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R システム化可能性調査事業 再生利用困難な食品廃棄物のバイオマス燃料化 調査報告書 経済産業省 関東経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

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3Rシステム化可能性調査事業

再生利用困難な食品廃棄物のバイオマス燃料化

調査報告書

平 成 1 9 年 3 月

経済産業省 関東経済産業局

資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

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目次

はじめに

1. 首都圏の事業系食品廃棄物排出量の把握 ......................................................1 1.1 マクロデータの整理.............................................................................................. 1 1.2 実態調査結果 .......................................................................................................11

2. 食品廃棄物のサンプリングおよび燃料評価.................................................23 2.1 調査方法.............................................................................................................. 23 2.2 調査結果.............................................................................................................. 25 3. バイオマス燃料化プロセスの検討 ...............................................................26 3.1 燃料化プロセスの検討........................................................................................ 26 3.2 燃料化技術の調査 ............................................................................................... 32 3.3 余熱利用可能性調査............................................................................................ 36 4. 収集システムの検討.....................................................................................45 4.1 回収ルートの検討 ............................................................................................... 45 4.2 収集運搬車両および収集容器の検討 .................................................................. 49

5. 事業採算性の評価.........................................................................................51 5.1 拠点型プロセスの事業採算性評価...................................................................... 52 5.2 ハイブリッド型プロセスの事業採算性評価........................................................ 66

まとめ ........................................................................................................................68 <課題>............................................................................................................................ 68 <今後の取り組みの方向性>............................................................................................ 70 参考資料 Ⅰ.アンケート調査票 Ⅱ.燃料化技術調査シート Ⅲ.バイオマス燃料化のLCA評価について

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はじめに 食品廃棄物は、農林水産省の「平成 17年食品循環資源の再生利用等実態調査結果の概要」によると、年間 1,136 万 t 排出されている(下表参照)。食品廃棄物を排出している主な業種としては、食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業であるが、この中で特に、食品小売業および外食産業から排出されている食品廃棄物は、全体の約半分にあたる 570万 tであり、食品製造業から排出される食品廃棄物と比較すると、再生利用が進んでいないのが現状である。食品リサイクル法では、20%の減量、再生利用が求められているが、食品小売業や外食産業から排出される食品廃棄物には、箸や容器などの異物が混入していること等の影響で、堆肥化や飼料化によるリサイクルが困難なものも存在している。

表 食品廃棄物の処理状況

(出典:「平成 17年食品循環資源の再生利用等実態調査結果の概要」、H17、農林水産省)

一方、近年の化石燃料の高騰と地球温暖化防止の観点から、バイオマスエネルギーの利用が拡大しており、石炭の代替燃料として活用されている木屑チップなどは、需要に供給が追いつかない状況となっている。食品廃棄物はバイオマス資源であり、これを乾燥・固形化することにより、木屑チップのような燃料として用いることが可能である。これまで、リサイクルが困難だった食品廃棄物が石炭代替燃料として活用できれば、食品リサイクルの促進のみならず、石炭燃料の削減による CO2削減が期待できる。 セメント製造業では、今までは木くず、廃プラスチック、廃タイヤといった廃棄物をセメントの原燃料として活用してきたが、近年はだんだんと入手が困難になってきており、これらに代わるものとして、再生利用が困難とされる含水系の廃棄物に注目をして

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いる。仮に食品廃棄物を乾燥・燃料化させることにより石炭代替燃料として活用することができれば、燃料費のコストダウンおよび CO2 の削減を図ることが期待できる。ただしセメント製品の塩素濃度については、「350ppm以下」という JIS規格を満たすことが求められる。従って塩分が多い食品廃棄物を燃料として投入するためには、脱塩処理を行なう必要があると想定される。

以上を踏まえ本事業では、食品小売業、外食産業から収集された食品廃棄物を選別、破砕、(脱塩)、乾燥、固形化するバイオマス燃料化プラントを首都圏(または、その周辺)に整備し、石炭代替としてセメント焼成キルンや石炭ボイラー等の燃料に利用する新たな3Rシステムの可能性を検討することを目的とした。 調査にあたっては、関東地域での食品廃棄物の発生状況に関してアンケートを実施するとともに、廃棄物乾燥機メーカーを対象に乾燥方法を調査し、燃料化システムの検討を行った。検討結果を基に、堆肥化・飼料化などのリサイクルが困難な食品廃棄物のバイオマス燃料化の3Rシステムを構築提案した。

検討に際しては、東京工業大学総合理工学部研究科の吉川邦夫教授に委員長にご就任いただき、関係業界の第一線でご活躍されている識者に委員としてご参加いただいた。 本調査報告書の作成にご協力いただきました関係各位に、厚く御礼申し上げます。

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「再生利用困難な食品廃棄物のバイオマス燃料化」委員会名簿 氏名(敬称略) 役職 委員長 吉川 邦夫 東京工業大学教授 総合理工学研究科 環境理工学創造専攻 工学博士 委員 鮫島 宗明 東京農業大学客員教授 農学博士 元衆議院議員 中井 尚 社団法人 日本フードサービス協会 事務局長 大甕 聡 社団法人 日本ショッピングセンター協会 専務理事 岡田 純一 アジアプラントサービス株式会社 代表取締役 鴨沢 卓郎 環境資源株式会社 取締役営業部長 荒木 春夫 住友大阪セメント株式会社 環境部長 オブザーバー 岡野 忠幸 関東経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課 課長 清水 良郁 関東経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課 課長補佐 乙部 倫子 関東経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課 総括係長 佐藤 祐子 関東経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課 係長 事務局 酒木 哲也 住友大阪セメント株式会社 環境部 新規事業グループリーダー 君田 美智雄 住友大阪セメント株式会社 環境部 新規事業グループ 担当課長 中元 啓之 住友大阪セメント株式会社 環境部 新規事業グループ 担当課長 谷川 健明 住友大阪セメント株式会社 環境部 新規事業グループ 担当課長 田島 孝一 住友大阪セメント株式会社 環境部 新規事業グループ 担当課長 調査協力会社 本田 大作 株式会社リサイクルワン 取締役 COO 興津 世禄 株式会社リサイクルワン マネージャー 菊地 洋平 株式会社リサイクルワン アナリスト

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図 本調査事業の調査フロー

1.首都圏の事業系食品廃棄物排出量の把握 1.1 マクロデータの整理 1.2 実態調査結果 2.食品廃棄物のサンプリングおよび燃料評価 1.1 調査方法 1.2 調査結果 3.バイオマス燃料化プロセスの検討 3.1プロセスの検討 3.2燃料化技術の調査 3.3余熱利用可能性調査

4.収集システムの検討 4.1回収ルートの検討 4.2収集運搬車両および収集容器の検討 5.事業採算性の評価 5.1拠点型プロセスの事業採算性評価 5.2ハイブリッド型プロセスの事業採算性評価

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1. 首都圏の事業系食品廃棄物排出量の把握

1.1 マクロデータの整理 事業者別・地域別の事業系一般廃棄物の排出量に関する統計は取られていないため、既存の統計データを基に、食品小売業および外食産業から排出される食品廃棄物の量を推定した。得られた推定値を基に、東京都、神奈川県、埼玉県および千葉県における排出量の分布と排出密度の分布を示した。その結果、東京 23区、神奈川県川崎市、横浜市および千葉県葛南地区が排出密度が高い地域であることが示された。

1.1.1 調査方法 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県における食品小売業および外食産業の従業員数を基に、原単位法を用いて業種別の食品廃棄物排出量を推計した。食品小売業および外食産業の従業員一人当たりの排出原単位については、平成 18年 1月に農林水産省統計部発表の「平成 17年 食品循環資源の再生利用等実態調査報告」および総務省統計局発表の「平成 16年 事業所・企業統計調査報告 第三巻 事業所および企業に関する集計 都県別結果」から算出した(表 1-1参照)。また、得られた食品廃棄物排出量を、市町村別の面積で按分することにより排出密度を求めた。市町村別面積は、平成 17年全国都県市区町村別面積(国土地理院発表)を参考にした。 対象地域における地域区分は、各県の産業廃棄物実態調査報告書に従った。東京都については、地域区分がなされていないため 23区と 23区外とした(表 1-2)。また、東京23 区と神奈川県横浜市では、発生量が多いことから、区ごとの排出量および排出密度を推定した。

表 1-1 従業員数による排出原単位 業種 食品小売業 外食産業 排出原単位(t/人・年) 0.76 0.34

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表1-2 対象地域の区分設定 都県名 構成市町村 区分名 千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、 品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、 北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区 23区 東京都 東久留米市、西東京市、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、清瀬市、東村山市、東大和市、小平市、小金井市、府中市、稲城市、多摩市、 町田市、国立市、国分寺市、立川市、日野市、昭島市、福生市、 武蔵村山市、羽村市、瑞穂町、青梅市、日の出町、あきる野市、 八王子市、奥多摩町、檜原村 23区外 横浜市 横浜 川崎市 川崎 横須賀市 横須賀 相模原市 相模原 鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町 横須賀・三浦 (横須賀市以外) 厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村 県央 (相模原市以外) 平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、奉野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、 二宮町 湘南 南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町 足柄 小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町 西湘 神奈川県

城山町、藤野町 津久井 春日部市、草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町 東部 さいたま市、川口市、鴻巣市、上尾市、蕨市、戸田市、鳩ヶ谷市、桶川市、北本市、伊奈町 中央 所沢市、狭山市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町、川越市 西部第一 飯能市、坂戸市、鶴ヶ島市、日高市、毛呂山町、越生町 西部第二 東松山市、滑川市、嵐山町、小川町、ときがわ町、川島町、吉見町、 鳩山町、東秩父村 比企 行田市、加須市、羽生市、久喜市、蓮田市、幸手市、騎西市、北川辺町、大利根町、宮代町、白岡町、菖蒲町、栗橋町、鷲宮町、杉戸町 利根 熊谷市、深谷市、江南町、寄居町 大里 本庄市、美里町、神川町、上里町 児玉 埼玉県

秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町 秩父

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都県名 構成市町村 区分名 千葉市、市原市 千葉、市原 松戸市、流山市、野山市、柏市、我孫子市、鎌ヶ谷市 東葛飾 市川市、船橋市、浦安市、習志野市、八千代市 葛南 銚子市、旭市、香取市、匝瑳市、神崎町、多古町、東庄町 香取、海匝 白井市、印西市、栄町、本埜村、印旛村、酒々井町、佐倉市、四街道市、八街市、富里市、成田市 印旛 横芝光町、芝山町、山武市、東金市、九十九里町、大網白里町、 白里町、長生村、一宮町、睦沢町、長南町、長柄町、いすみ市、 御宿町、勝浦市、大多喜町 山武、長生、 夷隅 袖ヶ浦市、木更津市、君津市、富津市 君津 千葉県

鋸南町、南房総市、館山市、鴨川市 安房

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1.1.2 調査結果 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県における食品小売業および外食産業由来の食品廃棄物排出量の推計した結果を表 1-3に示す。 本調査で対象とした食品小売業、外食産業から排出される食品廃棄物の合計は、四県で年間 120万 tであり、食品小売業が約 70万 t、外食産業で約 50万 tであった。 そのうち、食品小売業由来の食品廃棄物排出量は、東京都が 28.8 万 t、神奈川県が17.3 万 t、埼玉県が 12.6 万 t、千葉県が 11.3 万 t であり、外食産業由来の食品廃棄物排出量は、東京都が 25.9万 t、神奈川県が 10.6万 t、埼玉県が 6.7万 t、千葉県が 6.4万 tであった。いずれの都県において、食品小売業由来からの排出量が外食産業由来の排出量を上回ることが示された。 一方、排出密度においては、東京都の食品小売業が 162t/km2・年、神奈川県が 67 t/

km2・年、埼玉県が 33 t/ km2・年、千葉県 22 t/ km2・年であった。これより、東京都の排出密度は、神奈川県の約 2.4倍、埼玉県の 4.9倍、千葉県の 7.4倍であることが示された。同様に、外食産業における排出密度は、東京都が 146 t/km2・年、神奈川県が 41

t/km2・年、埼玉県が 18 t/km2・年、千葉県が 12 t/km2・年であった。 対象地域における排出量および排出密度の分布を、図 1-1~図 1-4に示した。その結果、排出密度が高い地域は、東京 23区、神奈川県川崎市、横浜市および千葉県葛南地区であることが示された。実際に食品廃棄物を燃料化するにあたっては、収集運搬効率の問題があることから、上記の排出密度が高い地域の各事業者の排出実態を把握することが不可欠である。したがって、アンケート調査およびヒアリング調査は、これらの地域に多く事業所を持つ事業者を対象に行なうこととした。

表 1-3 都県別の食品小売業および外食産業由来食品廃棄物排出量と排出密度の結果 食品小売業 外食産業 都県名 地区 面積 (k㎡) 事業所数 排出量

(t/年) 排出密度 (t/km2・年) 事業所数 排出量

(t/年) 排出密度 (t/km2・年)

23区内 617 30,075 210,882 342 81,151 210,647 341 千代田区 12 819 7,996 687 4,184 17,631 1,515 中央区 10 876 6,511 641 6,874 20,398 2,010 港区 20 1,159 21,779 1,071 7,002 26,455 1,301 新宿区 18 1,282 9,771 536 7,424 25,590 1,404 文京区 11 789 4,625 409 1,937 4,839 428 台東区 10 1,134 6,632 658 4,067 9,446 937 墨田区 14 1,127 5,250 382 2,135 4,328 315 江東区 40 1,271 8,012 201 2,501 5,636 142

東京都

品川区 23 1,296 8,413 370 3,307 7,072 311

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食品小売業 外食産業 都県名 地区 面積 (k㎡) 事業所数 排出量

(t/年) 排出密度 (t/km2・年) 事業所数 排出量

(t/年) 排出密度 (t/km2・年) 目黒区 15 805 5,972 406 2,014 4,878 332 大田区 59 2,232 13,885 234 4,482 8,307 140 世田谷区 58 2,104 16,254 280 3,955 9,412 162 渋谷区 15 997 8,928 591 4,155 14,541 962 中野区 16 1,000 6,197 398 2,178 3,659 235 杉並区 34 1,563 10,060 296 3,288 5,944 175 豊島区 13 1,123 6,744 518 3,293 9,880 759 北区 21 1,213 6,712 326 2,423 4,244 206 荒川区 10 863 4,319 423 1,573 2,427 238 板橋区 32 1,491 10,101 314 2,986 4,988 155 練馬区 48 1,715 12,125 252 2,631 5,559 115 足立区 53 2,058 11,535 217 3,236 5,834 110 葛飾区 35 1,596 8,468 243 2,572 4,164 120 江戸川区 50 1,562 10,592 212 2,934 5,415 109

23区外 1,160 9,615 77,015 66 18,399 48,328 42

東京都

計 1,777 69,765 287,896 162 180,701 258,974 146 横浜地区 437 16,358 65,345 299 30,560 41,459 190 鶴見区 33 803 4,751 143 1,417 2,402 72 神奈川区 24 628 4,214 176 1,154 2,398 100 西区 7 428 3,311 472 1,030 5,953 848 中区 21 689 5,339 256 3,280 8,435 404 南区 13 596 3,525 279 874 1,373 109 保土ヶ谷区 22 501 3,350 153 645 1,296 59 磯子区 19 377 2,830 147 626 1,251 65 金沢区 31 451 3,361 108 604 1,579 51 港北区 31 677 6,505 208 1,116 3,587 115 戸塚区 36 390 3,479 97 702 2,040 57 港南区 20 408 3,647 183 724 2,039 102 旭区 33 483 3,472 106 542 1,407 43 南区 25 297 2,923 115 433 1,233 48 瀬谷区 17 281 2,310 135 344 683 40 栄区 18 200 2,108 114 204 488 26 泉区 24 293 2,418 103 345 936 40

神奈川県

青葉区 35 414 4,946 141 785 2,676 76

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食品小売業 外食産業 都県名 地区 面積 (k㎡) 事業所数 排出量

(t/年) 排出密度 (t/km2・年) 事業所数 排出量

(t/年) 排出密度 (t/km2・年) 都筑区 28 263 2,855 102 455 1,683 60 川崎地区 143 3,286 26,274 184 6,788 15,466 108 横須賀地区 101 1,396 9,363 93 2,593 5,040 50 相模原地区 244 1,376 11,737 48 2,870 7,301 30 横須賀・ 三浦地区

106 1,131 7,575 71 2,030 4,728 44 県央地区 293 1,886 16,393 56 4,072 9,845 34 湘南地区 372 3,425 26,375 71 5,897 13,933 37 足柄地区 380 384 2,242 6 527 950 2 西湘地区 255 1,097 6,630 26 2,641 6,700 26 津久井地区 238 218 1,318 6 303 665 3

神奈川県

計 2,569 38,736 173,251 67 73,561 106,088 41 東部 250 2,779 19,763 79 5,283 10,979 44 中央 476 5,252 43,242 91 10,103 23,108 49 西部第一 371 3,654 27,870 75 6,358 15,475 42 西部第二 374 1,027 7,058 19 1,782 3,436 9 比企 384 643 4,256 11 1,124 1,920 5 利根 474 1,854 11,191 24 2,384 4,878 10 大里 362 1,123 7,316 20 2,137 4,485 12 児玉 200 431 2,594 13 725 1,312 7 秩父 893 500 2,430 3 946 1,470 2

埼玉県

計 3,783 17,263 125,721 33 30,842 67,064 18 千葉・市原 640 2,652 21,820 34 5,338 13,394 21 東葛飾 379 3,021 23,493 62 5,445 12,633 33 葛南 233 3,298 27,301 117 6,189 15,869 68 印旛 609 1,527 14,030 23 2,463 7,105 12 香取・海匝 832 1,801 7,449 9 2,255 3,505 4 山武・ 長生・夷隅 1,403 2,162 10,574 8 3,278 6,069 4 君津 758 953 6,082 8 2,244 3,957 5 安房 302 458 2,359 8 1,044 1,776 6

千葉県

計 5,157 15,872 113,110 22 28,256 64,309 12 総計 13,286 141,636 699,978 58 313,360 496,435 41

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図 1-1 食品小売業から排出される食品廃棄物の排出量

■ ~3,000t/年未満 ■ 3,000~10,000t/年 ■ 10,000~30,000t/年 ■ 30,000~50,000t/年 ■ 50,000t/年以上

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図 1-2 食品小売業から排出される食品廃棄物の排出密度 ■ ~30t/km2・年未満 ■ 30~100t/km2・年 ■ 100~300t/km2・年 ■ 300~500t/km2・年■ 500t/km2・年以上

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図 1-3 外食産業から排出される食品廃棄物の排出量

■ ~3,000t/年未満 ■ 3,000~10,000t/年 ■ 10,000~30,000t/年 ■ 30,000~50,000t/年 ■ 50,000t/年以上

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図 1-4 外食産業から排出される食品廃棄物の排出密度

■ ~30t/km2・年未満 ■ 30~100t/km2・年 ■ 100~300t/km2・年 ■ 300~500t/km2・年■ 500t/km2・年以上

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1.2 実態調査結果 東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県内の主要な市における食品廃棄物の排出実態を業種別に把握した。調査にあたっては、マクロデータの結果を基に排出量が多いと思われる地域で事業活動を行っている事業者を中心にアンケート票を送付し、実態を調査した。 アンケート票は食品小売業および外食産業 183社の本社・本部に送付し、71社から回答を得た(回収率 38%)。さらに現場の排出実態を把握するため、個別店舗にもアンケート調査をおこなった。 また、アンケート票の回答の得られた一部の事業者に対して訪問ヒアリングを行い、食品廃棄物の排出実態について詳細に把握した。

1.2.1 調査方法 アンケートおよびヒアリング調査により、食品廃棄物の排出実態を調査した。 アンケート調査の実施方法は以下の通りである。ヒアリング調査はアンケート調査の結果を受け、本事業に興味を持っていると回答した事業者を対象として実施した。

【アンケート調査の実施方法】 � 実施期間:平成 18年 8月 10日~同年 8月 31日 � 対象地域:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県 � 対象事業者:

� 食品小売業(百貨店、ショッピングセンター、駅ビル、スーパーマーケット、コンビニエンスストア)

� 外食産業(レストラン、ホテル、居酒屋)

� アンケート票送付数:183社 � 抽出方法:ショッピングセンターおよび駅ビルについては(社)日本ショッピングセンター協会所属事業者、その他の業種については、法人納税上位企業を対象に、対象地域に店舗を持つ事業所を対象とした。

� 実施方法:郵送送付、FAX回収

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1.2.2 調査結果 アンケート調査およびヒアリング調査結果より、堆肥化や飼料化以外のリサイクル手法に対する需要が高いことが示された。特に外食産業においては、食品廃棄物の多くが食べ残しであり、店の回転率を高めるために分別作業に時間を割くことが困難であるという声も多く聞かれた。 バイオマス燃料化に興味を示した事業者に対するヒアリング結果によると、食品リサイクル法への対応と共に、コスト削減の意識が高いことから、高額な設備を導入する可能性は低い。しかしながら、一方でコンビニエンスストアのように、食品リサイクル法対応のために 100万円程度の乾燥装置を導入している事例や、茨城県下妻市にて(社)日本フードサービス協会が主体となって、事業者枠を超えたリサイクルルートの構築事例があることも明らかとなった。 (1)アンケート調査回収結果 アンケートの回収率は、本社・本部でホテル業を除く全ての業種で 30%以上の回収率を達成し、全体としても 38%を達成した一方で、店舗に対しては 23%となった。本社・本部に対しては当初の目標とした 30%を上回ったものの、店舗に対しては下回る結果となった。しかしながら、本社・本部のアンケート集計結果からも明らかな通り、店舗の約 7割が本社に管理を依存していることから、各業界の実態調査としては、今回の回収率でも十分検討可能である。

①本社・本部 表 1-4 本社・本部向けアンケートの回収状況 業態 業種 発送数 回答数 回収率 構成比 百貨店 20 13 65% 18% ショッピングセンター 33 14 42% 20% 駅ビル 19 6 32% 8% スーパーマーケット 16 5 31% 7%

小売業 コンビニエンスストア 12 5 42% 7% レストラン (和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード) 42 13 31% 18% ホテル 25 6 24% 8%

外食 居酒屋 18 9 50% 13% 計 185 71 38% 100% ※上記でレストランと居酒屋とを分けたのは、排出状況が異なると考えられることによる。近年は、業態の多様化により区別の難しい事業者もいるため、アンケートによる自己申告結果を踏まえ、排出量の比較的多い業態を居酒屋とした。

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②店舗 表 1-5 店舗向けアンケートの回収状況 業種 発送数 回答数 回収率 構成比 コンビニエンスストア 30 1 3% 4% レストラン 42 11 26% 44% 居酒屋 38 13 34% 52% 計 110 25 23% 100%

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(2)食品廃棄物の発生状況と管理について 各事業者とも食品廃棄物の分別は行っているが、業種によって分別の度合いは異なっている。また、食品リサイクル法における再生利用等の対策については、社会的責任に対する取り組み姿勢により業種ごとに違いが見られた。 本アンケート結果によれば、百貨店、コンビニエンスストア、レストラン、ホテルでは再生利用等の取り組みの割合が高かったものの、ショッピングセンター、駅ビル、居酒屋等では再生利用の取り組みが遅れているという結果となった。ヒアリング調査によると、外食産業では堆肥や飼料にできない食品廃棄物の処理に困っているという現状がある一方で、コンビニエンスストアは売れ残りの食材を各店舗において生ごみ処理機で減容処理するなど、手間をかけていることも明らかになった。また一見するとリサイクルが進んでいるように見える店舗においても、その大部分が廃食油の再生で占められているなど、食べ残し等の食品廃棄物のリサイクル自体は進んでいない事業者も存在した。 結局のところホテルを除けば、各業界ともすべての食品廃棄物を分別することは難しい状況にある。食品小売業や外食産業は、本社・本部で分別をコントロールできない業種(分別が消費者に任せられている業種やアルバイトが多い業種)であることから、食品に紙やプラスチックスが混入する可能性が高いと考えられる。

51%

46%

54%

18%

0%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%再生利用等の対策を行なっている食品廃棄物のみ分別した後、排出している。食品廃棄物に加え、紙/割箸などが混入している。食品廃棄物や紙/割箸に加え、プラスチック類が混入している。分別は行なっていない。 図 1-5 食品廃棄物の排出状況(複数回答)

n=71

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表 1-6 食品廃棄物の排出状況 再生利用等の対策を行なっている 食品廃棄物のみ分別した後、排出している。 食品廃棄物に加え、紙/割箸などが混入している。 食品廃棄物や紙/割箸に加え、プラスチック類が混入している。 分別は行なっていない回答数百貨店 77% 38% 54% 15% 0% 13ショッピングセンター 29% 36% 50% 7% 0% 14駅ビル 33% 33% 83% 0% 0% 6スーパーマーケット 40% 60% 60% 40% 0% 5コンビニエンスストア 80% 80% 100% 60% 0% 5レストラン(和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード、その他) 62% 54% 54% 31% 0% 13ホテル 67% 33% 0% 0% 0% 6居酒屋 22% 56% 44% 11% 0% 9全体 51% 46% 54% 18% 0% 71

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(3)廃棄物処理委託先を決定する管理機関について 廃棄物処理委託先の選定については、本社・本部がほとんど行っている。今後、コンプライアンスや CSRといった観点から、本部が一括して管理するというニーズがさらに高まることが予想される。

本社本部70%

その他12%各店舗11%地域の統括事務局など7%

n=71 図 1-6 廃棄物の管理主体

表 1-7 廃棄物の管理主体 n=71 本社・本部 地域の統括事務局など 各店舗 その他 回答数 百貨店 77% 0% 23% 0% 13 ショッピングセンター 50% 21% 14% 14% 14 駅ビル 100% 0% 0% 0% 6 スーパーマーケット 60% 0% 20% 20% 5

小売業

コンビニエンスストア 57% 14% 29% 0% 5 レストラン(和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード、その他)

85% 8% 0% 8% 13

ホテル 100% 0% 0% 0% 6

外食

居酒屋 44% 0% 0% 56% 9 計 70% 7% 11% 12% 71

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(4)委託業者の選定理由について 委託業者の選定理由として、各業種とも優良な事業者であることが前提となっており、処理費が安い、リサイクル率が高い、昔からの付き合いといった理由が続いている。ただし、ヒアリング調査の結果を踏まえると、実際には処理コストが優先されていることが多い。

31%31%31% 46%0%0% 15%0% 10% 20% 30% 40% 50%処理費が安いリサイクル率が高い昔からの付き合い優良な事業者本部が指定特になしその他

n=71 図 1-7 委託先の選定理由(複数回答)

表 1-8 委託先の選定理由(複数回答) n=71 処理費が安い リサイクル率が高い 昔からの付き合い 優良な事業者本部が指定 特になし その他 回答数百貨店 31% 31% 31% 46% 0% 0% 15% 13ショッピングセンター 29% 36% 21% 71% 7% 0% 14% 14駅ビル 33% 17% 33% 83% 0% 0% 17% 6スーパーマーケット 80% 40% 20% 80% 0% 0% 20% 5コンビニエンスストア 40% 60% 0% 80% 0% 0% 20% 5レストラン(和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード、その他) 46% 23% 23% 69% 31% 0% 8% 13ホテル 33% 0% 0% 100% 17% 0% 0% 6居酒屋 33% 22% 22% 44% 22% 0% 33% 9全体 38% 28% 21% 68% 11% 0% 15% 71

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(5)食品廃棄物の処理実態について 各事業者とも、ごみの回収頻度はほぼ毎日であり、食品廃棄物は自治体の処理単価(10数円/kg)で処理されているところがほとんどである。リサイクルルートに乗せる場合のリサイクル費用は自治体の処理単価と同程度もしくは少し割高となっている。 食品廃棄物以外の廃棄物の処理については、事業所のある地域ごとに異なっており、自治体によっては廃プラスチックを一般廃棄物として処理しているところも存在する。 排出される生ごみの中身は、ほとんどが食べ残しと調理屑であるが、居酒屋では金属類が含まれていると回答したところもあり、分別しきれずにスプーンや缶類などを生ごみに混入した形で排出している事業者もあると考えられる。

表 1-9 食品廃棄物の構成要素

ファーストフード (n=11) 居酒屋 (n=13) 食べ残し 調理屑(野菜) その他調理屑 紙類

食べ残し 調理屑(野菜) 調理屑(骨、貝類) その他調理屑 廃食油 紙類 プラスチック類 割り箸 金属

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(6)食品リサイクル法における数値目標 20%の達成見込みについて 食品リサイクル法の数値目標の達成状況は、業種ごとの取り組み姿勢の違いが表れている。百貨店やホテルなどは 20%の達成が可能と回答した割合が高い。 表 1-10 20%達成見込みについて 20%達成可能 20%達成不可 不明 回答数 百貨店 85% 15% 0% 13 ショッピングセンター 25% 33% 42% 12 駅ビル 25% 50% 25% 4 スーパーマーケット 60% 0% 40% 5

小売業

コンビニエンスストア 75% 0% 25% 4 レストラン(和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード、その他)

75% 0% 25% 12 ホテル 100% 0% 0% 6

外食

居酒屋 57% 29% 14% 7

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(7)バイオマス燃料化事業に対する取り組み意向 バイオマス燃料化事業の仕組みに協力する・しないの判断については、再生利用手法として、燃料化が認定されることが 64%と多かった。そのため、燃料化が食品リサイクル法の再生利用手法のひとつとして認められることが、事業の成功条件の一つとなっている。 表 1-11 バイオマス燃料化事業に協力する場合の検討事項 二酸化炭素の削減 処理価格が低い 再生利用手法として認定される 分別手間がかからない 回答数 百貨店 0% 23% 77% 0% 13 ショッピングセンター 0% 21% 71% 7% 14 駅ビル 0% 0% 83% 17% 6 スーパーマーケット 0% 20% 60% 20% 5 小売業 コンビニエンスストア 0% 25% 50% 25% 4 レストラン(和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード、その他) 0% 25% 75% 0% 12 ホテル 0% 50% 50% 0% 6 外食 居酒屋 0% 67% 22% 11% 9 全体 0% 29% 64% 7% 69

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(8)バイオマス燃料化の許容単価 バイオマス燃料化の仕組みを導入するにあたっては、現状の処理単価と同程度もしくはそれ以上という回答が多いことから、処理単価の設定にあたっては、自治体の処理単価などと同程度、もしくは少し上乗せする程度におさえる必要がある。 表 1-12 業種別バイオマス燃料化導入検討価格帯 安ければ検討する 同じであれば検討する 1~2円/kg高くても検討する 2円/kg以上高くても検討する 回答数 百貨店 23% 77% 0% 0% 13 ショッピングセンター 29% 71% 0% 0% 14 駅ビル 0% 100% 0% 0% 6 スーパーマーケット 0% 75% 25% 0% 4 小売業 コンビニエンスストア 25% 50% 0% 25% 4 レストラン(和食、中華、洋食、ファミリーレストラン、ファーストフード、その他) 25% 42% 25% 8% 12 ホテル 83% 17% 0% 0% 6

外食 居酒屋 13% 38% 38% 13% 8 合計 25% 60% 10% 4% 67

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(9)まとめ 食品廃棄物のリサイクルについては、業種ごとに取り組みが進んでいるところとそうでないところが明らかとなった。ホテルや百貨店などは、ある程度取り組みが進んでいるが、一方で外食産業や駅ビルなどは、リサイクルがなかなか進んでいないという状況であった。 食品廃棄物のリサイクルが進んでいない理由として、店舗でのごみの分別には限界があることや、食べ残し等の食品廃棄物の中には成分の詳細が不明なため飼料化への利用が困難な場合があることが挙げられる。また外食産業では、一店舗から排出される食品廃棄物の量が少ないため、リサイクルを実施するには広域的に収集・運搬する必要があるが、現行の制度では広域的なルート回収の仕組みを作ることが難しいことも食品リサイクルが進んでいない原因の一つとなっている。 本調査において検討しているバイオマス燃料化事業は、現在リサイクルがうまくいっていない食品廃棄物がターゲットとなることから、ホテルや百貨店以外の業種、特に外食産業や駅ビル、ショッピングセンターなどから排出される食品廃棄物が対象となる。 また、リサイクル費用については、自治体の一般廃棄物処理単価と同程度もしくはそれよりも少し高い程度の単価が現実的である。ただし将来的には自治体の処理単価も上昇することが予想されることから、事業化を検討する際には現状の処理単価よりも高めに設定した場合のケースについても検討しておく必要がある。

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2. 食品廃棄物のサンプリングおよび燃料評価 食品小売業としてスーパーマーケットおよびコンビニエンスストア、外食産業としてファミリーレストラン、ファーストフードおよび居酒屋から排出される食品廃棄物 5検体を、異物除去や破砕といった前処理を施した後、乾燥機により含水率 10%程度まで乾燥させた。得られた乾燥物は、燃焼カロリー、塩素濃度、含水率について分析し、燃料としての性質を評価した。 なお、燃料として利用する場合、燃焼カロリー3,500kcal/kg以上、塩素濃度 3,000ppm以下が目安となる(石炭利用事業者ヒアリング結果より)。

2.1 調査方法 (1) 実験機器 【分別破袋機】 株式会社共立 分別機Ⅰ型 【乾燥機】 株式会社共立 乾燥試験機 【分析】 住友大阪セメント株式会社分析センター

(2) 実験方法 本事業のターゲットとして想定している業種(スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ファミリーレストラン、ファーストフード、居酒屋)から食品廃棄物を回収し、分別機にて分別破砕することで、異物と破砕した食品廃棄物に分別した。破砕した食品廃棄物は、乾燥試験機にて 45分~60分かけて乾燥させた。 乾燥物は、住友大阪セメント株式会社の分析センターにて、燃焼カロリー、塩素濃度および含水率について分析し、燃料としての性質を評価した。

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参考)乾燥試験の様子 破袋分別機

分別破袋実験風景

分別破袋後食品廃棄物

分別破袋後異物類

乾燥試験風景

乾燥後食品廃棄物

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2.2 調査結果 調査対象とした 5 つの事業者から排出された食品廃棄物のバイオマス燃料化評価結果を表 2-1に示す。全般に包装用ビニールなどの混入が多く、コンビニエンスストアでは重量の半分が異物であり、分別困難な現場の実態が伺えた。 炭水化物の乾燥は一般に餅状になってしまうため困難とされるが、本実験では一部のサンプルで団子状になったものの、他のサンプルでは特に問題はなかった。乾燥機メーカーである株式会社共立によると団子状となったサンプルにおいても、サンプルの性状にあわせて装置内部や運転方法を調整することで、均一な乾燥を行なうことは可能とのことであった。 分析結果によると、食品廃棄物の乾燥物は燃焼カロリーが 4,000~5,000kcal/kgと高く、石炭代替燃料としては十分な熱量を有することが示された。一方で、塩分濃度は高いもので 10,000ppmを越える検体もあり、燃料利用の基準値(例えば RPF燃料の場合は 3,000ppm以下)を大きく上回る値となった。 実際には、包装材との混入により燃焼カロリーの上昇と塩分濃度の低減が期待されるが、石炭代替燃料として活用するためには、塩分濃度を低減する工程が燃料化プロセスに必要であることが示唆された。

表 2-1 業種別の廃棄物分析結果 乾燥前 乾燥後 燃料評価 業種 重量※ (kg) 含水率

(%) 重量※ (kg) 含水率

(%) 乾燥時間(min) 燃焼カロリー(kcal/kg) 塩素濃度

(ppm) 石炭利用事業者受入基準 - - - - - 3,500~ ~3,000 スーパーマーケット A社 12.1 87.0 1.9 16.7 45 4,260 5,400 コンビニエンスストア B社 10.0 58.7 4.2 2.8 45 5,010 12,200 ファミリーレストラン C社 6.0 67.7 2.0 2.8 60 4,550 5,300 ファーストフード D社 8.0 67.7 2.8 6.7 45 4,550 11,400 居酒屋 E社 4.8 76.1 1.2 2.7 45 5,190 11,700 ※プラスチック等の異物を除いた食品廃棄物のみの重量

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3. バイオマス燃料化プロセスの検討 食品小売業と外食産業から排出される食品廃棄物から、バイオマス燃料を作製するための燃料化のプロセス、燃料化技術および燃料化におけるエネルギー量を低減するため余熱利用の可能性の三点について検討した。燃料化技術の検討にあたっては、食品廃棄物中の炭水化物を適切に処理できるかどうかがポイントとなった。また余熱利用については、燃料化装置の設置スペースの問題とともに周辺住民対策としての臭気対策が課題となることが明らかとなった。

3.1 燃料化プロセスの検討 燃料化プロセス検討で課題となるのは、以下の三点が挙げられる。

• 燃料化におけるエネルギー効率が高いこと

• 脱塩の処理(本調査では洗浄・脱水を想定)が可能であること

• 食品廃棄物の排出事業者およびバイオマス燃料利用者の需要を満たすこと

以上を考慮した上で、分散型、拠点型および分散と拠点のハイブリッド型プロセスについて検討した。なお、拠点型とハイブリッド型プロセスについては、余熱利用可能施設およびバイオマス燃料利用事業者として、住友大阪セメント株式会社が事業主体となるケースについても検討した。

表 3-1 検討すべき燃料化プロセスの一覧 プロセス型式 排出事業者が行なう作業 燃料化事業者が行なう作業 乾燥処理 - 分散型 脱水・乾燥処理 - - 乾燥処理 拠点型 - 脱水・乾燥処理 脱水処理 乾燥処理 ハイブリッド型 一次乾燥処理 脱塩・乾燥処理

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3.1.1 分散型プロセスの検討 分散型プロセスは、排出元で乾燥または脱水・乾燥処理を行い燃料化するプロセスである。 排出元である店舗にて乾燥を行なう場合は、小型乾燥装置を店舗に設置し、食品廃棄物を乾燥する。ヒアリング結果によると、一部のコンビニエンスストアで取り組みが進められていることから、食品リサイクル法への対応意識が高い事業者を対象に協力を求めることは可能と考えられる。しかしながら、第2章の燃料化実験結果より、店舗で乾燥させた乾燥物は、燃料利用者の受入基準を超える塩素濃度であることから、そのまま燃料として活用することは難しい。これらのことを踏まえると、排出元で乾燥処理のみを行なうプロセスによる食品廃棄物のバイオマス燃料化事業は実現可能性が低いといえる。

図 3-1 分散型のプロセス

続いて、排出元で脱塩(脱水)処理と乾燥処理を行なう場合について検討する。この場合、排出元には脱水装置と乾燥機を導入する必要があるが、排出元のヒアリング結果より、排出事業者の抱える課題として以下の三点が挙げられる。

スーパーマーケット

選別後脱水・乾燥処理

保管施設 燃料利用施設

選別後脱水・乾燥処理

ショッピングセンター

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・ 装置の設置スペース確保が困難であること ・ 排出事業者は、衛生面での問題から、臭気に対して敏感であり施設内での処理を極力避けたいこと ・ 従業員の多くは入れ替わりの激しいアルバイトであり、装置取扱いなどの教育が困難であること

これらの点を踏まえると、脱水・乾燥処理装置導入による分散型プロセスも実現可能性が低いといえる。以上より、排出元でバイオマス燃料化を行なう分散型プロセスについては現実性に欠けると判断し、今回の検討対象から外すこととした。

3.1.2 拠点型プロセスの検討 拠点型プロセスは、食品関連事業者により排出された食品廃棄物を一箇所に集約し、燃料とする。分散型に比べると燃料化におけるエネルギー効率が高く、排出事業者側の新たな設備導入を必要としない。 燃料化工程では、乾燥処理のみ行なうケースと脱塩処理および乾燥処理を行なうケースが挙げられるものの、第2章におけるバイオマス燃料化実験結果より、乾燥処理のみでは塩素濃度が高く、実用化は困難である。 また、拠点型プロセスにおいては、設備を余熱利用可能な焼却施設に併設することにより燃料化に必要なエネルギーの低減や排水・排ガス処理設備の利用によるランニングコストの低減が可能である。拠点型プロセスにおける燃料化処理技術として、直接加熱(炭化)タイプ、間接加熱タイプ、水熱処理タイプの三つの処理方法を検討した。これらのプロセスにおいては、余熱利用が可能であり、かつバイオマス燃料利用事業者である住友大阪セメント株式会社栃木工場に燃料化施設を併設するケースについても検討した。

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図 3-2 拠点型のプロセス

図 3-3 拠点型プロセスにおける燃料化フロー

② 間接乾燥 ③ 水熱処理 ① 直接乾燥(炭化)

食品廃棄物の流れ 蒸気・排ガスの流れ 余熱利用時不要設備 余熱利用可能施設

食品廃棄物 解袋 一次破砕 脱塩二次破砕 間接乾燥直接乾燥炭化爆砕

バイオマス燃料排水処理排ガス処理 排ガス排水ボイラー

400℃120℃250℃

燃料化施設 レストラン コンビニ

スーパー 燃料利用施設

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① 直接加熱(炭化)タイプ 解袋・破砕処理をした食品廃棄物を、300℃~400℃の過熱蒸気を用いて炭化・乾燥する。過熱蒸気は熱効率が高く、装置内部を蒸気で充填させるためほぼ無酸素状態となり、火災の心配が無用である。含水率が 0%の状態まで乾燥可能なため、乾燥物の発酵等の心配もない。

② 間接加熱タイプ 解袋・破砕処理をした食品廃棄物を、120℃~150℃の蒸気を用いて間接的に乾燥する。過熱蒸気の直接加熱方式に比べ低い温度の蒸気を利用することまた、蒸気を循環利用することでランニングコストを低減することが可能である。

③ 水熱処理タイプ 排出元から収集した食品廃棄物を解袋や破砕処理をせずに直接投入することが可能である。密閉した容器に、250℃前後の蒸気を投入し、内圧を 20~30 気圧の中圧とする。これにより、食品廃棄物をはじめ紙やプラスチック類まで黒色の炭のような物質に変化させる。含水率自体は大して変化しないものの、取り出した後は高温であるため、放置しておいても 20%程度まで低減可能である。更に含水率を低減させるには、処理後に乾燥工程を必要とする。

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3.1.3 ハイブリッド型プロセスの検討 ハイブリッド型プロセスは、排出元で一次処理を行なった食品廃棄物を収集し、拠点にて燃料化を行なうプロセスである。排出元で脱水処理による脱塩を行ったものを収集し、一括で乾燥・燃料化するケースと、排出元で一次乾燥を行ったうえで収集し、一括で脱塩・乾燥することで燃料とするケースの二つが挙げられる。前者のケースでは、排出元に脱水処理装置を導入する必要があり、導入にあたっては操作性・コンパクト性などの課題は残るが検討可能である。 一方、後者のケースでは既に排出時に乾燥されているため、脱塩することは極めて困難であることから非現実的である。 ハイブリッド型プロセスにおいても、拠点型と同様に住友大阪セメント株式会社の栃木工場が事業主体となるケースについても検討する。

3.1.4 燃料化プロセスのまとめ 上記までの検討結果を踏まえると、燃料化プロセスは以下の拠点型プロセスと、排出事業者が脱水による脱塩処理を行い燃料化事業者が乾燥処理を行なうハイブリッド型プロセスの二つのタイプに絞られることとなる。

表 3-2 燃料化プロセスのまとめ プロセス型式 排出事業者が行なう作業 燃料化事業者が行なう作業 乾燥処理 - 分散型 脱水・乾燥処理 - - 乾燥処理 拠点型 - 脱水・乾燥処理 脱水処理 乾燥処理 ハイブリッド型 一次乾燥処理 脱塩・乾燥処理

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3.2 燃料化技術の調査 乾燥機取り扱い企業のうち、特に食品小売業および外食産業由来の食品廃棄物の乾燥が可能な乾燥機について調査を行った。 食品小売業および外食産業由来の食品廃棄物は、ご飯や麺類などのでんぷん質が含まれていること、性状が一定でないことが特徴として挙げられる。 したがって、技術の選定にあたっては炭水化物の処理が可能な装置ということがポイントとなった。

3.2.1 調査方法 乾燥装置および炭化装置については、処理対象物によって様々な方式が採用されているため、多種多様な装置が市場に出回っている。処理方式としては、直接加熱タイプ、間接加熱タイプおよび水熱処理タイプの三つが挙げられる。これらの装置を取り扱う企業を環境関連イベント、粉体工業技術協会賛同企業およびネット検索結果から選定し、会社パンフレットおよび電話ヒアリングにより処理条件、装置仕様等を調査した。その結果、本調査で対象としたいわゆる『生ごみ』の処理について、有望と思われる装置について詳細ヒアリングを行い整理した。

3.2.2 調査結果 既存の乾燥装置の多くは、性状の安定した食品廃棄物の排出される食品製造工場を対象としている。これは、様々なものが混在し性状の安定していない一般的な生ごみでは、乾燥にムラが生じるだけでなく、装置本体を傷める恐れがあることによる。 食品廃棄物や有機性汚泥を対象とした乾燥機について調査を進めたところ、性状の安定していない食品廃棄物の処理が可能な装置は 7機種あり、処理方式としては、過熱蒸気を利用した直接加熱方式、蒸気による間接加熱方式、蒸気と圧力を利用する水熱処理方式が確認された(表 3-3参照)。 過熱蒸気を直接処理物にあてる方式では、含水率を 0%にすることが可能であり、再発酵を抑制することができる。また、装置内を蒸気で満たすため火災の心配がない。循環蒸気を利用することにより、ランニングコストの低減を実現する装置もあることから、バイオマス燃料化においても有望であると考えられる。但し、含水率を下げることで可燃性ガスも揮発する可能性があるため、燃料化にあたっては処理時間等の最適条件の研

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究が求められる。取り扱い企業としては、多段式の『スーパーシリウス』を扱うアジアプラントサービス株式会社と、ロータリーキルン方式の『ファイアススチーマ』を扱う株式会社エコノスジャパンおよび『過熱蒸気式炭化乾燥システム』を扱う株式会社テラボンドが挙げられる。 蒸気による間接加熱方式は、二重構造になった本体のジャケット部分に蒸気を抽気し、食品廃棄物を伝導熱により乾燥処理を行なう。本体装置が二重構造となるため、ロータリーキルン式乾燥機よりイニシャルコストが高くなる傾向にあるが、乾燥熱源に 120℃~150℃の蒸気を循環利用するため、ランニングコストを抑えることが可能である。事業系の食品廃棄物に対応可能な装置としては、株式会社オカドラの『サイクロンドライヤー』および株式会社共立の『間接加熱型乾燥機』がある。いずれも縦型乾燥機であり、内部にある攪拌羽または攪拌棒が回転し、乾燥を行なう。株式会社共立の装置は、千葉県で日量 40tレベルの事業系食品廃棄物を対象とした堆肥化センターの実績があり、本調査で想定している事業系食品廃棄物のバイオマス燃料化に対しても有望と考えた。(第2章において燃料サンプルの作製を委託している) 水熱処理方式では、食品廃棄物に限らずプラスチック包装材なども同時処理が可能なため、異物の混入を前提としたバイオマス燃料化事業に適した装置である。200℃~250℃の蒸気と 20~30 気圧の圧力で処理を行い、フレークを破壊することで離水率を向上させる。処理直後は 200℃程度であるため、離水率の向上した処理物からは水分が蒸気となり抜けるため、しばらく放置しておくと含水率が約 20%となる。また、研究室レベルの実験結果として、処理物の塩分濃度が約半分に低減するという結果も得られており、前章で課題となった脱塩についても期待されるが、実機での実験は行っていないため、今後の検討課題として留意する。実績としては、スーパーマーケットチェーンの廃棄物処理や医療系廃棄物処理、下水汚泥処理が挙げられるが、処理時に圧力をかけるためイニシャルコストが高い傾向にある。取り扱い企業としては、『GCE System』のエコマテリアル株式会社と『高圧水蒸気乾燥機装置』の月島機械株式会社が挙げられる。エコマテリアル株式会社では、既にスーパーマーケットを対象とした実績があり、月島機械株式会社では、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託を受け、下水汚泥の燃料化について実証実験を行っているところである。 以上より、乾燥工程においてはいずれの技術も食品廃棄物を処理可能であることから、それぞれの技術の比較については、第5章において上記三つの処理方法で行った際の事業性の評価を踏まえることとする。

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表 3-3 乾燥・炭化技術一覧 処理方式※1 プロセス※3 方式 熱源 処理 企業名 対象機種名 厨芥 処理※2 拠点 分散 実績 アジアプラントサービス 株式会社 スーパーシリウス ○ ○ × ・ 卵殻鶏糞リサイクルシステム ・使用済み紙おむつリサイクルシステム 株式会社エコノスジャパン ファイアススチーマ ○ ○ × ・家畜糞尿処理など 株式会社テラボンド 過熱蒸気式炭化乾燥システム ○ ○ × ・ホテルなど 大川トランスティル株式会社 過熱蒸気式炭化乾燥システム × ○ × ・国内実績は3台 蒸気 炭化 虹技株式会社 HAS × ○ × ・醤油工場など 川地鉄工株式会社 ロータリーキルン × ○ × 株式会社大川原製作所 スラッジドライヤー × ○ × 直接 熱風 乾燥 株式会社マルミ 転生 × × ○ ・食品工場など 株式が社オカドラ サイクロンドライヤー ○ ○ ○ ・スーパーおよび食品工場など 株式会社共立 間接加熱型乾燥機 ○ ○ ○ ・堆肥化センターなど 古賀産業株式会社 間接蒸気乾燥装置 × × ○ ・屠殺場など 岩谷産業株式会社 スーパーディスクドライヤー × ○ × ・有機性汚泥など多数 株式会社大川原製作所 インナーチューブドライヤー × ○ × ・下水処理など 月島機械株式会社 インクランドディスク式ドライヤー × ○ × ・汚泥、生粕、樹脂など 月島機械株式会社 スチームチューブドライヤー × ○ × 蒸気 乾燥

三菱マテリアルテクノ株式会社 スーパーディスクドライヤー × ○ × 間接

熱風 炭化 中外炉工業株式会社 多筒式ロータリーキルン × ○ × ・大小あわせて約20基

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表 3-3 乾燥・炭化技術一覧 プロセス※3 処理方式※1 方式 熱源 処理

企業名 対象機種名 厨房 処理※2 拠点 分散

実績 エコマテリアル株式会社 GCE System ○ ○ × ・スーパー関連事業者 ・医療系廃棄物処理 水熱処理 蒸気 乾燥 月島機械株式会社 高圧水蒸気乾燥装置 ○ ○ × ・八戸下水汚泥処理実証試験中 ※1 : 施設仕様については、熱風または蒸気を使用し、直接加熱方式、間接加熱方式、水熱処理方式の 3つに分類した。処理方法は、乾燥および炭化に分類したが、炭化装置は運転によって、乾燥物と炭化物の間で取り出すことが可能である。 ※2 : 処理対象物である食品小売業および外食産業由来の生ごみ(厨芥)処理の可否についてヒアリング結果より○×で示した。 ※3 : 集約して大量に乾燥する拠点型と、発生元の各事業所または中間集約所で少量処理を行なう分散型に分けて示した。

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3.3 余熱利用可能性調査 バイオマス燃料化で新たに消費するエネルギー量を低減するため、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県において焼却設備許可を持つ施設に対しヒアリングを行い、余熱利用の可能性を検討した。その結果、余熱利用の進んでいない事業者も多く、本事業に対して興味を示す事業者も確認された。課題としては、燃料化設備の設置に必要なスペースの確保や、立地条件による臭気の問題が明らかとなった。

3.3.1 調査方法 関東圏内で産業廃棄物処理業の許可を取得している事業者のうち、焼却処理業の許可を所持している事業者をリストアップし、排熱利用の可能性について調査した。リストアップにあたっては、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県および横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、船橋市、さいたま市、川越市の産業廃棄物処理事業者リストから抽出した。また、住友大阪セメント株式会社の栃木工場においても余熱利用可能施設とした。 ヒアリング調査については、処理能力が多い事業者を優先に行い、日量 30t以上の処理を行っている事業者であれば、拠点型プロセスまたはハイブリッド型プロセスにおいてバイオマス燃料化に求められる余熱を確保できると判断した。 ヒアリング項目としては、以下の三点である。

・ 現在の排熱の状況 ・ 排熱利用の可能性 ・ 乾燥機を置くスペースの有無(25m2程度を想定)

3.3.2 調査結果 (1)現状の排熱状況および利用可能性について 焼却熱については、蒸気タービン発電に活用する場合と、単純に水冷および空冷により冷却する場合とに分類される。蒸気タービンで発電した後に熱利用を行っている事例はほとんどなく、タービン後に抽気することにより、排熱を活用できる可能性がある。また、水冷により発生した蒸気もそのまま大気へ放出しているパターンがほとんどであり、バイオマス燃料化に活用できる余熱の存在が確認できた。

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(2)乾燥機の設置スペースについて 各事業者とも敷地を最大限有効活用しているところが多く、これ以上新たに設備を設置することは難しいという回答が多かった。特に処理規模が小さい事業者や、施設が古い事業者については設置が難しいという回答が多数を占めた。 一方で乾燥機を設置する程度のスペースは確保できる事業者が存在することが確認できた。

(3)その他 食品廃棄物を取り扱う際には、立地条件によっては臭気が周辺住民との大きな問題となることが判明した。実際に食品廃棄物処理に関する免許を有する施設の中に、現在は受入を行っていない事業者も存在した。

(4)まとめ スペースのや臭気の問題から食品廃棄物の受入は難しいという事業者がいる一方で、食品廃棄物のバイオマス燃料化に対する興味を示した事業者も確認でき、燃料化施設を併設できる可能性があることが示された。

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表 3-4 余熱利用先焼却施設候補一覧 免許地域 業者名称 処理能力青南建設株式会社 29.6t/日日本医療衛生サービス株式会社 5.8t/日日本衛生株式会社 7.7t/日関東化学株式会社 2.0t/日株式会社シンシア 13.0t/日株式会社ハチオウ 4.6t/日相田化学工業株式会社 4.8t/日スイハン企業株式会社 3.6t/日八王子容器有限会社 0.5t/日比留間運送株式会社 4.8t/日日野自動車株式会社 5.0t/日株式会社リスト 48.0t/日株式会社丸利根アペックス 22.2t/日株式会社櫻商会 5.0t/日株式会社若林商店 0.1t/日株式会社長岡商店 0.5t/日有限会社柳産業 13.0t/日有限会社丸二塗装所 3.0t/日株式会社イイダ 15.4t/日株式会社市川商事 16.4t/日エバーグリーン株式会社 6.5t/日株式会社草柳設備 4.6t/日三共有機合成株式会社 109.9t/日株式会社白石興業 5.8t/日株式会社セイワ 6.8t/日関野興業株式会社 11.3t/日株式会社武相開発 24.1t/日日本鋼管株式会社(GFE環境) 120.0t/日アサヒプリテック株式会社 0.7t/日株式会社中商 84.0t/日日本整油株式会社 219.9t/日株式会社タケエイ 1.5t/日財団法人かながわ廃棄物処理事業団 210.0t/日恵比寿産業株式会社 9.6t/日中央企業株式会社 81.0t/日株式会社旭商会 5.7t/日株式会社トキオ 36.0t/日三友プラントサービス株式会社 49.2t/日横須賀市 株式会社アール・アール・シー 71.5t/日株式会社東亜オイル興業所 5.0t/日千種興産株式会社 14.0t/日丸徳興業株式会社 4.9t/日みどり産業株式会社 5.5t/日エバークリーン株式会社 12.0m3/日シンコー株式会社 4.2t/日株式会社ウィズウェイストジャパン 118.8t/日相模原市千葉県

東京都

神奈川県横浜市川崎市

(出典:各都県の産業廃棄物処理事業者リスト)

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表 3-4 余熱利用先焼却施設候補一覧(続き) 免許地域 業者名称 処理能力大日本インキ化学工業株式会社 46.0t/日株式会社石井興業 2.1t/日臼井水産有限会社 0.5m3/日杉田建設株式会社 23.1t/日竹石産業株式会社 0.3t/日千葉産業クリーン株式会社 105.0t/日丸善石油化学株式会社 120.0t/日コスモ石油株式会社 45.6m3/日株式会社アブテム 48.0t/日株式会社フジコー 18.0t/日木名瀬商事株式会社 13.8t/日有限会社柏廃材処理センター 6.0t/日日本パール株式会社 240.0t/日秀興業株式会社 17.0t/日ディーエス工業株式会社 19.6t/日株式会社ナリコー 52.5t/日三造興産株式会社 14.7t/日株式会社アート 3.9t/日有限会社三郷解体 17.2t/日株式会社京葉クリーンセンター 1.4t/日株式会社中嶋工業 144.0t/日有限会社平成クリーン工業 0.7t/日有限会社平成クリーン工業 5.1t/日千葉ゼネラルサービス株式会社 105.0t/日市原エコセメント株式会社 276.0t/日有限会社ダイコー企画 8.0m3/日株式会社かずさクリーンシステム 189.0t/日合同資源産業株式会社 4.3t/日船橋市 兼松環境株式会社 150.0t/日0.1t/日7.5t/日4.4t/日

0.9m3/日株式会社タカヤマ 50.0m3/日ワイエム興業株式会社 16.0t/日495.0t/日1562.0t/日株式会社金龍土木工業 4.2t/日丸広土木株式会社 4.8t/日

4.9t/日4.0t/日2.0t/日

1.0m3/日0.8m3/日0.1t/日

0.5m3/日0.1t/日1.5t/日株式会社河野解体工業 8.0t/日

千葉県

埼玉県有限会社伴伝商店有限会社明昇化学株式会社ヤマキ三菱マテリアル株式会社松田産業株式会社株式会社原商店

(出典:各都県の産業廃棄物処理事業者リスト)

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表 3-4 余熱利用先焼却施設候補一覧(続き) 免許地域 業者名称 処理能力12.0m3/日65.8t/日90.0t/日

24.0m3/日武蔵油化株式会社 0.9t/日15.6t/日1.0t/日

0.8m3/日0.5m3/日130.0t/日270.0t/日270.0t/日1250.0t/日302.0t/日1925.0t/日440.0t/日20.0t/日0.9m3/日6.0m3/日環境サービス株式会社 2.7t/日株式会社千葉建設 4.4t/日3.9t/日3.2t/日有限会社セイセイ処理興業 4.4m3/日ヤマ商物産株式会社 24.2t/日松嶋建設株式会社 20.0t/日株式会社富士企画 1.6t/日8.0t/日

0.8m3/日株式会社東庄エース 0.1t/日新明建設株式会社 4.8t/日株式会社北関東廃棄物処理センター 4.0t/日有限会社公伸興業 4.8t/日有限会社大央運商 2.0t/日4.0t/日4.8t/日有限会社納見建材 12.0t/日亀井産業株式会社 4.4t/日ミヨシ産業株式会社 1.2m3/日株式会社ケイアールビィ 36.0t/日

埼玉県

株式会社堀建材有限会社共信産業株式会社高橋商事株式会社三栄興業太平洋セメント株式会社丸八産業株式会社菅原商事株式会社株式会社エコ計画

(出典:各都県の産業廃棄物処理事業者リスト)

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表 3-4 余熱利用先焼却施設候補一覧(続き)免許地域 業者名称 処理能力4.8t/日

1.0m3/日ヘライ建設株式会社 4.7t/日株式会社カクユウ 30.0t/日株式会社ディープエコロジー 4.0t/日株式会社山口建興 24.0t/日2000.0t/日930.0t/日265.0t/日100.0t/日1.0m3/日12.0t/日株式会社ユニティー 3.3t/日オリックス資源循環株式会社 450.0t/日株式会社埼玉ヤマゼン 288.0t/日新日本環境整備株式会社 5.0m3/日株式会社ショーモン 2.4t/日4.8t/日

1.0m3/日1.7t/日

0.4m3/日株式会社ジェップ 11.2t/日有限会社増岡工業 4.9t/日株式会社エスアンドエスリサイクルセンター 4.8t/日川越市 株式会社山一商事 60.0t/日

株式会社大進興業株式会社クリーンテックサーマル秩父太平洋セメント株式会社株式会社イタバシ有限会社浦和エコシステムさいたま市

埼玉県

※その他:栃木県 住友大阪セメント株式会社 栃木工場

(出典:各都県の産業廃棄物処理事業者リスト)

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図 3-4 関東地域における主な焼却施設の分布

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表 3-5 ヒアリング調査結果一覧 都県 事業者名 余熱の利用状況 設置スペースの有無 備考 東京都 A社 サーマルリサイクルと溶融施設を持っている。排蒸気を発電(990kW)に利用して所内動力に使っている。廃熱回収ボイラー出口の温度は500℃程度。余った蒸気については使える可能性がある。 設置スペースの確保は困難であり、導入は難しいという認識。

B社 蒸気はほとんど発生していない。 スペースはほとんどない

C社 水冷により、蒸気が発生しているが、利用する計画はない。 スペースはほとんどない

D社 水冷により、蒸気が発生している。 スペースはほとんどない

E社 水冷により発生した蒸気はそのまま放出している。 スペースはほとんどない

F社 発電により余剰蒸気が発生している。発電後の蒸気は特に利用していない。 不明

G社 排蒸気を発電に利用している。発電機前は300℃。 具体的に検討してみないと分からない。

神奈川県 H社 水冷により放出している。 スペースはほとんどない

I社 単純焼却のみで余熱は利用していない。 不明

J社 6,200kg/hの蒸気を発電に利用している。1,300kg/hの蒸気を給水ポンプなどに利用。 スペースはほとんどない

K社 ごみと汚泥を受け入れており、排熱は汚泥の乾燥に使っている。発電は検討している。将来的に発電の廃蒸気を使える可能性あり。 不明 千葉県 L社 焼却炉の排熱はほとんど利用していない。ボイラーから排出される蒸気は利用可能と思われるが、臭気問題が大きいと思われる。 不明

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都県 事業者名 余熱の利用状況 設置スペースの有無 備考 M社 発電は行っているため、余剰蒸気は発生している。 多少のスペース余裕はある。平成

20年に新設する予定の施設であれば可能性がある。 訪問ヒアリング N社 温水として回収しているため、蒸気は発生していない。 スペースはほとんどない

O社 余熱の9割近くを発電に利用する予定である。焼却施設は現在試運転状態であり蒸気量なども安定していないため、現状ではなんともいえない。 不明

P社 現在、蒸気は全てボイラーに回しており、売電を行っている。新たに抽気すると、ボイラーに回す分が少なくなってしまうため、現実的でないとのこと。 不明

千葉県 Q社 排蒸気はほとんど利用せず排出している。 乾燥機程度であれば、設置できるスペースはあるが、食品廃棄物を扱う場合は臭気が問題となる。 訪問ヒアリング

埼玉県 R社 排ガスは汚泥乾燥と温水に使っている。排ガス回収ボイラーを導入することで蒸気回収を行なうことは可能。 スペースはあるが、臭気が問題。 訪問ヒアリング

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4. 収集システムの検討 3.1項で検討した拠点型プロセスとハイブリッド型プロセスについて、事業系の食品廃棄物を収集するためのシステムを検討した。具体的には、収集における課題点と、収集運搬車輌および回収容器の検討を行った。収集における課題としては、事業系一般廃棄物の処理管轄が各自治体に任されていることである。そのため、広域に回収するためには広域認定許可を取得する必要があり、実際には食品廃棄物のバイオマス燃料化を食品リサイクル法における再生利用手法として認定された上で、登録再生利用事業者(次頁参考)となる必要がある。また、各プロセスにおいて、自ら回収した場合と持ち込みとした場合における収集システムを検討した結果、既存の収集運搬事業者の利用可能性が高い持ち込みによる収集システムが現実的と判断した。

4.1 回収ルートの検討 3.1項にて検討すべきプロセスとした脱水・乾燥処理を一箇所で行なう拠点型プロセスと、排出元で脱水処理を行い拠点にて乾燥処理を行なうハイブリッド型プロセスについて、既存の収集運搬事業者の回収ルートを活用する排出事業者の持ち込みの場合と、自ら収集運搬業者としてルート回収を行なう場合の二つのケースについて検討した。 いずれのケースにおいても、自治体を跨いで収集する場合には、登録再生利用事業者の認定を受ける必要があるため、ここでは認定を受けた前提で検討した。

表 4-1 検討すべきプロセス一覧 プロセス型式 排出事業者が行なう作業 燃料化事業者が行なう作業 備考 乾燥処理 - × 分散型 脱水・乾燥処理 - × - 乾燥処理 × 拠点型 - 脱水・乾燥処理 要検討 脱水処理 乾燥処理 要検討 ハイブリッド型 一次乾燥処理 脱塩・乾燥処理 ×

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参考)登録再生利用事業者制度 食品リサイクル法において定められた制度であり、優良な再生利用事業者(リサイクル業者)を育成することなどを目的として、再生利用事業を的確に実施できる一定の要件を満たす事業者を登録するものである。再生利用事業者の登録を受けたリサイクル施設へ廃棄物を運搬する業者はリサイクル施設のある市町村の荷卸しの許可が不要となる。これにより、収集運搬業者は廃棄物を収集する地域での許可を持っていれば市町村をまたいでリサイクル施設へ食品廃棄物を運搬することが可能となり、再生利用事業者は広域的に食品廃棄物を受け入れることが可能となる。

図 4-1 登録再生利用事業者の特例

(出典:財団法人食品産業消費センターホームページ)

また、手続きの簡素化を図る観点から、肥料取締法 および飼料安全法についても、製造、販売等の届出を重ねて行なうことは不要となっている。

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4.1.1 拠点型プロセスにおける検討 (1) 持ち込みによるケース 本ケースでは、排出事業者が既存の収集運搬事業者に委託して食品廃棄物を持ち込むことから、収集運搬に関する許可の取得や価格設定の検討の必要性がない。図 4-1に示したとおり、燃料化事業者が登録再生利用事業者となることで、A市で収集した廃棄物を B 市で荷卸しすることが可能となる。持ち込みが原則のため、施設近辺であっても意識の低い事業者(c)からの回収は期待できないことから、こういった事業者に対しては積極的に働きかけを行なうことでリサイクル施設へ誘導することが必要となる。 既存の事業系食品廃棄物堆肥化センターで既に収集事例があり、地元自治体処理価格との折り合いが回収量確保の鍵となる。

図 4-2 持ち込みによる拠点型プロセス

(2) 回収ルート構築によるケース 自らルートを構築することにより、収集運搬効率の低い地域の事業者およびリサイクル意識の低い事業者からの収集運搬が期待できる。事例としては、(社)日本フードサービス協会が茨城県下妻市で行っている回収ルートが挙げられる。 しかしながら本事業の検討にあたっては、ルート構築による収集運搬許可の取得が必要といえ、関連協会の協力により排出事業者に働きかける必要性があることから、持ち込みによるプロセス検討よりも実現可能性が低いといえる。

排出事業者 a 排出事業者 b

排出事業者 c

A市 B市 A市の一般廃棄物収集許可 B市の一般廃棄物収集許可

A市焼却施設

リサイクル意識の低い事業者

燃料化施設 登録再生利用事業者

PR

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図 4-3 回収ルート構築による拠点型プロセス

4.1.2 ハイブリッド型プロセスにおける検討 ハイブリッド型プロセスでは、排出事業者に設備を導入するため排出事業者と燃料化事業者間での連携が構築されていることが前提となる。そのため、持ち込みによるケースと回収ルート構築によるケースのどちらも活用可能であるが、初期投資を考え事業性を考慮すると既存の収集運搬事業者による回収ルートを利用した持ち込みの方が現実的であると考えられる。

排出事業者 a 排出事業者 b

排出事業者 c

A市 B市 A市の一般廃棄物収集許可 ルート回収 B市の一般廃棄物収集許可 リサイクル意識の低い事業者

燃料化施設 登録再生利用事業者

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4.2 収集運搬車両および収集容器の検討 拠点型およびハイブリッド型プロセスにおいて、持ち込みを想定した場合の収集運搬車両の選定および製造した燃料の運搬車両の検討を行った。 持ち込みにおける収集運搬車両の検討にあたっては、回収対象となる排出事業者が少量排出であり廃棄物の保管スペースが少ないこと、持ち込みによる収集運搬が前提となるため既存インフラを最大限利用することの二点から、パッカー車が最も適していると判断した。また製造した燃料の運搬については、粉末状であること、大量輸送が可能であることから大型ダンプまたはアームロールが適していると判断した。 収集運搬車両の検討結果を踏まえ、収集容器については特別な容器の導入は必要ないと判断した。現状、パッカー車での回収にはポリ袋での回収が可能であり、ヒアリング結果によると、大部分の事業者がポリ袋に入れた状態で排出している。また、拠点型およびハイブリッド型の両設備において、破砕や解袋などの工程を踏むこと、プラスチック製のポリ袋は作製した燃料の燃焼カロリーを高めることから、現状と同様にポリ袋で回収する方法が最も適している。

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表 4-2 運搬車両の検討 車両名 検討結果 費用(千円/日) パッカー車(4t)

既存の収集運搬システムで事業系廃棄物の回収に利用されている。排出側に特別な設備やスペースの設置が必要なく、排出事業者からの回収に適していると判断した。

50

吸引車(7.5m3)

し尿や汚泥の回収に利用されている。ハイブリッド型の回収に適していると思われるが配車費用がかかるため現実的でない。

100 アームロール(10t)

コンテナを設置し、満杯になったら回収するため、コンテナ設置スペースが確保できることが条件となる。排出事業者からの回収には適さないと判断した。燃料輸送には利用可能である。

40

ダンプ(10t)

輸送量および配車費用の両面から、作製した燃料の輸送に適していると考えた。燃料輸送時は、平ボディではなく左写真のような車両が理想的である。

40

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51

5. 事業採算性の評価 食品廃棄物のバイオマス燃料化事業にあたり、実現可能性の高い拠点型プロセスとハイブリッド型プロセスについて、事業採算性を検討した。第3章で有望と判断した直接加熱方式、間接加熱方式および水熱処理方式の三つの方式を導入した場合について、年間処理量が 5,000t~25,000tでパラメーターを振り、事業採算性の確保が可能な事業規模および処理価格、導入する設備方式について検討した。 ハイブリッド型プロセスについては、燃料化事業者が排出事業者に対して脱塩可能な設備を導入するため、拠点型との設備導入比較により事業性を検討した。 両プロセスにおいて、作製した燃料は住友大阪セメント株式会社の栃木工場で燃料として利用することを前提とした(図 5-1参照)。

図 5-1 住友大阪セメント株式会社栃木工場からの相対距離 (出典:Google)

住友大阪セメント㈱栃木工場80km

50km

110km

住友大阪セメント㈱栃木工場80km

50km

110km

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52

5.1 拠点型プロセスの事業採算性評価 拠点型プロセスの検討にあたり、第三者が事業主体となる場合と住友大阪セメント株式会社が事業主体となる場合の二つのケースが挙げられる。第三者が事業主体となった場合には、食品廃棄物の発生量が多い東京近郊に燃料化施設を設け、住友大阪セメント株式会社の栃木工場へ搬送し、セメント工場の燃料として利用する。また、住友大阪セメント株式会社が事業主体となる場合には、栃木工場内に燃料化施設を設け、工場の余熱を利用し栃木工場周辺の食品廃棄物を燃料化した上で、セメント工場の燃料として利用する。 既存の登録再生利用事業者である堆肥化施設にヒアリングしたところ、食品廃棄物の収集運搬費用は排出企業の負担であることから、本調査でも同様に排出事業者負担とした。また、運搬事業者ヒアリングによると、東京近郊から栃木工場までの燃料運搬コストは約 3 円/kg であることから、バイオマス燃料の販売価格を運搬費と同等の 3 円/kgとした(廃棄物系燃料の場合、引き取り価格を運搬費用と同程度とする場合が多いため)。 事業性評価においては、第三者と住友大阪セメント株式会社のいずれが事業主体となっても考え方は同様(バイオマス燃料の販売価格と運搬費を同等においているため)であることから、以下では第三者が事業主体になるパターンについての検討結果を示す。

図 5-2 拠点型プロセスの事業主体ごとのフロー

住友大阪セメント㈱栃木工場80km

50km

110km

住友大阪セメント㈱栃木工場80km

50km

110km

①①①①①①①①

②②②②②②②②

住友大阪セメント㈱栃木工場80km

50km

110km

住友大阪セメント㈱栃木工場80km

50km

110km

①①①①①①①①

②②②②②②②②

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5.1.1前提条件の設定 事業採算性を評価するにあたり、下記の通り前提条件を設定した。

表 5-1 拠点型プロセスにおける前提条件 項目 主な内容 Ⅰ.燃料化前 1.処理量 5,000~25,000t/年で 5,000t/年ごとに算出。 第1章で排出量および排出密度の高かった東京 23 区および千葉県葛南地域の年間排出量(計約 465,000t/年)の約 1~5%にあたる。 2.含水率 80% 第2章の燃料サンプル結果より、80%と想定した。 3.嵩比重 0.6 食品廃棄物の他に、紙くずやビニールなどの包装材が含まれることを想定した。 4.塩素濃度 8,000ppm(含水率 10%ベース) 第2章の燃料サンプル作製結果より想定した。 5.処理価格 15~35円/kgで 5円/kgごとに算出。 東京都内の一般廃棄物処理価格単価 12.5 円および一般的なメタン発酵処理施設の処理単価 35円/kgを参考とした。 6.収集運搬費用 既存の堆肥化施設事例を参考に、排出企業負担による持ち込みを前提とした。 Ⅱ.燃料化後 1.生産量 1,111~5,555t/年 搬入量、想定含水率より算出した。 2.含水率 10% 住友大阪セメント株式会社設定値とした。 3.嵩比重 0.8 第2章の燃料サンプル(外食産業由来)の作製結果を参考とした。 4.塩素濃度 3,000ppm以下 住友大阪セメント株式会社受入基準を参考とした。 5.販売価格 3円/kg 一般的な木屑チップ単価を参考とした。 6.運搬費用 3円/kg 上記嵩比重を基に 10t トラックを利用すると想定し、東京近辺の燃料化施設から住友大阪セメント株式会社の栃木工場(80~100km)まで運搬した場合の参考価格を運搬事業者にヒアリングした。

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項目 主な内容 Ⅲ.稼動条件 1.稼動日数 年間 330日 メンテナンス期間を 35日間とした。 2.稼動時間 24時間 既存の堆肥化施設事例を参考とした。 Ⅳ.設備条件 1.敷地面積 既存施設を参考とし、プロセスごとに仮定した。 2.設備費用 プラントメーカーヒアリング結果より基準となる価格を設定し、処理量に応じて推定した。 3.補助金額 補助率 1/3 「平成 18年度 新エネルギー事業者支援対策事業」を想定し、設備費および工事費を補助対象とした(建屋および土地取得費用については対象外とした。)。 ※バイオマス燃料の認定基準 ・バイオマス依存率:60%以上 ・エネルギー回収率:50%以上 ・発熱量(固形化):3,000kcal/kg以上 4.アセスメント費用 1,000万円 一般的な環境アセスメントを行なうことを想定した。 5.資金調達 総事業費による。 プロセスごとに設備費が異なるため、総事業費の 1/3 を自己資本とし、残りを長期借入金とした。 長期借入金の利率は 2.375%とし、返済期間を 15年とした。 6.償却率 建物: 30年(定額法) 設備: 7年(定率法) 付帯工事: 15年(定額法) その他: 5年(定額法) Ⅴ.運転条件 1.ユーティリティ費 プロセスおよび処理量ごとに異なるため、各プロセスの基準値(ヒアリング結果より仮定)を基に、処理量に比例すると仮定した。 2.脱塩方法 食品廃棄物の脱塩に必要な水量については、処理量と同量(重量ベース)の水量を必要とすると仮定した。

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5.1.2 必要設備の検討 拠点型プロセスで検討した三つの方式について、必要な前処理設備等を検討した。第2章実験結果より、間接加熱方式では塩分濃度が高いことが判明したため脱水処理による脱塩を行なうと想定した。直接加熱方式においても同様に、単純処理による脱塩は困難であると想定し、脱水処理による脱塩を前提とした。水熱処理においては、処理直後に脱水処理を行なうことで脱塩できると仮定した。 なお、図 5-3および図 5-4においてボイラー、排ガス処理、排水処理システムは、余熱利用可能な焼却施設に併設したケースでは、既存設備を利用することを想定し点線で示した。 また、処理能力 15,000t/年の施設イメージを表 5-2に示した。 本見取図はあくまで参考であり、実際には処理施設の立地条件、導入技術の方式およびプラントメーカーによる方式の違いにより異なることに留意する。

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図 5-3 直接加熱・間接加熱方式による処理フロー

図 5-4 水熱処理方式による処理フロー

※ 余熱利用可能施設に併設することにより不要となる設備は点線で示した。

食品廃棄物 受入ホッパー 破砕機 貯留層 脱水機 供給ホッパー 乾燥機工業水 蒸気ボイラー 排ガス処理排ガス バイオマス燃料工業水

排水処理排気排水食品廃棄物 受入ホッパー 破砕機 貯留層 脱水機 供給ホッパー 乾燥機工業水 蒸気ボイラー 排ガス処理排ガス バイオマス燃料

工業水排水処理

排気排水

食品廃棄物 供給ホッパー 水熱処理機工業水 蒸気ボイラー 排ガス処理排ガス バイオマス燃料排水処理

排気排水脱水機食品廃棄物 供給ホッパー 水熱処理機

工業水 蒸気ボイラー 排ガス処理排ガス バイオマス燃料排水処理排気排水脱水機

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表 5-2 プロセス別施設イメージ 直接・間接加熱方式 水熱処理方式

※ 余熱利用可能な施設に併設した場合に不要となる排水処理設備・ボイラー・脱臭装置については点線で記した。

(出典:プラントメーカーヒアリング結果)

管理棟燃料タンク 30m

排水処理槽脱水機

乾燥品貯留サイロ 乾燥機 乾燥機 乾燥機貯留層貯留層貯留層 貯留層分別機スケール 搬入ヤード 反転投入機

20 m

脱臭装置ボイラーボイラー管理棟燃料タンク 30m

排水処理槽脱水機

乾燥品貯留サイロ 乾燥機 乾燥機 乾燥機貯留層貯留層貯留層 貯留層分別機スケール 搬入ヤード 反転投入機

20 m

脱臭装置ボイラーボイラー管理棟

24m排水処理槽脱水機乾燥品貯留サイロ 水熱処理機

スケール 貯留ホッパー

20 m

燃料タンク ボイラー 脱臭装置管理棟

24m排水処理槽脱水機脱水機乾燥品貯留サイロ 水熱処理機

スケール 貯留ホッパー

20 m

燃料タンク ボイラー 脱臭装置

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5.1.3 処理量および処理価格の検討 拠点型プロセスにおける事業採算性評価にあたり、採算の確保できる処理量および処理価格を検討した。具体的には、5.1.1 項で設定した前提条件にしたがって、年間処理量を 5,000t~25,000t の幅で 5,000t/年ごとに設定し、受入処理単価を 15,000 円/t~35,000円/tの幅で 5,000円/tごとに設定した場合の内部投資比率(以下 IRR、本調査では 15 年間で検討)を算出した。一般的には、IRR が 10%以上であれば事業可能性があると言える。IRR 算出に使用した設備投資額および運転費用の想定値を表 5-3~5-8 に示す。規模別の想定値は、プラントメーカーヒアリング結果より得られた年間処理量15,000tの場合をモデルとして、推計した。実際の立上げ検討にあたっては、より具体的な条件を明示の上でプラントメーカーに見積りを取るのがよい。 また、余熱利用可能な焼却施設への併設を前提としたケースでは、バイオマス燃料化工程で必要となるボイラー設備、燃料費、排水処理設備、排ガス処理設備を全て利用可能とした。

表 5-3 プロセス別施設スペース 想定敷地面積一覧想定敷地面積一覧想定敷地面積一覧想定敷地面積一覧 (単位:m2)直接加熱処理間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理5,000 111 22210,000 181 36115,00015,00015,00015,000 240 48020,000 294 58725,000 343 686

167271360440515

処理量(t/年) 余熱利用あり278452600734858

余熱利用なし ※ 年間処理量 15,000t規模より、処理量比の 0.7乗に比例すると仮定。

表 5-4 プロセス別建設費 想定建設費想定建設費想定建設費想定建設費 (単位:千円)直接加熱処理間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理5,000 27,808 33,36910,000 45,174 54,20915,00015,00015,00015,000 60,000 72,00020,000 73,385 88,06225,000 85,792 102,950

41,71267,76190,000110,078

76,796102,000124,755145,846128,688

処理量(t/年) 余熱利用あり 余熱利用なし47,273

表 5-5 プロセス別設備費 想定設備費想定設備費想定設備費想定設備費 (単位:千円)直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理5,000 183,531 158,041 125,135 266,955 241,464 249,34310,000 298,148 256,738 203,282 433,669 392,260 405,05915,00015,00015,00015,000 396,000 341,000 270,000 576,000 521,000 538,00020,000 484,342 417,072 330,233 704,498 637,228 658,02025,000 566,225 487,583 386,063 823,601 744,958 769,266

処理量(t/年) 余熱利用あり 余熱利用なし ※ 年間処理量 15,000t規模より、処理量比の 0.7乗に比例すると仮定。

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表 5-6 プロセス別設備内訳 想定設備一覧想定設備一覧想定設備一覧想定設備一覧 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理受入ホッパー ○ ○ ○ ○ ○ ○破砕機 ○ ○ ○ ○貯留槽 ○ ○ ○ ○脱水機 ○ ○ ○ ○供給ホッパー ○ ○ ○ ○ ○ ○乾燥機 ○ ○ ○ ○水熱処理機 ○ ○排水処理設備 ○ ○ ○ボイラー ○ ○ ○脱臭装置 ○ ○ ○付帯設備 ○ ○ ○ ○ ○ ○重機 ○ ○ ○余熱利用あり 余熱利用なし設備内容

※ プラントメーカーヒアリングおよび第2章実験結果より想定。

表 5-7 プロセス別ユーティリティ ユーティリティユーティリティユーティリティユーティリティ (単位:千円)直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理5,000 3,966 3,746 1,986 26,253 34,723 10,08310,000 7,932 7,492 3,972 52,506 69,446 20,16615,00015,00015,00015,000 11,898 11,238 5,958 78,760 104,170 30,25020,000 15,864 14,984 7,944 105,013 138,893 40,33325,000 19,830 18,730 9,930 131,266 173,616 50,416

余熱利用あり 余熱利用なし処理量(t/年) ※ 年間処理量に比例すると仮定した。 ※ 費用内訳については参考ページ参照

表 5-8 プロセス別人件費 人件費人件費人件費人件費 直接加熱処理間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理間接加熱処理 水熱処理責任者(千円/年)人数(人)年収(千円/人)管理者(千円/年)人数(人)年収(千円/人)作業員(千円/年)人数(人)年収(千円/人)人件費計 80,00074,000

8,0001

8,00012,0002

6,00060,00010

6,000

6,00060,00010

6,000

18,0006,0001

項目 余熱利用あり 余熱利用なし8,000

※ 作業員は 2人×5交代を想定した。

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以上の想定値を踏まえ、プロセス別に余熱を利用した場合と新たに建設した場合のIRR算出結果を表 5-9に示した。

表 5-9 プロセス別 IRR算出結果 直接加熱 間接加熱 水熱処理 直接加熱 間接加熱 水熱処理35 70.4% 76.7% 75.9% 45.9% 46.8% 47.7%30 60.6% 66.1% 65.9% 38.3% 38.7% 40.9%25 50.6% 55.2% 55.6% 30.2% 30.1% 33.8%20 40.1% 44.0% 44.9% 21.5% 20.7% 26.3%15 28.8% 32.0% 33.7% 12.0% 10.1% 18.0%35 55.1% 60.1% 60.2% 33.9% 34.0% 37.0%30 46.9% 51.3% 51.9% 27.3% 26.9% 31.2%25 38.4% 42.2% 43.3% 20.1% 19.2% 25.1%20 29.4% 32.6% 34.3% 12.4% 10.9% 18.4%15 19.5% 22.1% 24.7% -0.6% -4.8% 11.4%35 39.0% 42.8% 43.8% 20.5% 19.7% 25.5%30 32.3% 35.7% 37.2% 15.2% 13.8% 20.6%25 25.2% 28.2% 30.2% 7.5% 5.0% 15.6%20 17.8% 20.0% 22.7% -3.9% -9.5% 9.7%15 8.1% 12.8% 14.7% - - 0.4%35 20.8% 23.5% 25.9% 1.3% -2.3% 12.4%30 15.9% 18.1% 20.7% -8.1% - 7.6%25 9.2% 12.1% 15.4% - - 1.3%20 -0.6% 2.4% 9.3% - - -15 - - -0.8% - - -35 - -10.5% 0.6% - - -30 - - -5.8% - - -25 - - - - - -20 - - - - - -15 - - - - - -

10,000

5,000

余熱利用なし25,000

20,000

15,000

処理量(t/年) 処理費用(円/kg) 余熱利用あり

※ 「-」と記載された部分については、該当数値が存在しない。 ※ IRR10%以上を■で示した。

余熱の有無による事業採算性比較のため、間接加熱方式による比較を図 5-5 と図 5-6に示す。施設を新たに建設したケースでは、いずれのプロセスにおいても年間処理量20,000t で処理単価 20 円/kg または年間処理量 25,000t で処理単価 15 円/kg 以上でなければ、事業化が難しいことが示唆された。 一方、焼却施設などに併設し余熱を利用したケースでは、間接加熱方式において年間処理量 15,000t、処理価格 15円/kgで事業性が確保できることが判明した。第1章のマクロデータの把握より、首都圏を中心とした排出量の 3%程度を回収可能とすると処理

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量は年間 15,000tであり、この場合の事業採算性確保の目安としては、余熱利用ありの場合で 15 円/kg、新設した場合だと 30 円/kg 程度となることから本事業は余熱利用を前提として、検討する必要があることが示された。

-20.0%-10.0%0.0%10.0%20.0%30.0%40.0%50.0%60.0%70.0%80.0%90.0%0 10 20 30 40処理単価(円/kg)

IRR25,00020,00015,00010,000

図 5-5 間接加熱方式を用いて余熱利用可能施設に併設したケースの処理規模および 処理費別の IRR算出結果

-20.0%

-10.0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

0 10 20 30 40

処理単価(円/kg)

IRR

25,000

20,000

15,000

10,000

図 5-6 間接加熱方式を用いて新設したケースの処理規模および処理費別の

IRR算出結果

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(参考 1) プロセス別ユーティリティ費用の内訳 参考 ユーティリティ費用内訳参考 ユーティリティ費用内訳参考 ユーティリティ費用内訳参考 ユーティリティ費用内訳 (単位:千円)直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理電気基本使用量(千円/年) 4,704 4,704 4,704 5,645 5,645 5,645数量(kWh/月) 280 280 280 336 336 336単価(円/kWh月) 1,400 1,400 1,400 1,400 1,400 1,400電気料金(千円/年) 594 594 594 713 713 713数量(kWh/hr) 180 180 180 216 216 216単価(円/kWh) 10 10 10 10 10 10プロセス用水(千円/年) 6,600 5,940 660 6,600 5,940 660数量(m3/日) 100 90 10 100 90 10単価(円/m3) 200 200 200 200 200 200燃料(千円/年) 0 0 0 55,440 83,160 38,808数量(L/h) 0 0 0 100 150 70単価(円/L) 70 70 70 70 70 70排水処理費用(千円/年) 0 0 0 21,450 19,800 6,600数量(m3/日) 0 0 0 130 120 40単価(円/m3) 500 500 500 500 500 500小計 11,898 11,238 5,958 89,848 115,258 52,426※ プラントメーカーヒアリング結果乾燥工程運転費乾燥工程運転費乾燥工程運転費乾燥工程運転費 (単位:千円)直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理電気基本使用量(千円/年) 4,704 4,704 4,704 5,645 5,645 5,645数量(kWh/月) 280 280 280 336 336 336単価(円/kWh月) 1,400 1,400 1,400 1,400 1,400 1,400電気料金(千円/年) 594.0 594.0 594.0 712.8 712.8 712.8数量(kWh/hr) 180 180 180 216 216 216単価(円/kWh) 10 10 10 10 10 10プロセス用水(千円/年) 1,320 660 660 1,320 660 660数量(m3/日) 20 10 10 20 10 10単価(円/m3) 200 200 200 200 200 200燃料(千円/年) 0 0 0 55,440 83,160 16,632数量(L/h) 0 0 0 100 150 30単価(円/L) 70 70 70 70 70 70排水処理費用(千円/年) 0 0 0 8,250 6,600 6,600数量(m3/日) 0 0 0 50 40 40単価(円/m3) 500 500 500 500 500 500小計 6,618 5,958 5,958 71,368 96,778 30,250※ 日量45トン規模を想定脱塩工程運転費脱塩工程運転費脱塩工程運転費脱塩工程運転費 (単位:千円)直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理 直接加熱処理 間接加熱処理 水熱処理プロセス用水(千円/年) 5,280 5,280 0 5,280 5,280 0数量(m3/日) 80 80 0 80 80 0単価(円/m3) 200 200 200 200 200 200排水処理費用(千円/年) 0 0 0 2,112 2,112 0数量(m3/日) 0 0 0 80 80 0単価(円/m3) 80 80 40 80 80 40小計 5,280 5,280 0 7,392 7,392 0※ 日量45トン規模を想定

項目

項目

項目

余熱利用あり 余熱利用なし

余熱利用あり 余熱利用なし

余熱利用あり 余熱利用なし

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63

(参考 2) 余熱利用ありのケースにおける間接加熱設備の収益構造 本調査で明らかとなった年間処理量 15,000t、処理費用 15円/kgの事業採算性の検討結果を示す。

施設規模処理能力 45 (t/日) 15,000 t/年稼働日数 330 (日/年)稼働時間 24 (時間/日)項目 金額 備考

建設費用地費 敷地面積 360 (㎡)取得費 0 (千円) 公租公課含む借地料 3,600 (千円/年) 単価(千円/m2) 10造成費 0 (千円)建設費 471,000 (千円)建物 90,000 (千円)設備 341,000 (千円) ボイラーなし付帯工事 40,000 (千円)補助金額 127,000 (千円) 設備費の 33%Net工事費 344,000 (千円)造成 0 (千円)建物 90,000 (千円)設備 227,333 (千円)付帯工事 26,667 (千円)開業費等 20,000 (千円)開業費 10,000 (千円)アセスメント費用 10,000 (千円)運転資金 40,000 (千円)アレンジメントフィー 0 (千円)自治体からの助成金 0 (千円)総事業費 404,000 (千円) 借地料除く資金調達 404,000自己資本 134,667 (千円) 資本金に充当長期借入金 269,333 (千円)短期借入金 0 (千円)長期借入金利率 2.375% 短プラ+1%返済期間 15 (年) 元金均等償却率 造成工事 (年) 定額法建物 30 (年) 定額法設備 7 (年) 定率付帯工事 15 (年) 定額法開業費等 5 (年) 定額法アレンジメントフィー 5 (年) 定額法法人税等実行税率 40.0%公租公課(固定資産税) 1.4%

項目 金額 備考

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売上 食品廃棄物 数量 36 (t/日)45.5 (m3/t)比重 0.8 (t/m3)含水率 80.0 (%)単価 15,000 (円/t) 価格下落率 0.0%売上 180,000 (千円/年)その他 数量 9.1 (t/日)45.5 (m3/t)比重 0.2 (t/m3)(包装類等) 単価 15,000 (円/t) 価格下落率 0.0%売上 45,000 (千円/年)搬入量合計 45.5 (t/日)平均単価 15,000 (円/t) 価格下落率 0.0%処理費合計 225,000 (千円/年) 最大下落率 0.0%バイオマス 数量 10.1 (t/日)燃料 含水率 10.0 (%)単価 3,000 (円/t)売上 10,000 (千円/年)輸送費 数量 10.1 (t/日)単価 -3,000 (円/t)売上 -10,000 (千円/年)販売費合計 0 (千円/年)売上合計 225,000 (千円/年)

項目 金額 備考受取処理燃料販売

運転費ユーティリティ 11,238 (千円/年)メンテナンス費用 34,100 (千円/年) 建設費の 10.0%運転費合計 45,338 (千円/年)廃棄物処理費不適物 数量 0 (t/年) 受入量の 0%単価 17,000 (円/t)費用 0 (千円/年)廃棄物処理費合計 0 (千円/年)人件費(運営)人件費合計 74,000 (千円/年)販管費販管費合計 3,700 (千円/年) 人件費の 5%

項目 金額 備考項目 金額 備考項目 金額 備考項目 金額 備考

※ ■はプロセスにより異なる。

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(千円)【【【【損益計算書損益計算書損益計算書損益計算書】】】】 0000年目年目年目年目 1111年目年目年目年目 2222年目年目年目年目 3333年目年目年目年目 4444年目年目年目年目 5555年目年目年目年目 10101010年目年目年目年目 15151515年目年目年目年目売上 処理費 157,500 180,000 213,750 213,750 213,750 213,750 213,750稼働率: 70.0% 80.0% 95.0% 95.0% 95.0% 95.0% 95.0%販売費 0 0 0 0 0 0 0売上合計 0 157,500 180,000 213,750 213,750 213,750 213,750 213,750原価 運転費 31,737 36,270 43,071 43,071 43,071 43,071 43,071廃棄物処理費 0 0 0 0 0 0 0人件費(運営) 74,000 74,000 74,000 74,000 74,000 74,000 74,000減価償却費 67,953 50,130 37,298 28,058 21,406 4,300 4,300原価合計 0 173,690 160,401 154,369 145,130 138,477 121,371 121,371売上総利益 0 -16,190 19,599 59,381 68,620 75,273 92,379 92,379売上総利益率 -10.3% 10.9% 27.8% 32.1% 35.2% 43.2% 43.2%販管費 人件費(販管費) 3,700 3,700 3,700 3,700 3,700 3,700 3,700その他費用 10,000 3,600 3,600 3,600 3,600 3,600 3,600 3,600繰延資産償却(開業費等) 4,000 4,000 4,000 4,000 4,000 0 0公租公課 4,443 3,514 2,834 2,335 1,964 1,239 1,050貸倒損失 収入の 1.0% 1,575 1,800 2,138 2,138 2,138 2,138 2,138支出合計 10,000 17,318 16,614 16,272 15,772 15,402 10,677 10,488営業利益 -10,000 -33,508 2,985 43,109 52,848 59,871 81,702 81,891営業利益率 -21.3% 1.7% 20.2% 24.7% 28.0% 38.2% 38.3%営業外収益 0 0 0 0 0 0 0営業外費用 支払利息 6,397 5,970 5,544 5,117 4,691 2,559 426経常利益 -10,000 -39,904 -2,985 37,565 47,731 55,180 79,144 81,465税引前利益 -10,000 -39,904 -2,985 37,565 47,731 55,180 79,144 81,465法人税等 0 0 0 1,937 4,917 31,657 32,586税引後利益 -10,000 -39,904 -2,985 37,565 45,794 50,264 47,486 48,879当期利益 -10,000 -39,904 -2,985 37,565 45,794 50,264 47,486 48,879資本合計 -10,000 -49,904 -52,889 -15,324 30,471 80,734 303,611 545,220

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5.2 ハイブリッド型プロセスの事業採算性評価

5.2.1 前提条件の設定 ハイブリッド型プロセスの事業採算性評価にあたり、5.1 項で算出した年間処理能力15,000t、処理単価 15円/kgで余熱を利用するケースに導入した場合の事業採算性を算出した。 ハイブリッド型プロセス検討における前提条件を表 5-10に示した。

表 5-10 ハイブリッド型プロセスにおける前提条件 項目 主な内容 Ⅰ.店舗向け脱水乾燥機条件 1. 処理能力 50kg/日 環境資源株式会社ヒアリング結果より算出した。 2. 本体価格 50万円 環境資源株式会社ヒアリング結果より算出した。 3. 設置台数 909台 処理能力および年間処理量(15,000t)より算出した。 Ⅱ.乾燥施設条件 1. 必要設備 受入ホッパー、供給ホッパー、乾燥機、付帯設備 店舗にて破砕~脱塩を行なうため、破砕機、脱水機、貯留槽を不要とした。 2. 設置面積 拠点型プロセスの 70%と仮定した。 3. 付帯設備費 拠点型プロセスの 80%と仮定した。 4. その他 拠点型プロセスと同等とした。

図 5-7 ハイブリッド型プロセスのフロー

乾燥・燃料化 (二次処理) 利用

店舗 燃料化施設 燃料利用施設 洗浄脱水 (一次処理)

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5.2.2 処理量および処理価格の検討

5.2.1前提条件におけるハイブリッド型プロセスと拠点型プロセスにおける IRR算定結果を表 5-11 に示した。ハイブリッド型プロセスでは、各店舗に破砕処理、洗浄処理および脱水処理をおこなうため、拠点での破砕や脱塩に関する処理は不要である。しかしながら、処理量が 50kg/日であるため年間処理量を 15,000tとすると 900店舗以上に設置する必要がある。店舗向け処理機の販売価格が 50 万円であることから、900 店舗に導入すると、設備投資が 4億 5,000万円と膨大なため、事業性の確保は困難となる。 したがってハイブリッド型プロセスでは、処理機の処理能力向上と販売価格の低減が事業採算性確保のポイントとなるものと考えられる。第1章における排出企業ヒアリング結果によると、個別店舗の食品廃棄物排出量は、一日あたり 50kg~100kg であることから、駅ビルやショッピングセンターなどの個別店舗が集中したところを対象に導入を進めることで、ハイブリッド型プロセスにより採算性確保が可能になるものと考えられる。

表 5-11 間接加熱方式で余熱を利用するプロセスにおける IRR算出結果 処理量 処理費用 ハイブリッド型 (参考値) 拠点型

15,000t/年 15円/kg -2.5% 12.2%

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まとめ

<課題> 本調査の結果、食品廃棄物のバイオマス燃料化事業については、焼却施設に燃料化施設を併設することによって余熱を有効活用することができれば、事業性をある程度確保することができる見通しが立った。乾燥技術については水熱反応装置が有望といえるが、事業化のためには更なる研究開発・実証試験によりコストダウンを図ることが必要である。 また今後事業化を進めていくにあたって取り組むべき課題は大きく技術的課題と法的課題の二つに分けることができる。以下にその詳細を示す。

(1)技術的課題 技術的課題については、脱塩技術の開発がまず挙げられる。今回の調査では洗浄脱水するということを想定したが、今後はその手法で 3,000ppm以下に塩素濃度を下げることが可能かどうかについて、十分確認しなければならない。また乾燥機についても食品廃棄物の燃料化を念頭に置いた装置がまだ開発されていないという課題がある。乾燥機メーカーへのヒアリング結果によれば、おからやコーヒー滓といった単一の性状のものへの対応は可能であるが、様々な性状のものが含まれる食品廃棄物を対象物として扱ったことがないため、実用化にあたっては研究開発および実証研究が必要との声が多く聞かれた。そもそも燃料として用いることを想定した乾燥機は少なく、堆肥化や飼料化を想定しているものがほとんどなのが現実である。以下に示すように、脱塩技術の開発など燃料化を想定した技術開発が必要である。 具体的な課題は以下の通りである。

① 脱塩技術の開発 食品廃棄物は塩素分を含んでいることから、単純に粉砕・乾燥しただけでは販売先は限定される。燃料として使い勝手の良いものにするために、塩素分を除去する技術が必須となる。 今回は洗浄・脱水による脱塩を想定したが、排水処理のコストがかかることから事業採算性に影響する要因となっている。今後は安価かつ省スペースの脱塩技術の開発が必要といえる。この技術の開発は今後の鍵であり、技術開発が進むことで、食品廃棄物の燃料化事業がより実用化に近づく。 また水熱反応など水蒸気を直接反応させる場合は、粉砕・乾燥だけでなく、脱塩も図ることができることから、水熱反応装置を用いた脱塩技術の開発も一つのテーマとして具体的に検討を進める価値がある。

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② 炭水化物を含んだ食品廃棄物への対応 回転式の乾燥機を用いた場合、炭水化物が団子状になってしまうことがある。石炭代替燃料として用いる場合は微粉状になっていることが望ましいことから、団子状にならないような工夫を装置に施す必要がある。具体的には乾燥機内部の回転羽の形状を食品廃棄物用に新たに設計することが必要である。

③ 廃プラ、紙ごみなどを含んだ廃棄物への対応 とくに外食産業から排出される食品廃棄物は分別が行き届いていない可能性が高く、廃プラスチックや紙ごみが混入している頻度が高い。そのような廃棄物を乾燥させるためには、乾燥機の前処理装置として一次破砕、二次破砕を行なう必要がある。また水熱反応を前処理施設として導入するといった案も考えられる。このように前処理技術の開発・実証が必要である。

④ 臭気対策等の事業運営上の課題 実際に食品廃棄物を受け入れてみた上で乾燥機の微調整を行わなければならない。想定外のものが含まれる可能性や臭気対策など、オペレーションを円滑に進めるための様々な実証を行わなければならない。

(2)法的課題 法的課題については、収集運搬の課題と設備の設置に関する課題が挙げられる。バイオマス燃料化施設の設置に関する法的な課題をクリアするためには、実施主体を中間処理業者とのジョイントベンチャーとして、産業廃棄物処理施設に併設するということが現実的といえる。 一方、収集運搬については、食品廃棄物を広域で収集することが大前提であり、そのためにはバイオマス燃料化施設を運営する事業主体が登録再生利用事業者として認定されることが必要となる。今後は食品廃棄物の燃料化がリサイクル手法の一つとして認められる可能性が高いことから、その流れを加速させるためにも国に対して事業全体のリサイクル効果や地球温暖化削減効果を適切に示すことが重要となる。

参考)食品リサイクル法の改正動向(2007 年 3月現在) 食品循環資源の再生利用等を促進するため、食品関連事業者に対する指導監督の強化、食品関連事業者が行なう再生利用等の取組の円滑化等の措置を講ずることを 内容とする「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が、3月2日(金)に閣議決定された。 この中で燃料化に関する部分として「食品廃棄物等の有効な利用の確保が図られるよう、食品関連事業者は、再生利用が困難な場合に「熱回収」を行なうことができること

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とする。」という内容が明確に盛り込まれており、燃料化施設を運営する事業主体が登録再生利用事業者として認定される可能性が高いといえる。

<今後の取り組みの方向性> 今後事業化を目指すにあたって取り組むべき項目を以下に示す。

(1)食品廃棄物の燃料化技術の研究開発 食品廃棄物の燃料化に関する以下の技術の研究開発を行なう。

①塩素分の除去技術 燃料としての品質を向上させるためには、塩素濃度を下げる技術が必要とされる。現状考えられる方法としては、以下の二通りがある。これ以外の方法も含めて塩分除去技術の開発を行なうことが必要である。 ・過熱水蒸気を用いた水熱反応技術 過熱水蒸気を食品廃棄物と直接反応させ、廃棄物を粉砕・乾燥するとともに、廃棄物中に含まれる塩素を蒸気側に移す技術。下水汚泥の処理に活用するなどの研究開発が行われているが、塩分除去という観点では研究されていない。直接乾燥技術に近い技術ではあるが、違いは圧力を与えるという点であり、粉砕・乾燥(プラスチックなども粉砕可能)を同時に行なうことが可能であることから、前処理装置(破袋機、破砕機)が必要なくなるというメリットもある。 ・洗浄脱水技術 乾燥前の廃棄物を回転しながら破砕、水洗いを行い、脱水を行なう技術。液体側に塩分を溶出させることを狙うもの。乾燥前の廃棄物がゲル状のものになることから、その後の乾燥工程が行いやすくなるメリットもある。これも脱塩技術として研究されていない。

②破砕・粉砕技術(前処理技術) 様々な異物が含まれている食品廃棄物については、プラスチックや紙ごみなども粉砕できるような破砕機が必要であり、そのほか金属などを分別するための選別機も必要となる。最終的に石炭代替の燃料とするためには、粉末状の燃料にすることが望ましく、破砕装置や選別機、さらには爆砕機のようなものも含めた破砕・粉砕技術の開発が必要となる。また乾燥の手法としても粉砕しながら乾燥するような技術の改良も必要であり、前処理技術である破砕・粉砕技術とセットにした研究開発が求められる。

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③新たな乾燥技術 機械的な乾燥技術以外にも、発酵菌を用いた新たな乾燥技術(発酵熱を用いた乾燥技術)も存在する。既に焼酎滓の発酵技術として導入されているものも存在し、動力や燃料を使わない技術として研究開発のテーマのひとつと捉える価値はある。

(2)バイオマス燃料化技術の実証研究 前述の研究開発結果と並行して既に実用化している技術と組み合わせることと、それに改良を加えることによってバイオマス燃料化施設の実証試験を実施する。 実証試験の進め方としては、一般廃棄物を収集している事業者と協力し、NEDO のバイオマス熱利用フィールドテストなどを活用した取り組みが考えられる。

(3)事業化可能性の具体的検討 本調査にてバイオマス燃料化事業の有望性については確認できた。しかしながら、具体的な事業として確立していくためには以下の作業を行なう必要がある。 検討項目 具体的内容 余熱利用先の詳細なヒアリングおよび対象の絞り込み

現時点で可能性があると考えられる事業者に対して詳細なヒアリングやディスカッションを行い、排熱を利用する場合の具体的な改造費用や設置スペースの現場確認を行なう。その上で事業に対して積極的と考えられ、かつ優良な事業者を絞り込む。 収集運搬の仕組み構築 実際に収集運搬を行なうにあたってのルート構築の可能性について排出元である外食産業や食品小売業者ともディスカッションを行った上で最適な仕組みを検証する。 実証研究を受けての燃料化プロセスの再検討

現状想定を置かざるを得なかったところを実証研究の結果を受けて修正し、より具体的な燃料化プロセスを検討する。またこれを受けて燃料化施設の具体的な費用についても算出する。 総投資額の算定 上記までを踏まえて、土地代も含めた実際の総投資額を算定する。 補助金取得への事前調査 実際に事業を行なううえでは補助金取得が必須であるが、その獲得に向けて事前に担当者に対するアピールおよびヒアリングを行なう。 法的課題の検討 事業が具体化したところで、改めて法的な課題を洗い出しそれぞれに対する対応策(具体的な事業形態の構築や行政への働きかけ)を検討する。 事業計画の作成 上記を受けて事業化の一歩手前となる具体的な事業計画を作成する。

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(4)今後のスケジュール 本調査の結果を踏まえ、今後は以下の表に示すようなスケジュールで事業化へ向けた取り組みを実施することとなる。 実証研究については、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)等のバイオマス熱利用に関する実証研究の補助制度等を活用する。 実証事業については 2年程度実施し(半年は施設の建設・設置工事などに費やすことになる)、その結果を評価した上で事業化の可能性が認められれば事業化へ向けた取り組みを加速させる。

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表 今後の事業化へ向けたスケジュール 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 121.事前検討2.研究開発準備3.実証研究準備4.研究開発実施5.実証事業実施6.評価・検討7.事業化準備8.事業実施2007年 2008年 2009年 2010年

NEDO公募 改正食品リサイクル法スタート ※NEDO:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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参考資料

Ⅰ.アンケート調査票

Ⅱ.燃料化技術調査シート

Ⅲ. バイオマス燃料化の LCA評価について

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Ⅰ. アンケート調査票

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不法投棄や地球の温暖化に代表されるように、事業活動における環境配慮はあらゆる業界において考慮すべき重要な要素の一つになっていると言えます。 また、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(以下、食品リサイクル法)の施行や「バイオマス・ニッポン総合戦略」の閣議決定等により、食料品に由来する食品廃棄物のリサイクルに向けた取り組みは益々活発になっており、大手食品製造業の多くは既にリサイクル率が 60%を超えております。 一方、食品小売業や外食産業では、廃棄物の多様性や、割り箸・ラップなど異物の混入により、リサイクルを行なうことが難しいという現状があります。食品廃棄物のリサイクル方法として、これまで堆肥化や飼料化が注目されておりましたが、堆肥化や飼料化には塩分や油分が低く、異物混入のないものが求められる上、一部の地域では供給過多になっています。 現在、堆肥化や飼料化に変わる食品廃棄物のリサイクル方法として、燃料化が注目を集めております。食品廃棄物由来の燃料は、割り箸やプラスチックなどの異物混入による問題がない他、発電や精錬所等に使用される石炭の代替燃料として地球環境保全に対する貢献度も高いと言えます。 このような背景から、弊社では関東経済産業局の委託を受け、食品小売業・外食産業から排出される食品廃棄物の実態を把握し、燃料事業化の可能性を調査することとなりました。食品小売業・外食産業に携わる皆様、お忙しいところ誠に恐れ入りますが、調査の主旨をご理解の上、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。ご記入いただきましたアンケート票は、8月 29 日(火)までにFAXでご返信下さい。 平成 18年 8月

本調査についての問い合せおよび添付のアンケート調査票の送付先は、下記までお願いいたします。

食品バイオマスの燃料化事業可能性調査食品バイオマスの燃料化事業可能性調査食品バイオマスの燃料化事業可能性調査食品バイオマスの燃料化事業可能性調査

に関するアンケートに関するアンケートに関するアンケートに関するアンケート

株式会社リサイクルワン 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町 14-1ハッチェリー渋谷 TEL:03-3464-3566 FAX:03-5428-2605

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FAX 03-5428-2605 株式会社リサイクルワン 行

食品バイオマスの燃料化事業性調査に関するアンケート調査票 1.まず、貴社の事業内容1.まず、貴社の事業内容1.まず、貴社の事業内容1.まず、貴社の事業内容についてお伺いいたします。についてお伺いいたします。についてお伺いいたします。についてお伺いいたします。 問 1-1 貴社の会社概要について記入してください。 貴社名 ご所属: ご回答者様 ご氏名: お役職: 所在地 住所: 〒 Tel: Fax: Mail: 業種・業態 a. 和食 b. 中華 c. 洋食 d. ファーストフード e. 居酒屋 f. ファミリーレストラン g. ディナーレストラン h. ホテル i. スーパーマーケット j. 百貨店 k. 駅ビル l. ショッピングセンター m. コンビニエンスストア n. その他( ) 以下は A か B のうちどちらか該当するものにお答えください。 A 単独または少数店舗の事業者様(ホテル・百貨店など) 延べ床面積(おおよその値でかまいません) m2 複数店舗の事業者様(ファーストフード・ファミリーレストラン・居酒屋・コンビニエンスストアなど) 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 茨城県 栃木県 群馬県 B 店舗数 店 店 店 店 店 店 店 2.2.2.2.貴社の現在の食品廃棄物の発生状況と管貴社の現在の食品廃棄物の発生状況と管貴社の現在の食品廃棄物の発生状況と管貴社の現在の食品廃棄物の発生状況と管理についてお伺いいたします。理についてお伺いいたします。理についてお伺いいたします。理についてお伺いいたします。 問 2-1 貴社で発生する食品廃棄物はどのように排出していますか。該当するものに○印をつけてください。店舗により状況が異なる場合は該当するものすべてに○印をつけてください。 a. 分別した後、食品リサイクル法で定められた方法で減量(乾燥・脱水・炭化・発酵)、または再生利用(飼料・肥料・油脂および油脂製品・メタン)を行い、排出している。 b. 分別した後、食品廃棄物として単独で排出している。 c. 紙類や割箸などと一緒にまとめて可燃性廃棄物として排出している。 d. c.に加え、プラスチック類もまとめて可燃性廃棄物として排出している。 e. 分別回収は行わずに、ガラスや金属片などと一緒に全てまとめて排出している。

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問 2-2 貴社において、廃棄物の処理委託先を決定する権限を持っているのはどの部署ですか。該当するものに○印をつけてください。 a. 本社・本部(総務部、環境部など) b. 地域の統括事務局など c. 各店舗 d. その他( ) 問 2-3 問 2-2 で a. b. d. をお選びいただいた方にお伺いいたします。貴社が現在の処理事業者を選択している理由は何ですか。該当するもの全てに○印をつけてください。 a. 処理費用が安いから b. リサイクル率が高いから c. 昔から付き合っているから d. 優良な事業者だと思うから e. 本部が指定しているから f. 特に理由はない g. その他( ) 問 2-4 貴社で発生する食品廃棄物の量は、全ての事業所を合計した場合、年間 100t 以上排出されていますか。 a. 年間 100t 以上である。 b. 年間 100t未満である。 c. 把握はしていない。 問 2-5複数店舗を持つ事業者様にお伺いします。代表的な店舗で排出されている食品廃棄物の量およびその回収頻度について、下記の表に平均的な数値を入れてください。それぞれの店舗によって大きな差がある場合は複数の事例(3 つ)を挙げてください。 述べ床面積 (m2) 立地場所(○○都・県○○市・区) 月間 営業日数 月間 回収量 回収頻度 (○日に○回) 月間処理価格 (収集運搬費込み) 店舗① m2 都・県 市・区 日/月 t/月 日に 回 約 円/月 店舗② m2 都・県 市・区 日/月 t/月 日に 回 約 円/月 店舗③ m2 都・県 市・区 日/月 t/月 日に 回 約 円/月

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問 2-6 食品リサイクル法によると、食品廃棄物の年間排出量が 100t 以上の事業者に対し、平成18 年は再生利用等(発生の抑制、再生利用、減量)により、食品廃棄物の排出量を 20%削減することが義務づけられています。現状の達成見込みについて、該当するものに○印をつけてください。 a. 20%の削減目標を達成する予定である。 b. 20%の削減は困難である。 c. わからない。 3.食品リサイクル法3.食品リサイクル法3.食品リサイクル法3.食品リサイクル法ではではではでは、、、、食品廃棄物食品廃棄物食品廃棄物食品廃棄物の再生利用法として、堆肥化、飼料化、油脂・の再生利用法として、堆肥化、飼料化、油脂・の再生利用法として、堆肥化、飼料化、油脂・の再生利用法として、堆肥化、飼料化、油脂・油脂油脂油脂油脂製品化、製品化、製品化、製品化、メタン発酵のメタン発酵のメタン発酵のメタン発酵の 4444 種類種類種類種類が認定されてが認定されてが認定されてが認定されていますが、いますが、いますが、いますが、ここここのののの 4444 種類だけ種類だけ種類だけ種類だけでは、では、では、では、20202020%削減が難しい%削減が難しい%削減が難しい%削減が難しいのが現状のが現状のが現状のが現状です。一方で、です。一方で、です。一方で、です。一方で、『バイオマ『バイオマ『バイオマ『バイオマス・ニッポン総合戦略』では、資ス・ニッポン総合戦略』では、資ス・ニッポン総合戦略』では、資ス・ニッポン総合戦略』では、資源の有効利用化の流れから、バイオ源の有効利用化の流れから、バイオ源の有効利用化の流れから、バイオ源の有効利用化の流れから、バイオマス燃料マス燃料マス燃料マス燃料化化化化 1111 が再生が再生が再生が再生利用方法として検討されて利用方法として検討されて利用方法として検討されて利用方法として検討されていいいいます。ます。ます。ます。バイオマス燃料化の導入メリットとしバイオマス燃料化の導入メリットとしバイオマス燃料化の導入メリットとしバイオマス燃料化の導入メリットとして、リサイクル率向上・二酸化炭素削減・処理費用削減などが考えられます。て、リサイクル率向上・二酸化炭素削減・処理費用削減などが考えられます。て、リサイクル率向上・二酸化炭素削減・処理費用削減などが考えられます。て、リサイクル率向上・二酸化炭素削減・処理費用削減などが考えられます。そこで、そこで、そこで、そこで、バイオバイオバイオバイオマス燃料化についてお伺いいたしますマス燃料化についてお伺いいたしますマス燃料化についてお伺いいたしますマス燃料化についてお伺いいたします。。。。 (1 食品廃棄物を乾燥、固形化させて、石炭などの化石燃料の代替燃料とすること。) 問 3-1 バイオマス燃料化の回収・処理ルートが構築された場合、導入する際の判断基準は何ですか。優先度の高い順に数値を入れてください(1 が最も優先事項とします)。 項目 順位 a. 二酸化酸素の削減 b. 処理価格 c. 法令遵守 d. 分別手間 問 3-2 バイオマス燃料化を検討する場合、現在の処理費用(収集運搬費用を含む)と比較して、どの程度の価格帯であれば検討しますか。該当するものに○印をつけてください。 a. 現在の処理費用よりも安ければ検討する。 b. 現在の処理費用と同じであれば検討する。 c. 現在の処理費用よりも 1,000~2,000円/t 高くても検討する。 d. 現在の処理費用よりも 2,000円以上高くても検討する。 4444.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えください.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えください.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えください.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えください。。。。

-ご協力ありがとうございました--ご協力ありがとうございました--ご協力ありがとうございました--ご協力ありがとうございました-

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不法投棄や地球の温暖化に代表されるように、事業活動における環境配慮はあらゆる業界において考慮すべき重要な要素の一つになっていると言えます。 また、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(以下、食品リサイクル法)の施行や「バイオマス・ニッポン総合戦略」の閣議決定等により、食料品に由来する生ごみのリサイクルに向けた取り組みは益々活発になっており、大手食品製造業の多くは既にリサイクル率が 60%を超えております。 一方、食品小売業や外食産業では、廃棄物の多様性や、割り箸・ラップなど異物の混入により、リサイクルを行なうことが難しいという現状があります。生ごみのリサイクル方法として、これまで堆肥化や飼料化が注目されておりましたが、堆肥化や飼料化には塩分や油分が低く、異物混入のないものが求められる上、一部の地域では供給過多になっています。 現在、堆肥化や飼料化に変わる生ごみのリサイクル方法として、燃料化が注目を集めております。生ごみ由来の燃料は、割り箸やプラスチックなどの異物混入による問題がない他、発電や精錬所等に使用される石炭の代替燃料として地球環境保全に対する貢献度も高いと言えます。 このような背景から、弊社では関東経済産業局の委託を受け、食品小売業・外食産業から排出される生ごみの実態を把握し、燃料事業化の可能性を調査することとなりました。食品小売業・外食産業に携わる皆様、お忙しいところ誠に恐れ入りますが、調査の主旨をご理解の上、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。ご記入いただきましたアンケート票は、8月 29日(火)までに FAXでご返信下さい。 平成 18年 8月

本調査についての問い合せおよび添付のアンケート調査票の送付先は、下記までお願いいたします。

食品バイオマスの燃料化事業可能性調査食品バイオマスの燃料化事業可能性調査食品バイオマスの燃料化事業可能性調査食品バイオマスの燃料化事業可能性調査

に関するアンケートに関するアンケートに関するアンケートに関するアンケート

株式会社リサイクルワン 〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町 14-1ハッチェリー渋谷 TEL:03-3464-3566 FAX:03-5428-2605

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FAX 03-5428-2605 株式会社リサイクルワン 行 食品バイオマスの燃料化事業性調査に関するアンケート調査票 1.まず、貴社の事業内容についてお伺いいたします。1.まず、貴社の事業内容についてお伺いいたします。1.まず、貴社の事業内容についてお伺いいたします。1.まず、貴社の事業内容についてお伺いいたします。 問 1-1 貴社の会社概要について記入してください。 貴社名 ご回答者様 ご氏名: ご役職: 所在地 住所: 〒 Tel: Fax: Mail: 業種 a. 和食 b. 中華 c. 洋食 d. ファーストフード e. ファミリーレストラン f. ディナーレストラン g. 居酒屋 h. ホテル i. スーパーマーケット j. 百貨店 k. ショッピングセンター l. コンビニエンスストア m. その他( ) 延べ床面積(おおよその値でかまいません) m2 2.2.2.2.貴社の現在の生ごみの発生状況についてお伺いいたします。貴社の現在の生ごみの発生状況についてお伺いいたします。貴社の現在の生ごみの発生状況についてお伺いいたします。貴社の現在の生ごみの発生状況についてお伺いいたします。 問 2-1 貴社で発生する生ごみはどのように排出していますか。該当するものに○印をつけてください。 f. 分別した後、食品リサイクル法で定められた方法で減量(乾燥・脱水・炭化・発酵)、または再生利用(飼料・肥料・油脂および油脂製品・メタン)を行い、排出している。 g. 分別した後、生ごみとして、他のものとは別に排出している。 h. 紙類や割箸などと一緒の袋で、まとめて可燃性ごみとして排出している。 i. c.に加え、プラスチック類と一緒の袋で、まとめて可燃性ごみとして排出している。 j. 分別回収は行わずに全てまとめて排出している(ガラスや金属片など)。 問 2-2 貴社のどの部門が排出したごみの処理委託先を選定する権限を持っているのでしょうか。該当するものに○印をつけてください。 a. 本社・本部(総務部、環境部など) b. 地域の統括事務局 c. 各店舗 d. その他( )

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問 2-3 現在、貴事業所で発生している生ごみ(使用済み食品油は含まず)量は一日あたりどの程度でしょうか。下記の□に数値を入れてください。 L の袋で約 袋/日 問 2-4 上記の袋には、一袋あたり何キロ程度のごみが入りますか。 一袋あたり約 kg 問 2-5 貴社で排出する生ごみに含まれるものについて、該当する主なものに印をつけてください。 番号 品目 チェック欄 1 食べ残し 2 調理くずのうち特に野菜くず(大根の切れ端など) 3 調理くずのうち特に骨・貝殻類 4 その他調理くず 5 使用済み食品油 6 飲み残し 7 調理や清掃時の排水 8 紙類(紙袋・紙ナプキンなど) 9 金属類(空き缶、瓶キャップなど) 10 プラスチック類(ラップ・ビニール袋・ストローなど) 11 木材(割箸など) 特に発生量の多いもの上位三つの番号 問 2-6 現在のごみの一袋あたりの処理価格(収集運搬費含む)について、該当するものに○印をつけてください。 a. 0円以上 200円未満 b. 200円以上 300円未満 c. 300円以上 400円未満 d. 400円以上 500円未満 e. 500円以上 問 2-7 現在のごみの回収頻度について、下記の□に当てはまる数字を入れてください。 週に 回 3333.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えくだ.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えくだ.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えくだ.何かご意見がございましたら、ご自由にお答えください。さい。さい。さい。 -ご協力ありがとうございました--ご協力ありがとうございました--ご協力ありがとうございました--ご協力ありがとうございました-

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Ⅱ. 燃料化技術調査シート

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機種名 スーパーシリウス 対象バイオマス 工場加工残渣、厨芥類(粘性のあるもの)、木質、畜糞 方式 直接加熱式炭化方式 企業情報 会社名:アジアプラントサービス株式会社 住所: 〒220-0023 神奈川県横浜市西区平沼 1-13-14 パークノバ横浜壱番館 401号 電話: 045-317-4152 特徴 ○過熱蒸気を直接あてることにより、高い熱効率で乾燥・炭化させることができる。 ○乾燥機内を過熱蒸気で充填させることで、無酸素状態となるため火災や爆発の心配がない。

システムフロー

図 1 システムフロー

施設概要 ○商品ラインナップ オーダーメイドである。実績では 12t/日のものあり。 ○受入条件 投入口に投入可能な大きさであり、ある程度粘性のあるものが望ましい。 ○廃蒸気の利用条件 利用可能である。 ○排ガス処理 ダイオキシンは発生しない。 ○運転人数 定期的な見回りを必要とするが、通常時は無人運転が可能である。 ○施設への併設 可能である。

定量供給装置多段乾燥機排水回収タンク 過熱蒸気再生装置冷却塔燃料化装置

排ガス浄化装置脱臭装置 排ガス発生装置

原料

乾燥品燃料その他 A重油燃えかす

定量供給装置多段乾燥機排水回収タンク 過熱蒸気再生装置冷却塔燃料化装置

排ガス浄化装置脱臭装置 排ガス発生装置

原料原料

乾燥品乾燥品燃料その他燃料その他 A重油A重油燃えかす燃えかす

【直接蒸気乾燥・炭化】

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操作性 ○安全性 常圧・無酸素状態であるので、爆発等の心配がない。緊急時は緊急装置が作動し、運転を停止する。 ○メンテナンス 年間二回を想定している。 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 実績では、乾燥物を燃料として使うため、ほとんどかからない。 実績 ○卵殻鶏糞リサイクルシステム(茨城県) 2004年 8月 ○使用済紙おむつリサイクルシステム(三重県)2005年 10月 備考 ○サンプリング 現在、テスト機がないため実績機でテストすることになる。必要量は 3~4t、場所は三重県となるため、実際は難しい。 但し、1~2kg単位であれば試験機により対応可能である。 出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 ファイアスチーマ 対象バイオマス 工場加工残渣、厨芥類(粘性のあるもの)、木質、畜糞 方式 直接加熱式炭化方式 企業情報 会社名:株式会社エコノスジャパン 住所: 〒439-0009 静岡県小笠原郡菊川町吉沢 491-1 電話: 0537-35-0667 特徴 ○環境にやさしい ダイオキシン等の酸化物を発生さず、燃焼音が少なく静かである。 高効率なため、コンパクトで場所をとらない。 ○安全性が高い 対象物自体を燃焼させないため、爆発や火災の恐れはない。 圧力がかからないので、破裂等の危険性はない。 ○汎用性が高い 乾燥・殺菌・活性炭化に対応可能。 あらゆる有機物に対応可能。 システムフロー

図 1 システムフロー

投入口乾燥室 熱交換装置排気塔燃料化装置サイクロン

ガス化装置

原料

活性炭燃料炭化物熱分解室

タービン発電水電気

賦活室

排気 温水

売電

投入口乾燥室 熱交換装置排気塔燃料化装置サイクロン

ガス化装置

原料原料

活性炭活性炭燃料燃料炭化物炭化物熱分解室

タービン発電水水電気電気

賦活室

排気 温水

売電

【直接蒸気乾燥・炭化】

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施設概要 ○商品ラインナップ: オーダーメイドである。 ○受入条件 2cm以下の均一な大きさに破砕された状態であり、含水率が 60%程度のものが望ましい。流動性の高いものは、滞納時間が短くなってしまうため、向かない。 ○利用蒸気 ・温度: 600℃~700℃ ・気圧: 常圧 ・蒸気量:1200kg(40t/日処理) ○運転人数: プラント全体で 2名程度必要である。

操作性・安定性 ○安全性 自動運転のため、高い安全性を確立している。 ○メンテナンス 連続運転時 1~4回/年程度を想定している。 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 3円/kg~

実績 ・家畜糞尿 35t/日処理 青森 ・50t/日 福島県 備考 ○施設見学が可能である。

出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 過熱蒸気式炭化乾燥システム 対象バイオマス 工場加工残渣、厨芥類(粘性のあるもの)、木質、畜糞 方式 直接蒸気炭化 企業情報 会社名:株式会社テラボンド 住所: 〒107-0052 東京都港区赤坂 8丁目 6番地 27号 電話: 03-3401-8881㈹ 特徴 ○24時間連続運転処理が可能 FAコンピューターを駆使した高機能制御による全自動運転を行なう。簡単容易な操作で、高度な炭化処理操作をコンピューター自動制御。 緊急安全停止機構付、手動操作モード有り。 ○高い安全性を実現 過熱水蒸気を常圧で使用するため、高温でも機器破損の恐れがなく安心して使用できる。また、炭化炉内は無酸素のため、爆発の危険性がない。 ○高い熱効率で経済的 過熱蒸気発生器の排気ガスは、乾燥炭化炉の外筒に引入れて加熱に使用し、熱効率 80%以上を達成する。 高熱部は高断熱材で保温し熱損失を防ぎ、エネルギーロスを少なくしている。熱効率が高いため、炭化時間を短くでき、運転までの立上時間を短くできる。

システムフロー

図 1 システムフロー

【直接蒸気乾燥・炭化】

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施設概要 ○商品ラインナップ 全てオーダーメイドである。 ○受入条件 10cm以下程度の大きさで均一であること。ある程度の粘性があるものが望ましい。また、塩分や硫黄分については、特に問題はない。金属類については、予め除去されているものが望ましい。 ○過熱蒸気発生器(スーパースチーム) 廃蒸気発生施設に併設可能。また、過熱蒸気発生器で出た廃熱を二重構造のキルン炉の間に充填させることにより、乾燥・炭化工程の熱効率を高めている。 ○その他 ・過熱水蒸気を直接当てることにより高い効率を実現している。 操作性・安定性 ○安全性 ・コンピューターによる全自動運転 ・緊急安全停止装置あり。

経済性 ○イニシャルコスト: ・処理 t数あたりの換算 標準 1000~2000万円/t ○ランニングコスト: 規模による。 実績 乾燥処理に利用している実績はないが、ホテルにて炭化処理の実績はある。

備考 小型炭化装置『Boxit』の取り扱いもある。 出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 過熱蒸気式炭化乾燥システム 対象バイオマス 工場加工残渣、木屑、畜糞など 方式 直接蒸気炭化 企業情報 会社名:大川トランスティル株式会社 住所: 〒950-3101 新潟県新潟市太郎代字山の下 1523-3 電話: 025-225-2171 特徴 ○優れた経済性: 熱効率が格段に高いため、ランニングコストが安い。 短時間処理により省スペースでスケールメリットが大きい。 ○高い安全性: 雰囲気を過熱水蒸気で置換するので、空気の入り込みによる爆発や火災の心配がない。

システムフロー

図 1 システムフロー

施設概要 ○商品ラインナップ: 全てオーダーメイドである。 ○受入条件 ・大きさ:1~2cm程度 ・含水率:50%程度のものが望ましい。それ以上の場合は、予め一次乾燥を必要とする。 ・塩分:装置の腐食が進行するため、低い方が望ましい。 ○廃蒸気の利用条件 ・温度:300~400℃の蒸気を利用 ・ 気圧:常圧

【直接蒸気乾燥・炭化】

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操作性・安定性 ○安全性 自動管理のため、極めて危険は少ない。 ○メンテナンス 年に 1~2 回必要。2 日間のシステム停止が必要。また、バグフィルターは 2~3 年に一度交換の必要あり。 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 規模による。 実績 ・納入実績 国内実績は 3台 備考 ○施設見学 見学可能。 ○その他 現在、既存技術により離水乾燥をし、含水率を 50%程度まで下げた後、本機に投入し、乾燥・炭化するシステムを牛糞で検討している。

出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 HAS (HYDRO-OXYGEN-ACTIVATION-SYSTEM) 対象バイオマス 工場加工残渣、木屑、畜糞など 方式 直接蒸気乾燥 企業情報 会社名:虹技株式会社 住所: 〒653-0013 兵庫県神戸市長田区一番町 5丁目 8 電話: 078-576-0584 (環境プラント部) 特徴 ○過熱水蒸気発生装置 発熱体(エレメント)に高周波磁束をかけることにより、発熱体内部で課電流によりジュール熱により発熱体が加熱される。ここに飽和水蒸気を通過させることにより、最高 800℃の過熱水蒸気を発生させることができる。この方法により、簡単な操作性、設定温度の容易性、優れた安全性、短時間昇温を実現した装置である。 ○ロータリーキルン式炉 間接加熱方式により外側から熱風で加熱を行い、内筒部は過熱水蒸気を吹き込むことにより筒内を還元性雰囲気にして処理する。 システムフロー

図 1 システムフロー

【直接蒸気乾燥・炭化】

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施設概要 ○システムは全てオーダーメイド (乾燥機目安)処理能力 2t/h:L=15~20m、Φ=2m 処理能力 3t/h:L=20m以上、Φ=2m以上 ○受入条件 大きさは 2~3cm程度の均一なものが望ましい。含水率の高いものは、事前に乾燥処理を行なう必要があるが、本体のスケールアップで対応することも可能である。 ○廃蒸気の利用条件

500℃以下で 2気圧以下のものが望ましい。 ○排ガス処理 間接燃焼なので、ダイオキシンの発生はほとんど心配ないが、上記のような二次燃焼装置、急冷装置、集塵装置などコンパクトなものの設置を薦める。 ○必要人数 ・運転管理は 1人で十分。その他原料投入前、乾燥物処理で各 2~3人程度 操作性・安定性 ○安全性 ・通常運転時:システムのコンピューター管理 ・緊急時:N2充填装置の作動による爆発防止 ○メンテナンス ・乾燥炉:年間 3~4回、1回 6日間程度(グリスアップやパッキン交換、炉内筒掃除など) ・過熱水蒸気発生装置:内部発熱体を 2~3年に 1度交換 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト ・5000~10000円/t(目安):廃蒸気・廃熱を利用することにより半額くらいになる。

実績 ・千葉県銚子市ヤマサ醤油工場(乾燥):日量 60t (2.5t/h×24h 連続運転) 見学手配可能 ・自治体(炭化):500kg/h 備考 ○サンプルテスト

50~100kg/hのミニプラントでテスト可能。但し、破砕済みであること。 ○その他 食品廃棄物については、含有物を明記すること。 ○過熱蒸気発生装置が電気によるものなので、排ガスの発生はプラント全体で見ても少ない。 出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 食材乾燥機 転生 対象バイオマス 工場加工残渣 方式 熱風による気流乾燥方式 企業情報 会社名:株式会社マルミ 住所: 〒772-0021 徳島県鳴門市里浦町里浦字花面 230の 1 電話: 088-685-2230 特徴 ○ コンパクト 設置スペースを選ばないコンパクトな設計。 ○ 高い熱効率 セラミックボールを使用することで、熱伝導面積を増やし高い熱効率を実現。 ○ スピード乾燥 流動乾燥と気流乾燥の組み合わせにより約 5秒でのスピード乾燥を実現。(含水率 6~9%) ○ 焦げなし 焦げ、変色のない高品質な再生食品素材を実現。

システムフロー

200℃~450℃の熱風

排気80℃原料投入ホッパー原材料を定量で投入ロータリーフィーダー原材料を投入

サイクロン 分級チャンバー水分が蒸発し、軽くなった乾燥物が上昇します。空気と乾燥物を分離します。乾燥ドラム粉砕・蒸発させながら熱風にで乾燥物を吹き上げます。セラミックボールドラム内部の付着剥離・衝突粉砕で熱伝導面積を増やします。

コンパクトコンパクトコンパクトコンパクト設置スペースを選ばないコンパクトな設計(W2200×L3000×H4500(0.3t/h型))

83~85℃スピード乾燥スピード乾燥スピード乾燥スピード乾燥約5秒でのスピード乾燥

高い熱効率高い熱効率高い熱効率高い熱効率 低ランニングコスト製品出口

【直接熱風乾燥】

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施設概要 ○商品ラインナップ

表 1 商品ラインナップ 型式 処理能力(kg/hr) 販売単価(万円) MT-50G型 50 580

MT-100G型 100 1050

MT-150G型 150 1400

MT-200G型 200 1800

MT-300G型 300 2500

MT-500G型 500 3800

○受入条件 ・大きさ:粉体状の単一物が望ましい。 ・含水率:含水率の上限は、80%程度である。 ○熱風 ・200~450℃の熱風を利用 操作性・安定性 ・シンプルな構造かつ熱効率の高さにより、ランニングコストを安く抑えている。

経済性 ○イニシャルコスト 表 1参照。但し、付帯設備の有無、ステンレス価格の変動により変化する。 ○ランニングコスト 2.5円/kg~ 実績 ・豆腐工場など 備考 ・乾燥させたおからの買い取りサービスを行っている。

出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 サイクロンドライヤー 対象バイオマス 食品廃棄物、厨芥類、畜糞、汚泥 方式 間接蒸気乾燥 企業情報 会社名:株式会社オカドラ 住所: 〒235-0033 神奈川県横浜市磯子区杉田 4-4-2 電話: 045-774-0015 特徴 ○早い乾燥時間 全て 1時間で乾燥終了 ○超コンパクトで抜群の処理能力 異物の選別・仕分け不要 ○低ランニングコスト ランニングコストは1kg当たり3~4円 システムフロー

図 1 システムフロー

【間接蒸気乾燥】

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施設概要 ○受入条件 ・大きさは破砕され、均一なものが望ましい。含水率については、規定はない。 ○廃蒸気の利用条件 温度、気圧共に制限はない ○乾燥機型式 : オカドラ・サイクロンドライヤー SD-2250Ⅲ 操作性・安定性 ○安全性 ・通常時:内部で回転する方式のため、回転式キルンなどに比較して極めて高い。 ○メンテナンス ・年に 1回必要。二年間に一度のベアリング交換、八年間に一度の内部の羽の交換を行なう。 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 5円/kg~ 実績 ・納入実績多数あり スーパーマーケット(売れ残りの乾燥) 食品工場(有機性汚泥の乾燥) 備考 ○施設について ・通常、規模の大きいプラントでは 2~3台の乾燥機を利用する。これによって、万が一の際も稼働率 66%以上を保つ。 ・乾燥後の冷却装置について。乾燥物は 60~70℃で排出されるため、放置しておくと結露などにより湿る。また、山積みで置くと臭いの問題や、内部に熱が籠もるなどの問題が発生するため設置は必須ではないが、必要性はきわめて高い。 出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 間接加熱型乾燥機 対象バイオマス 食品廃棄物、厨芥類、畜糞、汚泥 方式 間接蒸気乾燥 企業情報 会社名:株式会社共立 住所: 〒229-1131 神奈川県相模原市西橋本 5-4-21 電話: 042-770-9407 特徴 ○高性能 従来、乾燥が難しいといわれていたものまでリサイクル可能(例:もやし、うどん、米飯、ポテト、油分の多い食品残渣)。 ○低コスト 間接加熱方式かつ回転棒による攪拌により、内容物の変質防止、乾燥時間の短縮、 省エネルギーを実現。2~3年で償却可能。 ○安全 負圧密閉方式で、粉塵やにおいが漏れるのを防ぐ。 蒸気による間接加熱方式のため、火災の心配がない。 ○コンパクト 乾燥機本体の中で、粉砕と乾燥を同時に行なうため、シンプルかつコンパクトな設備となる。 システムフロー

図 1 システムフロー

【間接蒸気乾燥】

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施設概要 ○商品ラインナップ: オーダーメイドである。 ○受入条件 付帯設備の破袋分別機を利用すれば、大きなものや異物の混入したものも処理が可能である。含水率は 90%程度まで対応可能である。 ○利用蒸気 約 120℃の蒸気を利用する。

操作性・安定性 ○安全性 蒸気による間接加熱方式のため、火災の心配がない。 ○メンテナンス 装置自体は頑丈に造られているが、攪拌棒を年に一回程度補修した方がよい。 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 約 4円/kg~ 実績 ・株式会社フジコー(事業系一般廃棄物の堆肥化施設) ・東京プリンスホテル 備考 ○施設見学 見学可能。

出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 インナーチューブドライヤー 対象バイオマス 食品廃棄物(工場可能残渣)、汚泥など 方式 間接蒸気乾燥 企業情報 会社名:株式会社大川原製作所 住所: 〒421-0304 静岡県榛原郡吉田町神戸 1235 電話: 0548-32-3211 特徴 ○省エネルギー 排ガス量が少なく排気熱損失が少ない。 ○省スペース 加熱管束を採用することにより、伝熱面積を大きく取れるため、設置スペースを小さくすることが可能。

システムフロー

図 1 システムフロー

【間接蒸気乾燥】

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施設概要 ○受入条件

1cm程度の均一なもので、含水率は 80%以下が望ましい。また、塩分については、腐食の問題があるため、低いことが望まれる。 ○廃蒸気の利用条件 150℃~160℃の蒸気を利用する。 ○排ガス処理:間接加熱のため、ダイオキシンの心配はない。 ○運転人数:通常は無人運転で問題ない。立上げ・立ち下げおよび定期確認のみ必要である。 ○商品ラインナップ:21t/日のものが最大であるが、スケールアップも対応可能である。 操作性・安定性 ○安全性 非常停止装置および全システム停止装置 ○メンテナンス ・年間 1回は必要。また、3~4年に一度はベアリングなどの消耗品を交換する。 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 規模等による。

実績 ・下水処理場:15t/日など 備考 特になし。 出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 インクラインドディスク型ドライヤー 対象バイオマス 工場加工残渣、汚泥等 方式 間接蒸気乾燥 企業情報 会社名:月島機械株式会社 住所: 〒104-0051 東京都中央区佃 2丁目 17番 15号 電話: 03-5560-6531~4(直通) 特徴 ○省エネルギー インクランドディスクを使用しているため攪拌効果が高く、電力使用量を抑えることができる。また、間接加熱型のため、吹き込まれるキャリアガス量が少なく、排気ガス量が少なくなり脱臭処理も容易に行え、熱効率も高い。 ○コンパクトで高い乾燥性能 ディスクシャフト自体も伝熱面として構成されているため、単位体積当りの伝熱面積が同種の他の乾燥機に比較して大きく、最少の据付面積となる。また、フィードされた原料は、傾斜したディスクの伝熱面により、揺動攪拌されるため、伝熱面でのセルフクリーニングが行われ、高い伝熱係数が得られる(蒸発速度:8~20kg/m2hr)。 ○均一な乾燥 乾燥機内の移動はピス tフローに近く、ショートパスがない。また、揺動攪拌されるため、均一な乾燥製品が得られる。 システムフロー

図 1 システムフロー

キャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガス

排気排気排気排気排気排気排気排気

排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン

循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ製品製品製品製品製品製品製品製品

製品製品製品製品製品製品製品製品

蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気

ドレーンドレーンドレーンドレーンドレーンドレーンドレーンドレーン

乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機

原料原料原料原料原料原料原料原料 排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス

蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気

排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー

キャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガスキャリアガス

排気排気排気排気排気排気排気排気

排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン排ガスファン

循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ循環ポンプ製品製品製品製品製品製品製品製品

製品製品製品製品製品製品製品製品

蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気

ドレーンドレーンドレーンドレーンドレーンドレーンドレーンドレーン

乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機乾燥機

原料原料原料原料原料原料原料原料 排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス排ガス

蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気蒸気

排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー排ガスクラバー

【間接蒸気乾燥】

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施設概要 ○商品ラインナップ

表 1 ラインナップ 型式 軸数 巾

(mm)

(mm)

長 (mm)

有効容量

(m3)

モーター

(kw)

回転数

(rpm)

ID 1000 QS 4 3,440 2,800 7,570 7.04 30×2 8

ID 1000 QSL 4 3,440 2,800 9,170 9.31 37×2 8

ID 1250 QSL 4 4,235 3,200 8,880 21.60 55×2 6

○物質フロー 乾燥機の一方から機内に投入された原料は、激しい攪拌・揺動作用を受け、伝熱面により加熱・乾燥され、可動堰を越え、目標水分にて他方より排出される。 熱媒は主に低圧~中圧 0.5~0.8MPa(kgf/cm2)のスチームが使われる。スチームはジャケットおよびシャフト内部へ流れる。 原料からの蒸発水分はキャリアガスに同伴され排出される。約 100℃の臭気を含んだ排ガスはスクラバーにて除塵・冷却される。冷却・除塵された排ガスの約 60~70%はキャリアガスとして循環利用し、系外での周期処理の軽減化を計っている。また、排気ファンにより機内を負圧に保つことで乾燥機周りの臭気対策を行っている。 ○受入条件 50~60mmの均一な大きさであり、含水率 80%程度であることが望ましい。 ○利用蒸気

180℃程度の蒸気を利用する。圧力は 6~7kg/m2を使用する。 操作性・安定性 ○労働安全性 ・内部回転のため、物理的安全性が高い。 ○メンテナンス日数:年間で補修点検に要する日数(稼動日数から判断) ・年間 1回のメンテナンスを必要とする。 経済性 ○イニシャルコスト: オーダーメイドである。 ○ランニングコスト: 4円/kg~(性状による)

実績 ・汚泥乾燥、麹、樹脂など 備考

出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 多筒式ロータリーキルン 対象バイオマス 工場加工残渣・木くず・鶏糞 方式 間接熱風炭化方式 企業情報 会社名:中外炉工業株式会社 住所: 〒541-0046 大阪市中央区平野町 3丁目 6番 1号 電話: 06-6221-1346(バイオマス発電プロジェクト直通) 特徴 ○効率炭化処理 処理物を複数のレトルトへ分割投入し、積層厚みが薄くなるため、均一に早く乾燥でき、効率よく炭化処理を行なうことができる。また、多少大きいものでも対応可能である。 ○エネルギーの有効利用 炭化に伴って発生した熱分解ガスを熱源として有効利用することにより、炭化に必要なエネルギーの約 85%を補うことができる。 システムフロー

図 1 リサイクルフロー

施設概要 ○装置ラインナップ 装置は全て処理量に合わせたオーダーメイドである。 ○原料受入条件 最大 16cm 程度まで、受け入れ可能である。含水率は、30%程度が理想だが、事前乾燥を行なうことで、70%のものまで対応可能である。硫黄分、塩素分の含まれるものは避けたい。

【間接熱風乾燥】

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操作性・安定性 ○操作性 ・実績処理量 239kg/時間(18.8%水分ベース) ・実績稼動時間

24 時間/日、500 時間連続運転(平成 17 年 2 月) ・熱の利用 ガス改質塔を出た高温の生成ガスは熱交換器により燃焼空気の予熱として利用し、また熱風炉の排ガスとエンジン排ガスは廃熱ボイラによって蒸気を回収、ガスエンジンからは 85℃の温水を回収している。 ・タール、ばいじん排出の抑制 生成ガス中のエンジン前におけるタール量は 5~6mg/m3N、ばいじん量も 2mg/m3N 以下と少なく、ガスエンジンメーカーが推奨する許容値(各 10mg/Nm3 以下)を下回った。 ○安全性 ・通常時:無人運転であり、特別な資格も要らない。 ・緊急時:管理者の携帯電話にメール送信など。 ・補修体制:東京と大阪から対応可能。 ○メンテナンス ・1回/年にベアリング、シールの交換など 費用は 100~200万(処理能力:5t) 経済性 ○イニシャルコスト オーダーメイドである。 ○ランニングコスト 規模による。

実績 ○乾燥機としての利用 多筒式ロータリーキルンは、炭化やガス化をメインとしたものであるため、乾燥となると正直お勧めはできない。但し、排ガスや排蒸気を利用することによりランニングコストを下げるのであれば検討の価値は十分にある。 備考 ・大小あわせ既に 20基 ・鶏糞を 35t/日の処理能力のもの実績あり。

出典 ・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、バイオマスエネルギー導入ガイドブック(第 2版 a)、2005年 9月 ・会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 GCEシステム 対象バイオマス 食品廃棄物、汚泥、畜糞など 方式 水熱処理 企業情報 会社名:エコマテリアル株式会社 住所: 〒060-0061 北海道札幌市中央区南 1条西 7丁目 1番 3 YTYビル 5F 電話: 011-222-8555 特徴 ○高温・高圧の釜内で生成物は無臭・無菌となり、医療系の感染性廃棄物も安全に処理することが可能。 ○30気圧に耐用する処理釜をはじめ、運転のためのシステムは、徹底した安全設計。 ○運転行程は、廃棄物を投入、加圧・加水、乾燥、排出の 4 行程というシンプルな構造で、稼働のために必要な人員は、ボイラー技師を含めた最低 2人から。

システムフロー

図 1 システムフロー

【水熱処理】

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施設概要 ○商品ラインナップ 本体は 5m3、10m3、20m3の三種類 5m3で生ごみ処理目安 2~3t ○設置面積 5m3で約 90m2(設備一式) ○その他 230 度・30 気圧の飽和蒸気圧を利用する。バッチ式処理方式である。1 バッチあたり約 4 時間で処理を行なう。燃焼工程がないため、ダイオキシンなどの有害物質で空気を汚さず、環境に影響を与えない。肉・魚・野菜の残渣、その他の生ゴミや梱包資材、ダンボール、ペットボトル、発泡スチロールなどを一括で混合処理することが可能である。

操作性・安定性 ○操作性 運転行程は、廃棄物を投入、加圧・加水、乾燥、排出の 4 工程というシンプルな構造で、稼働のために必要な人員は、ボイラー技師を含めた最低 2人から。 ○安全性 処理釜をはじめ、装置全てに対して徹底した安全設計を行っている。 経済性 ○イニシャル オーダーメイドである。 ○ランニング 規模による。

実績 ・事業系一般廃棄物処理 ・医療系特別管理廃棄物処理 備考 ・北海道新聞 平成 17年 10月 14日

出典 会社 HP、会社パンフレット、ヒアリング

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機種名 高圧水蒸気乾燥装置 対象バイオマス 食品廃棄物、汚泥、畜糞など 方式 水熱処理 企業情報 会社名:月島機械株式会社 住所: 〒104-0051 東京都中央区佃 2丁目 17番 15号 電話: 03-5560-6555 特徴 ○200℃、20 気圧で処理することにより、処理物の殺菌および離水率の向上を実現し、低い乾燥エネルギーで乾燥することが可能である。 ○プラスチック類も同時処理が可能なため、異物を取り除く必要がない。 システムフロー

図 1 システムフロー

施設概要 ○商品ラインナップ オーダーメイドである。 ○大きさは 100mm以下で、含水率 75%以下、金属類は除去済みのものが望ましい。 ○その他 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託を受け、平成 16 年度から平成 18年度まで下水汚泥処理の実証実験を行っている。

【水熱処理】

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操作性・安定性 現在は、NEDO の委託研究による実機のみであるため、操作性・安定性に関するマニュアル的なものはない。 経済性 現在のところ、販売は行っていない。 実績

NEDO委託研究「中圧水蒸気による下水汚泥の高効率燃料転換技術の研究開発」 備考

出典 ヒアリングおよび NEDO関連資料

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Ⅲ. バイオマス燃料化の LCA評価について

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バイオマス燃料化に伴うエネルギー消費量および CO2 発生量に関して、収集運搬、燃料製造、使用の各段階について評価を行った。評価にあたっては、堆肥化およびメタン発酵との比較を実施した。

(1) 前提条件 算定にあたっての前提条件を以下に示す。運搬についてはバイオマス燃料化、堆肥化、メタン発酵ともに同じ条件とした。

① 運搬に関する前提条件 走行距離 50 km/L 効率 5 km/L 運搬量 4 t ガソリン発熱量 34.6 MJ/L

CO2原単位(ガソリン) 0.0671 kgCO2/MJ

② バイオマス燃料化 必要動力 80 kWh/t 重油消費量 71 L/t エネルギー原単位(発電端投入熱量) 9 MJ/kWh エネルギー原単位(重油発熱量) 39 MJ/L

CO2原単位(電気) 0.348 kgCO2/kWh

CO2原単位(重油) 0.069 kgCO2/MJ

③ 堆肥化 必要動力 187.5 kWh/t エネルギー原単位(発電端投入熱量) 9 MJ/kWh

CO2原単位(電気) 0.348 kgCO2/kWh

④ メタン発酵 必要動力 122 kWh/t エネルギー原単位(発電端投入熱量) 9 MJ/kWh

CO2原単位(電気) 0.348 kgCO2/kWh

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(2)算定結果 上述の前提条件に基づき算出した結果を以下に示す。使用段階においてバイオマス燃料の場合は石炭代替燃料として、バイオガスについては都市ガス代替としてエネルギー使用量および CO2排出量を控除する効果があるとした。

表 LCA算定結果(廃棄物 1tあたり) エネルギー CO2(kgCO2/トン) エネルギー CO2(kgCO2/ト エネルギー CO2(kgCO2/トン) エネルギー(MJ/トン) CO2(kgCO2/トン)堆肥化 86.5 6 1,688 65 - - 1,774 71メタン発酵 86.5 6 1,102 43 -2,093 -107 -904 -59燃料化 86.5 6 3,513 221 -6,279 -564 -2,680 -337燃料化(余熱利用) 86.5 6 720 28 -6,279 -564 -5,473 -530収集・運搬 製造 使用 合計

-8,000-6,000-4,000-2,00002,0004,000収集・運搬 製造 使用 合計MJ/トン

堆肥化 メタン発酵 燃料化 燃料化(余熱利用) 図 廃棄物 1tあたりのエネルギー使用量(MJ/t)

-700-600-500-400-300-200-1000100200300 収集・運搬 製造 使用 合計kgCO2/トン

堆肥化 メタン発酵 燃料化 燃料化(余熱利用) 図 廃棄物 1tあたりの CO2排出量(kgCO2/t)

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3Rシステム化可能性調査事業 再生利用困難な食品廃棄物のバイオマス燃料化 調査報告書 平成 19年 3月

経済産業省 関東経済産業局

資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

調査協力 住友大阪セメント株式会社 環境部新規事業グループ

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TEL:03-5211-4912 FAX:03-3221-4708

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