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農業技術センター北相地区事務所 北相地区事務所実績第12号 平成29年3月 平成28年度 普及活動実績(北相)

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農業技術センター北相地区事務所

北相地区事務所実績第12号

平成29年3月

平成28年度

普及活動実績(北相)

目  次

Ⅰ 管内概要と普及指導の取組方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ 普及活動実績

1 新規就農者等の育成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

2 直売ニーズに対応した生産技術の普及 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

3 地域農産物の育成支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

4 津久井地域農業経営士会への支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16

5 JA津久井郡大型直売所発展に向けたJA農業セミナー支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18

6 土着天敵等有用生物を活用したナスの防除体系の確立 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20

Ⅲ 各種調査展示ほ成績

1 普及指導員調査研究推進事業

(1) 切花ヒマワリの露地栽培における発芽の斉一化方法の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

(2) タマネギの春まき夏どり栽培の可能性の検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

2 環境保全型農業普及展示ほ

秋作ジャガイモ栽培における陽熱プラスによるそうか病対策の実証 ・・・・・・・・ 27

3 研究成果導入実証展示ほ

直売向けアスターの育苗箱栽培法の実証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30

4 野菜品種展示ほ

11~12月どりブロッコリーの優良品種の選定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

Ⅳ 参考資料

1 沿革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

2 活動体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35

3 気象図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36

Ⅰ 管内概要と普及指導の取組方針

➢ 地理相模原市は、平成18年3月に津久井町、相模湖町、平成19年3月に城山町、藤野町と合併

し、平成22年4月に政令指定都市になった。当管内は、東京から40km圏で県北部に位置し、東部地域(旧相模原市)は、相模川と境川

が流れるさがみ野の大地に広がり、畑作を中心とした農業が営まれている。西部地域(旧津久井郡)は、総面積の約8割が山林であり、相模湖、津久井湖、宮ケ瀬湖のほか相模川とその支流の道志川が流れ、本県の水源地域になっている。平成27年3月には圏央道が開通し、市内2ケ所にインターチェンジが設置され、利便性が高くなった。

- 1 -

➢ 気候

➢ 耕地面積

➢ 担い手

北相地区事務所15.0 ℃ 38.6 ℃ -5.7 ℃ 1,629.0 ㎜

34.1 ℃ -3.1 ℃

相模原市の農地利用状況(2015世界農林業センサス) 神奈川県の農地利用状況(2015世界農林業センサス)

1,685.1 ㎜

備考

消防指令センター

津久井消防署

「H28 ポケットデータさがみはら」より-6.7 ℃ 1,859.0 ㎜

平均気温 最高気温 最低気温 降雨量

16.1 ℃ 37.8 ℃ -3.9 ℃

H28年

東部地域は、比較的温暖な気候に恵まれているが、西部地域は寒暖の差が激しい内陸性の気候であり、特に冬期の気候は厳しい。

相模原市の面積は328.82㎢であり、宅地48.41㎢、農地21.26㎢に対して、山林が203.24㎢で市面積の約6割を占める。

経営耕地面積は405haであり、農地面積の約2割である。内訳は田55ha、畑310ha、樹園地39haであり、県全体に比べ、畑の割合が高い地域である。

販売農家戸数は563戸、主業農家92戸、準主業農家84戸、副業的農家387戸である。農業就業人口(販売農家)の平均年齢は68歳であり、県平均64.4歳を上回っている。

農業従事者の高齢化が進んでいる一方、農外からの新規参入者など新たな担い手の増加がみられる。

1,878.5 ㎜

14.5 ℃ 36.9 ℃

(2015世界農林業センサス)

相模原市の土地利用状況(H28ポケットデータさがみはら)

1998年~2015年平均14.4 ℃

宅地

15%

農地6%

山林62%

原野1%

雑種地

5%

その他

11%

13%

77%

樹園地

10% 田

24%

56%

樹園地

20%

0%

5%

10%

15%

20%

15

~1

9

20

~2

4

25

~2

9

30

~3

4

35

~3

9

40

~4

4

45

~4

9

50

~5

4

55

~5

9

60

~6

4

65

~6

9

70

~7

4

75

~7

9

80

~8

4

85以上

県内男

県内女

相模原市男

相模原市女

- 2 -

➢ 主要作物

➢ 流通販売

県内の農産物出荷先別経営体数(2015世界農林業センサス)

管内の農産物出荷先別経営体数(2015世界農林業センサス)

果樹品目別の県内生産者数に対する管内割合(2015世界農林業センサスより算出)

花き類別の県内生産者数に対する管内割合(2015世界農林業センサスより算出)

平成25年秋、相模原市農協「ベジたべーな」と津久井郡農協「あぐりんずつくい」の大型直売所が相次いでオープンし、地産地消の推進、地域農業活性化に一役を担っている。

野菜は、相模原市農協管内では、直売、市場出荷、スーパーとの契約出荷など多様な販売が行われている。津久井郡農協管内では、直売が主体であるが、新規参入者等によるスーパー等への出荷も見られる。果樹は庭先販売が主であるが、大型スーパー等での販売、観光もぎとり等も行われ、多様な販売を展開している。花きは、鉢物・苗物は、直売と契約出荷が主体で、切花ではごく少数だが市場出荷主体もみられる。

果樹は、相模原市農協管内では、ナシ、ブドウ、ブルーベリー等の直売や観光もぎとり等が盛んで、津久井郡農協管内ではユズ、ブルーベリー、クリ、リンゴ等が栽培されている。 花きは、鉢物はシクラメンを中心に、苗物はパンジー類を中心に栽培され、一部に切花栽培がみられる。また、津久井郡農協管内では、津久井在来大豆の栽培が盛んである。

野菜は、相模原市農協管内では、特産のヤマトイモを中心に葉根菜類等の栽培が盛んで、施設ではトマト、イチゴ等が栽培されている。津久井郡農協管内では、露地野菜を中心に、施設ではトマト等の栽培が行われている。

野菜作目別の県内生産者数に対する管内割合(2015世界農林業センサスより算出)

0%

5%

10%

15%

やまのいも

にんじん

ピーマン

ほうれんそう

はくさい

きゅうり

なす

さといも

トマト

すいか

ねぎ

ブロッコリー

レタス

だいこん

キャベツ

たまねぎ

いちご

メロン

0%

5%

10%

15%

りんご

おうとう

くり

うめ

びわ

ぶどう

かき

キウイフルーツ

すもも

日本なし

その他のかんきつ類

0%2%4%6%8%

10%

球根類

鉢もの類

花壇用苗もの類

切り花類

農協

20%農協以

外の集

出荷団

体5%

卸売市

場10%

小売業

者8%食品製

造業・外

食産業1%

消費者

に直接

販売49%

その他

7% 農協

31%

農協以

外の集

出荷団

体6%卸売市

場16%

小売業

者7%

食品製

造業・外

食産業1%

消費者

に直接

販売33%

その他

6%

- 3 -

➢ 取組方針今後の管内農業の課題解決に向け、相模原市、相模原市農協、津久井郡農協等の関係

機関と連携、役割分担を図り、研究部門との情報交換を密にして普及指導活動を展開する。

多様な担い手として、Uターンを含む新規就農者、農外からの新規参入者等の育成と定着に向けた支援を継続して行う。また、経営発展段階にある農業者の経営向上を図るため、ステップアップセミナーを開催し、経営の高度化を目指す経営体に対し支援を行う。

野菜は、相模原市農協管内では、イチゴ部会を対象に生産安定に向けた技術向上支援を行う。ヤマトイモは種芋の安定生産、収量・品質向上に向けた技術支援等を行う。トマト部会は夏作型で増加する病害虫対策等の支援を行う。

津久井郡農協管内では、直売ニーズに対応した出荷品目及び出荷時期の拡大・分散等の支援を行う。また施設トマトの安定生産技術の向上に向けた支援等を行う。

果樹は、ブドウでは省力化技術である平行整枝技術の導入、普及支援を行い、余剰労力による生産力拡大を図る。ナシは収穫量の増加等を図るため、苗木の更新、優良品種の導入支援を行う。ブルーベリーは高品質果実技術支援、加工品への取り組みを支援する。

花きは、農協大型直売所等へ切花や鉢物の出荷生産者を増やし、販売量の増加を目指す。シクラメン等の鉢物について生産技術の向上支援を行う。

農産加工品は、直売品目として重要な位置を占めるので、加工技術の向上を図るとともに、品目拡大を推進支援する。

持続可能な農業生産の取り組みに対する支援は、環境保全型農業技術の導入、普及を支援する。特に、新規参入者が当初に利用する耕地は、長期間休耕した農地を利用することも多く、初期に環境保全型抑草対策の導入、普及を推進する。

安全・安心な農畜産物の供給の取組については、GAPの取組推進、農薬・肥料等の適正使用に関する支援を行う。

地域農業の振興を図るための取組に対する支援は、地域特産物の育成等を推進する。

鳥獣被害対策は、市、農協等と連携して啓発を進め、捕獲や新技術の現地実証を行い、普及を図る。

- 4 -

① 農家戸数・担い手

② 普及指導対象組織等

③ 耕地面積

※1 施設面積は作付面積、[X]は非公表

④ 作付面積・飼養頭羽数

※2 [X]は非公表

(人)

729

928621

759

-21.6 %

76.0 %

165

176

(a)(a) (a)

100

X

65.7 %

生産組織

(件)

25

農業経営士

(人)

6

エコファーマー

(人)

X

(100羽)

'15/'10 -6.7 % -33.3 % -22.2 % -16.4 % -40.0 % -41.5 % - -

38

2015年

2,337 661

45 2,357

X 3,326

-15.6 %

X

'15/'10 -17.9 % -25.5 % -42.6 % 14.3 % -46.7 % -42.1 % -43.2 % -

7,100 49,000 8,4002005年 100

X

403.2 %

2,800 1,400 12,986 900 300 572

2010年

6,393

6,830

7.8 %

-18.2 %

12,053

14,025

42.5 %

3.7 %

55,0002010年 6,700 41,600 6,800 2,100 497 285

(a) (a) (a) (a)

265

-12.2 %

2010年

31,000

8,295

センサス

2010年 2.2 % 1.6 %

施設面積計

野菜用施設

花き観賞樹用施設

20,5882010年 299,000 672,000 265,000 57,300 30,462

'10/'05 -5.6 %

10,800 9,715

3.4 % -19.2 % -0.7 % -10.3 % 0.0 % -33.4 %

50,500 14,500 6,776187,200 467,681

2,767 28,709 5,851

2010年 1.4 % 6.9 % 3.4 % 1.9 % 4.6 % 対県比

2015年 1.5 % 6.5 % 2.8 % 1.8 % 2.1 % 8.4 % -

11.3 %

- 17.6 %

2010年 212,800

県計2015年 12,685

'10/'05

10.1 % 1.4 % 8.1 %

-0.8 %

(a) (a) (a) (a) (頭) (頭) (頭)

6.2 % 2.6 %

5,100 300 200

3,900 2,400

30,500 486,788

副業的農家

(戸)

387

(人)

487

主業農家

(戸)

2005年

122

139

530

673

2015年

2010年

92

134

164相模原市

市名販売農家

(戸)

563

786

976

-28.4 %

-19.5 %

センサス

-24.6 % '15/'10

'10/'05

基幹的農業従事者

市名

4.4 %

(人)

242

307

390

-21.2 %

-21.3 %

8,249

10,021

3.1 %

4.0 % 2.9 %

3,514

4,315

2.8 %

準主業農家

(戸)

84

-37.3 %

14,863

5.3 %

-35.1 %

4,263 146,634 18,881

1,019

2010年 3,000

花き類・花木

16,685 1,076 500 978

(a)

2005年 2,900 2,600 16,800 1,200 500 1,468

センサス

工芸農作物

野菜類

1,149

-21.4 %

-19.2 %

20,302

24,046

3.9 %

-18.3 %

2,778

3,718

3.6 %

乳用牛

-27.0 %

-21.2 %

(a)

1.4 % 2.1 %

肉用牛 豚 採卵鶏

16,667 8,600 1,075

10

市名

相模原市

相模原市

県計

64,400

-26.4 %

-14.6 %

1,236,000

4.4 %

(a)

40,500

県計2015年

対県比2015年

21,400

2,100

2015年

稲 いも類

55,495

2015年 5,500

21

対県比2015年 4.4 % 2.6 % 3.0 %

相模原市

市名

経営耕地面積(総計)

田 普通畑 樹園地

認定農業者 新規就農者

(人) (人)

149

-15.1 % -19.0 %

参入法人

(件)

7

うち認定新規就農者

(人)

4

1,393

-

3.6 %

1.0 % 1.0 % 1.2 % - 3.7 % 2.1 % 5.1 % 1.8 % 4.1 %

1,085,000 260,600 609,000 215,500 58,800 27,442

6.1 %

耕作放棄地

-

果樹用施設

-58.8 %

- 5 -

- 6 -

図2 自らのほ場の土壌の傾向を探るセミナー生 図3 効率よく出荷調整する方法を学ぶセミナー生

図1 管内の先進農家から学ぶセミナー生

Ⅱ 普及活動実績

1 新規就農者等の育成 取組期間:平成28~32年度

活動対象:就農3年以内の者、経営改善に意欲のある者(概ね50歳未満で年間売り上げ700万円以

上を目指す経営改善に意欲のある生産者)、農業セミナー等の修了生等、更なる経営

の高度化を目指す者

連携機関:相模原市、相模原市農業委員会、相模原市農協、津久井郡農協、県央地域県政総合セ

ンター

担当者名:児玉昭男、田中智二、廣瀬一郎、池田規子、永井秀夫、木村厚信

1 目的

就農間もない農業者に対して、農業セミナーにより基本的な農業技術と知識の習得のための支

援を行うとともに、関係機関との連携のもと、経営基盤等の充実を図る。

また、農業セミナー修了生等に対し、ステップアップセミナーにより経営発展と改善を目指す

ための支援を行うとともに、更なる経営の高度化を目指す農業者を支援し、育成を図る。

2 活動内容と成果

(1) 農業基礎セミナーによる基礎知識の習得

就農後3年以内の農業者を対象に、基礎知識

の習得を目的とした農業基礎セミナーを開催

した。今年度の対象者は28名で、そのうち巡回

を希望した22名に対し、巡回指導を延べ339回

行った。

巡回指導では、作付け計画の検討、病害虫対

策に関する情報等を提供するとともに市農政

課、農協と協力して、農地や販路の拡大も支援

- 7 -

図4 天敵利用研究会(講義)

※ 天敵利用研究会の内容については、「Ⅱ-6 土着天敵等有用生物を活用したナスの防除体系の確立」を参照。

した。

青年就農給付金受給者に対しては、特に日々の収支状況の確認や、地域農業者との関係作り等

を支援した。今年度、1名が青年就農給付金(経営開始型)の早期経営確立者となり、2年目で給

付金受給を終えることができた。

集合セミナーでは、開講式と同時に視察研修会を開催し、市内の生産者2名のほ場で栽培手法や

農業機械等について学んだ(8名参加)。8月には、土壌肥料研修会を実施して、自らのほ場の土

の簡易分析を行い、今後の施肥管理について検討した(5名参加)。10月には、横浜市内の生産者2

名の作業場と直売所の視察を行い、いずれ整備する時にむけて学んだ(8名参加)。また、ステッ

プアップセミナーの天敵利用研修会にも参加した(9名参加)。 (2) ステップアップセミナー生の経営力習得支援

対象の3名に対して、月1回程度、各自のほ場を巡回し、課題や解決方法の整理を進めた。8月

に市内の生産者のほ場で、天敵利用研修会を開催し、農薬や害虫、天敵の生態についての講義と、

ナスほ場内の土着天敵、害虫の観察実習を行った。

巡回指導により、課題や解決方法の整理を進めたところ、経営ビジョンの作成に向けて経営方

針の明確化が進んでいる。今後は、各対象者が経営ビジョンを明文化するよう、巡回指導を中心

に支援を継続する。

(3) 経営発展を目指す中核的な経営体の支援

中核的な経営を目指す経営体の経営改善に向け、輪作などの土づくりや栽培技術向上などにつ

いて支援を行った。経営面積、出荷数量の確保、労働力などからすぐに緑肥の導入などを行うこ

とは難しかった。今後の経営拡大に向けた出荷経費の削減や生産工程管理の改善などの課題に対

し、法人化等を含めた経営内容の改善について専門家への相談実施などを進め、それに基づきア

ドバイスを受け、今後の経営に反映していくことになった。

3 問題点と今後の取組

各段階とも計画的に支援が実施できている。また、当所管内に有機栽培志向の新規参入者

が多い背景から天敵利用研修会という新たな試みも実施できた。

しかし、農業基礎セミナーでは、内容により理解度の高いものと低いものが明確になって

きた。今後の指導では、指導内容の再検討と精査を図り、効率的で効果の高い支援に取組む

必要がある。

図5 天敵利用研究会(ほ場)

- 8 -

1 露地栽培に適した品種について

・キュウリ →「光望」(ときわ種苗)「つばさ」・「夏すずみ」

(タキイ種苗)

夏秋キュウリの有機栽培に適した品種は、収量性や上物率が

高く、病害虫の発生が 少ない「光望」「つばさ」「夏すずみ」

である。(山梨県)

2 一般的な作型

・露地キュウリ (毎月1回播種してリスク分散が可能)

播種 4月中旬 ~ 7月

定植 5月中旬 ~ 8月

収穫 6月下旬 ~ 9~11月

----------------------------------------------------------------------------------------

3 アブラムシ対策

・目的 ウイルスの媒介を防ぐ

・対策 育苗:1mm以下の目合いの防虫ネット使用

黄色粘着版、シルバーマルチ使用

粒剤の使用

本圃:過剰な窒素施肥を控える

周辺を防虫ネットやソルゴーで囲う

粒剤、散布剤の使用

図2 栽培資料 図1 夏秋キュウリの栽培状況

2 直売ニーズに対応した生産技術の普及 取組期間:平成28~32年度

活動対象:鳥屋マルシェ、牧野農産物直売組合、つくい農産加工の会、相模原市花き園芸組合、

津久井郡花き研究会、新規参入者

連携機関:相模原市、津久井郡農協、相模原市健康福祉局保健所

担当者名:田中智二、児玉昭男、廣瀬一郎、池田規子、永井秀夫

1 目的

農産物直売所出荷者等を対象に栽培技術などの講習会と個別支援により、生産者の技術向上、

直売有望品目の生産拡大、品質向上等を図り、地域の農業生産力の維持向上を推進する。

野菜は、直売品目として夏秋キュウリの生産安定、ダイコン栽培等の作期拡大などの生産振興

を、必要な電気柵などの有害鳥獣被害対策と併せて推進する。

また、直売品目として重要な農産加工品の品目拡大に取り組む。花きは、切花や苗物の出荷向け

生産の普及、苗物生産で大きな割合を占める野菜苗の病害虫防除技術の向上を図る、

これら地域特産物の育成支援により、年間を通じて集客力のある直売所を目指せる生産技術の普

及を進める。

2 活動内容と成果

(1) 夏秋キュウリの栽培支援

主に育苗時のアブラムシ等の防除対策

の徹底に取り組んだ。新規参入者が多い

この地域では、無農薬栽培や夏秋作型後

半に育苗しない直播栽培等が行われてお

り、防除対策の徹底が難しい面があった

が、講習会等の指導により 4 名が防除対

策の徹底を図った。

講習会は直売所出荷者等を対象に 2 回

実施し、栽培管理等について情報提供を

行った。台風等の影響により、生育が思

わしくなく早めに栽培を終了したところ

- 9 -

図3 ダイコン「湘白」栽培状況

が多かった。また、出荷に取り組む生産者に対し、巡回指導を実施し、個別の課題に即して情報

提供し、栽培を支援した。

今後は、育苗時の防虫ネットの確実な実施を始め、複数の技術を組み合わせた方法を指導する。

(2) 直売向けダイコン「湘白」の栽培支援

これまでの試作展示に加え、適期収穫の栽培管理等の指導により、生産者の関心が高まり 2 名

が栽培出荷に至った。

直売所出荷者等を対象にした講習会を中心に、巡回指導を実施し、栽培指針、試作結果、種子

販売等の情報提供を行った。9月の天候不順により播種が遅れ、被覆資材利用など栽培管理につい

て指導した。6月にJA広報誌で紹介したほか、12月にJA大型直売所出荷者を対象に試食PRを

実施した。

秋播き年内収穫の作型のため、ダイコン全体の出荷量が多い時期に、直売での多少の差別化だ

けでは、取り組む生産者が増えにくいので、講習会などで品種名、特徴などの浸透を図るととも

に、カッティングシートの配布、JAの種子注文表への掲載推進などが必要である。

図4 試食PR

図5 栽培指針

- 10 -

図6 試作展示

- 11 -

図7 加工先進事例の紹介(ラベルに特徴)

図9 適期防除で作るパンジー苗

(3) 農産加工品の販売品目の拡大支援

直売品目として重要な農産加工品の品目拡大を目

的に、つくい農産加工の会を対象に巡回指導のほか

に次のことを行った。

受託加工業者の紹介を行ったところ、1経営体が

ブルーベリー委託加工の取組を始めた。

先進事例(加工商品)の紹介、ラベル講習会では、

消費者を引きつけるラベル作成の方法、成分表示等

の学習、各経営体で製造販売している加工品で使え

るラベルの試作を行った。併せて商談にも使用でき

る名刺作成も行った。

食品表示法の学習を行い、アレルギー表示が個別

表記になること、加工食品の栄養成分表示の義務化、

ナトリウムの量は消費者にとって分かりやすい食塩

相当量で表示されること等を学習した。

加工品の自家製造には限度があるため、加工品の

外部製造委託を支援する必要がある。県内にはドラ

イフルーツ、各種ジャム、各種ピューレ、ジェラー

ト、大豆の煮豆、果樹類を使用したケーキ類など受

託加工業者が多数あることから、生産者に幅広く紹

介し地域特産物の加工品目拡大を支援していく。

(4) 直売向け切花生産の普及

直売所出荷者等を対象にした講習会(3回、各12~20名)を活用し、切花アスターの育苗箱栽培

について相模原市農協管内に設置した研究成果展示ほの結果を踏まえ、切花生産の指導を行った。

また、近隣の生産者に切花生産の巡回指導(3回)を行った。その結果、新規に切花出荷が1名あ

った。

これまでの活動により、地域内需要が十分に見込める

ことが周知されたので、次年度以降は、講習会で興味を

示している生産者を中心に、巡回指導で新規出荷を誘導

する取組みを進める。

(5) 苗物生産者の苗生産技術向上

パンジー、ビオラ等の苗物では、相模原市花き園芸組

合と津久井郡花き研究会の中で、大型直売所に苗物を出

荷している4名を中心に、巡回指導(12回)により個別の

課題に即した支援と情報提供を行うとともに、現在大型

直売所へ苗物を出荷していない生産者に出荷を呼びかけ

た。また、直売所出荷者等を対象にした講習会(3回)で、

苗物生産を指導した。

これまでの活動により、苗物についても地域内需要が

十分に見込めることが周知されたので、次年度以降は、

図8 ラベル作成講習会(JA津久井郡串川支所にて)

- 12 -

適期防除と併せて、講習会を活用し、苗物出荷に興味を示した生産者に、個別に実施を指導、支

援する。

野菜苗では、各生産者の防除についての課題に共通点が少なかったので、巡回指導により個別

の課題に即した支援を行うこととし、相模原市花き園芸組合と津久井郡花き研究会で野菜苗を出

荷している生産者3名を中心に、巡回指導(8回)を実施した。その結果、3名は個別の課題を踏ま

えた適期防除を達成した。

次年度以降は、野菜苗出荷者の増加と併せて、巡回指導により適期防除の徹底を図る。

3 問題点と今後の取組

直売向けの野菜生産は、出荷時期や出荷品目の拡大、安定的な生産と品質の向上などの課題へ

の対応について、ある程度貢献することが出来た。今後は、JAとの連携強化や周知徹底など、

より導入しやすい環境づくりや、栽培技術支援により栽培者の増加、安定出荷などに取り組んで

いく。

農産加工品の販売品目の拡大支援については、新規に自前の加工所を新設する農業者は期待で

きないため、委託加工を前提とした支援を行い、加工品の品目拡大を図っていく。また、食品表

示法の改正に伴い、平成 32年4月1日に栄養成分表示の義務化等が完全施行されるが、保健所、

JA担当者と連携しながら取り組んでいく。

- 13 -

図1 スパイカルを放飼したイチゴ

3 地域農産物の育成支援 取組期間:平成28~30年度

活動対象:相模原市園芸連絡協議会、相模原市農協農産物直売所出荷者連絡会、相模原市果実組

合、相模原市花き園芸組合、さがみ鉢物研究会、新規就農者連絡会

連携機関:相模原市、相模原市農協

担当者名:池田規子、児玉昭男、田中智二、廣瀬一郎、永井秀夫

1 目的

供給量不足が深刻なヤマトイモ、ブドウ、新規品目として有望視されるイチゴ、切花の生産量

の増大、品質の向上を目指した活動を行う。

ヤマトイモは、種いも産地の高齢化による種いもの入手困難が予想されるため、市内での種い

も生産を目指した活動を行う。

ブドウは、限られた面積の中で省力化を図ることにより生産量の増大を目指す。

イチゴ、切花は、新規品目であるため、病害虫防除等の基礎的な視点からの支援を行い、生産

者の増加を目指す。生産量の向上には、健全な育苗が不可欠であり、花苗生産者が苗生産の多く

を担っていることを踏まえて、花・野菜共通の育苗期の病害虫対策の強化を支援する。

これらを通じて、市内産農産物の生産量の増大、品質の向上、地域特産物となりうる品目の増

加を目指した活動を行う。新規参入者支援については、担い手支援の普及指導計画により重点的

に取り組む。

2 活動内容と成果

(1) 地域特産物の生産量の増大

➢ イチゴ

平成26年度に設立された相模原市園芸連絡協議会いちご部会を対象に、うどんこ病とハダニ

類による減収を防ぐことを目標に活動を行った。うどんこ病について、3戸とも、夏期の徹底防

除に努めたが、残念ながら、2戸で発病してしまった。殺菌剤の特性を考慮した散布は行われて

いるが、育苗開始時にうどんこ病がハウス内にあるため防除が難しい。ハダニ類の天敵(商品

名:スパイカル、スパイデックス)は3戸とも導入された。秋のゼロ放飼、秋に放飼した天敵の

定着等に課題は残るものの、抵抗性を考えたハダニ剤の選択、気門封鎖剤の活用等が積極的に

行われている。

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図2 ブドウの平行整枝短梢剪定の例

図4 ひっぱりくんを活用した定植実演会

図5 丸種いもの試し堀りを行う生産者

➢ ブドウ

相模原市果実組合員を対象に、ブドウの

平行整枝短梢剪定方法を普及した。今年度

丸は2戸が新規に導入し、平成29年産ブド

ウの収量アップ品質アップに期待が持てる。

(2) 地域農産物の育苗技術の向上

➢ ヤマトイモ

丸種いも生産には、2戸が取り組んだと同時に、相模原市農協営農センターと協力して展示ほ

を設置、展示ほを活用して現地検討会を開催した。3月22日の種いも細断には31名、5月24日

の定植には27名が、10月20日の掘り取りには30名が参加し大変に関心が高い。

図3 ヤマトイモの細断を行う生産者

図6 収穫した種いも

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図7 適期防除したハボタン苗

相模原市農協営農センターのほ場1aから掘り上げたものを調査したところ、次のような結果

が得られた。

・いも重20g以上で全長10cm未満のもの 83.6kg

・いも重20g未満または全長10cm以上のもの 24.9kg

・形状不良(センチュウ害を含む)のもの 33.0kg

このことと、定植時に使用する定植機のサイズを考慮して、いも重20g以上で全長10cm未満

のものを適正なサイズとし、いも重20g未満または全長10cm以上のものを丸種いもとして選別し

た。 ➢ イチゴ

育苗中に、1戸が試験紙を用いて葉柄の硝酸態窒素を測定し、定植時まで適正な硝酸態窒素

濃度を維持でき、定植後の芽なし株の発生が起こらないことが明らかになった。 ➢ 野菜苗

大型直売所へ出荷している6名を中心に、巡

回指導で情報提供を行い、適期防除の重要性

について再確認を指導したところ、実施者が

増加し全員の適期防除が達成できた。

(3) 地域農産物の品目数の拡大

➢ 切花・花苗物

切花、苗物ともに、大型直売所への出荷者

を対象とした栽培講習会、巡回指導で、新規

の生産と出荷を促した。これまでの活動によ

り、地域内需要が十分に見込めることが周知

された。

3 問題点と今後の取組

相模原市農協と連携し計画的に普及活動を実施した結果、イチゴ、ブドウ、ヤマトイモ、野菜

苗については、目標達成を果たすことができた。これらの品目は、相模原市内では有望な収益品

目であり、生産者の所得向上に寄与することができた。

相模原市農協管内では、大型直売所「ベジたべーな」の開店、圏央道インターチェンジの開通

等で、農産物の地域内需要がより一層増加している。しかし、生産者の高齢化による労力不足の

課題があり、今後も省力的で高品質な生産を目指した支援を行う。

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図 1 参加者への説明会 図2 味噌加工体験

4 津久井地域農業経営士会への支援 取組期間:平成28年度

活動対象:津久井地域農業経営士会

連携機関:相模原市、相模原市津久井地域経済課、津久井郡農協

担当者名:児玉昭男

1 目的

津久井地域農業経営士会の多様な役割を支援するため、組織運営支援、各種事業参加支援、関

係機関との連携支援等を行う。

2 活動内容

(1) 津久井在来大豆栽培、加工体験の実施支援

募集(神奈川県広報)から各地域への参加者割り振り等を支援した。

(2) 津久井在来大豆のブランド化支援(津久井在来大豆の採種ほ場の取り組み)

津久井在来大豆振興連絡会が津久井在来大豆標準系統種子の採種を進めており、その標準

系統種子を津久井地域農業経営士会の会員4人が生産するため、津久井在来大豆標準系統種

の採種ほ場4箇所を設置し、その採種ほ場を中心に栽培支援を行った。

(3) 地域振興のための協議会へ参加

「相模原インターチェンジ周辺新拠点まちづくり基本計画(金原地区)」に係る津久井都

市農村交流協議会に会長が参加し、各種農業振興に係る指導・助言を行った。

また、平成 29年度協議会事業支援のため、相模原市とともに経営士会長、地区代表会員と

の打合せ等を行った。

(4) 各種学習会への参加など

農業技術センター北相地区事務所主催のラベル講習会に会員、会員家族が参加するよう支

援した。

新年交流会開催時に食品表示、農産加工品の委託加工、農業福祉連携、他地域で加工され

た津久井在来大豆の蒸し大豆の試食等を行った。

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3 活動成果

(1) 津久井在来大豆栽培 加工体験の実施支援

今年度は、農業体験事業(平成 28年度参加者数 132名、開催会場4会場、栽培面積 390a)

実施に当たって、播種から収穫、味噌作り体験を実施した。

体験の内容は播種作業、中耕、土寄せ、除草、カメムシ類の防除、収穫、乾燥、調製、味

噌加工体験などである。参加者は熱心に取り組んでいた。平成 12 年から 17 年間の農業体験

事業に延べ 1757名の消費者が参加し、農作業体験をすることで、農業理解が促進された。 (2) 津久井在来大豆のブランド化支援(津久井在来大豆の採種ほ場の取り組み)

平成 28年産については、一部で倒伏等があり収量は少ない状況であったが、病害虫の被害

は少ない状況であった。最終的な採種量は 360㎏となった。 (3) 地域振興のための協議会へ参加

「相模原インターチェンジ周辺新拠点まちづくり基本計画(金原地区)」に係る津久井都

市農村交流協議会に関わる事業として、平成 29年度に取り組む大豆栽培と味噌加工の農業体

験について、市との連携のもと、実施に向けた支援を行ったところ、農業経営士会で実施す

ることとなった。さらに、同協議会に経営士会とともに農業技術センター北相地区事務所職

員が参加し、各種農業振興に係る指導・助言をすることとなった。 (4) 各種学習会への参加など

ラベル講習会に会員、会員家族2名が参加した。同時参加のつくい農産加工の会のメンバ

ーとの情報交換も盛んに行われた。

平成 29年産大豆を使用し、蒸し大豆の製品化等加工品製造に向けて、取り組むこととなっ

た。

4 問題点と今後の取組

今後、津久井在来大豆の栽培と味噌加工体験や、地域産物を活かした地域資源活用対策を支援

していく。

図3 ラベル講習会に参加する農業経営士 図4 JAあつぎが取り組む蒸し大豆

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5 JA津久井郡大型直売所発展に向けたJA農業セミナー支援

取組期間:平成24年度~

活動対象:JA津久井郡大型直売所出荷登録者、出荷志向者ほか

連携機関:JA津久井郡

担当者名:田中智二 児玉昭男 廣瀬一郎 永井秀夫

1 目的

津久井地域は、従事者の高齢化や有害鳥獣被害の拡大により、耕作放棄地が増加傾向にある一

方で、農外からの参入者が多い特徴がある。その中で、観光資源を生かした直売経営が多く、平

成25年10月には農協の大型直売所「あぐりんずつくい」が開設されている。

平成24年度からJA津久井郡では、大型直売所開設に向けて、JA農業セミナーを直売所出荷

希望者などを対象として開始した。内容や講師、施設見学などについて当初から全面的に支援し

ている。栽培技術などの定期講習や個別支援により、生産者の技術向上や直売有望品目の生産拡

大、品質向上等を図り、安定的な生産活動への支援を行っている。

開催日 開催内容 開催場所

平成 28年 3月 10日(木) 畑の土づくり・作付計画・花卉栽培のしかた・とうもろこし栽培のしかた・かぼちゃ栽培のしかた・肥料とは・農薬とは JA本所

平成 28年 4月 14日(木) 肥料の使い方・苗の選び方・育て方・株ネギ栽培のしかた・刈払機・噴霧器の使い方・マルチの張り方 JA本所・圃場

平成 28年 5月 12日(木) 害虫と病気への対応方法・夏野菜の栽培のしかた・果樹の栽培のしかた・さつまいも栽培のしかた JA本所・圃場

平成 28年 6月 9日(木) 種苗会社による種子説明会(秋・冬種子)・津久井在来大豆の栽培のしかた JA本所

平成 28年 7月 14日(木) 鳥獣への対応について・種の蒔き方・キャベツ栽培のしかた・管理機の使い方 圃場

平成 28年 8月 12日(木) 良い農業生産(GAP)とは・花卉栽培のしかた・秋・冬野菜の栽培のしかた JA本所

平成 28年 9月 8日(木) 被覆資材の使い方・生産資材商品等説明会・施設栽培の利点・方法・果樹栽培のしかた・玉葱栽培のしかた(播種) JA本所

平成 28年 10月 13日(木) 野菜を売るための方法・玉葱栽培のしかた(定植)・売れる野菜とは JA本所

平成 28年 11月 10日(木) 農業技術センター北相地区事務所見学

平成 28年 12月 8日(木) 種苗会社による種子説明会(春・夏種子) JA本所

平成 29年 1月 12日(木) 栽培を振り返る・花卉栽培のしかた・農産加工について JA本所

平成 29年 2月 9日(木) 1年間の反省と春からの作付計画・春の土づくり JA本所

2 活動内容

(1) 野菜の生産、出荷支援

野菜については、基本的な内容のほか出荷を増やしたい品目について個別に取り上げ、ス

イートコーン、カボチャ、サツマイモ、キャベツ、タマネギ栽培などについて指導した。 (2) 果樹、花き、農産加工品の生産、出荷支援

果樹は基本的な栽培講習からJA農業セミナーを通じ剪定講習会、病害虫防除、貯蔵方法等

の指導により、生産活動を支援した。

コギク等の切り花品目の他、シクラメンやパンジー等の鉢物、苗物の生産も拡大するよう、

講習を行い、巡回指導等を通じ支援した。

加工品出荷希望者や出荷者に対し、講習会により情報提供や技術の向上支援を行った。

表1 平成 28年度年間実施計画

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3 活動成果

(1) 野菜の生産、出荷支援

野菜は、年間では多くの品目が出荷され、基本的な旬の果菜類、根菜類、芋類、葉茎菜類、

未成熟豆類のほか、芋類など地域的な特徴のある品目や多種多様な葉物が出荷された。

(2) 果樹、花き、農産加工品の生産、出荷支援

講習会及び個別指導により、栽培管理等の支援を実施し、出荷量は順調に増加している。 (3) 出荷登録者は、平成28年12月現在279名と順調に増加している。常時出荷者は30~40名を維持

しており、それぞれの生産意欲も拡大している。また、地場産率は6割を超えるなど年々増

加している。出荷を増やしたい品目については、出荷者数が増えるなどセミナーの効果があ

らわれている。

4 問題点と今後の取組

JA農業セミナーについては、開始から数年が経過し、参加者数の頭打ちが見られるので、次

年度については、内容の見直しについて支援を行い、野菜、果樹、花きなどの実施回数の見直し

やラベル講習の組み込みなどが計画されている。

新規参入者の出荷登録や出荷登録者の出荷品目の品質向上及び拡大の支援をJA農業セミナー

等を活用しながら今後も継続していく。併せて、それらの品目の安定生産を脅かす恐れのある有

害鳥獣被害に関わる総合的な対策やこれまでの取組みについて情報提供し、防護技術の展示や補

修アドバイス等の技術支援を継続していく。またGAP手法を通じた農業生産工程の確認や食品

事故防止対策等の推進についても継続していく。

図1 セミナー(現地) 図2 セミナー(講義)

図3 販売状況1 図4 販売状況2

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6 土着天敵等有用生物を活用したナスの防除体系の確立 取組期間:平成28年度

活動対象:農業基礎セミナー生、ステップアップセミナー生、新規就農者連絡会

連携機関:相模原市農協営農センター、農業技術センター生産環境部

担当者名:池田規子

1 目的

露地ナス栽培における減農薬の手法を検討する。アザミウマ類対策としてズッキーニの混植に

よる土着天敵の活用およびスワルスキーの導入、アブラムシ類対策として周囲をソルゴーで囲み、

土着天敵を活用し、防除体系を確立する。

2 活動内容

(1) 設置内容

対象作物:ナス

天敵温存(誘引作物):ソルゴー、ズッキーニ、オクラ

対象害虫:アザミウマ類、アブラムシ類

期待される天敵:(土着)ヒメハナカメムシ類

テントウムシ類

ヒラタアブ類

(放飼)スワルスキーカブリダニ (2) 栽培概要

①ナス

定植日:5月7日

品種名:黒陽(タキイ)

②オクラ

播種日:5月9日(直播)

品種名:白オクラ(トーホク)

③ズッキーニ

播種日:5月9日(直播)

品種名:ブラックトスカ(サカタ)

④ソルゴー

播種日:5月9日

品種名:スダックス(カネコ) (3) 農薬散布

5月 7日 アルバリン粒剤

6月16日 ハチハチ乳剤

7月 3日 カネマイトフロアブル

7月11日 アファーム乳剤

図1 ほ場図

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(4) 天敵放飼

7月25日 スワルスキーカブリダニ(250ml(約25,000頭)/3a)

放飼前にナス5株×5葉、5株×1花上の害虫、天敵の頭数を調査した。

表1 放飼前の害虫・天敵数

害虫・天敵 葉(頭) 花(頭)

クモ類 4 0

アザミウマ類 5 2

カメムシ類 5 2

ハダニ類 2 0

3 活動成果

平成28年8月6日に、ステップアップセミナー、新規就農者連絡会の共催で現地研修を実施した。

当日は、18名が出席して、ヒメハナカメムシ類の観察を行った。このほ場は、その後、農薬散布

をすることなく、11月末までナスを出荷することができた。

4 問題点と今後の取組

ほ場で、実際に害虫、天敵を観

察したことで、IPMに関する理

解は高まったと考えられる。同時

に農薬を使用しても微小害虫の防

除は難しいことと、農薬抵抗性に

関する理解も得られた。有機栽培

志向者に対しても、害虫に積極的

対策がとれることが周知できた。

この内容について相模原市農協

で開催された野菜栽培講習会で報

告したところ関心が高く、来年度

以降導入者が増える見込みであ

り、支援を続ける。

図2 検討会で天敵を観察する参加者 図3 スワルスキーカブリダニを放飼したナス

図4 野菜栽培講習会で天敵について報告

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Ⅲ 各種調査展示ほ成績

1 普及指導員調査研究推進事業

(1) 切花ヒマワリの露地栽培における発芽の斉一化方法の検討

担当者氏名:廣瀬 一郎

1 調査研究の要旨

切花ヒマワリ栽培では、収穫時期とサイズを揃えるために発芽を斉一にすることが重要とされ

ている。そこで、当地域において直売向け切花の生産拡大に向けヒマワリに取り組む場合に適し

た、播種・育苗方法を調査した。

2品種について、直まき栽培と育苗栽培、催芽処理の有無を組み合わせて、5月 23日に播種し

試験したところ、直まき栽培・催芽処理なしで斉一な発芽を期待できた。

2 調査研究の課題・目標

催芽処理による発芽率の向上、移植栽培などの技術などの具体的効果を調査し、当地域におけ

る直売向け切花ヒマワリ生産に適した播種・育苗方法を明らかにすることが目標である。

3 調査研究の内容

所内の調査研究ほ場を利用して以下の栽培試験を実施した。

(l)供試品種、裁植様式

‘サンリッチオレンジ’(タキイ)、‘ビンセント2型オレンジ’(サカタ)

ベッド幅 60cm、条間・株間 10cmで1ベッド5列、フラワーネットを2段で誘引 (2)処理区 1区 25株、3反復

露地栽培でも導入が容易な、斉一な発芽のための技術として、次の4つの処理組み合わせ

を検討した。

・無処理直まき区:催芽処理せず本圃へ直まき

・無処理育苗区:催芽処理せず 25穴連結ポットで本葉展開まで育苗

・催芽処理直まき区:5℃の水に 48時間浸漬して催芽後、本圃へ直まき

・催芽処理育苗区:5℃の水に48時間浸漬して催芽後、25穴連結ポットで本葉展開まで育苗 (3)栽培管理

タマネギ収穫後の圃場を使用し、無施肥で栽培した。播種日は5月 23日とし、これにあわ

せ催芽処理を5月 21 日に開始した。育苗は、25 穴の連結ポットに 1 粒ずつ播種し、本葉の

展開が始まった6月3日まで無加温ガラス室で行った。防除は農業技術体系花卉編(農山漁

村文化協会編)をもとに実施した。 (4)調査

発芽の揃いと発芽率、育苗処理については定植 10日後に活着率を調査した。収穫は、直売

向け出荷を念頭に、舌状花がすべて開いた花茎を長さ 55cmで収穫し、葉を 5枚残して、花の

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外径、切花重、播種数に対する収穫本数を、調査した。

4 調査研究の成果等

(l)発芽率と処理との関係は明らかでなかった(表1)。育苗区は本葉の展開が始まった6月3

日に定植し、その 10 日後に活着率を調査したところ全数活着しており、処理による差は明ら

かでなかった(データ略)。 (2)直売向け出荷を念頭に、舌状花がすべて開いた花茎を長さ 55cm で収穫し調査した。収穫は

じめは‘ビンセント2型オレンジ’が‘サンリッチオレンジ’に対し 2週間以上早かった。処

理による、収穫開始、終了の日付の差は明らかでなかった(表1)。 (3)誘引により暴風雨による倒伏被害はほとんどなかったが、生育途中で褐斑病等の病害が多発

した。敷き藁による泥はね防止や、予防防除に努めたが、多発を防ぐことはできなかった。と

くに‘サンリッチオレンジ’は‘ビンセント2型オレンジ’の収穫後半から病害が激しく、販

売可能な収穫はわずかとなった。このため‘サンリッチオレンジ’は収穫物に対する処理の影

響の評価が難しかった。また、直まき区、育苗区とも、一部の区で集中的にネキリムシまたは

立ち枯れ症状が発生した。 (4)播種数に対する、販売可能な収穫本数の割合を可販率とすると、催芽処理をしないほうが、

可販率がわずかに高い傾向が見られた。十分な収穫本数の得られた‘ビンセント2型オレンジ

’では、育苗処理で、催芽処理をしない場合はネキリムシ等の虫害が、催芽処理した場合は立

ち枯れ症状等の病害が少なく、可販率が高かった(表1)。 (5)収穫物は、‘サンリッチオレンジ’では催芽処理をした場合の花が小さくなったが、可販率

が低く、処理による差があるとはいえなかった。‘ビンセント2型オレンジ’では、処理によ

る差は明らかでなかった(表2)。 (6)以上のことから、供試した2品種は、露地普通まき作型においては、直まき栽培・催芽処理

なしで斉一な発芽を期待できる。収穫時期、品質、収量については、処理による効果は明らか

とはいえなかった。また、栽培上の注意事項として、この作型では発芽期の病虫害の予防が非

常に重要であると考えられた。 表1 品種、処理と発芽、収穫日

品種 処理1 処理2 発芽そろい日 発芽率(%) 収穫はじめ 収穫終わり

サンリッチ

オレンジ

直まき 無処理 05 月 30 日 87 08 月 02 日 08 月 12 日

催芽処理 05 月 31 日 92 08 月 03 日 08 月 12 日

育苗 無処理 05 月 30 日 97 08 月 03 日 08 月 12 日

催芽処理 05 月 31 日 79 08 月 02 日 08 月 12 日

ビンセント 2型

オレンジ

直まき 無処理 05 月 29 日 97 07 月 19 日 07 月 25 日

催芽処理 05 月 29 日 93 07 月 16 日 07 月 25 日

育苗 無処理 05 月 29 日 97 07 月 14 日 07 月 19 日

催芽処理 05 月 29 日 96 07 月 14 日 07 月 25 日

注:播種日は、無処理、催芽処理ともに5月 23日。催芽処理は5月 21日開始

発芽率は 6月 3日調査

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図1 収穫期のヒマワリ 図2 切花収穫物

表2 品種、処理と収穫した花の品質

品種 処理1 処理2 花の外径 切花重 生育内訳(%)

(cm) (g/本) 可販 規格 外

不発芽

虫害 病害

サンリッチ

オレンジ

直まき 無処理 12.3 ± 3.0 94.8 ± 37.2 13 5 13 0 68

催芽処理 9.0 ± 1.9 45.5 ± 13.5 16 15 8 4 57

育苗 無処理 10.4 ± 1.5 61.8 ± 13.8 5 16 3 0 76

催芽処理 9.3 ± 2.1 47.9 ± 10.7 8 4 21 13 53

ビンセント 2型

オレンジ

直まき 無処理 11.7 ± 1.5 63.6 ± 21.1 56 15 3 17 9

催芽処理 11.8 ± 1.8 66.7 ± 23.3 52 16 7 0 25

育苗 無処理 12.1 ± 1.3 67.6 ± 18.7 76 17 3 0 4

催芽処理 11.4 ± 1.9 64.7 ± 27.3 72 19 4 0 5

注:花の外径、切り花重はいずれも平均±標準偏差。生育内訳は 3 反復の平均。規格外は、開花

したが奇形花、病害花、曲がり、倒伏により商品価値を失ったものの合計。不発芽は、病虫

害により子葉展開に至らなかったものを含む。虫害は、ネキリムシ類の害のほか、若干、カ

タツムリ類やヨトウムシ類による花の食害。病害は、褐斑病、灰色カビ病、立枯病等により、

開花に至らなかったもの。

5 今後の普及活動に向けて

今回の試験により、ヒマワリの普通まき作型では直まき栽培・催芽処理なしでよいことが示さ

れた。切花ヒマワリの露地栽培の普及拡大において周知していく予定である。関係農家からは、

普通まき作型では直まき栽培・催芽処理なしでよいことは有用な情報であるが、他の多くの品種

・作型についても確認してほしいと要望されている。

今後の課題として、発芽適温を確保することが重要とされる、春まき早期どりの作型での発芽

の斉一化を図る技術の検討が必要である。また、露地栽培であり、効果的な病害予防・害虫対策

の確立が必要である。なお、2品種について普通まき作型で試験した結果であることに留意し、

今後の普及指導に向けて、現地農家と連携して、地域での栽培適性について情報収集を続ける必

要がある。

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(2) タマネギの春まき夏どり栽培の可能性の検討 担当者氏名:田中 智二

1 調査研究の要旨

一般的なタマネギの秋まき栽培は、当地域では厳寒期の凍霜害などにより、安定的な生産が難

しい現状がある。そこで、畑で越冬しない春まき夏どり栽培によるタマネギ生産の可能性につい

て調査検討した。この作型に適するとされる1品種について、播種及び定植を3回に分けて栽培

したが、収穫時期までに販売可能なサイズに肥大せず、春まき夏どり栽培の可能性については確

認できなかった。

2 調査研究の課題・目標

野菜の直売品目として、タマネギは通年需要があり、地元産の安定生産と出荷が望まれている。

越冬栽培については苗の消失など栽培が難しい課題がある。そこで東北、北陸などの研究成果を

参考に、この地域での2月以降の播種、春定植による夏どり栽培の可能性および播種と定植の適

期について明らかにすることを目標とした。

3 調査研究の内容

所内の調査研究ほ場を利用して以下の栽培試験を実施した。 (1) 供試品種、採稙様式

‘七宝甘 70’(七宝)①~③区

参考品種:‘貴錦’(カネコ)①・②区、‘O・K黄’(タキイ)③区

ベッド幅 70cm、条間・株間 15cmで1ベッド5列、黒マルチ被覆 (2) 処理区

無加温温室内にビニールトンネルを設置し、播種日を3回に分けて育苗を行った。

① 播種:平成 28年 2月 16日、定植:平成 28年 4月 25日(育苗日数 70日)

② 播種:平成 28年 2月 26日、定植:平成 28年 4月 27日(育苗日数 62日)

③ 播種:平成 28年 3月 7日、定植:平成 28年 5月 2日(育苗日数 57日) (3)栽培管理

育苗は、育苗箱に市販培土を用いて種子をばらまき、その後トンネル内気温 25℃を目安に換

気を行い、途中で間引きを1回実施した。

草丈 20cm、葉鞘径 4mm、根数 12本程度を目標に育苗し、4月下旬から5月上旬に本ぽに定植

した。

肥料は、元肥として豚ぷん堆肥(N3.9-P4.2-K1.7)500kg/10a、化成 8-8-8(N8.0-P8.0-

K8.0)100kg/10a相当量、合計 N17.8-P27.8-P15.7(有効成分として)kg/10a分を施用した(N

を秋まきマルチ栽培に合わせた)。

倒伏揃いを目安に、7月 19日に収穫した。 (4)調査

定植時に苗の草丈、葉鞘径、根数を、収穫時に球径を調査した。

- 26 -

4 調査研究の成果等

表1 定植時の苗 表2 収穫時の球径(cm)

区 草丈(cm) 葉鞘径(mm) 根数(本) 区 七宝甘 70 参考品種

① 16.5 3.0 10.2 ① 2.2 1.3 (貴錦)

② 17.2 2.5 9.8 ② 3.9 1.9 (貴錦)

③ 17.5 2.0 10.1 ③ 3.1 1.7 (OK黄)

※1 それぞれの定植日に 10 株を調査した。 ※2 各区 30 株を調査した。 ・ 無加温温室、トンネル被覆で育苗が可能であり、育苗日数は播種日が遅くなるほど短かった。

・ 定植時の苗については、草丈、根数は変わらなかったが、葉鞘径は①区から②区、③区と細く

なる傾向が見られた。

・ 定植後に活着はしたが、その後の生育及び肥大が悪く、ほとんど販売可能な大きさにならなか

った。

・ 収穫時の球径は、②区が最もよく、今回の設定の中では定植時期が適している可能性が示唆さ

れた。この場合、播種は 2月までに行うことが望ましい。

・ 参考品種よりも‘七宝甘 70’の肥大はよく、この作型に適した品種である可能性が示された。

5 今後の普及活動に向けて

東北、北陸地方の研究成果等を参考に今回の品種、作型を設定したが、定植後の高温、乾燥な

ど気象要因等により、充分な生育、肥大とならなかった。今後は、更に適切な播種時期、育苗日

数、定植時期、品種等について検討していく必要がある。

今回は、越冬させないが栽培期間が短い2月播種について検討したが、それよりも定植後の栽

培日数が確保できる作型である秋播種・無加温施設越冬・早春定植の栽培方法についても検討す

るなど、安定したタマネギ生産に向けて支援していくようにしたい。

図1 生育期(6月 14日) 図2 収穫期(7月 12日)

- 27 -

2 環境保全型農業普及展示ほ

秋作ジャガイモ栽培における陽熱プラスによるそうか病

対策の実証

1 取組の概要

(1) 目的

ジャガイモそうか病は、病原菌が長期間生存することもあり、生産者は防除に苦慮し

ている。長崎県農林技術開発センターの研究により、2畦マルチによる太陽熱消毒で、

被害軽減が出来ることが明らかになっており、その手法の実証を行う (2) 設置場所、設置規模

相模原市中央区上溝 2a

2 技術の組立・評価

(1) 区設計と栽培方法

太陽熱消毒 品種

対照区1 なし デジマ

対照区2 なし アイノアカ

展示区1 あり デジマ

展示区2 あり アイノアカ

・栽培期間中、化学合成農薬・化学肥料不使用。

・作付け前に太陽熱消毒を実施する。

・施肥量:牛糞堆肥4t/10a、鶏ふん500kg/10a、米ぬか300kg/10a

・品種の罹病性:デジマ(そうか病にやや弱い)

アイノアカ(デジマに対して、そうか病罹病度が低く相対的に強い) (2) 展示区の耕種概要(播種、定植、収穫)

7月27日 施肥、耕耘、畝立て

畝は、小型管理機(2輪タイヤ外幅2

4cm)を使用し、畝幅50cm、高さ15c

m、通路は歩幅程度となるように立

てた。

7月28日 210cm幅透明マルチ被覆(図1)に

よる太陽熱消毒開始。

マルチは、通路部分で重なるように

被覆し、黒丸くんで抑えた。

9月 1日 マルチ被覆を除去。

9月 5日 木製杭をさして畝頂点に穴をあけ、

定植を行った。

12月1日 収穫、発病度調査を行った。

図1 マルチ被覆作業

表1 区設計

- 28 -

(3) 調査結果

ア 作業時間

施肥、耕耘、畝立て後、2aを被覆するのに1人で作業して、約2時間を要した。 イ 温度

・7月28日~9月1日(35日間)の深度15cmの地温

平均地温 33.8℃ 最高値恩 44.5℃ 最低地温 25.0℃

参考)期間中の農業技術センター北相地区事務所の平均地温は25.4℃であった。

・地温が確保できた時間数

地温40℃以上 79hr 地温43℃以上 13hr

そうか病対策に有効とされる40℃以上120時間、43℃以上24時間の目標には達しなかっ

た。 ウ そうか病防除効果

平成28年12月1日に、各区とも50個をめどに収穫し、洗浄後、そうか病の発病の有無

を調査した。

調査個数 発病率

対照区1(消毒無 デジマ) 47 83%

対照区2(消毒無 アイノアカ) 47 45%

展示区1(消毒有 デジマ) 52 60%

展示区2(消毒有 アイノアカ) 65 5%

マルチ被覆により、そうか防除効果は認められるが、それ以上に品種間差が大きかっ

た。発病の程度は、デジマの方が若干重度であったが、本年は両品種ともそうか病が発

病したイモの被害程度は軽度であり、通常の出荷であれば出荷可能なレベルであった。

そうか病発病 良好

図2 対照区1 図3 対照区2

図4 展示区1 図5 展示区2

そうか病発病

そうか病発病 そうか病発病

良好

良好 良好

表2 そうか病の発病率

- 29 -

(4) 経済的効果

この方法で行うためには、表3の資材が必要である。黒丸くんは数年使用出来るため、

毎年購入しなくてはならないものは、透明マルチのみであり、また、今回程度の面積(2

a)であれば、半量しか使用しておらず、2年に1度の購入でよい。同面積にフロンサイ

ド粉剤(5,937円/20kg)を施用する(8kg/2a)場合とほぼ同程度の費用負担となる。

品名 規格等 価格

透明マルチ 210cm×200m 5,292 円

黒丸くん 長さ 30cm、300本 11,640 円

合 計 16,932 円

(5) 地域等への波及効果

この展示ほは、新規就農者連絡会の共同作業として取り組んでおり、関心は高い。現在、

新規就農者連絡会では、中学校給食への継続的な出荷を目指した活動も行っている。ジャガ

イモも有望品目ではあるが、そうか病罹病いもの出荷が認められておらず、そうか病対策が

共通課題である。次年度以降、個別に取り組む希望はあるが、効果の安定について、検討を

続ける必要がある。

3 今後の課題

今年度は、8月後半に曇りや雨の日が多く、月降水量は平年より多くなったため地温確保

が難しかった。そのため抑草効果は実感できたが、そうか病については、やや被害が軽減す

る程度だった。

実施農家は、毎年続けることで、そうか病被害抑制につながることを期待するとともに、

草がでないこと、中耕がいらないこと等は評価出来ると考えている。透明マルチの被覆作業

の時間、費用については、十分に見合うものと感じていた。

次年度以降も継続して実施するとともに、普及にあたっては、地温を測定し、地温が確保出来

ている時間数を把握してから栽培するよう支援する必要があるだろう。

表3 使用した資材と価格

- 30 -

3 研究成果導入実証展示ほ

直売向けアスターの育苗箱栽培法の実証

1 実証した成果情報名

直売向けアスターを簡易な栽培管理で連続的に栽培できる育苗箱栽培法を確立した(平成25

年度)

2 担当普及指導員及び研究員

北相地区事務所 廣瀬一郎

生産技術部果樹花き研究課 栢原知子

3 実証展示の概要

(1) 目的

当地域の大型直売所で不足している切花の生産を進めるに当たって、育苗箱栽培法によっ

て、簡易で安定した直売向けアスター切花の生産が可能なことを実証する。 (2) 設置場所・設置規模・実証期間

相模原市中央区田名、設置規模1a、平成 28年 6月 24日~10月 30日 (3) 対象作物(畜種、品目)・実施内容

対象作物:アスター(松本ピンク、松本ローズ、松本イエロー各 1箱)

35×55cm育苗箱に用土を 10L充填し、育苗箱栽培とした。

用 土:赤土、腐葉土、ピートモスを容量比で 7:2:1混合

施 肥:用土 1Lあたり、苦土重焼燐 2g、苦土石灰 2gを混和。

被覆燐硝安加里リニア 100日タイプ 6gを中層に層状施肥。

潅 水:毎日をめどに手潅水。

参 考 区:ヒマワリ(ビンセントオレンジ、ビンセントクリアオレンジ各 1箱)

栽培法は、被覆燐硝安加里リニア 100 日タイプを用土 1L あたり 1.5g とした以

外は、アスターと同じ。

播 種:6月 24日、育苗箱あたりア

スターは 6条筋まき、ヒマ

ワリは 15粒を点まき。

4 実証結果

(1) 全般の生育

アスター、ヒマワリともに発芽は 6月

27日であった。アスターは 7月 1日と 11

日に間引きを行い、育苗箱あたり 50株程

度にした。全般に葉の色が比較的淡く、図 収穫期のアスター

- 31 -

草丈が低くなった。これは、本年は例年より 8 月に雨が多く、養分の流亡が多くなったこと

が大きな原因と考えられた。病害は目立たなかったが、ナメクジやバッタ類による食害が見

られた。適宜支えを用意した結果、倒伏や曲がりはなく、切花には下垂が見られなかった。 (2) アスター

収穫調査は、2輪以上が完全に開花したものを株元から切り、葉を5枚程度残して、切花

長等を調査した。草丈 40cm前後が中心の生育であったため、直売向けに適すると考えられる

切花長 40cm で収穫できる株は、育苗箱あたり 20 前後となった(表 1)。切花重は 10~15g

程度と軽く(表 1)、花も小さめであった(データ略)。

このことから、切花長が短く花が小さいものであれば、アスターの育苗箱栽培により、一

定の収量を容易に得ることができると考えられた。 (3) ヒマワリ

草丈が抑制された結果、直売向け切花に適する生育となった。揃いは良く、とくに播種数

に対する採花数は率にして 9割に達した(表 2)。

このことから、ヒマワリの育苗箱栽培は、直売向けに少量を栽培するのに適していると考

えられた。

5 主要なデータ

表1 アスターの育苗箱栽培結果

品種名 採花数(本)

切花長(cm) 切花重(g) 輪数 茎径(mm) 全 A 品

松本ローズ 38 16 47.0 ± 3.5 15.1 ± 4.2 4.4 ± 1.0 5.4 ± 0.8

松本ピンク 30 21 47.5 ± 2.7 14.5 ± 3.0 5.2 ± 0.9 5.7 ± 0.7

松本イエロー 47 17 43.9 ± 3.2 11.8 ± 1.3 4.9 ± 0.9 5.6 ± 0.5

収穫開始は 9 月 12 日、終了は 9 月 26 日。採花数は 1 トレイあたり。

A 品採花数は 10g以上 40cm以上のものを数えた。

切花長以下は A 品のものの平均と標準偏差を示す。

輪数は花弁色のあるものを数えた。茎径は切花の茎の最下端を測った。

表2 ヒマワリの育苗箱栽培結果

品種名 採花数(本) 草丈(cm) 花径(cm) 花心径(cm) 茎径(mm)

ビンセント 2 型

オレンジ 14 91.6 ± 6.7 8.1 ± 1.4 4.0 ± 0.6 7.1 ± 0.1

ビンセント 2 型

クリアオレンジ 13 91.8 ± 5.7 9.3 ± 1.2 4.5 ± 0.4 6.7 ± 0.1

収穫調査日:8 月 8 日、10 日 採花数は播種数 15 株あたり

花径は舌状花外周径、花心径は同内周径、茎径は切花長 70cm に調製したときの基部径

6 今後の課題

露地栽培の場合、天候の推移によっては肥効調節型肥料を用いても肥料分の流亡が懸念され

ることが判明したので、追肥管理の方法を検討する必要がある。栽培規模に応じた潅水作業の

省力化の検討も必要である。

- 32 -

4 野菜品種展示ほ

11~12月どりブロッコリー優良品種の選定

1 目的

11~12月どりに適したブロッコリーの優良品種を選定する。

2 担当者及び協力者氏名

農業技術センター北相地区事務所 池田規子

相模原市農協営農センター 門倉巧、吉川寛徳

3 展示ほの内容

(1) 設置場所

相模原市緑区 (2) 展示品種

すばる(ブロリード)、サマードーム(サカタ)、直緑28号(ブロリード) (3) 栽培概要

ア は種及び育苗方法:平成28年7月25日 128穴トレイ

イ 栽植方法:露地栽培 9月2日定植 畝幅70cm 株間35cm 13本/3.3㎡

10a当たり施肥成分 N 9.0kg P2O5 9.0kg K2O 9.0kg 元肥 赤45 60kg/10a

4 生育及び栽培結果の要約

・試験中の平均気温は、9月上旬が平年よりも高い傾向にあったが、その後は平年並みだった。

降水量は、9月中旬と11月中旬が平年より多かった。日照時間は9月中旬~10月上旬にかけて

平年より短い傾向にあった。

・収量に影響するような病害虫の発生はなかった。

・収穫開始日は、「すばる」「サマードーム」が11月22日、「直緑28号」が12月15日であった。

・「すばる」は、花蕾の凹凸が少なかった。花蕾色は、「サマードーム」よりも淡く、黄緑色だ

った。

・「サマードーム」は、小房部分の茎が長く、高さ13cmになるように調整した際に、小房が脱落

してしまうものがあった。「すばる」よりも花蕾の凹凸が大きかったが、色は「すばる」より

も緑が濃かった。

・「直緑28号」は、収穫時期が12月中旬になり11~12月どりに適さなかった。

・収穫調査にあたり、拾い切りを行った。11月25日の立毛状態での連続10株の平均花蕾直径は、

「すばる」が11.3±2.1cm、「サマードーム」が12.0±3.4cm、「直緑28号」が3.5cm±1.8cmで

あり、ばらつきに有意差はなかった。

・食味調査については、11月25日の収穫調査後、「すばる」、「サマードーム」を熱湯で40秒間

茹で、8名が試食したが、どちらも良好であった。

- 33 -

5 調査結果

表 1 生育調査 調査日 11月 25日

品種名 草丈 cm

広がり cm

花蕾位置 cm

花蕾直径 cm

最大葉

長さ cm

幅 cm

すばる 73.0 93.5 38.8 11.3 61.1 23.7

サマードーム 72.4 89.3 34.9 12.0 67.5 21.4

直緑 28号 73.5 99.8 27.0 3.5 68.9 25.7

※ 各品種とも連続した 10株を調査した。

表2 収穫調査

品種名 調査日 重量 g

茎径 cm

花蕾

異常花 収穫時期 長 cm

短 cm

すばる 11 月 25 日 306.0 39.3 12.4 12.3 11 月下旬~

サマードーム 11 月 25 日 274.0 38.2 12.9 12.3 2(リーフィー) 11 月下旬~

直緑 28号 12 月 15 日 304.0 44.2 13.0 11.8 12 月中旬~

※ 収穫適期の花蕾を各品種 10 株拾い切りし、高さ 13cmになるように調整した。

6 普及の見通し

花蕾形は「すばる」が良好、花蕾色は「サマードーム」が良好であった。収穫適期のばらつきは

同等、食味の評価は甲乙つけがたかった。、同等であることから、「すばる」を有望品種とし、来

年度から相模原市農協営農センターで組合員向けに販売する7月下旬播種のブロッコリー品種を

「すばる」とした。

図1 「すばる」茎側 図2 「すばる」花蕾上面

図3 「サマードーム」茎側 図4 「サマードーム」花蕾上面

図5 「直緑 28号」茎側 図6 「直緑 28号」花蕾上面

Ⅴ 参考資料

1 沿革

(1) 普及指導課昭和24(1949)年 県内に23農業改良普及事務所が設置される。管内には高座北部地区農業改良事務所

(高座郡、相模原町役場内)、津久井東部地区農業改良事務所(津久井郡中野町、中野町役場内)、津久井西部地区農業改良事務所(津久井郡日連村、日連村役場内)が設置される。

昭和27(1900)年 農業改良普及事務所が農業改良普及連絡所に改称される。

昭和33(1958)年 農業改良普及所の設置により、高座北部地区農業改良事務連絡所が相模原農業改良普及所、津久井東部地区農業改良事務連絡所が津久井農業改良普及所、津久井西部地区農業改良事務連絡所が藤野農業改良普及所に再編される。

昭和44(1969)年 農業改良普及所の広域化移行により相模原農業改良普及所と高座大和農業改良普及所(旧 高座中央地区農業改良普及所)の一部が統合され相模原農業改良普及所(相模原市上鶴間)に、津久井農業改良普及所と藤野農業改良普及所が統合され、津久井農業改良普及所(津久井郡津久井町中野)に再編される。

平成 6(1994)年 農業改良普及所が地域農業改良普及センターに改称され、津久井地域農業改良普及センターになる。組織再編により、相模原農業改良普及所と伊勢原農協改良普及所の一部が統合され、県央地域農業改良普及センターになる。

平成17(2005)年 農業総合研究所津久井試験場、津久井地域農業改良普及センター、および県央地域農業改良普及センターの一部が統合され、農業技術センター北相地区事務所になり現在に至る。

(2) 管内市町村明治22(1889)年 【相模原市】町村制施行により高座郡相原村、麻溝村、新磯村、大沢村、大野村、溝村

が誕生。旧田名村は単独で田名村になる。【城山町】川尻村、湘南村、三沢村(三井村+中沢村)が成立。【津久井町】中野村、太井村、三沢村(三井村+中沢村)、又野村、三ケ木村、青山村、長竹村、根小屋村、鳥屋村、青野原村、青根村が成立。【相模湖町】小原町、千木良村、与瀬駅が成立。小原町外1駅1ヶ村組合を結成。寸沢嵐村と若柳村が合併し内郷村になる。【藤野町】吉野駅、小淵村、沢井村、日連村、名倉村、牧野村、佐野川村が成立。

明治42(1909)年 【津久井町】青山村、長竹村、根小屋村が合併し串川村になる。

大正 2(1913)年 【相模湖町】与瀬駅が与瀬町に改称。後に内郷村も加え与瀬町外2ヶ町村組合を結成。【藤野町】吉野駅が吉野町に改称。

大正14(1925)年 【津久井町】中野村が中野町(第1次)になる。同年、中野町、太井村、又野村、三ヶ木村が合併し中野町(第2次)になる。

大正15(1926)年 【相模原市】溝村が上溝町になる。

昭和16(1941)年 【相模原市】相原村、麻溝村、新磯村、大沢村、大野村、上溝町、座間町、田名村の新設合併により相模原町になる。

昭和23(1948)年 【相模原市】座間町が分立する。

昭和29(1954)年 【相模原市】市制が施行され、相模原市になる。【藤野町】吉野町に小淵村、沢井村を編入する。

昭和30(1955)年 【城山町】川尻村、湘南村、三沢村字中沢が合併し城山町になる。【津久井町】中野町、串川村、青野原村、青根村と三沢村の三井地区が合併し津久井町になる。【相模湖町】与瀬町外2ヶ町村組合が町村合併し相模湖町になる。【藤野町】吉野町、日連村、名倉村、牧野村、佐野川村が合併し藤野町になる。

平成18(2006)年 相模原市が津久井町、相模湖町を編入合併する。

平成19(2007)年 相模原市が城山町と藤野町を編入合併する。

平成22(2010)年 相模原市が政令指定都市に移行する。

- 34 -

所内体制

普及指導課活動体制専門グループ

花き・野菜グループ

果樹・加工労働グループ

地域グループ

相模原市農協管内

津久井郡農協管内

農業の担い手育成支援チーム

鳥獣被害対策支援チーム

6次産業化支援チーム

2 活動体制

(1)

(2)

(イ)

(ア)

(イ)

(ア)

主査

廣瀬 一郎

主査

池田 規子

非常勤職員

永井 秀夫

主査

田中 智二

所長

齋 藤 寧研 究 課

普及指導課

副技幹

児玉 昭男

非常勤職員

永井 秀夫

主査

廣瀬 一郎

副技幹

児玉 昭男

副技幹

児玉 昭男

主査

田中 智二

主査

廣瀬 一郎

主査

池田 規子

非常勤職員

永井 秀夫

主査

廣瀬 一郎

主査

池田 規子

非常勤職員

永井 秀夫

主査

田中 智二

副技幹

児玉 昭男

副技幹

児玉 昭男

主査

田中 智二

主査

池田 規子

非常勤職員

永井 秀夫

主査

田中 智二

主査

廣瀬 一郎

主査

池田 規子

副技幹

児玉 昭男

課長

木村 厚信

副技幹

児玉 昭男

主査

田中 智二

主査

廣瀬 一郎

主査

池田 規子

非常勤職員

永井 秀夫

非常勤職員

永井 秀夫

- 35 -

(1) 農業技術センター北相地区事務所(相模原市緑区寸沢嵐)

ア 気温

イ 降水量

ウ 日照時間

3 気象図

平均値:4~12月(1998~2015年 18年平均)、1~3月(1999~2015年 17年平均)

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

└ 1┘└ 2┘└ 3┘└ 4┘└ 5┘└ 6┘└ 7┘└ 8┘└ 9┘└ 10┘└ 11┘└ 12┘

0

20

40

60

80

100

120

└ 1 ┘└ 2 ┘└ 3 ┘└ 4 ┘└ 5 ┘└ 6 ┘└ 7 ┘└ 8 ┘└ 9 ┘└ 10┘└ 11┘└ 12┘

0

10

20

30

40

50

└ 1 ┘└ 2 ┘└ 3 ┘└ 4 ┘└ 5 ┘└ 6 ┘└ 7 ┘└ 8 ┘└ 9 ┘└ 10┘└ 11┘└ 12┘

最高

平均

最低

平均値

(点線は平均値)

平均値

mm

hr

8/22 180.5mm

台風9号

8/9 38.6℃

- 36 -

(2) 横浜地方気象台(海老名市)

ア 気温

イ 降水量

ウ 日照時間

平年値:1981~2010年 30年平均

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

└ 1┘└ 2┘└ 3┘└ 4┘└ 5┘└ 6┘└ 7┘└ 8┘└ 9┘└ 10┘└ 11┘└ 12┘

0

20

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80

100

120

└ 1 ┘└ 2 ┘└ 3 ┘└ 4 ┘└ 5 ┘└ 6 ┘└ 7 ┘└ 8 ┘└ 9 ┘└ 10┘└ 11┘└ 12┘

0

10

20

30

40

50

└ 1 ┘└ 2 ┘└ 3 ┘└ 4 ┘└ 5 ┘└ 6 ┘└ 7 ┘└ 8 ┘└ 9 ┘└ 10┘└ 11┘└ 12┘

最高

平均

最低

平年値

(点線は平年値)

平年値

mm

hr

8/9 38.1℃

8/22 140.5mm

台風9号

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(3) 横浜地方気象台(相模原中央)

降水量

台風 7号 8/16 関東接近 29mm

台風 9号 8/22 千葉県上陸 204mm

台風10号 8/30 関東接近 37mm

台風11号 8/20 関東接近 66.5mm

台風13号 9/ 9 関東接近 (9/8 34mm)

台風16号 9/20 関東接近 108.5mm

平年値:1981~2010年 30年平均

0

20

40

60

80

100

120

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平年値

mm

平成28年度普及活動実績(北相)

平成29年3月

発 行:神奈川県農業技術センター北相地区事務所

住 所:〒252-0176 相模原市緑区寸沢嵐620-2

電 話:042-685-0203

FAX:042-685-2224

URL:http://www.pref.kanagawa.jp/div/1617/

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