プラトン

44
プラトン イデア、エロティシズム、そしてプラトニックラブとはなにか

Upload: hiromu-yakura

Post on 20-Jul-2015

439 views

Category:

Education


1 download

TRANSCRIPT

Page 1: プラトン

プラトンイデア、エロティシズム、そしてプラトニックラブとはなにか

Page 2: プラトン

Platon (427B.C. - 347B.C. )

プラトンは、古代ギリシアの哲学者である。ソクラテスの弟子にして、アリストテレスの師に当たる。

プラトンの思想は西洋哲学の主要な源流であり、哲学者ホワイトヘッドは「西洋哲学の歴史とはプラトンへの膨大な注釈である」という趣旨のことを述べた。『ソクラテスの弁明』や『国家』等の著作で知られる。現存する著作の大半は対話篇という形式を取っており、一部の例外を除けば、プラトンの師であるソクラテスを主要な語り手とする。

Page 3: プラトン

忙しい人のためのプラトンの半生

Page 4: プラトン

生まれる (427B.C.)

•両親とも貴族

•本名: アリストクレス

•「プラトン」というあだ名は

「肩幅が広い」という意味

Page 5: プラトン

ソクラテスに師事 (407B.C.)

•それ以前にヘラクレイトスから

自然哲学を学んでいたらしい

(アリストテレス談)

•当時20歳のプラトンが

41歳年上のソクラテスに

付いて行った

Page 6: プラトン

ソクラテス処刑 (399B.C.)

•これで政治から離れることに

(当時28歳)

•しばらく地中海諸国を旅する

•この時に「ソクラテスの弁明」

などを著作

Page 7: プラトン

アカデメイア設立 (386B.C)

•アテネに戻り

世界初の大学を設立 (当時41歳)

•これ以降、20年ほどアテネで

「パイドン」などを著作

Page 8: プラトン

プラトニズムとは

Page 9: プラトン

時代背景

•ペロポネソス戦争に負け、アテネでは恐怖政治が行われていた時代

•詭弁論などで相手を説得するソフィストがもてはやされた

•「社会的なゲーム(=成功ゲーム)と生活の中でのモラルゲームは、こういった状況の中で人々の『善し悪し』を反転させ、(中略)生きることが欺瞞と虚偽に満ちたものだという意識を人々に強いる」

Page 10: プラトン

ソクラテス=プラトン思想の誕生

•「この危機を克服するには、もう一度人間的な『価値』の意味と根拠を確認しなおすほかはない」

•「魂への配慮」が重要だ!!

Page 11: プラトン

ソクラテス=プラトン思想の誕生

•「この危機を克服するには、もう一度人間的な『価値』の意味と根拠を確認しなおすほかはない」

•「魂への配慮」が重要だ!!

別に死んでもええで

Page 12: プラトン

ソクラテス=プラトン思想の誕生

•「この危機を克服するには、もう一度人間的な『価値』の意味と根拠を確認しなおすほかはない」

•「魂への配慮」が重要だ!!

善き魂は実現できるから

Page 13: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

師匠死んでもうた...それにしても

Page 14: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

なぜあの人はあんなに楽しそうに死ねるのだろう

Page 15: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

Page 16: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

肉体

Page 17: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

肉体

魂 真実在

Page 18: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

•「ただしく知を求める人は、まさしく死ぬことを練習している」

Page 19: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

•「ただしく知を求める人は、まさしく死ぬことを練習している」

•不純な肉体によって、純粋な魂を損なっているのでできるだけ早く肉体から抜け出なければならない

Page 20: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

•「ただしく知を求める人は、まさしく死ぬことを練習している」

•不純な肉体によって、純粋な魂を損なっているのでできるだけ早く肉体から抜け出なければならない

ニーチェ (1844-1900)

「死を克服する思想」だ

Page 21: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

•「ただしく知を求める人は、まさしく死ぬことを練習している」

•不純な肉体によって、純粋な魂を損なっているのでできるだけ早く肉体から抜け出なければならない

ニーチェ (1844-1900)

ある信念のためには死んでもいい↓

Page 22: プラトン

「“傾倒”したプラトニズム」

•「人間は『真実在』を感覚によって捉えることができない。感覚は相対的であり、またいわば肉体的な欲望にけがされているからだ。」

•「死」は「魂の、肉体からの解放と分離」

•「ただしく知を求める人は、まさしく死ぬことを練習している」

•不純な肉体によって、純粋な魂を損なっているのでできるだけ早く肉体から抜け出なければならない

ニーチェ (1844-1900)

ある信念のためには死んでもいい↓

自分の死の覚悟をもとに 「正しい信念のためには    他人を殺してもよい」

Page 23: プラトン

イデアとは

Page 24: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

Page 25: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

Page 26: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

手書きの三角形でも三角形って認識できる

Page 27: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

手書きの三角形でも三角形って認識できる

三角形のイデアによる

Page 28: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

•美しいものには、「美」たらしめる「美の本質」がある

Page 29: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

•美しいものには、「美」たらしめる「美の本質」がある

Page 30: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

•美しいものには、「美」たらしめる「美の本質」がある

美しい物

美のイデア

Page 31: プラトン

イデアとはなにか

•真実在 = イデア

•美しいものには、「美」たらしめる「美の本質」がある

•イデアは、事物が「何であるか」という「真理性の根拠」でもあり、

事物が「認識される」という「認識根拠」である

•そして、「存在根拠」でもある

Page 32: プラトン

善のイデアとは

•すべてのイデアの最高位置に「善のイデア」がある

•「善いものを求める」人間の魂の本性がすべての物を存在させている

•つまり「善のイデア」が「根源的存在」であり

「ほんとう」を求めるへの欲望のゴールである

Page 33: プラトン

エロティシズムとプラトニズム

Page 34: プラトン

「美のイデア」と「恋」

•「恋」の根拠は「ほんとうのもの」を求める人間の欲望である

•人間は、「恋」によって「美のイデア」を求め

その先にある「善のイデア」、ひいては「ほんとう」を求める

•「自分に欠けている美」を求めることで「超越性」を生み出す

Page 35: プラトン

「エロティシズム」と「プラトニックラブ」

•「肉体」の美しさを追い求める = 「エロティシズム」

•結果としての「出産」肉体

Page 36: プラトン

「エロティシズム」と「プラトニックラブ」

•「肉体」の美しさを追い求める = 「エロティシズム」

•結果としての「出産」

•「魂」の美しさを追い求める = 「プラトニックラブ」

•結果としての「深い『知識』の出産」

肉体

Page 37: プラトン

「エロティシズム」 vs. 「プラトニックラブ」

•エロティシズムはプラトニックラブに反するものではない

•エロティシズムの上位にあるのがプラトニックラブ

Page 38: プラトン

「エロティシズム」 vs. 「プラトニックラブ」

•エロティシズムはプラトニックラブに反するものではない

•エロティシズムの上位にあるのがプラトニックラブ

•魂の純粋性 = 「プラトニズム」

•少年愛

Page 39: プラトン

「エロティシズム」 vs. 「プラトニックラブ」

•なぜエロティシズムはプラトニックラブに反するものと考えられたか

Page 40: プラトン

「エロティシズム」 vs. 「プラトニックラブ」

•なぜエロティシズムはプラトニックラブに反するものと考えられたか

•キリスト教的貞操感

•「エロティシズム」的感情と「プラトニックラブ」的感情の葛藤

•恋人の双方が「プラトニズム」な合意に至ると

「エロティシズム」は打ち消される

Page 41: プラトン

最後に

Page 42: プラトン

まとめ

•「プラトニックラブ」は「エロティシズム」を排斥した純愛ではない

•「プラトニックラブ」は「エロティシズム」の上位である

•純愛に辿り着けば、自ずから「エロティシズム」は消滅する

Page 43: プラトン

まとめ

•「プラトニックラブ」は「エロティシズム」を排斥した純愛ではない

•「プラトニックラブ」は「エロティシズム」の上位である

•純愛に辿り着けば、自ずから「エロティシズム」は消滅する

•「プラトニックラブ」は「美のイデア」を追い求める究極の形態である

•そして、その根源には「ほんとう」を追い求める人間の欲望がある

Page 44: プラトン

感想

•あんまりしっくりきていない部分もある

•「プラトニックラブ」と「エロティシズム」の対立を生み出したのは

「霊肉二元論」

•「霊肉二元論」はソクラテス=プラトンに端を発する

•ニーチェのプラトン批判がしっくりくる部分もあった