【提言案】競争と共創:研究を最適化する評価システムとは ダイジェスト版(宮川剛・藤田保健衛生大学 教授)―サイエンストークス...

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提案1 ポジション・研究費は安定させ、同時に基礎報酬は低く抑えて、 アドオン部分の報酬を競争的にする! 基礎報酬とポジションを安定させる 5年でテニュアが取れる競争システム 能⼒に合わせて複数のトラックを用意 能⼒に合わせて各トラックに多様な職階 www.sciencetalks.org

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提案1 安定と競争のベスト・バランスを追求 ポジション・研究費は安定させ、同時に基礎報酬は低く抑えて、 アドオン部分の報酬を競争的にする!

基礎報酬とポジションを安定させる 5年でテニュアが取れる競争システム

能⼒に合わせて複数のトラックを用意 能⼒に合わせて各トラックに多様な職階

参考 URL(マサチューセッツ工科大学の職位・職階)http://web.mit.edu/policies/5/5.2.html www.sciencetalks.org

提案 2 将来の実績を最もよく予測するのは、過去の実績。 安定した基盤的研究費を設ける場合、研究計画ではなく、 過去の実績による研究者個⼈の能⼒を評価!

研究計画ではなく「人」を評価 計画でなく過去の実績(主に論⽂そのもの)を 評価することによって人を評価するような方向へ!

ハワード・ヒューズ財団のポリシー

新しい申請書と申請システム 過去の実績・論⽂の内容と意義の説明を中⼼に!

研究者を業績でカテゴリー分け • カテゴリー振り分けは過去の実績の評価を主に

o 自動的に生成されるメトリクスレポートが申請書に添付される o これまでの業績の概要・独創性・波及効果などを記載。これが評価の中心に o 業績リスト、メトリクスレポートを参考に 3〜6名程度の評価者が、申請者の主に過去の実績に基づき評価

• メトリクスレポート o 各指標(総引用数、H-index、i10-index など)の値 o 年ごとの指標の値の推移グラフ o 各指標での領域内偏差値

• 研究計画はカテゴリー振り分けには用いない o 配分研究費の多寡の適正性の評価に用いる

カテゴリーのレベルによって研究費を配分 • 研究者をもれなく研究費カテゴリーにふり分け。 • カテゴリーのレベルによって研究費を配分。 • 5年ごとの評価でカテゴリーの上下変動あり。 All or None ではないので 来年も安⼼!

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提案 3-1 今の研究者、研究支援者の評価は一面的すぎる。 各論⽂引⽤数、Altmetrics の数値、Scopus や Google Scholar などでの数値、H-index などの多様な評価指標を設け評価を可視化!

支援的共同研究にも評価指標の導入を! しかし・・・ 支援的共同研究では 研究費も取れないし、 人事ポストを得るのは 不可能! 評価指標の多様性が重要!

多様な指標を導入しよう � 各論⽂引⽤数、Altmetrics の数値 � 全論⽂の各年毎の総引⽤数の推移、過去の総引⽤数 � Scopus や Google Scholar などでの数値 � H-index、i10-index など � 学位取得後年数、PI ポジション獲得後の年数などの層別で、各指標の値の平均値・中央値、ヒストグラムなども参考資料として添付。 � (将来的には著者数、貢献率、⼤学院修了後の年数などを加味し補正) 例えば・・・PubMed Comments も評価 評価者の評価もしよう!

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提案 3-2 全員がトップリサーチャーを目指す必要はない。 テニュアのポジションの多様化(RA、科学コミュニケーター、 技術員など)を進めるべき! PI候補でない⼈も適切に評価!

多様な指標は、 PI 候補でない人 (RA, 科学コミュニケーター, 技術員などの研究支援者, etc.) の評価にも必須

PI 以外を目指す人の評価には多様な指標が必須

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