授業改善7つ - shiga-ec.ed.jp · 授業改善7つの視点 ....
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授業改善7つの視点
新教育課程の重要な指導項目として「言語活動の充実」が挙げられます。どのような段階や系統を意
識して実践したらよいのでしょう。下記の7つの視点についてチェックすることで、授業改善について振り
返ってみましょう。
視点 視 点 の 内 容 関連項目
1 □ 教師の言語活動は論理的である。
□ 教師の指示・説明・発問が明確である。
□ 板書には授業のめあてと授業の流れをわかりやすく示している。
教師の話し方・
板書の仕方
2 □ 学校全体の言語環境の整備はできている。
□ 学習のルールが子どもの共通の約束事になっている。
□ 教室や廊下の掲示物は楽しく、学びの方向が示されている。
教室の言語環境
の整備
3
□ 全員に「言語力の基礎となるもの」を徹底している。
□ 音読のしかたを指導している。
□ ノートの取り方を指導している。
□ 要約・メモの仕方を指導している。
□ 語彙力をつける取組をしている。
□ 資料(データやグラフ等も含む)の読み取り方を指導している。
□ 文学的教材・説明的教材の主な読み取り方を指導している。
授業の構成例
4 □ 「自分の考え」をもたせるためのステップがある。 「自分の考え」
をもたせるコツ
5
□ 多様な学習形態が工夫された授業になっている。
□ 机間指導で、個別指導を丁寧にしている。
□ ペアや4人程度のグループでの話し合い活動を取り入れている。
6 ◆ 振り返りと評価のある授業になっている。 授業の評価
7 ◆ 授業と読書活動を連動させている。
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子どもたちは教師の話し方や対処の仕方を見て感化を受け, 自然にそれらのまねをしていくようになります。
まずは教師自身の姿勢が肝要です。下の表で自分の話し方を チェックしてみましょう。
視 点 の 内 容 ○×
1 □きちんとした言葉遣いで話していますか?
☞子どもたちに公的な話し方を身に付けさせるチャンスです。
× 授業中も友だち言葉
で話す。
2 □一人ひとりの子どもと丁寧に目を合わせて話していますか?
☞子どもは1対1で聞いています。 × 黒板の方を見て話す。
3 □指示や子どもの発言に対してお願いやお礼を言っていませんか?
☞先生のために発言することになってしまいます。
× 「~してください。」
○「しなさい、しましょう」
4 □発問をして、すぐに復唱したり補足説明をしたりしていませんか?
☞混乱させずに、一度で聞き取る力をつけましょう。
○「一回しか言いません
よ、よく聞きましょう。」
5 □一人ひとりの子どもの発言を受け止めていますか?
☞まずは相づちで受容しましょう。
○「なるほど、うんうん、
いいね、ほう・・・」 等
6 □一人の子どもの発言で授業を進めていませんか?
☞全員に「考える」習慣を身に付けましょう。
○「これでいいかな、どう
してそう考えられる?」
7 □子どもの発言を途中から引き継いだり、復唱したりしていませんか?
☞自分たちの力で、子ども同士が学び合う力をつけましょう。
○ 意見をつなぐ発表の
仕方を示す。
〔例〕「○○さんの意見は
△△ですが、私は…」
8 □先生が自分の言葉で子どもの意見をまとめていませんか?
☞まとめる力をつける機会を与えましょう。
○「今までの意見をまとめ
てみるとどうなる?」
9 □単調な話し方になっていませんか?
☞私語や手遊びが始まるきっかけにならないようにしましょう。
○テンポを変えてメリハ
リをつける。
○短いセンテンス
教師の話し方
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板書が意図的・計画的に行われることにより、子どもたちの学習に対する姿勢、そして何よりも子どもたち
のノートが変わってきます。ノートの内容が充実してくれば、学習に対する理解度も深まり、学力もしっかり
定着していきます。
☆ 板書のポイント
① 本時のめあてとまとめがあること
② 授業の構成に合わせた区切りがあること
③ 大きく読みやすい字で、チョークの色づかいや板書カード等が
工夫してあること
普通は・・・白色 重要事項や覚えたい言葉・・・黄色
課題やまとめ・・・赤囲み線 等
④ 全員が写し易いように、子どものノートと対応していること
⑤ 子どもの意見を取り入れていくスペースをとること。
板書の仕方
板書の機能
文字化することにより、
学級全員に確認する。
①作業手順の徹底
②発問の明確化
③授業内容の定着
④児童生徒の授業への
参画
板書の技術
①1時間1枚が基本
②板書案の作成
③キーワード・
キーセンテンスでまとめる。
④文字の工夫
⑤タイミング
板書の心得
板書=1時間の授業の大きなノート
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全教室の前面に例えば下記のような掲示物を貼り、子どもたちの目に触れるようにしておきます。中学生に
は、自分たちのルールとして、聞き方・話し方の折句を創作させるのもいいでしょう。
話すことの
「か
き
く
け
こ」
か・・・考えたこと、
思ったことを
き・・・聞き手の方を見て
く・・・区切りながら
け・・・結論をはっきりと
こ・・・声の大きさ・速さを
考えて
聞くことの
「あ
い
う
え
お」
あ・・・相手を見て
い・・・意見をもって
自分と比べながら
う・・・うなずきながら
え・・・えがおで
お・・・終わりまでしっかり
教室の言語環境の整備
☆ どの子どもにも一定の発言力をつける!
様々な場面の話し方をパターン化しておき、その場
に応じて使い分けて発言できるようにしておく。
(例)朝の会の進め方
①朝のあいさつ
「起立、気をつけ、おはようございます。」 ②健康観察 「はじめは健康観察です。」 ③朝の歌 「朝の歌を歌いましょう。
今日のめあては○○です。」 ④係からの連絡
「次は係からの連絡です。○○係の人、お願い します。他にありませんか。」
⑤先生のお話 「最後は先生のお話です。」
その他、
・ 1分間スピーチの言い方 ・ 新聞記事や本の紹介の仕方 ・ 班の意見をまとめる報告の仕方 ・ 友だちの意見についてのコメントの仕方
☆ 発表の仕方 名前を呼ばれたら、
まず返事。コミュニ
ケーションの基本で
す。
話し手がはっきりす
れば、聞く姿勢も作
りやすくなります。
公の場での話し方を
日常的に身に付けさ
せましょう。
「はい。」
立つ
「○○です。」
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授業の構成例
1 大きな声で、ゆっくり読む。(毎日、音読をする)
・分からない言葉や読めない漢字に線を引く。
・文の意味が分からないところや主人公の行動や気持ちが分からないところ、みんなと考えたいと
ころに印を入れる。(? ★ ◎ などの印をクラスで統一して決めておく。) 【教科書に書き込む】
! ・・・ 「えっ!」と驚いたところ
? ・・・ 「なぜ?」と不思議に思ったところ
◎ ・・・ 「いいなあ」と感動したところ
★ ・・・ 「ここは大切」と思ったところ など
・最終的には、朗読(表現読み)をめざす。
2 初めの感想を書く。
・一斉授業をもち、交流し合う。この中で、課題が生まれてくる場合もある。
3 意味調べをする。
・ 意味調べのプリントZ(右図)を作り、自分の予想 (4年生以上)も書くようにする。
・一斉学習で確かめ合う。
4 場面分けをして、あらすじをつかむ。
・あらすじが書きやすいようにプリントを作るとよい。
・一斉学習で確かめ合う。
5 課題作りをする。
・1で線を引いた所を出し合って課題をつくる場合と 6の書き込みの後で課題作りをする場合がある。
6 書き込みをする。
・一人勉強の手引きやプリントに書き込む。
・一つ一つの言葉(教師が指定する場合もある)に着目しながら、自分の読みを書く。
・課題作りが終わっている場合は、そこを中心に書く。
7 核になる課題を中心に読み取りの授業をする。
・場面ごとに読み取る。
・どの子も発言できるような手だて(コメントの書き込みなど)を用意する。
8 朗読をし、終わりの感想を書く。
・相互交流などで、自分の感想と比べながら聞いたり、視野を広げたりする。
・詩の場合は、全文を視写する。
○自 …文章の前
後から自分な
りの予想を書
き込む。
○辞 …辞書で調
べ、予想との相
違をチェック
する。
物語の場合
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いつも自分の「考え」や「感想」をもつための5つのポイント
先生や友だちの話を聞いたり、いろいろな作品を読んだりしたときに、自分の「考え」「感想」を
いつも二つ言えるようにしよう! (* 一つでなく「二つ」と指定することにより、多角的な見方を育てる。)
1 はじめて知ったことや発見したことを見つけよう!
「ヘエー、すごいなあ」「知らなかったわぁ~」
2 質問や疑問を見つけよう!
わからないところ、もっと聞きたいと思うことがあるって素敵。
3 ○○さんらしいと思ったところを見つけよう!(友だちの話を聞いたり、文章などを読んだりしたとき)
「○○さんのこんなところ、こんなふうに思った。」
* ○○さんらしい、とは普段の生活の中の○○さんを見ている自分の経験
4 話し方や写真や図表等、説明のしかたで上手なところを見つけよう! (発表のとき)
① 話し方の聞き取りやすさ・・・・・・・ 声の大きさ・スピード・間の取り方はどうか。
② 話す姿勢や態度(顔の表情や視線)・・・伝えたい気持ちが表れているか
③ 説明の仕方、順序、資料の選び方・・・ 伝えたいことに合っているか
5 自分のスピーチや作文にまねしたいなと思ったところを見つけよう!
* まねる=学ぶ
自分の「考え」をもたせる5つのステップ ~交流を内容面で楽しく、中身のあるものにするために~
ステップ 視 点 具 体 的 な 内 容
1 関心・意欲、発見 すごいなあと感心したりしたことが言えること。「何が-どうだ」
2 理由や根拠 1の理由が言えること、自分の体験を振り返れること。「なぜ」
3 自分の体験等との比較 自分の経験や知っていることとの比較や引用ができること。
4 論理的な説明 説明の型が身に付き、分かりやすい説明ができること。
5 建設的批判や批評 主体的に判断し、個性的に表現できること。
「自分の考え」をもたせるコツ
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授業の評価
生徒による授業評価
【 / 単元(教材)名 】 回答は、1~10の問いに対して、当てはまる番号をマークしてください。 〔4 そう思う 3 ややそう思う 2 あまりそう思わない 1 そう思わない〕
№ 項 目 回 答
1 先生の授業に熱意を感じましたか。 4 3 2 1
2 説明はわかりやすかったですか。 4 3 2 1
3 指示や問いかけは的確でしたか。 4 3 2 1
4 教材(配付資料、視聴覚教材等)はわかりやすかっ
たですか。 4 3 2 1
5 板書はわかりやすかったですか。 4 3 2 1
6 授業の進み方の速さはちょうど良かったですか。 4 3 2 1
7 自分の考えを書いたり発表したりする機会が与え
られていましたか。 4 3 2 1
8 友だちと交流する機会があたえられていましたか。 4 3 2 1
9 わからなかったときなど、的確にアドバイスしてく
れましたか。 4 3 2 1
10 評価方法や評価基準についての説明は十分に行わ
れましたか。 4 3 2 1
11 あなたは授業に意欲的に取り組みましたか。 4 3 2 1
12 あなたはわからないことを質問しましたか。 4 3 2 1
13 あなたは宿題等をきちんと提出できましたか。 4 3 2 1
子どもによる授業評価 変容が的確に分かるように、どの教材、単元でも共通の評価項目に
なるように作成します。他教科でも同じ項目で行うと、集計結果を分
析するときに、それが教科の独自性、または教師個人の問題であるの
か、学年や学校としての問題であるかが明確になります。 ここでは、中学生向けの授業評価を紹介します。
目標達成値 平均 3.5 以上=全回答数のうちの肯定的な回答〔4 そう思う 3 ややそう思う〕の平均値がこれを
超えること。 平均 3.5以下=重点課題としてさらに分析を加え、課題改善につながる手立てを導き出して実施していく。
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日々の自己の授業または参観授業の振り返り
必ず毎週、週案とともに提出することから始めましょう。「振り返り」を記録するこ
とが次の実践につながります。Plan-Do-Check-ActionのCを充実させる取組です。
3分でできる! 3分でやろう! 「振り返り」
月 日( ) 教科・領域( )
年 組 単元名( )
授業者( )
評 価 項 目 評価得点
1 子どもにとっての授業のゴールが明確になっている
2 子どもに考える時間が十分にある
3 学び合いの手立てが用意されている
4 教師の指示が明確で、指示が繰り返されていない
5 教師があまり話しすぎない、説明しすぎていない
評価得点基準
4:十分達成されている 3:達成されている 2:改善の余地がある
1:かなり改善の余地がある 0:評価 できない
児童生徒の
課題行動
教師の対応策
結果
アクションリサーチ 特になければ記入の必要なし)