第3回 記憶

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心理学 担当:佐藤勝義 [email protected] 3

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Page 1: 第3回 記憶

心理学

担当:佐藤勝義

[email protected]

第3回

Page 2: 第3回 記憶

記憶とは

ものを覚えるはたらき

人間の記憶を,PCの記憶域にあてはめた。記憶のメカニズムを知り,効率よい記憶を!

(記銘) (保持) (再生)

覚えたものを長くもち続けるはたらき

必要なものを思い出す

Page 3: 第3回 記憶

記憶のメカニズム

(短期)記憶作業記憶

(長期)記憶

短時間保持・(リハーサル) 作業保持

長期にわたって保持される記憶

CPU(メモリ) 7±2チャンク

HDD・SSD(ハードディスク)

Page 4: 第3回 記憶

記憶のメカニズム

短期記憶作業記憶

長期記憶

電話番号でダイヤルまわす・ゼロ・ハチ・ゼロ

検索に(時間がかかる),永続的

Page 5: 第3回 記憶

記憶容量の限界 7±2チャンク

Miller,G.A(1956) マジカルナンバー(7±2)記憶容量は文字数ではなく,(チャンク数)で決まる

チャンク:意味のあるひとまとまりの情報

7,9,4,1,1,9,2,1,6,0,3,1,8,6,8(15数字) → 容量オーバー

7,9,4, l 1,1,9,2, l 1,6,0,3, l 1,8,6,8 →記憶できる

チャンクにより記憶容量を増やせる!=(長期記憶)の力を借りる(単語や文・・・)

Page 6: 第3回 記憶

長期記憶の区分

長期記憶

(宣言的)記憶 (手続き的)記憶

(エピソード)記憶(意味)記憶

(技能)条件反射

プライミング効果(顕在)記憶

(潜在)記憶

Page 7: 第3回 記憶

長期記憶の区分

長期記憶

宣言的記憶

エピソード記憶 意味記憶

顕在記憶

Know what

言葉として(表せる)

意識的に(思い出す)記憶

(出来事)としての記憶

当たり前の一般的記憶・リンゴは赤い

Page 8: 第3回 記憶

長期記憶の区分

長期記憶

手続き的記憶

技能条件反射

プライミング効果

潜在記憶

Know how

言葉として(表せない)プログラム

意識的に(思い出さなくても)可能な記憶

先の刺激が後の刺激を(促進・妨害)

・おじぎや挨拶の言葉,日常動作

・自転車の運転

Page 9: 第3回 記憶

てんかん患者の脳より脳の2つのメカニズムの違いがわかった。

Page 10: 第3回 記憶

長期記憶の区分

長期記憶

宣言的記憶 手続き的記憶

エピソード記憶 意味記憶

技能条件反射

プライミング効果顕在記憶

潜在記憶

てんかん患者の脳より脳の2つのメカニズムの違いがわかった。

訓練した事実を記憶できない・・・

訓練した運動技能の習得と保持は可能!

Page 11: 第3回 記憶

長期記憶

てんかん患者の脳より脳の2つのメカニズムの違いがわかった。

訓練した事実を記憶できない・・・

訓練した運動技能の習得と保持は可能!

(脳)と記憶は密接な関連!

Page 12: 第3回 記憶

ここから忘却について 効率良い記憶へ

Page 13: 第3回 記憶

長期記憶へのエビングハウス忘却曲線

(エビングハウスの忘却曲線)→ここから忘却が起こる3つの説が提唱!

Page 14: 第3回 記憶

忘却の3つの説明

・ (衰退)説:時間経過に伴い薄れるため

・ (干渉)説:記憶された内容が,他の記憶の内容によって干渉を受けるため

・ (検索失敗)説:検索時に適切な手がかりが与えられないため

有力説

Page 15: 第3回 記憶

干渉説:睡眠時と覚醒時の忘却曲線

1度覚えた後,

目をさましているとき

眠ったとき眠ったとき

>目をさましているとき

※精神活動が高いため干渉が起きやすい可能性

→学習後の睡眠は効果的!

Page 16: 第3回 記憶

検索失敗説:検索手がかり

(検索手がかり)を与えることで再生率が上昇

例)覚えたもの馬,電車,椅子

検索手がかり動物,乗り物,家具

→手がかりと一緒に(連想)して暗記しよう!

Page 17: 第3回 記憶

検索失敗説:検索手がかり

検索失敗説検索手がかりとして環境一致

文脈依存効果:外部の物理的環境が一致する場合,再生率が高くなる

同じ(環境)での練習が効果的!

Page 18: 第3回 記憶

ここから記憶の誘導 :トピック

誘導されないよう注意が必要!

Page 19: 第3回 記憶

記憶の曖昧さと誘導1:目撃者の証言

Loftus & Palmer, 1974交通事故のビデオ→「車が○○したときの速度はどれくらい?」

(プライミング)効果

Page 20: 第3回 記憶

記憶の曖昧さと誘導1:目撃者の証言

Loftus & Palmer, 1974交通事故のビデオ→1週間後に以下の質問

プライミング効果

(統制)条件とは,速度について前に質問しなかった条件(これで実験条件の(変化)が分かる!)

Page 21: 第3回 記憶

記憶の曖昧さと誘導2:先生の評価

あたたかい-つめたい効果:プライミング効果の1つ

ブランク氏は,マサチューセッツ工科大学の社会学部の卒業生である。彼は,他の大学で,3学期間,心理学を教えた経験があるが,この大学で講義をするのは初めてである。彼は,26歳,経験が豊かで,結婚している。彼を知る人は,彼のことを,あたたかくて,勤勉で,批判力に優れ,実際的で,決断力があるといっている。

つめたくて

男子学生に新任講師として紙をどちらか配る。その後,ブランク氏が20

分間の講義を行い,講義後に自由討論する。最後に印象評定を行なう。

→あたたかくて,好意的評価が多く,討論にも積極的に参加した。同じ場にいても,先行情報によって印象と行動が変わる。