道路上での状況認知と判断道路上での状況認知と判断

〜道路横断時の特徴〜〜道路横断時の特徴〜

鳴門教育大学生活・健康系（保健体育）教育講座

松井　敦典

鳴門市交通対策協議会交通事故原因調査部会設立委員会

平成 13 年 4 月 25 日

年齢層別死者数とその中の歩行者数ÅiïΩê¨8îNìxåxé@í°éëóøÅjÅiïΩê¨8îNìxåxé@í°éëóøÅj

全交通事故死者数に占める高齢者の割合

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課題

高齢者の歩行中の事故発生件数が多い高齢者の歩行中の事故発生件数が多いのはなぜか？のはなぜか？

高齢者の交通行動における運動特性高齢者の交通行動における運動特性は？は？

特に道路横断時のふるまいに問題はな特に道路横断時のふるまいに問題はないか？いか？

道路横断実験

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5m5m

10m10m

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10m10m

10m10m

10m10m

10m10m

10m10m

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被験者îÌå±é“ñºîÌå±é“ñº îNóÓîNóÓ

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îÌå±é“îÌå±é“HH 2121

îÌå±é“îÌå±é“MM 3737

分析項目

1.1. 反応時間反応時間

2.2. 横断可否の判断横断可否の判断

3.3. 衝突件数衝突件数

平均反応時間

0

1

2

3

4

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右試行 左試行

迷反応モデル

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迷反応時間

右試行 左試行

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判断結果と理論限界直線

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(m)

2 0

3 0

4 0

5 0

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0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0

ìn Ç¡ ÇΩ ìn ÇÁ Ç» Ç© Ç¡ ÇΩ óù ò_ å¿ äE

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心理限界心理限界

0

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4 0

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右試行 左試行

道路横断可否の判断についての個人分析

道路横断可否の判断の傾向

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道路横断可否の判断の傾向

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2 0

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衝突件数右試行と左試行の比較

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è’ìÀåèêîè’ìÀåèêî 11 4141

î€è’ìÀåèêîî€è’ìÀåèêî 287287 247247

右試行と左試行の衝突件数の比較

ê¬îNåQ çÇóÓé“åQâEééçs ç∂ééçs

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î€è’ìÀåèêî 143 119

p < 0.001

心理限界直線の傾きが意味すること

距離

速度遅い 速い

渡る 渡らない

遠い

近い

傾きが大きい場合

心理限界直線の傾きが意味すること

距離

速度遅い 速い

渡る遠い

近い

傾きが小さい場合

渡らない

高齢者群と青年群の心理限界の違い

距離

速度

青年群青年群

高齢者群高齢者群

朝日新聞徳島地方版平成 13 年 4 月７日

目測との速度差

お年寄りが体験

「目で見る速度は

　あてにならん」

高齢者の事故高齢者の事故に関する記事に関する記事

記事内容１

高齢者は、自らの「意識と行動のズ高齢者は、自らの「意識と行動のズレ」に気がついていないために事故レ」に気がついていないために事故に遭ってしまうに遭ってしまう

自らの運動機能の衰えに気づかない、自らの運動機能の衰えに気づかない、気づきたくない、いつまでも若くあ気づきたくない、いつまでも若くありたいという思いが、意識と行動のりたいという思いが、意識と行動のミスマッチを起こすミスマッチを起こす

鈴木春男：千葉大学文学部行動科学科鈴木春男：千葉大学文学部行動科学科

記事内容 2

車の接近速度を読み誤ってしまう、車の接近速度を読み誤ってしまう、「速度認知機能の低下」があるので「速度認知機能の低下」があるのではないかはないか

接近速度の弁別能力は、加齢によっ接近速度の弁別能力は、加齢によって必ず衰えるものではないが、個人て必ず衰えるものではないが、個人差はかなり広がると考えられる差はかなり広がると考えられる

水戸部一孝：秋田大学工学資源学部電子工学科水戸部一孝：秋田大学工学資源学部電子工学科

運動状態を現わす３つの次元運動状態を現わす３つの次元

変位変位 速度速度 加速度加速度

位置位置

場所場所

動き動き

フォームフォーム

力感覚力感覚

筋感覚筋感覚

意志意志

目の機能目の機能

計算 計算

運動の本質運動の本質

自動車の運動状態を感知する手がかり

変位変位 速度速度 加速度加速度

目視目視走行音走行音

走行音源の走行音源の移動移動

エンジン音エンジン音速度表示灯速度表示灯

走行音の走行音の変化変化

エンジン音エンジン音の変化の変化挙動挙動

ドライバーのドライバーの挙動挙動

事故を防止するために (1)

◆自分の運動状態をアピールすることが必要

存在を知らせる

運動状態の変化を知らせる •ブレーキランプ

•バックランプ

•ライト・オン

•パッシング

•ホーン

•目立つ色

•反射板

とにかく何かを知らせる •ハザードランプ

事故を防止するために (2)

◆自分の意志をアピールすることが重要

•各種ランプの活用

•車の動き

•人の動き・ハンドシグナル

•身ぶり・手ぶり

•アイ・コンタクト

事故を防止するために (3)

◆身体特性や運動性能など、自らの特徴を自覚する

•視力・視野

•聴力

•注意力

•反応時間

•判断の適性さ

•体力

•疲労度

•運転技術

•集中力

•性格

•行動に関する総合力

安全で豊かな交通文化を築くために

◆交通に参加し、場を皆で共有する意識を持つ

•思いやり

•連帯感

•向上心

•道徳観

•生きざま

交通：様々な身体特性・運

動性能・性格・モティベー

ション・意識レベル・集中

度・価値観・道徳観を持っ

た人々が共存する場

終