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マーケティングレポート 2019
5G/通信と電子回路基板
JPCA ビジネスチャンス創出委員会
リサーチ＆マーケティングWG
日本メクトロン株式会社 細谷 秀喜
メルテックス株式会社 川島 敏
富士通インターコネクトテクノロジーズ株式会社 杉本 薫
太陽インキ製造株式会社 山本 秀夫
Introduction
当工業会会長の掲げる Vision 2020 を市場面から支援する目的で3年前から毎年有望な市場分野を取り上げ調査しました。11月の勉強会で会員向けに成果を発表し会員専用サイトに資料を公開しています。
• 2016年 車載向け基板の動向• 2017年 医療向け基板の動向• 2018年 ロボット向け基板の動向
★ ５G向けにサーバー・ルーターなどの通信インフラの市場とグローバル競争について★ ５G向けの基板の市場変化と基板に求められる仕様や技術などを知りたい★ 低誘電など５G向けの基板材料の技術動向、市場動向について知りたい
今年2月に工業会の会員企業に取り上げて欲しいテーマを募集したところ、5Gが一番関心の高いテーマでした。
今年度のリサーチ市場の選定にあたって
機器での基板使用例ヒヤリング
以下の団体、会社のヒヤリングを実施しました。
・ARIB 一般社団法人 電波産業会 5GMF事務局
・一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会
・沖プリンテッドサーキット株式会社
・富士通株式会社
・富士通インターコネクトテクノロジーズ株式会社
・株式会社富士キメラ総研
移動通信システムの進化
出展：総務省 ２０２０年の５Ｇ実現に向けた取組
５Gで100万倍
通信ネットワーク
出展：https://www.nttdocomo.co.jp/area/network/?icid=CRP_AREA_to_CRP_AREA_network
情報通信ネットワーク産業協会（CIAJ）統計資料による国内市場規模
2017年の国内需要実績、2018年と2023年の需要予測を以下のように発表しています。
分類 需要総額/2017 需要予測/2018 需要予測/2023
国内通信機器需要総額 3兆6,378億円前年度比2.9％増
3兆5,189億円2017年度比3.3％減
3兆8,213億円2017年度比5.0％増
国内金額 3兆1,997億円前年度比2.4％増
3兆0,971億円2017年度比3.2％減
3兆3,981億円2017年度比6.2％増
輸出金額 4,381億円前年度比6.7％増
4,218億円2017年度比3.7％減
4,232億円2017年度比3.4％減
出展：CIAJ 通信機器注記需要予測 [018-2023年度]資料を基に作成
情報通信ネットワーク産業協会（CIAJ）統計資料による国内市場規模
□ 2017年の国内需要実績、2018年と2023年の需要予測を以下のように発表しています。
分類 需要総額/2017 需要予測/2018 需要予測/2023
コンシューマ関連機器 2兆1,127億円前年度比1.6％増
2兆0,665億円2017年度比2.2％減
2兆2,574億円2017年度比6.9％増
ビジネス関連機器 5,397億円前年度比2.3％増
5,037億円2017年度比6.7％減
4,764億円2017年度比11.7％減
インフラ関連機器 5,261億円前年度比19.7％減
4,813億円2017年度比8.5％減
6,215億円2017年度比18.1％増
インターネット関連機器 2,850億円前年度比2.0％減
2,897億円2017年度比1.6％増
3,009億円2017年度比5.6％増
その他の機種/部品 1,743億円前年度比2.8％増
1,777億円2017年度比1.9％増
1,651億円2017年度比5.3％減
出展：CIA出展：CIAJ 通信機器注記需要予測 [018-2023年度]資料を基に作成
分類 該当品目
コンシューマ関連機器モバイル通信端末：スマートフォン、フィーチャーフォン、モバイルWi-Fiルーター、M2Mモジュール、コードレスホン・パーソナルファクシミリ、パーソナルファクシミリ複合機
ビジネス関連機器 ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンビジネスファクシミリ
インフラ関連機器 地上系固定通信装置、衛星系固定通信装置、局用交換機、デジタル伝送装置、基地局通信装置
インターネット関連機器 キャリア向けLANスイッチ、企業向けLANスイッチ、ルーター、光アクセス機器
情報通信ネットワーク産業協会（CIAJ）統計資料による市場規模
□ 2016年の需要実績から生産・出荷フローを発表しています。
世界市場 37兆4695億円
日本市場 1兆3827億円
世界シェア 3.7%
公衆回線付きモバイル通信端末
生産：国内1501億円
生産：海外1兆2316億円
出荷：海外8173億円
出荷：日本4158億円
出荷：海外15億円
出荷：日本1486億円
海外メーカ生産 36兆0878億円
日系
メー
カ
輸入：日本8170億円
出展：CIAJ 通信機器注記需要予測 [018-2023年度]資料を基に作成
スマートフォン、フィーチャーフォン、モバイルWi-Fiノレータ一、M2Mモジュール
スマホのメイン基板動向 二階建基板の採用
スマホメイン基板動向 5Gヘ向けて高密度化
□ インターポーザを挟んで通信と演算を分離した二階建基板が採用されています。
・相互干渉、電源ドロップ防止・性能維持しやすい・省面積
通信基板
インターポーザ
演算基板
・8～10層・mSAP
スマホのメイン基板動向 二階建基板の採用
スマホメイン基板動向 5Gヘ向けて高密度化
通信基板
インターポーザ
演算基板
□ インターポーザを挟んで通信と演算を分離した二階建基板が採用されています。
・8～10層・mSAP
５Ｇスマホの出荷台数と生産金額
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
3G/4G対応機 5G対応機
出荷
台数
/千台
出典：富士キメラ総研「2018 ５G/高速・大容量通信を実現するコアテクノロジーの将来展望」資料を基に作成
2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
出荷数量/百万台 1,412 1,400 1,410 1,440 1,470 1,500 1,520
出荷金額/10億円 38,091 37,659 37,726 37,996 38,146 39,096 39,276
スマートフォン全体
2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
出荷数量/百万台 50 190 246 310 400
出荷金額/10億円 3,500 12,540 16,000 19,840 25,200
5G基板想定市場＊ 70 251 320 397 504
5G対応機
2023年には5千億円の回路基板市場が見込まれる
＊基板コスト占有率２％想定
情報通信ネットワーク産業協会（CIAJ）統計資料による国内市場規模
□ 2015年の需要実績から生産・出荷フローを発表しています。
世界市場 5兆7602億円
日本市場 3822億円
世界シェア 6.6%
携帯基地局
生産：国内1396億円
生産：海外-
出荷：海外-
出荷：日本-
出荷：海外-
出荷：日本1396億円
海外メーカ生産 5兆6206億円
日系
メー
カ
輸入：日本2426億円
出展：CIAJ 通信機器注記需要予測 [018-2023年度]資料を基に作成
出展：総務省総合通信基盤局 第５世代移動通信システム（５Ｇ）の導入のための特定基地局の開設計画の認定（概要）
日本の５Ｇ特定基地局の開設計画
約9万局
基地局動向 マクロセル
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
基地局台数動向マクロセル
3G/4G対応製品 5G Sub 6 5G ミリ波
2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
3G/4G対応製品 2,743 2,250 1,904 1,582 1,286 1,018 774 551
5G Sub 6 788 1,500 1,904 2,712 2,358 1,832 1,547 1,286
5G ミリ波 0 0 71 181 322 814 1,547 2,389
合計 3,531 3,750 3,879 4,475 3,965 3,665 3,868 4,226
5G基板市場想定＊ 16 30 40 58 54 53 62 74
市場規模/10億円
出典：富士キメラ総研「2018 ５G/高速・大容量通信を実現するコアテクノロジーの将来展望」資料を基に作成
５G電波の種類は・3.7GHz帯：Sub 6・4.5GHz帯：Sub 6・28GHz帯：ミリ波
Sub 6は既存技術の延長で対応できる。
ミリ波には高周波技術が必要。
出荷
台数
/千台
＊基板コスト占有率２％想定
基地局動向 スモールセル
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
基地局台数動向スモールセル
3G/4G対応製品 5G Sub 6 5G ミリ波
2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
3G/4G対応製品 1,323 1,640 1,750 2,040 1,837 1,147 803 630
5G Sub 6 0 0 175 340 668 983 1,285 1,574
5G ミリ波 0 0 175 680 2,004 3,278 4,818 7,083
合計 1,323 1,640 2,100 3,060 4,509 5,408 6,906 9,287
5G基板想定市場＊ 0 0 ７ 20 53 85 122 173
市場規模/10億円
出典：富士キメラ総研「2018 ５G/高速・大容量通信を実現するコアテクノロジーの将来展望」資料を基に作成
ミリ波は到達距離が短い特徴があり、スモールセル基地局が多く必要。
スモールセル基地局は、1 局当たりのカバーエリアが狭い。ここでは、・出力10W 以下・カバーエリア300m 以下と定義。
出荷
台数
/千台
＊基板コスト占有率２％想定
携帯基地局の構成
出典：https://japan.zdnet.com/article/35134297/
通信インフラで使用する基板：高多層リジッド基板
□ ハイエンドサーバー、ルーター等には18層以上の高多層リジッド基板が使われている。
□アジアで製造された高多層リジッド基板が欧米で使われるという傾向が見える。
用途 生産量*3
サーバー 440
ルーター・スイッチ 420
基地局 70
検査/製造装置 60
そのほか 80
合計 1,070
2018年 用途別生産量/千m2
出典：富士キメラ総研「５G/高速・大容量通信を実現するコアテクノロジーの将来展望」「2019 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」
資料を基に作成
生産と最終消費/千m2
サーバの生産国の例・Ericsson 中国：南京、エストニア：タリン、
メキシコ、EMSで米Jabil・Huawei 中国：深圳・Nokia 中国：杭州、フィンランド：オウル・Samsung 韓国：亀尾
生産国 実績*3 消費国 見込*２
日本 150 日本 60
韓国 60 韓国
台湾 140 台湾
中国 540 中国 190
他アジア 他アジア 40
欧米 180北米 390
欧州 205
合計 1,070 合計 885注：合計の相違は調査時期が異なることに起因する
高多層リジッド基板の市場予測
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
出荷
数量
/1000㎡
2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
出荷数量/1000㎡ 1,070 1,110 1,200 1,290 1,350 1,410 1,460 1,500
出荷金額/百万円 165,700 174,800 187,700 203,700 217,800 231,900 247,500 262,200
単位価格/千円/㎡ 155 157 156 158 161 164 170 175
価格変動率 100.0% 101.7% 99.3% 101.0% 102.2% 101.9% 103.1% 103.1%
出典：富士キメラ総研 「2019 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」資料を基に作成
・サーバ、ルータ、基地局の需要増に伴って年平均成長率4.9％で堅調に成長。
・2021年以降、5Gミリ波用高周波基板の増加に伴い基板単価が年2-3％上昇と予測。
５Gによる新しい市場の可能性
画像センサー
ドローン
５G対応端末
VR端末
出展：総務省 ２０２０年の５Ｇ実現に向けた取組
５Gによる新しい市場の可能性
各種センサー
ドローン
産業用M2M通信
モジュール2018 2億台
↓2024 4億台
出展：総務省 ２０２０年の５Ｇ実現に向けた取組
５Gによる新しい市場の可能性
センサー
ドローン
産業用M2M通信
モジュール2018 2億台
↓2024 4億台
出展：総務省 ２０２０年の５Ｇ実現に向けた取組
まとめ
2020～2025年
・５G通信インフラの整備基地局、サーバ、ルータへの投資が先行。
日系セットメーカーもある程度強い
・５G携帯端末の販売開始
回路基板市場は5千億円と圧倒的だが海外セットメーカーが中心
・５Gを応用した新しいアプリケーションの探索スポーツ・エンタテイメント/医療/高度モビリティ社会
農林水産業/建設業/防災・減災