「夏の知的生産とブログ祭り」スライド
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堀 正岳( @mehori )
あなたは、なにを作り出すのか?
断片から作品をつくりだすための「考える道具」たち
断片particle
遠い昔のはなし
時に、西暦 1986 年
頭のなかの物語に収拾がつかなくて作ったノート「こんなものが書きたい」と現実とのギャップから、書きたいことだけが項目番号順にかかれる
あとで関連した発想があったら番号でリンクする
ノートは世界だった
国立研究開発法人 海洋研究開発機構 北極域研究推進プロジェクト ArCS 研究員研究テーマ:北極における温暖化と中緯度との関係
ブログ: Lifehacking.jp / ライフ × メモ堀 正岳 ( @mehori )
Atlantic
Eurasia
Bering
Atlantic2
Atlantic Eurasia Bering Atlantic2
Arctic
Strong Weak
普段はこういう仕事をしています
知的生産は技術 × センス梅棹先生の時代から何がかわった?1. 情報量と検索性2. アウトプット先としてのネット
必然的に、知的生産はセンスの深掘りの時代に
知的生産の3極モデル
今日のおはなし
1. 頭を空にするツールについて2. 構造を意識してアウトプットする3. 自分を深掘りする
ツールの話もたくさんあるのですが、?
その機能が指し示す先にご注目ください
頭を空にして、アイデアでいっぱいにするでも、頭を空にするのは意外に難しい
よいフィルターをつくる 情報を蓄積する仕組みをつくる+
Reeder3
超高速 RSS リーダーなのですが、実は最強なのはむしろ…
Reeder3
情報網を編集して、自分だけの信頼できるソースを維持する
タグでの整理機能だったりします。ここに、何年もかけてフィルターを作る。 ?
情報を分流させておく場所でもここにも+ α の秘密が
よいフィルターは、よく整理された書斎のようによい情報が浮上する
Pocket のフォローとおすすめがとても強力誰をフォローすればよい情報が届く?
?
すべての情報はフィルターで考えること“It’s not information overload. It’s filter failure”
Clay Shirky @ Web2.0 Expo 2008
ツイッターで誰をフォローする? この分野で調べ事をするのにどこへいく?
Evernote
フィルターの行き先は、よい貯蔵庫
思い出せない記憶には意味がないEvernote は私たちの頭のパートナーである程度にしか有用ではない
Evernote の力はノートの数ではない!
ノートリンクや、ノートブック、タグの宇宙が頭脳を補完してくれる ?
知識の総体をそこに何年もかけてつくる作業
発想を紡ぐには頭を空にする
EDiT ノート
横長ドット方眼が日本語向きの発想メモパッドなぜか使いやすい。はかどる。
モレスキン
大量にメモを取る。量こそは力
情報カード
1つのカードには一つの話題を書く
情報カードで考える
書き出すことが考えることに等しい
?
どのような単位で、何に思考を書き出すかツールはどうだってよく、親和性の高いものに効率よく思考を投じられるか何年もかけて蓄積することでログの力を引き出せるか
断片particle
相互作用の最小単位:素粒子
アウトプットの構造を意識する
僕の隠れた趣味文字数を数えること
創元 SF文庫43x18 = 774文字
J.P.ホーガン「星を継ぐ者」
岩波文庫(海外文学)39 x 15 = 585文字
アラン・フルニエ「グラン・モーヌ」
ちくま文庫38 x 17 = 646文字
内田百閒「柳検校の小閑」
イメージしている作品を数字で分解1部 2 部 3 部
1章:寄宿生 p.9-192章:四時の後で p.20-243章:僕はある籠屋の… p.25-314章:脱走 p.32-375章:馬車、戻ってくる p.38-436章:窓ガラスを叩く音 p.44-527章:絹のチョッキ p.53-628章:冒険 p.63-689章:休息 p.69-74 :
1章:2章:3章:4章:5章:6章:7章:8章:9章: :
1章:2章:3章:4章:5章:6章:7章:8章:9章: :
目的としている作品を数字で分解
1部2 部 3 部
構造を把握して、アイデアを実装する
5万字も、 20万字も、構造を 400-500字にわけて考えられる
科学論文も構造で考える
OmniOutliner
OSX / iOS 上のアウトライナーの老舗
OmniOutliner は実はExcel クローン複数列にチェックリストなどを配置できるアウトラインにみせかけて、アプリっぽいものも作れるリアルタイムに使い、何度も書き換えるものには向いていない
Ulysses
Markdownエディタの新星。下書き専用
Ulysses の良さは下書きのスピード感
若干のアウトラインと、統合化はできるファイルの概念がない
Scrivener
著作の統合環境の最高峰
Scrivener で最初に注目するのはその高機能さ
アウトライン・コルクボード・資料整理
Scrivener で最初に注目するのはその高機能さ
Scrivener は作品作りの場所
段落単位まで分割して執筆し、あとでコンパイル最近 iOS 版ができたので、作業分割も可能
登場人物・場所にキーワードを当てて管理シートに一つ一つシノプシスをつけられる
Scrivener の真価は実は執筆の思考を全部保存できる点
作業状態の管理?
これで全部?
いいえ
発想術の通りに発想しツールの機能のままに書いても
どうしても抜け落ちてしまうものがある
自分を深掘りする
キャプチャしたと思ったものは、たいてい残像にすぎない
玉石混交というのは、磨き方の違い
もやもやとした発想から作品まで一度アウトプットしただけでは、全容がつかめないことが多い
War of Art
本当に行きたい場所に対するすべての心理的抵抗 = Resistance
Go the extra mile.
「もう一歩先」を刻むたびに、キャプチャの解像度が上がる。自分を深掘りできる
知的生産の3極モデル
自分にしかないインプットと、それを実現する道具の使い方
いまの自分過去の自分他者の思考意味のない情報
このノートに書かれていることをもう一度、何度でも探しにゆく
書かれたものとの相互作用で新しい粒子を生み出してゆく
断片を育てよう