多形滲出性紅斑(ショート)
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実録!プライマリ皮膚科 Vol.5
(ショートバージョン)
本日のお題は・・・
多形滲出性紅斑について
よく出会うシリーズ
多形滲出性紅斑ってよく聞くけど・・・ナニ?
友台叁叭友
献立
一,多形滲出性紅斑とは
何ぞかを知る!
二,多形滲出性紅斑の
鑑別疾患を知る
多形滲出性紅斑とは
[定義]
ウイルスや薬物などに対する免疫
アレルギー反応によって生じた特徴
的な臨床像、組織像を呈する1つの
症候群と考えられている。
臨床症状
一般的に、皮疹は2~3日かけて 悪化し、2~3週間で消退する。 ほとんどの場合、前駆症状を伴わない。 軽い上気道炎症状を呈していることも・・・
原因は?
正確な病因は不明なことが多い!! ① 感染による -単純ヘルペス、マイコプラズマ、B型肝炎ウイルス、 C型肝炎ウイルス、サイトメガロウイルス、 溶血性連鎖球菌、非定型抗酸菌…etc ②薬剤 ③食物 ④悪性腫瘍など
分類
① Erythema multiforme minor ② Erythema multiforme major
に分けられるのだ。
Erythema multiforme minor
80%の症例がこの型に分類される。
病変は暗紅色、扁平でやや隆起した斑状丘疹状
紅斑であり、一部はこのままでとどまるが、一部は
拡大し48時間以内に径1~3cmとなることがある。
特徴 末端部の四肢伸側(手背、足背、肘、膝)や顔面
に好発し、次第に体幹へと増数していくことが多い。
典型的な症例では、標的状病変(target lesion)が
見られる。多くは、3cm以下の環状で、3つのゾーン
を持っている。
中央部・・・暗赤色または紫斑を伴う 外側・・・浮腫によってやや白く見える。 さらに外側・・・境界明瞭な紅斑が取り囲む
自然経過・症状
2~3日間続けて出現し、1~2週間で消退する。 しばしばくすんだ色素沈着を残す。 多くは自覚症状を欠くが、時に痒みを伴うことがある。 中央に水疱を伴ったり、辺縁に小水疱を伴うこともある。 ⇒水疱を形成する場合、口腔粘膜病変を高頻度に認める。
色素沈着
Erythema multiforme major
Minor症状以外に、口唇・口腔粘膜病変、
眼病変、陰部・尿道粘膜病変などの
粘膜病変を呈するもの。
代表例:Stevens-Johnson Syndrome TEN(表皮壊死が強い場合)
自然経過・症状
ほとんどが突然に発症する。 発疹が出現する1~13日前に 前駆症状を認めることもある。 様々な臓器障害を認める。