2級 経営戦略 -...

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R1前-081A01-表紙 令和元年度 前期 ビジネス・キャリア検定試験 経営戦略分野 2級 経営戦略 試 験 問 題 (17ページ) 1.試験時間 110分 2.注意事項 (1) 試験問題は、係員の指示があるまで開かないでください。 (2) 試験問題は、40題あります。 (3) 試験問題の配点及び合格基準は、次のとおりです。 (配 点)問題1~問題40 各2.5点 合計100点 (合格基準)試験全体として概ね60%以上の正答。 (4) マークシート(解答用紙)には、①試験区分名、②氏名、③座席番号、④受験番号、 ⑤生年月日を正確に記入してください。 なお、受験番号の最後の桁は、アルファベットですので、数字と間違えないように 注意してください。 (5) マークシートにマークする際には、HB又はBの黒鉛筆又はシャープペンシルのい ずれかで、はっきりとマークしてください。それ以外は使用しないでください。 なお、訂正する場合は、採点の際にマークシートの誤読の原因となることがあり ますので、きれいに消してください。 (6) マークシートには、所定の事項以外は絶対に書き込まないでください。 なお、計算等が必要な場合は、問題用紙の余白又は裏面を使用してください。 (7) マークシートにはア~オまでマークする欄があります。問題番号及び問題文に従っ て正解と思われるものを1つだけ選んで間違えないようにマークしてください。 (8) 試験問題の内容に関する質問には、一切お答えできません。 (9) 試験中にトイレへ行きたくなった場合は、黙って手を挙げて係員の指示に従ってく ださい。 (10) 試験終了時刻前に解答が済み、退出する場合は、黙って手を挙げて係員の指示に 従ってください。ただし、試験開始後30分間及び終了前10分間は、退出できません。 なお、退出する場合は、周りの受験者に配慮して、静かに退出してください。 (11) 試験終了の合図があったら速やかに筆記用具を置き、係員の指示に従ってください。 (12) 試験終了後、マークシートを必ず提出してください。ただし、試験問題は、持ち帰 ることができます。 なお、マークシートが提出されていない場合は、失格となります。 (13) 試験問題の転載、複製などを固く禁じます。 禁転載複製 「中央職業能力開発協会編」

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R1前-081A01-表紙

令和元年度 前期 ビジネス・キャリア検定試験

経営戦略分野

2級 経営戦略

試 験 問 題 (17ページ)

1.試験時間 110分

2.注意事項

(1) 試験問題は、係員の指示があるまで開かないでください。

(2) 試験問題は、40題あります。

(3) 試験問題の配点及び合格基準は、次のとおりです。

(配 点)問題1~問題40 各2.5点 合計100点

(合格基準)試験全体として概ね60%以上の正答。

(4) マークシート(解答用紙)には、①試験区分名、②氏名、③座席番号、④受験番号、

⑤生年月日を正確に記入してください。

なお、受験番号の最後の桁は、アルファベットですので、数字と間違えないように

注意してください。

(5) マークシートにマークする際には、HB又はBの黒鉛筆又はシャープペンシルのい

ずれかで、はっきりとマークしてください。それ以外は使用しないでください。

なお、訂正する場合は、採点の際にマークシートの誤読の原因となることがあり

ますので、きれいに消してください。

(6) マークシートには、所定の事項以外は絶対に書き込まないでください。

なお、計算等が必要な場合は、問題用紙の余白又は裏面を使用してください。

(7) マークシートにはア~オまでマークする欄があります。問題番号及び問題文に従っ

て正解と思われるものを1つだけ選んで間違えないようにマークしてください。

(8) 試験問題の内容に関する質問には、一切お答えできません。

(9) 試験中にトイレへ行きたくなった場合は、黙って手を挙げて係員の指示に従ってく

ださい。

(10) 試験終了時刻前に解答が済み、退出する場合は、黙って手を挙げて係員の指示に

従ってください。ただし、試験開始後30分間及び終了前10分間は、退出できません。

なお、退出する場合は、周りの受験者に配慮して、静かに退出してください。

(11) 試験終了の合図があったら速やかに筆記用具を置き、係員の指示に従ってください。

(12) 試験終了後、マークシートを必ず提出してください。ただし、試験問題は、持ち帰

ることができます。

なお、マークシートが提出されていない場合は、失格となります。

(13) 試験問題の転載、複製などを固く禁じます。

禁転載複製 「中央職業能力開発協会編」

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問題1 経営戦略に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.経営戦略は、企業の現時点に至るまでの変革のシナリオを再検討し、企業や事業の

将来のあるべき姿や市場における組織としての活動を示す長期的な基本設計図とな

るものである。

イ.経営戦略は、有機的につながったサブ・システムから構成され、部分と全体とが相

互依存の関係にあり、その階層構造はドメインの定義等を構成要素とする全社戦略、

個々の事業の競争戦略を意味する事業戦略、機能分野別に策定される機能別戦略か

ら構成される。

ウ.ドメインの定義では、企業の中核能力であるコア・コンピタンスをもとに、シナジ

ー等による資源の有効活用を考慮した企業の活動領域が限定的に決定される。

エ.企業の経営戦略について、チャンドラーは、策定された戦略を組織が有効に遂行す

るものと捉えて「組織は戦略に従う」と主張し、アンゾフは、戦略を組織の集合的

な意思決定の産物として捉えて「戦略は組織に従う」と主張している。

オ.緻密な環境分析から戦略を導き出すプロセス型戦略論では、リスク回避的な面がみ

られるのに対して、分析型戦略論では、既存の枠組みにとらわれず、リスクをかけ

て挑戦する動態的要素に着目して、イノベーションの創発を狙っている。

問題2 経営戦略に関する記述として適切なものは、次のうちどれか。

ア.業界に新規参入する企業が経営戦略を策定する場合、自社の強みと弱み及び機会と

脅威を詳細に分析することにより、主観を排除することができる。

イ.フォロワー企業とは、市場内の隙間を探り出し、その特殊市場に圧倒的な地位を築

こうとする企業である。

ウ.業界における地位に関わらず、財務、顧客、ビジネス・プロセス及び学習と成長と

いう4つの視点による定量的な分析手法を用いることにより、自社の将来進むべき

方向が示される。

エ.最大のシェアを持つ業界のリーダー企業は、後続企業の差別化戦略を詳しく分析し

て模倣すべきである。

オ.業界のリーダー企業を追うチャレンジャー企業においては、定量的・定性的な分析

手法を用いて市場を詳しく調査・分析することにより、革新性の高い製品を生み出

すことができる。

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問題3 「市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図」という経営戦略の定義に

関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.「市場の中の」は、市場競争において競合相手と戦い、顧客を獲得することが重要

であることを意味している。

イ.「組織としての」は、組織に所属する構成員の行動を引き出すような内容が必要で

あることを意味している。

ウ.「活動」は、戦略を実行するための現実的な行動に関する構想が必要であることを

意味している。

エ.「長期的な」は、短期的な利益最大化ではなく、組織の長期的なあり方を規定する

内容であることを意味している。

オ.「基本設計図」は、大枠を語るものでなく詳細に細部を決定するものである。

問題4 経営戦略に関する記述として適切なものは、次のうちどれか。

ア.PPM分析においては、市場シェアの背景にプロダクトライフサイクルがあり、市

場成長率の背景には経験曲線がある。

イ.事業戦略は事業部門の戦略であると同時に、企業全体から見ても全社戦略を実行す

るための戦略である。

ウ.SBU(戦略的事業単位)の戦略は、競争戦略と適合を図ることにより、長期の成

長性と短期の業務効率性を同時に追求している。

エ.激変する経営環境においては、現場の状況に関わらず、トップ・マネジメントが戦

略を立案して実行する。

オ.プロセス型の経営戦略とは、戦略の実行過程の中で組織内の様々な人々の相互作用

にとらわれず、組織の構造に焦点を当てた経営戦略のことである。

問題5 組織学習に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.組織学習は、組織が既存の知的枠組みをベースに行動しながら新たな知識を獲得・

蓄積するプロセスであり、組織メンバーを介して行われることから、個人の学習の

総和でもある。

イ.組織学習の考え方は、シナジーの礎となる概念であり、組織の中で蓄積された情報

的経営資源のシナジーを構築する際に、知識の関連性に基づいて、知識や技術体系

の近似的な連鎖を形成すると、学習が最も活発に進行する。

ウ.組織学習は、組織における環境適応や競争優位性の確保、イノベーションの創出に

おいて重要な役割を果たすため、「学習する組織」をどのように構築するかが課題と

なる。

エ.組織内部に取り込まれる情報的経営資源があるだけでは組織学習は進展しないため、

企業として学習を進める機会を明確な目標として捉え、この学習プロセスを促進す

る仕組みやシステムを構築する必要がある。

オ.大きな環境変化が起こると、組織はこれまで獲得・蓄積した経験や知識を棄却し、

新たなルールを創造する必要に迫られる。その萌芽は多くの場合、従来の知識の中

にあるが、それを発見し、育み、組織に定着させることも組織学習である。

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問題6 ドメインの定義に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.ドメインの定義とは、現在から将来にわたって「わが社の事業はいかにあるべき

か」を決定すること、つまり、基本的な企業の環境適応の戦略ないし長期的構造を

描くことである。

イ.エーベルによれば、ドメインの定義とは、「顧客」「技術」「機能」の3つの軸によ

って定義された領域である。

ウ.ドメインの定義は、多角化の広がりの程度を決めることであると同時に、より本質

的には企業のアイデンティティを定めることでもある。

エ.ドメインの定義を事業展開の推進力として定着させるためには、ドメインを固定的

なものとしてとらえるべきである。

オ.ドメインを定義するために考慮すべき項目として、組織メンバーの思考・行動様式

にまで具体的に適用できるような身近な概念であることがあげられる。

問題7 多角化企業における経営戦略の階層構造に関する記述として不適切なものは、次

のうちどれか。

ア.多角化戦略の決定は、全社戦略のテーマである。

イ.コスト・リーダーシップ、差別化及び集中化などの基本戦略の選択は、全社戦略の

テーマである。

ウ.配分された経営資源を活用し、部門の目標を達成することは、機能別戦略のテーマ

である。

エ.いかにして競合他社に対する競争上の優位を確保するかは、事業戦略のテーマであ

る。

オ.製品価格や販売チャネルなどの決定は、機能別戦略のテーマである。

問題8 生産戦略に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.生産活動の管理対象として、品質・原価・納期があげられる。

イ. 生産計画は、期間によって長期計画、中期・短期計画に分けられる。このうち長期

生産計画では1年ないし半年にわたる生産活動の計画がなされる。

ウ.生産能力計画とは、納期対策のために設備稼働率の向上や労働時間効率の向上をい

かにして図るものかを定めた計画である。

エ.ITの普及やグローバル化の進展により競争戦略そのものの独自性・持続性が低下

する中において、生産戦略のような業務レベルにおける戦略を通じた競争力の構築

は、企業の差別化の要因となりうる。

オ.生産戦略の策定に当たっては、研究開発部門との協業も重要とされている。

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問題9 経営分析のフレームワークを示す<A群>と、それに関連する記述を示す<B

群>の組合せとして適切なものは、次のうちどれか。

<A群>

a.3C分析

b.SWOT分析

c.5つの力分析

d.バリューチェーン

<B群>

1.分析の際には、外部環境よりも内部環境に重点を置く。

2.業界構造の分析に利用できる。

3.外部環境における機会と脅威、内部環境における強みと弱みを明確にできる。

4.市場分析、競合分析及び自社分析を行う。市場分析では、自社の製品やサービ

スを購買する意思や能力のある潜在顧客を把握する。

5.政治、経済、社会及び技術といったマクロ環境を分析できる。

ア.aと5

イ.bと1

ウ.bと4

エ.cと3

オ.dと2

問題10 経営戦略と組織の関係に関するa~eの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

a. 「組織は戦略に従う」は、まず戦略が先に策定され、次いでこれを最も有効に遂行

できるような組織構造をつくるという考え方である。

b. 戦略の策定と実行の両面が相互に浸透するように管理された組織の具体例として、

SBU(戦略的事業単位)があげられる。

c.7Sモデルとは、組織を「戦略、構造、管理システム、人材、共有経営理念、行動

特性及び安全管理」の7つの要素からなるとしたものである。

d. プロセス型戦略論とは、戦略の実行過程を含めた戦略の動態的要素に着目した一連

の戦略研究である。

e. 戦略的計画が戦略実行と結合されるプロセスが見られるのは、例えば戦略を集権的

に策定する場合である。

ア.1つ

イ.2つ

ウ.3つ

エ.4つ

オ.5つ

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問題11 経営戦略に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.全社戦略は、機能別戦略や事業戦略よりも優先すべきである。

イ.事業戦略の構成要素の1つとして、多角化戦略の策定があげられる。

ウ.複数の事業分野を持つ企業において、事業間に技術や市場に関して共通性を持って

いる場合には、全社戦略、整合性を持った事業戦略及び機能別戦略が必要になる。

エ.機能別戦略には、人事戦略や財務戦略、R&D戦略がある。

オ.事業戦略においては、競争戦略が最も重要な構成要素となる。

問題12 経営戦略のサブ・システムとその統合に関する記述として不適切なものは、次の

うちどれか。

ア.生産戦略は、機能によって分割された経営戦略の1つである。

イ.企業は、機能別戦略よりも事業戦略に重点を置くべきである。

ウ.機能別戦略の構成要素として、経営資源の蓄積及び配分があげられる。

エ.戦略的提携のメリットの1つとして、提携先から知識やノウハウを吸収できること

があげられる。

オ.戦略的提携は、企業と顧客の間で行われることもある。

問題13 未開拓の市場へ他社に先駆けて参入する場合の意思決定として不適切なものは、

次のうちどれか。

ア.先行者としてのリスクは大きいが、経験効果を得てコスト削減を実現し、低価格戦

略によって他社の追随を防げることから、参入を決めた。

イ.需要が増えるまでには時間がかかるが、関連する特許等を取得して、技術的なリー

ダーシップをとれることから、参入を決めた。

ウ.新製品開発のために多大な投資が必要となるが、製品の生産において不可欠な資源

を先に囲い込めることから、参入を決めた。

エ.後発企業の参入が予想されるが、顧客のスイッチングコストを高める方策を講じら

れることから、参入を決めた。

オ.技術的な不確実性はあるが、いち早く顧客からのフィードバックを得て、改良につ

なげられることから、参入を決めた。

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問題14 コスト・リーダーシップ戦略に関する記述として不適切なものは、次のうちどれ

か。

ア.企業内部で、顧客とは直接的には関係のないコストを削減することで製品の供給体

制におけるコスト優位を作り出し、競争企業に対して有利な立場に立とうとする戦

略である。

イ.生産量の増加につれて製品1単位当たりに配分される固定費が減少するため、単位

当たり平均生産コストは下がり、経済性が得られることを範囲の経済性という。

ウ.見込みのある製品に対して、できる限り早く大量の生産を開始し、多くの生産を続

ければ単位当たり生産コストは競争企業に対して常に低くなり、コスト優位を達成

する。

エ.コスト・リーダーシップ戦略を採用している企業は、競争企業が低価格で参入して

も業界内の平均以上の収益を生むことができる。

オ.コスト・リーダーシップ戦略のリスクは、テクノロジーの変化や環境変化等により

競争企業の差別化戦略に対抗できなくなることである。

問題15 シナジーに関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.シナジーは、個々のSBU(戦略的事業単位)が補完性や共有を利用せずにそれぞ

れ単独で生み出すROIの合計よりも、全社的なROIの方が高くなるということ

を意味している。

イ.新規事業の成功のために不可欠な要因が、既存事業の成功要因と著しく異なる

場合、マイナスのシナジーが生じることもある。

ウ.新製品市場に対して、既存製品と共通の販売促進が利用できる場合には、販売シナ

ジーが生じる。

エ.シナジーをねらった資源展開は、企業の組織構造の変革に効果的である。

オ.既存事業と新規事業との生産設備の共通利用により、間接費の分散、原材料の一括

大量購入による仕入価格の引下げから生産コストを節約できる場合には、生産シナ

ジーが生じる。

問題16 経験曲線効果に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.生産戦略において、経験曲線効果を活かすためには、競争相手に対し最大のマーケ

ットシェアを獲得する必要がある。

イ.経験が蓄積されてコストが低下する、という一般的な事象から明らかにされた帰納

的概念である。

ウ.経験曲線効果は、企業組織の製造部門以外でも広く見られる現象であり、その要因

として従業員の学習効果があげられる。

エ.利益率が高まることで、従業員がより高いモチベーションを維持し、その結果とし

て習熟効果が高まる。

オ.より大量に生産することで、より早く経験曲線効果が獲得できるため、利益率を度

外視したシェア獲得競争が起こることもある。

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問題17 コア・コンピタンスに関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.SBU(戦略的事業単位)によるマネジメントでは、製品の根底にあるコンピタン

スの構築による競争が展開されるが、能力べースの経営では、最終製品による競争

が展開される。

イ.コア・コンピタンスとは、企業の持続的な競争優位の源泉であり、他企業によって

模倣・複製・代替されにくい企業特有の資源や能力を意味する。

ウ.内部開発を成功に持ち込む要因は、そのシナジーの活用にあり、とりわけその企業

の持つコア・コンピタンスに関係した新規事業開発に成功例が多い。

エ.トップ・マネジメントの役割として、SBUでは事業間の資金配分の調整を通じて

企業収益の最適化を図り、コア・コンピタンスでは戦略設計図の体系化と将来の保

証のためのコンピタンスの構築を図る。

オ.コア・コンピタンスの条件として、多様な市場への参入を可能にすること、最終製

品が消費者利益に貢献すること、競争相手が模倣しにくいことがあげられる。

問題18 酒造メーカーにおける機能的なドメインの定義として適切なものは、次のうちど

れか。

ア.「酒類及び飲料の製造・販売」

イ.「生活に潤いを与える企業」

ウ.「総合飲料企業」

エ.「地域において安定かつ総合的なあらゆる酒類の製造・流通を担う」

オ.「お酒による豊かな生活の提供」

問題19 ドメインに関する記述として適切なものは、次のうちどれか。

ア.ドメインは、既存の事業を包括しなくてもよい。

イ.ドメインは将来の発展方向ではなく、企業の生存領域を示すものである。

ウ.ドメインについてステークホルダーの理解が得られるように、曖昧な定義にならな

いよう注意する。

エ.決定したドメインは、競争戦略の観点から競合他社に知られないようにしなければ

ならない。

オ.事業領域の理解について関係者間でドメイン・ギャップがある場合は、コミュニ

ケーションによってギャップを埋めていくことが重要である。

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問題20 事業システム戦略に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.ビジネスの横の連鎖に関わる戦略は、異質市場群を横断する「事業連結」を意味す

る。

イ.製品企画から生産・在庫・販売に至る機能連鎖は、ビジネスの縦の連鎖であり、関

連する諸機能の連携の協力度により、成果が変わる。

ウ.戦略的提携のメリットとしてあげられるのは、安定した企業間の関係によって長期

的に知識の共有が図れる点である。

エ.ジョイント・ベンチャーのパートナー企業間は、契約だけに依存するのでなく、

パートナー間に信頼関係が醸成されることが重要である。

オ.SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)による需給同期化戦略では、生産・

流通・在庫等における規模の経済性が得られにくい。

問題21 M.E.ポーターが提唱したバリューチェーンにおける支援活動として不適切な

ものは、次のうちどれか。

ア.技術開発

イ.調達活動

ウ.出荷物流

エ.人的資源管理

オ.全般管理

問題22 情報通信技術の進歩などにより、従来自明とされていた事業のルールがバリュー

チェーンの根本的な変化によって作り直され全く別のものになる「バリューチェ

ーンの再構築」は、経営や事業に大きな影響を与える可能性がある。「バリューチ

ェーンの再構築」が事業に与えるチャンスや脅威を予測するためにボストン・コ

ンサルティング・グループ(BCG)があげるチェックリストとして不適切なも

のは、次のうちどれか。

ア.バリューチェーン全体の中でコストの割に価値の低いところはどこか。

イ.自社の事業は顧客のバリューチェーンの一部か、全部か。

ウ.自社の事業でネットワーク化によって影響を受けるのはどこか。

エ.企業活動のコストのうち、コストの振る舞い方が異なる費目はどれか。

オ.どのような新しい活動・能力が必要となるか。

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問題23 経営戦略におけるマイルズ&スノーの環境適応類型モデルに関する記述として適

切なものは、次のうちどれか。

ア.鉄鋼業において多くの企業は、防衛型の戦略を選択する。

イ.寡占化が進む産業においては、多くの企業が分析型の戦略を選択する。

ウ.探索型の戦略とは、生産機能に資源及び権限を集中し強力なリーダーシップの下で

事業を推進する戦略である。

エ.市場参入が遅い後発企業は、まず受身型の戦略を選択し組織能力を高めることが重

要である。

オ.探索型企業と防衛型企業が合併した場合、それぞれの戦略を比較するために分析型

の戦略を選択することは、不合理である。

問題24 組織スタイルの類型モデルに関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.事業に関する主な意思決定を取締役会などの会議体で決定し、企業としての独自の

行動パターンを形成するような組織スタイルをコンセンサス型と呼ぶ。

イ.組織内のプレイヤー個々人が自由な発想の下で行動し、創発的に戦略を形成する組

織スタイルを非関連型の組織スタイルと呼ぶ。

ウ.強力な経営理念で統合され、意思決定の際に熟考に熟考を重ねる組織は、イデオロ

ギー型に分類される。

エ.環境の影響を強く受け、その時々に応じて創発的であるが、熟考的な戦略によって

環境適応を可能にする組織スタイルは、強制型に分類される。

オ.トップ・マネジメントの強力なビジョンによって動機づけられ、計画的ではなく1

人の意思決定によってすべてが決定される組織スタイルをプロセス型と呼ぶ。

問題25 マイルズ&スノーの環境適応類型のうち、防衛型組織の経営者が持続可能な経営

のためにとるべき対応策として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.狭く安定した事業領域に絞ること。

イ.競争的価格政策や優れた顧客サービスなどの事業領域を積極的に維持すること。

ウ.事業領域外での開発を無視すること。

エ.市場開発策を中心に急速的に成長すること。

オ.現在の製品・サービスに結びついた製品開発を行うこと。

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問題26 家具販売店のA社は、製造物流小売業という新しいビジネスモデルを構築し、競

争優位の維持等の観点により経営戦略から戦略的計画へのブレイクダウンを行っ

た。このブレイクダウンにおける各戦略間の鎖構造に関する取組として最も不適

切なものは、次のうちどれか。

ア.コスト・リーダーシップ戦略によるコスト削減を図るとともに、品質を確保するた

め、取引先工場の品質に関する意識改革を行った。

イ.製造物流小売業という新しいビジネスモデルを構築するに当たり、物流戦略として、

物流会社に自由裁量を与えた。

ウ.顧客に低価格・高機能の商品を届けることを目的として、中間コストの削減を図る

ため、バリューチェーンのプロセスのすべてを外部に委託した。

エ.店舗数の拡大により従業員が増加したことから、新しい知識や情報を共有してもら

うために研修制度を充実させた。

オ.品質管理を社内や取引先に浸透させるため、他業種から人材を集め、社内制度やシ

ステムを構築し、品質の向上を図った。

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問題27 以下に示す<事例>に基づいた場合、B社の経営戦略に関する記述として最も適

切なものは、次のうちどれか。

<事例>

「The Power of Dreams」をドメインに持つB社は、二輪事業に始まり、農耕機や

発電機、船外機といった汎用事業から四輪事業、さらに航空機事業まで手掛けてい

る。現在、研究段階のロボット技術は、次世代の基幹事業になる可能性がある。い

ずれの事業も創業者の強い意思でプロジェクトが始まった。しかし、事業の大半は

後発であったことから、先行他社と異なる製品開発コンセプトで臨み、数多くの新

規事業を成功させた。

特に、B社が開発した航空機は6~7人乗りの小型ビジネスジェット機で、参入障

壁が高い市場であった。1986年から研究開発をスタートさせ、2015年に量産1号機

の引渡しを開始した。主翼上面のエンジン配置や自然層流翼型、一体成型複合材胴

体といった独自技術を開発し、同一クラス最高水準の速度や運用高度、燃費性能、

室内サイズを実現した。そのため、市場での評価は非常に高く、試験機の初飛行を

迎える前段階で、すでにベストセラーが約束された機体でもあった。同機の開発を

めぐり、B社でノウハウがなかった技術領域については、専門分野のベテラン技術

者を積極的に雇用した。例えば、同機搭載に向けて新規開発されたターボファンエ

ンジンは、ガスタービンの技術が必要であったため、専門技術者を中途採用した経

緯もあった。

B社の事業創造は「より豊かなモビリティ文化」の実現を目指して、地道に研究

開発を重ねることで、多岐にわたる事業への広がりをもたらしたのである。

ア.B社の主要事業がいずれも後発であったことから、独自技術を磨いて「より豊かな

モビリティ文化」を実現するためのビジネスモデルを構築し、数多くの事業創造が

「原動力(Power)」と関連付けられて集中戦略を展開している。

イ.B社の主要事業がいずれも後発であったことから、新規事業においては、常に差別

化を意識した製品開発コンセプトで臨み、市場も顧客も異なる複数の製品分野を揃

えたフルライン化の戦略が展開されている。

ウ.新規事業の立ち上げには、経験やノウハウの蓄積による組織能力の構築や信頼性の

形成といったプロセスが重要なため、B社では外部人材の獲得を通して知識や技術

の移転を伴う多角化戦略によって、リードタイムの短縮を図っている。

エ.1つのドメインを通して、B社が培ったモビリティ技術と製品開発力を活用し、航

空機事業へ参入した戦略は、創業以来の念願を実現しようとする経営陣の強い意思

を反映したものであり、マネジメント・シナジーが作用している。

オ.1つのドメインを通して、成長戦略が製品の差別化戦略につながり、それがさらに

新規事業への人事戦略につながるといった「鎖構造」を持つ全社戦略が、他社には

見られない事業構成とB社の競争優位性を支えている。

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問題28 組織内のコンフリクトに関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.立場の違う上司と部下との間や、利害の異なる部門間で生じるコンフリクトについ

ては、充分にコミュニケーションをとることで解消できる。

イ.コンフリクトは不可避であり、変化になくてはならない要素でもあり、適切に管理

されている限り組織にとって有用である。

ウ.妥協や宥和によるコンフリクトの解決は、業績を低下させる。

エ.適度なコンフリクトは、組織メンバーに一定の緊張感を持たせることで創造性を高

める。

オ.部門間の相互依存性が高まるほど、部門間のコンフリクトが生じやすくなる。

問題29 ネットワーク組織と集権的組織に関する記述として不適切なものは、次のうちど

れか。

ア.経営環境に適合するため経営戦略を策定し、他社と経営資源を相互に活用するため

の組織として、ネットワーク組織という形態がある。

イ.階層の多い集権的組織の短所は、上位の管理者と現場の意思疎通が困難になること

である。

ウ.大企業の海外子会社が自社グループのネットワーク組織にある場合、現地の経営環

境の不確実性によるリスクをその海外子会社に集約することが可能である。

エ.集権的組織の長所は、指揮・命令系統が単純で管理者の権限・責任が明確に規定さ

れ、秩序や規律も容易にコントロールできることである。

オ.NPOやNGOなどにおけるネットワーク組織は、小組織がいくつも緩やかに結合

され、各組織構成ユニットの自律性が低い組織である。

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問題30 下図の点線の円は、組織の意思決定プロセスにおける機能上のセクターである。

セクター①~⑤に該当する<役割>と<機関>の組合せとして適切なものは、次

のうちどれか。

<役割>

A.実施

B.問題発見及び設定・代替案及び計画の作成

C.意思決定及び公式化

D.ラインのオペレーション

E.事業の構想及びコンセプトの創出

<機関>

1.企画・問題提起の実施機関(経営戦略部門ないし事業部)

2.ライン指令系統による推進・実現の諸機関

3.長期方針、ドメイン等の決定機関(最低限でも副社長以上の会議体)

4.②にかける前段の役員による審議中心の委員会

5.実質的な決定機関としての会議体(多くの場合、常務会)

6.決定の具現化を討議するための検討機関

ア.①-C-5、②-E-3、③-B-1、④-A-6、⑤-D-2

イ.①-B-1、②-C-3、③-D-2、④-E-4、⑤-A-6

ウ.①-C-3、②-B-5、③-D-2、④-E-4、⑤-A-1

エ.①-E-6、②-C-3、③-B-5、④-A-1、⑤-D-2

オ.①-E-3、②-C-5、③-B-1、④-A-6、⑤-D-2

③ ⑤ 運動展開 プロジェクト

推進

事前の協議

及び決定

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問題31 計画システムの策定や計画システムの意義に関する記述として不適切なものは、

次のうちどれか。

ア.計画システムの設計には2つの手法がある。計画の専門スタッフが中心となって計

画の全体フレームを策定し、それを具体化するトップダウン方式と、ラインが作っ

た計画を積み上げていくことで全体の計画を策定するボトムアップ方式である。

イ.計画の具体化レベルは、戦略計画の種類や対象によって変わる。抽象度の高い計画

では個別計画の整合性は期待できないが、全体としての方向性を定めることはでき

る。具体性が高い計画は様々な部署の情報の共有化は進むが、コンフリクトの発生

が見られる。

ウ.計画の見直し期間の策定は重要である。5年間の長期計画でも、5年ごとの見直し

や毎年の見直し等、様々である。その中で長期計画を毎月見直すローリング計画の

メリットは、見直すたびに情報の共有化が進み、計画の妥当性を向上できることで

ある。

エ.計画のどの部分を業績評価と関連させるかも大きな課題である。計画された内容が

計画期間中に達成できるよう実行に当たる現場の人々を導いていく機能を果たすた

めに業績評価は存在するが、統制システムとの関連性をそれぞれの設計段階で確認

する必要がある。

オ.計画システムの意義は大きく分けて次の3つとなる。①計画の策定者たちが計画シ

ステムを通じて自分自身の仕事とその周りの環境を理解できること。②計画の策定

プロセスにおいて、組織的なコミュニケーションと問題解決が適切に行われること。

③計画策定のプロセスの結果として、計画の調整と整合化を促すことができること。

問題32 マネジメント・プロセスに関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.マネジメント・プロセスが必要となる理由のひとつとして、変化する環境に合わせ

て経営計画も修正する必要があることがあげられる。

イ.上司が制御のコントロールに注力しすぎると、場合によっては部下のモチベーショ

ンを著しく低下させることになる。

ウ.統制システムの設計において、成果を測定する方法には管理者の主観的観察による

ものも含まれる。

エ.フィードバックを実施するためには、過去の結果に左右されないようにあらかじめ

基準値は設定しないことが望ましい。

オ.計画システムの設計においては、ラインが計画したものをスタッフが調整する折衷

方式がとられることが多い。

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問題33 シンボリック・マネジャーに関する記述として不適切なものは、次のうちどれ

か。

ア.シンボリック・マネジャーの特徴の1つとして、文化と文化とが、長期的な成功に

及ぼす影響を敏感に感じ取ることがあげられる。

イ.シンボリック・マネジャーの特徴の1つとして、経営陣に高度の信頼を置き、組織

の力を頼りに目的を達成することがあげられる。

ウ.シンボリック・マネジャーの特徴の1つとして、自らを日常業務というドラマにお

ける演出家や演技者であると考えることがあげられる。

エ.シンボリック・マネジャーは、組織学習の奨励において、率先して働きかけをする

トップ・マネジメントの在り方の1つである。

オ.シンボリック・マネジャーが、強力な文化を築くことにより、経営戦略の実効性が

高まり、高業績に繋がる。

問題34 組織のリーダーが部下に対して取り得る行動のうち、動機づけ要因に関する記述

として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.より安全な作業環境を整備する。

イ.部下のキャリアアップや成長につながる仕事を与える。

ウ.努力しないと達成できない高い目標を与える。

エ.部下と相談しながら、部下自身に果たすべき課題を決めさせ、責任を持たせる。

オ.部下を組織の意思決定に参加させる。

問題35 製造業のA社は長年、年功序列型の賃金制度を採用してきたが、従業員の高齢化

による人件費の高騰を避けるため、従業員の能力・成果に応じた賃金体系への変

更を検討している。A社が採用すべき事項に関する記述として不適切なものは、

次のうちどれか。

ア.A社の経営理念と従業員の評価基準との整合性を図るために、人事考課の判断基準

を経営理念に沿ったものへ変更する。

イ.従業員の成果の評価に当たっては、あらかじめ評価者である上司と従業員本人との

間で、業績目標について合意し、その達成度を可視化する仕組みを導入する。

ウ.業績目標の達成に対する従業員のモチベーションを高めるため、管理職と同様に一

般従業員についても、給与額のうち固定給部分よりも業績評価給の割合を高くする。

エ.従業員に対する評価の透明性及び正確性を確保するため、ある上司が下した評価を

別の評価者が確認し、乖離が大きい場合には協議・是正する仕組みを導入する。

オ.人事評価結果を、各従業員が今後、より高い成果を出すための必要な成長課題とし

て従業員個人に直接フィードバックし、翌期の業績目標に反映させる。

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問題36 A社ではバランスド・スコア・カードを採用して、経営戦略の評価を実施した。

その内容に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.財務的視点からは、顧客満足度の向上、従業員の学習と成長及び業務プロセスが財

務的に効率よく行われているかを評価した。

イ.顧客市場視点から顧客満足度を高められているかについて、顧客への定期的なヒア

リング及びクレーム数やその対応状況の把握等を行い、評価を実施した。

ウ.顧客満足度を高めるためには、従業員の不断の学習と成長の視点が欠かせない。そ

こで、従業員の目標を明確にし、個々の従業員の能力や職務満足度を評価し、改善

の手がかりとした。

エ.業務プロセス視点では、従業員の努力が無駄なく無理なく業績に結び付くように、

業務を品質、時間及びコストの面で測定し、改善状況について評価した。

オ.厳しい経営環境の中、勘と経験に頼った経営を改めるべくバランスド・スコア・

カードを導入したのは、自社の経営状況を長期的かつ短期的な観点から多面的に評

価し、より効果的な経営戦略を打ち出していきたいと考えたからである。

問題37 戦略的企業買収に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.買収によって複数の事業を組み合わせると、リスク分散の効果が現れる。

イ.2つの企業が統合することにより、お互いの未利用資源を補完的に利用できるよう

になり、新たな価値が生じる。

ウ.買収する企業が買収される企業の価値を市場価格よりも低いと評価した場合に、買

収プレミアムが発生する。

エ.買収する側がM&Aを行う時点で得られる情報が限られることから、買収にはリス

クが伴う。

オ.2つの会社の間でパラダイムが異なる場合、統合後もコミュニケーションが容易に

進まないケースが多い。

問題38 新規事業の開発に関する記述として適切なものは、次のうちどれか。

ア.提携にはリスクを分散できる利点がある半面、参加するメンバーが多いためコンフ

リクトが発生しやすく、その調整に多大な努力が必要となる。

イ.買収はドラスティックで大規模なため、時間よりも経営のスリム化に重点をおいた

開発手法である。

ウ.ジョイント・ベンチャーは、最もゆるいコミットメントの仕方である。

エ.協同組合方式による共同開発においては、参加企業と資本関係を構築することが重

要である。

オ.コラボレーションとは、電子デバイスなどのデ・ファクト・スタンダードをとるた

めに有効な企業連携型の事業開発手法である。

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問題39 これからの経営戦略に関する記述として不適切なものは、次のうちどれか。

ア.大きな顧客ベースを持ち、その顧客の要望に対応する優れた能力を有する企業は、

イノベーションのジレンマに陥ることがある。

イ.破壊的イノベーションの場合、新興企業に技術開発の先行を許しても、既存企業は

追いつき、競争に勝つ傾向にある。

ウ.技術主導型イノベーションと市場主導型イノベーションは、必ずしもどちらかが戦

略的に優れているというものではない。

エ.コア技術戦略のプロセスは、技術領域の限定→ドメインの設定→企業固有の知識の

構築である。

オ.M&A戦略においては、一般的に基本合意が先行し、デューディリジェンス、価格

設定及びクロージング等はその後に行われる。

問題40 グローバル経営における企業戦略を示す<A群>と、その戦略が目指す方向に関

する記述である<B群>の組合せとして適切なものは、次のうちどれか。

<A群>

a.マルチナショナル戦略

b.インターナショナル戦略

c.グローバル戦略

d.トランスナショナル戦略

<B群>

1.世界規模の効率、柔軟性及び学習能力を同時に開発する。

2.世界規模の拡張と適用を通じて本社の知識と能力を開発する。

3.企業家精神を備えた各国支社を通じて、国ごとの差異に対応する柔軟性を築く。

4.世界規模の中央に集約された経営を通じて、コスト優位性を築く。

ア.aと4

イ.bと3

ウ.cと3

エ.cと2

オ.dと1