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2019年 2月 6日 報道関係各位
一般社団法人日本能率協会
ビジネスパーソンの“今”をデータで読み解く
第 9 回「ビジネスパーソン 1000 人調査」【働き方改革と副業編】
働き方改革「実感している」3割に。2017年比10ポイント増
「ムダな業務・会議の削減」が働き方改革の実感のポイントに
副業に関しては、やってみたい人4割、一方、経験者は2割。理想と現実ギャップも
一般社団法人日本能率協会(JMA、会長:中村正己)は、2013年より全国のビジネスパーソン1000人に
対し、職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています。この調査は、働く人びとに焦点を当て、
その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。
今回は、「働き方改革」と「副業」について取りあげました。
トピックス <働き方改革>
1. 働き方改革「実感している」、約 3割。前回(2017年)調査に比べ、10ポイント以上増加。20代は
約 4割が実感していると回答するも、50代、60代では 3割を切る結果に。
2. 「働き方改革」実感の理由は、「有休取得」「残業減」「ムダな業務・会議減」がトップ3に。前回
(2017年)に比べ、「女性活用」は大きく後退。
3. 「働き方改革」実感していない理由は、「ムダな業務・会議が減らない」が他を引き離してトップに。
次いで「給与格差がなくならない」「有休が取得できない」が続く。
<副業>
4. 現在の職場で「副業をやってみたい」と考えている人は全体で 4割、一方、経験者は約 2割とギャップあり。20代では「副業をやってみたい」人が 6割を超える。
5. 副業の理由は「収入増」が 9割と圧倒的多数。一方副業をしたくない理由は「時間に余裕がない」
が 6割でトップに。副業にあてる理想的時間は、本業の「1割以上 2割未満」が約 6割に。
※調査概要、結果の詳細は次ページ以降をご覧ください。
【本件に関するお問い合せ】
一般社団法人日本能率協会 経営企画センター 広報室(担当:斎藤)
〒105-8522 東京都港区芝公園 3-1-22
TEL:03-3434-8620または 080-3201-4599/Email:[email protected]
本ニュースリリースは、2月 6日・14時に、
厚生労働記者会・労政記者クラブ・東商記者
クラブに配布しております。
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調査概要 調査名称 第9回「ビジネスパーソン1000人調査 」【働き方改革と副業編】
調査期間 2018年9月28日~2018年10月9日
調査対象 (株)日本能率協会総合研究所「JMAR リサーチモニター」のうち、全国の 20 歳~69 歳までの正
規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。
ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
調査方法 インターネット調査 回答数 1,000人
属 性 性別:男性 559人、女性 441人
年代:20代 156人、30代 236人、40代 239人、50代 212人、60代 157人
雇用形態:男性(正規 447人、非正規 112人)女性(正規 191人、非正規 250人)
勤務先従業員数:5,000人以上 158人、1,000~5,000人未満 167人、300~1,000人未満 157
人、100~300人未満 174人、100人未満 344人
調査結果 ※回答は%表記とし、小数点第 2位を四捨五入
1. 働き方改革「実感している」、約 3割。前回(2017年)調査に比べ、10ポイント以上増加。20代は
約 4割が実感していると回答するも、50代、60代では 3割を切る結果に。
・職場で「働き方改革」が進んでいると実感しているか聞いたところ、「とても実感している」(4.4%)、「や
や実感している」(26.8%)と、3 割が実感している一方、「あまり実感していない」(39.6%)、「まったく
実感していない」(29.2%)と、7割近くは実感していないと回答しました。(図表 1)
・前回(2017 年)調査との比較では、「実感している」(「とても実感している」+「やや実感している」の
計)が 11.9ポイント増加しています。(図表 2)
・年代別では、20 代で「実感している」が 38.5%と約 4 割に達しているのに対し、年代が高まるにつれ、
実感している人の割合は低下し、50 代は 25.0%、60 代は 28.0%と 3 割に達していません。若者層では、
人事部や上司から残業削減や有休取得を強く推奨されていることが実感につながっていることが推察さ
れます。一方、50 代以上では、長時間働くことが会社への貢献につながるといった従来の価値観もあり、
変化へのとまどいがあるのかもしれません。(図表1)
・雇用形態別では、正規職員では、「実感している」人が 35.1%、非正規職員では、24.3%と、10.8 ポイン
トの開きがみられます。給与の格差是正がなかなか進みにくい現状がこうした結果にあらわれていると思
われます。(図表1)
図表 1 あなたは、職場での「働き方改革」が進んでいると実感していますか。(単一回答)
31.2% 68.8%
31.5% 68.5%
30.8% 69.2%
38.5% 61.5%
34.3% 65.7%
31.0% 69.0%
25.0% 75.0%
28.0% 72.0%
35.1% 64.9%
24.3% 75.7%
4.4
5.4
3.2
7.1
5.5
3.3
2.8
3.8
6.4
0.8
26.8
26.1
27.7
31.4
28.8
27.6
22.2
24.2
28.7
23.5
39.6
40.1
39.0
40.4
33.9
39.3
42.0
44.6
37.3
43.6
29.2
28.4
30.2
21.2
31.8
29.7
33.0
27.4
27.6
32.0
0% 25% 50% 75% 100%
全体(n=1000)
男性(n=559)
女性(n=441)
20代(n=156)
30代(n=236)
40代(n=239)
50代(n=212)
60代(n=157)
正規職員(n=638)
非正規職員(n=362)
とても実感している やや実感している あまり実感していない まったく実感していない
性別
年代別
雇用
実感
している計
実感
していない計
3
図表 2 前回調査(2017年)との比較
2. 「働き方改革」実感の理由は、「有休取得」「残業減」「ムダな業務・会議減」がトップ3に。前回
(2017年)に比べ、「女性活用」は大きく後退。
・働き方改革を「実感している」と回答した人(312人)に、具体的にどのようなことを実感しているか聞
いたところ、全体では、「有給休暇が取りやすくなった」(32.4%)がもっとも多く、次いで「残業が減っ
た」(31.1%)、「ムダな業務・会議が減った」(23.4%)が続きました。
・前回(2017 年)調査と比較すると、「女性活用が進んだ」については、2017 年調査では 24.1%で第 3 位
につけているのに対し、2018年調査では 11.2%で第 8位に後退しています。(以上図表 3)
図表 3 「働き方改革」として、具体的にどのようなことを実感していますか。(複数回答)
80.7%19.3%
68.8%31.2%4.4
3.4
26.8
15.9
39.6
41.5
29.2
39.2
0% 25% 50% 75% 100%
全体(n=1000)
全体(n=862)
とても実感している やや実感している あまり実感していない まったく実感していない
2017年度
2018年度
実感
している計
実感
していない計
32.4
31.1
23.4
13.8
12.8
12.5
12.5
11.2
9.3
9.3
31.9
38.0
11.4
13.3
12.7
16.9
24.1
12.7
6.0
0% 10% 20% 30% 40%
有給休暇が取りやすくなった
残業が減った
ムダな業務・会議が減った
IT化が進んだ
労働時間より成果で評価されるようになった
シニア活用が進んだ
育児と仕事が両立支援が強化された
女性活用が進んだ
フレックスタイム制が導入された
副業・兼業がしやすくなった
2018年(n=312) 2017年(n=166)
※2018年新設
4
3. 「働き方改革」実感していない理由は、「ムダな業務・会議が減らない」が他を引き離してトップに。
次いで「給与格差がなくならない」「有休が取得できない」が続く。
・働き方改革を「実感していない」と回答した人(688人)に、その理由を聞いたところ、全体では、「ムダ
な業務・会議が減らないから」(29.2%)がもっとも多く、次いで「正社員と非正規社員の給料の格差がな
くならないから」(22.7%)、「有給休暇がとりにくいから」(21.1%)が続きました。残業時間削減や休暇
取得推奨だけではなく、会議などのコミュニケーションを含めた業務そのものの見直しが重要であること
が示唆されます。
・前回(2017年)調査と比較すると、「有給休暇がとりにくいから」は 7.1ポイント減、「残業が減らないか
ら」は 5.5ポイント減と、5ポイント以上減少しています。(以上図表 4)
図表 4 「働き方改革」を実感していない理由は何ですか。(複数回答)
4.現在の職場で「副業をやってみたい」と考えている人は全体で 4割、一方、経験者は約 2割とギャ
ップあり。20代では「副業をやってみたい」人が 6割を超える。
・職場で副業が認められているか聞いたところ、「認められている」(16.9%)、「認められていない」(48.4%)、
「分からない」(34.7%)となり、「認められている」と回答した人は 2 割に届きませんでした。(図表 5)
・現在の職場での副業の経験を聞いたところ、「ある」と回答した人は 18.1%、「ない」と回答した人は 81.9%
でした。(図表 6)
・現在の職場に勤務しながら副業することに対しては、「やってみたい」(「ぜひやってみたい」+「どちらか
というとやってみたい」の計)は 41.5%と、4割近くにのぼりました。(図表 7)
・年代別でみると、20 代では「やってみたい」と回答した人が 60.2%と 6 割にのぼり、年代が高まるにつ
れ、関心度合いは低下する結果になりました。(図表 7)
29.2
22.7
21.1
18.6
17.0
16.6
15.6
12.2
9.3
9.2
26.6
28.2
24.1
18.7
19.0
19.0
15.4
9.5
12.9
0% 10% 20% 30% 40%
ムダな業務・会議が減らないから
正社員と非正規社員の給料の格差がなくならないから
有給休暇が取りにくいから
残業が減らないから
週休3日制が導入されていないから
経営者が「働き方改革」に積極的ではないから
管理者が「働き方改革」に積極的ではないから
長時間働いている人ほど評価されるから
IT化が遅れているから
テレワーク・在宅勤務が導入されていないから
2018年(n=688) 2017年(n=696)
※2018年新設
5
図表 7 現在の職場に勤務しながら副業することについて、関心はどの程度ですか。(単数回答)
4. 副業の理由は「収入増」が9割と圧倒的多数。一方副業をしたくない理由は「時間に余裕がない」
が 6割でトップに。副業にあてる理想的時間は、本業の「1割以上 2割未満」が約 6割に。
・副業をやってみたいと回答した人(340 人)に、その理由を聞いたところ、「収入を増やしたいから」が
90.0%と他を大きく引き離しました。また、副業にあてる理想的な時間を聞いたところ、「1割以上 2割未
満」(58.5%)がもっとも多く、次いで、「2割以上3割未満」(23.2%)、「1割未満」(22.6%)が続き、2
割未満にしたいと考える人が 8割を超えました。(以上図表 8、9)
・一方、副業をやりたくないと回答した人(262人)に、その理由を聞いたところ、「時間に余裕がないから」が
59.9%と、こちらも他を大きく引き離しました。次いで「本業がおろそかになるから」「会社が許可していない
から」(ともに 20.2%)が続きました。(以上図表 10)
図表 5 あなたの会社では副業が認められて
いますか。(単一回答) n=1000
図表 6 あなたは現在の職場に勤務しながら副業をした
ことがありますか。(単一回答) n=1000
41.5% 32.0%
39.9% 33.0%
43.5% 30.7%
60.2% 20.4%
48.9% 26.1%
44.0% 28.5%
30.7% 43.6%
25.8% 40.2%
42.2% 33.1%
40.2% 29.9%
15.5
15.5
15.5
21.2
17.6
15.0
15.1
9.1
16.3
14.1
26.0
24.4
28.0
38.9
31.4
29.0
15.6
16.7
25.9
26.1
26.5
27.1
25.8
19.5
25.0
27.5
25.7
34.1
24.6
29.9
12.8
12.6
13.0
8.0
10.1
11.6
16.2
18.2
11.9
14.4
19.2
20.4
17.7
12.4
16.0
16.9
27.4
22.0
21.2
15.5
0% 25% 50% 75% 100%
全体(n=819)
男性(n=451)
女性(n=368)
20代(n=113)
30代(n=188)
40代(n=207)
50代(n=179)
60代(n=132)
正規職員(n=528)
非正規職員(n=291)
ぜひやってみたい どちらかというとやってみたい どちらでもない
どちらかというとやりたいと思わない まったくやりたいと思わない
性別
年代別
雇用
やってみたい
計
やってみたくない
計
6
図表8 副業をやってみたい理由は何ですか。(複数回答) 図表9 副業にあてる理想的な時間(単一回答)
図表 10 副業をやりたくない理由は何ですか。(複数回答)
結果を受けてコメント(一般社団法人日本能率協会 KAIKA研究所 所長 近田高志)
・今回の調査からは、「働き方改革」の実感が、前年(2017 年)より 10 ポイント以上高まっているという
結果がみられました。多くの企業で有休取得、残業削減をはじめさまざまな取り組みが進められている成
果が表れているようです。中でも「ムダな業務・会議」を減らせているかどうかが、働き方改革の実感に
大きな影響があることが分かりました。働き方改革の真の目的は、創造的な仕事の比率を増やすことで働
き甲斐や生産性を高めることにありますが、本質的な業務の見直しが重要であることがあらためて示され
たと言えるでしょう。
・副業については、2018 年 1月に厚生労働省が『副業・兼業の促進に関するガイドライン』を示すなど、
政府が後押ししていることもあり、若い層を中心に関心が高まっています。一方で、小会が経営者を対象
に実施した調査において、副業を奨励していない企業が9割に達するなど、企業側としては積極的容認に
は至っていません。上記ガイドラインにおいても労働者と企業の双方にとってのメリット・留意点が挙げ
られていますが、「人生 100 年時代」を見据えた働き方を考えていくために、副業の意義や課題をあらた
めて議論する必要があるようです。
以上
22.6
58.5
23.2
3.5
2.6
0% 20% 40% 60% 80%
1割未満
1割以上2割未満
2割以上3割未満
3割以上4割未満
4割以上
全体(n=340)
90.0
20.9
16.8
15.6
14.4
2.1
0.0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
収入を増やしたいから
本業以外に仕事のスキルを身につけるため
本業のスキルアップ・人脈形成のため
時間に余裕があるから
将来の転職・起業のため
社会に貢献するため
その他
全体(n=340)
22.6
58.5
23.2
3.5
2.6
0% 20% 40% 60% 80%
1割未満
1割以上2割未満
2割以上3割未満
3割以上4割未満
4割以上
全体(n=340)
59.9
20.2
20.2
18.3
7.3
4.6
0% 20% 40% 60%
時間に余裕がないから
本業がおろそかになるから
会社が許可していないから
本業以外の仕事の必要性を感じないから
すでに十分な収入があるから
その他
全体(n=262)