自主避難区域における損害賠償項目一覧表

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Page 1: 自主避難区域における損害賠償項目一覧表

〈自主避難区域におけるADR申立を利用した損害賠償請求の現状〉 2013.9.20

赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000001

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

原発事故直後は認める

基本的には、中間指針追補により規定された下記①・②の支払いで賠償済みである。下記を超える支払いは、多数の被害者に公平かつ適正に賠償を進めていく観点から困難。

①本件事故発生から平成23年12月末までの損害(生活費の増加、避難等に要した交通費)+慰謝料として、妊婦・子どもは1人40万円、それ以外は1人8万円を支払う。(なお、東電は、任意で妊婦・子どもに対し1人60万円支払っている実績あり)

②平成24年1月1日から同年8月31日までの損害(生活費の増加、避難等に要した交通費)+慰謝料として、妊婦・子どもは1人12万円、それ以外は1人4万円を支払う。

但し、必要性及び合理性が認められれば、追加で個別賠償の検討の余地あり。

(追加個別賠償が認められた事例)①平成23年3月20日〜同年4月25日までの間県外避難した際の交通費で、4万円を超過する分は個別賠償に応じる。②県外で自主避難している子どもを訪問するためにかかった交通費は個別賠償に応じる。

個別賠償の検討に必要な資料として、①具体的なルート、利用交通機関の説明②領収書等の提出。

一度自宅に戻った後は否認

原発事故から一定期間経過し、生活圏内の空間放射線量や放射線被ばくによる影響等に関する情報がある程度入手可能な状況下において、再度県外に移動することは、必要かつ合理的な費用とは認めがたい。

一時避難費用(宿泊費、生活費、謝礼)

基本は否認

日常生活を送るための生活費は避難しなかった場合でも生じるため。

ただし、必要性及び合理性が認められれば、追加で個別賠償の検討の余地あり。

(追加個別賠償が認められた事例)①東京の娘の家に避難した際の宿泊費15万円のうち7万円までは認める。

個別賠償の検討に必要な資料として、①どのような生活費用の増加があったのか具体的な説明。②実際に金員を支払ったことを裏付ける資料(領収書等)の提出。

基本は否認

中間指針追補により規定された①・②の金額が、公平かつ合理的である、必要性及び合理性があれば追加の個別賠償を認めうるとの方針で、東電の主張を追認していると思われる。

①避難先の詳しい説明(住所、ホテル名、個人宅の場合は名前と申立人との関係)。②実際に金員を支払ったことを裏付ける資料(領収書等)の提出。

保養避難費用 否認

本件事故発生から一定期間が経過し、生活圏内の空間放射線量や放射線被ばくによる影響等に関する情報がある程度入手することができるような状況下(※1)において、その不安等に対するストレスを緩和させるなどの目的にて保養旅行に出かけることについてまで合理性を認められない。

※1 平成22年4月22日ころまでには、福島第一原発の状況、放射線量に関する情報、放射線被ばくによる影響等に関する情報が行政機関等により徐々に公表されていた。福島県においてもwebサイトや新聞等を通じて、福島第一原発の状況や放射線量の測定結果等が公表されていた。

否認

原発事故から一定期間が経過し、放射線量や被爆による影響に関する情報が入手できるようになり、県外に避難する合理的理由がない、との東電の主張を追認していると思われる。

①保養避難先(地名、ホテル名等)②利用交通機関③保養避難に行った日付④滞在期間等

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

避難費用

一時避難費用(交通費)

一部認める

中間指針追補により規定された①・②の金額が、公平かつ合理的である、必要性及び合理性があれば追加の個別賠償を認めうるとの方針で、基本的には、平成23年4月までに発生した費用は認めるが、平成23年5月以降は認めない。(推測される理由)原発事故から一定期間が経過し、放射線量や被爆による影響に関する情報が入手できるようになり、県外に避難する合理的理由がないため、東電の定額賠償分の範囲を超える分は避難の合理性が認められないとの東電の主張を追認していると思われる。

個別賠償の検討に必要な資料として、①具体的なルート、利用交通機関の説明②領収書等の提出

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〈自主避難区域におけるADR申立を利用した損害賠償請求の現状〉 2013.9.20

赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000002

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

県外避難費用ex.アパート家賃  敷金  光熱費  日用品

否認

自主的避難に伴う実費として、上記①・②の既払金に含まれる。

ただし、必要性及び合理性が認められれば、追加で個別賠償の検討の余地あり。

①18歳未満が平成23年9月から県外に自主避難した費用は認める。②成人が平成23年7月に県外に自主避難した費用は否認。

一部認める

基本は認めない。原発事故から一定期間が経過し、放射線量や被爆による影響に関する情報が入手できるようになり、県外に避難する合理的理由がない、との東電の主張を追認していると思われる。

ただし、週末のみではなく、完全移転の場合は、賃料・仲介手数料等の移転費用を認める可能性あり。

①賃貸借契約書の写し②領収書の提出

飲料・調理用ペットボトル水

浄水器浄水器取り付け費用

食費増額代

マスク購入代

エアコン購入代取付け工事費用

空気清浄機

カーテン

除湿器

布団

布団乾燥機

原子力損害賠償紛争審査会による中間指針で基準が決められていないためセンター独自の判断は放棄し、「今後も使用する可能性もあり、具体的な損害の発生が見受けられない。」との東電の主張を追認していると思われる。

否認

否認 否認

生活費増額費用

咁外部被ばく

防護対策費用

福島市は屋内退避区域等とはされていない。経済産業省公表資料では、緊急時避難準備区域についても「窓を開けて生活していただいても差し支えありません」とされている。

避難費用

生活費増額費用

咁内部被ばく

防護対策費用

食費は原発事故に関係なく発生する費用。

国、地方自治体は、連携してモニタリング調査を行ったり規制値を超える食品は出荷停止措置をとるなどの適切な対応し、食品の流通の安全性の確保を図っていた。

仮に食費増額と原発事故の間に因果関係が認められる場合でも、生活費の増加として上記①・②の支払いで賠償済みである。

原子力損害賠償紛争審査会による中間指針で基準が決められていないため、センター独自の判断は放棄し、東電の主張を追認していると思われる。

否認

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〈自主避難区域におけるADR申立を利用した損害賠償請求の現状〉 2013.9.20

赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000003

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

線量計購入費用 留保

購入時期により、必要性・合理性ありの判断。

線量計は2台目以降についても、複数台購入の経緯、必要性等について合理性があれば検討の余地あり。

(認めた購入時期)平成23年6月6日平成23年7月5日(否認した購入時期)平成23年8月13日平成23年10月

①購入品の品番等種類の説明。②購入日・購入代金がわかる資料(領収書等)の提出。③購入に至った具体的な事情(自宅各箇所の線量値記録や緊急性等)についての説明。④検討過程(なぜこの線量計を購入したのか、比較したものがあるのかなど)についての説明。

一部認める

1台分は認めるが、2台目以降は認めない。同一世帯での複数台の所有には、合理性・必要性が認められないとする東電の主張を追認していると思われる。

①購入品の品番等種類の説明。②購入日・購入代金がわかる資料(領収書等)の提出。

土壌測定費用 留保

内部被ばくを避けるため、汚染の傾向を分析するためという理由だけでは認めがたいが、申立人自らが行った除染作業の効果を確認する理由であれば、除染費用の性質を有するため、仲介委員の意見をふまえ検討の余地あり。

認める①測定日②領収書の提出

食品測定代 否認

国、地方自治体は、連携してモニタリング調査を行ったり規制値を超える食品は出荷停止措置をとるなどの適切な対応し、食品の流通の安全性の確保を図っていた。

認める

①測定した食材の種類の説明。②なぜ食材の測定をしたのか、その理由や事情に関する詳しい説明。③領収書の提出。

家庭菜園作物放射線量測定代

認める庭に自生したシソの検査費用4000円を認める。

認める

①測定した食材の種類の説明。②なぜ食材の測定をしたのか、その理由や事情に関する詳しい説明。③領収書の提出。

検査費用

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赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000004

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

高圧洗浄機購入費用

留保 認める

掃除ホースリール

留保 認める

屋根・雨樋、外壁、車庫の洗浄

留保一部認める

土壌交換工事 留保 認める

バイオ除染費用(光合成細菌購入代、指導料等)

留保 認める光合成細菌購入代、指導料、交通費等も含めて損害として認める。

汚泥処理(運搬費用)

留保一部認める

砂・砂利購入 留保 認める

庭のコンクリート化

留保 認める

除去した庭木の査定料・査定価格

留保

査定内容の合理性・査定価格の合理性を検証する必要あり。なお、庭木の評価については慰謝料の評価の中で評価されるべきと思われる。

認める

車庫、物差し波板張替工事代

否認 否認

屋根・雨樋、外壁の塗装

否認 否認

庭木伐採費用 否認

「福島市除染マニュアル」によれば、庭木の除染は剪定によるものとされており、「原則として植栽の伐採、伐根はおこなわない」とされている。

認める庭木伐採、下草刈り取り費用も認める。

今後予定している除染費用

否認

将来発生する可能性のある費用は、一定の要件を満たす場合にのみ認められており、原則として認められないとされている( 高裁判決)

否認東電の主張を追認していると思われる。

(個別賠償の検討には)①工事前後の線量値を示す根拠となる資料の提出②工事内容とその工事の必要性についての説明③除染作業に要した用具の購入時期や利用状況などの説明↑上記があれば、仲介委員の意見をふまえ、個別賠償の検討の余地あり。

ただし、除染費用の一部を賠償する条件として、国が設けた枠組みの中で除染を行った人との間で不公平な結果を招くことがないよう、和解契約書に以下の⑴〜⑶の内容を記載することを求める。

⑴除染費用を裏付ける領収書原本の引き渡し⑵除染費用の重複請求を行わない(国や地方公共団体等に対する交付金、助成金等の請求を行わない)⑶東電は申立人が除染費用の支払いを受けたことを証明するため、国や地方公共団体に対し、申立人の個人情報を必要な範囲で提供できる。

①除染を行った日時、具体的にどのような除染作業をしたのかの説明。

②除染作業内容がわかる見積書や、実際に除染作業を行い、費用を支払ったことがわかる請求書、領収書の提出。

③除染前後の線量の測定値がわかる資料の提出(メモ書き可)

④除染作業に使用した資材(砂・砂利等)の内容・量、購入先及び購入日時についての説明、領収書等の提出。

⑤伐採の必要性、伐採の事実についての詳しい説明

⑥庭の撤去をした理由。

資産取得という側面がある。環境省ガイドラインでは、除染方法は「洗浄」としている。

東電の主張を追認していると思われる。

除染費用

特措法に基づき、国・地方公共団体を中心として実施されることになっている。福島市では、「福島市ふるさと除染実施計画(第2版)」に基づき実施されることとされており、その経費は 終的に東電に求償される。多数者に対する公平かつ適正な賠償の観点から、上記枠組みを通じて除染費用の支払いを受けていただくのが合理的である。

ただし、個別賠償については、具体的な説明があれば、除染作業内容の合理性、仲介委員の意見を踏まえ、検討の余地あり。

購入時期により、必要性・合理性ありを判断する。

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赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000005

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

書籍購入代地方新聞購入代

否認書籍の内容にかかわらず、日常生活の中で通常購入される費用の範囲内にとどまる。

一部認める

平成23年度内に購入した分は認める。平成24年度以降購入分は一定の時間経過し、必要性がみうけられないとの判断からか認めない。※基本は領収書が残っている分のみ認めているが、領収書がない場合でも、書籍の内容及び購入理由を詳しく説明した場合には損害を認めているケースがある。

購入書籍の内容、金額、購入した理由。購入した際の領収書の提出。

講演会・ボランティア等の参加費及び交通費

否認講演会・ボランティア等の参加は、参加者の自発的な判断によるものであり、原発事故との相当因果関係が認められない。

一部認める

平成23年度内に参加した分は認めるが、平成24年度以降については必要性がみうけられないとの判断からか認めない。

医療費一部認める。

通常の健康診断費用など定期的に実施されるものは原発事故との因果関係は認められない。甲状腺のエコー検査費用やホールボディカウンタ検査費用は,必要性、因果関係を認める。ただし、2回目以降の検査費用は再検査の必要性がない限り認めない。

診断書、領収書等の提出。 否認東電の主張を追認していると思われる。

①発病した時期について②医療費の領収書の提出③領収書が残っていない場合は請求金額の算出根拠の説明

不動産価値の下落分

否認

当該不動産を処分する予定がない以上、不動産価値の下落分による損失の有無は、基本的に取得価格を前提に判断すべき。土地の下落率は、土地上の建物老朽化により、土地売却時に建物取り壊し費用を考慮されていると推察。

福島市の地価公示平均価格は、平成20年1月1日から平成23年1月1日までの間において毎年2〜4%程度の下落を続けており、平成23年1月1日から平成24年1月1日までの下落幅は、こうした全体的傾向と軌を一にしており、公示価格の動向をふまえると損害が生じていると認められない。

相当程度の程度の築年数を経た自宅用建物の評価は極めて困難。むしろ価格はゼロと査定され、取り壊し費用等の観点から土地の減価要素となる。

否認

避難区域外の不動産価値下落分については、原子力損害賠償紛争審査会による中間指針で基準が決められていないため、センター独自の判断は放棄し、東電が主張する「不動産の価値減少を確認できる資料の提出がなく、原発事故との間に相当因果関係が認められない。」との考えを追認していると思われる。

その他

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赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000006

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

リフォーム代 否認

リフォームにより建物に修繕を加えられたことそのものが価値として失われているものではなく、原発事故後もリフォーム後の状態で使用できていると思われる。

否認

避難区域外の不動産価値下落分については、原子力損害賠償紛争審査会による中間指針で基準が決められていないため、「建物に修繕を加えられたことそのものが価値として失われているものではなく、原発事故後もリフォーム後の状態で使用することができているので、損害があるとは認められない。」との東電の主張を追認していると思われる。

固定資産税 否認原発事故発生の有無にかかわらず、申立人において負担すべき費用であり、原発事故との間に相当因果関係は認められない。

否認東電の主張を追認していると思われる。

原発事故後に経営破綻した運営会社のゴルフ会員権

否認

従前からの景気低迷による収益悪化と預託金の償還問題を抱えていたところに、東日本大震災の影響で入場者数減少、修繕費用が発生したことが原因であり、原発事故との相当因果関係は認められない。

否認東電の主張を追認していると思われる。

家庭菜園逸失利益

留保出荷して利益を得ていたわけではないので、「逸失利益」という考え方はあてはまらない。

どこで、どの程度の広さで家庭菜園を作っていたのか、生活費の増加費用あったのかの説明希望。

一部認める

家庭菜園を行っていた事実が認められれば、ある程度の金額は認められる

①家庭菜園の面積、見取り図②家庭菜園の作物の種類、収穫量についての説明③家庭菜園の状況がわかる写真(できれば原発事故前と後それぞれの写真)

文書取得費用 否認本申立は、当事者間の合意の下で紛争を解決する手続きであり、一般的には各当事者が負担することが原則である。

否認東電の主張を追認していると思われる。

慰謝料

毎月10万円の上乗せ請求

否認

中間指針追補により規定された下記①・②の支払いで賠償済みである。下記を超える支払いは、多数の被害者に公平かつ適正に賠償を進めていく観点から困難。

①本件事故発生から平成23年12月末までの損害(生活費の増加、避難等に要した交通費)+慰謝料として、妊婦・子どもは1人40万円、それ以外は1人8万円を支払う。

②平成24年1月1日から同年8月31日までの損害(生活費の増加、避難等に要した交通費)+慰謝料として、妊婦・子どもは1人12万円、それ以外は1人4万円を支払う。

否認

多数の被害者に公平かつ適正な賠償を進める観点から、定額賠償を超える分は認めない。なお、センターは平成24年1月1日以降については慰謝料を認めていないと思われる。(推測される理由)平成24年1月1日から平成24年12月末日までの東電の定額賠償金額については、原子力損害賠償紛争審査会による中間指針で基準額が決められたわけではなく、東電が独自に賠償金額を定めているだけ。他方、この分については東電からの相殺充当を認めない。

<備考>平成23年に支払われた定額賠償ついて大人8万の内訳は生活費増額分4万円、慰謝料4万円子ども60万の内20万円(40万円の半分)が慰謝料、残りの40万円(40万円の半額+20万円)は生活費増加分と考えている。子どもに対する支払額が多い理由は子どもには通常同伴者がいるのでそれを考慮して増額したので(?東電のアナウンスとは食い違う)、世帯単位で相殺充当する考え方でよい?

その他

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赤坂野村総合法律事務所弁護士 野村 吉太郎

0000007

大項目 小項目 認否 認否の理由 東電からの譲歩案・回答例より具体的な説明・資料の提出を

求めている事項認否 和解呈示方針

より具体的な説明・資料の提出を求めている事項

損害項目 東電 原子力損害賠償紛争解決センター

平成23年3月から平成23年12月までの営業損害

一部認める。

原発事故前の平成22年度の売上げから売上減少額を損害額の基準とし、売上げの減少に伴って負担を免れたであろう経費(貢献利益率)及び原発事故以外の売上減少要因(ex東日本大震災よる消費マインドの冷え込み)による売上減少率を考慮して算出。

(平成23年3月〜8月まで)平成22年の売上額×貢献利益率×(売上減少率−原発事故以外の要因による売上減少率)

(平成23年9月〜12月まで)平成22年の売上額×貢献利益率×売上減少率

平成24年1月以降の営業損害

留保

収益の減少の状況がわかる資料の提出。①平成24年度分の確定申告の控え②月次の収支の状況が確認できる資料(帳簿など)

就労不能損害

保留就業先から退職勧奨等がなければ、退職と原発事故の間の相当因果関係は認められない。

失業・退職の経緯の説明希望一部認める

・給料等減収分・通勤費増加分・早期退職したために減額となった退職金差額分・新たな勤務先に就業するために転居したことにより生じた追加費用(家財購入費用、賃貸借初期費用等)ただし、上限6ヶ月間のみ(しかも避難以外の事情がある場合のみ?)

①従前の勤務先の名称、住所、経営態様(就業内容)、収入、就労の具体的状況、失業(退職)時期や失業に至った経緯等②現在の勤務先の名称、住所、就業内容、就職時期、収入等、就労の具体的状況③源泉徴収票等、平成22年以降の収入が明らかになる資料

弁護士

費用

保留総括基準と仲介委員の意見をふまえて検討。

認める 東電から支払われる和解額の3%総括基準6により、和解により東電から支払いを受ける金額の3%

営業損害

一部認める

中間指針により規定された下記基準にのっとって算出。売上高等の収益の減少分(H22年度分-H23年度分)から売上原価、販管費等の費用の減少分(H22年度分-H23年度分)を控除した金額

営業に関する収支の状況がわかる資料の提出①税務署の受領印のある確定申告書一式の控え(平成21年分から平成24年分)②月次の収支の状況が確認できる資料(帳簿など)

原発事故と営業損害について具体的な説明とそれを証明できる資料例)客数減少、休業に伴う損害、節電のため営業時間を短縮することになった具体的な経緯、状況説明