2020年（令和2年）3月7日（土）　特集 （1）長 野 建 設 新 聞（昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

　２月４日に県庁講堂で行われた表彰式には、太田寛副知事をは

じめ長谷川朋弘建設部長など発注部局の幹部職員、外部評価委員

など多数が出席し、受賞者の功績をたたえた。

　太田副知事は受賞者に対し、日々の研さんに敬意を表した上で

「昨年の台風19号で皆さま方には昼夜を問わずご尽力いただいた。

全国的にも頻発する大きな災害は、気候変動が要因と言われてい

る。県では昨年12月、都道府県レベルでは全国で初めて『気候非

常事態宣言』を行った。気候変動対策として、災害に強いまちづ

くりに力を入れていく。皆さま方には引き続き若手技術者の育成

に尽力していただき、県民の安心・安全の確保に努めてほしい」

と一層の活躍を期待した。

県民の安全安心に多大な貢献

長野県優良技術者表彰特集2019年度

祝辞を述べる太田副知事　

　県の2019年度優良技術者表彰で、建設工事部門47社71人、委託業務部門14社20人が受

賞の栄誉に浴した。18年度に完成した工事、業務に携わった技術者の中から選りすぐら

れたもので、いずれもたゆまぬ努力により培われた高い技術力や優れた管理、意欲的な

創意工夫の取り組みにより、高品質の成果を収めた。また、地域の特異性を考慮し的確

な対応を見せるとともに、地域住民との調整にも尽力。公共事業に対する理解を深める

ことにも寄与した。さまざまな困難や制約を克服しながら、極めて優秀な社会資本の整

備に貢献した受賞者の功績をたたえ、他の模範として広く周知するため特集する。

（２面へ）

意欲的な創意工夫 高い技術は他の模範

表彰式は２月４日に県庁講堂で執り行われた

特集 （2）　2020年（令和2年）3月7日（土） 長 野 建 設 新 聞 （昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

2019年度長野県優良技術者表彰特集

　受賞者を代表して謝

辞に立ったフクザワ

コーポレーション（飯

山市）の足立進氏は「私

どもは建設業に携わる

者として、品質に優れ

たものを安全、かつ適

正価格で提供すること

を常に考え、技術研さ

んに励み、安全優先で

（１面より）

松岡保正評価委員長が評価概要を報告　　　

使命感と熱意で困難や制約克服

努力を重ねてまいりました。台風19号は各地域

に甚大な被害をもたらしました。復旧に携わる

中で公共事業の役割は重要であることを改めて

認識いたしました。本日の受賞を励みに、これ

からも防災・減災にまい進していきます」と決

意を述べた。

　また表彰式後、各部門の代表１人が技術発表

を実施。受賞案件での取り組みを紹介した。発

表したのは松本土建（松本市）の小口喜章氏、

アンドー（同市）の平林康成氏、小宮山土木（立

審査経過を報告する長谷川朋弘建設部長

受賞者を代表して謝辞を述べる足立氏　　　

科町）の小宮山弘子氏、ゼンシン（駒ヶ根市）

の羽生健志氏。

技術発表の様子

2020年（令和2年）3月7日（土）　特集 （3）長 野 建 設 新 聞（昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

2019年度長野県優良技術者表彰特集

的確な地域対応 事業の理解醸成も

特集 （4）　2020年（令和2年）3月7日（土） 長 野 建 設 新 聞 （昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

たゆみない努力 大輪を咲かせる

2019年度長野県優良技術者表彰特集

2020年（令和2年）3月7日（土）　特集 （5）長 野 建 設 新 聞（昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

　2019年度の表彰選

考には「18年度内に

完成し、82点以上の

成績評定点を受けた

建設工事または委託

業務に携わった技術

者」という条件のも

と、工事、委託合わ

せて487人が応募。

書類審査と面接を経

て、優良技術者表彰

審査委員会において

受賞者を決定した。

　部門別の申請・決

定状況を見ると、工

事の申請者数は308

人（主任・監理技術

者292人、現場代理

人16人）。書類によ

る１次評価で一般部

門66人、若手部門30

人に絞り込まれ、２

次評価により一般部

門47人、若手部門24

人の受賞者が決まっ

た。受賞71人中36人

は40歳未満。また、

若手部門における現

場代理人の受賞者数

は７人だった。

　一方、委託の申請

者数は179人（管理・

主任技術者 109 人、

担当技術者70人）。

１次評価で一般部門

15人、若手部門32人

に絞り込まれ、２次

評価により一般部門

11人、若手部門９人

を選定した。若手部

門における担当技術

者の受賞者数は５人

だった。

評価概要

令和元年度優良技術者表彰の評価概要【建設工事】

申請

表彰

令和元年度優良技術者表彰の評価概要【委託業務】

申請

表彰

建設工事

委託業務

※カッコ内はうち40歳未満

特集 （6）　2020年（令和2年）3月7日（土） 長 野 建 設 新 聞 （昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

足立 進主任技術者

平成30年度防災 ・ 安全交付金(修繕)舗装補修工事【一般部門】

〒389-2414

飯山市常盤1234

TEL.0269-65-3113

FAX.0269-65-3117代表取締役　福澤 直樹

【発注機関】 北信建設事務所

【工事場所】 (主)上越飯山線

飯山市曽根～今井

【工事概要】 舗装補修工(表層工ｔ

５㎝、路上再生路盤工ｔ11㎝)

Ｌ550.0ｍ Ｗ7.25～11.55ｍ Ａ4,411

㎡

【契約期間】 2018年7月11日～10

月18日【主な取組】 路上再生路盤工の現場密度を徹底管理した。また、沿線に民家・田畑が隣

接していたため、改良用セメントの飛散対策を行った。さらに施工箇所を複数箇所跨ぐよ

うに通行する路線バスに対し、安全対策を工夫した。

上原 和也監理技術者

平成29年度防災 ・ 安全交付金(道路)工事 【一般部門】

〒384-2202

佐久市望月30-1

TEL.0267-53-2345

FAX.0267-53-6000代表取締役社長　矢野 健太郎

【発注機関】 佐久建設事務所

【工事場所】 (国)254号 立科町

宇山バイパス

【工事概要】 道路築造工Ｌ612.3ｍ

Ｗ6.0(8.5)ｍ：掘削工Ｖ28,840m3、

盛土工Ｖ18,840m3、排水工Ｌ747

ｍ

【契約期間】 2017年9月29日～

2018年9月28日【主な取組】 ①盛土の施工時においてGNSS転圧管理システムを導入し、１層毎の面管

理を行い品質を確保した。②長野県発注工事の東信地域で初となるICT技術を活用し、

３次元測量から出来形・納品まで一連で実施した。③ICT普及のため、研修会の実施及

び見学会の受け入れを積極的に行った。

2020年（令和2年）3月7日（土）　特集 （7）長 野 建 設 新 聞（昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

永沢 克明主任技術者、現場代理人

平成30年度 県営農村地域防災減災事業間長瀬 ・ 吉田地区管水路その３工事 【一般部門】

〒383-0021中野市西2-5-11TEL.0269-22-3175FAX.0269-22-7855代表取締役社長　藏谷 伸一

【発注機関】 北信地域振興局

【工事場所】 中野市大字吉田

【工事概要】 管水路工Ｌ529.7m

（YNO.16+24.9～YNO.27+4.6） ダク

タイル鋳鉄管布設（本線）Ｌ529.7ｍ

（φ200㎜､150㎜） （支線）Ｌ119.2m

（φ150㎜､100㎜､75㎜）

【契約期間】 2018年11月1日～

2019年3月18日【主な取組】 ダクタイル鋳鉄管布設後、管内カメラによるジョイント部の調査・確認を実

施。また、入念な配管計画による正確な数量把握及びメーカーとの綿密な打ち合わせ

で、受注生産資材を効率的に調達し、工程どおりに施工を行った。表かんの種類ごとの色

分け、現地盤より高い位置に設置等、引き渡し後の維持管理への配慮がなされた。

配管状況

県営本管 空気弁 (黄色)

県営本管 仕切弁 (黄色)

配水本管 仕切弁 (青色)

配水本管 空気弁 (青色)

埋戻し後

大嶋　邦親

監理技術者

平成29年度　社会資本整備総合交付金 （道路） 工事 【一般部門】

〒399-7501

駒ヶ根市北町 22-1

TEL.0265-81-6010

FAX.0265-82-3966

代表取締役　山浦 正貴

【発注機関】 伊那建設事務所

【工事場所】 （国）153号　伊那市　

伊那バイパス1工区

【工事概要】 道路築造工　L140.0m

函渠工（高さ6.0ｍ×幅8.0ｍ L43.4ｍ

仮設道路工　L148m

【契約期間】 2017年10月20日～

2019年 3月18日

【主な取組】 函渠工での3次元FEM温度解析による誘発目地の増設や封緘養生等により

ひび割れを抑制。仮設道路の提案・築造により、交通規制期間を300日削減し、地域の不

便を最小限とした。クリティカルパスとなる函渠工について、型枠や支保工のスライド転用

などの工法の工夫により、約2ヶ月の工程短縮を行い、地元住民への配慮を行った。

特集 （8）　2020年（令和2年）3月7日（土） 長 野 建 設 新 聞 （昭和26年6月26日 第3種郵便物認可）

大沼 悠一

主任技術者

平成29年度防災 ・ 安全交付金(通常砂防)工事【一般部門】

〒389-2414

飯山市常盤1234

TEL.0269-65-3113

FAX.0269-65-3117代表取締役　福澤 直樹

【発注機関】 北信建設事務所

【工事場所】 (砂)白鳥川 栄村白鳥

【工事概要】 渓流保全工Ｌ118.4

ｍ、床固工Ｎ３基 Ｈ1.8～2.5ｍ Ｖ

256m3、護岸工Ｌ126.0ｍ SL2.57ｍ

Ａ322㎡

【契約期間】 2018年2月20日～11

月30日

【主な取組】 独自の水替工ルートを検討した。また、残土搬出時の過積載防止を徹底す

るとともに、現場環境に配慮した施工を行った。

大和田 勝利主任技術者

平成29年度社会資本整備総合交付金(広域連携)工事 【一般部門】

〒384-2308

立科町大字牛鹿1616-1

TEL.0267-56-1299

FAX.0267-56-3522代表取締役　佐藤 謙也

【発注機関】 木曽建設事務所

【工事場所】 (国)256号 南木曽町

幸助(漆畑拡幅)

【工事概要】 立体ラーメン式鋼製

桟道橋Ｌ40ｍ×Ｗ6.0(7.5)ｍ：上部

工格点桁鋼材重量Ｗ29.5ｔ、下部

工鋼管杭φ500Ｎ16本、現場塗装

工Ａ59㎡

【契約期間】 2017年11月27日～

2018年10月31日

【主な取組】 ①鋼管杭の施工時における傾き誤差をデジタル水平器と光波測器の併用

により最小化し、上部工部材が確実に架設できるよう取り組んだ。②鋼管杭建込時の定規

材として用いられる導杭・導枠に変えて台座コンクリートを提案し、工期の短縮を図った。

③鋼管杭建込及び桁架設作業に使用する単管足場に変えて独自の鋼製足場を提案

し、作業効率と安全性の向上を図った。