3 インフラの抱える社会的な課題 の解消に向けて ·...
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Feature 3Feature 3
道路をはじめとした様々なインフラ構造物の高齢化が進行する中、その維持管理に
かかるコストも増加傾向にあります。さらに、生産年齢人口の減少や厳しい財政状況に
より、インフラの維持管理は一層困難になっており、社会問題のひとつとなっています。
このような社会が抱える課題を解消するため、当社は効率的なインフラマネジメント
システムの運用や技術開発を推進しています。 点群データに加え交通量等の各種データを用い、「損傷推定AIエンジン」を活用して構造物の劣化や損傷の状況を高精度で推定することで、効率的な維持管理を実現します。
GISプラットフォームから構造物等の管理に必要な全データにアクセスでき、総合的視点で迅速に構造物の診断・評価ができます。
3次元点群データ空間において、システム上で現場調査や設計・施工等のシミュレーションができます。これにより、現地の既設構造物の寸法等に見合った設計や、施工機械の作業範囲もシステム上で事前に検証でき、設計・施工の効率化が可能です。
3次元点群データとカメラ画像による舗装の劣化指標(わだち掘れ量、平坦性、ひび割れ率)の自動算出に加え、舗装の穴(ポットホール)の自動検出を行うことで、点検から補修費算出までを自動化し、飛躍的な生産性向上を実現します。
3次元点群データから任意の箇所における2Dや3DのCAD図を容易に作成できます。また、解析技術を組み合わせることで的確かつ効率的に構造物の劣化診断・予測解析が可能です。
の主な技術
迅速な診断・評価に向けてGIS上で各種情報を統合管理
予測保全に向けてAIエンジンを用いた先進的な維持管理
効率的な調査・設計及び施工に向けて3次元点群データの活用
よりスムーズな舗装補修計画に向けて劣化指標をはじめとした自動算出技術
効率的な診断・解析に向けてCAD図や構造解析モデル作成
インフラの抱える社会的な課題 の解消に向けて新技術 〝 の運用開始〝3特集
特集3特集3
とは、維持管理に必要な情報をGIS※1プラットフォーム※2に統合するとともに、MMS※3による3次元点群データ※4の
取得とその活用や、ICT(情報通信技術)※5、AI(人工知能)※6の活用により、効率的な維持管理を実現するスマートインフラマネジメント
システムです。2017年に の運用を開始し、より効率的な維持管理システムを社会に還元するため、現在もさらなる新
技術の開発を進めています。インフラの高齢化は道路だけではなく、他のインフラ管理者との共通の課題であるため、これらのシステ
ムや技術を活用し、課題解消に向け支援していきます。
スパンをクリック
アクセス
構造物の緒元 交通量
図面データ
ひび割れ自動抽出
施工シミュレーションの実施
ポットホール自動検出[ 首都高技術(株)と東京大学の共同開発 ]
点検・補修データ
入力入力入力入力
入力入力出力出力
日本の人口推計14,00012,00010,000
8,0006,0004,0002,000
02060年2010年
■非生産年齢人口 ■生産年齢人口
8,7704,4158,674
12,806
点群情報点群情報
背景画像 : 3次元点群データ空間における谷町JCT背景画像 : 3次元点群データ空間における谷町JCT
構造諸元構造諸元 図面データ図面データ 交通量データ交通量データ
技術者による最終判断技術者による最終判断
近赤外線情報近赤外線情報
intelligence-Dynamic Revolution for Asset Management systems
センシングデータセンシングデータ
劣化、損傷、補修補強を自動検知劣化、損傷、補修補強を自動検知
点検データ点検データ 各種データ各種データ
効率的な維持管理を実現
損傷推定AIエンジン
(万人) 生産年齢人口約5割減少
出展:総務省「国勢調査」及び「人口推計」国立社会保障・人口問題研究所
「日本の将来推計人口(2014年1月推計)」
点検・補修●点検データベース●補修データベース●損傷データベース
維持管理支援●点群データによる 変状検出、図面作成
モニタリング●施設のモニタリング データベース
周辺情報●高速上ビデオ●高架下状況写真
事故・防災データ●ハザードマップ●事故、事象DB
交通管理データ●交通量データベース●渋滞量データベース
構造諸元●しゅん功図●台帳、管理図
IoT の活用新技術
ドローンによる点検ドローンによる点検 ロボットによる点検ロボットによる点検 近赤外線による点検近赤外線による点検 新打音検査新打音検査 デジタル画像解析デジタル画像解析
地図情報地図情報FEM解析FEM解析
劣化予測劣化予測
調査調査 設計設計
データベースサーバーデータベースサーバー
維持管理支援●点群データによる 変状検出、図面作成
GISプラットフォーム
補修計画・補修の実施
補修結果の評価健全度評価分析・劣化診断・予測
Maintenance Information Management維持管理
Construction Information Management施工
Design Information Management調査・設計
施工記録施工記録材料データ材料データ 出来形記録出来形記録
技術者による最終判断技術者による最終判断
損傷推定AIエンジン
交通管理データ交通管理データ交通管理データ交通管理データ交通管理データ交通管理データ交通管理データ●●●●●交通量データベース交通量データベース交通量データベース●●●●●渋滞量データベース渋滞量データベース渋滞量データベース渋滞量データベース
事故・防災データ事故・防災データ事故・防災データ事故・防災データ事故・防災データ事故・防災データ事故・防災データ事故・防災データ●●●●●ハザードマップハザードマップハザードマップ●●●●事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB事故、事象DB
点検・補修点検・補修点検・補修点検・補修●●●●●点検データベース点検データベース点検データベース●●●●補修データベース補修データベース補修データベース補修データベース補修データベース補修データベース補修データベース●損傷データベース損傷データベース損傷データベース損傷データベース損傷データベース損傷データベース損傷データベース
構造諸元構造諸元構造諸元構造諸元構造諸元●●●●しゅん功図しゅん功図しゅん功図しゅん功図しゅん功図しゅん功図●台帳、管理図
周辺情報周辺情報周辺情報周辺情報周辺情報周辺情報●●●●●●高速上ビデオ高速上ビデオ高速上ビデオ●●●●高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真高架下状況写真
交通管理データ●交通量データベース●渋滞量データベース
事故・防災データ●ハザードマップ●事故、事象データベース
周辺情報●高速上ビデオ●高架下状況写真
点検・補修●点検データベース●補修データベース●損傷データベース
構造諸元●しゅん功図●台帳、管理図
ウェアラブルによる点検ウェアラブルによる点検
タブレットやスマートフォンによる点検
タブレットやスマートフォンによる点検
新センサーによるモニタリング新センサーによるモニタリング
モニタリング●施設のモニタリング施設のモニタリング施設のモニタリング データベース データベース データベース データベース データベース データベース データベース
モニタリング●施設のモニタリング データベース
469
(遮音壁)(フェンス)
(裏面板) (裏面板)(主桁)(主桁)
サポート支柱吊高架
トロリ線
578※1 GIS(Geographic Information System):地理情報を地図上で可視化して高度な分析や迅
速な判断を可能にする地図情報システム※2 プラットフォーム:情報の生成・収集・蓄積・流通・共有・利用するための基盤※3 MMS(Mobile Mapping System):車両等で走行しながら建物や道路の形状などの3次元
位置情報を高精度で効率的に取得できる移動式高精度3次元計測システム
※4 3次元点群データ:レーザーで空間をスキャンし、物体が反射した信号から反射した点の位置(3次元座標)情報を記録したデータの集まり
※5 ICT(情報通信技術):情報処理や通信に関連する技術等の総称※6 AI(人工知能):記憶、推論、学習等、人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフ
トウェアやシステム
4877
1299
17 首都高 CSRレポート2018
Feature 3Feature 3
道路をはじめとした様々なインフラ構造物の高齢化が進行する中、その維持管理に
かかるコストも増加傾向にあります。さらに、生産年齢人口の減少や厳しい財政状況に
より、インフラの維持管理は一層困難になっており、社会問題のひとつとなっています。
このような社会が抱える課題を解消するため、当社は効率的なインフラマネジメント
システムの運用や技術開発を推進しています。 点群データに加え交通量等の各種データを用い、「損傷推定AIエンジン」を活用して構造物の劣化や損傷の状況を高精度で推定することで、効率的な維持管理を実現します。
GISプラットフォームから構造物等の管理に必要な全データにアクセスでき、総合的視点で迅速に構造物の診断・評価ができます。
3次元点群データ空間において、システム上で現場調査や設計・施工等のシミュレーションができます。これにより、現地の既設構造物の寸法等に見合った設計や、施工機械の作業範囲もシステム上で事前に検証でき、設計・施工の効率化が可能です。
3次元点群データとカメラ画像による舗装の劣化指標(わだち掘れ量、平坦性、ひび割れ率)の自動算出に加え、舗装の穴(ポットホール)の自動検出を行うことで、点検から補修費算出までを自動化し、飛躍的な生産性向上を実現します。
3次元点群データから任意の箇所における2Dや3DのCAD図を容易に作成できます。また、解析技術を組み合わせることで的確かつ効率的に構造物の劣化診断・予測解析が可能です。
の主な技術
迅速な診断・評価に向けてGIS上で各種情報を統合管理
予測保全に向けてAIエンジンを用いた先進的な維持管理
効率的な調査・設計及び施工に向けて3次元点群データの活用
よりスムーズな舗装補修計画に向けて劣化指標をはじめとした自動算出技術
効率的な診断・解析に向けてCAD図や構造解析モデル作成
インフラの抱える社会的な課題 の解消に向けて新技術 〝 の運用開始〝
特集
特集3特集3
とは、維持管理に必要な情報をGIS※1プラットフォーム※2に統合するとともに、MMS※3による3次元点群データ※4の
取得とその活用や、ICT(情報通信技術)※5、AI(人工知能)※6の活用により、効率的な維持管理を実現するスマートインフラマネジメント
システムです。2017年に の運用を開始し、より効率的な維持管理システムを社会に還元するため、現在もさらなる新
技術の開発を進めています。インフラの高齢化は道路だけではなく、他のインフラ管理者との共通の課題であるため、これらのシステ
ムや技術を活用し、課題解消に向け支援していきます。
スパンをクリック
アクセス
構造物の緒元 交通量
図面データ
ひび割れ自動抽出
施工シミュレーションの実施
ポットホール自動検出[ 首都高技術(株)と東京大学の共同開発 ]
点検・補修データ
入力入力入力入力
入力入力出力出力
日本の人口推計14,00012,00010,000
8,0006,0004,0002,000
02060年2010年
■非生産年齢人口 ■生産年齢人口
8,7704,4158,674
12,806
点群情報点群情報
背景画像 : 3次元点群データ空間における谷町JCT背景画像 : 3次元点群データ空間における谷町JCT
構造諸元構造諸元 図面データ図面データ 交通量データ交通量データ
技術者による最終判断技術者による最終判断
近赤外線情報近赤外線情報
intelligence-Dynamic Revolution for Asset Management systems
センシングデータセンシングデータ
劣化、損傷、補修補強を自動検知劣化、損傷、補修補強を自動検知
点検データ点検データ 各種データ各種データ
効率的な維持管理を実現
損傷推定AIエンジン
(万人) 生産年齢人口約5割減少
出展:総務省「国勢調査」及び「人口推計」国立社会保障・人口問題研究所
「日本の将来推計人口(2014年1月推計)」
点検・補修●点検データベース●補修データベース●損傷データベース
維持管理支援●点群データによる 変状検出、図面作成
モニタリング●施設のモニタリング データベース
周辺情報●高速上ビデオ●高架下状況写真
事故・防災データ●ハザードマップ●事故、事象DB
交通管理データ●交通量データベース●渋滞量データベース
構造諸元●しゅん功図●台帳、管理図
IoT の活用新技術
ドローンによる点検ドローンによる点検 ロボットによる点検ロボットによる点検 近赤外線による点検近赤外線による点検 新打音検査新打音検査 デジタル画像解析デジタル画像解析
地図情報地図情報FEM解析FEM解析
劣化予測劣化予測
調査調査 設計設計
データベースサーバーデータベースサーバー
維持管理支援●点群データによる 変状検出、図面作成
GISプラットフォーム
補修計画・補修の実施
補修結果の評価健全度評価分析・劣化診断・予測
Maintenance Information Management維持管理
Construction Information Management施工
Design Information Management調査・設計
施工記録施工記録材料データ材料データ 出来形記録出来形記録
技術者による最終判断技術者による最終判断
損傷推定AIエンジン
交通管理データ●交通量データベース●渋滞量データベース
事故・防災データ●ハザードマップ●事故、事象データベース
周辺情報●高速上ビデオ●高架下状況写真
点検・補修●点検データベース●補修データベース●損傷データベース
構造諸元●しゅん功図●台帳、管理図
ウェアラブルによる点検ウェアラブルによる点検
タブレットやスマートフォンによる点検
タブレットやスマートフォンによる点検
新センサーによるモニタリング新センサーによるモニタリング
モニタリング●施設のモニタリング データベース
469
(遮音壁)(フェンス)
(裏面板) (裏面板)(主桁)(主桁)
サポート支柱吊高架
トロリ線
578※1 GIS(Geographic Information System):地理情報を地図上で可視化して高度な分析や迅
速な判断を可能にする地図情報システム※2 プラットフォーム:情報の生成・収集・蓄積・流通・共有・利用するための基盤※3 MMS(Mobile Mapping System):車両等で走行しながら建物や道路の形状などの3次元
位置情報を高精度で効率的に取得できる移動式高精度3次元計測システム
※4 3次元点群データ:レーザーで空間をスキャンし、物体が反射した信号から反射した点の位置(3次元座標)情報を記録したデータの集まり
※5 ICT(情報通信技術):情報処理や通信に関連する技術等の総称※6 AI(人工知能):記憶、推論、学習等、人間の知的機能を代行できるようにモデル化されたソフ
トウェアやシステム
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