 南海地

震により発生する津波の浸水想定地域になっています。

その塩田区で地震発生のメカニズムや消防防災GISを

利用した浸水想定箇所の確認を行いました。

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消防防災GIS活用事例の報告②

【講演会内容】講演テーマ:東南海・南海地震について講演テ マ:東南海 南海地震に いて

①地球上を覆うプレート

②海溝型地震の発生メカニズム②海溝型地震の発生メカニズム

③東海地震と東南海、南海地震 の発生の歴史

④東南海・南海地震 震度分布について④東南海 南海地震 震度分布について

⑤東南海・南海地震 津波の高さ(満潮時) GIS活用

⑥防災における役割分担(自助・共助・公助)⑥防災 おける役割分担(自助 共助 公助)

⑦自主防災組織の機能と役割

⑧防災○×クイズ⑧防災 ク

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消防防災GIS活用事例の報告③KITSUKIKITSUKI CITYCITY

消防防災GIS活用事例の報告③講演の⑤東南海・南海地震 津波の高さ(満潮時)の項目で

消防防災GISを利用して津波の浸水想定箇所等を示し 災害消防防災GISを利用して津波の浸水想定箇所等を示し、災害発生時に予想される塩田区の弱点の検証を行いました。

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消防防災GIS活用事例の報告④KITSUKIKITSUKI CITYCITY

消防防災GIS活用事例の報告④

①国道213号線までの主要な道路が少ない。

→避難路の確保ができても居住者が多く、避難時に混雑が予想される。

②要援護者が多く、避難に際して介添え者が多数必要

→民生委員と自主防災組織の協力関係の確保(台帳の作成)。

③浸水想定地域内に住家地帯が存在する。

→地震発生から津波到達までに迅速な周知が必要。

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④沖積平野の為、地震の際に液状化現象が起きやすい。

→主要道路も液状化し、道路の通行に支障が出ることが予想される。

消防防災GIS活用事例の報告⑤

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消防防災GIS活用事例の報告⑤塩田区敬老会の様子

◎スライドを使った説明消防防災GISを利用して

塩田区敬老会の様子

消防防災GISを利用して東南海・南海地震における塩田区の弱点を説明。

◎防災クイズ講演会で学んだ知識をクイズ形式で確認

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講演会で学んだ知識をクイズ形式で確認。(写真は○×クイズの風景)

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今後のGIS活用についてKITSUKIKITSUKI CITYCITY

今後のGIS活用について平成23年度以降の活用計画として以下のように推進していく予定です。

災害に強いまちづくり

市ならびに市民の取り組みにより相互の強化をはかり、災害に強いまちづくりを目指す。

①市の強化

災害に強いまちづくり

◎防災行政無線整備により災害対応の迅速化を図る。

◎杵築市事業継続計画(BCP)の策定により災害における行政サイドの

①市の強化

行動計画を詳細に定める。

②市民の強化

◎各自主防災組織に1名の防災士を配置する。◎自主防災組織における資機材購入や訓練に対して補助金を交付し

自主防災組織の活性化を図る。

☝訓練の主な内容

消防防災GISにて杵築市全域ハザードマップを作成。その後、各自主防災組

織の訓練で地図を利用し 図上訓練を行い 防災知識の啓発に努める

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織の訓練で地図を利用し、図上訓練を行い、防災知識の啓発に努める。

市内全行政区にて平成23年度以降の五箇年計画で訓練を開催する予定。

ご清聴ありがとうございましたご清聴ありがとうございました。

雪の酢屋の坂

「九州豊後路の小京都坂道の城下町 杵築」

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坂道の城下町 杵築」

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