Ⅰ 第1章 我が国の経済と国土交通行政の関わり 章Ⅰ 2 我が国の財政状況...

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2 国土交通白書 2016 第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境 1 第 1 章「我が国の経済と国土交通行政の関わり」においては、第 2 章以下の議論の前提として、我 が国経済を取り巻く厳しい状況を認識し、インフラ整備が経済成長にもたらす効果の重要性について 歴史面・統計データ面により考察する。 まず、第 1 節「我が国経済とこれを取り巻く環境」において、人口減少、特に生産年齢人口の減少 が進み、高齢化率が 2050 年に約 4 割弱と世界で類を見ない超高齢社会を迎えると推測されること、 長期債務残高が急速に増加し財政状況が厳しい状況にあること等について概観する。 次に第2節「経済動向とインフラ整備」において、経済成長と過去(江戸時代と戦後の経済成長期) のインフラ整備の歴史から、インフラはその時々の人々の生活や経済を支えてきたことを概観する。 また、公共投資水準の国際比較に当たっては我が国の脆弱な国土と厳しい自然条件に留意する必要が あることを述べるとともに、インフラストックの蓄積の効果を概観し、インフラと生産性、さらには 経済成長に及ぼす影響について考察する。 第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境 1 我が国の人口の動向及び将来推計 ( 1 )人口及び生産年齢人口の推移 少子高齢化の進行により、我が国の総人口は 2008 年をピークに減少に転じており、生産年齢人口 も1995年をピークに減少に転じている。2015年の国勢調査における人口速報集計では、我が国の 総人口は 1 億2,711 万人であり、5 年に1 回の国勢調査ベースでは調査開始以来、初めての減少となっ た。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位(死亡中位)推計)によると、総人口は 2030 年には 1 億 1,662 万人、2060 年には 8,674 万人(2010 年人口の 32.3%減)にまで減少すると 見込まれており、生産年齢人口は2030年には6,773万人、2060年には4,418万人(同45.9%減) にまで減少すると見込まれている(図表1-1-1)。 1 我が国の経済と国土交通行政の関わり

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Page 1: Ⅰ 第1章 我が国の経済と国土交通行政の関わり 章Ⅰ 2 我が国の財政状況 債務残高について見ると、社会保障関係費、国債費、地方交付税交付金等の増大に伴い、財政状況

2 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

第1章「我が国の経済と国土交通行政の関わり」においては、第2章以下の議論の前提として、我が国経済を取り巻く厳しい状況を認識し、インフラ整備が経済成長にもたらす効果の重要性について歴史面・統計データ面により考察する。

まず、第1節「我が国経済とこれを取り巻く環境」において、人口減少、特に生産年齢人口の減少が進み、高齢化率が2050年に約4割弱と世界で類を見ない超高齢社会を迎えると推測されること、長期債務残高が急速に増加し財政状況が厳しい状況にあること等について概観する。

次に第2節「経済動向とインフラ整備」において、経済成長と過去(江戸時代と戦後の経済成長期)のインフラ整備の歴史から、インフラはその時々の人々の生活や経済を支えてきたことを概観する。また、公共投資水準の国際比較に当たっては我が国の脆弱な国土と厳しい自然条件に留意する必要があることを述べるとともに、インフラストックの蓄積の効果を概観し、インフラと生産性、さらには経済成長に及ぼす影響について考察する。

第1節  我が国経済とこれを取り巻く環境

1 我が国の人口の動向及び将来推計

( 1)人口及び生産年齢人口の推移少子高齢化の進行により、我が国の総人口は2008年をピークに減少に転じており、生産年齢人口

も1995年をピークに減少に転じている。2015年の国勢調査における人口速報集計では、我が国の総人口は1億2,711万人であり、5年に1回の国勢調査ベースでは調査開始以来、初めての減少となった。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(出生中位(死亡中位)推計)によると、総人口は2030年には1億1,662万人、2060年には8,674万人(2010年人口の32.3%減)にまで減少すると見込まれており、生産年齢人口は2030年には6,773万人、2060年には4,418万人(同45.9%減)にまで減少すると見込まれている(図表1-1-1)。

第1章 我が国の経済と国土交通行政の関わり

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3国土交通白書 2016

第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境     

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ図表1-1-1 我が国の人口構造の変化

0~14歳 15~64歳 65歳以上 年少率(右軸) 高齢化率(右軸) 生産年齢人口率(右軸)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060

(千人)

(年)

推計値

(%)

資料)2010 年までの値は総務省「国勢調査」「人口推計」、2015 年は総務省「人口推計」(2015 年 10 月 1 日現在)、推計値は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012 年 1 月推計)」の中位推計より国土交通省作成

( 2)深刻な高齢化また、高齢化率注1は、2015年に26.7%と過去

最高となっている注2。高齢化率の推移について諸外国と比較してみると、我が国の高齢化率が最高水準であるのみならず、群を抜いて高いことが分かる(図表1-1-2)。さらに、2025年には、我が国全体で高齢化率が3割を超え、2050年には4割弱にまで達するなど、世界で類を見ない超高齢社会を迎えると推計されている。

注1 総人口に占める高齢人口(65 歳以上)の割合。注2 総務省「人口推計」(2015 年 10 月 1 日現在)

図表1-1-2 我が国及び諸外国における高齢化率の推移

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0(%)

2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050(年)

日本イギリス

中国

韓国フランス

インド

インドネシア

ドイツシンガポール

アメリカ

(注) いずれも 2010 年は実績値、2010 年以降は中位推計の値資料)日本は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口

(2012 年 1 月推計)」、日本以外は United Nations 「World Population Prospects: The 2015 Revision」より国土交通省作成

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4 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ( 3)地域によって異なる人口動向

人口の地域分布の将来推計では、2010年から2050年の間に、居住地域の約6割以上で人口が半分以下に減少し、約2割は人が住まなくなると予測される(図表1-1-3)。また、地域別の人口の増減の見通しを更に細かい地域単位で見てみると、市区町村の人口規模別では、人口規模が小さい自治体ほど人口減少率が高くなり、2010年から2050年で見た場合、人口1万人未満の市区町村では約半分に減少すると見込まれている。人口が増加するのは、東京圏、名古屋圏等わずかな地域であり、過疎化が全国で一層深刻化すると予想されている。過疎地域においては既に、若年者のみならず高齢者の人口も減少する局面へと入りつつある。

図表1-1-3 人口分布予測

-15

-21 -25-28

-37

-48-50

-40

-30

-20

-10

0

人口増減割合別の地点数

市区町村の人口規模別の人口減少率

6割以上(63%)の地点で現在の半分以下に人口が減少

無居住化 50%以上減少50%以上減少 0%以上50%未満減少0%以上50%未満減少

0 20 40 60 80 100(%)

19%19% 44%44% 35%35%

居住地域の2割が無居住化

(%)

全国平均の減少率約24%

市区町村の人口規模

政令指定都市等

30万人~

10~30万人

5~10万人

1~5万

~1万人人口減少率

0%以上50%未満減少

凡例:2010年比での割合50%以上減少(無居住化含む)

増加

【2010年を100とした場合の2050年の人口増減状況】

増加2%増加2%

資料)総務省「国勢調査報告」、国土交通省推計値より作成

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5国土交通白書 2016

第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境     

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ( 4)人口減少社会と生産性の向上による我が国の経済成長

人口減少が我が国の経済全体の縮小につながることが指摘される中、経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来」委員会の報告によれば、現役世代の減少ペースが強まる2030年代、2040年代には経済に対する下押し圧力がかかることが予想され、そのような人口減少下で経済が停滞した場合、2040年代にはマイナス成長に陥り、そこから脱することが難しくなるおそれもあるとされている注3。

一方で、人口減少下でも、生産性向上シナリオと生産性停滞シナリオを比較すると、実質GDP成長率で1%強の差が生じる(図表1-1-4)。生産性向上が労働力減少分のマイナスを補うことができれば、今後の人口減少下においても、経済成長を達成することが可能であると考えられる。

注3「選択する未来委員会」の報告によると、人口については、1 億人程度で安定するケースと現状のまま減少が続くケースの 2 つを、生産性については、改善により向上するケースと停滞するケースの 2 つを、それぞれ想定している。

図表1-1-4 将来の人口と実質GDP成長率の推計

生産性向上・人口安定

生産性向上・人口減少

生産性停滞・人口安定

1%強

生産性停滞・人口減少2011-2020 2021-2030 2031-2040 2041-2050 2051-2060(年度)

3.0(%)

2.5

2.0

1.5

1.0

0.5

-0.5

0.0

(注) シナリオの仮定   人口安定: ①合計特殊出生率は、2.07 に上昇、② 50 年後の人

口は 1 億人を維持   人口減少: ①合計特殊出生率は、1.33 に低下、② 50 年後の人

口は 8,500 万人に減少   生産性向上:TFP が 2020 年代初頭までに 1.8%程度へ上昇   生産性停滞: TFP が 2020 年代初頭で 1.0%程度(2000~2005 年

の平均並み)の上昇にとどまる資料)経済財政諮問会議専門調査会『「選択する未来」委員会報告

<参考資料集>』より国土交通省作成

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6 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ 2 我が国の財政状況

債務残高について見ると、社会保障関係費、国債費、地方交付税交付金等の増大に伴い、財政状況が一層深刻化している。2015年度末では、国の長期債務残高は、874兆円に達している(図表1-1-5)。

図表1-1-5 国の歳出と長期債務残高の推移

7.27.2 7.27.2 7.17.1 6.96.9 7.07.0 7.47.4 6.76.7 7.47.4 7.07.0 7.47.4 9.79.7 13.713.713.213.212.812.812.312.311.111.113.013.013.013.011.911.910.810.8 9.29.2 9.49.4 8.28.2 8.48.4 7.77.7 7.37.3 6.96.9 8.48.4 5.85.8 5.95.9 5.85.8 8.08.0 7.37.3 6.06.09.29.2 9.39.3 9.89.8 9.99.9 10.110.110.210.211.711.712.412.411.511.512.112.1

12.812.813.313.313.613.614.514.515.015.015.415.415.715.719.019.017.617.619.319.319.619.619.719.720.320.320.620.620.620.621.121.122.622.6

28.728.728.228.229.829.829.229.229.229.230.230.231.531.5

82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

国債費公共事業関係費 社会保障関係費地方交付税交付金等 文教及び科学振興費その他

防衛関係費

0

20

40

60

80

100

120

140

160(兆円)

(年度)0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1,000(兆円)

7.57.5 7.37.3 9.09.09.79.7 9.79.7 11.111.1

13.013.015.015.015.915.915.815.814.214.2

13.913.912.112.112.312.313.913.915.515.514.314.3

13.113.115.815.816.716.716.516.517.417.417.717.717.417.416.716.714.914.915.715.7

16.616.618.818.819.519.516.916.917.617.617.117.115.515.5

6.96.9 8.28.2 9.29.2 10.210.210.710.711.911.912.012.012.112.114.314.315.515.5

14.614.613.713.713.413.412.812.816.116.115.915.9

17.717.720.320.321.421.415.815.815.615.615.515.517.517.518.718.718.018.019.319.319.219.2

18.418.419.519.519.619.621.021.021.321.322.222.223.523.5

国の長期債務残高(右軸)

(注) 歳出について、2014 年までは決算額、2015 年は当初予算額。資料)財務省「財政関係基礎データ(2016 年 4 月)」、「財政統計」より国土交通省作成

債務残高の対GDP比は、経済規模に対する国の債務の大きさを計る指標であり、財政の健全性を図る上で重要な指標であるが、諸外国と比較すると、我が国は最も厳しい状況となっている(図表1-1-6)。

図表1-1-6 債務残高の国際比較(対GDP比)

0

50

100

150

200

250

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

(%)

(年)

日本 米国 英国 ドイツ フランスギリシャ スペイン ポルトガル 韓国イタリア

資料)IMF「World Economic Outlook Database,October2015」より国土交通省作成

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7国土交通白書 2016

第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境     

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ3 国際環境

( 1)国際的な分業体制の構築2008年のリーマンショック以降、為替は円高

方向に推移した中、日本企業の製造拠点の海外展開が進んだ。これにより、海外で生産し、海外で販売する流れが作られ、日本国内からの輸出が減少することとなった注4。製造業の海外生産比率注5

は増加基調にあり、2012年度以降は2割を超えている(図表1-1-7)。

( 2)新興国の台頭特にアジア諸国の経済は成長しており、2010年には中国のGDPが我が国を上回ることとなった

(図表1-1-8)注6。一人当たりのGDPで見ても、シンガポールが我が国を上回るなど、アジア諸国の成長が顕著にあらわれている(図表1-1-9)。

急速な経済成長を遂げてきているアジア地域の存在は、我が国における産業立地の動向に影響を及ぼしているばかりでなく、経済全体にとって極めて重要なものとなっており、我が国の地域の将来を考える上で重要な要素となっている。

注4 ここ数年見られた円安方向への推移により、国内回帰の動きはあるものの、アジアを中心とした新興国との厳しい競争にさらされる環境にある。

注5 海外現地法人売上高を海外現地法人売上高と国内法人売上高の和で除したもの。注6 2013 年に我が国の GDP が減少しているのは、為替が円安方向に推移したことによる影響が大きい。

図表1-1-7 海外生産比率の推移(製造業)

0

5

10

15

20

30

25

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

(%)

(年度)

7.9 8.3 10.4 11.0 11.6 11.4

11.8

14.3 14.6 15.6 16.2 16.7

18.1 19.1

17.0 17.0

18.1

18.0

20.3

22.9 24.3

(注) 海外生産比率=現地法人(製造業)売上高 /(現地法人(製造業)売上高+国内法人(製造業)売上高)× 100

資料)財務省「法人企業統計調査」、経済産業省「海外事業活動基本調査」より国土交通省作成

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8 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ 図表1-1-8 アジア諸国及びロシアのGDP(名目)の推移

(兆米ドル)

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

10.0

11.0

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

日本 中国韓国 ロシアシンガポール 台湾

(注) 2013 年に我が国の GDP が減少しているのは、為替が円安方向に推移したことによる影響が大きい(我が国の GDP(名目)は、円ベースでは 2013 年以降も増加している)。

資料)IMF「World Economic Outlook Database,October2015」より 国土交通省作成

図表1-1-9 アジア諸国及びロシアの一人当たりGDP(名目)の推移

日本 中国韓国 ロシアシンガポール 台湾

(米ドル)

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

(注) 2013 年に我が国の一人当たり GDP が減少しているのは、為替が円安方向に推移したことによる影響が大きい(我が国の一人当たり GDP(名目)は、円ベースでは 2013 年以降も増加している)。

資料)IMF「World Economic Outlook Database,October2015」より 国土交通省作成

( 3)国際競争力を支えるインフラこのように、世界経済において国際競争が激化する中で、日本の国際競争力を強化するためには、

産業・都市基盤の整備による立地、就労・居住環境の改善や、交通ネットワークの強化による移動・物流サービスの強化が必要である。

4 我が国の経済状況

( 1)我が国の経済の現況と経済成長率我が国の経済は、2008年秋のリーマンショック、2011年の東日本大震災の影響による低迷を乗

り越え、2012年末に持ち直しに転じたものの、中長期的に見れば、近年のGDP成長率は1980年代と比べて低い水準にある(図表1-1-10)。2014年4月に実施された消費税率引上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響があったものの、2014年末以降、消費者マインドが下げ止まり、個人消費や住宅投資等が底堅く推移し、2015年1-3月期には、実質GDPは、個人消費、住宅投資、設備投資と民需が増加し、プラス成長となった注7。

注7 出典:内閣府「平成 27 年度年次経済財政報告 第 1 章第 1 節 2 最近の景気動向」(平成 27 年 8 月 14 日)

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9国土交通白書 2016

第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境     

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ図表1-1-10 我が国のGDPの推移

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

0

100

200

300

400

500

600

1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014

GDP(実質) 実質成長率(右軸) 名目成長率(右軸)

(兆円) (%)

(年度)(注) 1 実質(連鎖方式)による値。

2 2000年基準における2001年の数値と2005年基準における2001年の数値の比率により、1980年~ 2000年までの数値を調整している。資料)内閣府「国民経済計算」より国土交通省作成

( 2)国内総生産(支出側)及び各需要項目内閣府が公表する国内総生産注8(GDP)は「国

内で一定期間内に生産されたモノやサービスの付加価値の合計額」であり、四半期別 GDP 速報

(QE:Quarterly Estimates)が公表されている。QEでは、民間最終消費支出注9、総固定資本形成注10、在庫品増加、輸出入(財貨・サービスの純輸出注11)といったGDPの需要項目ごとに推計し、それを積み上げて全体のGDPを算出しており、民間最終消費支出が全体の約6割を占める(図表1-1-11)。

(民間住宅投資注12)2014年度は、雇用・所得環境の改善や、東日本大震災からの復興需要等が見込まれたものの、消

費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動もあり、前年度比減となった(図表1-1-12)。

注8 “ 国内 ” のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含まない。注9 民間最終消費支出は、家計最終消費支出に対家計民間非営利団体最終消費支出を加えたものである。注10総固定資本形成は、民間住宅、民間企業設備、公的固定資本形成から成る。注11財貨・サービスの純輸出 = 財貨・サービスの輸出-財貨・サービスの輸入注12民間住宅投資は、四半期別の全住宅投資額から、別途推計した四半期別の公的住宅投資額を差し引くことにより推計

する。

図表1-1-11 名目国内総生産(支出側)の構成

民間住宅 14.4兆円2.9 %

公的固定資本形成 23.7兆円4.8%

在庫 0.3兆円0.1% 輸出入 -11.3兆円

-2.3%

民間消費 293.2兆円59.9%

民間消費 293.2兆円59.9%

政府消費 100.9兆円20.6%

政府消費 100.9兆円20.6%

民間企業設備 68.4兆円14.0%

民間企業設備 68.4兆円14.0%

※輸出入=輸出88.4兆円-輸入99.7兆円

2014年度 名目国内総生産489.6兆円

資料)内閣府「国民経済計算」より作成

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10 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ図表1-1-12 名目民間住宅投資の推移

(兆円)

0

5

10

15

20

25

30

2014

(年度)2013

2012

2011

2010

2009

2008

2007

2006

2005

2004

2003

2002

2001

2000

1999

1998

1997

1996

1995

1994

1993

1992

1991

1990

1989

1988

1987

1986

1985

1984

1983

1982

1981

1980

資料)内閣府「国民経済計算」より国土交通省作成

民間住宅投資がGDPに占める割合は3%ほどで、他の需要項目と比べ必ずしも大きな割合ではない(前述図表1-1-11)。しかし、住宅投資は、住宅の建設に関連する産業が建設・不動産業・鉄鋼・非鉄金属といった多岐にわたり、その裾野が広いことから、経済全体に波及する生産誘発効果が大きい。さらに、住宅への入居時には、家電、家具等の耐久消費財需要が喚起され、1世帯当たりの購入額は約127.5万円にのぼる(図表1-1-13)。そのため、民間住宅投資は、国土交通省関係のGDP項目のうち、公共投資と並ぶ重要な柱となっている。

(民間企業設備)2014年度の名目GDPは489.6兆円となっているが、うち民間企業設備は68.4兆円と約14%を占

める。個人消費などと比べると、そのウエイトは必ずしも高くはないが、変動が大きく、全体の景気変動に与える影響が大きいことから、その動向への注目度は高い。

設備投資は、企業収益が改善傾向にあることを背景に、2014年度まで6年連続の増加となっている(図表1-1-14)。労働力人口の減少が見込まれる中、我が国の成長力を供給面から押し上げていくために、生産性向上に向け設備投資の役割の重要性は高まっている。

図表1-1-14 名目設備投資の推移

0102030405060708090

100(兆円)

1980

1981

1982

1983

1984

1985

1986

1987

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

(年度)

資料)内閣府「国民経済計算」より国土交通省作成

図表1-1-13 住宅購入時における耐久消費財の購入内訳

, その他、9.8 その他、9.8

交通、30.4 交通、30.4

通信機器等、0.7 , 教養・娯楽品類、8.5 教養・娯楽品類、8.5

, 照明・設備機具類、31.2 照明・設備機具類、31.2

冷暖房器具類、10.0 冷暖房器具類、10.0 家事用器具類、10.0 家事用器具類、10.0

家具類、26.8 家具類、26.8

0

20

40

60

80

100

120

140(万円)

計 127.5 万円

その他 交通通信機器等 教養・娯楽品類照明・設備機具類 冷暖房器具類家事用器具類 家具類

資料)(独)住宅金融支援機構「住宅取得に係る消費実態調査(2014年度)」より国土交通省作成

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11国土交通白書 2016

第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境     

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ(公的固定資本形成)

公共投資の動向をつかむ上で一般的に利用されるのがQEで公表される公的固定資本形成である。公的固定資本形成は、政府及び公的企業の固定資本ストックの増加に対する投資であり、①公的住宅の建設への投資、②公的企業の活動上使用する機械設備や建物への投資、③一般政府(国、地方公共団体)が行う公共工事や施設の建設等への投資の3つに分かれる注13。

1995年の44.4兆円をピークに減少基調にあったが、東日本大震災に係る支出もあり、2013年半ば以降、増加している(図表1-1-15)。

(輸出入総額)諸外国との貿易の状況を見てみると、1960年当時は、輸出が約1兆5,000億円、輸入も約1兆

6,000億円程度の規模で推移していたが、1973年からは輸出入とも10兆円の大台に乗り、1980年には輸出入ともに約30兆円と拡大した。1981年から2010年までは輸出が輸入を上回る貿易黒字の状態が続いていたが、2011年からは貿易赤字の状態となり、2014年には輸出が約73兆円、輸入が約86兆円となっている(図表1-1-16)。貿易相手別に見ると、これまで長期にわたり米国が我が国の第1の貿易相手となっていたが、2003年以降は中国が米国を抜いて我が国の第1の貿易相手国となっている(図表1-1-17)。

図表1-1-16 我が国の輸出入総額の推移

-200

0

200

400

600

800

1,000

(年)

(千億円)

輸出総額 輸入総額 差引額

1950

1952

1954

1956

1958

1960

1962

1964

1966

1968

1970

1972

1974

1976

1978

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

1950

1952

1954

1956

1958

1960

1962

1964

1966

1968

1970

1972

1974

1976

1978

1980

1982

1984

1986

1988

1990

1992

1994

1996

1998

2000

2002

2004

2006

2008

2010

2012

2014

1960年輸入16千億円輸出15千億円

1973年輸入104千億円輸出100千億円

1980年輸入320千億円輸出294千億円

2014年輸入859千億円輸出731千億円

資料)財務省「貿易統計」より国土交通省作成

注13QE による公的固定資本形成は「建設総合統計」と同様、工事の進捗に応じて計上される。一方で、確報の公的固定資本形成は国の決算書や地方公共団体の決算における公共事業の支出済歳出額に基づき推計される。

図表1-1-15 公的固定資本形成の推移

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2014

(兆円)

(年度)

資料)内閣府「国民経済計算」より国土交通省作成

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12 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ図表1-1-17 1995年~2014年の相手国貿易額の推移

50(兆円)

45

40

35

30

25

20

15

10

5

01995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014(年)

12.4兆円

43.6兆円

23.3兆円

9.0兆円11.7兆円

4.6兆円

逆転

米国中国 韓国 ASEAN10 ヶ国 EU

資料)財務省「貿易統計」より国土交通省作成

我が国の国民経済計算において、2014年度の財貨・サービスの輸出額はGDPの約18%に上り、近年、内需の伸びが縮小する傾向にある中で、経済成長に対する外需の寄与が相対的に重要性を増している。

例えば、インフラシステム海外展開には、新興国等の膨大なインフラ需要を我が国に取り込むことで、我が国経済の成長につながる効果が期待される注14。経済協力開発機構(OECD)の報告注15によると、2030年における世界のインフラ需要は年間2兆3,260億ドルに上るとされており、膨大な需要が見込まれている。国内のインフラ市場に加えて、こうした海外市場を我が国企業が獲得することは、新たな受注による我が国企業の収益拡大に資するのみならず、事業拡大のスケールメリットを活かした価格競争力や生産性の強化、グローバルスタンダードの獲得による国内事業への還元等の効果が期待され、ひいては我が国経済の活性化につながるものである。

(訪日外国人観光客の増大)円安傾向による訪日旅行の割安感やビザ発給要件の緩和等を背景に日本を訪れる外国人観光客が急

増している。観光庁によると、2015年の訪日外国人旅行数は過去最多の約1,974万人だった(図表1-1-18)。また、同年の訪日外国人旅行消費額も前年比71%増え過去最高の3兆4,771億円に上った

(図表1-1-19)。訪日外国人の我が国における消費額はGDP統計上個人消費ではなく、輸出にカウントされる注16。

注14インフラシステムの海外展開は、国内総生産(GDP)及び国民総所得(GNI)を押し上げる面もある。国内で製造した鉄道車両を売り切りで販売する場合は GDP のコンポーネントのうち「輸出」に計上される。一方、現地 SPC を設立して運営にも関わるような場合の株式配当は GDP に含まれないが、海外から得た富を含め国民が受け取る総所得であるGNI には含まれる。

注15OECD(2006/2007)「Infrastructure to 2030」、OECD(2012)「Strategic Transport Infrastructure Needs to 2030」より国土交通省算出。

注16個人消費は概念上、国内の自国民の消費を対象としており、一方で訪日外国人の日本国内での消費は、(お土産物の購入の例が分かりやすいが、)仮に国内で消費される場合でも広い意味での輸出として位置づけられている。

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13国土交通白書 2016

第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境     

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ図表1-1-18 訪日外国人旅行者の推移

521521614614 673673 733733

835835 835835679679

861861

622622836836

1,0361,036

1,3411,341

1,9741,974

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000(万人)

リーマンショック 東日本大震災

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

(年)

(注) 2015 年は暫定値資料)日本政府観光局(JNTO)資料より国土交通省作成

図表1-1-19 年間の旅行消費額と一人当たり旅行支出の推移

11,49011,490 8,1358,135 10,84610,846 14,16714,167 20,27820,278 34,77134,771

133,426

130,819

129,763

136,693

151,174

176,167

100,000

110,000

120,000

130,000

140,000

150,000

160,000

170,000

180,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

2010 2011 2012 2013 2014 2015

(億円) (円)

(年)

訪日外国人旅行消費額一人当たり訪日外国人旅行消費額(右軸)

資料)観光庁「訪日外国人消費動向調査」

( 3)産業構造の変化また、人口減少・少子高齢化により人口構造が変化する中で、我が国が経済成長していくために

は、技術革新を含む生産性注17向上が重要な役割を担う。内閣府の「平成27年度年次経済財政報告第3章第1節」によると、長期的な経済停滞の背景には

生産性の伸び悩みがあげられ、先進国と比較して伸び悩む我が国のサービス産業注18の生産性が述べられている。

経済のサービス化や高齢化等により、人手を多く必要とするサービス産業が経済活動に占める割合が高まっている。

所得水準の上昇や少子高齢化等の社会構造の変化に応じたサービス需要の増大等を背景に、我が国を含む先進諸国では経済のサービス化が進んでおり、非製造業を中心に労働需要が拡大してきた。経済全体に占めるGDPのシェアや就業者数のシェアでみて、製造業からサービス産業へのシフトが生じている。

製造業からサービス産業への経済構造のシフトは、先進各国で共通してみられている。我が国についてみるとサービス産業が生み出す名目付加価値が経済全体に占める割合は、2000年に70%であったが、2014年には74%まで上昇した(図表1-1-20)。同様に我が国のサービス産業に従事する就業者数の割合を見ると、2000 年には65%であったが、2013年には72%まで上昇している。

注17生産性とは、「生産資源の投入量と生産活動により生み出される産出量の比率」として定義され、投入量に対して産出量の割合が大きいほど効率性が高いことを意味する。

注18「サービス産業」とは、農林水産業、鉱業、製造業、建設業を除く第 3 次産業を意味し、対個人サービス、対事業所サービスといった狭義のサービス分野に加え、電気・ガス・水道、卸・小売、金融・保険、不動産、運輸、情報通信業等を含む広義のサービス分野を指す。

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14 国土交通白書 2016

     第1節 我が国経済とこれを取り巻く環境

第1章  我が国の経済と国土交通行政の関わり

Ⅰ図表1-1-20 経済活動別国内総生産(名目)の割合

1.2

1.6

0.1

0.1

18.5

21.1

6.1

7.1

2.0

2.6

14.1

13.5

4.3

5.0

11.6

10.7

5.0

4.6

5.5

5.0

19.6

17.6

9.0

9.0 1.71.7

2.3 0.7

0.4

0 20 40 60 80 100

2014年

2000年

農林水産業 鉱業 製造業 建設業 電気・ガス・水道業 卸売・小売業金融・保険業 不動産業 運輸業対家計民間非営利サービス生産者 その他(税・統計上の不突合)

情報通信業 サービス業 政府サービス生産者

1次産業 2次産業 3次産業

(%)

(注) 政府サービス生産者:中央政府、地方政府 等   対家計民間非営利サービス生産者:私立学校、NGO、労働組合、政党、宗教団体 等資料)内閣府「国民経済計算」より国土交通省作成

以上のように、GDPおよび就業者人口の約7割を占めるサービス産業であるが、就業者一人当たりのGDPは、製造業では増加しているのに対し、サービス産業では減少している。特に、卸売・小売、飲食宿泊、医療福祉等のサービス業において、就業者一人当たりGDPが少ない(図表1-1-21)。

このような状況から、特にサービス産業は、生産効率性の改善や技術革新等により労働生産性を高めていくことが重要となる。

図表1-1-21 就業者の一人当たりGDP

0

200

400

600

800

1,000

1,800

製造業

就業者1人当たりGDPの推移

サービス業全体(金融保険、公務除く)

卸売・小売 運輸業 情報通信業 その他サービス業(飲食宿泊、医療福祉等*)

就業者数(2002年→2012年)1,148万人  →1,000万人

3,594万人  →3,856万人

1,126万人  →1,154万人

338万人  →348万人

163万人  →186万人

1,816万人  →2,011万人

(万円)

+2.6%

▲5.7%

▲3.7%▲2.3%

▲3.1%

●就業者1人当たりGDPは、製造業で増加しているものの、サービス産業では減少している。●特に、卸売・小売、飲食宿泊、医療福祉等のサービス業は、就業者1人当たりGDPが少ない。

2002 2012

▲14.5%

資料)経済産業省「サービス産業の高付加価値化・生産性向上について」