平成28年度 新年度あいさつ - hichiso.jp ·...

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平成28年4月号 広報 2 棄地や荒廃森林の拡大、働く人の減少・転出による地 域産業の衰退、消費の減少による商店等の存続の危機、 高齢者の増加、生産年齢人口の減少による医療・福祉 分野の人材不足、社会保障費の増大、地域活動の担い 手不足や地域コミュニティの希薄化、伝統文化の喪失 などによる地域社会そのものの存続危機となる状況で あります。 本町の抱えるこの超少子化、超高齢化による人口減 少、地域経済縮小を克服するため、国、県が制定した「ま ち・ひと・しごと創生総合戦略」を勘案し、本町の地域 特性を踏まえ平成27年度から平成31年度までの 5 年間 を対象期間とした「七宗町まち・ひと・しごと創生総合 戦略」を策定しました。 その中で、基本目標として、1 つ目に「安定した雇用 を創出する」、2つ目に「新しいひとの流れをつくる」、3 つ目に「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、4つ目 に「安心して快適なくらしを守る」、という 4 つの基本 目標を設定し、人口減少を抑制するまちづくりを目指 す戦略であります。 この総合戦略は、毎年進捗状況をモニタリングし、5 年ごとに評価・検証を実施した上で、実現に向けて見 直しをかけてまいります。また、この「七宗町まち・ひと・ しごと創生総合戦略」との整合性を図りながら「住みた い 帰りたい 訪れたい 美しいまち ひちそう」をま ちづくりの基本として、平成28年度から10年間の「七宗 町第5次総合計画」を策定しました。 この計画は 6 本のまちづくり目標で構成されており、 それを指針とした新年度における施策、主要事業等に ついては以下のとおりであります。 始めに 「交流を生み出す安全で便利な生活基盤づく り」 では、計画的・効率的な土地利用の展開であります。 この事におきましては、地方創生加速化交付金を財 源とした上麻生駅前総合開発計画の策定事業であり、 平成27年度に取得した駅前用地の効率的な利用を幅広 い意見を集約し計画するものです。 道路交通網の整備では、主要地方道可児・金山線上 日本の経済状況をみると、安倍政権発足時の経済・ 財政政策により、企業の経常利益は過去最高となり、 雇用環境の改善が見られるものの、我が町においてこ の経済状況の回復が中々感じられないのが現状であり ます。 アベノミクスの第二ステージでは、経済の更なる成 長を目指す「希望を生み出す強い経済」、少子高齢化と いう構造的な問題について取り組むための「夢をつむぐ 子育て支援」、「安心につながる社会保障」を新・三本の 矢と掲げ「一億総活躍社会」の実現に向けた「経済・財政 再生計画」の推進を図っております。 また、岐阜県においては、社会資本の老朽化への対応、 清流の国ぎふ総合戦略に基づく地方創生の取り組み、 防災・減災に向けた県土強靱化など多くの課題に取り 組んでいる状況であります。 当町の財政状況は、これまでの行財政改革により、 比較的健全な状態にあるものの町税収入の落ち込みが 厳しく、平成26年度決算で 6 億 6 千 2 百万円と、平成 25年度と比較すると、960万円の減で10年前の平成16 年度と比較すると、約 9 千万円の減少となり、平成20 年度から 7 ヵ年連続して減少(平均2.9%)している状況 であります。 歳入では、地方交付税に大きく依存する割合は徐々 にではありますが大きくなってきており、26年度決算 では13億 5 千万円で、歳入に占める割合は43.9%と高く なっています。 また、今回の国勢調査の速報値では、平成22年から 平成27年の当町の人口増減においては、4,484人から 3,879人となり、減少率ではマイナス13.5%で県内では 最高値でありました。 さらに、平成27年度作成の、まち・ひと・しごと創 生七宗町人口ビジョンでは、このまま人口減少が進む と2040年に2,550人、2060年に約1,550人になると見込 まれております。 懸念される影響として、過疎化の進行による耕作放 平成28年度 新年度あいさつ 七宗町長 井戸敬二

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Page 1: 平成28年度 新年度あいさつ - hichiso.jp · などによる地域社会そのものの存続危機となる状況で あります。 本町の抱えるこの超少子化、超高齢化による人口減

平成28年4月号広報2

棄地や荒廃森林の拡大、働く人の減少・転出による地

域産業の衰退、消費の減少による商店等の存続の危機、

高齢者の増加、生産年齢人口の減少による医療・福祉

分野の人材不足、社会保障費の増大、地域活動の担い

手不足や地域コミュニティの希薄化、伝統文化の喪失

などによる地域社会そのものの存続危機となる状況で

あります。

 本町の抱えるこの超少子化、超高齢化による人口減

少、地域経済縮小を克服するため、国、県が制定した「ま

ち・ひと・しごと創生総合戦略」を勘案し、本町の地域

特性を踏まえ平成27年度から平成31年度までの5年間

を対象期間とした「七宗町まち・ひと・しごと創生総合

戦略」を策定しました。

 その中で、基本目標として、1つ目に「安定した雇用

を創出する」、2つ目に「新しいひとの流れをつくる」、3

つ目に「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、4つ目

に「安心して快適なくらしを守る」、という4つの基本

目標を設定し、人口減少を抑制するまちづくりを目指

す戦略であります。

 この総合戦略は、毎年進捗状況をモニタリングし、5

年ごとに評価・検証を実施した上で、実現に向けて見

直しをかけてまいります。また、この「七宗町まち・ひと・

しごと創生総合戦略」との整合性を図りながら「住みた

い 帰りたい 訪れたい 美しいまち ひちそう」をま

ちづくりの基本として、平成28年度から10年間の「七宗

町第5次総合計画」を策定しました。

 この計画は6本のまちづくり目標で構成されており、

それを指針とした新年度における施策、主要事業等に

ついては以下のとおりであります。

 始めに「交流を生み出す安全で便利な生活基盤づくり」では、計画的・効率的な土地利用の展開であります。 この事におきましては、地方創生加速化交付金を財

源とした上麻生駅前総合開発計画の策定事業であり、

平成27年度に取得した駅前用地の効率的な利用を幅広

い意見を集約し計画するものです。

 道路交通網の整備では、主要地方道可児・金山線上

 日本の経済状況をみると、安倍政権発足時の経済・

財政政策により、企業の経常利益は過去最高となり、

雇用環境の改善が見られるものの、我が町においてこ

の経済状況の回復が中々感じられないのが現状であり

ます。

 アベノミクスの第二ステージでは、経済の更なる成

長を目指す「希望を生み出す強い経済」、少子高齢化と

いう構造的な問題について取り組むための「夢をつむぐ

子育て支援」、「安心につながる社会保障」を新・三本の

矢と掲げ「一億総活躍社会」の実現に向けた「経済・財政

再生計画」の推進を図っております。

 また、岐阜県においては、社会資本の老朽化への対応、

清流の国ぎふ総合戦略に基づく地方創生の取り組み、

防災・減災に向けた県土強靱化など多くの課題に取り

組んでいる状況であります。

 当町の財政状況は、これまでの行財政改革により、

比較的健全な状態にあるものの町税収入の落ち込みが

厳しく、平成26年度決算で6億6千2百万円と、平成

25年度と比較すると、960万円の減で10年前の平成16

年度と比較すると、約9千万円の減少となり、平成20

年度から7ヵ年連続して減少(平均2.9%)している状況

であります。

 歳入では、地方交付税に大きく依存する割合は徐々

にではありますが大きくなってきており、26年度決算

では13億5千万円で、歳入に占める割合は43.9%と高く

なっています。

 また、今回の国勢調査の速報値では、平成22年から

平成27年の当町の人口増減においては、4,484人から

3,879人となり、減少率ではマイナス13.5%で県内では

最高値でありました。

 さらに、平成27年度作成の、まち・ひと・しごと創

生七宗町人口ビジョンでは、このまま人口減少が進む

と2040年に2,550人、2060年に約1,550人になると見込

まれております。

 懸念される影響として、過疎化の進行による耕作放

平成28年度 新年度あいさつ

七宗町長

井 戸 敬 二

Page 2: 平成28年度 新年度あいさつ - hichiso.jp · などによる地域社会そのものの存続危機となる状況で あります。 本町の抱えるこの超少子化、超高齢化による人口減

平成28年4月号広報 3

ラソンも20周年を迎えることから、ゲストランナーを

呼び、記念イベントとして開催し、より多くの参加者

を迎えたいと考えています。また、生涯学習の推進と

して、他市町村と連携した各種講座を展開し、ライフ

ステージに応じた多様な学習機会の提供に努めます。

さらに、地域との連携による本町の自然や歴史の郷土

学習、生活文化の地域特性を素材にした「ふるさと教育」

に力を入れ、児童、生徒の郷土に対する関心と理解を

深める教育に努めます。

 「地域資源を生かした魅力と活力あふれる産業づくり」では農業振興として、農地の荒廃、農業者の減少を食い止める施策の一つとして、県営中山間地域総合整

備事業による設計をおこない、平成32年度までの計画

で農業施設の改修をおこないます。

 林業振興では、GPS機能等の活用により現場と山林

所有者を机上で照合するための字絵図と航空写真の

データベース化を図り、荒廃が続く山林の保全に努め

ます。

 商業振興では、町内の消費喚起を促す商工会発行の

レッキ−プレミアム商品券に対する助成を、昨年度に

引き続きおこないます。

 観光振興では、飛水峡や納古山などの観光資源の

整備を進め、ホーム

ページの更なる充実

に努め、動画配信等

によるPR活動を推

進します。

 「参画と協働による自主・自立のまちづくり」では、広域行政の推進による、「みのかも定住自立圏共生ビジョン」に基づき、広

域行政への需要や共通課題を研究し、効果的な公共投

資とサービスの向上を図ります。また、各地区におい

て座談会やワークショップなどを開催し、町民の意見

を反映できる体制を整備し、さらに、町内出身者や本

町に興味を持つ町外の方に対して、本町の魅力などを

盛り込んだ各種情報を発信し、町民のみならず、町外

からのまちづくりに対する協力体制を推進します。

 以上、町政の基本方針と施策に関する考えを申し上

げるとともに、町民の皆様との対話を大切にし、誠心

誠意町政の執行に当たってまいりますので、一層のご

理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

麻生バイパス事業推進に伴う飯高橋改良工事でありま

す。昨年の下部工左岸に引き続き下部工右岸に着手し

ます。

 また、引き続き上麻生バイパス事業の予算枠拡大に

向け、国への要望陳情に渾身の努力をして参りますの

で、住民の皆様のご理解、ご協力をお願いします。

 昨年に引き続き、道路ストック総点検結果を基に、

舗装修繕工事を交付金事業により計画的に実施して参

ります。

 橋梁においても、橋梁長寿命化計画に基づき、交付

金事業による修繕工事を実施します。

 「自然と調和した快適でうるおいのある環境づくり」では、水道施設の計画的な維持管理のため、今年度は

室兼、分郷、平浄水場の3施設の改修をおこない、安

全で衛生的な浄水の安定的な供給に努めます。また、

農業集落排水処理施設事業や個別排水処理施設事業な

どの維持管理に努め、河川や水路の水質保全を図りま

す。さらに、町営住宅の整備については、住居環境の

向上を図るため、整備計画を策定し、新築住宅だけで

なく、増加傾向にある空き家を利用した住宅施策を実

施していきます。

 「健康でいきいきと暮らせる思いやりの地域福祉づくり」では、子育て支援の充実のため、従来の第二子からの対象を第一子から対象とする育児給付金の拡充、ま

た多子世帯の保育料軽減を実施し、不妊治療に対する

費用の助成も継続していきます。さらに、高齢者福祉

の充実として、高齢者福祉計画や介護保険計画に基づ

き、町民主体の助け合い活動や生きがいのある生活が

できるよう支援体制の整備に努めます。

 「個性と創造性を育むこころ豊かなひとづくり」では、例年町民スポーツとして開催しておりますレッキ−マ