8. 三元配置法 -...

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8. 三元配置法 本章においては,三元及び三元以上の場合のデータ解析を説明する.営業のデ ータは殆ど三元以上になることが普通である.しかし,計算の方法は二元配置の 応用でしかないので,紙数の都合上, 2 3の例を示すにとどめる. 8.1 百貨唐の売上高 8. 1. 1 データと変数変換 8.1 のデータは,日本全国の百貨庖における品種別,年度別,月別の三元配置のデー タである.電力,電話,交通等では,年度別,季節別,幅日別,時間別のデータを必要と するので四元配置になる.この場合,データが余りにも屠大になりそうなら,交通商牽な どは,毎季節から 1 週間のみをとってくるというような程度のデータでも良いだろう.そ の他に,特殊事情(天候,災害,盆暮,団地形成)もあるが,それらについては,一定の 指数を作っておいて,あとで掛けることが必要になる.単位を 10 億円にとり,対数変換 したデータを 1 飢)()倍したものである. ただし, A B C は次の 3 因子である. A= 商品の種猿 A 1 = 衣料品, Az= 身回晶, Aa= 雑貨, A ,= 家庭用品, A$= 食料品 B= 年度 B 1 = 昭和 34 年, Bs= お年, Ba=36 年, B =37 年, B$=38 年, B.=39 C= C 1 =1月, C z =2月, . H C 11 =12データは,日本百貨庖協会の資料による.また,データ解析の主目的は,売上げの伸ぴ が,商品によってどの程度異なっているかということと,売上げの伸びが,月によって異 8.1 売上高の対数 A. I c. c. c.αα c.c c.c.c Cu Cll IB. I 1 2 1122 1 91 035 1 057 1188 S 6 1160 1198 1523 I 13159 B. I1015 1017 1181 1136 1ω9 1129 1273 1015 1046 1228 1264 1 臨港 I 14(J(揺 B. I 1 悦泡 1 8 1264 1229 1189 1220 1 5 1111 1114 1305 1 4 1669 I 15 I B. I1178 11 口鶴 1286 1251 12841417 1173 1192 1369 1. 1n4 I 151 B. I1227 12:: 1 4l渇 1342 1367 1228 1427 1453 1786 I 16506 B. I 1 5 1446 1391 1361 1371 1 思畑 1268 1317 1470 1523 1801 I 17030 I 6739 6 77 7 7 7 8200 6 S 7 820110 師|鈍477

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Page 1: 8. 三元配置法 - 統計科学のための電子図書システムebsa.ism.ac.jp/ebooks/sites/default/files/ebook/886/pdf/...156 8. 三元配置法 引いて,SBre8XA を求める

8. 三元配置法

本章においては,三元及び三元以上の場合のデータ解析を説明する.営業のデ

ータは殆ど三元以上になることが普通である.しかし,計算の方法は二元配置の

応用でしかないので,紙数の都合上, 2,3の例を示すにとどめる.

8.1 百貨唐の売上高

8.1.1 データと変数変換

表8.1のデータは,日本全国の百貨庖における品種別,年度別,月別の三元配置のデー

タである.電力,電話,交通等では,年度別,季節別,幅日別,時間別のデータを必要と

するので四元配置になる.この場合,データが余りにも屠大になりそうなら,交通商牽な

どは,毎季節から 1週間のみをとってくるというような程度のデータでも良いだろう.そ

の他に,特殊事情(天候,災害,盆暮,団地形成)もあるが,それらについては,一定の

指数を作っておいて,あとで掛けることが必要になる.単位を 10億円にとり,対数変換

したデータを 1飢)()倍したものである.

ただし, A, B, Cは次の3因子である.

A=商品の種猿 A1=衣料品, Az=身回晶, Aa=雑貨, A,=家庭用品, A$=食料品

B=年度 B1=昭和 34年, Bs=お年, Ba=36年, B,=37年, B$=38年, B.=39年

C=月 C1=1月, Cz=2月, ..・H ・, C11=12月

データは,日本百貨庖協会の資料による.また,データ解析の主目的は,売上げの伸ぴ

が,商品によってどの程度異なっているかということと,売上げの伸びが,月によって異

表 8.1売上高の対数

A. I c. c. c.αα c.c,c.c.c岬 Cu Cll I計

B. I 笛1 箆2 1122 1回9 1 035 1 057 1188 斜S 鈎6 1160 1198 1523 I 13159

B. I 1015 1017 1181 1136 1ω9 1129 1273 1015 1046 1228 1264 1臨港 I 14(J(揺

B. I 1悦泡 1随8 1264 1229 1189 1220 1お5 1111 1114 1305 1お4 1669 I 15∞I

B. I 1178 11“ 口鶴 1286 1251 1284 1417 1173 1192 1369 1.制 1n4 I 151吻

B. I 1227 12::蹄 14l渇 1342 1~ 1367 1~7 1228 1~調5 1427 1453 1786 I 16506

B. I 1釘5 1~ 1446 1391 1361 1371 1思畑 1268 1317 1470 1523 1801 I 17030

肘 I6739 6澗7 7加 7岨 7拙 7制 82006地 S蜘 7蜘 820110師|鈍477

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36647

"'OOA宮内

uau'A

482:殉

54944

8. 三元配置法

A. I c, c.α C . α c・C,C.C.C回 Cl1 C'" I B, I 124 130 348 316 筑忘 却74032臼 190 340 312 飽2

B. I 188 176 394 却7 373 369 483 筑)5 筑路 431 お6 735 B. I 272 272 切2 504 462 471 579 4rrT釘5 541 471 825

B. I 373 342 591 路2 お3 575 662 489 489 593 548 飽4

B. I “1 436 679 648 飽6 664 727 574 599 “7 611 951 B. I 525 542 737 穴渇 699 磁初 776 ω4 6ぬ 746 穴沼 1011

計 I1悶 1蜘 3251 3183 3蜘 3rrT6 3蜘 2672 2側 3318 3叩 5明|

A・Ic, C.αααC. C, C.α C'O Cl1 C" I B, I 396 398 525 513 418 387 5唱4 458 380 428 415 785 B. I 439 455 574 関1 484 4臼 619 535 462 511 494 882

B. I 5直5 550 674 699 591 577 741 564 563 610 5鈎 975

B‘ 619 625 759 761 6鎚 65干郎4 710 “5 671 654 1ω7

B. I 678 'fω 8“ お9 737 744 邸指 沌5 719 744 732 1110

B. I 744 785 898 881 8(泡拘4 947 邸8 持4 624 815 1173

計 I3初1 3522 4274 4捌 3加 3612 4悶 3脚 3悶 3閣 3脚 5臨|

A・Ic, C. C. C . α C . α C . α Cl0 Cl1 C11 !

Bl I お4 お4 513 545 臼1 547 649 5哩o 476 597 595 884

B. I 430 462 587 631 617 625 749 印5 565 687 683 鮒7

Ba I 525 5印 687 沼8 717 736 866 719 679 199 798 1 075

B. I 614 6“F印 816 603 815 9閣内4 747 861 867 1125

B. I 674 734 843 876 859 8鈎 992 邸4 823 鉱!5 937 1190

B. I 739 816 切5 943 949 931 1 067 お5 初5 鈍渇 1014 1240

計 I3揃 3蜘 4郡山9 4476 4問 5251ω7 4描 4町 4制 6501I A. I Cl C. C. C.αC. C, C. C・ClO Cl1 C11 I Bl I 476 465 428 387 521 498 856 731 410 567 548 11弱

B. I 抱8 524 611 612 580 5国1 9窃 782 543 6唱7 618 1246

B. I 606 ω6 穴悶 694 邸5 654 1侃6 870 621 ros 701 1お4

B‘ | 飽1 666 沼3 何日3 737 737 1116 937 695 772 780 1初O

B. I 744 751 862 827ω6 831 1204 1∞5 780 841 850 1471

B. I 812 831 9吐7 872 鉛3 884 1274 1郎2 833 916 弱6 1541

計 I3町 3842 仰 1 4国 4162 41邸 6461 5獅 3942 4制 4制 8147I

154

57270

B

B

B

B

B

B

36153

ω881

46“o mω6

55255

58942

補助表 BとCの二元表

|Cl C, C. ααC. C, C. C. ClO Cu ClI I

2311 2329 2鈎6 2820 2810 2'f96 3620 2910 2482 3瓜抱 3068 4979

2610 2634 3347 3釘7 3153 3137 4079 3242 2921 3484 3445 545日2

3021 30干'5 3827 3鉛4 3614 3筋8 46rrT 3671 3お2 3鈴o 3913 5878

34喝5 3441 4勾2 4198 4似泊 4郎8 4927 4103 3折田 4お6 425唱 61ω

3764 3871 4飽6 4582 4343 44岨5 5275 4446 4216 4印4 4583 6必8

4095 42坦1 4駅沼 4793 46鈎 4670 5564 4767 4489 4944 4990 6766

|19揃 19631お組勾制忽臨 2262428 072 23 139幻 22824抑 制7お 加 | 却 問計

なっているかどうかを見ょうというのである.

表 8.1には,縦横の合計,BとCの二元表が示されている.三元配置の場合には,A

とBの二元表,AとCの二元表,BとCの二元衰の3つの二元表を作る.

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8.1 百貨腐の売上高 155

8.1.2 変動 の 分 解

因子Bを1次, 2次, 3次と,残りの効果に分解する. 6水準の直交多項式から

L(B,)=-5Bl-3Bs-Ba+B‘+ 3Bs + 5Bo

L(Bq)=5B1-Bz-4Ba-4B.‘-Bs+5B.

(8.1)

(8.2)

L(B.) = -5B1 +7Bs+4Ba-4B.‘ー7BS+5Bo

したがって,変動は次のようにして求める.

(8.3)

お85771CF=一一一一=231324136 (8.4) 3ω

914771+・・・・・・+5727OZSA ,,~~.. • 72 'u. ~.v CF=23352回o (8.5)

361532+・・・・・・+589422SB= ω 一CF=6236948 (8.6)

S1i.=J:ー5(36153)ー……+5(58942))1B, ~v '7n

1615332 =一一一一一=62125984200

s- 〔5(36153)-H ・H ・ +5(坦9-42))~B包ー・ 作,、 .n.

( -10045)2 =ム一二三ととι=20020

5040

SB.=_(ー5(36153)+……+5(58942))2B. IU、‘n_、

(8.7)

(8.8)

( -4537)S =ム語読ι=1鈎6 (8.9)

SBr..=SB-SBI-SB9-SB.=2424 (8.10)

192662+・・・・・・+35723SSo ~,, ~UV , 3() , UU .~ CF=6918798 (8.11)

交互作用についても,B" Bq, B.との交互作用を求める.たとえば,Sμ BIはAの水

準毎に,Bの対比を求めると

したがって

L(A1)=ー5(13159)-3(14∞5)ー…・・・+5(170叩 )=276331

L(A2)=ー5(36ω)-3(4552)一……+5(8428)=34099 }

L(A5) = -5(7102) -3(8197)一……+5(11741)=32376 J

(8.12)

276332+340992+・・・・・・+323干ssSAXBI=~'UV"" ~v;;.,. ~';""T"~"'V SBI=34667 (8.13)

12x70

同様にして,AxBq, AxB.の変動を求めた上で, (8.14)式の SAXBからそれらを全部

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156 8. 三元配置法

引いて,SBre8XAを求める.

1315伊+……+117411SAXB= 唱。ーCF-SA-SB=39368 (8.14)

他の2因子交互作用も全く同様である.SAXBIXCは,ACの水準組合せ毎に,Bの1次

項の対比を求める.

L(A1C1)=-5(951)-3(1015)-..・H ・+5(1275)=2341 1

L(A1CZ) = - 5(952) -3(1 017) -..・H ・+5(1307)=2517 }

L(A5C1Z) = -5(1155) -3(1246)-..・H ・+5(1541)=2671 J

(8.15)

2341Z+2517Z+・・・・・・+26711

SAXBIXC= ヴ。 -SBI-SAXB,-SCXBI

=188お (8.16)

Bq, B.についても同様にして ACの水準組合せ毎に対比を計算して変動を求める. こ

れらの計算はかなり大変で, :%γピューターの使用が有用になる.計算結果は表8.2のよ

うになる.有意であっても,その寄与率が小さいものは関係式で考慮しないのが普通であ

表 8.2 分散分析表

要 因 S V S' p(%)

A 4 23352鉛O 5 838 208** 23 352必3 61.87

1 6212598 6212598柿 6212504 16.46

1 20020 20αro** 19926 0.05

1 1906 1筑16事事 1812 O.∞ 2 2424 1212*事 2236 O.∞

C 11 69187'鈎 628鈎2柿 6917ω5 18.33

4 34667 8667柿 34290 O.ω

AXBl AxBq 4 1922 必0** 1545 O.∞ AXB. 4 1ωs 402柿 1231 O.∞ AxB四 a 8 1178 147**

AxC 44 1124臼8 255ω柿 1120493 2.97

11 10201 9幻" 9ω5 0.02

cXBl CXBq 11 11993 1090** 10957 0.03

CxB. 11 5929 539柿 4893 0.01

CXBr.. 22 3白羽 140事 1017 0.00

44 188お 428柿 147!鈎 0.04

AxCxB~ AxCxBq 44 11456 260事事 7311 0.02

AxCXB. J 5454 124

e 88 6567 74.6 (e) (140) (13199) 94.2 (33 829) 0.90

T 359 37746110

プールした(e) (295) (102 579) (347.7)

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8.1 百貨庖の売上高 157

る.有意であるということは,その項が残された高次の項などの平均の大きさに比較して

無視できないことを示しているのにすぎない.寄与率が 0.05%未満のものは誤差に入れ

て公式を作ることにしよう.

8.1.3予 測

この場合,Aの主効果,Bの1次項,AxB" Cの主効果,AxCの5つの項で寄与率

99.72%の公式が得られる.AxB,は,商品の種類で,平均的な売上高の伸びが異なっ

ていることを示している.また,AxCは,商品の種類で,月別の売上高の差にかなりの

違いがあることを意味している.

したがって,との期聞における売上高は次の式で表現することになる.品種 A,の年度

Bにおける C.月の売上高は

β=~+&,(B-.B) (8.17)

互(c;はAとCの二元衰の平均から求められ, &,は品種 A,毎のBの1次項の対比か

ら求められる.

表 8.3 A,C/l仰 の 表

|C. C.αC.ααC, C. C. C.・CllC.. A. I 1.123 1.128 1.怒沼 1.240 1.207 1.~掲 1.361 1.124 1.155 1.3:謁 1.誕rr1.679

A. I 0.320 0.317 0.542 0.527 0.506 0.513 0.605 0.445 0.435 O.底辺 O.民国50.840

A. I o.民rro.民rT 0.712 0.714 0.617 O.創J2 0.755 0.667 O.邸抱 0.631 0.616 O.誕M

A. I o.底辺 O.駅路 0.714 0.758 0.746 0.759 0.875 0.7:強 0.61栂 0.810 0.816 1.僧MA. I 0.643 0.640 0.717 0.6111 O.伺4O.邸N 1.077 0.81掲 0.6570.738 0.739 1.31強

また,A,毎のBの1次係数&,は

61=必ヰ 4禦 γ一ττT宮;-:-:.=0.0658土O.∞125rlSh 12x35x1

ん 61=1響 =0佃叩陥

~ 33.481 3 lía=一王宮)~ =0.0797土O.α>25 (8.18)

A~ 6~=認手0側制附

ん 65=等旦=0町7凶附

ただし,元の単位に直してある.信旗限界は次式によった.

I Fx V. I3.87xO.似淘3477'¥I-=-元古ι='¥1 慌 =0.∞125 (8 19) . .山. 12xすX11

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1鎚 8. 三元配置法

したがって,予測弐は,たとえば品種 A1の場合,次のようになる.

A1 p=互言;+0.0邸8(B-36.5)土0.0406 (8.20)

昭和41年の売上高の予測の場合には.B=41とする. (8.20)式の第2項を表 8.3の

A1のデータに代入する.AbH・H・.A$についても同様にして代入すると,表 8.4が得

られる.

A1

表 8.4 昭隅 41年の売上高の推定値

(上段対数.下段真数(単位億円))

Cl Cz Ca C.‘ C$ Co C7 Ca C, C田 Cu C血

1.419 1.424 1.弱91. 496 1. 503 1.臼21. 663 1. 420 1. 451 1. 622 1.鎚31.9布

262 265 388 313 318 340 4ω ぉ3 283 419 460 944

O.俗50.682O.鈎70.892O.釘10.878 0.970 0.810 0.8∞0.918 0.870 1.滋15

48.4 48.1 80.7 78.0 74.3 75.5 93.3 64.6 63.1 82.8 74.1 160.3

0.9260.946 1.071 1.0730.976 0.961 1.114 1.026 0.951 0.9!拘 0.9751.お3

84.3 88.3 117.2 118.3 94.6 91.4 130.0 106.2 89.3 97.7 94.4 225.4

0.922 0.964 1.078 1.122 1.110 1.123 1.239 1.102 1.飴31.174 1.180 1.448

84 92 120 132 129 133 173 126 116 149 151 ?.81

O.鈎o0.987 1.侃41.038 1.041 1.041 1.424 1.245 1.∞41.飽51.彼自61.705

98 97 116 109 110 110 265 176 101 122 122 507

Az

Aa

A.

A$

表 8.4の上段のデータの債額限界はすべて

土0.0必6 (8.21)

である.この真数は

10剖.0制=(1.098)剖毎土9.8(%)

たとえば.A1C1の 262億円に対しては

262(1土0.098)=262土26(億円)

(8 22)

(8.23)

ということになる.

もし.Bq. Bc. Bre8が非常に大きいときには,景気,不景気の変化や,はげしいシェア

の変化があることを示している.その場合の信頼限界はBの1次項以外をすべて 1次誤差

分:散として,他の誤差分散と区別することが望ましい. したがって,予測値浮の信積限

界は次の孟うになる.

吋F(l.4) X V1X (B議笠+F(l.291) x九仕十五需E司(8.24)

ここtこ

B

S

一一一4

B-

S一一一i

v

(8.25)

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8.2 /lバコの味見鋲験 L59

F(1,4)=分子の自由度 L 分母は V1の自由度4のFの 5%値 (8.26)

1050=(Bの主効果の反復数 72)xSxhz

=ωx手1" (8.27)

V.= B関係以外の誤差にプールした変動の和 (8.28) aー それらのプールした自由度の和

F(1. 291)=分子の自由度 1,分母の自由度 291のF衰の 5%値 (8.29)

4 1 1 τ百訂=言百一τ夜苛 (8.ぬ)

ζのような計算は,時間的変化のBには将来の経済変動やシzア変化が含まれるが,そ

の他の要因にはそのような効果は含まれないと考えられるときで,Bの効果と他の要因を

区別した方がよい場合に用いられる.

8.2 タバコの味見続験

8.2.1 データと補助表

表 8.5は5種類のタパョ

A1=しんせし、,Az=いとい,A.=ハイライト,A‘=ロ Yグピース,As= .:IC.ポ.,~

の味見テストを4人の人間 RhRl' Ra. R,で行なったデータである.ただし

B1=そのたばこをただちに吸った場合

Bz=各人が平生吸っているタバョを吸った直後に吸った場合

味11,上,中,下の3tTラスに分類した.またテストは2固ずつ行なった.

表 8.6 /lバヨの味見テストのデータ

A B R1 R曇 R. R‘

上中下 上 中 下 上中 下 土中下

1 1 002 002 002 002

1 2 002 002 002 002

2 1 002 002 020 002

2 2 002 002 020 002

3 1 200 110 200 011

3 2 110 020 200 110

4 1 200 200 200 002

4 2 110 200 200 110

5 1 1 1 0 020 200 200

5 2 200 200

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8. 三元配置法

実際の調査としては,データが不足で,もちろん少なくとも 20人位,それも男女別,

30才以下, 31-50才, 51才以上というように年令別にとり,各組合せから 5人ずつ位

の人を集めるべきである.ただいその場合,A,s,性別,年令クラス別の四元配置になる.

まず,累積度数を作る.

I組=上

E組=上+中

E組=上+中+下

表 8.6 累積度数にしたデ-~と補助表

R, 計

1 n 1 n I 1 n 1 n 1 n

l l 。。 。。 。。 。。 。。1 2 。。 。。 。。 。。 。。2 1 。。 。。 o 2 。。 o 2

2 2 。。 。。 o 2 。。 o 2

3 1 2 2 1 2 2 2 o 1 5 7

3 2 1 2 o 2 2 2 1 2 4 8

4 1 2 2 2 2 2 2 。。 6 6

4 2 1 2 2 2 2 2 1 2 6 8

5 1 1 2 o 2 2 2 2 2 5 8 5 2 2 2 2 2 2 2 2 2 8 8

計 ~ー竺 171211216 竺9134ω

E

o 0 o 4

9 15

12 14

13 16

一「A

'A

の必向。aa宮

PD

E

。&naa,una

1

2

d'aazaoaaτ

一玉

eon

。。。"。80e

。。。,。

E

出」

'Ane内

Oaa宅

B

B

A'A'A唱

A

ARの二元表

A R 1 n

1 1 。。 4 1 3 4

1 2 。。 4 2 4 4

1 3 。。 4 3 4 4

1 4 。。 4 4 1 2

2 1 。。 5 1 3 4

2 2 。。 5 2 2 4

2 3 o 4 5 3 4 4

2 4 。。 5 4 4 4

3 1 3 4

3 2 1 4

3 3 4 4

3 4 1 3

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8.2 ~バコの味見試験

8.2.2 分散分析

I組, n組の.み WhWlを求める.

1=τ弊古=4.0934x46

2=ョゑ;-=4.2149x31

341 X 4.09+491 x4.21 CF= ー =185.招

S..=J01+……+131) x 4.09+(01+..・H ・+16')x4.21 A 16

=97.67

-(16-18)1 x 4.09+(23-26)1 x 4.21 IB ''''"''' "'''''1 "'".v.,~\......, 6JVJ ."............. 0.68

161

(f=2)

(f=8) (8.31)

(f=2) (8.32)

SA><B (01+01+..・".+81)x4.09+(0I+OI+..・H ・+81)x4.21

-CF-SA-SB 8

=3.20 (f=8) (8.33)

S,.=J少+71+121+♂)x4.ω+(122+121+161+少)x4.21B • ・・

=9.51 (f=6) (8.34)

S Ar(伊+…叶

=22.94 (f=24) (8.35)

SBd=(51+♂+..・H ・+41)x4.ω土(♂+♂+..・H ・+♂)x4.21 α-SB-SB

=2.45 (f=6) (8.36)

STFt{(02+伊+......+め4ω+(伊+が+・ +21)x4.21}-CF

=145.62

ST=l60

S.,=ST,一(SA+SB+・・・・・・+SB><B)

=9.18

S..=ST-ST, =14.38

したがって,分散分析表は表 8.7のようになる.

(f=78) (8.37)

(f=I58) (8.38)

(f=24) (8.39)

(f=ω) (8.40)

e1が elで有意なので,A, B,..・H ・,BxRは e1でテストする.B, AxB, BxRは

e1にプールして,プールした誤差分散 (e1)を作って,分散比 Foを求めると,A, Rが

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162 8. 三元配置法

表 8.7 分散分折衷

要 因 f S V Fo S' p(%)

A 8 f17.67 12.21 31.4紳 94.57 59.1

B 2 0.68 0.34

AxB 8 3.20 0.40

R 6 9.51 1.58 4.07紳 7.18 4.5

AxR 24 22.94 0.96 2.47・13.64 7.5

BxR 6 2.45 0.45

(e1) (40) (15.51) (0.388) 16.20 10.1

e1 24 9.18 o.誕沼 2.01柿

~ 80 14.38 0.1ω 28.<< 17.8

T 160.∞ 1∞.0

1%有意,AxRは 5%有意である.AxRに有意な差があることは,人によって好み

の差があることを示しているが, その程度は寄与率で 7.5%でしかない.Aの主効果の

大きいのに比較するとずっと小さいから,銘柄による好みの差はすべての人でほぼ一定し

ている ζ とになる.

Bの主効果や AxBが存在しないから, 銘柄の優劣は前にタバコを吸ったかどうかと

は関係がない.

8.2.3推定

A,R,AxRが何れも有意だから,AとRの二元衰の推定をする.

A R 庁τ1上中下

1 1 。。 o 0 4 1 2 。。 o 0 4 1 3 。。 004 1 4 。。 004

2 1 。。 004 2 2 。。 004 2 3 o 4 o 4 0 2 4 。。 004

3 1 3 4 310 3 2 1 4 130 3 3 4 4 4 0 0 3 4 1 3 1 2 1

4 1 3 4 310 4 2 4 4 400 4 3 4 4 400 4 4 1 2 1 1 2

5 1 3 4 3 1 0 5 2 2 4 220 5 3 4 4 400 5 4 4 4 400

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8.3後分類で繰返えし数が不揃いの場合,頭痛薬のテスト 163

この結果は, Ah A2がまずいタバコであり,A., A$がうまいタバコであり,A,がそ

の中間ということになる.人による差が若干あるが,大勢に差はないことを示している.

実際にはグラフを画くとよい.

8.3 後分類で繰返えし数が不揃いの場合,頭痛薬のテスト

8.3.1 問屋(仮想例)

あ~頭痛薬 Az の効果を語ベ~のに,今までの頭痛薬 A, を対照として,病院に来志頭

痛患者を,来ii順に A,か A2をランダムに割り当てた.最初に A,が当たればその次の

患者に A2を,第S番目の患者に改めて,A, か Az かをランダムに与え~ようにした.

患者の性,年令,頭痛の程度,他の病気などが効果に関係あ~かも知れないので,それら

をカルテに記録しておいた.ここでは,説明を短くすあために,性と年令のみを考慮した

解析法を示すが,他のファクターがあっても,まったく同様であるデータ11,各患者に

ついて, 3時間後に頭痛がなおっていれば 1,なおっていなければ0とした.これも,完

全になおったときには良,ややなおったときには中,変わらないときには不良として, 8

章の累積法の計算をしたほうがもっとよいし,時聞についても, 1時間後, 2時間後, 3

時間後, 5時間後のデータをとったほうがよい.そのようにしても因子がlつ場して計算

の手間が増すだけである.

データを A".'12; B, (男), Bz (女);C1 (年令 30才以下), Cz (31-50才), C8 (51

才以上)として分類したデータは表8.8のようであった.患者の総数は結局100人であっ

た.上段はなおった人間の数,下段は患者数である.

表 8.8 頭痛薬の実験データ

.41 .4z

C1 C2 C3 C1 C2 Ca

B1l 仰 13/15 B1 9川 1仰仰 I: B, I 2/4 6/11 2/5 I 20 B2 0/0 7/10 4/6 I 16

表 8.8のようなデータの場合, どの折目にも一応の数があ否ならば,i台軍事になおし

てから,あとは 5.5節の方法に従えlまよい.表 8.8のAzBzC, の例のように, 0人のと

ころがあるときには,そうはゆかない.その場合には,他の組合せのところは率になおす

が,AzB2C1のところは欠測と考えるのである.AzBzC1以外を率になおしたデータは表

8.9のようになる.

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164 8. 三元配置法

型軽 8.9 率(角のにしたデータ

A1 Az

Cl Cz Ca Cl C.

Bl 75 87 57 B1 90 83

Bz 50 55 40 Br z 70

G

一mm

欠測値の推定法を用いて,:r;の代用健を求める.三元配置の場合には,次の公式によ

る.

( 1 ) 未知数が1個の場合 A,B,C.で欠測,A,B, Cを a,b, c水準として

一-a(A,)-b(B,)ーc(C.Hab(A‘B,)+ac(A,C.) +bc(BjC.) +(TL (8.41) zー (a-1)(b-1)(c-1)

とこに,(A,), (A,B,), (T)等は,A,の計(欠測を含まない), A,BJの計(欠測を

含まない),合計(欠測を含まない)等である.:r;の値を代入して,あとは,全変動と S

の自由度を1減らすだけである.

(2 ) 未知数が2個以上のとき たとえば,未知数が3個のときには,それをふ 11,2

とする.y, zにあった観測値の平均値を入れ,:r;のみを欠測とし, (8.41)式を用いて,

Zの第1近似値を出す.次に, zはその平均値,:r;は第1近似値を用いて,曹に (8.41)

式を適用して,官の第1近似値を出す.次に, zの第l近似値を出す.次に,11, Zの第1

近似値を入れ,:r;の第2近似値を出すというように,願に収束するまでやる.実際には,

第2近似値までで十分である.

この問題の場合,欠測値は1つだから, (8.41)式を用いる.

(Az) =90+83+83+70+67=393

(Bz) =田+55+40+拘 +67=2回

(C1) =75+50+90=215

(AzBz) =70+67=137

(A.C1)=90

(B2C1)=印

(η=757

z一一2x 393-2 x 282-3 x 215+4 x 137 +6 x 90+6 x 50+757 - (2-1)(2-1) (3-1)

=75 (8.42)

これを表 8.9に代入して,仮の平均 70を引いて,表 8.10の補助衰を得る.

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8.3後分類で繰返えし数がヰ噛いの場合,頭痛薬のテスト 165

表 8.10補助表

AI A2

Cl C. C2

BI 5 17 20 13 46

B2 -20 -15 -30 I -65 (5) 。 2

Z十 -15 2 -43 -56 計| 25 13 48

AI+A2

Cl C2 Ca

BI 25 30 。B2 -15 -15 -33

計 10 15 -33

河ーロ川一円一

8.3.2 分散分析

あとは,前節とまったく同様に行なう.

CF= (-:~)2 ー一-12

SA一(ー56-48)24一一一一一一一一一=鉛lA 12

R \~~~n~~1 11ω D - 12

_1β2+152+(ー33)2SO ~V , ~V 4 ¥ VVJ CF=348

一(9+2+65-46)2AxBー =7512

(f=1) (8.43)

(f=1) (8.44)

(f=2) (8.45)

(f=1) (8.46)

SAxO (-15)2+22+ ( -43)2+252+ 132+ 1が

2-CF-SA-Sc=231

SBxO

(f=2) (8.47)

糾 302+02+(ー 15F(-15)2+(ー 33)2-CF-SB-So=18

STl=52+172+・・・…+02+(-3)2ー CF=2775

Sel=STl一(SA+SB+…・・・+S;xO)=32

(f=2) (8.48)

(f=l1) (8.49)

(f=1) (8.50)

次に, 7.1節で示したように,繰返えし間誤差変動S..を求める.繰返えし閑誤差変動

は,最初の表 8.8において,A, B, Cの水準組合せ毎に誤差変動を求めて和を作ること

になる.

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8. 三元配置法166

表 8.11 組合せ毎の誤差変動 (A:!&C1は除く)

A1B1Cl

♂一β

唱・a-

,Ed

2-

一l

-

t一En

d

-

一6

"。、、11

,,

aaτ

L「日一日L「

6一8-

4

一6

-hγ

-一3-5plh

-叫

1

1

4

叩唱

i

i

1

6za

470

x

t

x

nnuw

唱目且

-

F

n

v

6

一8u一時・

:

4

一6

AIB1C2

A2BzCa

したがって,このような変動の和 S.'は次のようになる.

I 62 . 132 . . 42 ¥ S.'=(6+13+・・…・+4)一{一一+一一+・・・・・・+一一i¥8'15' '61 (8.51)

(8.52) =73-51.04=21.96

この自由度は,もちろん

(8.53) f=(8-1)+(15-1)+…・・十(6-1)=89

である.

ところで, (8.52)式の S.'をその2次誤差変動とすることはできない. 7.1節に述ぺ

たように,S.'を調和平均 Fで割ること,またこの場合には率を l∞倍して百分率にし

ているから,変動は 1∞2倍しなければならない.

1∞z S..=一子ー-8.' (8.54)

ところで

(8.55) 会=A(←jt+・・ +t)=ω8

したがって

S..=lOooo x O.l28x 21.96

(8.56)

もし,A,B,Cの水準組合せ数が十分多いときには,または,S..の自由度が十分大き

い (10以上)ときには,S'2の計算は省略してもよい.しかし,いまのように,Se.の自

由度がlのような場合には,Se.の計算をやったほうがずっと有利になる.したがって,

(f=89) =28120

分散分析表は,表 8.12のようになる.

分散分析の結果は,Bの主効果のみが有意で,薬の効果Aは認められない.かなり精度

が悪い実験である.この実験の場合,試料数がやや不足であるが,次のようにすれば,も

っと精度が高まったと思われる.

患者の容体として,診断時の頭痛の程度で 2-3組に分類,他の病気のあるなし

しかし,この方法11,欠測を多数生じさせるから,必ずしも良い方法

( 1 )

で2組に分類する.

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167 8.3 後分書置で繰返えし数が司守前いの場合,頭痛薬のテスト

表 8.12 分散分析表

Fo

3.07

3.94・

V

m曲四九布施

9沼

E

1

1

1

3

A

s 制

綿

mmmm

-

m

f

'E&

An4

・ioan,“,LAMe。。

B

C

C

ABCxxxhHa

A

A

B

要因

30895

(28834)

99 (97)

T

(e) {却6)

ではな<,むしろその場合には,有意でなかったCの分類をやめて,Bと容体で再分類す

る.

4時間目, 6時間目というように,時

関についても 3:l1c単をとり,A, B,Cと別の因子として, 四元配置の計算(ただし, 2

悶子交互作用まででよい)をすべきであった.そうすれば,もっとはっきり効果がわかっ

投薬後の3時間自のみでなく, 2時間百,(2)

たことと思われる.

投薬後3時間だけのデータでも,その症状を(3)

I組=完全に回復

E組=ほぽ回復

E組=少しは良くなった

lV組=変わらない

6章の累積法を用いれば,効果はもっとはっきりわかったことと思わと4組に分類して,

れる.

標示因子Bの効果を推定しても価値が少ないが,ここでは有意でなかったがAも入れて,

その推定方法と信頼限界を示す.

換8.3.3

(8.57)

(8.58)

-56 __ _ . __ _ ) zl=70+-E-260.7土13.9I

Az=70+手=削土13.9I

B1=70+警=可79出

&叫二乎許=59.回臥.山.9叶l

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1ω 8. 三元配置法

信額限界は,有効反復数を6として,次の公式を用いるのである.

l円 TY 1 . ,_ _. ___ 1 吋 Fx九xt=土ザ3.倒 x296x6 =土13.9 (8.田)

このことは,A1 とAzでその効果の差について,本当は 40%もAIが良いかも知れ

ないし,数%A1のほうが良いかも知れないことを示している.A1 と AIの平均の差に

土13.9x'"玄=土19.6 (8.印)

の誤差が信頼度 95%であることになる.B1とBzの差はこれより大きいから,危険率5

%で有意差があったことになる.

また, Bb Bz毎に Azを用いたときの頭痛のよくなる割合を推定したいときには,次

の式による.

計算は読者に任せよう.

日 +AzーT土F五zpz=BZ+Aa-T土J友二Z

(8.61)

(8.62)

誤差分散 V.に ,ul(I-Pl)を掛けて修正した方がより良いが,平均値の差が小さいの

で掛けなかった.もっと大きいときには,修正した誤差分散で信頼限界を作るのがよい.

演 習 問 題

問 (8.1) 3社 AbA2, Aaの歯みがきについて,B1=チュープ, Bz=半ねりの製品の

清涼感の良し悪しを5人, Rb R2, Ra, R., R,で調べたデータは次のようであった.繰返

えし数は2回である.

R1 Rz Ra R‘ Ra

A B 上中下 上中下 上中下 上 中 下|上中下

1 1 0 20 0 11 002 0 11 011

1 2 o 1 1 0 1 1 0 11 01 1 020

2 1 020 20 0 1 10 11 0 200

2 2 11 0 020 o 1 1 0 02 011

3 1 002 020 0 11 020 002

3 2 020 200 20 0 020 011

分散分析を行ない,結論を示せ.

問 (8.2) 3社 A1=N,Az=M, Aa=U社のイシスタ γ トコーヒーについて, ミルク

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8人の人間 R"

問題

の種類Bを B1=タリープ,Bz=ニド,Ba=プライトの3種類に変えて,

RJ,…...,んで1回ずつテストしたデータは次のようであった.

演習

Ra

1 1 中 上 中 中 上 中 下 中

1 2 中 下 下 中 中 下 下 中

1 3 上 下 上 上 上 上 中 中

2 l 下 中 中 中 中 中 中 中

2 2 下 下 中 下 中 中 下 中

2 3 中 中 上 中 中 上 中 中

3 1 下 上 中 下 下 中 上 中

3 2 下 中 下 中 下 下 中 中

3 3 中 中 上 中 下 下 中 下

R7 Ra Rs R. 14 Rz B A

分散分析をし,有意な要因を推定せよ. (ただし,wl=7.20, wz=4.84とせよ.SA=

7.0, SB=17.3, SB=8.0, SA)(B=7.6, SA)(R=34.3, SB)(R=36.8, S.=33.1である.)

問 (8.3) 次のデータは,A1=6才,Az=9才, Aa=12才,A,=15才, As=18才,

Aa=21才の,男 (B1),女(Bz)jJJ平均身長のデータである.学校保健統計調査報告書(文

部省)昭和 39年による.ただし,C1=昭和 31年,C.=33年, Ca=35年,C,=37年,

Cs=39年である.

A.

165.9

1“.1 166.5

167.0

167.4

As

165.3

165.6

166.3

166.7

167.3

A, 159.2

1ω.3

161.2 162.2

163.2

Aa

139.5

140.8

141.9

142.9

144.1

Aa

125.4

126.1

126.8

127.6

128.5

A1

110.6

110.9

111.7

112.4

113.2

B1

GGGGG

Aa

154.6

154.6

154.7

155.1

155.3

As

154.3

154.4

154.7

154.8

155.3

A‘ 151.9

152.3

152.7

153.3

153.9

Aa

141.6

142.8

144.0

144.9

146.1

Aa

124.7

125.5

126.3

127.1

128.0

A1

1伺 .6

1ω.9

110.6

111.4

112.2

Ba

GGGGG ( 1 ) 男と女によって,身長の年度に対する伸び率が異なるといえるか.また,AxC,

はどうか.

( 2) C, x B, C, x A を考えた分散分析をし,結論を出せ.また,このままの伸びがつ

Page 18: 8. 三元配置法 - 統計科学のための電子図書システムebsa.ism.ac.jp/ebooks/sites/default/files/ebook/886/pdf/...156 8. 三元配置法 引いて,SBre8XA を求める

170 8. 三元配置法

づいたときの昭和田年度の年令別身長の予測をせよ.

(8.1) 交互作用について AとBの二元配置法について.交互作用がないものとして

Y'J=m+a,+ん+e'J (・5.1)ここに Sりは平均 O.分散ポの正規分布に従う独立な確率変数として,理論を構成する蹄fの本が少

な〈ないが.~互作用がないというこ1:: 11. 実際にはあり得ない.また,誤差について母平均 O. 分散

01の正規分布すなわち N(O.OI)主仮定するのも実際的ではなく .N(O.〆)であることがわかってい

るととはない.すなわち.Y'Jを m+ac+bJで表現しようというこ主は.研究担当者の考えであり.

そのような表現方法の誤差の大ききの合理的な評価の計算法を提供すべきである.経験によれば突互作

用は小さいことカゆいとか.正規分布で近似できることが多いと金内、ういい方で研究者をど剖‘そうと

するのは,まった〈小児病の症状である.物理学や化学における公式も,分子聞の相互作用とか周辺効

果を省略して誘導したものが少な〈ない.それは.研究者のまったく自由である.しかし.そのような

省略に伴う高次の項がないかどうかを調べることではない.高次の項はあるに決まっているのだが.そ

の大きさの評価が大切なのである.公式から得られた値と実際の観測値のくい違いの大きさをその残差

2乗和で評価しようというわけである.

実験データの場合でも.交互作用はあるに決まっているのだが,その大ききの評価ができていれば.

結給を誤ることはないのである.