421号 - jastpro · 2013. 10. 25. · jastpro ̶ 4 ̶ 『① 法環境(legal...

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=JASTPRO広報誌電子版のご案内= 裏表紙にJASTPRO広報誌電子版のご案内を掲載しておりますので、ご参照下さい。 421 2013- 2013- 10 10 今月号の内容 記事1. アジア-太平洋貿易円滑化フォーラム2013 出席報告…………………………… 1 記事2. 平成25年度JASTPROセミナーより 「各国FTAにおける原産地手続(証明手続と検証手続)の最近の動向」(後編) ……… 14

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Page 1: 421号 - JASTPRO · 2013. 10. 25. · JASTPRO ̶ 4 ̶ 『① 法環境(Legal Framework)は各国におけるサプライチェーンの効率改善を推進するための 本質(Essence)である。

=JASTPRO広報誌電子版のご案内=

裏表紙にJASTPRO広報誌電子版のご案内を掲載しておりますので、ご参照下さい。

4212013-2013-1010

今月号の内容

 記事1. アジア-太平洋貿易円滑化フォーラム2013 出席報告 …………………………… 1

 記事2. 平成25年度JASTPROセミナーより

     「各国FTAにおける原産地手続(証明手続と検証手続)の最近の動向」(後編) ……… 14

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記事1. アジア-太平洋貿易円滑化フォーラム2013   (APTFF:Asia-Pacifi c Trade Facilitation Forum 2013) 出席報告

2013年9月10日(火)、11日(水)の二日間、中国(北京)にて開催されました題記フォーラムに出席しましたので以下報告します。なお、JASTPROとしての本フォーラムへの参加は、今回第5回開催が初めてですが、①本フォーラムは、アジア太平洋地域各国の貿易関係手続簡素化を進めるための情報交換と貿易関係手続簡素化のための戦略を検討するものであり、アジア太平洋地域における貿易関係手続の電子化の推進状況を把握する上で重要な会議であること、また、②本年6月以降、JASTPROは国連CEFACTアジア太平洋地域のラポータに任命されたことを受け、当該地域における貿易関係手続きの円滑化の動きについて把握し、これを我が国の関係団体等に報告し、共有することが重要であること、等から、JASTPROとして専門家を派遣することとしたものです。参考まで、本フォーラムの終了後、国連ESCAP(以下UNESCAP)主催のUNNExT(United Nations Network of Experts for Paperless Trade in Asia and Pacifi c)が開催されましたので末尾に概要を掲載します。

1. フォーラムのメインテーマ:『より効果的な、全体的・包括的なサプライチェーンの推進に向けて官/民各界の展望』  

1.1 開催経緯

APTFFはUNESCAP並びにアジア開発銀行(ADB)共催にて2009年より毎年1回開催され、今回は第5回目にあたります。

一般財団法人 日本貿易関係手続簡易化協会(JASTPRO)    

(オープニング直前の会場風景)

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アジア・太平洋地域の貿易円滑化を目的として、1)情報、経験、実務知識の共有2)地域メンバー間で連携して優先的に取り組む課題の共有3)クロスボーダーの諸業務の効率を上げる新規のツールやサービスの情報収集

という趣旨にて、地域メンバー間で相互協力(含む技術面、教育訓練)を強化することを意図しています。また、今回の開催国である中国より中国国際遠視商務公司(CIECC)、義烏(Yiwu)市等が協賛しています。

1.2 会議日程:  9月10日(火)終日及び9月11日(水)終日

1.3 会  場:  北京錦江富大飯店(Jin Jiang Fu Yuan Hotel)

1.4 当方参加者: 2名   菅又久直 サプライチェーン情報基盤研究会事務局長   石垣 充 JASTPRO 業務部業務一部長

1.5 APTFF参加者:(主催者発表の出席者リストによる。)    出身国 37ヶ国  参加者総数 170名

出席者には貿易・税関関係の政府機関の方が多く、更に民間の貿易・ロジスティックス関係の諸団体、コンサルタント、 研究者等の方々が含まれています。

(UNESCAP地域内 参加国アルファベット順)Afghanistan, Azerbaijan, Bangladesh, Bhutan, Cambodia, China,India, Indonesia, Iran, Fiji, Japan, Kyrgyzstan, Lao PDR, Malaysia,Maldives, Mongolia, Myanmar, Nepal, Pakistan, Philippines,Korea, Samoa, Singapore, Sri Lanka, Tajikistan, Thailand, Turkey,Uzbekistan, Viet Nam

(地域外参加国)Canada, Germany, Greece, Senegal, Spain, Nederland, UK, USA  

(その他参加の国際組織)国連CEFACT(ビューロ副議長Harm Jan Van Burg氏、同Tahseen A. Khan氏)国連欧州経済委員会(ECE)国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)世界税関機構(WCO)オセアニア税関機構(OCO)南アジア地域協力連合(SAARC)GS1国際フォワーダーズ協会(FIATA) 

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2. 議事内容2.1 全体の概要

全体の概要は以下のとおりです。(1)主催者挨拶の後、メインテーマである『更なる効果的、包括的なサプライチェーン推進に向けて』に

ついて、4名のパネラーによるハイレベル・パネルディスカッションが行われました。(2)その後4つのトピックについてそれぞれのパネルディスカッションがありました。  a 包括的な貿易・ロジスティクスの推進についての効率性の改善  b 貿易金融を通じた中小企業(SMEs)の国際サプライチェーン参画の促進  c ペーパーレス貿易手続きによるサプライチェーン内で情報連携の実現  d サプライチェーン効果向上のためのNational Single Windowの活用

  ☆ 主催者より、上記bの貿易金融に関するトピックは過去のAPTFFでは取り上げられたことのない、新たな話題であるとの補足がありました。

(3)各セッション毎に総括(まとめ)がありました。(4)会期中、サプライチェーンに深く関連した活動をしている企業等による展示会(Exhibition)並びに、

会期中でのShort Presentationがありました。

主催者による会議の趣旨、構成についての説明は以下をご参照ください。  http://www.unescap.org/tid/projects/tff orum13.asp更に上記のWeb画面の左のdirectoryには4つのトピックに関する事前資料(Back document)が掲示されています。

会期中のプレゼンテーション資料(英文)は以下に掲載されています。  http://www.unescap.org/tid/projects/tff orum13-presentations.asp

以下各セッションの概要を報告します。 

2.2 ハイレベルパネルディスカッション:『より効果的、包括的なサプライチェーン推進に向けて』

『アジア/太平洋地域において経験した急激な経済発展においては、地域もしくはグローバルサプライチェーンに於いて、関係する企業体同士の連携が鍵となっている。すべての経済体、特に発展途上国(LDC)及び隣国に囲まれ内陸に位置する発展途上国

(Landlocked DC)を含んだ各国のサプライチェーンにおける時間とコストの削減は競争項目となっている。ロジスティクスの全工程を包含する持続的なサプライチェーンの確立は重要である。今回出席の官民それぞれのリーダークラスの方々にて、より効果的・包括的なサプライチェーンについての見解と経験を共有する。』 

(司 会) Sajjad Ahmad氏(パキスタン商務省)(発言者) H.E.E.Putra Irawady氏(インドネシア経済省) S. Demberel氏(モンゴル国立商工会議所) Patrick Low氏(香港Fung Global社、前WTOエコノミスト) Stanley Lim氏(FIATA) 

趣 旨:

出席者:

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『① 法環境(Legal Framework)は各国におけるサプライチェーンの効率改善を推進するための本質(Essence)である。②各国間における貿易円滑化の構築のために国際レベルの法令モデルが作られる必要がある。③ 各国際組織(Organizations)はサプライチェーンを運営するために各国を支援し続ける必要がある。④SMEsが貿易金融を活用できるよう支援をすべきである。⑤ 貿易円滑化とサプライチェーンの運用についてITを基本としたソリューションを推進し、支援すべきである。⑥人的資源の能力を向上させる支援メカニズムを改善し、組織化する必要がある。⑦ビジネスプロセスを分析しシンプルにする必要がある。⑧経済全般はイノベーションを意識して変革する必要がある。⑨ 国家的にシングルウィンドウを進めることはバリューチェーンマネージメントを向上させるために重要である。⑩ サプライチェーンのサイクルにサービスを提供する団体の役割を、より強化し、また彼らの能力を改善する必要がある。』

2.3 セッション1:貿易・ロジスティクスの包括的な構築についての効率向上

『大手の製造者やリテラーはグローバルサプライチェーンを構築している。その際には、どのサプライヤーを利用するか、どこに投資するかを判断している。信頼できるロジスティクスのサービス提供者の有無は、どの国のサプライヤーと取引きするかの重要な要素である。このセッションでは政策決定者、ロジスティクスのサービス提供者、その他専門家によりロジスティクスについての経験や効率に関する課題認識を共有する。』

(司 会) Mingke He氏(北京工科ビジネス大学)(発言者) Ben Shepherd氏(コンサルタント) Yu Fei氏(ADB東アジア部門 エコノミスト) W.Piotrowicz氏(オクスフォード大学) Stephen Fung氏(ドイツポストDHLコンサルタント) J.F. Arvis氏(世界銀行 エコノミスト)  

(1) Ben Shepherd氏より『セッション1のための背景資料「貿易・ロジスティクスの包括的な構築についての効率向上」』と題するレポートをもとに発表がありました。『・貿易に伴うロジスティクスは貿易の車輪のグリース。・効率を図る最適な指標はないものの世界銀行データによるLogisctic Performance Index(LPI)は最初の参考にはなる。2012年のLPIデータをもとにADB地域を対象にして算出したのが下記表である。比較した全ての比較項目(左縦行)に於いて、東アジア地域に対して他の地域は低い値であることが解る。』

 

趣 旨:

内 容:

内 容:

出席者:

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(2) Yu Fei氏より『中国に於ける農産物のロジスティクス並びに包括的な開発の影響』と題して発表がありました。

(3) W.Piotrowicz氏より『国際サプライチェーンに於けるバリヤーの認識:Four Continentsから習得したこと』と題して発表がありました。

(4) Stephen Fung氏より『包括的な開発のための国際貿易ロジスティクスの向上:ロジスティクス業界の内側からみた展望』と題して発表がありました。

『① 国際貿易におけるロジスティクスは各国個別のロジスティクスのパフォーマンスに分けて捉えるのではなく、全体を通した効果として考えるべきである。・農業関連プロダクトがよい例であるが生産者は消費者に安い価格で提供できるようになる。・政府が国内のロジスティクス運用者について期待することは、大手国際企業が緊密な連携を必要とする際に、国内の運用者との戦略的なパートナーシップを構築することである。差別のない、公平なパートナーシップは関連する市場同士の業務円滑化につながる。

②ロジスティクスに関係した分野について国境を跨がった協力の強化が重要である。・自由な貿易や外資直接投資(FDI)政策を通じてマーケット同士の国際的な連携が重要である。・各国間は物理的なインフラと(法規制や業務手順など)ソフト面でのインフラについて連携して対応する必要がある。

③政策決定者は供給側と需要(利用者)側の両方の考え方に配慮する必要がある。・ユーザの意味には消費者のみでなく、生産者や輸出者も含まれる。・高次の競争とは、ビジネスを行う上でのコスト削減が生産者のコスト削減として捉えるのではなく、消費者に還元されることである。経済発展は輸出志向ではなく、消費者側ニーズの伸張にシフトしている。・従来方式に対する見直しを行う際には、関係のステークホルダーの意見を聞くことや、各業界自身が改善を理解していることを前提とした透明性を確保する必要がある。』

まとめ:

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2.4 セッション2:貿易金融を通じた中小企業(SMEs)の国際サプライチェーン参画の促進

『貿易金融は貿易実務の生命線である。90%以上の貿易実務は何らかの信用、保険、保証に関係している。しかし、SMEsは貿易金融を利用することに限界があり、結果、貿易、国際サプライチェーンへの参画を困難にしている。本セッションにて、精選された専門家及び実務従事者の参加を得て、銀行並びに更に革新的な方法を利用してアジア・太平洋地域の発展途上国におけるSMEsのための貿易金融を如何にして提供できるかの議論を行う。』

(司 会) Yann Duval氏(UNESCAP 貿易・投資部)(発言者) A.R.Malaket氏(OPUS Advisory Service International社) Steven Beck氏(ADB 貿易金融部) G.Yuen氏(香港中国産業商業銀行) S.Narain氏(インド SMEのための成長・開発・金融センターCESMED) G.Pasadilla氏(APEC 政策支援部) 

(1) A.R.Malaket氏より『セッション2のための背景資料「サプライチェーン金融を活用した貿易の拡大」』と題したレポートをもとに発表がありました。『・アジア太平洋地域の90%の貿易に貿易金融が関係している。・貿易金融は貿易に極めて重要な要素であり、SMEsを貿易活動に参加させるのに有効である。・SMEsや開発途上国にとって好条件の貿易金融の利用は困難である。 ・SMEsや開発途上国が利用しうるBank Payment Obiligation(BPO)のような変革の方式は極めて有効である。・ 貿易金融についてはまだ十分に理解されていないし、対応する人的リソースも足りていない。エンドユーザやステークホルダーに対する教育訓練が必要である。・ Export credit agencies(ECAs)やInternational Financial Institutions(IFIs)の役割を拡張し、開発途上国の市場に興味を示すノンバンクを支援するという方策がある。(PPP)・『貿易・サプライチェーン金融を専門とするアジア・太平洋センター』を構築してはどうか。』

(2)Steven Beck氏より『ADB Trade Finance Program(TFP)』と題して発表がありました。『・200を越えるパートナーの銀行と連携して貿易における保証やローンについて支援している。・トレード金融についてのGAP $1.6兆の需要が満たされていない。 そのうち$4,250億がアジアの開発途上国の需要である。     当該国の格付けが低いこと、国内の銀行が脆弱なことが挙げられる。・TFPは以下の各国に重点を置いている。 ベトナム、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、モンゴル、ウズベキスタン・ADB新サプライチェーン金融(SCF)プログラムが2012年11月に承認され、現在導入されつつある。このプログラムは企業が業容拡大のための運転資金を支援する。TFPとの差は、SCFは銀行ではなく当該企業がリスクをとること、信用状のような従来型ではなくオープンアカウント貿易であること、対象をいままで貿易金融に関与してこなかったSMEsとしていることである。』

趣 旨:

内 容:

出席者:

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(3) G.Yuen氏より『SMEsに対する貿易金融の挑戦とチャンス:中国の銀行界からみた展望』と題して発表がありました。

(4)S.Narain氏より『SMEsから現出するニーズ』と題して発表がありました。 『・銀行がとるリスクに対する法規制が厳しくなり、特にSMEsにとって貿易金融の利用が困難になる。・開発途上国を取り巻く国際的な貿易ニーズは急増しており、伝統的な貿易金融方式では対応できなくなっている。新しい方式が必要である。・貿易金融には3つのフェーズがある。 (ⅰ) 市場開拓 (ⅱ) 船積み前 (ⅲ) 船積み後金融関連作業はより細やかで広い範囲の支援が要望される。  サプライチェーン、輸出者が支援するローン、倉庫受領書(ボンド付き)支援 等 ・担保不要及び第三者保証不要の信用保証スキームが開発される必要がある。(インドに於けるSIDBIスキームが好例である。)・ADBがメンバー国の銀行や金融業者と提携してアジア太平洋貿易金融基金を設立することがよい。』

(貿易金融) 『① 貿易金融を活用できないことは、SMEsが国際サプライチェーンに参画する際の重要な障害

事項である。②貿易金融の手段は様 な々主要なステークホルダーによる提供されてきた。*ADBのTrade Finance Program(TFP)*中国では、SMEsは経済とファイナンスを提供する銀行にとって推進主体であると認識してきている。 

③SMEsを一連の国際サプライチェーンに織り込むためには更なるステップや対応が必要である。 例 ・サプライチェーン金融プログラムの開発

・Asia-Pacifi c Export AgencyもしくはAsia-Pacifi c Trade Finance Fundの確立の為の考慮・貿易金融のデータや情報のGAPの認識・貿易手続や革新的な貿易金融製品の採用・活用に際して法令や法規制の面での不分明な点の削減』

2.5 セッション3:ペーパーレスの貿易手続きによるサプライチェーン内での情報連携の実現

『サプライチェーンによる効果は、関連するシステム(特に国境を跨いだ)間の相互接続(Interconnectivity)の欠如により限定的なものとなっている。本セッションにて、政策決定者や実務従事者が、既に運用しているメンバーのノウハウや、技術的、法環境面でのバリヤーについての課題認識、低開発国が直面する障害を考慮して国境を跨がるペーパーレスサプライチェーンの実現等についての理解を深めるよう支援する。』

まとめ:

趣 旨:

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(司 会) K.Ramakrishna氏(UNESCAP東・北東アジア担当)(発言者) Sungheun Ha氏(韓国貿易ネットワーク(KTNET)) Markus Pikart氏(国連経済委員会(UNECE) 大澤俊彦氏(WCO) Patrik Jonasson氏(GS1 アジア太平洋地域)  Sangwon Lim氏(UNESCAP 貿易円滑化部) Luca Castellani (UNCITRAL アジア太平洋地域) Andre Sceia (欧州経済委員会(UNECE) TIR担当)

(1) Sungheun Ha氏より『ペーパーレス貿易による国際サプライチェーンの情報連携:その挑戦とチャンス』と題した発表がありました。『・共通に使われている国際標準を使うよう努力する。・各国毎に異なる法環境(Legal Framework)を調和するためにはUNCITRLのModel Lawを好例とする国際的なModel Lawを基本とする。・参加国の間に能力差がある場合には、先進国の目線に立った固定的なサポートを施すのではなく、相補的な視点にたった教育訓練を実施すべきである。・官民間のコミュニケーションを密にするため、オープンに意見交換のできる場を設ける必要がある。・地域(region)内のクロスボーダーペーパーレス貿易を進めるためには政府レベルの地域間協定(Regional Arrangement,Regional Agreement)を締結してハイレベルの視点でリーダーシップを発揮すべきである。』

(2) 大澤俊彦氏より『サポート書類の簡素化:WCOの活動』と題してWCOのアプローチについて発表がありました。

(3) Patrik Jonasson氏より『パブリックセクターにおける民間活用標準の活用:国境においていかに産業横断標準が成果物の可視化を実現するか』と題してGS1のグローバルの活動についての発表がありました。 

(4) Sangwon Lim氏より『国境を跨がるペーパーレス貿易における挑戦』と題して発表がありました。『・ESCAP Resolution 68/3『地域を跨がる包括的・持続的な電子データとドキュメントについての貿易円滑化。ペーパーレスと相互認証の実現』2012年5月のESCAP 第68委員会にて承認されたもの。本件に沿ったRegional Arrangementの作成についてメンバー各国に作業グループへの参画を働きかけている。』

内 容:

出席者:

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『①国境を跨がるペーパーレス貿易について以下の5つの課題/挑戦の項目を取り上げた。 1)国際標準を使う 2)法のフレームワークの調和を図る 3)参加者相互の対応能力のGAP 4)官民間の協力 5)相互のコーディネーションの仕組みが必要である。 ② 地域連合体はペーパーレス貿易の実現について相互にコミットしたが、各メンバーの実際のキャパシティの差はその円滑な進行を阻んでいる。 ③ 官民各ステークホルダー間の更に強い協力により国境を跨がるペーパーレス貿易の実現を早めることができる。 ④従来の認識・手順を改める姿勢が重要である。』

2.6 セッション4:サプライチェーンの効果向上のためのNational Single Window(NSW)の活用

『各国で進められているNSWについての知識を共有し、開発されたNSWがいかに貿易の円滑化に寄与するかの意見交換をする。』

(司 会) Jeff Procak氏(ADB 金融・地域協力部)(発言者) Somnuk Keretho氏(タイKasetstart大学) Markus Pikart氏(国連経済委員会(ECE) P.Khennavong氏(ラオス財務省税関部) Mee Wan Wong氏(王室マレーシア税関・AseanSingleWindow作業グループ) Somak Wisetruangrot氏(タイ 国際フレートフォワーダーズ協会)

まとめ:

趣 旨:

出席者:

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(1) Somnuk Keretho氏より『NSWをサプライチェーンの情報連携に役立てる』と題して発表がありました。『・アジア各国におけるNSWの形態について  a 限定的なSW(税関業務のみ) パキスタン  b 限定的なSW(港湾業務のみ) インド  c 貿易関連の一部行政機関参画のSW アゼルバイジャン、タイ  d 貿易関連の多くの行政機関参画のSW 韓国  e 運輸関連の行政機関参画のSW 中国  f 貿易・運輸併せた行政府参加のSW 日本(NACCS)  g 特定の地域についての貿易・運輸併せた準NSW 上海  h 国を跨がったSW ASEAN SW, NEAL-NET』

(2) Markus Pikart氏より『一般的な共通のシングルウィンドウ環境構築に向けて。その標準及びベストプラクティス』と題して世界のシングルウィンドウの構築状況について報告がありました。

内 容:

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(3) P.Khennavong氏が『シングルウィンドウに関する構築・運用・移行』と題してラオスのNSW導入アプローチの進捗について発表がありました。2013年1月にBUREAU VERITAS BIVACとNSWの構築とオペレーションについて契約し、現在、導入のための補足合意書及び政府・同社間のJ/V契約について交渉段階とのことです。

(4) Mee Wan Wong氏が『ASEAN Single Window導入の進捗』と題して発表しました。同氏はASWの技術作業グループの議長職にあります。・ASWのロードマップ                

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 『・ASWの現状(1)パイロットプロジェクトに於けるASWのアーキテクチャデザインはゲートウェイを各国に

分散したモデルとした。地域共通のゲートウェイアプリケーションを各国のゲートウェイに常駐させる。

(2)このアーキテクチャは送受信国以外の機密漏洩リスク、分散化による障害リスクを排除することに配慮している。

(3)ASEANの中で7ヶ国がASWアーキテクチャの接続テストに成功した。 テストの対象としたデータは、ASEAN内のATIGA Form D並びにASEAN税関

申告書(ACDD)の二つである。(4)より包括的なASWパイロットテストの実施に向けて準備中である。(5)ASW本稼働を統轄するLegal Framework Protocolの確立に向けて作業中である。』

『シングルウィンドウの構築に成功するための留意点は以下のとおりです。①構想は大きく。ただし、実際のスタートは小規模な現実的なところから。②国としての意思、地域連合としての意思をしっかりと持つ。③ シングルウィンドウの利用に参画する貿易関係の主要なステークホルダーが利用するシステム環境との相互運用性に配慮する。④ 各国際組織が提供するシングルウィンドウの導入ガイドを考慮して最適な業務手順を採用する。⑤行政機関同士の委員会や作業グループにて導入方針・手順を明確に規定する。⑥可能な限り国際標準を採用する。⑦必要な法環境の整備を行う。⑧貿易実務・金融について持続可能なモデルを確認する。⑨組織間をつなぐ情報システムモデルを考慮する。』

 

3.次回開催予定主催者(UNESCAP)より、次回はタイ(バンコック)を予定しているとのコメントがありました。 

【参考:UNNExTの概要】

UNNExTアドバイザリー会議が今次APTFF終了後の9月11日(水)夕刻に開催され、菅又久直氏が出席しました。

(会議の目的等)

UNNExT(United Nation Network of Expert on Paperless Trade in Asia and the Pacifi c:国連アジア太平洋電子取引専門家ネットワーク) は、電子取引(Paperless Trade)と貿易のシングルウィンドウを、国際標準に基づき、アジア太平洋地域の主に発展途上国に促進するための、地域情報ハブを目指して2009年に発足したグループです。当グループは、UNESCAPおよびUNECE(United Nations Economic Commission for Europe:国連欧州経済委員会)が協力して発足したものであり、電子取引

総括(まとめ):

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と貿易シングルウィンドウのための調査分析・知識共有・ツールとガイド整備・教育研修・地域技術支援などの活動を行っています。今回の会合は第4回目のUNNExTアドバイザリ委員会であり、以下の方々が事務局およびメンバー

です。・Ravi Patnayake (国連ESCAP 貿易投資部門長)事務局・Yann Duval (国連ESCAP 貿易投資部門 貿易手続簡易化担当)事務局・Sang-Won Lim (国連ESCAP 貿易投資部門 貿易手続簡易化担当)事務局・Tom Butterly (国連ECE 貿易木材部門 貿易ソリューション課チーフ)欠席・Markus Pikart (国連ECE 貿易木材部門 貿易ソリューション)・Iqbal Babayev (アゼルバイジャン 税関)・Hong Xue (中国 北京師範大学 法制度担当アドバイザリ)・菅又 久直(日本 国連CEFACT日本委員会 データモデル担当アドバイザリ)・Kun Nhem (カンボジャ 税関)・Mee Wan Wong (マレーシア 税関 ASEANシングルウィンドウ技術作業グループ)・Somnuk Keretho(タイ カセサット大学 ビジネスプロセス担当アドバイザリ)・Aung Khin Myint(ミャンマー フレイト・フォワーダー協会 議長)・Tahseen Ahmed Khan (インド 通信情報技術省 電子情報技術部門 国家情報センター)・Jonathan Koh (シンガポール クリムソンロジック社)欠席

(活動のトピック)

翌日(9月12日)開催予定の、国連ESCAP決議68-3に基づく貿易円滑化のための地域協定審議、および農業関連貿易円滑化のための電子取引につき紹介がありました。・貿易円滑化のための地域協定:

アジア太平洋域内の持続可能な貿易手続簡易化のための、電子取引と国境を越えた電子データ/電子文書の認証の実現に関わる地域協定(Regional Arrangement)につき、専門家によるドラフト文書のコメントにつき審議が行われる予定。

・農業関連貿易円滑化のための電子取引:UNNExT農業グループの第1回会合であり、中国およびタイの取組みの説明、農業関連貿易円滑化のガイドライン策定につき審議される予定。

(ラウンドテーブル・ディスカッション)

会議時間が短縮されたため、後日メールにて各アドバイザーから意見を提出するよう要請がありました。

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記事2. 平成25年度JASTPROセミナーより

「各国FTAにおける原産地手続(証明手続と検証手続)の最新の傾向」(後編)

財務省 関税局 関税課 原産地規則係 香川 里子氏

(於:JASTPROセミナーでの講演内容 ― 平成25年6月26日(水))

2013年9月号におきまして、財務省関税局の香川里子税関考査官の講演内容を掲載させていただきました。本号においてはその後編としまして「検証手続の4類型」及び「主要国・地域における原産地手続」といった内容につきまして、ご紹介させていただきます。前号の内容に併せまして、皆様方の業務にお役立ていただけましたら幸いです。

《香川里子税関考査官の講演内容》

② 検証手続の4類型では、次の検証手続について説明します。上記の表ですけれども、検証手続は二つ論点があります。まず、誰が検証を行うのかという検証の主体についてです。輸入国の税関が行うのか、つまり、輸入国の税関が輸出者などに対して証拠書類を出して下さいとか、質問状を送り回答を求めたり、もしくは輸出者の工場を訪問し

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たりという、国境を越えて検証を行うという手続きなのか、または輸出国政府が輸入国の税関の要請に応じ、自国の輸出者に対して検証をやるのか、という二つ制度があると考えていただければと思います。輸入国税関が直接的に行う制度については、直接検証と言われており、これは米国、カナダ、豪州などが採用している制度です。輸出国の政府が輸入国税関の要請に応じて検証する制度については間接検証と言われており、日本やEUが採用している制度です。次に、誰に対して検証をするのか、つまり検証の対象、証拠書類を出して下さいという要請先が誰になるかということについても、製造者や輸出者、輸入者がありますが、基本的には原産地の証明をした者が対象になると考えて頂ければと思います。 

検証手続の類型について改めて申しますと、基本的には証明手続の裏返しになると考えて頂ければと思います。第三者証明制度においては輸出国の政府が輸入国税関の要請に基づき、自国で発給申請をした輸出者に対して行う間接検証という形になることが多いです。認定輸出者自己証明についても、輸出者の認定という行為を輸出国政府が行っていますので、その輸出国政府が検証を行う間接検証になり、相手先もその認定輸出者や製造者になります。輸出国政府が証明する際において何らかの関与をしている場合には、こういった輸出国が検証にも関与する制度になるという事です。ここから一歩越え、誰でもが自己証明することができる制度、つまり輸出者自己証明制度や、輸入者ベースの自己証明制度になりますと、輸出国の政府は証明する時点で何も関与をしていない、つまり輸出者が輸出国政府に何も聞かないで、これは原産品ですと記すことができるものですから、輸出国政府は聞かれても困るわけです。そうしますと、輸入国税関が直接その輸出者に確認するというプロセスが必要になります。これが実際にNAFTAで活用されている制度です。米国の税関がカナダからの原産品に対して疑義があると、カナダの輸出者に対し電話を掛けたり、質問状を送付します。また、米国の税関職員がカナダの輸出者や製造者の工場を訪問し、関係書類などを確認させてもらったり、製造工程を確かめたりすることがあります。これが直接検証というものです。輸入者ベースの自己証明も同様であり、輸出国の政府は証明時点で何も関与していませんので、検証についても輸出国政府にその支援を得ることができない制

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度となるため、直接的に行うことになります。ただ一点だけ違いがあります。この制度においては、輸入国税関が確認する者は輸入者となります。米国の税関が、米国にいる輸入者にまず確認します。このワインのぶどうがどこで採れたかという情報を持っていますかと。その時点で判明しなかった場合、当該輸入者から輸出者にそのワインのぶどうがどこで採れたかについての情報を提出してもらえるように要請する。これを受け米国の輸入者は、輸出者又は製造者に対し当該情報を出して頂けるよう要請し、もしその情報が秘匿情報であれば、輸出者から直接米国の税関に提出して下さいとのアレンジまでを、輸入者が責任を持って行うというかなり特徴的な制度です。比較しますと、輸出者自己証明というのは輸出者自身が証明する代わりに、輸出者は輸入国の税関からの照合に対し応ずる義務があるというように、輸出者が全責任を負っているのに対し、輸入者ベースの自己証明は、輸入者自らが証明する事が出来る代わりに、米国税関から確認を求められた際は、まず輸入者が対応する。もしくは輸入者がアレンジの上、輸出者や製造者が情報を出せるように担保するということになります。

一気に説明しましたが、ここで、類型として違いを簡単に説明します。まず第三者証明制度ですが、最初に

輸出者が発給当局に登録する、又は発給当局により原産性の事前審査が行われ、その後に原産地証明書(CO:Certifi cate Origin)が発給されるという流れで、輸出国における手続きとして始まります。その後、輸出者から輸入者に原産地証明書の原本が送られ、当該証明書に基づき、輸入者は特恵待遇の要求を行うこととなります。従いまして検証手続において疑義があった場合には、輸出国政府に要請し、この要請に基づき輸出国政府が自国の輸出者に、「ぶどうは何処のぶどうですか。」もしくは「その畑を見せて下さい。」といった形で審査が行われ、その結果が輸入国の税関に提供されます。その結果として、輸入国税関が原産性の認定を行うというのが、この制度です。 

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次に、「認定輸出者自己証明制度」です。輸出国政府により、輸出者の認定が行われ、さらにその際に原産性の事前審査を行っている場合もあります。輸出者として認定されることにより輸出者自らが個々の取引毎に原産地証明を作成することが出来るということになります。この場合最も多いのが、後程説明しますが、認定輸出者としての認定者番号が貰えますので、仕入書(インボイス)や梱包明細書(パッキングリスト)などの商業書類に「この文書の対象となる産品の輸出者(認定番号)は、当該産品の原産地が特恵に係る原産地であることを申告する。」と書き記すことにより、それが原産地証明書になり、それを入手した輸入者が輸入国税関に対して特恵待遇を要求出来ることとなります。検証は、輸出国政府が登録認定している輸出者に対して行うという意味では、第三者証明制度とほぼ同様であると考えてもいいと思います。 

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この二つの制度から一歩越えて、次は輸出者であれば誰でも原産地の証明を出来るという自己証明です。輸出国のところを見て頂くと、輸出国政府による輸出者の認定・登録や原産性の事前審査という項目がなくなっていると思います。輸出国で関与するのは、輸出者、製造者だけでして、取引毎に原産地証明書を自ら何時でも作成して良いという事になります。そして、この原産地証明書が輸入者に渡りますが、ここで自己証明ならではの事として、原産地証明書が間違っていたら作り直し、また原本に限らずコピーでの提出や、電子的な提出でも輸出者自己証明が認められているようです。何故かというと、輸出者が誰でも自ら証明出来るということは、輸出国発給当局による押印された原本性の確認というものがいらなくなるので、コピーや電子的な提出が認められやすいということになります。またマルチの証明書も併用されています。つまり一取引ではなく、一年間又は二年間の取引きについて、この契約やこの物品に関して、原産品であることを証明するといったマルチな原産地証明書も通常は認められることになります。

 

最後になりますが、「輸入者ベースの自己証明制度」です。この自己証明制度になりますと、製造者でも、輸出者でも、さらには輸入者でも、原産地に係る情報を持っているのであれば、誰でも原産地証明書を作成できる制度であると言えます。特に、輸入者が原産地証明書を作成する場合には、輸入国で完結する手続となります。つまり原産地証明に係る書類を輸出者が輸入者に送ったりする必要性がなくなります。税関は、輸出者、製造者並びに輸入者に疑義がある場合には検証手続を行うことになりますが、まずは輸入者に確認するというところがこれまでの自己証明と異なります。「輸出者自己証明」の場合は、税関は基本的には証明書を作成した輸出者に対し国境を飛び越えて確認するという手続きが必要となります。一歩進んで輸入者ベースの自己証明制度の場合は、まずは輸入者に聞く、判明できなければ輸出者や製造者が補完的に立証するという手続きとなります。

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そして最後になりますが、これまで「世界のFTAの証明手続の類型」において明記しました4つの類型について説明しましたが、この類型とは別に実は、世界にはもう一つ特殊な制度があります。「輸入者自己証明制度」と言われている、輸入者のみが証明できるという制度であります。輸入者であれば誰でも証明できるのですが、逆に輸出者が証明する機会がないということで、かなり特殊だと思います。これは輸入者自らが原産地証明書を作成してもいいですし、米国とオーストラリアのFTAをみますと、実は原産地証明書はもう必要としないと記されております。つまり輸入者は自らの知識において原産品であると分かっているのであれば、その知識に基づいて特恵税率の適用を要求して下さいという制度になります。輸入国税関は疑義が生じた場合、基本的には輸入者に確認することになりますが、輸入者は自らが情報を持っているからこそ、特恵税率の適用をしたわけですから、疑義に回答することで終了という、シンプルな制度であります。ただこの制度は、先のワインの例でいいますと元々そのワインを造った国で、どうやって製造したかという製造工程や、製造原料に対しての情報はそもそも輸出国のほうがよく承知しているということです。今までの伝統的な原産地証明の考え方、輸出国サイドでしか証明出来ないというこれまでの考え方からすると、発想が逆転している点が面白いと思います。私が調べた限り、この制度の適用は、米国とオーストラリアのFTAでしか採用されておらず、非常にマイナーであると思っています。

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3. 主要国・地域における原産地手続(日本、EU、米国、ASEAN)

① 日本の制度最後になりますが、主要国においてどのような制度で、どのような手続きになっているかという事について説明

します。まず、日本においては第三者証明制度を採用し、また認定者自己証明制度を採用しています。輸出者が原産地証明書の発給申請を行い、発給機関が原産地証明書を発給します。この証明書には印影と署名が必ず記されていますので、この印影等が正しいかどうかについて調査するのが輸入国の税関の一番重要なポイントになっています。つまり、印影が偽造であったりしますと、輸入国での手続きが止まってしまいますし、必要な記載事項が漏れていた場合、輸入国ではそれが本当に正しいものかどうかが分からないこととなる。さらには、電子化というものが非常に難しい。つまり印影を押印した原本性がすごく重要な制度であるわけですが、その半面、発給当局が介在することによって、原産地証明が発給されていますので、それが正しく発給されている限りにおいては、輸入国税関での審査がすごく楽だというメリットがあります。また、輸出者も発給機関が介在し、原産性の審査をしてくれるという意味で非常に使いやすい、あるいは支援を受けられるという意味でのメリットがあるという事で、日本では好まれて活用されている制度だと理解しています。

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原産地証明書は、そのフォーマットや様式など全てが決まっています。何が記されているかというと、左サイドに輸出者による申告があります。原産地証明書は輸出者が発給申請の際に記載することになりますので、輸出者の申請によりこれらの情報が正しいという事について、発給機関に申告し、発給機関はこの情報に基づき実施した審査の限りにおいて輸出者の申告は適正であることを証明しますとして、印影を押すという事になります。検証手続において、輸出者が行った原産性の申告について正しいかどうか、発給機関が調査するという手続きになります。

日本においては、認定輸出者による自己証明制度も採用しています。日本はスイス、ペルー、メキシコのFTAで採用しています。認定された輸出者についてはインボイスなど商業書類に原産地であることの申告を行うことが可能であり、毎回発給機関に申告し原産地証明書を取得する必要がない制度になります。

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では、原産地申告とはどういうものかということについて説明します。この申告欄の最下部に、この文書の対象となる産品の輸出者として認定番号を書くことになりますが、当該産品の原産地がFTAにおける原産地であることを申告する、と記載すれば、これが原産地証明書という形になりますので、実はHS番号など書く必要がない、とのメリットがあるのかと私は思います。とにかく記述する項目が少ないですし、コピーも認められやすい制度になると思います。ここまでが日本の制度です。

② EUの制度次にEUと米国の制度について説明します。EUは、日本と同様に第三者証明を、特に一般特恵関税制度

(GSP:Generalized System of Preferences)の時代から継続して使用していました。しかしながら2003年から、原産地規則の全面的な見直しが必要との政策提案を受け、第三者証明を変更することを決定しています。第三者証明の何が一番問題であるとEUが分析したかというと、貿易量の増大により、発給当局が発給時に

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全ての申請について原産品であるかどうかの審査が出来なくなっているというのが最大の要因であったようです。発給に際して工場まで毎回行くことになれば発給に時間がかかり貨物の流れが止まってしまいますし、現実的ではない。しかし証明の際には現実に審査されていないとすれば、証明という行為に発給当局の多大な負担をかける必要はなく、認定のみを行って認定された輸出者が自己証明出来るような制度にした方が、貿易円滑化にも効果があると考えられたわけです。発給機関にとっても、認定という行為により輸出者の法令順守を確保しつつ、リスク分析によって疑義があった場合にのみ、原産品かどうかという検証を事後に行えばいいのではないかという考え方に基づき、制度を変更することを考えたということのようです。そして、EUは2017年から、まず登録輸出者の自己証明制度を導入するという事を決定しています。具体的には、輸出国発給当局を原産証明書の発給事務から解放し、輸出者が証明すれば良く、輸出者が証明の責任を持って実行すればいいとし、そして原産地証明書は、証明というよりは原産地申告として処理した上で、輸入国税関が原産性のリスク分析に基づいて、疑義がある場合にのみ、検証手続において輸出国が事後的に確認すればいいのではないか、という手続きへと移行するようです。EUは、一般特恵制度(GSP)において認定輸出者の自己証明を導入する方針について既に特恵受益国に対し説明をしていることから、該当する国においてはそれなりの騒ぎになっているようです。このことが、ASEANにおいても今後、認定輸出者の自己証明制度に舵を切ろうとしている理由の一つでもあるのかなと考えております。

そして、EUでの制度改革の中にあって、韓国とEUのFTA交渉が行われていた事から、韓・EUのFTAについては、この考え方が反映されたものが出来上がっていると見ています。韓国とEUのFTAについては、まず、認定された輸出者は先程申し上げた通り、原産地申告を作成する事が認められ、これに基づいて韓国の税関に原産地申告を提出するのですが、ここでの特徴的なことは、6,000ユーロ以下の輸入貨物の場合は、一般輸出者の誰でもが自己証明出来る制度になっています。裏返せば、6,000ユーロを越えた貨物については、認定された輸出者以外は使ってはいけませんということであり、6,000ユーロを越えてこのFTAを活用する場合は、必ず認定というプロセスを取って下さいという制度になっています。EUは、最終的には登録輸出者の自己

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証明制度に移行すると明言している以上、認定が緩和されて、誰でも登録出来るというプロセスになれば、この問題は解決されるのだと思いますが、認定されなかった輸出者はどうなるのかということが、この制度の問題点であるのかと思っています。検証については、輸出国の政府が輸入国の代わりに行うという間接検証になります。以上がEUの制度です。次に対照的な動きとして米国の制度を紹介します。

③ 米国の制度米国においては、NAFTA(北米自由貿易協定)において輸出者が証明出来る自己証明制度を採用してい

ます。この問題点として、米国がいろいろな所で説明している資料をまとめると、まず1点目の問題点として、輸入者は原産性を立証する証拠書類を持っていたとしても、輸出者から原産地証明書を取得することが必要であって、その取得が遅延することによって輸入者が特恵適用の申告が出来ないなどの問題が起きていることをあげてます。問題点の2点目は、例えその貨物が原産品であることが分かっても、原産地証明書がFTA協定に基づかないで不備があるようなものであれば、協定の要件が満たされないことになりますので特恵税率の適用が否認される可能性があることも指摘しています。そしてまた、輸入者が仮に原産品の情報を持っていたとしても検証手続きには参加出来なく、輸出者が情報を出さなかったことにより特恵税率の適用が否認された場合は、輸入者が差額の関税額を支払わなければいけないこととなるわけです。問題点の最後として、輸入国税関が行う輸出者への直接検証というのは、国を越えて行う調査であって、輸入国税関としては負担が大きく無理だということです。つまり言い方としては、NAFTAは隣国であったので、お隣のカナダやメキシコの輸出者に対して聞きに行くことや、工場を訪ねることはなんとか出来るかもしれないが、遠い国とFTAを締結した場合、これが出来るのかというとこれは相当問題であり、輸出者自己証明制度をこのまま継続して使い続けるには、問題があるとしています。さらに、税関近代化法という法律も成立し、輸入者は輸入に関する米国の法律に従う義務があるということが明確にされたことにより、関税分類や評価と同様に原産地についても、輸出者が証明したとしても、輸入者はある程度の注意義務があるということが、この法律により明確化されました。これらにより、米国はNAFTA以降のFTAにおいては、輸入者ベースの自己証明制度を

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導入しています。NAFTA次降のFTAについては全てこの形式で実行されています。交渉事ですから、それなりのバリエーションはありますが、ポイントは2つであり、①輸入者も証明出来ること、②検証の際にはまず輸入者に聞くこと、という2点は共通して米国のFTAには見られます。

次にNAFTAの原産地手続ですが、先程申し上げた通り、原産地証明書を作成するのは輸出者であり、検証を受けるのも輸出者、つまり国境を越えた調査がやってくるという手続きになります。輸出者にとっては責任がある制度で、ある意味輸入者は何もしなくて良いため楽な制度ともいえるかもしれませんが、その一方で、輸入者は情報を持っていたとしても何も出来ない、というところが問題だという言い方も反面的には言えるのかも知れません。

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韓米FTAというのが、米国の手続きの典型なのではと思いますので紹介致します。製造者も輸出者も輸入者であっても誰でも原産地証明書を作成していいということ、もしくは輸入者が知識を持っているというのであれば、原産地証明書を作成しなくても、輸入者が米国の税関に特恵適用の低い税率を申請できることになってます。検証は、まず輸入者に確認する、それでも対応できないとすれば、製造者か輸出者へ輸入国税関が確認することとなりますが、そのアレンジは輸入者がしなさい、輸入者が情報を取る必要はないけれども、輸出者又は製造者が米国の税関に直接でもいいから提出することを輸入者が繋いで下さいという制度になっています。

 

輸入者しか証明できない制度を参考までにご紹介します。米豪FTAにおいては原産地証明書という表現がありません。輸入者が自分の知識に基づいて特恵適用の低い税率を申請し、それに基づき低い特恵税率が適用されます。検証は基本的には輸入者に行いますが、輸出者と製造者に対して書類などを輸入国税関に提出するように輸入者がアレンジをすることもあります。米国の交渉力を持ってもこの制度は究極なのか、米国も好んでいないのかわかりませんが、採用されているFTAとしては少ないのが現状です。

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④ ASEANの制度最後にASEAN物品貿易協定(ATIGA)における原産地手続を紹介します。先程申し上げましたように、ASEAN諸国においては第三者証明を選好しており、物品貿易協定においても、第三者証明が導入されています。しかしながら、ASEAN域内においても認定輸出者自己証明の導入を決定しており、タイの発給当局から聴取した内容によると、貿易円滑化という目的と、発給当局における発給にかかるコストもあり、企業にとってもその証明書を取得するためのコストを節約するといった事から、輸出国政府での発給を止め、それ以外の検証手続や、人的資源を効率的に活用するというメリットがあるということから、自己証明の導入に舵をきったようです。まずはパイロットプロジェクトで認定輸出者の自己証明を導入することで合意されているようでして、そのプロジェクトには2つあります。第1のパイロットプロジェクトはブルネイ、マレーシア、シンガポール、タイが参加し、2010年の11月から開始されています。第2のパイロットプロジェクトは、インドネシア、ラオス、フィリピンが参加し2013年からの開始予定となっていますがまだ開始されていないようです。最終的には、2015年に向けたASEAN経済共同体において自己証明制度を何らかの形で導入するということを、ASEAN諸国は目的としています。パイロットプロジェクトの経験を踏まえて、どのような自己証明制度を入れるか未だ議論の途中だということですが、認定輸出者の自己証明が導入される可能性が高いと思われます。

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参考としてパイロットプロジェクトの概要を明記しております。これはヒアリングした内容から参考として作成していますので、実際に活用する場合には確認して頂きたいと思います。第1パイロットプロジェクトは2010年の11月から開始されています。認定可能な輸出者は、製造者及び輸出者です。そして原産地申告の方法は、インボイスでもパッキングリスト等でも可能であるという事で、柔軟性があります。原産地申告に署名できる者に制限がないこと、記載事項についてはHS番号がないこと、少額輸入であれば誰でも原産地申告が出来ること、第三国を介する取引も対象としていること、など第2パイロットプロジェクトよりも柔軟な制度になっています。その第2パイロットプロジェクトですが、ラオスの発給当局によれば、2013年6月から開始されると言っていましたが、未だ開始されていないようです。認定される可能性があるのは製造者のみということです。つまり、輸出のみを行っている商社はここから除外されます。申告の方法としてはインボイス上への原産地申告のみが可能とか、サイン出来る人が限定されている、少額輸入の規定がない、第三国を介した取引については利用できないといった制限があるということです。

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最後に、我々税関におけるFTAの役割について簡単に説明します。税関としてFTAにおける役割は、これまで輸入を中心として行ってきました。税関においては全国に原産地の専門家を40名以上配置し、また原産地規則に重要な関税分類の専門家も全国に配置しております。原産地制度を利用する方の支援を強化することが必要と考えており、特に、輸入者だけではなく、輸出者、製造者に対しても、またセミナーとか個別相談、特に原産地規則を満たすかどうかという事についても相談に来所していただければ判断出来ると思います。以下に担当部門を記していますので、何か疑問点等ありましたら気軽にご相談して頂けたらと思います。本日はありがとうございました。

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JASTPRO 第39巻 第7号 通巻第421号

・禁無断転載

平成25年10月25日発行 JASTPRO刊13-09

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