3 コロンビア - maff.go.jp3 連山...

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平成 26 年度 海外農業・貿易事情調査分析事業(米州) プロマーコンサルティング 3 コロンビア Courtesy of the University of Texas Libraries, The University of Texas at Austin 図 11 コロンビア地図 社会 面積 1,139,000 平方キロメートル (日本の約 3 倍) 経済 実質 GDP 成長率 4.26% (GDP) 名目 GDP 3,781.2 億ドル (2013 ) 首都 ボゴタ 一人当たり GDP 8,098 米ドル (名目、2013 ) 言語 スペイン語 為替レート 1 ドル=1,923 ペソ (2013 年期末値) 宗教 カトリック インフレ率 1.94% (2013 ) 人口 47,661,787 人(2014 年) 失業率 9.6% (2013 ) 人種構成 混血 75%、欧州系 20%、アフリカ系 4%、先 住民 1% 外貨準備高 427.5 億ドル 政治 非識字率 5.7% (2013 年) 対外債務残高 918.7 億ドル 政体 立憲共和制 輸出額 588.2 億ドル 大統領 フアン・マヌエル・サントス・カルデロン (Juan Manuel Santos Calderón) 輸入額 593.8 億ドル 対日 関係 コロンビアの対日輸出額 388 億円 (2013 ) 議会制度 二院制(上院 102 名、下院 166 名) コロンビアの対日輸入額 1,479 億円 (2013 ) 主要政党 国民統一党(Partido de la U)、民主中央運動 (Centro Democrático)、保守党(Partido Conservador)、自由党(Partido Liberal) 在留邦人数 1,447 (2013 10 ) 在日コロンビア人数 607 (2013 7 ) 日系法人数 76 (2013 10 ) 出所)外務省、JETRODANE 表 53 コロンビア概要 71

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平成 26 年度 海外農業・貿易事情調査分析事業(米州) プロマーコンサルティング

3 コロンビア

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Lib

rarie

s, T

he U

nive

rsity

of T

exas

at A

ustin

図 11 コロンビア地図

社会

面積 1,139,000 平方キロメートル

(日本の約 3 倍)

経済

実質 GDP 成長率 4.26% (GDP)

名目 GDP 3,781.2 億ドル (2013 年)

首都 ボゴタ 一人当たり GDP 8,098 米ドル (名目、2013 年)

言語 スペイン語 為替レート 1 ドル=1,923 ペソ

(2013 年期末値)

宗教 カトリック インフレ率 1.94% (2013 年)

人口 47,661,787 人(2014 年) 失業率 9.6% (2013 年)

人種構成 混血 75%、欧州系 20%、アフリカ系 4%、先

住民 1% 外貨準備高 427.5 億ドル

政治

非識字率 5.7% (2013 年) 対外債務残高 918.7 億ドル

政体 立憲共和制 輸出額 588.2 億ドル

大統領 フアン・マヌエル・サントス・カルデロン

(Juan Manuel Santos Calderón)

輸入額 593.8 億ドル

対日

関係

コロンビアの対日輸出額 388 億円 (2013 年)

議会制度 二院制(上院 102 名、下院 166 名) コロンビアの対日輸入額 1,479 億円 (2013 年)

主要政党

国民統一党(Partido de la U)、民主中央運動

党(Centro Democrático)、保守党(Partido

Conservador)、自由党(Partido Liberal)

在留邦人数 1,447 人 (2013 年 10 月)

在日コロンビア人数 607 人 (2013 年 7 月)

日系法人数 76 社 (2013 年 10 月)

出所)外務省、JETRO、DANE

表 53 コロンビア概要

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表 54 コロンビアのマクロ経済データ

2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年

実質 GDP 成長率(%)2005 年基準 5.33 4.71 6.70 6.90 3.55 1.65 3.97 6.59 4.05 4.26

一人あたりの GDP(名目) - USD 2,763 3,417 3,746 4,722 5,489 5,199 6,306 7,304 7,936 8,098

消費者物価上昇率(%) 5.50 4.85 4.48 5.69 7.67 2.00 3.17 3.73 2.44 1.94

失業率(%) 15.1 13.6 12.5 11.1 11.3 12.6 11.9 10.9 10.8 10.2

輸出額 (FOB) – (100 万 USD) 16,788 21,190 24,391 29,991 37,626 32,846 39,713 56,915 60,125 58,822

輸入額 (CIF) –(100 万 USD) 16,764 21,204 26,162 32,897 39,666 32,891 40,486 54,233 59,048 59,381

貿易収支(国際収支ベース) - (100 万 USD) 1,346 1,595 323 -584 971 2,529 2,341 6,090 4,744 2,832

GDP産業別構成 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年

(単位:10 億ペソ)

金融・保険・不動産 58,997 65,096 71,986 80,970 90,416 97,973 105,048 113,878 123,852 132,856

社会サービス等 49,537 54,210 59,103 65,557 71,926 79,291 86,280 93,796 103,681 112,952

商業・修理・飲食・ホテル・レストラン 37,267 40,335 45,542 51,971 55,807 58,395 63,210 70,332 75,663 80,718

製造業 44,359 48,082 54,706 62,316 66,870 66,428 69,527 76,497 79,973 79,605

鉱業・採石 17,695 21,371 25,349 25,722 37,689 36,391 45,960 68,943 73,343 75,726

農林水産業 24,347 26,279 28,269 30,686 32,964 34,632 35,431 38,722 38,368 39,098

その他 75,560 84,783 98,943 113,850 124,415 131,537 139,468 157,726 170,561 185,722

総計 307,762 340,156 383,898 431,072 480,087 504,647 544,924 619,894 665,441 706,677

出所)JETRO

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3.1 主要作物の生産・貿易動向

農業概況 3.1.1

地理・気候

コロンビアは南米の北部に位置し、南米諸

国の中で唯一大西洋(カリブ海)及び太平洋

の両大洋に面している国であり、スペイン植

民地時代から重要な物流の拠点として栄えて

いた。

同国ではまた、アンデス山脈が三つの連山

に枝分かれをし、多くの人口はこれら 3 連山

のある地域に住んでいる。さらに、アマゾン、

オリノコ及びマグダレナといった大河もあり、

国土は山と川が入り組み、半ば分断状態にあ

るといえる。コロンビアは赤道付近に位置し

ているものの、気候は標高により大きく異な

り、標高の高い地域では気温が低い。ほぼ全

土で雨季と乾季に分かれ、4-6 月及び 8 月―

11 月は雨期に当たり、それ以外は乾季となる

地域が多い。

コロンビア本土はその地理的多様性から、

大きく 5 つの地域(カリブ、アンデス、太平洋沿岸、オリノキア及びアマゾン)に大別される 48。

カリブ地域(Caribe)はカリブ海沿岸 1,600km に広がり、ラ・グアヒラ県の砂漠地帯から、アンティオキ

ア県北部のウラバ湾岸のジャングルまでカバーしている。カリブ海の気候に影響を受ける。

アンデス地域(Andes)はアンデス山脈が広がる地域を中心に、三つの連山の間にある渓谷及び高原が含

まれる。この地域には人口が集中しており、肥沃な土地でもあるため、多様な作物が栽培されている。

太平洋沿岸地域(Pacífico)はコロンビアの中西側に当たるチョコ県からナリニョ県を含む 1,300km の沿

岸にあたる。同地域では砂糖を中心に栽培され、最近ではコーヒーの生産も増えている。

オリノキア地域(Orinoquia)はアンデス東側連山からベネズエラの国境まで続く平原地帯を指し、草原や

森林地帯が広がっている。オリノキア地域はコロンビア国土の 20%を占めている。この地域では草原を利

用した牧畜も盛んである。

アマゾン地域(Amazonía)はジャングル地帯であり、動植物の種類が最も多い地域の一つでもある。先住

民が多く居住している地域で多数の国立公園が存在している。

大陸以外にコロンビアは両大洋に浮かぶ諸島を領有しており、カリブ海岸ではサン・アンドレス及びプ

48 (ProColombia, n.d.)

図 12 コロンビアの地形図

出所)Wikimedia より編集

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ロビデンシア諸島、太平洋岸ではゴルゴーン諸島等がある。

図 13 コロンビアの行政区分

出所)Freemap より編集

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出所)Shadowfox 及び Freemap より編集

農業人口

コロンビアの人口は 4,766 万人である。国家統計局(DANE)によれば、都市部(Cabecera)の人口は 76.3%を示し、農村部は 23.7%であった。都市部人口が最も多いボゴタ、アンティオキア、バリェ・デル・カウ

カ及びアトランティコはそれぞれボゴタ、メデジン、カリ及びバランキージャといった百万人を超える都

市を抱えている県である。都市部人口が最も少ない県としてはグアイニア、バウペス及びアマソナス県が

あり、いずれもコロンビア東部のアマゾン地域に位置している。

表 55 都市部・農村の人口(2014 年)

人口 割合 都市部 36,359,268 76.3% 農村部 11,302,519 23.7% 合計 47,661,787 100% 出所)DANE, Estimaciones de Población 1985-2005

図 14 コロンビアの気候区分

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表 56 県別人口(2014 年) 県名 農村人口 都市部人口 農村人口割合

アンティオキア 1,399,703 4,978,429 21.9 アトランティコ 106,386 2,325,617 4.4 ボゴタ 16,394 7,760,451 0.2 ボリバル 470,447 1,602,557 22.7 ボヤカ 557,943 716,672 43.8 カルダス 281,188 704,854 28.5 カケタ 192,824 278,717 40.9 カウカ 825,578 541,406 60.4 セサル 261,215 755,318 25.7 コルドバ 796,558 887,224 47.3 クンディナマルカ 869,327 1,769,732 32.9 チョコ 251,776 243,375 50.8 ウイラ 457,723 682,816 40.1 ラ・グアヒラ 420,581 509,562 45.2 マグダレナ 334,215 913,299 26.8 メタ 229,852 713,220 24.4 ナリニョ 877,447 845,498 50.9 ノルテ・デ・サンタンデル 291,055 1,052,983 21.7 キンディオ 69,447 492,667 12.4 リサラルダ 206,815 739,817 21.8 サンタンデル 507,808 1,543,214 24.8 スクレ 280,612 562,590 33.3 トリマ 446,051 958,211 31.8 バリェ・デル・カウカ 577,941 3,988,934 12.7 アラウカ 96,423 163,024 37.2 カサナレ 91,853 258,386 26.2 プトゥマヨ 175,939 165,095 51.6 サン・アドレス 21,288 54,513 28.1 アマソナス 47,225 28,163 62.6 グアイニア 28,300 12,539 69.3 グアビアレ 45,864 63,626 41.9 バウペス 26,656 16,584 61.6 ビチャダ 40,085 30,175 57.1

合計 11,302,519 36,359,268 23.7 出所)DANE 同上

農村人口が最も多い県はアンティオキア、ナリニョ及びクンディナマルカ県である一方で、人口比率で

みてみると、アマゾン地域のグアイニア、アマソナス及びバウペス県がいずれも 60%の農村人口比率を示

している。

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県名 人口比率 グアイニア 69.3 アマソナス 62.6 バウペス 61.6 カウカ 60.4 ビチャダ 57.1

全国平均 31.1

表 57 農村人口の最も多い 5 県(左)及び農村人口比率の最も高い 5 州(右)

出所)DANE 同上

国内の治安状況等が原因でコロンビアでは長らく農業に関する総合的な国勢調査が行われてこなかった。

最後の調査に当たる第 2 回全国農業国勢調査(Censo Nacional Agropecuario)が行われたのは 1970 年で

あるため、その情報は既に古くなっている。サントス政権は 2013 年 11 月から第 3 回の国勢調査の実施し

ており、その結果は 2015 年に公表される予定である。

より直近の情報を集計している調査として国家統計局(DANE)の全国農牧アンケート(Encuesta Nacional Agropecuaria、ENA)がある。最新の ENA は 2013 年のものであり、対象地域はコロンビアに

ある 32 県の内、最も農業活動が盛んな 22 県、そしてアンケート内容からはアブラヤシ、バナナ及びサト

ウキビの情報が対象外となっている。さらに、カバーされている地域の内、対象外又はアンケートが不可

能となっている地域を外すと、ENA がカバーしている地域はコロンビア全土の 33.2%に相当する 49。

そのため、ENA のデータと後述する Agronet が集計している作物ごとのデータが一致しない点に留意

が必要である。右の留意点を踏まえつつ、コロンビア農村の最も新しい情報を網羅している ENA の公表

データを元にコロンビア農村について述べる。

生産単位(UP)の数は約 170 万であり、最も集中しているのは、ボヤカ、クンディナマルカ、サンタンデ

ル及びアンティオキア等のアンデス地域である。同地域にはボゴタやメデジン等の大都市があるため、人

口が集中しているのみならず、肥沃な土地があるため、その農業人口も大きいことがわかる。

ENA の対象となっている県・地域のうち、土地面積が最も大きい県はメタ県であり、その面積は 540万ヘクタールである。農作物の栽培に使われている面積は 22 県合計で 275 万ヘクタールであり、総面積

の内の 7.3%に相当する。

農作物の栽培面積が最も多い県はオリノキア地域のカサナレ県であるが、これに次ぐトリマ、サンタン

デル、ウイラ及びアンティオキア県はいずれもアンデス地域に位置しており、同地域はコロンビアの農作

物栽培にとって重要な地域であるといえる。

特筆すべき点として、ENA の対象地域の中で牧畜に使用される面積が非常に大きいことである。牧畜

に使われる面積は 22 県合計で 3,036 万ヘクタールであり、ENA の UP が所有している土地面積の 80%は

牧畜に充てられていることがわかる。牧畜に使われる面積が最も多い県はオリノキア地方のメタ県であり、

平原が広がる同地域では特に牧畜活動が盛んである。オリノキア地域以外ではアンティオキア及びサンタ

ンデルより北側のカリブ海岸の県にも牧畜に使用される面積が多い。

49 (DANE 2013)

県名 農村人口 割合 アンティオキア 1,399,703 21.9 ナリニョ 877,447 50.9 クンディナマルカ 869,327 32.9 カウカ 825,578 60.4 コルドバ 796,558 47.3

全国合計 11,302,519 100

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表 58 コロンビア県別の土地面積及びその用途(2013 年) 県 生産単位数(UP) 土地面積 (ha) 農作物栽培面積(ha) 牧畜使用面積(ha) 森林(ha) その他の使用(ha)

アンティオキア 86,635 3,981,883 181,842 3,080,058 658,152 61,830

アトランティコ 9,544 278,211 10,323 254,439 6,361 7,087

ボリバル 26,746 1,482,699 86,728 1,310,533 45,488 39,948

ボヤカ 341,544 1,800,267 117,374 1,197,455 444,025 41,412

カルダス 29,691 654,385 115,749 416,577 111,482 10,575

カウカ 197,113 1,299,966 127,658 938,114 211,838 22,354

セサル 16,321 1,973,570 102,634 1,671,735 133,791 65,409

コルドバ 45,888 1,908,483 83,612 1,762,692 21,399 40,778

クンディナマルカ 255,005 2,042,398 164,707 1,442,853 382,329 52,508

ウイラ 74,288 1,384,671 200,126 971,800 165,626 47,118

ラ・グアヒラ 6,545 1,680,539 15,564 1,578,371 60,738 25,864

マグダレナ 13,898 1,634,146 83,922 1,405,254 99,378 45,590

メタ 28,332 5,339,684 180,372 4,742,011 321,815 95,484

ナリニョ 222,805 767,648 142,233 566,039 42,647 16,727

ノルテ・デ・サンタンデル 62,473 1,308,069 120,834 887,533 281,070 18,631

キンディオ 8,654 157,797 45,109 71,487 35,711 5,489

リサラルダ 15,630 196,138 72,579 85,918 33,017 4,623

サンタンデル 91,794 2,317,352 219,935 1,824,810 237,021 35,584

スクレ 33,202 877,840 87,854 756,728 2,822 30,434

トリマ 81,575 1,816,103 236,646 1,326,027 218,009 35,419

バリェ・デル・カウカ 25,641 888,667 111,533 572,115 169,740 35,277

カサナレ 24,475 4,025,010 247,924 3,499,806 215,176 62,103

22 県合計 1,697,807 37,815,535 2,755,270 30,362,366 3,897,645 800,253

出所)DANE-ENA 2013

GDP における農林水産業

コロンビアの農林水産業の GDP は 2008 年及び 2009 年にマイナスを記録したものの、近年では増加傾

向にあり 2013 年にはコロンビア全体の GDP より高い成長率を見せた。

表 59 コロンビア GDP と農林水産業 GDP 成長率の推移(2006 年から 2013 年)

単位:%

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 全 GDP 6.7 6.9 3.5 1.7 4 6.6 4 4.3 農林水産業 GDP 2.4 3.9 -0.4 -0.7 0.2 2.1 2.5 5.2 出所)農業地方開発省

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主要作物の生産動向 3.1.2

農業

コロンビア農業地方開発省の Agronet 統計では、全国の栽培面積を7つのカテゴリーに分けている。以

下は各カテゴリーの補足説明とコロンビアの代表的な農産品である。

加工用・油糧種子類・その他

このカテゴリーでは生食用ではなく加工用に作られる農産品を指している。例:コーヒー、アブラヤ

シ、サトウキビなど。なお、2011 年まで大豆も同カテゴリーに含まれていたが、2012 年の統計より野菜・

豆類に属している。本報告書では大豆の 2012 年及び 2013 年の統計データを 2007 年から 2013 年のデー

タとともに加工用・油糧種子類のカテゴリーの中に含めている。

穀物類

食用穀物の他に飼料用トウモロコシも含まれる。例:コメ、トウモロコシ、ソルガムなど。

根菜類・プランテン

生食用バナナと異なり、プランテンは根菜類のカテゴリーに属している。例:ジャガイモ、キャッサバ、

ヤムイモなど。

果実類

生食用バナナはこのカテゴリーに含まれる。例:アボカド、マンゴー、パイナップルなど。

野菜・豆類

野菜や豆類の他に、ピーナッツ等の落花生、マッシュルーム等のキノコ類、トウガラシやコリアンダー

等も含まれる。例:インゲン豆、えんどう豆、タマネギなど。

薬草・香辛料植物

香草やスパイス用植物、薬草の他に染料の原料となる植物も含まれる。例:カルダモン、ベニノキ、ア

ロエ

花卉類

観賞用の草花が含まれる。例:アジサイ、バラ、ヒマワリなど。

コロンビア農業地方開発省が 2007年から 2013年までの期間の農畜産生産動向をまとめた統計 50によれ

ば、2013 年の農業栽培面積は 514 万ヘクタールである。5 年前比べ、栽培面積は 60 万ヘクタール増え、

13.3%の増加である。

50 (Grupo de Estadísticas e Información Sectorial 2014)

79

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表 60 農業栽培面積の内訳(ha) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

加工用・油糧種子類・その他 1,896,901 1,935,574 1,979,136 2,082,474 2,221,723 2,281,502 2,339,852

穀物類 1,157,242 1,188,539 1,184,055 1,143,190 1,160,071 1,163,880 1,215,853

根菜類・プランテン 829,418 816,058 844,725 886,351 865,416 871,802 905,587

果実類 337,939 343,519 348,160 354,643 364,816 395,982 407,156

野菜・豆類 249,328 251,832 254,445 252,507 270,605 257,485 268,947

薬草・香辛料植物 1,447 1,487 1,888 2,049 2,014 2,371 2,608

花卉類 537 1,400 1,617 1,723 1,923 2,087 2,369

合計 4,472,812 4,538,410 4,614,026 4,722,936 4,886,568 4,975,109 5,142,372

出所)Agronet より Promar 編集

最も大きな栽培面積を有しているのは「加工用・油

糧種子類その他」のカテゴリーであり、同カテゴリー

にはコロンビアの主な輸出品目であるコーヒーやサト

ウキビ等が含まれている。5 年間で栽培面積を 40.4 万

ヘクタール、20.8%増やし、総栽培面積の約 45.5%を

占めている。

次いで栽培面積が多いのは穀物類であり、全体の

23.6%を占める。過去 5 年でその面積を 2.7 万ヘクタ

ール増やしているがそのほとんどはコメの栽培面積の

増加分であり、トウモロコシを除くその他の主な穀物

(ソルガム、小麦等)は減少傾向にある。「根菜類・プランテン」のカテゴリーは全体の 17.6%を占め、

過去 5 年で約 9 万ヘクタール増えている。その主な作物はプランテンであり、同カテゴリーの約半分を占

め、過去 5 年で約 5 万トン増えている。その他にキャッサバやジャガイモ等の主要な穀物も栽培面積が増

えている。

果実類の栽培面積は 40 万ヘクタールであり、全体の 7.9%である。コロンビアの多様な気候を反映し、

果実の種類が多い。農業地方開発省は 75 種類の果実の生産統計を取っており、その中で最も栽培面積が

大きいのは生食用バナナである。また、アボカドの栽培面積は最も大きく増えている。2013 年は 4.5 万ヘ

クタールであり、果実類の中で生食バナナに次いで多い。

野菜・豆類(大豆を除く)の栽培面積は 26.8 万ヘクタールであり、全体の 5.2%を占めている。その内、

インゲン豆は最も多く栽培されており、全体の約半分に相当する 13.2 万ヘクタールを占める。「薬草・香

辛料植物」また「花卉類」は比率では非常に小さいが、近年栽培面積を増やしている。

以下、各カテゴリーの統計を栽培面積の多い順に示し、その内の主要作物に関する詳細説明を加える。

45.5%

23.6%

17.6%

7.9% 5.2%

0.1%

加工用・油脂類・その他 穀物類 根菜類・プランテン 果実類 野菜・豆類 薬草・香辛料植物 花卉類

0.05%

図 15 カテゴリー別の内訳(2013 年)

80

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加工用・油糧種子類・その他

表 61 加工用・油糧種子類・その他の栽培面積(ha) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

コーヒー 860,245 866,717 873,367 884,497 922,499 956,773 974,014

アブラヤシ 322,030 328,492 347,860 414,958 476,591 512,761 536,809

サトウキビ 443,759 450,983 457,129 462,412 465,070 479,392 478,762

(内、砂糖用サトウキビ) 203,895 206,636 209,174 220,047 226,895 233,567 231,358

カカオ 141,078 151,000 165,175 175,740 188,615 198,049 193,656

ゴムの木 18,429 25,129 32,862 39,624 41,173 43,883 48,924

大豆 25,597 29,774 28,116 25,312 38,837 26,601 38,570

綿花 42,609 45,530 36,600 44,080 53,428 28,172 31,090

フィケ (Furcraea Andina) 24,644 23,361 23,139 21,488 20,689 18,417 18,513

タバコの木 14,945 11,345 9,512 10,263 11,977 14,279 14,269

ゴマ 3,484 2,792 4,772 3,167 1,951 2,518 4,086

その他 82 451 605 934 894 656 1,159

合計 1,896,901 1,935,574 1,979,136 2,082,474 2,221,723 2,281,502 2,339,852

出所)Agronet より Promar 編集

表 62 加工用・油糧種子類・その他の生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

サトウキビ 22,490,023 20,549,391 24,908,006 21,536,846 23,998,801 22,107,427 22,072,661

(内、砂糖用サトウキビ) 21,193,588 19,311,753 23,686,671 20,295,939 22,767,016 20,836,972 20,724,348

アブラヤシ 752,157 815,626 862,747 930,475 1,075,055 1,139,722 1,210,468

コーヒー 828,898 828,586 708,891 779,235 640,432 622,283 653,160

大豆 52,196 59,731 58,836 55,489 80,873 66,905 98,389

カカオ 57,467 58,722 58,499 68,987 75,102 83,370 79,685

綿花 102,415 98,685 79,073 96,553 121,077 53,215 73,207

タバコの木 25,967 19,862 16,900 17,451 18,872 22,722 23,944

フィケ (Furcraea Andina) 21,331 20,860 21,618 23,960 22,025 19,746 18,326

ゴムの木 4,194 3,871 5,046 6,442 9,980 9,207 11,944

ゴマ 2,555 1,973 2,087 1,711 2,587 2,311 3,081

その他 54 132 353 368 464 2,515 3,735

合計 24,337,257 22,457,440 26,722,056 23,517,517 26,045,269 24,129,423 24,248,602

出所)Agronet より Promar 編集

- サトウキビ

コロンビアの統計では砂糖の精製に用いられるサトウキビ(caña azucarera)と日本の黒砂糖に相当す

るパネラの製造に用いられるサトウキビ(caña panelera)の二つに大きく分けられる。砂糖用のサトウキ

ビは栽培面積及び生産量の上でもコロンビアの農業にとって重要な作物である。次頁の表で示されている

通り、サトウキビの栽培面積は増加傾向にあり、特に砂糖の国際価格が高騰した 2011-2012 年には収穫

面積が大きく伸びている。しかし、その後の世界的な供給過剰により 2013 年の砂糖価格が下落し、それ

81

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に伴いコロンビア国内の砂糖生産もまた調整期間に入った 51。コロンビアの砂糖産業を束ねる団体として

コロンビアサトウキビ生産者協会(ASOCAÑA)が存在し、その歴史は古く 1959 年に設立された。

ASOCAÑA はコロンビアの 13 の製糖企業から構成されており、本部はカリに置かれ、ボゴタに事務所を

構えている。

同協会はコロンビアの貿易政策や農業政策にも積極的に関与している。ASOCAÑA は現在コロンビア農

業協会(SAC)役員会の会長を務めており、政府の経済協定交渉やマクロ経済に関する政策策定の際に積

極的に意見の提案を行っている。特にコロンビアがチリ、ペルー及びメキシコと締結した太平洋同盟では、

ASOCAÑA の働き掛けがあり、砂糖、異性化糖や砂糖調製品の一部が交渉の対象外になることに成功して

いる。また、ブラジル、インド、タイ等の砂糖輸出国通貨は対ドルに対して大きく下がっているのに比べ、

コロンビアペソの対ドルレートは安くなっておらず、これは輸出競争力を削ぐという観点から、同協会は

コロンビア中央銀行や財務公債省に対して積極的なドル買いペソ売りを提唱している。

ASOCAÑA はまた、サトウキビ生産の生産性向上に努め、傘下にはサトウキビ研究センター

(CENICAÑA)を擁する。CENICAÑA は 1977 年に設立され、品種改良や技術革新の研究を行い、その

成果を定期的に企業メンバーや生産者に公表している。ASOCAÑA はその他にコロンビアサトウキビ技術

者協会(TECNICAÑA)や砂糖・蜜国際貿易社(CIAMSA)を傘下企業として運営している。CIAMSAは 1961 年に設立されコロンビア産砂糖と蜜の輸出を行っている。また、砂糖の国内価格が安定するため

に作られている砂糖価格安定化基金の運営も行っている。

表 63 砂糖用サトウキビの生産推移(2007-2013) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 203,895 206,636 209,174 220,047 226,895 233,567 231,358

収穫面積 (ha) 185,820 158,449 193,643 172,663 181,426 207,462 186,523

生産量 (t) 21,193,588 19,311,753 23,686,671 20,295,939 22,767,016 20,836,972 20,724,348

出所)Agronet

ASOCAÑA によれば、サトウキビの生産に従事する労働者は 18 万人であり、砂糖業界(パネラを除く)

全体では 72 万の雇用を創出している。

表 64 砂糖用サトウキビの県別生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

バリェ・デル・カウカ 16,515,237 15,073,610 18,566,966 15,945,561 16,897,409 16,649,142 16,586,008

カウカ 4,038,610 3,638,010 4,384,812 3,780,936 5,085,134 3,675,157 3,604,494

カルダス 264,161 247,460 307,676 266,684 339,751 254,349 250,684

リサラルダ 272,195 248,647 302,108 256,145 377,977 222,347 248,052

キンディオ 0 0 27,084 23,268 28,488 22,634 19,109

ノルテ・デ・サンタンデル 103,385 104,025 98,025 23,345 38,258 13,343 16,000

合計 21,193,588 19,311,753 23,686,671 20,295,939 22,767,016 20,836,972 20,724,348

出所)Agronet

砂糖用サトウキビの主な産地はバリェ・デル・カウカ県で、全生産量の 80%を占めている。その次に生

産量の多い県はバリェ・デル・カウカ県に隣接するカウカ、リサラルダ、キンディオ県や近隣のカルダス

県である。これらの県を通るカウカ川に沿ってサトウキビが生産されており、カウカ川の谷は一大産地で

51 (ASOCAÑA 2014)

82

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ある。この地域は平野が多く、サトウキビの生産に適していることが原因で、古くから栽培が行われてい

る。

- パネラ (Panela)

パネラとは分蜜をしない砂糖であり、日本の「黒砂糖」に相当する砂糖である 52。コロンビアではパネ

ラはパネラ用サトウキビから作られる。パネラ用サトウキビは砂糖用サトウキビと大差はなく、コロンビ

アサトウキビ研究センター(CENICAÑA)でパネラの生産地に適するよう品種改良された品種が主に使

用されている。サトウキビを収穫後、圧搾機で絞り汁を作り濾過した後、異なった温度(70º、 96º、120º-125º)で糖液を加熱し、濃縮が行われる。職人の手により糖液を混ぜながら空気を入れてある程度冷ました後、

型に入れて固形化する 53。

コロンビアでは、パネラの生産量は近年増加しているものの、その増加率は人口の増加率より低く、国

民一人あたりの消費量は減少している 54。その原因として挙げられるのは、消費者の間で砂糖に比べパネ

ラは「劣っている」との認識があり、小売価格が砂糖より安いことも影響している。パネラ生産者連盟

(FEDEPANELA)の分析によると消費者の所得が 1%上がるごとにパネラの消費が 0.5%減少し、パネラ

から砂糖へと消費が移行する傾向がある。また、砂糖に比べ、これまでパネラの品質や重量、製造工程や

商品成分に関する規格等が不足していたことが背景にあり、消費者離れが生じ、海外市場への進出が難し

かった。その他に、人工飲料の消費増加や甘味料の多様化が間接的にパネラの消費減少につながっている。

表 65 パネラ用サトウキビの生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 232,839 237,905 240,627 237,406 232,386 239,200 241,794

収穫面積 (ha) 198,652 197,093 194,786 198,669 196,416 201,624 212,265

生産量 (t) 1,272,855 1,215,523 1,198,183 1,225,874 1,216,092 1,253,993 1,330,809

出所)Agronet

パネラの品質向上、消費者への安全な商品の提供、そして国内外市場の進出のために、FEDEPANELAはコロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)とともに、パネラ生産者向けの衛生基準を策定した。具体的

にはパネラの生産と流通に関する要件を明確にし(厚生社会保障省 2006 年省令第 779 号)、製造業者を登

録制にし、パネラ製造場と住居の空間の区別、原料集荷、製造、保管や衛生施設の区別を義務付け(2008年省令第 3462 号)、そして容器や梱包の表示要件等について定められている(2009 年省令第 3544 号)。

2009 年現在、INVIMA にパネラ製造者として登録した事業者は 17,700 戸にのぼり、その 55.7%はクン

ディナマルカ、アティオキア及びカウカ県に集中している。これら製造業者の生産能力は月 61,895 トン

であり、輸出実績がある製造者は 57 にとどまっている 55。

52 (荒尾 2012) 53 (Osorio Cadavid 2007) 54 (“Cadena Agroindustrial de La Panela (MADR),” n.d.) 55 (INVIMA 2009)

83

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表 66 パネラ用サトウキビの県別生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

サンタンデル 244,656 218,827 202,650 227,617 232,111 238,013 285,512

クンディナマルカ 185,427 178,712 185,150 216,091 186,815 193,083 193,030

ボヤカ 198,060 192,831 177,758 160,677 159,752 176,193 181,448

アンティオキア 158,236 156,449 161,786 162,647 148,949 156,133 161,217

ナリニョ 80,806 68,711 93,381 78,768 100,855 103,123 104,138

トリマ 74,544 71,838 52,166 55,249 54,244 62,864 68,134

カウカ 59,499 59,032 59,188 58,190 58,767 57,696 58,775

カルダス 56,269 53,944 45,472 43,213 49,180 53,968 46,274

ウイラ 56,348 48,073 48,669 48,633 52,131 42,472 44,932

ノルテ・デ・サンタンデル 42,340 42,140 45,632 44,665 45,571 41,339 44,621

その他 116,672 124,967 126,332 130,124 127,717 129,110 142,729

合計 1,272,855 1,215,523 1,198,183 1,225,874 1,216,092 1,253,993 1,330,809

出所)Agronet

パネラはコロンビア全土で作られているが主な生産地はサンタンデル、ボヤカ及びクンディナマルカ県

であり、3 県はコロンビア全体の約半分の生産量を産出している。その中でもサンタンデルとボヤカ県に

またがるスアレス川が形成するスアレス川盆地(Hoya del rio Suárez)はパネラの一大生産地であり、製

造所が集積するだけでなく、早くから技術改良が進み 56、単収も高い。しかし、パネラ用サトウキビの生

産はもっぱら小規模生産者によって行われており、2005 年時のパネラ用サトウキビ生産者は 7 万戸であ

った。50ha 以上の栽培地を所有している生産者は全体の 5%程度であり、スアレス川盆地では平均的な栽

培面積は 20 – 50ha、生産量は 100-300kg/時である。同地域以外では栽培面積が小規模であり、その生産

量も限定的である。また、輸出志向の強い砂糖産業と異なり、パネラは国内向けであり、大規模な機械化

は行われず労働集約的な産業であると言える、その単収もまた砂糖産業の 1/3 であるとの報告がある 57。

パネラの生産は通年行われ、2005 年におけるパネラ生産・製造に従事する者は 35 万人を数えた。また、

前述のとおり、パネラは精製糖に比べ廉価な商品であるため、主に低所得層または農村部での消費量が多

い 58。コロンビア人一人あたりのパネラ消費量は 34.2kg であり、世界一である。

- アブラヤシ

アブラヤシの栽培面積は内陸のメタ県やカサナレ県で特に大きく増加している。また、総栽培面積はコ

ーヒー、トウモロコシ及びコメに次いで 4 位であり、コロンビアの主要な作物であることがわかる。アブ

ラヤシの生産は近年増加しており、2011 年には生産量が百万トンを超えた。アブラヤシ生産者連盟

(FEDEPALMA)によればコロンビア国内の油糧種子類全体の需要は 2013 年に 143 万トンであり、その

内アブラヤシから作られるパーム油とパーム核油は全体の 69%を占めた。人口の増加に伴い国内消費量も

増えており、また一人あたりの消費量が 30.5kg と 5 年前より 8kg 多くなっていることから、今後も内需

が引き続き拡大するとみられている。現在パーム油の生産を上回るほどの油糧種子類の需要があるため、

年間約 50 万トンの油糧種子類(大豆油及びパーム油等)をアルゼンチンやエクアドルなどの近隣諸国か

56 具体的には新しい品種の導入、肥料の使用、病害虫の管理、定期的な植え替え等((Rodriguez et al. 2004) 57 (Rodriguez et al. 2004) 58 なお、精製糖は国際価格に左右されるため、過去には精製糖価格はパネラ価格を下回ったことがある。その時、砂

糖を溶解し、パネラとして販売する業者が現れた。その結果、パネラに似た商品の供給が増加し、パネラの価格が下

がった。このような事態を阻止するため 2004 年に「パネラの品質を監督する業界間委員会」が設置され、パネラの品

質管理に関する農業農村開発省省令第 1774 号が定められた。(“Cadena Agroindustrial de La Panela (MADR),” n.d.)

84

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ら輸入している状況である。 表 67 アブラヤシの生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 322,030 328,492 347,860 414,958 476,591 512,761 536,809

収穫面積 (ha) 221,601 246,586 258,957 284,290 334,466 344,693 381,073

生産量 (t) 752,157 815,626 862,747 930,475 1,075,055 1,139,722 1,210,468

出所)Agronet

県別生産量を見てみると、メタ県の生産量が近年大きく伸びていることがわかる。全国的にみて新しく

植樹された場合が多いため、全体の樹齢は 12.7 と比較的若いものの、北部の生産地では病害(PC 病)が

発生し、生産量を落としている県がある。アブラヤシの国内での主な用途は食用油、その他加工食品及び

石鹸であり、バイオ燃料としての用途が近年増えている。コロンビアのバイオ燃料混合率は段階的に引き

上げられているため、今後そのような用途が増えると考えられる。

また FEDEPALMA は 1994 年に創設された「アブラヤシ促進基金(Fondo de Fomento Palmero)」を

農業地方開発省からの委託を受け運用している。同基金の財源はアブラヤシから搾汁される油に対して課

される課金であり、その用途は研究開及び流通促進(輸出振興等)である。その他に生産者の収入保障を

行う「アブラヤシ、パーム油及びその調製品価格安定化基金(Fondo de Estabilización de Precios Para el Palmiste, el Aceite de Palma y sus Fracciones)」を農業地方開発省からの委託で 1996 年から運用してい

る。 表 68 アブラヤシの県別生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

メタ 187,071 230,216 262,971 287,172 369,739 360,562 411,074

サンタンデル 148,639 170,324 176,239 189,799 190,572 208,124 159,753

カサナレ 46,934 49,910 52,172 53,694 87,042 124,421 158,787

セサル 117,922 124,708 128,110 130,800 142,350 147,950 155,449

マグダレナ 103,919 107,714 112,633 122,703 122,021 125,837 130,315

ボリバル 16,954 37,390 46,488 59,266 59,156 83,412 90,688

ノルテ・デ・サンタンデル 25,261 26,232 28,153 32,833 46,248 51,653 58,226

ナリニョ 72,401 31,525 21,505 18,608 25,352 13,452 19,405

クンディナマルカ 13,684 16,773 13,183 14,899 6,070 12,431 11,277

ラ・グアヒラ 2,043 2,195 2,097 1,937 2,686 2,784 3,388

その他 17,330 18,640 19,196 18,764 23,819 9,097 12,107

合計 752,157 815,626 862,747 930,475 1,075,055 1,139,722 1,210,468

出所)Agronet

- コーヒー

コーヒーは 20 世紀の後半までコロンビアの第一の輸出品であり、その栽培面積も他の作物よりも多く

2013 年には 97 万ヘクタールを超えた。コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)によれば、コーヒー生産

者は 563,000 人を数え、その生産地域もほぼ全国に広がっている。古くからコーヒーの主生産地であった

アンデス山脈西側のカルダス、バリェ・デル・カウカ、リサラルダ及びキンディオ県は「コーヒー軸(Eje Cafetero)」と呼ばれ UNESCO の世界遺産にも登録されているが、昨今の気候変動の影響で栽培面積が減

少している。これらの地域に代わりより涼しい地域にコーヒー栽培が移動している。特にこの 10 年で最

も栽培面積を拡大しているのは南西部のウイラ県(1.6 倍)、ナリニョ県(1.5 倍)及びカウカ県(1.3 倍)

などである。

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表 69 コーヒーの生産推移(2007-2013) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 860,245 866,717 873,367 884,497 922,499 956,773 974,014

収穫面積 (ha) 766,477 758,306 754,651 744,318 712,387 707,797 771,728

生産量 (t) 828,898 828,586 708,891 779,235 640,432 622,283 653,160

出所)Agronet

生産量の推移を見てみると 2011 年及び 2012 年は生産が減少したが、これは roya と呼ばれるさび病の

蔓延及び 2010/2011 に発生した寒波による影響が大きい。FNC が実施した衛生管理策及び病害に強い品

種の導入などで、蔓延が抑えられ 2013 年には生産が回復した。また、生産性向上の政策として FNC が実

施している植え替え(2008-2013 年の間で 54 万ヘクタール)が進んで、平均樹齢が 12.4 から 8.2 へと若

くなっている。植え替えから本格的な生産が出来るまでの間、FNC は農業地方開発省とともに生産者に対

して豆類及びトウモロコシの生産を奨励しており、特にトウモロコシの自給率向上を目指している。

県別の生産量を見てみると、上位 5 県で全体の 62.8%を占めている。FNC によれば、コーヒーの生産

コストの約 40%は肥料などの中間財であり、これらは輸入品であるだけでなく、国内のインフラ状況の不

整備から、生産地への運搬コストが嵩み、農業中間財の費用は他の中南米諸国より 37%高い。

FNC はまた、農業地方開発省からの委託を受け、「コーヒー基金(Fondo Nacional de Café)」及び「コ

ーヒー生産者収入保障プロジェクト(PIC)」を運用している。FNC の役割については 3.2.5 で詳述する。 表 70 コーヒーの県別生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

ウイラ 129,053 131,316 104,609 104,337 85,151 85,213 115,875

アンティオキア 120,501 113,505 103,703 121,253 115,268 91,621 102,403

トリマ 112,322 101,202 88,633 94,230 53,288 85,027 77,215

カルダス 92,815 86,884 81,668 95,958 78,806 49,627 58,634

カウカ 51,348 48,073 47,221 45,113 41,645 50,588 56,304

バリェ・デル・カウカ 69,618 65,666 62,711 69,497 65,476 61,191 44,122

リサラルダ 72,843 60,079 53,648 72,091 49,042 36,989 39,074

サンタンデル 29,470 29,017 26,312 27,094 22,090 23,272 30,227

ナリニョ 31,770 31,263 27,488 24,594 24,074 28,078 28,607

クンディナマルカ 33,729 78,255 37,118 37,215 32,780 30,786 24,994

その他 85,430 83,326 75,780 87,853 72,811 79,890 75,704

合計 828,898 828,586 708,891 779,235 640,432 622,283 653,160

出所)Agronet

- カカオ

カカオの栽培は近年増えており、生産量も増加傾向にある。主な生産地はサンタンデル、アラウカ及び

ノルテ・デ・サンタンデル県等の東部に集中しており、特に上位 2 県では麻薬に使われる違法作物の栽培

に取って代わる作物として栽培面積が広がった経緯がある。現在では生産者の数は 3 万世帯に及ぶ。また、

2013 年に世界的なカカオ不足が発生したことから、コロンビアのカカオ業界はさらなる増産を見込んでい

る。しかし、栽培地の約半分は植え替えの行われていない古木であるため、コロンビアカカオ生産者連盟

(FEDECACAO)は政府に支援策を訴えている。FEDECACAO は 1962 年に設立され、その 90%は小規

模生産者である。同連盟はまた農業地方開発省からの委託を受け「カカオ促進基金(Fondo Nacional del Cacao)」を運用している。同基金の財源はカカオ豆の販売時に課される 3%の課金であり、FEDECACAO

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はその資金を研究開発、技術移転及び流通促進(輸出含む)に充てている。その他に「カカオ価格安定化

基金(Fondo de Estabilización de Precios del Cacao)」も運用しており、生産者の価格保障も行っている。 表 71 カカオの生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 141,078 151,000 165,175 175,740 188,615 198,049 193,656

収穫面積 (ha) 106,050 107,683 109,357 126,714 133,098 151,717 151,930

生産量 (t) 57,467 58,722 58,499 68,987 75,102 83,370 79,685

出所)Agronet

生産量を見てみると、サンタンデル県は全体の約 4 分の 1 の生産量を占めており、特に近年の増加が目

立つ。栽培面積が増えているアラウカ及びノルテ・デ・サンタンデル県の生産量も増えている。

FEDECACAO は今後も面積及び生産量の増大を見込んでいるものの、栽培地の拡大が大きい地域は国内

紛争で苦しめられた地域であり、そのためハバナで行われている政府とコロンビア革命軍(FARC)の和

平交渉に対する関心が高い。 表 72 カカオの県別生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

サンタンデル 21,793 21,368 19,098 20,736 21,432 20,466 21,571

アラウカ 6,589 7,269 7,827 8,147 10,205 8,730 8,802

ノルテ・デ・サンタンデル 5,357 5,477 6,277 6,592 7,178 7,874 8,315

アンティオキア 2,892 2,574 3,808 5,230 6,295 7,772 7,723

トリマ 4,506 4,602 3,830 4,904 4,385 5,815 4,849

ナリニョ 1,517 1,948 1,433 2,564 4,499 6,619 4,548

ウイラ 4,448 4,037 3,448 3,675 3,326 3,923 3,305

ボヤカ 693 1,095 1,131 1,604 1,603 2,500 2,430

クンディナマルカ 1,620 1,561 1,601 2,895 2,910 2,750 2,397

ボリバル 558 536 839 906 1,145 2,737 2,390

その他 7,495 8,256 9,208 11,734 12,124 14,184 13,355

合計 57,467 58,722 58,499 68,987 75,102 83,370 79,685

出所)Agronet

- 大豆

大豆の栽培面積及び生産量は増加傾向にある。コロンビアでは大豆は食用ではなく、主に鶏と豚の飼料

に使われており、これらの産業の発展とともに大豆の生産量が増えている。また、栽培から収穫のサイク

ルは約 110 日と短く、主にトウモロコシやコメの栽培と交代で栽培されている。しかし、生産量は国内需

要を賄うほどの量ではなく、2009 年には国内消費の 84%はアルゼンチンなどからの輸入に依存していた。

栽培地は内陸部のメタ県とビチャダ県に集中しており、両県でその生産量が増加している半面、バリェ・

デル・カウカ県では生産量が減少傾向にある。 表 73 大豆の生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 25,597 29,774 28,116 25,312 38,837 26,601 38,570

収穫面積 (ha) 25,498 29,551 28,023 25,293 38,062 26,579 38,570

生産量 (t) 52,196 59,731 58,836 55,489 80,873 66,905 98,389

出所)Agronet

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大豆はプライスバンド制度によりその輸入価格が調整されており、また国内の大豆生産促進のため、農

業地方開発省が 2009 年から穀物生産者連盟(FENALCE)に「大豆促進基金(Fondo de Fomento Frijol Soya)」の運用を委託している。しかし、大豆の生産国である米国との FTA 発効により、同国からの大豆

及び大豆粕の輸入には価格帯の制度が適用されず、無関税の輸入枠が設定されることになった(2014 年は

17,364 トン)。現在ではアルゼンチンが最大の輸入先であるが、今後米国がそれに取って替わるとみられ

ている。FENALCE はコロンビア農業協会(SAC)を通じて、コロンビア政府の進めている通商政策に対

する意見を伝えている。

大豆の主要な栽培地はメタ県等の内陸部であり、同県を含むオリノコ川流域は乾燥した酸性の強い肥沃

ではない土地である。FENALCE によれば、十分な肥料を与えれば大豆の栽培が同県では可能であり、大

豆の栽培はこれらの土地の改良に役立ており、大豆は将来的に有望な穀倉地帯であると言われている内陸

県での耕作地拡大に貢献していると主張している。

表 74 大豆の県別生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

メタ 19,830 24,068 23,964 21,735 33,329 17,135 22,229

ビチャダ 0 0 0 0 705 5,650 14,081

バリェ・デル・カウカ 5,137 5,023 3,836 2,736 3,853 3,398 2,188

リサラルダ 0 0 0 0 0 0 64

ウイラ 0 0 0 0 16 8 6

カウカ 32 154 84 5 9 10 4

アトランティコ 99 48 127 18 0 0 0

カルダス 19 0 38 230 125 0 0

カサナレ 480 480 47 458 430 400 0

クンディナマルカ 0 0 0 130 370 0 0

合計 25,597 29,774 28,116 25,312 38,837 26,601 38,570

出所)Agronet

穀物類

穀物類ではトウモロコシ及びコメが圧倒的なシェアを占めている。生産量ではコメが最も多く、トウモ

ロコシは飼料が主な用途の黄トウモロコシが約 7 割を占めている。また、コロンビアの主食はパンである

ことから、小麦も生産されているが競争力が高くなく、アルゼンチン及び米国からの輸入に頼っている状

況である。米国との FTA 発効により、小麦の輸入にさらに拍車がかかるとみられ、政府も多作物への栽培

転換のためのプログラムを実施している。そのため、小麦生産の減少傾向は今後も進むと考えられる。

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表 75 穀物類の栽培面積(ha)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

トウモロコシ 647,661 627,299 579,915 588,847 596,505 610,016 640,077

コメ 457,022 518,765 566,274 523,165 543,442 539,498 559,064

ソルガム 29,247 22,856 23,311 18,917 9,024 7,149 6,689

小麦 18,392 14,481 11,355 9,382 8,784 5,428 6,520

大麦 3,067 3,625 2,891 2,469 2,016 1,143 2,765

キヌア 108 78 142 153 91 288 476

カラスムギ(オート) 1,746 1,435 161 252 209 359 254

ライ麦 - - 5 5 - - 9

合計 1,157,242 1,188,539 1,184,055 1,143,190 1,160,071 1,163,880 1,215,853

出所)Agronet

表 76 穀物類の生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

コメ 2,539,710 2,831,141 2,840,691 2,305,496 2,283,345 2,556,212 2,528,744

トウモロコシ 1,307,801 1,272,016 1,156,582 1,104,085 1,146,178 1,411,270 1,621,877

ソルガム 82,387 59,579 53,762 45,801 21,021 20,079 21,790

小麦 40,642 26,206 18,235 14,711 12,489 6,583 9,164

大麦 4,193 4,654 4,491 3,609 2,760 1,471 4,016

キヌア 140 82 112 253 108 552 868

カラスムギ(オート) 3,310 2,490 271 470 369 725 426

ライ麦 - - 5 5 - - 72

合計 3,978,183 4,196,167 4,074,149 3,474,430 3,466,269 3,996,891 4,186,957

出所)Agronet

- コメ

穀物類の栽培面積ではコメはトウモロコシに次いで最も多いが、生産量ではコメの方がトウモロコシよ

り 100 万トン以上多い。コロンビアではコメは年 2 回収穫が行われ、12-2 月及び 7-9 月に収穫が集中

する。全国のコメ生産者を束ねるコメ生産者連盟(FEDEARROZ)は 1947 年に設立され、農業地方開発省

の委託を受けてコメ促進基金(Fondo Nacional del Arroz)を運用している。同基金の財源は生産者から集め

られ、その資金はコメ生産の効率化や技術開発に充てられる。FEDEARROZ によれば、国内のコメ生産

は 50 万の雇用を生み出している。他方で、精米所を束ねる組織として INDUARROZ が存在したが、同組

織は 2006 年からコロンビア産業連盟(ANDI)内のコメ部門委員会に組織変更した。

表 77 コメの生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 457,022 518,765 566,274 523,165 543,442 539,498 559,064

収穫面積 (ha) 443,567 506,813 551,973 471,614 522,466 531,063 547,414

生産量 (t) 2,539,710 2,831,141 2,840,691 2,305,496 2,283,345 2,556,212 2,528,744

出所)Agronet

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生産量が最も多いのはトリマ及びカサナレ県であり、メタ県はこれに次ぐ規模である。主要な精米所は

トリマ、ウイラ、メタ及びカサナレ県に位置している。近辺で生産されるコメはこれらの精米所に直接運

搬され、生産者は直接精米所にコメを販売する仕組みとなっている。精米所の数が減少傾向にあるため、

生産者との価格交渉では優位な立場にあるとの指摘もある。

コメの主な用途は食用であるが、飼料及びビールといった需要もコロンビア国内では大きい 59。コロン

ビアで生産されるコメは国内の需要を賄うだけの量であり、これまで数年を除いて大規模な輸出入が行わ

れてこなかった。しかし米国との FTA 締結により、FEDEARROZ は米国から安価なコメの輸入が増える

ことを懸念している。 表 78 コメの県別生産量 (t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

トリマ 848,701 818,921 762,452 604,374 530,902 662,748 703,034

カサナレ 346,001 428,003 457,018 428,947 446,057 470,986 479,177

メタ 410,843 466,578 575,302 492,771 357,003 358,379 264,291

ウイラ 223,851 250,420 245,203 173,896 219,806 217,993 200,903

ノルテ・デ・サンタンデル 154,752 163,651 195,054 153,152 164,097 104,442 157,937

スクレ 110,323 190,656 124,472 60,177 131,920 156,980 152,087

ボリバル 58,598 64,348 67,269 47,534 79,058 163,450 111,639

コルドバ 57,248 80,023 93,930 50,042 71,325 86,879 97,957

セサル 119,186 155,288 82,541 80,270 82,831 103,904 97,173

アラウカ 16,459 20,620 44,948 34,556 43,850 41,958 43,912

その他 193,748 192,634 192,502 179,777 156,495 188,492 220,635

合計 2,539,710 2,831,141 2,840,691 2,305,496 2,283,345 2,556,212 2,528,744

出所)Agronet

- トウモロコシ

トウモロコシの栽培面積は穀物の中では最も多く、他の作物と比較してもトウモロコシの栽培面積は大

きな割合を示している。トウモロコシの生産者は 20 万世帯にも及び、一生産者あたりの栽培面積は 5 ヘ

クタール以下である。また、その生産方法は伝統的な方法であり、単収は高くない。しかし、近年では技

術的な改善が行われ、生産性が高くなってきている。生産されるトウモロコシの 33.2%は食用の白トウモ

ロコシであり、残りの 66.8%は飼料が主な用途の黄トウモロコシである 60。両品種の栽培には差はないが、

白トウモロコシは通常黄トウモロコシより価格が高いため、その栽培が好まれるが、コロンビアでは食用

より飼料の用途の方が大きいため、黄トウモロコシの生産が増えている。

コロンビアのトウモロコシ生産者を束ねる団体は穀物生産者連盟(FENALCE)であり、トウモロコシの

他に小麦、ソルガム、大麦及び豆類の生産者団体でもある。 表 79 トウモロコシの生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積 (ha) 647,461 626,979 579,525 588,167 595,823 607,800 636,457

収穫面積 (ha) 592,201 575,857 519,074 487,951 523,101 545,528 597,806

生産量 (t) 1,290,801 1,262,516 1,146,492 1,048,125 1,107,384 1,291,852 1,471,250

出所)Agronet

59 (Superintendencia de Industria y Comercio 2012a) 60 (Superintendencia de Industri y Comercio 2012)

90

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トウモロコシの生産量は増加しているものの、国内需要を満たすほどではない。コロンビアは特に 1990年代以降アルゼンチン及び米国から約 300 万トン以上のトウモロコシ(主に黄トウモロコシ)を輸入して

いる。特に米国との FTA により、国内需要を満たすために安価な米国産が増加すると見込まれている。

生産地はコロンビア全土に広がっており、その中でもカリブ海沿岸のコルドバ県及びボリバル県、アン

デス地域のトリマ県、及び中南部のメタ県は全体の 5 割以上の生産量を占めている。その主な用途は飼料

用であり、この用途の需要が近年増えている。食用の需要もまた人口の増加に呼応して増えているが、飼

料用と比べるとその増加率は高くない。

表 80 トウモロコシの県別生産量 (t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

コルドバ 199,821 204,005 219,657 200,342 193,770 217,536 252,504

トリマ 75,573 77,032 87,952 84,721 131,285 149,262 228,309

メタ 98,839 85,377 86,445 72,304 80,463 144,581 182,935

ボリバル 96,089 114,408 100,069 86,559 95,560 154,852 153,415

バリェ・デル・カウカ 142,296 144,565 138,324 120,950 121,596 119,938 106,617

ウイラ 75,826 81,567 75,427 76,931 75,896 81,043 76,690

セサル 88,159 73,907 52,174 39,974 44,558 63,245 59,744

スクレ 66,992 76,393 40,484 34,323 47,694 38,538 53,824

アンティオキア 94,166 89,992 69,242 61,785 44,346 50,334 49,639

クンディナマルカ 42,800 38,319 38,936 38,212 34,636 40,437 43,866

その他 310,242 276,951 237,782 232,024 237,580 232,086 263,707

合計 1,290,801 1,262,516 1,146,492 1,048,125 1,107,384 1,291,852 1,471,250

出所)Agronet

根菜類・プランテン

根菜類の栽培面積は 90 万ヘクタールを上回っており、増加傾向にある。その主な作物はプランテンで

あり、これら根菜類はほとんど国内向けに生産されている。

表 81 根菜類・プランテンの栽培面積(ha)

2,007 2,008 2,009 2,010 2,011 2,012 2,013

プランテン

(調理用バナナ) 411,372 396,456 417,653 421,796 420,319 445,584 445,384

キャッサバ 210,002 215,432 203,104 223,106 207,945 218,310 237,450

ジャガイモ 167,036 157,225 172,006 183,948 180,516 159,581 170,214

ヤムイモ 27,092 32,682 38,399 41,493 40,454 34,042 36,241

アラカチャイモ 7,251 8,093 5,653 7,227 8,364 8,209 8,574

サトイモ 1,909 1,611 1,644 1,752 1,881 1,890 1,851

その他 4,756 4,559 6,267 7,028 5,937 4,186 5,874

合計 829,418 816,058 844,725 886,351 865,416 871,802 905,587

出所)Agronet

91

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表 82 根菜類・プランテンの生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

プランテン

(調理用バナナ) 2,968,102 2,722,799 2,736,956 2,970,435 2,957,040 3,202,674 3,306,740

ジャガイモ 2,706,887 2,702,934 3,170,295 3,312,561 3,050,210 2,808,243 2,922,413

キャッサバ 2,008,519 1,968,670 1,950,833 1,800,486 1,870,698 1,968,206 2,226,798

ヤムイモ 269,881 312,787 380,873 393,996 396,623 344,820 363,036

アラカチャイモ 76,974 76,888 49,587 53,798 76,608 83,149 73,190

サトイモ 16,179 13,473 12,639 13,673 14,449 14,219 11,652

その他 18,899 22,766 29,291 23,049 30,358 23,564 35,046

合計 8,065,440 7,820,316 8,330,474 8,567,999 8,395,985 8,444,874 8,938,876

出所)Agronet

プランテン(調理用バナナ)

コロンビアの統計上、調理用バナナと生食用バナナは別の分類に含まれているが、その類似性を考慮し、

後述のバナナの項目でプランテンの詳細を説明する。

果実類

コロンビアの多様な気候条件が多種類の果実の生産を可能にしている。Agronet では 75 種類の果実の

生産統計を取っている。その中でも、バナナは最も多くの栽培面積を占めており、重要な輸出品目でもあ

る。柑橘類も多く作られており、その主な用途はジュースである。その他に、パイナップルは 64 万トン

の生産量がある。コロンビア政府は貿易政策の中で果実の輸出促進に取り組んでおり、その品質及び衛生

条件の向上のためのプログラムを実施している。

表 83 果実類の栽培面積 (ha)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

バナナ(生食用) 75,017 73,473 72,214 75,761 81,433 84,344 83,535

アボカド 23,985 26,044 27,636 30,006 35,373 40,510 45,070

その他の柑橘類 40,974 41,362 34,223 34,618 34,612 40,561 41,744

マンゴ- 21,314 22,003 23,656 22,000 22,277 27,085 31,332

パイナップル 14,654 14,941 14,567 15,779 16,823 18,509 19,846

オレンジ 15,306 16,165 16,607 17,073 18,976 17,746 18,598

ココナッツ 18,350 18,010 17,588 19,544 18,795 21,758 18,431

グアバ 15,136 15,047 15,015 14,549 13,395 14,008 14,714

ブラックベリー 12,884 13,196 14,112 14,049 13,718 13,810 14,135

タマリロ 9,643 8,463 9,899 10,048 10,970 11,104 10,962

その他 90,677 94,815 102,643 101,217 98,445 106,545 108,789

合計 337,939 343,519 348,160 354,643 364,816 395,982 407,156

出所)Agronet

92

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表 84 果実類の生産量 (t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

バナナ(生食用) 1,863,592 2,045,825 1,984,044 1,977,218 2,093,544 1,880,730 2,038,748

その他の柑橘類 610,720 563,796 474,459 459,151 465,113 588,949 651,090

パイナップル 433,686 391,763 327,054 444,686 512,496 486,791 644,553

アボカド 173,934 171,155 189,028 205,442 215,090 255,195 303,351

マンゴ- 184,986 187,887 239,745 201,026 221,015 265,372 270,827

オレンジ 198,581 204,259 194,241 228,128 260,040 232,828 240,504

パパイア 174,037 139,685 185,904 157,619 153,119 143,540 187,705

タマリロ 125,594 106,124 131,137 122,519 129,491 156,643 163,748

スイカ 117,378 120,316 108,635 107,763 93,999 117,352 156,212

マンダリン 47,252 43,371 97,929 109,768 114,535 131,021 138,051

その他 1,031,451 1,013,303 1,010,854 1,023,237 979,521 1,048,894 1,127,219

合計 4,961,209 4,987,484 4,943,031 5,036,559 5,237,964 5,307,316 5,922,008

出所)Agronet

- バナナ

コロンビアにおけるバナナの生産は古くからあり、20 世紀初頭では米国資本によるカリブ海沿岸地域で

のバナナの生産と米国への輸出が盛んに行われた。バナナの栽培面積は増加傾向にあり、生産量も 200 万

トンを超えている。バナナの生産に約 10 万世帯が従事している。これら両作物の生産及び流通企業を束

ねる組織は生産地毎に、ウラバ湾岸ではコロンビアバナナ生産者協会(AUGURA)、マグダレナ県及びラ・

グアヒラ県では「マグダレナ県及びラ・グアヒラ県バナナ生産者協会」(ASBAMA)、内陸部ではコロンビ

アプランテン生産者連盟(FEDEPLACOL)と複数にまたがっているが、輸出向けの生産が最も大きい

AUGURA は最も影響力のある団体である。AUGURA はウラバ・バナナ生産者協会として 1966 年に発足

し、1994 年にその名をコロンビアバナナ生産者協会に変更した。

プランテンは主に油で挙げて食用されるが、飼料にも用いられる。また、グルテンが含まれていないこ

とから、小麦粉の代替品としてプランテン粉が料理に使われることもある。プランテンの生産は 28 万の

雇用を創出しており、生産者の 80%は 5 ヘクタール以下の小規模生産者である。また、プランテンはコー

ヒーやカカオ等の作物に日陰を与える作物としてもコーヒー生産地等で用いられている。

表 85 バナナ及びプランテンの生産推移(2007-2013)

バナナ 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積(ha) 75,017 73,473 72,214 75,761 81,433 84,344 83,535

収穫面積(ha) 69,449 68,861 67,502 72,549 76,206 78,639 77,755

生産量(t) 1,863,592 2,045,825 1,984,044 1,977,218 2,093,544 1,880,730 2,038,748

プランテン 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積(ha) 411,372 396,456 417,653 421,796 420,319 445,584 445,384

収穫面積(ha) 375,681 356,520 348,886 368,391 371,372 395,966 396,624

生産量(t) 2,968,102 2,722,799 2,736,956 2,970,435 2,957,040 3,202,674 3,306,740

出所)Agronet

バナナの生産はカリブ海沿岸のアンティオキア(ウラバ湾岸)、マグダレナ及びラ・グアヒラ県に集中し

93

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ており、3 県以外ではカリブ海沿岸のバリェ・デル・カウカが主要な生産地である。カリブ海沿岸の県で

は輸出向けの生産が行われており、内陸県では主に国内向けの生産が行われている。輸出向けに栽培され

るバナナは Cavendish Valery 種である。ウラバ湾岸地域のバナナ生産者の 75%は 50 ヘクタール以上の

大規模生産者であり、マグダレナ県ではその割合は 10%に減るものの、50 ヘクタール以上の所有者がバ

ナナ栽培面積の 58%を所有している 61。

プランテンの主な生産地はバナナとほぼ重なっているが、コーヒー生産地であるキンディオ等のアンデ

ス地域が多い。その栽培面積及び生産量は増加傾向にあり、主に国内需要向けである。しかし、生産が需

要の増加に対応しておらず、エクアドル等からの輸入も行われている。他方で、ウラバ湾岸及びコーヒー

生産地で栽培されプランテンは米国を中心に輸出に向けられる。なお、バナナ及びプランテンはコロンビ

アの最も多く輸出される果実であり、野菜果実生産者協会(ASOHOFRUCOL)によれば、2013 年に輸出さ

れた果実の中で花及びプランテンは全体の 84.4%を占めた。

表 86 バナナ及びプランテンの県別生産量 (t)

バナナ 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

アンティオキア 1,169,414 1,375,654 1,313,718 1,303,548 1,419,175 1,194,730 1,241,155

マグダレナ 471,404 449,455 438,341 423,564 371,463 382,286 444,066

バリェ・デル・カウカ 59,593 58,999 76,266 85,296 113,114 115,170 105,971

ラ・グアヒラ 6,000 14,652 26,568 19,844 26,304 27,000 67,266

クンディナマルカ 44,838 28,092 32,749 31,704 43,014 28,957 35,882

ナリニョ 18,654 18,540 11,955 25,876 29,577 31,798 31,918

トリマ 19,036 17,745 18,210 17,324 20,313 23,914 24,236

キンディオ 19,886 16,674 18,194 18,760 17,932 20,669 23,351

カルダス 4,754 3,169 5,254 9,065 9,235 12,854 11,562

ウイラ 8,343 10,743 9,697 10,495 11,133 11,226 11,504

その他 41,670 52,102 33,091 31,742 32,285 32,127 41,838

合計 1,863,592 2,045,825 1,984,044 1,977,218 2,093,544 1,880,730 2,038,748

プランテン 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

アンティオキア 360,234 363,902 361,946 368,289 373,052 402,181 395,664

アラウカ 94,270 137,622 217,241 298,967 334,215 384,460 385,193

メタ 251,619 273,737 215,076 211,716 211,174 216,727 244,435

キンディオ 334,217 316,021 323,204 303,472 301,931 221,929 235,262

カルダス 167,359 170,036 196,526 262,475 194,841 226,078 230,047

バリェ・デル・カウカ 152,991 134,042 158,178 183,771 181,152 197,912 226,367

コルドバ 239,883 127,729 137,860 148,132 133,866 186,268 207,972

リサラルダ 167,453 144,026 168,280 169,453 173,850 173,361 165,630

ナリニョ 142,931 134,369 88,662 120,905 156,775 163,063 162,460

トリマ 235,151 162,388 149,532 153,718 138,342 157,103 160,190

その他 821,993 758,927 720,451 749,537 757,843 873,591 893,523

合計 2,968,102 2,722,799 2,736,956 2,970,435 2,957,040 3,202,674 3,306,740

出所)Agronet

61 (AUGURA 2010)

94

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- 柑橘類

コロンビアではバナナに次いで最も多く栽培されている果物は柑橘類である。その中でもオレンジ、マ

ンダリン及びレモンは全柑橘類生産の 4 割以上を占める。栽培面積及び生産量はともに増加傾向にあるが、

そのほとんどは国内向けである。植物検疫が輸出の大きな障害となっており、コロンビアでは柑橘類が輸

出可能になるための取り組みが行われている。

また、柑橘類全体は栽培地では重要な雇用源でもあり、農業地方開発省の試算では、レモンの収穫はヘ

クタールあたり 69 人、オレンジは 49 人、マンダリンは 27 人の労働者が必要であり、2000 年には 3 万の

直接雇用を創出した 62。柑橘類の生産者及び加工業者を束ねる団体として野菜果実生産者協会

(ASOHOFRUCOL)及び全国柑橘類生産者協会(ASOCITRICOS)がある。政府からの委託を受ける「野

菜果実促進基金」の運用は ASOHOFRUCOL が行っている。同基金は技術開発及び移転を主目的として

おり、そのほかに集荷・物流・輸出の支援も行っている。

表 87 柑橘類の生産推移(2007-2013)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

栽培面積(ha) 68,010 67,446 67,127 69,582 71,214 79,565 83,058

収穫面積(ha) 57,005 56,812 55,098 59,564 60,153 68,004 72,079

生産量(t) 956,783 883,866 845,611 890,723 933,264 1,072,370 1,151,122

出所)Agronet

柑橘類の生産地域を見てみると、アンデス地域に集中していることがわかる。オレンジの主な国内用途

は果汁であり、加工業者の多くはコーヒー生産地にも集中している。また、カリブ海沿岸及び内陸のメタ

県でも栽培されている。収穫期は地域により異なり、アンデス地域では年 2 回の収穫が可能である(10月から 2 月及び 7 月から 8 月)。そのため、収穫時期が終わった 3-4 月及び 9-10 月を除いて、ほぼ 1 年を

通じて柑橘類の供給が可能である。しかし、加工業向けの冷凍果汁又は濃縮果汁はブラジル及びエクアド

ル等の近隣諸国から輸入されている。

表 88 柑橘類の県別生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

サンタンデル 130,555 119,451 105,679 116,709 123,191 178,569 206,847

バリェ・デル・カウカ 128,743 117,622 110,007 117,015 132,809 134,932 149,757

メタ 70,960 82,342 80,037 107,947 115,068 127,039 146,068

キンディオ 78,553 69,422 81,755 77,019 91,380 105,736 111,757

アンティオキア 58,565 60,800 71,561 86,256 83,275 92,068 94,109

カルダス 56,941 61,316 63,502 53,302 54,534 76,550 90,327

クンディナマルカ 107,698 89,931 79,088 76,463 59,275 65,602 66,264

マグダレナ 57,392 57,032 57,794 51,618 57,205 59,722 61,154

トリマ 82,445 47,944 23,738 35,084 32,737 48,052 47,497

リサラルダ 26,949 24,691 15,848 15,259 36,179 37,615 36,095

その他 157,983 153,316 156,603 154,051 147,612 146,486 141,248

合計 956,783 883,866 845,611 890,723 933,264 1,072,370 1,151,122

出所)Agronet

62 (Ministerio de Agricultura y Desarrollo Rural 2005)

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表 89 柑橘類種類別栽培面積(ha)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

オレンジ 15,306 16,165 16,607 17,073 18,976 17,746 18,598

マンダリン 3,845 3,407 9,174 9,761 9,494 10,184 10,567

レモン 7,526 6,101 6,306 7,339 7,296 8,922 10,344

ライム 250 274 583 610 715 1,862 1,479

タンジェロ 110 122 211 153 111 283 286

グレープフルーツ 0 15 17 19 2 0 30

ポメロ 0 0 7 8 8 7 10

その他柑橘類 40,974 41,362 34,223 34,618 34,612 40,561 41,744

合計 68,010 67,446 67,127 69,582 71,214 79,565 83,058

出所)Agronet

表 90 柑橘類種類別生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

オレンジ 198,581 204,259 194,241 228,128 260,040 232,828 240,504

マンダリン 47,252 43,371 97,929 109,768 114,535 131,021 138,051

レモン 91,808 66,682 68,425 82,464 80,491 97,985 103,838

ライム 6,590 3,977 8,562 9,840 12,206 20,285 15,630

タンジェロ 1,833 1,735 1,760 1,001 681 1,057 1,780

グレープフルーツ 0 48 60 196 20 0 120

ポメロ 0 0 175 175 177 245 109

その他柑橘類 610,720 563,796 474,459 459,151 465,113 588,949 651,090

合計 956,783 883,866 845,611 890,723 933,264 1,072,370 1,151,122

出所)Agronet

野菜・豆類

野菜及び豆類の生産は主に国内向けであり、国内需要の増加に伴い、その生産量が増えている。その中

でもトマトの生産が最も多く、主要な生産地はボヤカ、アンティオキア及びノルテ・デ・サンタンデル等

のアンデス地域に集中している。アンデス地域は肥沃な土地であるため、多くの野菜及び豆類は同地域で

栽培されている。トマトに次いでタマネギは生産量が多く、その主要な生産地はアンデス地域以外ではア

マソナス及びアラウカ県であり、両県を含むオリノキア及びアマゾン地域は新たな生産地としての注目さ

れている。

コロンビア政府によれば、野菜及び豆類の生産者は多数且つ小規模であり、その平均的な栽培面積は 1-2 ヘクタールである 63。

63 (Superintendencia de Industria y Comercio 2012b)

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表 91 野菜・豆類の栽培面積(ha)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

レッドビーンズ 132,761 127,896 135,895 129,541 136,192 127,325 132,102

えんどう豆 32,403 30,895 27,382 29,055 31,673 30,144 35,996

タマネギ 20,900 18,272 20,836 19,504 19,571 19,495 20,514

トマト 15,622 16,317 16,211 15,474 18,773 17,236 18,981

カボチャ 4,828 5,084 5,011 5,703 6,790 7,858 9,344

人参 9,688 11,205 10,883 10,584 10,952 8,077 8,857

インゲン豆 6,165 7,088 6,770 6,975 7,301 7,278 7,549

その他野菜 1,180 1,095 1,337 1,967 3,624 4,374 5,015

トウガラシ 3,104 3,222 2,790 3,276 3,214 4,248 4,654

レタス 2,273 3,368 2,744 3,259 4,201 4,029 4,036

その他 20,403 27,390 24,586 27,169 28,314 27,422 21,900

合計 249,328 251,832 254,445 252,507 270,605 257,485 268,947

出所)Agronet より Promar 編集

表 92 野菜・豆類の生産量(t)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

トマト 452,588 479,697 529,116 541,963 664,553 592,420 709,294

タマネギ 464,734 400,647 476,634 420,932 374,314 401,255 487,505

人参 250,951 298,951 259,608 261,545 275,453 220,755 236,842

レッドビーンズ 149,970 142,057 147,682 126,658 134,465 143,635 148,844

カボチャ 52,696 51,360 47,321 51,946 71,538 93,422 121,515

レタス 35,106 63,838 50,684 53,445 64,795 87,384 79,723

キャベツ 110,361 120,770 99,909 83,928 70,766 88,183 75,395

その他野菜 9,088 8,208 10,105 13,800 40,508 54,392 60,567

インゲン豆 54,895 63,095 51,658 49,573 48,921 56,146 59,965

えんどう豆 51,096 54,433 48,087 44,892 45,403 54,613 55,956

その他 191,373 262,220 213,599 216,843 244,455 270,983 238,841

合計 1,822,857 1,945,277 1,934,402 1,865,525 2,035,171 2,063,188 2,274,446

出所)Agronet より Promar 編集

薬草・香辛料植物

薬草及び香辛料は主に国内向けに生産されている。カルダモンは主に調理に用いられる一方で、アロエ

は化粧品及び医薬品の原料にも用いられている。薬草・香辛植物の栽培面積は増加傾向にあり、生産量は

6 年で約 3 倍に増えている。その中でも、アロエ、カルダモン及びセンナの生産が最も大きく伸びている。

主要な生産地を見てみると、アロエではクンディナマルカ県が最も多いが、従来カリブ海沿岸のマグダ

レナ及びアトランティコ県での生産が主である。カルダモンの生産はアンティオキア県に集中している。

97

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アロエ 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

クンディナマルカ 0 0 120 0 0 906 2,070

マグダレナ 0 0 575 750 650 825 825

バリェ・デル・カウカ 0 0 0 20 0 30 212

アトランティコ 0 3,600 4,620 4,800 750 600 170

キンディオ 0 15 36 33 25 20 53

カサナレ 0 2 10 0 0 0 0

リサラルダ 0 9 99 274 0 0 0

サンタンデル 0 75 75 0 77 0 0

合計 0 3,701 5,535 5,877 1,502 2,381 3,330

カルダモン 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

アンティオキア 755 638 523 1,152 1,202 3,260 3,226

カウカ 0 0 0 0 0 0 8

合計 755 638 523 1,152 1,202 3,260 3,234

表 93 薬草・香辛料植物の栽培面積(2007-2013)(ha) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

カルダモン 333 269 271 341 369 535 558

ベニノキ 289 155 281 344 325 397 445

アロエ 1 125 206 134 131 132 254

センナ 171 180 176 176 208 137 239

コショウ 165 230 230 215 223 284 161

その他 488 529 724 840 759 887 951

合計 1,447 1,487 1,888 2,049 2,014 2,371 2,608

出所)Agronet

表 94 薬草・香辛料植物の生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

アロエ 0 3,701 5,535 5,877 1,502 2,381 3,330

カルダモン 755 638 523 1,152 1,202 3,260 3,234

センナ 1,338 1,277 1,387 1,398 1,657 977 2,029

ナギイカダ 0 1,000 1,240 1,950 1,253 1,243 670

ミント 0 0 4 2 591 0 440

その他 3,020 2,961 3,102 2,800 3,254 2,881 4,727

合計 5,113 9,577 11,790 13,178 9,460 10,741 14,429

出所)Agronet

表 95 アロエ及びカルダモンの県別生産量(t)

出所)Agronet

花卉類

60 年代に始まったコロンビアにおける花卉の栽培は主に輸出用である。生産量が最も多いアジサイ、バ

ラ、ヒマワリ及びカーネーションはいずれも近年飛躍的に増えている。花卉類の主な生産地はアンデス地

域のクンディナマルカ及びアンティオキア県であり、クンディナマルカ県では特に 6 つの市(Madrid、Subachoque、Facatativa、Bogota、Funza 及び Tocancipa)に集中している。これらの地域はサバンナ地

98

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帯であることが共通の特徴である 64。この地域の気候特徴はカーネーション等の花卉の通年栽培を可能に

している。コロンビアの花卉栽培で主導的な役割を担っている団体はコロンビア花卉輸出業者協会

(ASOCOLFLORES)であり、加盟社は全輸出の 80%を占めている。ASOCOLFLORES によると、花

卉栽培は 20 万人の雇用を生み出しており、特に農村の女性の重要な働き口になっている。

ASOCOLFLORES はさらに、花卉栽培の競争力強化を目的に花卉栽培に関する研究センター

(CENIFLORES)を 2004 年に設立した。CENIFLORES では花卉栽培の効率化及び技術改善に関する

研究、さらに物流に関する提言も生産者向けに行っている。

表 96 花卉類の栽培面積(2007-2013)(ha)

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

アジサイ 105 105 109 338 417 733 763

ヒマワリ 60 110 273 292 280 4 290

バラ 0 20 102 68 186 153 211

ヘリコニア 78 131 204 142 111 102 146

カーネーション 19 121 32 49 123 125 139

その他 276 914 897 834 806 970 820

合計 537 1,400 1,617 1,723 1,923 2,087 2,369

出所)Agronet

表 97 花卉類の生産量 (t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

アジサイ 1,890 1,755 1,332 3,438 4,597 5,469 7,473

バラ 0 160 701 719 1,280 3,278 4,590

ヒマワリ 1,200 2,200 3,960 3,648 3,550 60 3,574

カーネーション 189 970 160 355 600 2,283 2,399

レザーファーン 14 13 13 10 11 909 833

その他 4,172 10,792 12,058 9,235 7,559 16,268 6,352

合計 7,465 15,891 18,224 17,405 17,596 28,266 25,221

出所)Agronet

表 98 花卉類の県別生産量(t) 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

クンディナマルカ 1,927 6,508 9,541 7,662 7,593 18,047 13,959

アンティオキア 1,926 2,094 1,619 3,763 4,811 5,685 7,726

リサラルダ 0 2,035 3,886 3,886 2,399 1,938 1,680

カウカ 2,499 2,461 1,711 576 1,185 651 627

キンディオ 924 690 690 622 710 767 385

その他 189 2,103 778 896 898 1,178 843

合計 7,465 15,891 18,224 17,405 17,596 28,266 25,221

出所)Agronet

64 (Jorge Enrique Angel and Yesid Aranda 2007)

99

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畜産 牛

コロンビアの牛の屠畜数は 2,357 万頭である。また 3.1.1 で説明している通り、牧畜に使われる総面積

は 22 県だけで 3,000 万ヘクタールに上ることから、1 頭あたりの牧畜面積はかなり広いと考えられる。コ

ロンビアの基本的な牧畜方法は放牧であり、牧畜がおこなわれている地域は牧草の多い地域でもある。ま

た、国内紛争が激しかった 80 年代以降、牧畜に使われる面積が増えた経緯があり、武装組織に対して戦

った自衛軍の多くは牧畜農家の支援を受けて形成されたとの指摘がなされている。

コロンビア政府の試算によれば、同国の牧畜業は 2010 年に全 GDP の 1.7%、農牧業 GDP の 20%を占

めた。また、同年の全労働人口の 7%、農牧業労働人口の 20%に相当する 95 万人の直接雇用を生み出した。

また、全国には 335 の屠畜施設及び 19 の食肉冷凍企業が存在している。屠畜施設は全国的に存在してい

るが、大規模な施設(1 日屠畜頭数 320 頭以上)は全て民間企業の所有でアンティオキア、アトランティ

コ及びボゴタ等の主要都市の近辺に位置している 65。

コロンビア全土の牧畜生産者を束ねる組織はコロンビア畜産連盟(FEDEGAN)であり、1963 年に設立さ

れた。90 年代に発生した口蹄疫に対処する目的で 94 年に政府からの委託を受け、畜産生産者及び乳製品

生産者から得られる負担金で畜産促進基金(Fondo Nacional del Ganado)が作られ、FEDEGAN がその

運用機関となっている。

生きた肉用牛の輸出は過去 10 年を見ても、ほぼ毎年行われており、その輸出先は隣国のベネズエラで

ある。特に 2009 年にコロンビアとベネズエラの間で生じた政治的軋轢が原因で、一時期ベネズエラへの

輸出が不可能となった。それまでベネズエラ向けの輸出が順調に伸びていたが、ベネズエラへの輸出問題

が起き、FEDEGAN は他の有望な輸出先の発掘に乗り出すきっかけとなった。

表 99 牛の屠畜推移(千頭)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

国内用 3,250 3,630 3,757 3,927 4,017 4,050 3,948 3,544 3,818 4,034

輸出用 0 300 129 257 246 4 232 17 11 14

合計 3,250 3,930 3,886 4,183 4,263 4,054 4,180 3,562 3,829 4,048

出所)Agronet

牛の飼育地を見てみると、アンティオキア県が最も多く、内陸のメタ県がこれに続き、両県はそれぞれ

200万頭以上の牛を飼育している。政府の試算では 2009年では飼育牛の 73.6%は肉用牛であり、乳牛は 5%、

両用牛は 21.4%であった 66。また、FEDEGAN によれば、コロンビア国民の所得向上により、牛肉の消

費量が増加傾向にあり、2013 年の一人あたりの牛肉消費量は 20kg であり、5 年前の 17.4kg より 2.6kg増加した。

65 (Superintendencia de Industria y Comercio 2012c) 66 (Superintendencia de Industria y Comercio 2012c)

100

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表 100 牛の飼養頭数(千頭) 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

アンティオキア 2,665 2,664 3,018 3,066 2,911 2,414 2,492 2,621 2,714 2,268

メタ 2,002 1,684 1,562 1,841 1,683 2,657 2,693 3,108 2,279 2,001

カサナレ 1,191 1,494 1,536 1,672 1,733 2,136 2,207 2,896 2,487 1,759

コルドバ 2,702 2,475 2,327 2,371 2,519 2,367 2,444 2,420 2,246 1,729

サンタンデル 1,308 1,358 1,376 1,414 1,546 1,483 1,535 1,660 1,278 1,542

セサル 1,265 1,801 1,820 1,906 1,953 1,754 1,828 1,868 1,527 1,415

マグダレナ 1,163 1,309 1,575 1,438 1,368 1,201 1,260 1,182 1,059 1,356

カケタ n/d 1,220 1,176 1,186 1,205 1,204 1,197 1,250 1,294 1,340

クンディナマルカ 1,992 1,389 1,443 1,300 1,346 1,551 1,613 1,203 1,209 1,228

ボリバル 748 807 729 646 955 1,049 1,083 828 1,061 1,108

ボヤカ 1,141 1,135 1,226 1,060 1,123 943 974 956 963 1,053

アラウカ n/d 668 679 679 683 778 845 930 1,024 1,027

その他 4,780 5,486 5,804 8,245 6,373 6,058 6,260 6,408 6,016 5,753

合計 20,958 23,488 24,270 26,825 25,400 25,594 26,432 27,329 25,156 23,579

出所)Agronet

牛乳の生産は増減を繰り返している中、人口増加に伴う国内需要の増加に対応するため、近年では輸入

が大きく増えている。特にコロンビアが FTA を締結している国や地域からは粉乳を中心に輸入が増えてい

る。 表 101 牛乳の需給状況(百万リットル)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012※

生産量 6,227 6,294 6,320 6,235 6,200 6,419 6,285 6,285 6,284 6,483

輸入量 37.6 91.6 52.3 0.9 2.3 16.6 11.3 2.0 62.3 177.7

輸出量 242.7 223.8 84.6 80.8 38.7 58.5 7.7 13.7 2.6 1.6

ロス分 60.2 61.6 62.9 61.6 61.6 63.8 62.9 62.7 63.4 66.6

国内需給 5,962 6,100 6,225 6,094 6,101 6,313 6,226 6,211 6,280 6,592

一人当たり消費量(ℓ) 142.5 144.0 145.1 140.4 138.9 142.0 138.4 136.5 136.4 141.5

出所)Agronet ※暫定値

豚肉の屠畜数は増加傾向にあり、そのほとんどは国内向けである。豚肉は鶏肉及び牛肉に比べると、消

費量が少ないものの、食肉に対する需要の増加を背景に、その消費量も増えている。主な生産地はアンテ

ィオキア、ボゴタ及びバリェ・デル・カウカ県等の人口が集中している地域である。豚肉生産者及び加工

業者を束ねる団体はコロンビア養豚者協会(Asoporcicultores)であり、農業地方開発省からの委託を受

け、養豚促進基金(Fondo Nacional de Porcicultura)を 2009 年から運用している。同基金では豚肉消費の

促進、品質向上及び研究開発の推進が図られる。

表 102 豚の屠畜推移(千頭)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011※ 2012※

屠畜数 2,052 2,052 1,973 2,257 2,541 2,317 2,682 2,476 2,719 2,976

出所)Agronet ※暫定値

101

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鶏肉の生産量は消費量の増加に応じて、増加傾向にある。2010 年の養鶏業はコロンビアの農牧業 GDPの 7.8%を占めて、農牧業では畜産に次ぐ最も大きな生産活動であった。養鶏業者を束ねる団体は全国養鶏

業者連盟(FENAVI)であり、同協会によれば養鶏業は 45 万人の雇用を生み出している。同連盟はさら

に農業地方開発省から委託受けて養鶏促進基金(Fondo Nacional Avícola)を運用している。同基金では

生産性向上や研究開発のほかに、輸出及び消費増加のための促進活動も行われている。

表 103 鶏肉及び卵の生産量

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

鶏肉 生産量(千トン) 678.1 709.2 762.9 849.8 922.3 1,010.7 1,019.9 1,066.9 1,075.0 1,112.3

一人当たり消費量(kg) 16.2 16.7 18.3 20.1 21.6 23.3 22.7 23.4 23.8 23.9

卵 生産量(百万個) 7,482.8 7,490.4 8,200.0 8,757.2 8,293.9 9,038.3 9,681.7 9,749.3 10,662.1 10,605.7

一人当たり消費量(個) 179 177 192 202 188 198 215 214 234 228

出所)Agronet

主な生産地はクンディナマルカ、サンタンデル、バリェ・デル・カウカ及びアンティオキア県であり、

4 県で全体の生産量の約 7 割を占める。コロンビアの養鶏業では輸入飼料(特に黄トウモロコシ)が多く

使われており、主にメルコスール及び米国からの輸入に頼っている。また、米国との FTA 発効により年間

200 万トンの黄トウモロコシが関税率 0%で輸入が可能となり、養鶏業のコスト削減に貢献している。

FENAVI ではニューカッスル病の撲滅に関する取り組みを積極的に行っており、60 数年続いている同

病の根絶を 2025 年までに果たすことを主要取組みの一つとして掲げている。

表 104 鶏肉の県別生産量(千トン)

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

クンディナマルカ 203.0 221.9 240.4 255.4 267.0 285.6 283.2 274.1 295.9

サンタンデル 195.6 221.7 234.4 259.7 256.3 270.8 261.5 273.8 291.8

バリェ・デル・カウカ 104.9 112.4 117.8 128.0 129.9 135.6 128.0 137.4 157.2

アンティオキア 62.4 75.6 80.8 84.5 82.3 77.0 90.7 98.8 130.7

キンディオ 26.1 25.8 29.5 36.2 39.7 44.8 59.2 59.1 67.5

アトランティコ 51.3 49.5 58.5 65.8 65.4 63.7 57.1 52.2 58.5

リサラルダ 21.6 23.6 31.0 34.8 37.9 45.0 36.2 30.3 42.1

ボリバル 2.6 4.3 2.4 3.8 5.2 5.8 13.4 20.6 37.0

トリマ 15.0 16.9 18.5 20.8 24.2 21.9 23.0 28.1 35.7

ボヤカ 10.9 11.4 12.0 12.7 12.6 14.4 20.3 31.3 35.7

その他 69.6 86.8 97.0 109.0 99.2 102.4 102.6 106.5 122.1

合計 762.9 849.8 922.3 1,010.7 1,019.9 1,066.9 1,075.0 1,112.3 1,274.3

出所)FENAVI

102

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水産

コロンビアの水産業はこれまで漁獲業が主だったが、近年では養殖業が大きく増加しており、漁獲業に

ほぼ匹敵するまでの水準に養殖業が発展している。水産養殖機構(AUNAP)によれば、2011 年に太平洋

沿岸の小規模漁民は 13,000 人おり、カリブ海沿岸では 3,500 人を数えた。河川漁業ではコロンビアの縦

に流れるマグダレナ川では 4 万人の小規模漁民が生活し、アマゾン川ではその数は 8,000 人、オリノキア

川は 7,200 人であった 67。

表 105 水産生産量の推移(トン)

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

太平洋側

甲殻類 1,734 2,492 2,128 1,550 2,517 1,659 2,046 2,435 2,038 1,811

軟体動物 92 42 44 31 44 18 37 107 62 114

魚 26,615 83,839 90,318 73,349 83,717 76,527 60,839 34,144 32,005 50,065

合計 28,442 86,373 92,490 74,930 86,278 78,205 62,922 36,686 34,105 51,991

カリブ海側

甲殻類 1,694 1,205 2,068 552 1,617 1,390 1,860 1,377 373 164

軟体動物 110 94 56 67 951 684 424 225 48 11

魚 23,901 6,382 2,771 3,683 8,402 5,963 7,318 6,941 3,055 2,379

棘皮動物 - - - - 52 1 0 3 0 0

合計 25,705 7,681 4,894 4,302 11,022 8,037 9,602 8,546 3,476 2,554

河川※ 魚 19,961 20,689 21,139 21,165 16,648 18,563 21,878 22,927 20,211 25,280

漁業合計 74,107 114,743 118,524 100,396 113,948 104,806 94,402 68,159 57,792 79,825

養殖

甲殻類 14,604 16,503 18,040 19,303 20,392 20,301 19,292 12,432 12,576 9,410

軟体動物 6 - - - - - - - - -

魚 27,511 31,529 38,490 42,031 48,532 46,266 53,944 59,818 58,348 63,154

養殖合計 42,121 48,032 56,530 61,334 68,924 66,567 73,236 72,250 70,924 72,564

漁業・養殖合計 116,229 162,775 175,054 161,730 182,872 171,373 167,638 140,409 128,716 152,389

出所)Agronet ※マグダレナ川、オリノコ川、アマゾン川、シヌ川の合計

漁獲業では太平洋沿岸では大型漁船がマグロやタイガーエビを主に獲っていたが、その生息数が減少し

ているため、今後は減少傾向をたどるとみられている 68。さらに、近年続いていた原油価格の高騰傾向を

受け、廃業をした漁船会社が多かった。マグロ類及びタイガーエビは輸出向けの魚種であるのに対して、

その他の魚介類は主に国内向けであり、小規模漁業者がこれらの魚介類を獲っている。

67 (AUNAP 2013) 68 (AUNAP 2013)

103

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表 106 太平洋側の種類別生産量(トン) 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

甲殻類

タイガーエビ 561 846 463 350 751 671 785 1,095 1,043 812

白系クルマエビ 561 846 547 350 493 483 583 493 506 587

その他エビ 13 0 910 299 835 266 356 715 412 365

その他 599 801 209 551 438 239 321 132 78 47

合計 1,735 2,492 2,128 1,550 2,517 1,659 2,046 2,435 2,039 1,811

軟体動物

フネガイ類 10 - 14 9 19 7 28 94 49 93

イカ 69 42 27 11 18 7 5 9 6 10

その他 14 0 4 11 6 5 4 5 4 11

合計 92 42 44 31 44 19 37 107 58 114

マグロ類 21,514 56,794 65,201 64,984 64,119 51,112 35,180 23,606 18,127 37,199

サーディン類 1 25,270 21,170 5,705 16,387 21,144 22,049 5,705 8,169 7,788

シエラ(Sierra) 12 0 444 232 390 501 553 695 606 747

赤鯛 58 181 398 367 357 418 363 471 623 590

その他 5,030 1,595 3,105 2,061 2,465 3,351 2,695 3,668 4,481 4,060

合計 26,616 83,839 90,318 73,349 83,717 76,527 60,839 34,144 32,005 50,383

出所)Agronet(2011 年の魚の生産量は表 105 と合致しない)

コロンビアの養殖業は、特にティラピア及びコロソマの養殖が近年大きく伸びている。これまで養殖に

関する衛生面及び環境面での規制はなかった。養殖業のさらなる発展を促進するため、コロンビア政府は

2011 年に国家養殖政策を打ち出し、水産養殖機構(AUNAP)を創設した。さらに、2014 年には養殖業

の促進に関する「維持可能な養殖発展計画」を定めた。

ティラピアの養殖は主に輸出用であり、これまで多く養殖されていたエビも同様に輸出向けであったが、

国際価格の低迷から最近では国内需要に向けられ、その生産規模が縮小している。

AUNAP によれば、養殖業に従事する人口は 29,400 人であり、その内の 90%は財源が限定的な小規模

生産者であり、養殖業 GDP は全国 GDP のわずか 0.7%に相当する。養殖業者が最も集中している県はウ

イラ県であり、ボゴタ及びバリェ・デル・カウカ県がこれに次ぐ。エビ養殖はナリニョ県に集中している。 表 107 種類別養殖生産量(トン)

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2,012

ティラピア 17,815 24,307 27,953 23,146 27,324 31,356 42,602 46,313 45,692 44,383

コロソマ 7,720 7,124 6,768 17,415 10,424 12,189 8,985 8,372 10,489 9,659

マス 2,997 3,933 4,079 2,416 1,065 4,617 5,733 2,395 4,389 9,025

その他 5,994 6,253 6,462 9,014 11,158 5,782 2,498 1,268 2,584 954

合計 34,526 41,617 45,262 51,991 49,971 53,944 59,818 58,348 63,154 64,021

甲殻類

エビ 16,503 18,040 19,303 20,392 20,301 19,292 12,432 12,576 9,410 8,084

合計 16,503 18,040 19,303 20,392 20,301 19,292 12,432 12,576 9,410 8,084

出所)Agronet(2003 年-2007 年の生産量は表 105 と合致しない)

104

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主要作物の貿易動向 3.1.3

コロンビアの 2013 年の農林水産物・食品輸出額は 66 億ドルで、これは同国総輸出額の内 11.3%であっ

た。70 年代にはコロンビア最大の輸出品目であったコーヒーは今では農林水産品輸出の 3 割を占めるにと

どまり、他方で石油と石炭の輸出が増加し、両品目は今ではコロンビア総輸出額の約 6 割以上を占めるま

でになっている。

農林水産分野ではコーヒーは依然として最大の輸出品目であるが、特に 60 年代に始められた花卉栽培

の産業化が成功し、今では花卉類は第二の輸出品目となっている。これらの品目に次ぐバナナは、古くか

ら米国の United Fruit Company 等の資本が入り、輸出志向の高い果物である。砂糖の原料となるサトウ

キビもまた、古くから輸出目的に栽培されている作物である。地理的な近さ及び米国企業の進出があり、

コロンビア産の農産品は伝統的に米国に輸出されており、その傾向は今でも変わっていない。

最近ではコロンビアが国内の自給率を確保しつつ、農産品輸出の多様化を目指しており、経済連携協定

を通じて特に日本及び韓国をはじめとするアジア諸国への輸出拡大を目指している。 図 16 コロンビアの農林水産物・食品輸出の推移(2004~2013 年)

出所)ITC 注)HS01~24 及び 44 の計

他方の輸入も増加傾向にあり、現在の輸出超過の状態は近い将来逆転する可能性がある。特に穀物の輸

入が目立つ。 図 17 コロンビアの農林水産物・食品輸入の推移(2004~2013 年)

出所)ITC 注)HS01~24 及び 44 の計

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

(%) (百万米ドル)

その他 HS02 食肉・くず肉 HS15 油脂・ろう等 HS01 生きている動物 HS21 その他食用調製品 HS17 砂糖・甘味料 HS08 果実・ナッツ等 HS06 生きている植物 HS09 コーヒー紅茶等 輸出の内農林水産物シェア(%)

8.0%

8.5%

9.0%

9.5%

10.0%

10.5%

11.0%

11.5%

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

(%) (百万米ドル)

その他

HS12 油糧種子等

HS22 飲料、アルコール、酢

HS21 その他食用調製品

HS15 油脂、ろう等

HS23 残留物、くず

HS10 穀物

輸入の内農林水産物シェア(%)

105

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表 108 農林水産物の貿易収支(百万米ドル) 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出 3,577 4,603 4,925 5,861 6,703 5,988 5,762 7,055 6,618 6,622

輸入 1,925 1,994 2,460 3,241 4,272 3,583 4,243 5,402 6,270 6,284

収支 1,652 2,609 2,465 2,620 2,431 2,405 1,519 1,653 348 339

出所)ITC

表 109 農林水産物・食品の主要貿易相手国(百万米ドル)

輸出 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

米国 1,328 1,718 1,767 1,904 2,004 2,068 2,320 2,658 2,416 2,432

ベネズエラ 448 481 640 1,025 1,455 907 156 180 548 702

ベルギー 223 296 289 306 370 329 339 470 375 424

日本 193 262 250 256 294 302 442 425 292 302

英国 112 141 140 199 267 248 260 363 328 276

ドイツ 215 296 306 457 493 278 205 363 270 265

オランダ 40 54 78 98 96 64 87 176 201 214

カナダ 86 125 136 128 138 151 201 259 204 189

エクアドル 72 95 100 123 145 117 133 164 165 167

ペルー 52 91 107 112 95 104 137 146 207 157

その他 808 1,043 1,111 1,252 1,347 1,418 1,484 1,851 1,611 1,495

合計 3,577 4,603 4,925 5,861 6,703 5,988 5,762 7,055 6,618 6,622

輸入 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

米国 634 690 852 1,309 1,802 849 713 1,024 1,022 1,459

アルゼンチン 151 155 309 364 565 721 1,149 1,466 1,760 1,251

ボリビア 165 183 105 130 218 239 261 157 273 540

チリ 122 132 154 222 283 246 328 398 490 491

ブラジル 94 104 153 191 241 350 344 442 550 482

エクアドル 153 196 252 251 269 298 309 427 447 410

カナダ 174 118 143 201 209 215 281 341 397 345

ペルー 41 54 65 65 110 161 169 237 255 209

中国 16 23 69 59 70 72 119 146 173 169

メキシコ 29 34 41 58 77 89 100 99 110 118

その他 311 442 534 618 787 151 779 1,183 907 1,375

合計 1,892 2,131 2,678 3,467 4,633 3,391 4,551 5,918 6,386 6,849

出所)ITC

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コーヒー紅茶等

過去 10 年のコーヒー輸出量を見てみると 2011 年の後輸出が減少した。その主な理由は国内の多くの地

域で発生した roya と呼ばれるさび病が原因である。コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)は様々な

対策を行っており、生産は今後回復するとみられている。2013 年に太平洋側のブエナベントゥラ港が輸出

されるコーヒーの 57%(袋ベース)、カルタヘナ港が 39.5%をそれぞれ占めた。また輸出されたコーヒー

の 93.4%は生豆であり、インスタントコーヒーは 5.3%、ローストコーヒーは 0.8%、コーヒーの抽出は 0.3%であった。さらに、輸出されたコーヒーの 25.2%(金額ベース)は FNC が自ら行ったものであり、残り

の 74.8%は民間業者が輸出した分であり、民間業者の輸出割合が 2000 年の 65.2%に比べ約 10%増えてい

る。

輸出先としては欧米と日本が主であるが、近年新興国への輸出も増加傾向にある。その中でも韓国への

輸出が増えており、FNC は同国でのプロモーションを積極的に行っている。

表 110 コーヒー、紅茶等の輸出推移

HS 品目名 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸出額 (百万米ドル) 0901 コーヒー、コーヒー豆、コーヒー代用物 964 1,493 1,487 1,734 1,917 1,575 1,914 2,658 1,956 1,923 その他 5 6 5 5 5 6 8 8 8 11

出所)ITC

表 111 コーヒー(HS コード 0901)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) 米国 346 536 533 614 717 677 761 1,117 819 843 日本 162 227 210 214 246 250 373 351 215 227 ベルギー 51 93 78 124 131 102 150 222 160 161 ドイツ 134 201 202 238 204 88 79 138 104 131 カナダ 58 94 83 86 106 100 149 184 146 122 英国 22 44 50 66 86 58 64 152 98 65 スペイン 21 31 39 54 55 40 52 90 74 57 韓国 14 26 24 30 39 49 66 97 56 48 フィンランド 18 22 31 37 41 18 31 49 51 41 イタリア 28 60 56 64 72 32 28 44 31 32 その他 111 158 180 206 220 160 163 212 202 196 合計 964 1,493 1,487 1,734 1,917 1,575 1,914 2,658 1,956 1,923 輸出量 (千トン) 米国 204 223 215 226 227 192 164 188 168 242 日本 92 89 85 77 76 74 81 57 43 64 ベルギー 32 39 32 46 41 30 31 34 31 41 ドイツ 80 85 83 88 65 27 17 23 22 39 カナダ 35 39 34 32 34 30 33 31 31 36 英国 14 18 21 25 28 19 14 24 20 18 スペイン 13 13 16 20 17 12 11 14 14 15 韓国 9 10 10 11 13 14 14 17 12 14 フィンランド 11 10 13 14 13 6 7 8 11 12 イタリア 17 25 23 24 23 10 6 7 6 9 その他 71 66 73 76 69 48 36 35 42 57 合計 576 617 603 638 605 461 413 437 401 548

出所)ITC

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生きている植物(花卉類)

切り花及び花卉類の輸出は近年目覚ましい発展を見せている。米国は伝統的に最大の輸出先であるが、

輸出相手国が多様化しており、過去 10 年でロシア向け輸出額は 3 倍以上、日本向けは 4 倍に増えている。

北半球諸国への輸出が特に目立つ。農林水産品の輸出額全体から見てみると、花卉類の輸出は今ではコー

ヒーに次いで第 2 の輸出品目となっている

特に米国に向かう花卉類の 88%はフロリダ州マイアミ空港を経由し、同空港から全米各地へと流通され

る。ボゴタ周辺の栽培地から空港までの「コールド・チェーン」物流の確立が花卉類の輸出に重要な役割

を果たしている。

表 112 生きている植物(花卉類)の輸出推移

HS 品目名 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸出額 (百万米ドル) 0603 切花及び花芽 703 906 967 1,115 1,094 1,049 1,240 1,251 1,270 1,335 その他 3 3 5 6 6 6 8 9 8 10

出所)ITC

表 113 切花(HS コード 0603)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) 米国 581 741 788 915 855 839 949 964 967 1,015 ロシア 21 30 37 42 58 43 61 61 68 75 日本 13 16 18 24 28 29 47 51 56 52 英国 28 36 36 42 43 38 51 44 43 49 カナダ 16 18 20 20 21 19 27 29 35 35 オランダ 8 13 12 16 22 18 29 24 26 27 スペイン 9 13 15 19 23 23 28 28 22 20 その他 27 39 41 37 44 40 48 50 53 62 合計 703 906 967 1,115 1,094 1,049 1,240 1,251 1,270 1,335 輸出量 (千トン) 米国 160 184 184 191 176 163 169 157 149 157 ロシア 5 6 7 7 8 7 9 9 11 12 日本 2 3 3 4 5 5 7 7 8 7 英国 8 9 9 9 9 9 11 10 9 10 カナダ 5 5 5 5 5 4 6 5 6 6 オランダ 3 4 3 4 5 4 6 4 5 5 スペイン 3 3 4 4 4 5 5 5 4 3 その他 7 9 9 8 9 9 9 8 9 11 合計 192 223 223 232 221 205 220 206 202 212

出所)ITC

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果実、ナッツ類

果実の中でバナナの輸出がその 9 割を占めている。カリブ海沿岸の県では輸出向けの生産が行われてお

り、内陸県では主に国内向けの生産が行われている。輸出向けに栽培されるバナナは Cavendish Valery種であり、輸出量の 7 割はウラバ湾岸で生産されているが、その割合は縮小傾向にあり、マグダレナ県か

らの出荷が徐々に増えている。

コロンビアバナナ生産者協会(AUGURA)の統計によれば、バナナの輸出業者のうち、UNIBAN 社は

最大の輸出業者であり、輸出量の 4 割を占めている。BANACOL 社(同 17.7%)及びマグダレナ県からの

輸出のみを行っている BANASAN 社(同 10.8%)がこれに続く。輸出先は欧州諸国が最も多く、その中

でもベルギーが最大の輸出先となっている。

果実ではなく、根菜類の分類の中に含まれているプランテンの輸出も増加傾向にある。バナナと異なり、

プランテンの主な輸出先は米国であり、AUGURA によれば 2013 年では輸出の約 8 割は米国向けであっ

た。輸出業者はバナナと同じく UNIBAN 社及び BANACOL 社が最大手で、両社以外に BANUR 社及び

CONSERBA 社が輸出を行っている。

表 114 果実、ナッツ類の輸出推移

HS 品目名 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸出額 (百万米ドル) 0803 バナナ(生鮮及び乾燥) 432 508 525 570 654 837 748 815 822 764 その他 24 35 39 49 53 48 51 57 58 64

出所)ITC

表 115 バナナ(HS コード 0803)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) ベルギー 162 188 197 165 221 207 172 220 195 224 米国 149 187 182 151 178 262 233 199 236 204 英国 1 1 1 17 54 113 113 125 161 136 ドイツ 42 49 65 122 103 113 86 152 112 80 イタリア 27 27 21 32 43 75 78 84 83 59 オランダ 0 0 9 15 2 3 5 0 17 24 その他 51 56 50 68 53 64 61 35 18 37 合計 432 508 525 570 654 837 748 815 822 764 輸出量 (千トン) ベルギー 585 643 622 502 612 519 416 509 444 488 米国 566 647 585 477 488 677 548 477 530 443 英国 2 2 3 47 140 269 256 274 347 278 ドイツ 136 162 209 370 288 291 218 356 254 178 イタリア 112 101 72 99 115 180 212 224 188 123 オランダ 1 1 28 48 5 6 12 1 38 53 その他 188 207 178 206 149 160 141 75 33 78 合計 1,590 1,761 1,697 1,749 1,798 2,102 1,803 1,915 1,835 1,643

出所)ITC

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砂糖、甘味料

伝統的な輸出品目である砂糖の輸出額は増加傾向にあるが、輸出量は減少傾向にある。輸出額の増加は

近年続いた砂糖の国際価格の高騰によるものと考えられる。輸出先を見てみると、同じ南米諸国のペルー

及びチリが上位に位置している。ペルーは砂糖に対してアンデス共同体(CAN)の下でプライスバンド制度

を設けているが、同じ CAN 加盟国であるコロンビア産砂糖の場合は無税で輸出が可能である。そのため、

他の砂糖輸出国に比べペルーに対する輸出競争力が高い。チリは砂糖の純輸入国であり、コロンビアはグ

アテマラとともに最大の供給国である。米国向けの砂糖輸出が増減を繰り返している。米国は CAFTA-DRを通じて中米諸国に砂糖輸入の割当量を設け、そして NAFTA を通じて 2008 年からメキシコ産砂糖の輸

入を自由化している。コロンビアとの FTA では、砂糖及びその調製品に 5 万トンの割当量を設けている。

そのため、今後米国向けの輸出量が増えると見込まれる。 表 116 砂糖、甘味料の輸出推移

HS 品目名 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸出額 (百万米ドル) 1701 甘しや糖、てん菜糖及び化学的に純粋なしよ糖 220 268 361 261 156 382 450 594 484 327 1704 砂糖菓子(ココアを含有しない) 148 166 200 226 234 234 218 275 280 314 1702 その他の糖類等 8 14 6 7 8 7 5 7 6 7 1703 糖みつ 6 8 1 0 0 3 0 1 0 2 輸出量 (千トン) 1701 甘しや糖、てん菜糖及び化学的に純粋なしよ糖 1,165 1,109 947 755 417 919 805 843 753 620 1704 砂糖菓子(ココアを含有しない) 109 115 127 134 126 120 110 112 107 104 1702 その他の糖類等 137 91 15 0 0 25 0 11 0 25 1703 糖みつ 26 52 17 14 13 13 10 11 8 9

出所)ITC

表 117 甘しゃ糖(HS コード 1701)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) ペルー 11 37 55 55 30 34 59 58 115 60 チリ 31 30 38 45 44 64 105 159 130 59 ハイチ 29 31 49 40 21 41 40 50 51 40 米国 17 27 47 6 14 27 56 38 55 22 コートジボワール 3 0 0 0 0 0 0 3 0 18 カナダ 6 4 23 11 1 20 13 35 11 17 チュニジア 0 0 0 0 0 13 0 13 0 14 ジャマイカ 7 9 21 15 9 23 23 28 20 12 トリニダードトバコ 2 5 7 9 3 7 16 25 19 12 イタリア 0 0 0 1 0 1 0 4 1 12 その他 114 125 121 79 34 152 138 181 82 61 合計 220 268 361 261 156 382 450 594 484 327 輸出量 (千トン) ペルー 59 159 143 156 87 85 95 83 185 114 チリ 141 111 92 138 117 146 191 218 204 113 ハイチ 153 126 128 117 60 102 70 77 85 80 米国 99 87 132 11 28 70 111 46 78 37 コートジボワール 18 0 0 0 0 0 0 5 0 40 カナダ 38 17 67 39 2 55 20 45 15 37 チュニジア 0 0 0 0 0 33 0 18 0 33 ジャマイカ 35 36 54 43 24 57 43 47 32 23 トリニダードトバコ 9 18 16 24 7 18 28 39 31 22 イタリア 1 0 1 2 0 2 0 6 2 21 その他 613 555 314 225 92 350 247 261 122 99 合計 1,165 1,109 947 755 417 919 805 843 753 620

出所)ITC

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砂糖菓子の輸出は近年増えている。その主な輸出先はベネズエラ及びペルーなどの近隣諸国の他に、米

国向けの輸出も増加している。パネラの輸出額は全体的に増えているが、2012 年以降の輸出記録はない。

コロンビア政府はカカオ生産の増加傾向に鑑みて、製菓業への海外投資の誘致を積極的に行っている。

表 118 砂糖菓子(HS コード 1704)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) ベネズエラ 46 50 67 83 79 63 54 82 92 115 ペルー 9 10 11 16 17 22 25 31 31 36 米国 28 23 25 26 24 30 31 27 34 31 エクアドル 10 12 15 15 20 13 16 23 24 27 アンゴラ 0 0 0 0 0 1 4 6 11 12 チリ 4 4 6 5 7 7 8 12 13 11 UAE 1 1 2 4 4 3 2 5 6 10 その他 50 66 74 77 83 95 78 89 69 72 合計 148 166 200 226 234 234 218 275 280 314 輸出量 (千トン) ベネズエラ 36 37 41 47 35 29 22 22 21 16 ペルー 5 5 6 9 9 10 11 12 13 14 米国 19 17 16 17 16 15 20 15 17 13 エクアドル 7 8 9 8 11 7 8 9 10 11 アンゴラ 0 0 0 0 0 1 2 3 6 6 チリ 3 3 4 4 5 5 5 6 7 5 UAE 1 1 2 3 3 2 2 3 3 5 その他 38 44 49 48 48 51 41 41 31 32 合計 109 115 127 134 126 120 110 112 107 104

出所)ITC

表 119 パネラの輸出推移 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出量 (t) 4,679 3,829 2,948 2,367 2,126 2,051 1,965 2,697 - -

輸出金額 (千 USD) 2,394.9 2,625.3 2,390.0 2,860.4 2,978.7 2,548.1 2,432.5 3,833.2 - -

輸出単価(USD/t) 512 686 811 1209 1401 1242 1238 1421 - -

出所)Agronet 及び CIEN

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油脂等

アブラヤシから作られるパーム油及びパーム核油の輸出は年によって変動が大きいが 2000 年代以降は

増加傾向をたどっている。2013 年には 18 万トンが輸出され、その主な輸出先はオランダ、ブラジル及び

メキシコである。コロンビアが EU と結んでいる自由貿易協定により同国産パーム油が優遇な条件で輸出

が可能となったことから、今後も欧州向けの輸出が続くとアブラヤシ生産者連盟(FEDEPALMA)がみ

ている。他方で、第 3 位の輸出先であるメキシコでは、アブラヤシの生産を増やしているグアテマラやホ

ンジュラス等の近隣諸国からの輸入が増加傾向にあり、距離的に不利な条件にあるコロンビアからの輸出

が今後減少していくと考えられる。パーム核油についても主要な輸出先はオランダ、メキシコ及びブラジ

ルの順位であった。なお、アブラヤシは内陸県の生産が多いものの、輸出港に近い北部県からの輸出が主

である。

なお、コロンビアの内需が生産量を上回っているため、近隣諸国からの油糧種子類の輸入が行われてい

る。2013 年には 12 万トンのパーム油が輸入され、その多くはエクアドルからである。

表 120 油糧種子類の輸出推移

HS 品目名 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸出額 (百万米ドル) 1511 パーム油及びその分別物 99 89 96 217 320 139 83 191 189 181 1513 やし油、パーム核油等 18 20 16 26 40 22 34 69 56 44 その他 28 25 24 27 39 27 40 49 48 45

輸出量 (千トン) 1511 パーム油及びその分別物 214 228 214 316 292 214 90 159 174 185 1513 やし油、パーム核油等 28 33 28 31 32 34 35 42 47 53

出所)ITC

表 121 パーム油(HS コード 1511)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) オランダ 2 3 3 11 25 8 6 76 71 68 ブラジル 4 0 3 16 29 14 3 45 34 35 メキシコ 13 3 8 0 2 32 26 5 31 16 チリ 0 1 4 3 5 4 6 8 8 10 その他 80 82 78 187 259 81 42 57 45 52 合計 99 89 96 217 320 139 83 191 189 181 輸出量 (千トン) オランダ 4 7 6 19 26 11 6 66 72 82 ブラジル 7 0 8 23 24 22 4 38 32 42 メキシコ 27 6 20 0 2 52 32 5 30 19 チリ 0 3 7 4 4 5 5 5 6 10 その他 176 211 172 269 237 125 42 45 35 31 合計 214 228 214 316 292 214 90 159 174 185

出所)ITC

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食肉、くず肉

コロンビアの肉用牛は生きたまま主にベネズエラに輸出されている。食肉についても、ベネズエラはほ

ぼ唯一の輸出先である。輸出には検疫などの課題があり、他国への輸出が難しいが、近年では香港及び蘭

領アンティール諸島等に少量ながら輸出が行われている。コロンビアが近年締結している FTA の中では牛

肉に関する関税割当が設けられたケースがあるものの、衛生条件を満たすことが出来ず、実質的な輸出が

不可能の場合が多い。

具体的には、メルコスールとの協定では2016年から牛肉製品の輸出が無税で可能となっているものの、

衛生条件を満たしていないため、現段階では輸出が不可能となっている。このような状況は米国、EU、

スイス、チリ、メキシコ、韓国等でも同様であり、牛肉の輸出が実質的にできない状況にある。

また、国内の需要が堅調に増えていることから、米国、チリ及びアルゼンチン等から約 4 千トンの冷凍

牛肉の輸入が行われている。 表 122 食肉、くず肉の輸出推移

HS 品目名 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 輸出額 (百万米ドル) 0202 牛の肉(冷凍) 3 2 4 3 7 28 3 16 35 168 0201 牛の肉(生鮮及び冷蔵) 26 25 72 336 743 565 5 6 10 36 その他 1 0 1 1 14 3 5 6 4 4

出所)ITC

表 123 牛肉(冷凍、HS コード 0202)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) ベネズエラ 3 2 4 3 7 28 0 1 31 165 その他 0 0 0 0 0 0 3 15 4 3 合計 3 2 4 3 7 28 3 16 35 168 輸出量 (千トン) ベネズエラ 2 1 1 1 1 4 0 0 5 24 その他 0 0 0 0 0 0 1 4 1 1

合計 2 1 1 1 1 4 1 4 6 25 出所)ITC

表 124 牛肉(生鮮及び冷蔵、HS コード 0201)の主な輸出先の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013

輸出額 (百万米ドル) ベネズエラ 25 24 71 336 740 563 0 0 6 32 その他 1 1 1 0 3 2 5 6 4 4 合計 26 25 72 336 743 565 5 6 10 36 輸出量 (千トン) ベネズエラ 11 8 20 81 145 92 0 0 1 8 その他 1 1 1 0 1 1 1 1 1 1 合計 11 9 21 81 146 92 1 1 2 8

出所)ITC

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表 125 コロンビア農産物の需給表(2011 年) 単位:千トン

供給 消費 供給におけ

る輸入割合

生産におけ

る輸出割合 生産量 輸入量 輸出量 在庫変動 供給量計 食料 飼料・種子 加工・その他

穀物 3,106 5,639 81 48 8,709 4,306 3,937 470 65% 3%

小麦 12 1,604 35 0 1,580 1,554 0 26 102% 292%

コメ 1,357 42 0 128 1,526 1,320 94 112 3% 0%

大麦 2 271 16 0 257 59 3 195 105% 800%

トウモロコシ 1,681 3,235 30 -80 4,805 1,364 3,324 121 67% 2%

ライ麦 0 1 0 0 1 0 1 0 100%

オーツ麦 4 3 0 0 7 7 0 0 43% 0%

その他 50 483 0 0 533 2 515 16 91% 0%

イモ類 4,349 87 12 0 4,423 3,406 431 588 2% 0%

ジャガイモ 1,710 83 6 0 1,787 1,289 241 257 5% 0%

その他 2,639 4 6 0 2,636 2,117 190 331 0% 0%

豆類 180 146 0 0 326 312 8 5 45% 0%

ナッツ類 1 4 0 0 5 5 0 0 80% 0%

油糧種子 441 299 0 0 738 116 3 619 41% 0%

大豆 75 276 0 0 351 3 2 346 79% 0%

その他 366 23 0 0 387 113 1 273 6% 0%

植物油 1,152 430 222 0 1,359 844 0 516 32% 19%

大豆油 61 248 13 0 295 259 0 36 84% 21%

その他 1,091 182 209 0 1,064 585 0 480 17% 19%

野菜 1,850 206 7 0 2,049 1,815 46 188 10% 0%

トマト 595 41 0 0 636 612 0 24 6% 0%

タマネギ 379 128 0 0 507 412 0 94 25% 0%

その他 876 37 7 0 906 791 46 70 4% 1%

果物 8,096 328 1,978 0 6,447 5,527 299 635 5% 24%

柑橘類 1,227 46 4 0 1,270 1,233 0 36 4% 0%

バナナ/プランテン 4,989 46 1,915 0 3,118 2,480 299 340 1% 38%

りんご 1 94 1 0 95 95 0 0 99% 100%

その他 1,879 142 58 0 1,964 1,719 0 259 7% 3%

コーヒー・ココア 513 90 518 10 95 87 0 8 95% 101%

スパイス 19 3 3 0 20 22 0 0 15% 16%

酒類 2,006 86 7 0 2,084 2,040 0 44 4% 0%

肉類 2,184 84 12 0 2,255 2,239 0 16 4% 1%

牛肉 821 2 7 0 816 800 0 16 0% 1%

羊肉・ヤギ肉 26 0 0 0 26 26 0 0 0% 0%

豚肉 216 25 0 0 241 241 0 0 10% 0%

鶏肉 1,075 56 5 0 1,126 1,126 0 0 5% 0%

ミルク 6,284 75 7 0 6,353 5,144 766 443 1% 0%

魚介類 160 254 71 0 341 254 87 0 74% 44% 出所)FAOSTAT

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日本企業の対コロンビア戦略及びコロンビア企業の対日戦略 3.1.4

今次調査のために実施した日本企業及びコロンビア企業へのヒアリングの結果、農林水産分野に対する

関心を確認することが出来た。具体的にはインスタントコーヒーの対日輸出はその一つであり、現在では

同品目に係る関税率は 8.8%(WTO 税率)であり、EPA の結果無税になることが期待されている。一方で、

日本からコロンビア向けの輸出の中で種子が最大の品目であり、野菜種子の輸出拡大に関心を示した企業

がある。

また、対日ではなく、コロンビアの有力な輸出品目であるコーヒー及びその関連製品、または菓子の対

アジア輸出拡大に関心を示している企業もあり、コロンビア企業と共同で東南アジアでのコーヒー関連ビ

ジネスに既に取り組んでいる。その他に、コロンビアが締結している対米及び対 EU 等の FTA 網を活用

することに関心が示されている。

日本企業がコロンビアで課題とみている主な事項としては治安及びインフラ整備が挙げられる。サント

ス政権が進めている和平交渉について好意的だが、その実現性に関する疑問がある。またインフラ整備に

ついて、港湾施設の整備ではなく国内物流に係るインフラの整備に対して困難を抱えている企業があり、

日本企業としてもコロンビアが推し進めているインフラ政策に関心と期待を寄せている。

他方、コロンビア企業では冷凍野菜の輸出拡大に関心を示している企業があった。

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