3 研究授業 小学校4年算数「はしたの大きさの表し方を考えよう … ·...

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資料 10 【単元の目標】 小数の意味とその表し方について理解するとともに,小数の加法,減法の意味について理解し, それらを適切に用いる能力を高める。 【算数への関心・意欲・態度】 ・小数を用いると,単位量に満たない端数部分の大きさや等分してできる部分の大きさを表せるよ さに気付き,進んで小数を用いて表そうとしている。 【数学的な考え方】 ・小数も整数と同じ十進位取り記数法の仕組みになっていることをとらえる。 ・単位とする数に着目すれば,小数の加減計算も整数の加減計算と同じ考え方でできることを説明 できる。 【数量や図形についての表現・処理】 ・端数部分の大きさを十進位取り記数法に基づいて,小数を使って表すことができる。 ・小数第一位までの小数の加減計算をすることができる。 【評価規準】 【数量や図形についての知識・理解】 ・小数の意味や表し方,加減計算の仕方を理解している。 ◆レディネス学習課題 ・学習活動の概要 ○学習目標 ◎重視する学習目標 (1)はしたの大きさの表し方 3時間 ◆ペットボトル容器に□ℓ と書いてある「かさ」をノートに書いてこよう。 ・レディネス学習で調べてきたペットボトル容器に書いてあるかさを 表す数字を発表し合い,身の回りにある小数表示のものを話題とし て取り上げ,小数という数についての興味・関心を高める。 ・かさを1ℓ ますで量ったときの1ℓ に満たないはしたのかさの表し方 を考える。 ・1ℓ を10等分した1個分のかさを「0.1ℓ 」と表すことを知る。 ◎1ℓ に満たないはしたのかさの表 し方に関心をもち,どのように表し たらよいか考えようとする。関 ○1ℓ を10等分した1個分のかさを 「0.1ℓ 」と表すことを知る。知 ◆1ℓ より少ない「かさ」を1つ考えて,めもりにあわせて図に表してこよう。 ・レディネス学習でかいてきた図を発表し合う。 ・図をもとにして,いろいろなかさを小数を使って表す。 ・「小数」「小数点」「整数」の意味を理解する。 ○いろいろなかさを小数を使って表 すことができる。表 ◎「小数」「小数点」「整数」の意味を 理解する。知 ◆身のまわりにあるカードを写しとって,たてと横の長さをはかってこよう。 ・小数を用いて長さを表すことができることを理解する。 ・レディネス学習で測ってきたカードのたてと横の長さを単名数で表 し,互いに確かめ合う。 小数を用いて単名数で表すことのよさを考える。 ・長さや重さの量について,小数を使った単名数での表し方を考える。 ○かさ,長さ,重さの複名数で表した 大きさを,小数を使って単名数で表 すことのよさを考える。考 ◎長さを小数で表すことができる。表 (2)小数のしくみ 2時間 ◆直線を10等分して,0から10までの数直線を完成させてこよう。 (※40㎝の直線をひいた方眼紙を配付) 10 0 1 ・レディネス学習でつくった数直線を用いて,小数を数直線に表す活 動を通し,小数の位取りについて考える。 ・数直線上の値を小数で読んだり表したりする。 ◎整数の十進位取り記数法の考えを 1より小さい数にまで拡張して考 える。考 ○数直線上の小数を読むことができ る。表 3 研究授業 小学校4年算数「はしたの大きさの表し方を考えよう」11 時間 『新編 新しい算数4上』東京書籍 (1) 単元指導計画

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Page 1: 3 研究授業 小学校4年算数「はしたの大きさの表し方を考えよう … · ・小数の構成や相対的な大きさ,大小関係について考える。 小数の構成について考えようと

資料 10

【単元の目標】 ○

小数の意味とその表し方について理解するとともに,小数の加法,減法の意味について理解し,

それらを適切に用いる能力を高める。

【算数への関心・意欲・態度】

・小数を用いると,単位量に満たない端数部分の大きさや等分してできる部分の大きさを表せるよ

さに気付き,進んで小数を用いて表そうとしている。

【数学的な考え方】

・小数も整数と同じ十進位取り記数法の仕組みになっていることをとらえる。

・単位とする数に着目すれば,小数の加減計算も整数の加減計算と同じ考え方でできることを説明

できる。

【数量や図形についての表現・処理】

・端数部分の大きさを十進位取り記数法に基づいて,小数を使って表すことができる。

・小数第一位までの小数の加減計算をすることができる。

【評価規準】

【数量や図形についての知識・理解】

・小数の意味や表し方,加減計算の仕方を理解している。

◆レディネス学習課題

時 ・学習活動の概要

○学習目標

◎重視する学習目標

(1)はしたの大きさの表し方 3時間

◆ペットボトル容器に□ℓ と書いてある「かさ」をノートに書いてこよう。

1 ・レディネス学習で調べてきたペットボトル容器に書いてあるかさを

表す数字を発表し合い,身の回りにある小数表示のものを話題とし

て取り上げ,小数という数についての興味・関心を高める。

・かさを1ℓ ますで量ったときの1ℓ に満たないはしたのかさの表し方

を考える。

・1ℓ を10等分した1個分のかさを「0.1ℓ 」と表すことを知る。

◎1ℓ に満たないはしたのかさの表

し方に関心をもち,どのように表し

たらよいか考えようとする。関

○1ℓ を10等分した1個分のかさを

「0.1ℓ 」と表すことを知る。知

◆1ℓ より少ない「かさ」を1つ考えて,めもりにあわせて図に表してこよう。

2 ・レディネス学習でかいてきた図を発表し合う。

・図をもとにして,いろいろなかさを小数を使って表す。

・「小数」「小数点」「整数」の意味を理解する。

○いろいろなかさを小数を使って表

すことができる。表

◎「小数」「小数点」「整数」の意味を

理解する。知

◆身のまわりにあるカードを写しとって,たてと横の長さをはかってこよう。

3 ・小数を用いて長さを表すことができることを理解する。

・レディネス学習で測ってきたカードのたてと横の長さを単名数で表

し,互いに確かめ合う。

・小数を用いて単名数で表すことのよさを考える。

・長さや重さの量について,小数を使った単名数での表し方を考える。

○かさ,長さ,重さの複名数で表した

大きさを,小数を使って単名数で表

すことのよさを考える。考

◎長さを小数で表すことができる。表

(2)小数のしくみ 2時間

◆直線を10等分して,0から10までの数直線を完成させてこよう。 (※40㎝の直線をひいた方眼紙を配付)

100 1

4 ・レディネス学習でつくった数直線を用いて,小数を数直線に表す活

動を通し,小数の位取りについて考える。

・数直線上の値を小数で読んだり表したりする。

◎整数の十進位取り記数法の考えを

1より小さい数にまで拡張して考

える。考

○数直線上の小数を読むことができ

る。表

3 研究授業 小学校4年算数「はしたの大きさの表し方を考えよう」11時間

『新編 新しい算数4上』東京書籍 (1) 単元指導計画

Page 2: 3 研究授業 小学校4年算数「はしたの大きさの表し方を考えよう … · ・小数の構成や相対的な大きさ,大小関係について考える。 小数の構成について考えようと

資料 11

◆5~10の間にある小数を2つ選んで,矢印↑と数字を記入してこよう。

5 ・レディネス学習で印をつけてきた小数を当てるクイズを考える。

・レディネス学習で印をつけてきた小数2つについて,数直線上で大小関

係を確認する。

・小数の構成や相対的な大きさ,大小関係について考える。

○小数の構成について考えようと

する。関

◎小数の構成や大小関係を理解す

る。知

(3)小数のたし算とひき算 3時間

◆2つあわせて0.8になる小数の組みあわせをノートに書いてこよう。

6 ・レディネス学習で考えてきた2つの小数を発表し合い,それを足し算

の式に表す。

・計算の仕方をどう説明したらよいか考え,自分の考えた式について説

明する。

・足し算の考え方をもとにして,引き算の仕方を説明する。

◎小数を0.1の何個分ととらえ,既

習の整数の計算をもとにして小

数の加減計算の方法を考える。

◆34+8の筆算をするときに気をつけなければならないことは何か,2年生に教えるつもりでノートに書いてこよう。

7 ・レディネス学習で取り組んだ「34+8」の筆算で2年生が間違いやす

い点を考える。

・「34+8」の筆算の仕方をもとにして2.5+1.9 の筆算の仕方を考える。

・小数第一位までの小数の加法の筆算の仕方をまとめる。

○小数の加法について,筆算で計算

することができる。 表

◎小数の加法について,整数の計算

と同じように,位をそろえて計算

することを理解する。知

◆44-28と45-15をノートに筆算してこよう。

8 ・レディネス学習「44-28」の筆算の仕方をもとにして4.4-2.8 の筆算

の仕方を考える。

・小数第一位までの小数の減法の筆算の仕方をまとめる。

・レディネス学習「45-15」の筆算の仕方をもとにして4.5-1.5 や 5

-1.4 の筆算の仕方を考える。

◎小数の減法を筆算で計算するこ

とができる。表

○小数第一位が「0」になる場合の

答えの処理や「.0」を補って計

算する方法を理解する。知

単元のまとめ 3時間

◆単元シラバスシートを見直して,取り組んでみたいコースを選んでこよう。

*とびだせコース(教科書にない問題)

*おためしコース(「力をつけよう」の問題)

*がっちりコース(復習の問題)

9 ・レディネス学習で選んだコースの練習問題を解き,学習内容の習熟を

図る。

・学習の結果を単元シラバスシートに記入する。

○小数の問題に進んで取り組もう

とする。関

◎学習内容を正しく用いて問題を

解決することができる。 表

◆身のまわりの小数で,みんなにしょうかいしたいものを見つけてもってこよう。(実物,切り抜き,写真など)

10 ・レディネス学習で見付けてきた小数を使って,小数が身の回りのどん

なところに用いられているか,既習事項を生かしてまとめる。

・グループの話合いや全体の話合いを通して,小数について理解を深め

る。

◎身の回りから小数を見付け,意欲

的にまとめようとする。関

○学習内容を活用して身の回りの

小数について紹介の仕方を考え

る。考

◆「たしかめよう」に取り組んでこよう。

11 ・レディネス学習で取り組んできた“たしかめよう”の答え合わせをする。

・学習内容の理解を確認する。

◎小数の構成,小数の計算の仕方を

理解する。知

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資料 12

(2) 学習指導案

第1時 小単元名「はしたの大きさの表し方」(1/3)

1 学習目標

◎1ℓ に満たないはしたのかさの表し方に関心をもち,どのように表したらよいか考えようとす

る。 【算数への関心・意欲・態度】

○1ℓ を 10 等分した 1個分のかさを「0.1ℓ 」と表すことを知る。

【数量や図形についての知識・理解】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】 ペットボトル容器に□ℓ と書いてある「かさ」をノートに書いてこよう。

(生活と結び付ける課題)

児童は前学年で,「3ℓ 6㎗」のように「かさ」を表す学習をしている。本単元では,これら

の既習事項を踏まえ,端数部分に小数を用いることによって単名数で表すことができることを理

解し,それらを適切に用いることができるようにすることを目標にしている。本時は単元の導入

であり,意欲を高めながら学習に取り組んでいけるよう,レディネス学習課題では児童にとって

身近なペットボトル容器に示されている小数を取り上げることにした。ペットボトル容器には,

「かさ」以外にも様々な数字が記載されているので,導入の段階で間違いがないか確認してから

学習を進めていく。「かさ」の単位の表記は L,ML,LITRE,ℓ ,ml など様々であり,取り上げる

際に注意して,数値とおおよその量を確認する程度にとどめる。

3 授業展開のポイント

(1) 児童が探してくるペットボトル容器の「かさ」は,1ℓ ,1.5ℓ ,2ℓ がほとんどだと思わ

れる。中には 900 mℓ ,600 mℓ ,500 mℓ ,350 mℓ ,280 mℓ などを書いてくることも予想さ

れる。そこで授業では,まず□ℓ のものについて探してきた数を取り上げ,整数と習っていな

い数(小数 1.5)があることに気付くとともに,そのかさがどのくらいか(1ℓ と2ℓ の間)を

予想できるようにする。□mℓ のものについては,3学年で学習した 1ℓ =1000 mℓ というこ

とから,mℓ は 1ℓ より小さいかさを表す単位であることを想起する程度にとどめ,次時でそ

れらのかさを扱うことにする。ℓ と mℓ の単位換算はここでは取り上げないようにする。

(2) レディネス学習の取組を踏まえながら,教師の演示を見ることによって,かさの大小に気

付いたり,3学年でのかさの測定の学習を想起して,はしたの数字を示す目盛りを書き入れる

工夫に気付いたりすることができると思われる。

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資料 13

4 学習過程

段階

学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(十五分)

1.かさを表す数字を

発表し合う。

*レディネス学習で書いてきた数字を発表

し合う。

・1ℓ,1.5ℓ,2ℓ

・900mℓ,600mℓ,500mℓ,280mℓ,350mℓ

*教師が用意したペットボトル容器を見な

がら,かさとペットボトル容器を対応さ

せる。

*1.5ℓ という表記の「かさ」は,どれくら

いかを予想する。

○レディネス学習で一人一人が書いてきたペ

ットボトル容器のかさについて発表し合い,本

時の学習に意欲がもてるようにする。

○「かさ」について取り上げることを確認し,ペ

ットボトル容器に使われている1ℓ,1.5ℓ,2ℓ,

900mℓ,600mℓ,500mℓ,280mℓ,350mℓ など,さ

まざまな数字の大小関係を確認する。その際,

既習事項1ℓ = 1000mℓ に触れ,mℓ はℓ よりも

下位の単位であることを想起できるようにす

る。

○1.5ℓ のかさが,1ℓ や2ℓ と比べてどのくら

いかを予想できるように,ペットボトル容器を

提示する。

2.教師の演示から

かさの表し方を考

える。

*ペットボトルの水「1.3ℓ 」を1ℓ ます

に移す演示を見て,ℓ だけでかさを表す

方法を考える。

・1ℓ と 2ℓ の間 ・1ℓ と少し

・1ℓ 3㎗

・10等分の目盛りを付ける

・10等分の目盛りのあるますに移す。

○教師が用意してきた水「1.3ℓ 」を,1ℓ ます(目

盛りなし)2個に移す演示を見ることによっ

て,具体的な液量の感覚をもつことができるよ

うにし「はした」の部分について確認する。こ

れまでに習った ㎗ や mℓ という小さい単位

を使うのではなく,ℓ だけで表す方法を考えて

いくことを知らせる。

◆1ℓ に満たないはしたのかさの表し方に関心

をもち,どのように表したらよいか考えようと

している。関(観察,プリント)

△3学年の学習で1ℓ を 10 等分したますの目盛

りを数え小さいかさを表したことについて想

起できるように助言する。

展開

(

二十五分)

3.はしたのかさの

表し方を知る。

*1ℓ を10等分した1個分のかさを「0.1

ℓ 」と表すことを知る。

1ℓ を 10等分した 1個分が 0.1ℓ

「れい点一リットル」と読む

*はしたのかさを確認する。

・0.1ℓ が 3こ分で 0.3ℓ

・「れい点三リットル」と読む。

*全体のかさを確認する。

・全体で 1.3ℓ

・「一点三リットル」と読む。

○10等分の目盛りの付いた1ℓ ますに,はした

のかさを移しかえて,目盛り3こ分であるこ

とを確認する。

○1ℓ を 10 等分した 1個分のかさを「0.1ℓ 」

と表し,その書き方や読み方について知らせ

る。

◆1ℓ を 10 等分した 1個分のかさを「0.1ℓ 」

と表すことが分かる。知(机間指導・プリン

ト)

△1ℓ ますの図を 10 等分した目盛りを順に数

えて確認し,10等分の実感がもてるようにす

る。

4.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

○教師が振り返りのポイントを明確に示すよう

にする。 終末

(

五分)

5.次時の予告を聞

く。

○次時は,1ℓ より少ないかさをの表し方につい

て学習することや,レディネス学習の取り組み

方について知らせる。

レディネス学習課題

ペットボトル容器に□ℓ と書いてある

「かさ」をノートに書いてこよう。

次のレディネス学習課題

1ℓ より少ない「かさ」を1つ考えて,

めもりにあわせて図に表してこよう。

はしたのかさを表す方法を考えよう

1ℓ 1ℓ

1ℓ

0.1ℓ

1ℓ

0.1ℓ

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資料 14

第2時 小単元名「はしたの大きさの表し方」(2/3) 1 学習目標

○いろいろなかさを小数を使って表すことができる。 【数量や図形についての表現・処理】 ◎「小数」「小数点」「整数」の意味を理解する。 【数量や図形についての知識・理解】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】 1ℓ より少ない「かさ」を1つ考えて,めもりにあわせて図に表してこよう。

(既習と未習をつなぐ課題)

本時は,前時ではじめて学習した小数でのはしたの表し方についての理解を深め,様々なかさ

を小数で表すことができるようにする学習場面を設定している。前時では,0.1ℓ ,0.3ℓ ,1.3ℓ

の書き方と読み方を学習し,全体量である 1.3ℓ というかさの表し方を考えた。そこで本時は,

かさの図を小数で表したり,小数をかさの図で表したりする活動を繰り返すことによって,小数

を用いる力を高めていけるようにしたい。このことから,本時にむけたレディネス学習課題を「か

さを図に表す」とし,「はした」を意識できるように1ℓ より少ないかさを扱うこととした。

3 授業展開のポイント

(1) 導入時にレディネス学習を発表し合う活動を取り入れることによって,0.1ℓ から 0.9ℓ ま

で9種類のかさを表す図が児童から示されると思われる。前時に学習した「1ℓ を 10 等分

した1こ分のかさを 0.1ℓ と表す」をもとにして,それぞれの図が何ℓ かを小数で表す活動

を進めていく。

(2) 小数を使ってかさを表す活動については,自分が表してきたものから取り組み,次にその

他の図を小数で表す活動へと進め,10等分した目盛りの読みをすべて取り上げていくように

する。また,1ℓ 以上のかさについては,練習問題で扱うことによって小数が 0.1 から 0.9

のような純小数ばかりでなく,1.3 や 9.9 のような数も小数ということを確認し,小数を用

いる力を高めていくようにしたい。

1ℓ

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資料 15

4 学習過程

段階

学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(十分)

1.1ℓ より少ない

かさを表した図

を発表し合う。

*レディネス学習で表してきた図を発表

し合い,かさの小さい順に並べる。

○小数での部分は,初め空欄にしておき,「学習

の流れ4」で挿入する。

○児童のレディネス学習への取組をもとにし

て,0.1ℓ から 0.9ℓ までのかさの図を提示し,

かさの小さい順に並べ替えをしてから,小数

を使って表す活動に入るようにする。

2. かさの図を小数

を使って表す。

*自分が記入してきた図のかさを小数を

使って表す。

・めもり 1こ分だから 0.1ℓ

・0.1ℓ が2こ分だから 0.2ℓ

3.小数を発表し合

う。

*図と照合しながら小数を発表し合う。

*発表をもとにしながら,かさを表す図

と小数をまとめていく。

*第1時で書いてきたかさを図と小数で

表してみる。

(小数第一位までのもの)

○図に表したかさがそれぞれ正しく小数で表され

ているかを全員で確認しながら,はしたのかさ

の表し方をまとめていくようにする。

○かさを表す目盛りを見ながら,小数を使って表

していき,1こ分,2こ分という場合の数字と

0.1,0.2 を照合させていき,10こ分で 1ℓ であ

ることを確認する。

◆いろいろなかさを小数を使って表すことができ

る。表(机間指導,観察)

△1ℓ を 10 等分した 1こ分のかさを0.1ℓ という

ことを確認し,目盛りをもとにして考えるよう

助言する。

4.「小数」「小数点」

「整数」を知る。

*0.1,1.3 のような数を小数ということ

を知る。

*0.1 の「.」が小数点ということを知る。

*0,1,2,・・・のような小数点の付か

ない数が整数ということを知る。

1.3

小数点

○小数点「.」の形に注意して書き,「、」や「,」

とはっきり区別できるようにする。

○「小数」は,0.1 から 0.9 のように一の位が0

で表されるものだけでなく,1.3 や 9.9 のよう

に小数点を使って表されたもの全てを指すこと

を確認する。

◆「小数」「小数点」「整数」の意味を理解してい

る。知(ノート・観察)

△板書を見ながら正しく覚えるよう助言する。

展開

(三十分)

5.適用問題に取り組

む。

*教科書 P58の①~④に取り組む

○図を小数で表す問題,小数を図で表す問題を解

き,小数の量感をとらえられるようにする。

6.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価

を記入する。

終末(五分)

7.次時の予告を聞

く。

○次時は,家庭にあるカード(葉書やゲーム用カ

ード等)を用いて学習を進めることを知らせ,

様々なカードから児童自身の判断で選択する楽

しさを感じることができるようにする。

次のレディネス学習課題

身のまわりにあるカードを写しとっ

て,たてと横の長さをはかってこよう。

レディネス学習課題

1ℓ より少ない「かさ」を1つ考えて,

めもりにあわせて図に表してこよう。

はしたのかさを 小数で 表そう

0.1 が1こ分で 0.1ℓ 2こ分で 0.2ℓ 3こ分で0.3ℓ 4こ分で 0.4ℓ 5こ分で 0.5ℓ

6こ分で 0.6ℓ 7こ分で0.7ℓ 8こ分で0.8ℓ 9こ分で 0.9ℓ 10 こ分で1ℓ

1ℓ 1ℓ 1ℓ

1ℓ 1ℓ 1ℓ 1ℓ 1ℓ

1ℓ1ℓ

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資料 16

第3時 小単元名「はしたの大きさの表し方」(3/3)

1 学習目標 ○かさ,長さ,重さの複名数で表した大きさを,小数を使って単名数で表すことのよさを考える。

【数学的な考え方】 ◎長さを小数で表すことができる。 【数量や図形についての表現・処理】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】

身のまわりにあるカードを写しとって,たてと横の長さをはかってこよう。 (考えを広げる課題)

児童は前時で1ℓ に満たないはしたのかさを小数で表す学習を行っている。本時は,長さにつ

いても小数を用いて表すことができることを理解する時間である。2学年「長さ」の学習で○cm

○mm のように複名数で表した大きさを,小数を用いれば単名数で表すことができることに気付か

せたい。身近な生活の中から児童が自由にカード(名刺,テレフォンカード,ポイントカード,

ゲーム用カードなど)を選び,長さを測定する活動に取り組むことによって授業への意欲がもて

るようにする。

カードの縦と横の2つの長さを測定するレディネス学習を生かして,授業場面では長さを小数

で表す練習が少なくとも2回行える。また,カードを写し取るという課題を生かして,長さを小

数で正しく表しているかについて確認し合う作業を取り入れることができると考えた。

3 授業展開のポイント

(1)児童が取り組んでくるカードは,名刺,テレフォンカード,ポイントカード,ゲーム用カ

ードなどが考えられる。それらのほとんどは縦と横の長さが 10cm 以内であり,一の位,小

数第一位の2けたで処理できる数である。児童は,ものさしを使い○cm○mm と記してくると

思われる。その複名数を上位の単位 cm を基準にして,単名数で表すことができることを知

り,かさだけでなく,長さにおいても小数が使えることを理解させたい。

(2)レディネス学習で,縦と横の長さの2つを測定してきているので,それに合わせて小数で

表す作業を2回経験できる。また,一人一人の学習結果を黒板上で書き並べていくと,小数

を用いて単名数で表すことが表現の簡単さや読む場合の容易さだけでなく,表やグラフに表

したり大きさを比較したりする場合に有効であることにも気付くであろう。さらに以前学習

した表やグラフへの応用,後に習う大小比較の学習にも生きてくるものと思われる。

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資料 17

4 学習過程

段階 学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点 ◆評価規準と評価の方法 △「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(十分)

1.長さを実測し,既

習の複名数で表す。

*教師の用意した「名刺」の縦と横の長さ

を実測する。

5㎝6㎜

9cm1㎜

○教師の名刺を一人一人が実測した後に縦が5

cm6㎜,横が9㎝1㎜と表記する。ペアで,実

測の結果にずれがないかを確認するように声

がけをする。

2.長さを㎝だけを使

って単名数で表す

方法を考える。

*この長さを□cmで表す方法を考える。

・1㎜は1cm を 10 等分した 1 こ分の長

さであることから1㎜=0.1cm である

ことを確認する。

・名刺の横の長さは 9.1cm,縦の長さは

5.6cm であることを確認する。

○実測した9㎝1㎜を□㎝と表現する方法につ

いて,前時のかさのはしたを表す学習を生かし

て考えていくように助言する。

○1㎝を 10等分した長さは1㎜であり,10等分

するということについて,前時の1㎗=0.1ℓ

と同じ考え方ができることを助言する。

3.自分で写し取って

きたカードの長さ

を小数で表す。

*レディネス学習で写し取ってきたカード

の縦と横の長さを,小数を用いて□cmで

表す。

*ペアで確認し合う。

・実測上の間違いはないか。

・複名数で表したものと,小数を用いて

単名数で表したものとが一致しているか。

*全体で発表し合う。

○ペア学習で,写し取ってきたカードの縦と横の

長さを互いにものさしで測り,実測上の間違い

がないかを確認する。次に,小数で表した長さ

が正しいかを確認し合うことによって,小数の

扱いについて一層習熟が図れるようにする。

◆長さを小数で表すことができる。表(机間指導,

ノート)

△ペアによる学習を取り入れ,間違いを見付けた

場合は,正しく表す方法を相談するよう助言す

る。

○例えば 6.0cm と表記している場合は,6cm と

同じ長さであることを確認する。

4.適用問題に取り組む。 *教科書 P59⑤⑥に取り組む。

*重さも小数で表すことができることを知

る。

○100g=0.1kgを確認する。

展開

(三十分)

5.小数を使うことの

よさに気付く。

*身近で小数が使われていることを想起す

る。

*小数を使って単名数で表すことのよさに

気付く。

・簡単に言える

・簡単に書ける

・大きさを比較しやすい など

◆かさ,長さ,重さの複名数で表した大きさを

小数を使って単名数で表すことのよさを考え

ることができる。考(観察,ノート)

△体重や靴のサイズなど身近で使われている小

数の表現を思い起こし,小数を使うことのよさ

について気付くことができるようにする。

6.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

終末(五分)

7.次時の予告を聞

く。

○次時の学習は,数直線に表された小数につい

て考えていくことを知らせる。

レディネス学習課題

身のまわりにあるカードを写しとっ

て,たてと横の長さをはかってこよう。

カードのたてと横の長さを,cmだけを

使って表そう

たて 横

5cm1mm 5.1cm 7cm1mm 7.3cm 5cm7mm 5.7cm 7cm7mm 7.7cm

6cm 6 cm 8cm 8 cm

6cm2mm 6.2cm 8cm2mm 8.2cm

7cm3mm 7.3cm 9cm5mm 9.5cm

次のレディネス学習課題

直線を 10 等分して,0から 10 までの

数直線を完成させてこよう。 0 101

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資料 18

第4時 小単元名「小数のしくみ」(1/2)

1 学習目標

◎整数の十進位取り記数法の考えを1より小さい数にまで拡張して考える。 【数学的な考え方】 ○数直線上の小数を読むことができる。 【数量や図形についての表現・処理】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】 直線を 10等分して,0から 10までの数直線を完成させてこよう。(方眼紙を配布)

100 101

(考えを広げる課題)

小数の学習に入り,児童は身近にある飲み物のかさ,長さ,重さを小数で表すことができるよ

うになっている。この小単元では,小数への理解を一層深めるため,小数を様々な見方でとらえ

られるようにする。本時では,小数を数直線上に表し,整数と同じ系列の中に位置付け,小数の

理解をさらに深めることをねらいとする。 そこで,レディネス学習として目盛りが整数の数直線をかいてくることを課題とした。あらか

じめ0と 10 を示すことによって,その間を等間隔に区切り,整数の目盛りを付けてくると思わ

れる。レディネス学習で数直線をかく活動に取り組むことによって,児童は整数の系列を再確認

することができる。授業では,その数直線を使って小数の目盛りを付けていくことになる。そう

することで,整数と小数の単位の大きさの違いについて,より実感を伴った理解が促されるだろ

う。

3 授業展開のポイント

(1)「数直線」という用語は,4学年になって初めて取り上げられるが,「数の線」として1学

年からすでになじんでいるものであり,等間隔に並んでいる目盛りを使って数を並べたり,

空白に当てはまる数を想定したりする学習を行っている。レディネス学習で整数の数直線づ

くりに取り組んできた児童は,0から 10まで等間隔に目盛りを付ける活動を通して整数の系

列を再確認している。授業では,レディネス学習でかいてきた数直線を使い,小数の位置を

示すために,10等分の目盛りを付ける活動に取り組ませる。その学習活動を通して,児童は,

整数の十進位取り記数法の考えが1より小さい小数にも当てはめられるのだということに気

付き,小数も整数と同じ系列の中に位置付けられることを理解するであろう。

(2)自分で 10等分の目盛りを付けた数直線を使い,友達とペアを組んで様々な小数を読む活動

を取り入れることによって,児童はより体験的に小数をとらえることができるであろう。お

互いに示した小数の位置関係を確認し合う学習は,後に学習する小数の大小関係のとらえに

も役立つと思われる。

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資料 19

4 学習過程

段階 学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点 ◆評価規準と評価の方法 △「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(

十分)

1.整数の数直線を確

認する。

*数直線が正しくかけているかどうかを確

認する。 ・数が等間隔に順序よく並んでいるか。

○児童が目盛りを付けやすいように方眼紙に書

かれた 40cm の直線を用意し,0.1 が 4mm にな

るようにする。

○レディネス学習で一人一人がかいてきた整数

の数直線が正しいか,ペアなどで確認する活動

を取り入れる。

○数が等間隔に順序よく並んでいるかどうかを

確認するよう助言する。

2.小数を表すための

数直線をつくる。

*0.7 を記入するためには,どのような目

盛りが必要か話し合う。

・0.7 は整数の0と1の間にある。

・0と1の間を 10等分する。

*1.3 を記入する。

・目盛りを付ける。

・1と2の間を 10等分する。

*2.4 を記入する。

・目盛りを付ける。

*5までの小数が記入できるように目盛り

を付ける。

○小数を記入するための目盛りを,どのように書

き入れたらよいかを考えさせるため,0と1の

間を 10等分できるように,まず純小数を扱う。

○レディネス学習でかいてきた数直線の整数の

間を 10 等分することで,小数を数直線上に表

すことができることに気付くようにする。

○純小数0.7を扱った後に1.3や2.4という小数

を扱い,10 等分の目盛りを繰り返し付けるこ

とによって,十進位取り記数法に基づいた仕組

みに気付くことができるようにする。

○本時は,数直線の5以下の部分に小数の目盛り

を付ける作業を通して,整数と小数の関係や

0.1の目盛りが10個分で1になることなどを,

実感を伴って理解できるようにする。

3.数直線を見て小数

について考える。

*1目盛りはいくつか。

・0.1

*1は 0.1 がいくつ分になっているか。

・10個分

*1.3 と 2.4 など,印が正しく付けられて

いるか,全体で確認し,そこに付けたわ

けを説明する。

・1から右に 0.3いったところ。

・1.3 は 0.1 が 13 個分,目盛りの 13番目。

*小数も十進位取り記数法によることに

気付く。

*「小数第一位」の用語を知る。

○単位量を 0.1 とすることを確認する。

○0.1 が 10個集まると1になり,1から2の間も

同様になっていることから,既習の十進位取り

記数法の仕組みを思い浮かべられるようにす

る。

○数直線上で小数を読み書きする活動を通して,

小数も整数と同じ系列の中に位置付けられる

ことに気付けるようにする。

◆整数の十進位取り記数法の考えを1より小さ

い数にまで拡張して考えることができる。考

(机間指導,発表)

△10 のまとまりで位が構成されており,1が 10

集まると十の位,10が 10 集まると百の位とな

ることから,0と1,1と2,2と3の整数の

目盛りの間も同じであることを確認できるよ

うにする。

展開

(三十分)

4.適用問題に取り組

む。

*友達と小数を読む問題を出し合い,数直

線上での位置を確認する。 一斉で

ペアで

○一斉で行った後にペア学習を取り入れ,より多

くの小数を数直線上で確認できるようにする。

◆数直線上の小数を読むことができる。表(数直

線プリント)

△左の整数の目盛りから順に,正しく数えていく

ように助言する。

5.本時の学習を振り

返る。 *単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

終末(

五分)

6.次時の予告を聞

く。 ○次時の学習は,5から 10までの小数について,

自分が選んだ2つの小数をもとに学習を進め

ていくことを知らせる。

次のレディネス学習課題

5~10 の間にある小数を2つ選んで,

矢印↑と数字を記入してこよう。

レディネス学習課題

直線を 10 等分して,0から 10 までの

数直線を完成させてこよう。

0 101

小数を表すことができる数直線をつく

ろう

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資料 20

第5時 小単元名「小数のしくみ」(2/2)

1 学習目標

○小数の構成について考えようとする。 【算数への関心・意欲・態度】

◎小数の構成や大小関係を理解する。 【数量や図形についての知識・理解】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】

5~10の間にある小数を2つ選んで,矢印↑と数字を記入してこよう。

(既習と未習をつなぐ課題)

児童は前時に,自分でつくった数直線の0から5までの一目盛りに,さらに 10 等分の目盛り

を書き込んで,小数が十進位取り記数法の仕組みになっていることをとらえている。本時は,そ

のとらえを確かな理解へつなげていくことをねらいとしている。そこで,前時に使った自作の数

直線の 10までの範囲を使い,自分で小数を定め,矢印と数値を記入する課題を設定した。

児童が,自分で定めた5以上の小数を数直線上に記入しようとする際,まず整数の間を 10 等

分する作業を行うことになる。その作業を繰り返すことによって,十進位取り記数法の仕組みが

5以上の数でも当てはまることを体験的に理解するだろう。また,自分の決めた小数が,どの整

数と整数の間にあるかについて考えながら矢印を記入することになる。さらに,2つの小数を記

入するということによって,その2つの小数同士の数直線上の位置関係にも着目し,小数の大小

関係の学習につなげることができると考え,この課題を設定した。

3 授業展開のポイント

(1)本時の学習内容は,「小数クイズをつくろう」である。まず教師が 2.4 を取り上げ,クイズ

のつくり方を話し合いながら例示していく。その後,一人一人が数直線に記入してきた小数

のうち1つを選び,その小数についてのクイズをつくる。クイズをつくる際,前時までの学

習を生かして,その小数の成り立ちや説明の仕方を考えることになる。

(2)2つの小数の大きさを比べる活動を行う際に,自作の数直線の最小単位 0.1 の目盛りが整数

10 のところまで完成されているかをペアで確認する。小数第一位の数直線ができていない場

合は,この段階で完成しておくように助言する。次に,自分で記入してきた2つの小数の大小

比較,ペア学習での大小比較などの活動を通して,小数の大小関係についての理解を深めるよ

うにしていきたい。

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資料 21

4 学習過程

段階 学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点 ◆評価規準と評価の方法 △「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(

十分)

1.本時の学習内容を

知る。

*前時に扱った 2.4 を例に出して,クイズ

のつくり方を例示する。

・2.4 は2と 0.4 を合わせた数

・2.4 は2より 0.4 大きく,3より 0.6

小さい数(数直線では2から4目盛り

右にいったところ,3から6目盛り左

にいったところ)

・2.4 は1を2個と 0.1 を4個合わせた

・2.4 は 0.1 を 24 個合わせた数

(数直線では0から 24 目盛り右にいっ

たところ)

○小数の様々な見方を参考にして,自分で定めた

小数を当てるクイズを考える学習であること

を知らせる。

○小数の構成や数直線上の位置に着目して,クイ

ズをつくるとよいことを助言する。

○小数をどのようにとらえるかは,前時の 1.3

の例を参考にして考えていく。2.4 を例とし

て,学級全体で確認していくことにより,展開

場面での一人一人の学習活動が円滑に進むよ

うにする。また,出された考えを整理して板書

しておき,後で参考にできるようにする。

2.自分で定めた小数

を当てるクイズを

考える。

*レディネス学習で印を付けてきた小数

の1つを紹介する文について考え,ノー

トに記入する。

*クイズ形式で発表し,聞き手が小数を当

てる活動をする。

◆小数の構成について考えようとしている。

関(ノート,机間指導,観察)

△導入で扱った 2.4 の紹介を参考にして書くよ

うに助言する。

○書いたことを発表し合うが,クイズの出題者と

それ以外を解答者とし,ゲームをするような場

面を設定し,楽しく学習が進められるように工

夫する。

3.数直線を見て小数

の大小関係につい

て考える。

*自分が矢印を付けた2つの小数の大小

比較をする。

*ペアで集まった4つの小数を小さい順

に左から書き並べる。

*レディネス学習で記入してきた全員の

小数の中で一番大きいものを探す。

・数直線の左よりの小数は小さい,右よ

りの小数が大きいことを確認し,小数

も整数の十進位取り記数法と同じ仕

組みであることを確認する。

○数直線を使わず自分で印をつけた小数の大小

比較,ペアでの大小比較などを通して,小数の

大きさの確認を繰り返し行えるように設定す

る。

◆小数の構成や大小関係を理解している。知(プ

リント)

△一の位の数字の比較,小数第一位の比較という

順番で考えることを確認する。

○0から 10 までの小数で一番小さい目盛りが

0.1 であることを確認し,一番大きい小数は右

端の目盛り 9.9 であることを全員で確認する。

展開

(

三十分)

4.適用問題に取り組

む。 *教科書 P61の③~⑤に取り組む。

5.本時の学習を振り

返る。 *単元シラバスシートに本時の自己評価

を記入する。

終末

(

五分)

6.次時の予告を聞

く。

○いくつもの答えが考えられる課題を設定し,意

欲的な取組を促したい。

次のレディネス学習課題

2つあわせて 0.8 になる小数の組みあ

わせをノートに書いてこよう。

レディネス学習課題

5~10 の間にある小数を2つ選んで,

矢印↑と数字を記入してこよう。

小数クイズをつくろう

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資料 22

第6時 小単元名「小数のたし算とひき算」(1/3)

1 学習目標

◎小数を 0.1 の何個分ととらえ,既習の整数の計算をもとにして小数の加減計算の方法を考え

る。 【数学的な考え方】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】

2つあわせて 0.8 になる小数の組みあわせをノートに書いてこよう。

(考えを広げる課題)

本時は,小数の加減計算を初めて取り上げる。小数も整数と同じように加減計算ができること

に気付き,図などをもとにして計算の仕方を考えていく学習場面を設定している。

導入段階で加法を取り上げることを意図して,「2つあわせて 0.8 になる小数の組合せを考え

る」というレディネス学習を設定した。また,組合せが複数考えられるような課題にし,それぞ

れの場合において加法の計算ができることを確かめるとともに,減法の計算についても考えを広

げていくようにしたい。

3 授業展開のポイント

(1) 合わせて 0.8 になる小数の組合せを考えるレディネス学習に取り組むことによって,児童

は小数で表されたかさも整数と同じように,足したり引いたりすることができることに気

付くであろう。小数の加減計算を初めて扱う本時においては,まず導入段階でレディネス

学習を取り上げ,合わせて 0.8 になる小数の組合せをすべて提示し,それぞれの場合にお

いて加法が成り立つことを確かめていくようにする。

(2) 小数同士で加法の計算ができることを知った児童は,次に減法ではどうかと考えるだろう。

そこで,減法においてもレディネス学習で取り上げた小数を生かし,児童の考えを引き出

しながら計算できることを確かめ,加減計算の説明ができるようにしていく。

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資料 23

4 学習過程

段階

学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(

十五分)

1.2つ合わせて 0.8

になる小数を発表

し合う。

*レディネス学習の結果を発表し合う。 ・0.1 と 0.7 ・0.2 と 0.6 ・0.3 と 0.5 ・0.4 と 0.4 (0と 0.8) *2つの小数を使って式に表してみよう。 ・0.1+0.7=0.8 ・0.2+0.6=0.8 ・0.3+0.5=0.8 ・0.4+0.4=0.8 ・0+0.8=0.8

○小数第一位の範囲を超えた数を取り上げてき

た児童の考えを認め,後の学習に生かすように

する。

○2つ程度,図で小数の組合せを確かめ,合わせ

て 0.8 になることを視覚的にも確認する。

○主に足し算で表すことが考えられるが,中に

は,引き算「0.8-0.1」や掛け算「0.4×2」

で表す児童もいると思われる。その際は,考え

を認めた上で,後の学習に生かすようにする。

2.小数の足し算の

仕方を考える。

*式で表したように,小数が計算できるこ

とを説明する方法について考える。

*式の一つを取り上げ,全員で考える。

0.1+0.7=0.8

・0.1 をもとにして考えると1+7=8

0.1 が8個分で 0.8

・小数第一位の数を足すと 0.8

0.1 + 0.7 = 0.8

○まず自分の考えた式から説明の仕方を考える

ようにする。

○足し算 0.1+0.7=0.8 の計算について,図を

使いながら説明できるようにする。

○同じ位同士を足すという考え方は,これまで

の整数の計算と同じであることに気付くこと

ができるようにする。

3.自分で決めた式

の計算の仕方を考

える。

*自分が見付けてきた小数の組合せを使

って式をつくり,計算の仕方を考える。

*式とその計算の仕方を発表し合う。

4.小数の引き算の

仕方を考える。

*引き算 0.8-0.3 でも同じように考えら

れることを知る。

○一人一人がそれぞれの式について説明の仕方

を発表し合うことで共有化を図り,どの式で

も同じ考え方が適用できることに気付くこと

ができるようにする。

◆小数を 0.1 の何個分ととらえ,既習の整数の

計算をもとにして小数の加減計算の方法を考

えることができる。考(ノート,机間指導)

△0.1 をもとにすることを確認し,0.1+0.7=

0.8 の例を参考にして考えるよう助言する。

○加法の計算ができることから減法でも同じよ

うに計算ができるかを確認する。計算の仕方

の説明がうまくできない場合は,図を使って

解決するよう助言する。

展開

(二十五分)

5.適用問題に取り組

む。

*教科書 P62の①~②に取り組む。

*答え合わせの際,1-0.3,1-0.8の計算

の仕方を確認する。

○1-0.3 でつまずいた児童には1=1.0 で 0.1

が 10 個分であることに気付くことができるよ

うに助言する。

6.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

終末

(

五分)

7.次時の予告を聞

く。

○2年生で学習した筆算を思い起こすことがで

きるようにする。

1ℓ 1ℓ 1ℓ

次のレディネス学習課題 34+8の筆算をするときに気をつけなければならないことは何か,2年生に教えるつもりでノートに書いてこよう。

レディネス学習課題

2つあわせて 0.8 になる小数の組みあ

わせをノートに書いてこよう。

小数の計算の仕方を説明しよう

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資料 24

第7時 小単元名「小数のたし算とひき算」(2/3)

1 学習目標

○小数の加法について,筆算で計算することができる。 【数量や図形についての表現・処理】

◎小数の加法について,整数の計算と同じように,位をそろえて計算することを理解する。

【数量や図形についての知識・理解】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】

34+8の筆算をするときに気をつけなければならないこと

は何か,2年生に教えるつもりでノートに書いてこよう。

(既習と未習をつなぐ課題)

本時は,小数の足し算の筆算を扱う。そこで,34+8という2年生で習った筆算の手順を,レ

ディネス学習であらかじめ想起しておくことによって,小数の筆算もほとんど同じ手順で計算で

きること,また「小数点を打つ」ことの新しさに気付くことができるようにする。既習の知識と

関連付けることによって,授業における学習内容の理解を一層図るため,この課題を設定した。

3 授業展開のポイント

(1)導入で2つのポットの水を合わせる問題を提示する。実際に具体物で操作することが難し

い場面を設定し,計算で求めることを促すようにする。前時の学習で,純小数同士の足し算

や引き算を整数の計算と同じように考えたことから,本時の問題も既習事項である整数の筆

算を用いるとよいのではないかと気付けるようにしていき,小数の足し算の筆算へと学習を

進めていく。まず筆算についての既習事項を確認するために,レディネス学習の取組を生か

して,34+8の筆算をする際の注意点を整理していく。

(2)小数の足し算の筆算については,その手順を「位をそろえて書く」「同じ位の数字を足す」

など,整数の筆算を参考にしながら進めていく。最後に,「小数点をどこに打ったらよいか」

ということを意識できるようにする。

(3)学習目標達成のため,児童の実態を考慮しながら計算練習の時間,計算問題の数を設定し

ていく。

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資料 25

4 学習過程

段階 学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(

十分)

1.本時の問題を知

る。

*題意をとらえ,立式する。

*加法であることを確認する。

・2.5+1.9

○問題の場面を図等で示しながら,「あわせる」

という操作が具体物では難しい場面を想定し

ていることを説明し,計算で求める必要性に気

付けるようにする。

○立式に際しては「あわせて」に着目することで,

小数においても加法の計算ができるという前

時の学習を確認する。

2.計算の仕方を考

える。

*式で表した小数の計算の仕方を,前時の

学習を生かして説明する。

「0.1 をもとにして考えると 25 個分と 19

個分,それを合わせるから 25+19=44

0.1が44個分で4.4 答え4.4ℓ 」

*速く正確に計算する方法として「筆算」

で求める方法があることを知る。

*レディネス学習の結果を発表し合う。

*2年生において学習した筆算を用いて

計算する方法を考える。

①位をそろえて書く。

②整数の足し算と同じよ

うに小さい位から計算

する。

③上の小数点にそろえて

答えの小数点を打つ。

○前時の純小数での計算の仕方をもとにして,

純小数以外の計算も同様に説明できることを

理解できるように,図を使って確認する。

○レディネス学習の 34+8を取り上げ,筆算形

式は位をそろえて処理しやすくした計算方法

であることを確認する。その上で,小数でも

使えるだろうかと問題を投げかける。

○2位数+1位数で繰り上がりのある加減の筆

算は2年生で学習していることから,「2年生

に教えるつもりで」と示すことで,手順を想

起しておくようにする。

○既習の筆算の仕方で 2.5+1.9を計算し,最後

に小数点を打つ必要があることに気付くこと

ができるように,初めに導いた答えと照らし

合わせて確認する。

3.適用問題に取り組

む。

*教科書 P63③の計算練習をする。

◆小数の加法について,整数の計算と同じよう

に,位をそろえて計算することを理解してい

る。知(机間指導,ノート)

△小数点の位置に注意して,位をそろえながら

筆算の式を書くことを確認する。

4.小数の計算の仕方

を考える。

*1.2+2.8(和の小数第一位の0を消す)

2+3.4(被加数に小数第一位の0を補う)

○小数に特有の小数第一位の0を消したり補っ

たりする計算について全員で確認する。

展開

(三十分) 5.適用問題に取り組

む。

*教科書 P63の④に取り組む。 ◆小数の加法について,筆算で計算することがで

きる。表(プリント,ノート)

△小数第一位の0の消し忘れ,「整数+小数」の

場合,整数に「.0」を補って考えることを確

認する。

6.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

終末

(五分)

7.次時の予告を聞

く。

○次時は引き算の筆算に取り組むことを知らせ

る。「44-28」「45-15」の筆算の手順をレディ

ネス学習で確認することで,小数の筆算にどう

生かしていくかに関心をもたせたい。

次のレディネス学習課題

44-28 と 45-15 をノートに筆算して

こよう。

レディネス学習課題

34+8の筆算をするときに気をつけな

ければならないことは何か,2年生に

教えるつもりでノートに書いてこよ

う。

水が大きいポットには 2.5ℓ ,小さいポ

ットには 1.9ℓ 入ります。水はあわせて

何ℓ 入りますか。

34 + 8 42

2.5 +1.9 4.4

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資料 26

第8時 小単元名「小数のたし算とひき算」(3/3)

1 学習目標

◎小数の減法を筆算で計算することができる。 【数量や図形についての表現・処理】

○小数第一位が「0」になる場合の答えの処理や「.0」を補って計算する方法を理解する。

【数量や図形についての知識・理解】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】

44-28 と 45-15 をノートに筆算してこよう。

(表現活動に生かす課題)

児童は前時で,小数の足し算の筆算でも整数の筆算と同じように位をそろえて書くこと,位ご

とに計算すること,そして小数の場合は計算の最後に小数点を打つことを学習している。本時で

は,小数の引き算においても足し算同様,筆算ができることを学習する。そこで既習事項の引き

算の筆算を2問課題にした。44-28 は授業で問題とする 4.4-2.8 につなげていくための課題で

あり,45-15 は 4.5-1.5=3.0 の0の処理の仕方を考えることができるようにするためのもので

ある。児童は,2学年で学習した2けたの引き算の筆算を行うことで,整数の引き算の筆算と小

数の引き算の筆算との共通点などに着目することができると思われる。

3 授業展開のポイント

(1)導入では,前時で扱った水(4.4ℓ )を使用する(2.8ℓ 減)という設定で問題を提示する。

立式し筆算の形に表すところまでは前時の学習をもとにして進める。筆算の過程で,レディ

ネス学習課題の 44-28 と比較し,最後に小数点を打つという手順が,足し算の場合と同じ

であることを確認する。

(2)小数の筆算ならではの操作(0の処理)を学習するため,まず児童はレディネス学習で 45

-15 に取り組んでくる。そのため小数でも同様に計算し,答えを 3.0 と書くだろう。そこで,

0.1 をもとにして考える方法では答えが3になることから,通例 3.0 を 3.0 と表記すること

に結び付けていく。

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資料 27

4 学習過程

段階

学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入(

五分)

1.本時の問題を知

る。

*題意をとらえ,立式する。

・減法であることを確認する。

4.4-2.8

○問題を図で示し,場面をとらえやすくする。

○立式に際しては「残っていますか」をキーワー

ドにして,小数においても減法の計算ができる

という前々時の学習を確認する。

2.計算の仕方を考

える。

*式で表した小数の計算の仕方を,レディ

ネス学習と前時の学習を生かして考え

る。

①位をそろえて

書く。

②整数の引き算と同じように小さい位か

ら計算する。

・整数の計算との違いを考える。

③上の小数点にそろえて答えの小数点を

うつ。

○整数の加法と同じ手順で計算を進めることを

確認する。

○「0.1 をもとにすると,44個分と 28個分であ

り 44-28=16 0.1 が 16 個分で 1.6になる」

という基本的な考え方を示しながら,加法と

同じように小数点を打つことを確認する。

3.小数の計算の仕方

を考える。

*4.5-1.5の計算の仕方を考える。

・45-15 の計算の仕方と比較する。

・小数第一位の0の処理について知る。

*5-1.4 の計算の仕方を考える。

①「.0」を補い,位を

そろえて書く。

②小さい位から計算す

る。

③小数点を打つ。

○もう一つのレディネス学習課題であった「45

-15」の計算結果と4.5-1.5の計算結果とを

比較し,最後に0を斜線で処理し,3と答え

ることなどを確認する。

○「5-1.4」などの筆算では,引かれる数を小

数第一位に書く間違いが多いことに触れ,位を

そろえるために「.0」を補うとよいことを説明

する。

◆小数第一位が「0」になる場合の答えの処理

や「.0」を補って計算する方法を理解してい

る。知(机間指導,ノート)

△足し算も引き算も小数第一位に「.0」がある

こと,処理の方法は同じであることを確認す

る。

展開

(三十五分)

4.適用問題に取り組

む。

*教科書 P64⑤⑥に取り組む。

*筆算する場合は,「.0」を補ったり,答

えの「.0」は斜線で消したりすることを

確認する。

◆小数の減法について筆算で計算することができる。

表(プリント,ノート)

△小数第一位の0を斜線で消すこと,「(整数)-

(小数)」の場合は整数に「.0」を補って考え

ることを確認する。

5.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

終末

(

五分)

6.次時の予告を聞

く。

○一連の小数の学習を終え,次時は自分が選んだ

コースに分かれて学習を行うことを知らせる。

コースの問題例などを教室に掲示しておくな

どし,自分に合ったコースを選択するように助

言する。

次のレディネス学習課題

単元シラバスシートを見直して,取り組んでみたいコースを

選んでこよう。

* とびだせコース(教科書にない問題)

* おためしコース(「力をつけよう」の問題)

* がっちりコース(復習の問題)

4.4ℓ の水のうち,2.8ℓ を使いました。

水は何ℓ 残のこ

っていますか。

レディネス学習課題

44-28 をノートに筆算してこよう。

4.5

-1.5

3.0

45

-15

30

5.0

-1.4

3.6

レディネス学習課題

45-15 をノートに筆算してこよう。

4.4

-2.8

1.6

44

-28

16

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資料 28

第9時 単元のまとめ(1/3) 1 学習目標

○小数の問題に進んで取り組もうとする。 【算数への関心・意欲・態度】 ◎学習内容を正しく用いて問題を解決することができる。【数量や図形についての表現・処理】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】 単元シラバスシートを見直して,取り組んでみたいコースを選んでこよう。

* とびだせコース(教科書にない問題)

* おためしコース(「力をつけよう」の問題)

* がっちりコース(復習の問題)

(表現活動に生かす課題)

本時は,これまで学習して得られた計算の技能や表現方法,正しい理解をもとにした知識の習

得をねらいとしている。そのためには,児童それぞれの学習状況に応じて,進んだ内容に取り組

んだり不十分と思われる内容を確かめたりする学習が必要となる。授業では3つのコースを設定

し,どのコースで学習するかを,児童自ら選択できるようにした。その選択がより適切なものと

なるように,レディネス学習では単位時間ごとに自分の取組状況を記入してきた単元シラバスシ

ートを見直し,じっくりと考えて判断できるように配慮する。

3 授業展開のポイント

(1) 授業ではレディネス学習で判断し選択したコースで学習に取り組む。それぞれのコースで

設定してある問題,または自分にとって必要と判断した問題に取り組んでから別のコースに

も取り組めるようにする。

(2) 同じコースを選択した児童同士で情報交換をしながら学習を進めることは必要最小限に

止め,あくまでも自分自身の力を高める場としての雰囲気を大切にする。

(3) 授業の終わりに,単元シラバスシートで本時の学習成果が視覚的にもつかめるよう,成果

があったと感じ取ることができた内容について,色ペン等を使い再度自己評価する活動を取

り入れる。そして,この活動を児童の個人内評価に生かすようにする。

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資料 29

4 学習過程

段階

学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入 (

二分)

1.本時の学習のめあ

てを知る。 *これまでの学習を振り返り,自分に合っ

た内容のコースを選択して,学習を進め

る。

2.コース別の学習方

法について確認す

る。

* とびだせコース

・プリントで発展的な学習の問題に取り

組む。

* おためしコース

・教科書 P65 の「力をつけよう」の問題

に取り組む。

* がっちりコース

・単元シラバスシートの「わかったレベ

ル」を参考に,再度確認の必要な既習

問題に取り組む。

○「とびだせコース」では,授業で大きく扱うこ

とのなかった小数第二位の位をもつ数に関す

る問題や教科書に掲載されていない表現の問

題などを扱い,理解を深めていくようにする。

展開

(三十八分)

3.コース別の学習に

取り組む。

*自分が選択したコースの学習に取り組

む。

・自分のペースで学習を進める。

・答え合わせは,正解が印刷されている

別紙プリントを用いて行う。

・同じコースを選択している者同士で情

報交換してもよいが,他の迷惑になら

ないよう,必要最低限で行う。

・取組の状況によっては,コースを変え

て学習してみる。

○取り組み始めてコースの変更が必要と思われ

る児童には,机間指導を通して助言していく。

○「がっちりコース」で取り組み,理解できたと

思われた場合は,「おためしコース」で確認し

ていくように促す。

◆小数の問題に進んで取り組もうとしている。

関(観察)

△個々の解決すべき課題が見いだせるように助

言する。

◆学習内容を正しく用いて問題を解決すること

ができる。表(観察,プリント)

△既習内容を振り返る際,要点を整理して正しく

理解できるように助言する。

4.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

○通常の記入に加え,本時の学習の成果が感じら

れた部分について,一人一人が確認できるよう

にする。

終末

(五分)

5.次時の予告を聞

く。

○次時はこれまでの小数の学習を生かし,一人一

人が身近な生活の中から見付けた小数を紹介

し合う学習であることを説明する。その際,教

師が見付けた小数を例示するなどして意欲が

高まるようにする。

小数の力をパワーアップしよう

次のレディネス学習課題

身のまわりの小数で,みんなにしょうか

いしたいものを見つけてもってこよう。

(実物,切り抜き,写真など)

レディネス学習課題

単元シラバスシートを見直して,取り

組んでみたいコースを選んでこよう。

* とびだせコース(教科書にない問

題)

* おためしコース(「力をつけよう」

の問題)

* がっちりコース(復習の問題)

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資料 30

第 10 時 小単元名「単元のまとめ」(2/3)

1 学習目標

◎身の回りから小数を見付け,意欲的にまとめようとする。 【算数への関心・意欲・態度】

○学習内容を活用して身の回りの小数について紹介の仕方を考える。 【数学的な考え方】

2 レディネス学習課題と出題の意図

【レディネス学習課題】

身のまわりの小数で,みんなにしょうかいしたいものを見つけてもってこよう。

(実物,切り抜き,写真など)

(生活と結び付ける課題)

児童は「単元のまとめ」に入るまでに,小数第一位の小数の意味とその表し方,小数の加法及

び減法についてひと通り学習している。前時には,その学習内容について自分自身を振り返り,

苦手なところを復習することに取り組んでいる。本時は,再度身近な生活に目を移し,小数がど

んなところで使われているのかに気付くことによって,小数で表すことの利便性を感じることが

できるようにしたい。そこで,「みんなに紹介したい小数」を見付ける課題を設定した。「紹介す

る」という設定から,児童は様々な小数の中から自分の興味・関心に合ったものを選ぶだろう。

身近な実物や切り抜き,写真やスケッチなどを持ち寄ることで,一層学習への意欲を高めると考

えられる。

3 授業展開のポイント

(1)導入の段階で,レディネス学習で見付けた小数を発表し合うことにより友達がどのような

小数に着目したかを知る。この取り上げる段階で,自分が見付けられなかった小数の存在に

気付いた児童は,日常生活において小数が様々なところで使用されていることに興味をもつ

と思われる。

(2)見付けてくる小数について,小数第一位のものとは限定していないので,中にはそれ以下

の位のものを見付けてくる児童が出てくると考えられる。その場合は,小数の学習の発展に

つながるものとして取り上げ,紹介する。

(3)紹介の仕方については実物や写真を示すとともに,その小数がどのような内容を表してい

るのかも考え,自分なりに表現していくよう助言する。

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資料 31

4 学習過程

段階

学習の流れ 学習活動

○教師のはたらきかけと指導上の留意点

◆評価規準と評価の方法

△「努力を要する」と判断した児童への具体的な支援

導入

(

十分)

1.本時のめあてを知

る。

○「小数展覧会」と題して教室にコーナーを設け,

各自の作品を掲示することを提案する。

○身の回りから見付けてきた小数を見せ合うこ

とによって,一人一人に新たな気付きを促すよ

うにし,紹介への意欲を高めるようにする。

2.紹介の仕方を考

える。

*紹介例を見て,自分なりの紹介の仕方を

考える。

<紹介のポイント>

・具体的資料を貼る。

(実物,切り抜き,写真など)

・見付けた場所を書く。

・小数が表していることについて書く。

(どんな時使うものか など)

・小数の大きさについて説明する。

(相対的な大きさ など)

○児童は実物,切り抜き,写真,スケッチなど

を持ってくると考えられるので,可能ならば

それらを画用紙にはり,説明を書き加えてい

く形でまとめるようにする。

◆身の回りから小数を見付け,意欲的にまとめ

ようとしている。関(机間指導,観察)

△小数の紹介は第5時にも行っているので,そ

の学習を想起することで,取組みのきっかけ

をつくるようにする。

◆学習内容を活用して身の回りの小数について

紹介の仕方を考える。考(机間指導,作品)

△分かりやすく紹介するために,教科書 P61 を

参照するなどして,工夫するように助言する。

展開

(三十分)

3.小数について話

し合う。

*見付けてきた小数についてグループで

紹介し合う。

・感想カードを書く。

*「小数展覧会」コーナーに各自の作品を

掲示する。

○グループ内で,自分の見付けてきた小数につ

いて紹介し合い,様々なところで使われてい

る小数への理解を深める。

○その小数を取り上げた理由や紹介の仕方でよ

いところを発表し合うなど,友達のよいとこ

ろを見付けるように促す。

○教室にコーナーを設け,授業後も小数につい

ての意見交換ができるようにする。

4.本時の学習を振り

返る。

*単元シラバスシートに本時の自己評価を

記入する。

終末 (五分)

5.次時の予告を聞

く。

○次時は単元最後の時間であり,テストを実施

することを知らせ,小数の学習についての復

習を促す。

小数展覧会てんらんかい

をしよう

レディネス学習課題

身のまわりの小数で,みんなにしょう

かいしたいものを見つけてもってこよ

う。(実物,切り抜き,写真など)

次のレディネス学習課題

「たしかめよう」に取り組んでこよう。

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資料 32

<学習の目標>

『はしたの大きさの表し方を考えよう』 4年 組( )

はしたの大きさをどのような数で表すのかについて考えます。

その数を使った計算のしかたについて考え,実際に計算してみます。

はしたのかさを表す方法を考えよう (1) かさは見つけられたかな?みんなで発表し合うよ。 (2) かさを表す方法について考えるよ。 感想

1 ペットボトル容

器に□ℓ と書い

てある「かさ」を

ノートに書いて

こよう。 1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

はしたのかさを表そう (1) はしたのかさの表し方を,くわしく学習するよ。 はしたを表すときには ? を使うといいね。

感想

2 1ℓ より少ない

「かさ」を1つ考

えて,めもりにあ

わせて図に表し

てこよう。 1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

カードのたてと横の長さを表そう (1) カードのたてと横の長さを,工夫して表すよ。 (2) 友達はどんなカードを写してきたかな? 感想

3 身のまわりにある

カードを写しとっ

て,たてと横の長さ

をはかってこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

数直線をつくろう (1) マイ数直線をつくるよ。 (2) マイ数直線を使って,数を読んだり書いたりするよ。 感想

4 直線を10等分し

て,0から10ま

での数直線を完

成させてこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

小数を当てるクイズをつくろう (1) 選んだ小数を,友達に当ててもらうクイズをつくるよ。 (2) 前の時間でつくったマイ数直線を使うよ。 感想

5 5~10の間にある

小数を2つ選んで,

矢印↑と数字を記

入してこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

(3) 単元シラバスシート

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資料 33

計算のしかたを説明しよう(1) (1) 小数でも式をたてたり計算したりできるのかな? (2) 計算のしかたの説明を考えるよ。 感想

6 2つあわせて 0.8

になる小数の組み

あわせをノートに

書いてこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

計算のしかたを説明しよう(2) (1) 2年生のときに習った方法を生かして,小数の計算をするよ。 感想

7 34+8の筆算をするときに気

をつけなければならないことは

何か,2年生に教えるつもりで

ノートに書いてこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

計算のしかたを説明しよう(3) (1) 計算するときに気をつけることをたしかめるよ。 感想

8 44-28 と

45-15 をノート

に筆算してこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

小数の力をパワーアップしよう (1) これまでの学習をふりかえり,コースごとに学習するよ。 感想

9 単元シラバスシートを見直して,取り組んでみたいコースを選んでこよう。 *とびだせコース *おためしコース *がっちりコース

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

小数てんらん会をしよう (1) 自分の見つけた小数を,友達にしょうかいするよ。 (2) 友達のしょうかいのしかたはどうかな? 感想

10 身のまわりの小数で,

みんなにしょうかい

したいものを見つけ

てもってこよう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル

まとめをしよう (1) 「たしかめよう」の答え合わせをするよ。 (2) ワークテストで力をためそう。がんばれ! 感想

11 「たしかめよう」

に取り組んでこ

よう。

1 2 3 4

できたレベル

1 2 3 4

やる気レベル

1 2 3 4

わかったレベル