Ⅲ 指導監査部指導第二課...-76- 6 調査の重点項 (保育内容)...

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- 73 - 指導監査部指導第二課

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Ⅲ 指導監査部指導第二課

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2

Ⅰ 認証保育所の⽴⼊調査の概要⽴⼊調査の⽬的

児童福祉法等をはじめ労働基準法、消防法などの法令に照らし、設備及び運営に関する基準等の適合状況及び都が別に定める指導検査に係る基準・方針等(都の基準)に対する実施状況等について個別的に明らかにし、必要な助言及び指導又は是正の措置を講ずることにより、児童福祉施設等の適正な運営及びサービスの質の確保並びに利用者支援の向上を図り、もって都における社会福祉のより一層の増進に寄与する。

≪児童福祉施設等指導検査実施要綱 第2条≫

1

認証保育所の⽴⼊調査について

東京都福祉保健局指導監査部指導第⼆課保育施設検査担当

- 75 -- 74 -

4

⼀般的な⽴⼊調査の流れ

① 立入調査対象施設に対し、実施通知を送付

② 実地調査の実施

④ 改善状況報告書の提出(指摘事項がある場合)

③ 調査結果通知の送付

⑤ 改善状況報告書の確認・再指導等

次回調査への反映

3

⽴⼊調査の根拠児童福祉法第59条

東京都認証保育所事業実施要綱16及び18

児童福祉施設等指導検査実施要綱

東京都認証保育所指導監督基準

→東京都福祉保健局ホームページ参照(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/index.html)

>福祉保健の基盤づくり(ページ中段 分野からのご案内)

>事業者の方へ(ページ最下部)

>指導検査要綱・実施方針・指導検査基準・自己点検票

>5 社会福祉法人・施設等指導検査基準

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6

⽴⼊調査の重点項⽬(保育内容)1 保育所保育指針の徹底ア 子供の人権に配慮した適切な保育が行われているか。

イ 保育所保育指針に基づく保育課程及び指導計画の編成等がなされているか。

※保育所保育指針:平成29年3月31日改正、平成30年4月1日適用

2 児童一人ひとりに応じた保育の徹底ア 児童の健康状態の把握が適正になされているか。

イ アレルギー児等の児童の状況に応じた食事の提供が適正に行われているか。

3 安全対策の徹底ア 乳幼児突然死症候群の予防対策は徹底されているか。

イ 事故防止及び事故発生時の対応等が適切に行われているか。

ウ 食中毒・感染症(特にインフルエンザ、腸管出血性大腸菌O157、ノロウイルス)予防対策が徹底されているか。

5

平成29年度保育施設指導検査等実施⽅針⽴⼊調査の重点項⽬(運営)1 職員の確保及び処遇

ア 職員配置基準に定める職員の員数及び資格を満たしているか。

イ 職員の状況を把握するため、雇用契約書、出退勤記録等が適正に整備されているか。

ウ 職員の健康診断や労働条件に係る運用が適正に行われているか。

エ 職員の資質向上のための取組を適切に行っているか。

2 安全対策の徹底

ア 在籍児童に見合う基準面積が確保されているか。

イ 消防計画に基づく避難訓練、物品の転倒落下防止等の防災対策が徹底されているか。

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8

Ⅱ ⽴⼊調査における主な指摘事項【認証保育所の主な⽂書指摘事項(平成28年度)】

指摘事項 件数

常勤有資格者の配置が適切でない 19

調理・調乳担当者の検便を適切に実施していない 18

施設長が他の業務を兼務している 12

実施要綱基準に基づく職員が確保されていない 11

避難訓練・消火訓練を月1回以上実施していない11

その他 : 調理・調乳担当者の健康チェックを行っていない

保育料徴収額が限度額を超えている

運営委員会が設置されていない 等

30

(延べ)

合 計(延べ) 101

7

⽴⼊調査の重点項⽬(会計)

保育料の徴収額が実施要綱に定める限度額を超え

ていないか。

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10

1運営

認証内容と現状に相違がある。

重要事項説明書の内容に不備がある。

運営委員会が適正に運営されていない。

就業規則等が内容不十分である。

36協定、24協定が締結されていない。

(1)組織運営に関する主な指摘

9

【認証保育所の主な⼝頭指導事項(平成28年度)】指摘事項 件数

就業規則(給与規程、育児・介護休業規程含む)に不備がある 24

児童の健康診断の実施内容が不適切 20

避難・消火訓練の記録未作成・内容不十分 17

消防計画に不備がある 16

職員健康診断の未受診者がいる、実施方法が不適切 14

構造設備にやや危険な箇所がある 8

その他:カーテン等が防炎性能を有していない

認証内容と現状に相違がある

運営委員会の構成不適切

保育料の変更が書面で確認できない 等

83

合 計(延べ) 182

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重要事項説明書・契約書利用者との契約に当たり、下記事項を記載した重要事項説明書を作成し、利用者に説明の上、交付すること。

(1) 認証保育所の名称及び所在地

(2) 設置者の氏名及び住所又は名称及び所在地

(3) 施設及び設備の概要

(4) 施設長の氏名

(5) 給食、健診などのサービス内容

(6) 施設の運営方針、職員体制

(7) 保育料(要綱に定める保育料の範囲内であることを明記すること。)、自主事

業及び利用料並びに非常災害時の対策

(8) 利用児童に関して契約している保険の種類、保険事故及び保険金額

(9) 嘱託医の氏名、住所、委託内容

(10) 利用者からの苦情を受け付ける担当職員の氏名及び連絡先

12

認証内容の変更⼿続きが必要な事項① 建物の規模構造の変更

② 使用区分(保育室、遊戯室、乳児室、ほふく室、

医務室等の設置位置等)の変更

③ 屋外遊戯場の変更

④ 定員・年齢区分の変更

⑤ 代表者の変更

⑥ 施設長の変更

⑦ 保育料の変更

⑧ 調理業務の委託、外部搬入委託の開始・廃止

11

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14

就業規則等法令改正や実態に合わせて適時、見直すこと。

平成28年の育児・介護休業法の改正は、平成29年1月1日より全ての内容につき施行。平成24年の高年齢者雇用安定法の改正は、平成25年4月1日施行。

給与規程等も就業規則の一部なので、改正する際には労働基準監督署への届出が必要。

36協定には有効期限があるので、注意すること。

給与から法定外経費を控除する場合は、24協定の締結が必要。

未対応の保育所は、早急に育児・介護休業規程等を変更し、労働基準監督署へ届け出を行うこと。

運営委員会認証保育所A型は運営委員会が必置

(B型は、利用者からの意見を聴取する場を設ける)

構成メンバー

・社会福祉事業について学識経験を有する者

・福祉サービスの利用者又はこれに準ずる者

・認証保育所設置主体の実務を担当する幹部職員

開催方法等

・定期的に開催(年2回以上)すること。

・議事録を作成すること。

13

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16

(2)職員に関する主な指摘職員が適正に配置されていない。

職員の資格証明書が整備されていない。

職員に係る帳簿が整備されていない。

(労働条件通知書・雇用契約書、労働者名簿等)

社会保険に未加入の者がいる。

職員の健康診断が適切に実施されていない。

調理・調乳担当者の検便が適切に行われていない。

15

育児・介護休業法主な改正内容(平成29年1⽉1⽇施⾏)

介護休業の分割取得対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として介護休業を分割して

取得可能

介護休暇の取得単位の柔軟化半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得可能

介護のための所定労働時間の短縮措置等介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能

子の看護休暇の取得単位の柔軟化半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得可能

育児休業等の対象となる子の範囲

パワハラ・マタハラなどの防止措置の新設

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18

職員配置_保育従事職員【保育従事職員の必要数】

0歳児3人につき一人以上、1歳児及び2歳児6人につき一人以上、3歳児20人につき一人以上、4歳以上児30人につき一人以上

定員90人以下の施設は、上記に加え、1名以上の保育従事職員を確保しなければならない

<算定方法>

児童の定員数及び在籍数のそれぞれについて、上記の年齢ごとに対応する保育従事職員数で除して小数点1位(小数点2位以下切り捨て)まで求め、これらを合計して小数点以下を四捨五入して得た数を比較し、いずれか多い方。

17

職員配置_施設⻑等施設長

原則として専任の常勤職員

※ 定員20人未満の施設を除き、施設長と保育

従事職員との兼任は不可。

調理員

定員40人以下の施設 : 1人以上

定員41人以上の施設 : 2人以上

嘱託医

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20

保育従事職員の適正配置②常勤職員以外の職員を充てる場合の条件

開所時間中は、現に登園している児童数に対し、必要な保育従事職員を配置すること。

開所時間中、児童を1名でも保育している場合には、常勤有資格者1人以上を含む2名以上の保育従事職員を配置すること。

・常勤職員以外の職員にも指揮命令権を有すること

・常勤職員以外の者の総勤務時間数が、常勤職員を充てる場合の総勤務時間数を超えること

19

保育従事職員の適正配置①保育従事職員は、常勤有資格者(保育士である常勤職員)を原則とする。

*保健師、助産師、看護師は有資格者とみなす。

児童の年齢別に算出した保育従事職員数の6割以上を常勤有資格者とすること。

【常勤職員の定義】

事業主と直接、期間の定めのない労働契約を結んでいる者(ただし、1年以上の期間の労働契約を結んでいる者を含む。)であって、当該認証保育所において1日6時間以上かつ月20日以上、常態的に継続して勤務し、かつ社会保険の被保険者であるもの

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22

職員に関する帳簿等職員に関する帳簿(労働条件通知書・雇用契約書、労働

者名簿、賃金台帳等)は、非常勤職員(臨時職員を含む。)についても作成すること。

雇用契約書については、自動更新とせず、その期間毎に契約を行うようにすること。

職員の勤務に係る帳簿(出勤簿・タイムカード、勤務割表、外出・超過勤務・休暇取得に関する帳簿等)は、勤務実態がわかるように適切に作成すること。

勤務時間・日数が正規職員の概ね3/4以上の職員は健康保険・厚生年金保険に加入すること。週の所定労働時間が20時間以上の職員は、雇用保険に加入すること。

保育⼠証の確認

保育士の業務を行うには、都道府県知事に対し登録手続きを行い、「保育士証」の交付を受ける必要がある(「保育士(保母)資格証明書」のみでは不可)。

施設長等は、保育士証の原本を確認し、その写しを保管しておく。

新卒者等の保育士登録済通知書の有効期間は3か月のため、保育士証発行後、必ず確認すること。

21

保育士とは、登録を受け、保育士の名称を用いて専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者

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24

職員の健康診断常時使用する労働者(契約期間1年以上、1週間の

所定労働時間が通常の労働者の4分の3以上の者を含む。)に対し、雇入時健康診断と、1年以内ごとに1回の定期健康診断を実施しなければならない。

雇入時健康診断は、採用予定日の3か月以内に受診した健康診断で代替可能。ただし、健診項目の省略はできないので注意が必要。

調理・調乳担当者は、雇入時(配置換え含む)及び月1回以上の検便、日々の健康チェックが必要。

*調理委託の場合も、園において確認すること。

労働条件の明⽰① 労働契約の期間

② 期間の定めがある労働契約の更新の基準

③ 就業の場所・従事する業務

④ 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩

時間、休日、休暇、交替制勤務の就業時転換に関する事項

⑤ 賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締切り・支払の時期

⑥ 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

⑦ 昇給に関する事項

⑧ 定めをした場合に明示しなければならない事項に該当するもの

※上記①~⑥は、書面によらなければならない。

※パートタイム労働者は、昇給・退職手当・賞与の有無及び相談窓口(H27.4.1施行)についても文書による明示が必要。

23

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26

認証保育所の⾮常災害対策消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備の設置

非常災害に対する具体的計画の策定及びこれに対する定期的な訓練の実施

消防用設備等の法定点検を適切に行うこと。

・機器点検:6か月に1回、総合点検:1年に1回

消防用設備等の自主点検を適切に行うこと。

25

(3)安全対策に係る主な指摘

避難訓練や消火訓練を実施していない月がある。

訓練記録が不十分である。

カーテン、じゅうたん等に防炎性能を有していないものがある。

構造設備に危険な箇所がある。

事故防止への取組が不十分である。

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防災訓練避難訓練・消火訓練の双方を月1回以上実施すること。

訓練は、実際に火災や地震等が発生した場合の時間帯や場所など、様々な状況を想定して行うこと。

訓練は、実際の行動を伴う訓練とすること(図上訓練は、避難訓練に当たらない)。

不審者訓練は、非常災害に対する訓練とならないので、別に避難訓練を実施すること。

消火器の場所等の確認は、消火訓練には当たらないので、毎月、初期消火訓練を行うこと。

訓練記録は、それぞれの訓練の具体的内容がわかるように作成すること。

※必要に応じて救命救急訓練を行うこと

※ 年に1回以上、引取訓練を実施するよう努めること。

消防計画・事業所防災計画非常災害時における利用者、職員の安全確保を図るために、

消防計画・事業所防災計画を作成する。

*防火管理者を選任している事業所においては、事業所

防災計画に規定すべき事項を、消防計画に定める。

東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示の一部改正(平成25年4月1日施行)

【追加項目】

①家族等との安否確認のための連絡手段の確保

②従業員等の一斉帰宅の抑制

③家族等との安否確認の実施

④従業員等の施設内における待機・安全な帰宅のための活動

27

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事故防⽌の徹底乳幼児の発達の特性等を踏まえた事故防止マニュアル

や安全点検表を作成し、日々及び定期的に点検する。

子供の生活リズム・特性・健康状態等を把握しておく。

事故事例、ヒヤリ・ハット事例等を記録・分析し、事故予防対策に活用する。

地域や保育所間で情報共有を図るとともに、研修等を通じて職員のスキルアップを図る。

事故・災害発生に備え、緊急時のマニュアルを作成し、職員間で共有するとともに、定期的な訓練を実施する。

重篤な事故が発生した時は、速やかに事故報告を行うこと。

30

29

建物設備等の安全確保保育所内の棚や什器の転倒防止、滑り止め等による物品の落下防止を徹底すること。

テレビや加湿器等の重量物は、金具等による固定を行うこと。

エレベーター、小型昇降機に、児童の立ち入り防止対策を行うこと。

カーテン・じゅうたん等は防炎性能を有するものを使用すること。

※保育所内を常に点検し、危険箇所があれば早急に対策を行ってください

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指導計画

長期的な指導計画、短期的な指導計画保育課程から長期・短期の指導計画、実際の保育まで関連性を持たせ、日誌により実施状況を記録すること。

必ず評価・反省を行い、次の計画に反映させること。

個人別指導計画3歳未満児については、個人別指導計画を作成すること。

個人別指導計画は、子供一人一人の発達状況等に配慮して作成すること。

2 保育内容

指導計画が未作成・内容不十分である。

(一部の指導計画が作成されていない等)

休所(一部休所・家庭保育依頼)をしている。

児童の状況に応じた献立に対する配慮が不十分である(3歳未満児、アレルギー児等)。

健康診断が未実施の児童がいる。31

(1)保育の状況に関する主な指摘

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児童の状況に応じた⾷事の提供適切な献立内容・調理方法に沿った食事を提供すること。

献立表には、給与栄養量、素材等を記入する。離乳食についても、三回食(後期食)以降は必ず給与栄養量を記入する。

3歳未満児の給食は、食材料の選定、調理方法等に配慮する。

食物アレルギー、障害のある子供等については、一人一人の子供の心身の状況に応じた献立を作成する。

児童の状況に応じて配慮すること。

かかりつけ医、嘱託医等の指示や連携の下、保護者とも協力して適切に対応する。

アレルギー対応について、個別トレーの使用や職員の役割分担の明確化等により、誤食事故の防止に努める。

34

33

開所時間・休所

開所時間は13時間以上確保すること。

認証保育所の基準に定める開所時間及び開所日の利用が妨げられることがないようにすること。

休所(一部休所を含む)をしないこと。

施設の都合による休所をしないこと。

土曜日や行事の開催日等において、保護者に家庭での保育を依頼しないこと。

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36

児童の権利擁護(保育所保育指針抜粋)保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子

ども一人一人の人格を尊重して保育を行わなければならない。(第1章4保育所の社会的責任(1))

一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感を持って活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。(第1章3保育の原理(2)ア)

職員の資質向上に関しては、次の事項に留意して取り組むよう努めなければならない。(1)子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となること。 (第7章1職員の資質向上(1))

35

⼊所児童の健康診断入所児童に対する健康診断を、学校保健安全法に規定する健康診断に準じて行うこと。

入所時の健康診断

少なくとも1年に2回の定期健康診断

臨時の健康診断

入所児童の健康診断の費用は、園で負担すること。

健診日の欠席児童についても、もれなく実施すること。

母子健康手帳の写しの提出をもって入所時の健康診断に代える場合には、入所日から遡って4ヶ月以内に受診した記録があることを必ず確認すること。

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38

児童の権利擁護に配慮した保育(例1)暴力的な言葉を使用しない。(怒鳴る、呼び捨て、命令的・一方的な声掛け等)

体罰を行わない。(暴力をふるう、部屋に閉じ込める等)

差別的な待遇をしない。

わいせつな行為をしない。

子供が嫌がることを強制しない。(「嫌いものを食べないとおやつをあげないよ」等)

37

児童の権利擁護、虐待の防⽌

都内保育所において、園児に対する虐待や不適切な保育事例が発生。

他人事とせず、保育所として、児童の権利擁護に取り組んでいくことが重要。

子供一人一人の人格を尊重した保育を実施するため、日頃より、職員間での共通理解を図っておくこと。

保育所保育指針に基づき、計画的に保育の環境を構成し、工夫して保育を行うこと。

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<平成29年度保育施設指導検査等実施方針から抜粋>

ア 保育所保育指針の徹底(ア)子供の人権に配慮した適切な保育が行われているか。

(イ)保育所保育指針に基づく保育課程及び指導計画の編成等がなさ

れているか。

イ (略)

ウ 安全対策の徹底(ア)乳幼児突然死症候群の予防対策は徹底されているか。

(イ)事故防止及び事故発生時の対応等が適切に行われているか。

(ウ)食中毒・感染症(特にインフルエンザ、腸管出血性大腸菌O157、

ノロウイルス)予防対策が徹底されているか。40

(2)保育園での事故を防ぐために

39

児童の権利擁護に配慮した保育(例2)子供の自由を奪うことをしない。(乳児をラックのベルトで縛りつける等)

子供を無視(ネグレクト)しない。

プライバシーに配慮する。(着替えやおむつ交換、水遊びの際は他者の目線を遮る工夫をする、全裸にさせず上下別に着替えさせる、ホームページ等に写真を掲載する際は保護者の同意を得る等)

- 94 -

照明は、睡眠時の乳幼児の顔色が観察できるくらいの明るさを保つ。

乳幼児のそばを離れない。

1歳児でも、例えば、子供の家庭での生活や就寝時間、発達の状況など一人一人の状況を把握できるまでの間は必ず仰向けに寝かせる等、子供の安全確認をきめ細かく行う。

保護者との緊密なコミュニケーションを取る。 家庭での子供の様子、睡眠時の癖、体調等を保護者か

ら聞き取る。

預け始めの時期や体調不良明けは特に注意して聞き取

る。42

乳幼児突然死症候群の予防

国内で、平成28年1月1日から平成28年12月31日の期間内に報告のあった死亡事故は13件。

睡眠中の死亡事故が10件、うち4件がうつぶせ寝であった。

平成26年度の世論調査では、乳幼児突然死症候

群について、知らなかったと答えた者の割合は16.4%。(就学前の子どもがいる保護者のうち)

41

乳幼児突然死症候群の予防

・内閣府子ども・子育て本部(平成29年5月12日)『「教育・保育施設等における事故報告集計」の公表及び事故防止対策について』

・内閣府大臣官房政府広報室(平成26年7月)『母子保健に関する世論調査』

- 95 -- 94 -

事故防止対策を徹底して行う。

監視者は監視に専念、監視エリアをくまなく監視する。

十分な監視体制の確保ができない場合については、プー

ル活動の中止も選択肢とする。

事故が発生したときに備えて、心肺蘇生などの訓練を行う。

厚生労働省(平成28年3月)「教育・保育施設等における事故防止及び事

故発生時の対応のためのガイドライン」

平成29年7月 さいたま市(認可保育所)

4歳の女児がプール活動中に死亡

監視役を含めた保育士2人が、プールの解体作業のため、ほんの数分間

目を離してしまう。

プール・⽔遊び①

午睡時チェックをきめ細やかに行い、記録する。0歳児は5分に1回、1~2歳児は10分に1回が望ましい

間隔。

預けはじめの時期は特に注意してチェックする。

体調不良等いつもと違う様子の際は特に注意してチェッ

ク。

人任せにしないよう、チェックする担当者を明確にする。

チェック項目(児童の寝つきや睡眠中の姿勢、顔色、呼

吸の状態、体温)43

乳幼児突然死症候群の予防

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46

会計経理に係る主な指摘保育料の徴収額が要綱に定める限度額を超えている。

保育料等の変更が書面で確認できない。

現金管理が不適正である。

現金出納帳等を作成していない。

3 会計

衛生管理を徹底して行う。

塩素消毒を行う。

プール遊びの前におしりをしっかり洗う。

排泄が自立していない乳幼児には、個別のたらいを用意する

(共用しない)などのプール遊びへの配慮をする。

厚生労働省(平成24年11月)「保育所における感染症対策ガイドライン」

プール・⽔遊び②

- 97 -- 96 -

保育料の上限②< 3歳未満児・220時間以内利用の場合>

【基本プランA】 220時間以内80,000円

基本料金80,000円(220時間)

【基本プランB】 160時間以内60,000円、土曜保育・延長単価:700円/h

基本料金60,000円(160時間)+土曜保育(700円)×30時間+延長(700円)×30時間=102,000円(計220時間)⇒要綱違反

【基本プランC】 120時間以内40,000円、契約時間外単価:700円/h

基本料金40,000円(120時間) +契約時間外(700円)×100時間=110,000円(計220時間)⇒要綱違反

基本プランBや基本プランCを選択した児童についても、220時間以内の利用であれば、要綱が定める範囲である「80,000円」が上限となる。

48

47

保育料の上限①月220時間以下の利用の場合の月額

3歳未満児80,000円、3歳以上児77,000円

(幼稚園型認定こども園を構成する認証保育所及び地方裁量型認定こども園を除く。)

保育料の月額=[基本の保育料]+[給食代]+[おやつ代]+[保育に直接必要な保育材料費]+[光熱水費]+[年会費の1/12 (徴収している場合)]+[消費税相当分]

月220時間以下の利用に対する保育料は、月額の上限を厳守すること。

重要事項説明書には、具体的に実施要綱に定める保育料の範囲内であることを明記することが必要。

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50

現⾦管理

現金取引が発生した場合には、現金管理の適正化のため、現金出納帳(又はそれに替わ

るもの)を作成すること。

定期的に、第三者による残高確認(金庫等の金額と帳簿上の金額の突合)を行うこと。また、担当者による日々の残高確認において、過不足が発生した場合は原因を究明すること。

49

保育料の変更

利用時間の変更等に伴い、保育料金が変更になる場合は、その都度、契約変更に関する書面を取り交わすこと。

個々の利用者について、最新の契約内容を常に確認できるように、契約書等は適切に作成・保管すること。

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⽴⼊調査の意義

51

☆子どものため ・・・ 保育の質の向上

☆ 保護者のため ・・・ 安心・安全の確保

☆園及び職員のため ・・・ リスクマネジメント

今後とも御協力をお願い申し上げます

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【指導監査部指導第二課 資料】 1 認証保育所立入調査の概要

(1)立入調査の概要等

東京都認証保育所とは、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第35条第3項又は第4項並

びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年6月1

5日法律第77号)第16条又は第17条第1項による届出・認可を受けていない保育施設のうち、

区市町村の設置の計画に基づき区市町村の推薦を受け、東京都認証保育所事業実施要綱(平成13

年5月7日12福子推第1157号。以下「実施要綱」という。)で定める要件を満たし、知事が

認証した施設をいいます。

実施要綱では、事業内容、保育料、設置者の要件、建物・設備の基準、職員の配置基準等につい

て規定しています。また、東京都認証保育所事業実施細目(平成16年1月22日15福子推第1

032号。以下「実施細目」という。)では、認証の手続き、保育内容等について規定しています。

東京都(以下「都」という。)では、児童福祉法第59条及び実施要綱第16(中核市の区域外

に所在する認証保育所の場合)及び18(中核市の区域に所在する認証保育所の場合)に基づき、

認証保育所に対する立入調査を実施しています。立入調査では、実施要綱及び実施細目で定める基

準等の適合状況のほか、児童福祉法をはじめ労働基準法、消防法などの関係法令の適合状況につい

ても確認し、助言・指導等を行います。

児童福祉法 (昭和22年12月12日法律第164号)

第59条 都道府県知事は、児童の福祉のため必要があると認めるときは、第6条の3第9項から

第12項まで若しくは第36条から第44条まで(第39条の2を除く。)に規定する業務を目的

とする施設であって第35条第3項の届出若しくは認定こども園法第16条の届出をしていない

もの又は第34条の15第2項若しくは第35条第4項の認可若しくは認定こども園法第17条

第1項の認可を受けていないもの(前条の規定により児童福祉施設若しくは家庭的保育事業等の

認可を取り消されたもの又は認定こども園法第22条第1項の規定により幼保連携型認定こども

園の認可を取り消されたものを含む。)については、その施設の設置者若しくは管理者に対し、必

要と認める事項の報告を求め、又は当該職員をして、その事務所若しくは施設に立ち入り、その

施設の設備若しくは運営について必要な調査若しくは質問をさせることができる。この場合にお

いては、その身分を証明する証票を携帯させなければならない。

2 第18条の16第3項の規定は、前項の場合について準用する。

3 都道府県知事は、児童の福祉のため必要があると認めるときは、第1項に規定する施設の設置

者に対し、その施設の設備又は運営の改善その他の勧告をすることができる。

4 都道府県知事は、前項の勧告を受けた施設の設置者がその勧告に従わなかつたときは、その旨

を公表することができる。

5 都道府県知事は、第1項に規定する施設について、児童の福祉のため必要があると認めるとき

は、都道府県児童福祉審議会の意見を聴き、その事業の停止又は施設の閉鎖を命ずることができ

る。

- 101 -- 100 -

6 都道府県知事は、児童の生命又は身体の安全を確保するため緊急を要する場合で、あらかじめ

都道府県児童福祉審議会の意見を聴くいとまがないときは、当該手続を経ないで前項の命令をす

ることができる。

7 都道府県知事は、第3項の勧告又は第5項の命令をした場合には、その旨を当該施設の所在地

の市町村長に通知するものとする。

都においては、立入調査等に当たり、「児童福祉施設等指導検査実施要綱」において、立入調査等

の実施に必要な事項を定めているほか、毎年度、立入調査等の重点項目を掲げる「保育施設指導検

査等実施方針」並びに調査項目、関係法令及び評価事項等を集約した「東京都認証保育所指導監督

基準」を定めています。

実施要綱、実施方針及び指導監督基準については、東京都福祉保健局のホームページにおいて、

直近のものを確認することができます。

東京都福祉保健局のホームページ(http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/index.html)

>福祉保健の基盤づくり(ページ中段 分野からのご案内)

>事業者の方へ(ページ最下部)

>指導検査要綱・実施方針・指導検査基準・自己点検票

>5 社会福祉法人・施設等指導検査基準

(2)立入調査の流れ

認証保育所に対する立入調査の流れは、下記の通りです。

なお、立入調査に当たっては、福祉サービス第三者評価制度と連携して実施しています。

一般的な流れ 随時対応

・特別立入調査

著しい不適正

重大な不正

改善の遅滞 等

年間計画に基づく実地調査の実施

結果通知の送付 (問題点の指摘)

改善状況報告書の提出 (原則30日以内)

改善状況報告書の内容確認 再指導・再提出

次回調査への反映

- 102 -

(3)平成29年度における立入調査の重点項目

(「平成29年度保育施設指導検査等実施方針」より)

1 運営関係

ア 職員の確保及び処遇

(ア)職員配置基準に定める職員の員数及び資格を満たしているか。

(イ)職員の状況を把握するため、雇用契約書、出退勤記録等が適正に整備されているか。

(ウ)職員の健康診断や労働条件に係る運用が適正に行われているか。

(エ)職員の資質向上のための取組を適切に行っているか。

イ 安全対策の徹底

(ア)在籍児童に見合う基準面積が確保されているか。

(イ)消防計画に基づく避難訓練、物品の転倒落下防止等の防災対策が徹底されているか。

2 保育内容関係

ア 保育所保育指針の徹底

(ア)子供の人権に配慮した適切な保育が行われているか。

(イ)保育所保育指針に基づく保育課程及び指導計画の編成等がなされているか。

イ 児童一人ひとりに応じた保育の徹底

(ア)児童の健康状態の把握が適正になされているか。

(イ)アレルギー児等の児童の状況に応じた食事の提供が適正に行われているか。

ウ 安全対策の徹底

(ア)乳幼児突然死症候群の予防対策は徹底されているか。

(イ)事故防止及び事故発生時の対応等が適切に行われているか。

(ウ)食中毒・感染症(特にインフルエンザ、腸管出血性大腸菌O157、ノロウイルス)予防対

策が徹底されているか。

3 会計関係

保育料の徴収額が実施要綱に定める限度額を超えていないか。

- 103 -- 102 -

(4)認証保育所に備える書類一覧

1 東京都認証保育所認証書 1 児童名簿

2 認証保育所適合証 2 保育課程

3 利用契約書 3 指導計画

4 重要事項説明書 4 食育の計画

5 サービス評価結果報告書 5 保健計画

6 保育所規則 6 児童出欠簿

7 就業規則 7 保育日誌

8 雇用契約書 8 児童票

9 職員履歴書 9 保護者との連絡帳

10 資格証明書 10 保育所児童保育要録

11 労働者名簿 11 園だより

12 派遣契約書(基準職員分) 12 緊急連絡表

13 職員勤務表(ローテーション表) 13 給食献立表

14 嘱託医委託契約書 14 特定給食施設栄養報告

15 出勤簿 15 検便検査結果票

16 賃金台帳 16 調理委託契約書

17 社会保険関係書類 17 児童健康診断記録

18 職員健康診断記録 18 0歳児の日々の健康記録

19 建物の平面図 19 事故簿

20 室内化学物質濃度測定結果 20 損害賠償保険証書

21 消防署関係書類 1 経理規程

防火管理者選任届出 2 予算関係書類

消防計画届出 3 証憑書類(契約書、請求書、領収書等)

消防署立入検査結果通知書 4 経理帳簿類

22 防災訓練の記録 5 決算関係書類

帳簿名 帳簿名

会計経理関係

保育内容関係運

営管理関係

- 104 -

2 立入調査における主な指摘事例等

(1)主な指摘事例と改善策等

ここでは、立入調査において見られる指摘事例とその改善策等について、例示しています。

認証保育所を設置する事業者は、これらを踏まえ、実施要綱、実施細目及び関係法令等を遵

守した施設運営を行うとともに、サービスの質の向上に努めてください。

【運営管理】

① 運営方針 (ⅰ)利用者の人権の擁護、虐待の防止

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.123)

指摘事例 改善策等

・利用者の人権の擁

護、虐待の防止等の

ため、必要な体制を

整備していない。

・利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、体制を整備する。

☆子どもの権利擁護に関する勉強会や研修会を実施するなど、施設全

体で権利擁護に取り組むよう努めてください。

☆他施設等との人事交流を行うこと等により、職員が広く社会福祉に

関する知識及び経験を深め、技能を修得する機会を設けるように努

めてください。

☆服務規程や懲戒規程について職員に徹底し、職業倫理の確立を図っ

てください。

☆職員が保育にあたって行き詰まることのないように、各職員が保育

技術の向上に努めるとともに、必要に応じて施設長等による指導、

助言等を行ってください。

☆保育内容の透明性を確保するため、職員会議等により、職員間の連

携や情報の共有化に努めてください。

① 運営方針 (ⅱ)個人情報の保護、秘密の保持

●指摘事例及び改善策(参考となる規定 p.123)

指摘事例 改善策等

・個人情報保護に関

して、法律等に基づ

いて適切な措置を講

じていない。

例:園児の個々の健

康状態等の情報が

保育室入口等に掲

示されている。

・個人情報を適正に取り扱う。

☆個人情報は、個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべき

ものです。

☆個人情報保護に関する考え方や方針及び個人情報の取扱いに関する

規程を策定し、それらを対外的に公表してください。

☆利用者に対しては、利用開始時等に個人情報の利用目的を説明する

など、必要に応じて分かりやすい説明を行うとともに、利用者等が

疑問に感じた内容を、いつでも、気軽に問い合わせすることができ

る窓口機能を確保してください。

- 105 -- 104 -

① 運営方針 (ⅲ)契約状況

●指摘事例及び改善策(参考となる規定 p.123)

指摘事例 改善策等

・利用契約書や重要

事項説明書の内容

が不十分である。

例:契約書の月極保

育料の欄に記載が

ないものがある。

例:重要事項説明書

に記載のない料金

の徴収がある。

・設置者は、利用者との契約時に、契約書と重要事項説明書を交付

し、十分に説明する。契約書は2通作成し、双方で保管する。

・契約の内容は、東京都認証保育所の基準に定める開所時間及び開

所日の利用が妨げられることのないものにする。

・重要事項説明書の記載内容に漏れのないようにする。保育料につい

ては、要綱に定める保育料の範囲内であることを明記する。

<重要事項説明書の必要記載事項>

① 認証保育所の名称及び所在地

② 設置者の氏名及び住所又は名称及び所在地

③ 施設及び設備の概要

④ 施設長の氏名

⑤ 給食、健診などのサービス内容

⑥ 施設の運営方針、職員体制

⑦ 保育料(要綱に定める保育料の範囲内であることを明記するこ

と。)、自主事業及び利用料並びに非常災害時の対策

⑧ 利用児童に関して契約している保険の種類、保険事故及び保険金額

⑨ 嘱託医の氏名、住所及び委託内容

⑩ 利用者からの苦情を受け付ける担当職員の氏名及び連絡先

① 運営方針 (ⅳ)基本的事項の掲示

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.124)

指摘事例 改善策等

・基本的事項を見や

すい場所に掲示して

いない。

・基本的事項の掲示

の内容が不十分で

ある。

・施設の利用者に見やすい場所に、実施細目に規定された事項を不足

なく掲示する。

・掲示した内容について変更があった場合には、速やかに更新する。

<掲示する必要がある基本的事項>

① 設置者の氏名又は名称及び施設長の氏名

② 認証保育所の名称及び所在地

③ 建物その他の設備の規模及び構造

④ 認証保育所の開設年月日

⑤ 開所時間

⑥ 提供するサービスの内容及び保育料等

⑦ 年齢別の定員

⑧ 保育士その他の職員の配置数

- 106 -

① 運営方針 (ⅴ)運営委員会の設置

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.125)

指摘事例 改善策等

・運営委員会が適正

に運営されていな

い。

・運営委員会の議事

録を作成していな

い。

例:運営委員会に必

要な構成員が含ま

れていない。

【認証保育所A型】

・各施設に運営委員会を設置する。

・運営委員会には、社会福祉事業について知識経験を有する者、当該

認証保育所の保育サービス利用者(これに準ずる者を含む。)及び認証

保育所設置主体の実務を担当する幹部職員を含める。

・運営委員会を開催したら、議事録を作成する。

☆「社会福祉事業について知識経験を有する者」とは、社会福祉に関

する教育や研究を行う者、社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に

従事した経験を有する者及び認証保育所事業の経営を行う上で必要

かつ有益な専門知識を有する者をいいます。例えば、認可保育所の

幹部職員や公認会計士、税理士、弁護士などは、これに該当します。

認証保育所の施設長は該当しません。

☆運営委員会は年 2 回以上開催することが望ましいです。

・利用者の意見を聞

く場が設けられてい

ない。

【認証保育所B型】

・利用者からの意見を聴取する場を設ける。

② 児童の入所状況 (ⅰ)認証定員の遵守

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.126)

指摘事例 改善策等

・ 定員設定が不適

切である。

例:在所率が、2 年以

上にわたり 120%を

超えている。

・連続する過去の2年度間常に定員を超えており、かつ、各年度の年間

平均在所率(当該年度内における各月の初日の在所人員の総和を各

月の初日の認証上の定員の総和で除したものをいう。)が 120%以上

の場合は、実態に合うように定員の見直しを行う。

② 児童の入所状況 (ⅱ)認証内容の変更

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.126)

指摘事例 改善策等

・認証内容の変更を

届け出ていない。

例:保育料の変更を

届け出ていない。

・内容変更届の原本又は写しを各園で整理・保管し、現状に変更がな

いか常に確認する。

・変更する場合には、実施細目13の規定により、区市町村の意見書

等を添付して内容変更の手続きを行う。

<主な変更届出事項>

・建物の規模構造、使用区分、屋外遊技場の変更

・定員、年齢区分の変更

・代表者、施設長の変更

・保育料の変更

・調理業務の委託・外部搬入委託の有無

- 107 -- 106 -

③ 組織管理

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.128)

指摘事例 改善策等

・就業規則の内容が

不適正である。

例:内容が法令に違

反している。

例:就業規則と実態

が異なっている。

・法令の定めに従い、労働条件を具体的に定めた就業規則を適正に

作成する。

・労働条件を変更する際には、必要に応じて就業規則の変更を行う。

☆労働基準法第 89 条に規定された事項については、必ず就業規則に記

載しなければなりません。

・労働基準監督署に

届け出ていない。

例:非常勤職員就業

規則や給与規程等

を届け出ていな

い。

・就業規則等を労働基準監督署に届け出る。

☆労働基準法第 89 条に規定された事項の全てを一つの就業規則に規定

すると量が多くなるため、給与規程等、別の規程に分けることが通

常ですが、それらについても労働基準監督署への届出が必要です。

☆内容を変更する場合も含め、労働基準監督署に届け出る必要があり

ますので、未届出の場合には早急に届け出てください。

・給与規程と実態に

差異がある。

例:給与規程に規定

されていない手当

を支給している。

・職員の給与及び諸手当について、支給基準を明確にし、給与規程に

定める。

☆給与規程の内容と支給内容とに相違がないようにしてください。

・育児休業、介護休

業に関するに関する

規程の内容に不備

がある。

例:平成 21 年の育

児・介護休業法の

改正内容に対応し

ていない。

・法に準拠した規程を作成し、労働基準監督署への届出を行う。

☆育児・介護休業法は、平成 21 年に改正され、平成 22 年 6 月(常時

100 人以下の労働者を雇用する事業主は、改正内容の一部について平

成 24 年 7 月 1 日)から施行されています。

<主な改正点>

「パパ・ママ育休プラス」の創設、労使協定による専業主婦(夫)除

外の規定の廃止、短時間勤務制度の義務付け、子の看護休暇の拡充、

介護休暇の新設等

・36協定を締結して

いない。

例:36協定の有効

期限が切れてい

る。

・36協定を締結し、労働基準監督署に届出を行う。

☆労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者

との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁

に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の

休日における休日労働が認められます。この労使協定(36協定)

を結ばずに時間外労働をさせることはできません。

☆36協定には期限があります。通常は、毎年締結する必要がありま

すので、確認してください。

・24協定(賃金控除

協定)を締結してい

ない。

・賃金から給食費や親睦会費など、法令で定められている税金、社会

保険料等以外の経費を控除する場合は、24協定を締結する。

☆労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者

との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して

支払うことができます。

- 108 -

④ 職員の状況 (ⅰ)職員

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.129)

指摘事例 改善策等

・必要な保育従事職

員を配置していな

い。

・常勤有資格者の配

置が不適正である。

例:児童の定員数に

応じた保育従事職

員が配置されてい

ない。

例: 常勤有資格者

が、総所要保育従

事職員の 6 割以上

配置されていな

い。

・実施要綱7の規定に従い、保育従事職員、調理員及び嘱託医、施設

長それぞれについて、必要な職員を配置する。

・保育士資格を有する常勤職員を適切に配置する。

☆必要な保育従事職員の員数は、児童の定員数及び在籍数のそれぞれ

について、児童の年齢ごとに算出した必要数を比較し、いずれか多

い方の数(総所要保育従事職員)に、定員 90 人以下の施設にあって

は 1 名を加えた数です。

☆保育従事職員に、保育士、保健師、助産師及び看護師である常勤職

員(以下「常勤有資格者」という。)以外の者を充てる場合は、下記

の要件を満たす必要があります。

(1)総所要保育従事職員の6割以上を常勤有資格者とすること。

(2)設置者が常勤職員以外の職員の指揮命令権を有すること。

(3)常勤職員以外の職員の総勤務時間数が、常勤職員を充てる場合の

総勤務時間数を超えること。

<常勤職員の定義>

事業主と直接、期間の定めのない労働契約を結んでいる者(1年

以上の期間の労働契約を結んでいる者を含む。)であって、当該認証

保育所において1日6時間以上かつ月20日以上、常態的に継続し

て勤務し、かつ、社会保険の被保険者である者。

・施設長が他の業務

を兼務している。

例:保育の勤務ロー

テーションに施設

長が予め組み込ま

れている。

・保育従事職員、調理員等それぞれについて必要な職員を配置し、施

設長は、運営管理全般の統括を行う。

☆認証保育所の施設長は、専任の常勤職員であることが必要です。保

育や調理のシフトに入ること等のないようにしてください。

☆定員 20 人未満の施設については、施設長が保育従事職員を兼任する

することが可能です。

・施設長の勤務実態

が不明確である。

例:施設長の勤務記

録がない。

・施設長を含めて職員の出勤簿等を作成し、勤務実績を正確に記録す

る。

- 109 -- 108 -

④ 職員の状況 (ⅱ)採用・退職

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.130) 指摘事例 改善策等

・労働条件の明示が

不十分である。

例:有期雇用契約に

おいて、更新に関

する事項を明示し

ていない。

・非常勤職員を含め、全ての職員について、雇用契約書等を適切に作

成する。

☆保育所において、使用され、賃金を支払われる者は全て労働者とな

ります。使用者は賃金、労働時間等の労働条件について、書面の交

付により明示しなければなりません。雇用契約書の内容をよく確認

し、記載漏れや誤りのないようにしてください。

☆有期雇用契約を締結する場合は、更新の有無及び更新する場合の判

断基準を文書により明示する必要があります。(平成 25 年 4 月施行)

☆パートタイム労働者については、平成 27 年 4 月から、雇用管理の相

談窓口を文書により明示することが義務付けられています。

④ 職員の状況 (ⅲ)社会保険

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.131)

指摘事例 改善策等

・社会保険に未加

入者がいる。

・健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の加入要件を確認し、必要な

全職員について加入手続きをとる。

☆短時間労働者等の扱いは各制度によって異なりますが、下記のような

ケースについては加入する必要があります。

*所定労働時間・日数が常勤職員のおおむね4分の3以上である職員:

健康保険、厚生年金保険の加入が必要。

*31 日以上の雇用見込みがあり、週の所定労働時間が 20 時間以上であ

る職員:雇用保険の加入が必要。

☆実施要綱2(2)の規定により、社会保険に未加入の職員については、

原則として常勤職員になりませんので、必ず加入してください。

④ 職員の状況 (ⅳ)関連帳簿等

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.132)

指摘事例 改善策等

・労働者名簿の整備

が不十分である。

例:夏季アルバイト

職員の労働者名簿

が未作成である。

・全ての職員について労働者名簿を作成、整備する。

☆労働者名簿に記入しなければならない事項は、労働基準法第 107 条

及び労働基準法施行規則第 53 条に規定されていますので、規定され

た事項については記載漏れのないようにしてください。

・一部職員の資格証

明書が整備されてい

ない。

例:新規採用職員の

保育士証(保育士

登録済通知書)を

整備していない。

・資格の必要な職員について資格を証明する書類を確認し、保管する。

☆児童福祉法の改正(平成 15 年 11 月 29 日施行)により、児童福祉法

第 18 条の 18 に基づく登録を受けた者のみが保育士となりました。

保育士(保母)資格証明書のみでは保育士とは認められません。

☆指定保育士養成施設を卒業後、保育士証が発行されるまでの間は、

「保育士登録済通知書」(有効期間 3 か月)が交付されますので、こ

の写しを保育所で保管してください。

- 110 -

④ 職員の状況 (ⅴ)健康管理

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.134)

指摘事例 改善策等

・健康診断の未受診

者がいる。

例:定期健康診断を

受診していない職

員がいる

例:採用3ヶ月前以

前に受診した結果

をもって雇入時健

康診断に代えてい

る。

・毎年定期健康診断を実施する。

・雇入時健康診断については、雇入時に実施するか、採用前3ヶ月以

内の健康診断結果により確認する。

☆安全衛生の観点から、職員の健康状態の確認は重要です。特に調理

担当・調乳担当職員については、雇入時健康診断や定期健康診断結

果をよく確認し、健康状態の把握に努めてください。

☆常時使用する労働者に該当しない短時間職員についても、健康診断

を行うことが望ましいです。

☆雇入時健康診断に代えられるのは、採用前3ヶ月以内の健康診断結

果です。受診日を必ず確認してください。

・健康診断の項目が

不適切である。

例:雇入時健康診断

において、心電図

等の項目が不足し

ている。

・必要な項目を受診しているか確認し、漏れのないようにする。

☆定期健康診断と雇入時健康診断では、必要とされる項目に違いがあ

ります。(労働安全衛生規則第 43 条及び第 44 条)

☆雇入時健康診断では健康診断の項目の省略はできませんので、注意して

ください。

・衛生推進者を選任

していない。

・衛生推進者を選任する。

☆職員が常時10人以上50人未満の保育所においては、資格要件(都

道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者等)を満

たした衛生推進者の選任し、職員に周知することが必要です。

⑤ 建物設備等の管理

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.135)

指摘事例 改善策等

・認証(届出)内容と

現状に相違がある。

例:保育室等の使用

区分の変更が未届

である。

・内容変更届の原本又は写しを各園で整理・保管し、現状に変更がな

いか常に確認する。

・什器等を新たに設置する場合や、部屋のレイアウト変更を行う場合に

は、事前に内容変更の届出を行う。

☆内容変更の届出をせずに保育室の一部を物置や職員用のスペース等

に利用することはできません。

・基準面積が不足し

ている。

例:在籍児童数に見

合う乳児室又は保

育室の面積が不足

している。

・乳児室(又はほふく室)、保育室(又は遊戯室)のそれぞれの内法面積

を常に把握しておく。

・乳児室と保育室の使用区分変更により対応する場合には、事前に内

容変更の届出を行う。

☆面積基準は、乳児室、保育室ごとに満たす必要があります。

☆什器等(可動式であっても常態として保育室内に設置しているもの

を含む。)については、乳児室や保育室の有効面積から差し引く必要

があります。

- 111 -- 110 -

指摘事例 改善策等

・構造設備に危険な

箇所がある。

例:保育室内の棚の

転倒防止対策が不

十分。

例:棚上の物品の落

下防止対策が不十

分。

例:2 階の窓の前に足

がかりとなる棚が

置かれている。

・保育所内の安全点検等を行い、対策を行う。

☆保育室内の棚や什器等は、金具等で固定し、地震の揺れ等による転

倒防止対策を図ってください。

☆棚の上の物品については、縛り付けて固定する、滑り止めのマット

を敷くなどして、落下防止対策を図ってください。

☆保育室の窓やベランダ、屋上等については、柵等により児童の転落

防止対策を図り、足がかりになるようなものを周囲に置かないでく

ださい。

☆2方向避難路を確保し、避難路に障害物となるようなものを置かな

いでください。

⑥ 災害対策等

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.136)

指摘事例 改善策等

・防火管理者変更の

届出をしていない。

例:防火管理者であっ

た施設長が異動し

ているのに、防火管

理者の変更をしてい

ない。

・防火管理者を変更した場合には、防火管理者選任(解任)届出を速

やかに消防署に提出する。

・カーテン、絨毯等が

防炎性能を有してい

ない。

・カーテン、絨毯等には防炎物品(防炎表示がある製品)を使用する。

・消防計画の変更の

届出をしていない。

例:改築後に、消防計

画 の 変 更 を届 け出

ていない。

・消防計画変更の際には、消防署に変更の届出をする。

☆改築や組織変更等により、消防計画の内容と実態に相違が生じた場

合には、消防計画を変更し、消防署へ届け出てください。

・消防計画の内容が

不備である。

例:消防計画に帰宅

困難者対策等が規

定されていない。

・消防計画に規定すべき事項を定め、消防署に変更の届出をする。

☆東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示の一部が改

正され、事業所防災計画に規定すべき事項が追加されました。防火管理

者を選任している事業所は、消防計画の中に事業所防災計画に規定すべ

き事項を定める必要があります。

<追加項目:平成 25 年 4 月 1 日施行>

① 家族等との安否確認のための連絡手段の確保に関すること。

② 従業員等の一斉帰宅の抑制に関すること。

③ 家族等との安否確認の実施に関すること。

④ 従業員等の施設内における待機及び安全な帰宅のための活動に関す

ること。

- 112 -

指摘事例 改善策等

・避難訓練を実施し

ていない月がある。

例:毎年4月を図上

訓練(児童が参加

していない、災害

についての話や紙

芝居のみなど)と

している。

例:特定の月につい

て、不審者訓練の

みで、非常災害に

対する避難訓練を

行っていない。

・毎月、非常災害に対する実地の避難訓練を実施する。

☆図上訓練は、避難訓練には当たりません。年度当初であっても、非

常災害に対する訓練の必要性は同じですので、図上訓練を行った場

合には、同じ月のうちに、必ず実地訓練を行ってください。

☆不審者対応訓練は非常災害に対する訓練には当たりません。不審者

対応訓練を実施した月は、別途、非常災害に対する避難訓練を実施

してください。

☆避難訓練は消防計画に基づいた避難経路を用いた園舎外(雨天時は

玄関先等)への避難を行ってください。例えば、地震を想定して保

育室の中央に集まった後、別途園舎外への避難を行う等の対応をし

てください。

☆引取訓練についても、年 1 回以上実施するようにしてください。

・消火訓練を実施し

ていない月がある。

例:消火器の場所の

確認や消火器の持

ち出しのみで、消

火訓練をおこなっ

ていない。

・毎月、消火訓練を実施する。

☆消火訓練についても、毎月 1 回以上の実施が必要です。

☆訓練用の水消火器を毎月使う必要はありませんので、消火器を構え

たり、バケツを使うなどして消火の訓練を行ってください。

☆消火器の場所の確認や持ち出しだけでは消火訓練とはいえませんの

で、必ず初期消火の訓練を行ってください。

・訓練記録が不十分

である。

例:消火訓練の具体

的内容が記録され

ていない。

・避難訓練、消火訓練、通報訓練、救命救急訓練、引取訓練等、それ

ぞれについて具体的な内容がわかるように記録する。

☆いつ、誰が、どこで、どのように行ったか、わかるように記述し、

反省評価につなげてください。

・消防用設備等の点

検を適切に行ってい

ない。

例:年2回の法定点検

を行っていない。

例:自主点検を行って

いない。

・消防法令に基づき、機器点検(6 か月に 1 回)及び総合点検(1 年に

1 回)を実施し、消防署へ報告する。

・保育所で定めた消防計画に基づく自主点検を行う。

・安全対策が不十分

である。

例:門扉を常時開放し

ている。

例:道路に面していて

容 易 に 侵 入 で き る

窓に施 錠 等 の対 応

をしていない。

・外部からの不審者等の侵入防止対策を行うとともに、防犯対策全般

について、保育所として適切に行う。

☆保育所内外の安全点検に努め、安全対策のために職員の共通理解や体

制作りを図るなど、管理運営上の観点からも安全対策に取り組んでくださ

い。

- 113 -- 112 -

【保育内容】

① 保育の状況 (ⅰ)人権の尊重

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.139)

指摘事例 改善策等

・子供一人一人の人

格を尊重した保育が

不十分である。

・保育所として児童の権利擁護に取り組み、子供一人一人の人格を尊

重した保育を実施する。

<人格を尊重した保育の例>

*暴力的な言葉を使用しない(呼びすて、怒鳴る等)

*体罰を行わない。

*無視(ネグレクト)をしない。

*差別的な待遇をしない。

*わいせつな行為をしない。

*強制をしない(食事を無理に食べさせる、眠れない子どもや早く目

覚めた子どもを長時間布団で待たせる等)。

*子どもの自由を奪うことをしない(乳児をラックのベルト等に縛り

付けない等)。

*着替えやおむつ交換の際は、人目に付くところを避ける、目線を遮

る工夫をする。

*児童の着替えの際には、全裸にさせないようにし、上下別に着替え

る。

① 保育の状況 (ⅱ)保育課程の編成

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.139)

指摘事例 改善策等

・保育課程が未編成

(不十分)である。

・保育課程を編成する。

・子供の発達過程を踏まえ、保育所生活の全体を通して、総合的に展

開されるように編成する等、保育指針を踏まえた適切な内容とする。

☆保育課程の内容は、下記を踏まえて編成することが必要です。

*各保育所の保育の方針や目標に基づいていること

*子供の発達過程を踏まえ、保育所保育指針第3章に示された保育の

ねらい及び内容が保育所生活の全体を通して、総合的に展開される

ように編成されていること

*地域の実態、子供や家庭の状況、保育時間などを考慮しているこ

*子供の育ちに関する長期的見通しを持って編成されていること

*子供の生活の連続性や発達の連続性に留意していること

- 114 -

① 保育の状況 (ⅲ) 指導計画

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.139)

指摘事例 改善策等

・長期的な指導計画

がない。

・年間計画、月案等の長期的な指導計画を作成する。

☆保育課程に基づき、子供の生活や発達を見通した計画であることが

必要です。

・短期的な指導計画

がない。

・週案、日案等の短期的な指導計画を作成する。

☆長期的な指導計画に関連しながら、より具体的な子供の日々の生活

に即した計画であることが必要です。

・指導計画が内容不

十分である。

例:特定の年齢児等、

一部の指導計画を

作成していない。

・保育指針に基づき、適切に指導計画を作成し、活用してください。

☆保育課程、長期的な指導計画及び短期的な指導計画については、関

連性を持って作成するようにしてください。

☆子供一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえてください。

☆記録を通じて保育を振り返り、指導計画についての反省と見直しを

行ってください。

・3歳未満児の個人

別指導計画が未作

成又は内容不十分

である。

・3歳未満児の個人別指導計画を適切に作成してください。

☆3歳未満児については、子供一人一人の生育歴、心身の発達、活動

の実態等に即して、個人別の指導計画を作成してください。

☆2歳児クラスで満3歳になった児童について、個人別指導計画を作

成するかどうかは、状況に応じて園で御判断ください。

・保育所児童保育要

録が小学校へ送付

されていない。

・保育所児童保育要録を小学校へ送付する

☆下記に留意したうえ送付するようにしてください。(取扱いが不明な

場合は区市町村に確認してください。)

*施設長の責任の下、担当の保育士が記入すること

*作成した保育所児童保育要録については、その写しを児童の就学先

となる小学校の校長に送付すること

*保育所は、作成した保育所児童保育要録の原本について、保育所児

童保育要録の趣旨にかんがみ、当該児童が小学校を卒業するまでの

間保存することが望ましいこと

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 ア 保育の内容

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.140)

指摘事例 改善策等

・保育の内容が適切

でない。

・保育所保育指針に準じて、適切に保育を行う。

☆保育所は、保育に関する専門性を有する職員が、家庭との緊密な連

携の下に、子供の情緒や発達過程を踏まえ、保育所における環境を

通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としています。保

育の内容は、子供の生活や遊びを通して相互に関連を持ちながら、

総合的に展開されるものでなければなりません。

☆保育環境の設定例

*子供一人一人の発達に応じた環境設定を行う。

*子供が主体的に選択し生活できる環境設定を行う。

*子供一人一人に寄り添った保育を心がける(食事の介助、言葉がけ等)。

- 115 -- 114 -

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 イ 虐待等の行為

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.141)

指摘事例 改善策等

・児童の心身に有害

な影響を与える行為

があった。

・保育所として児童の権利擁護に取り組み、不適切な行為等を防止す

る。

☆児童に身体的苦痛を与えたり人格を辱めたりすることがない等、児

童の人権に十分配慮することが必要です。児童の権利擁護について、

日頃より職員間で共通理解をし、定期的に確認を行うことが望まし

いです。

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 ウ 休息等の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.141)

指摘事例 改善策等

・午睡等に適切な環

境を確保していない。

・安全に最大限配慮し、午睡等に適切な環境を確保する。

☆午睡等の適切な環境を確保するため、寝返りをしても隣の児童と重

なることがない程度の適切な間隔を空ける等の配慮が必要です。ま

た、乳幼児突然死症候群の予防の観点からも、児童の安全に最大限

留意し、表情・顔色がわかる程度の明るさにする等の配慮をするこ

とが必要です。

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 エ 記録の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.142)

指摘事例 改善策等

・児童出欠簿が未作

成(記録不十分)で

ある。

例:出欠の記録漏れ

がある。

・児童出欠簿を作成し、記録の漏れがないようにする。

☆虐待等の早期発見に繋がることもあるので、出欠の表示を漏れなく

記録し、また、欠席理由についても記録してください。

・保育日誌が未作成

(記録不十分)であ

る。

例:0・1 歳児の個人別

の記録がない。

・保育日誌を作成し、0・1歳児については個人別に記録する。

☆0・1 歳児については生活の記録(体温、食事、排泄等の記録)と子供

の様子を個人別に記載してください。

☆土曜日等、出席児が少ない日で合同保育日誌等を用いて記録してい

る場合でも、0・1 歳児の個人別記録について記録していただくことが

必要です。

・児童票が未作成

(記録不十分)であ

る。

例:保育経過記録が

ない。

・児童票を作成する。

☆児童票には、個々の児童の状況を把握するものとして児童の保育経

過記録と、児童の保育上必要な最低限の家庭の状況等の参考記録が

必要です。

・チェックリスト(発達チェック表等)だけでなく、保育の記録も記載する。

- 116 -

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 オ 保育時間の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.142)

指摘事例 改善策等

・常勤有資格者が配

置されていない時間

帯がある。

・保育従事職員1人

のみの時間帯があ

る。

・基準に基づき、保育従事職員を適正に配置する。

☆たとえ児童が1名しかいない場合であっても、常勤有資格者1人を

含む2名以上の保育従事職員を常時配置する必要があります。

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 カ 休所の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.142)

指摘事例 改善策等

・休所(一部休所・

家庭保育依頼)をし

ている。

・休所(一部休所を含む)をしない。

☆施設の都合による休所(一部休所を含む)は認められません。

☆遠足等の行事に参加しない児童の保護者に対し家庭保育を求めるこ

とは認められません。

① 保育の状況 (ⅳ)保育内容の状況 キ 保護者との連絡状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.142)

指摘事例 改善策等

・保護者との連絡が

不十分である。

例:3 歳以上の児童に

ついて、連絡帳を

作成していない。

・園で連絡帳を用意し、作成する。

☆認証保育所においては、子供の生活や健康状態、事故等の発生等に

ついて、全ての年齢の児童について園で用意した連絡帳を備え、家

庭と密接に連絡をとる必要があります。

② 食事の提供の状況 (ⅰ)食育の計画

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.142)

指摘事例 改善策等

・食育の計画が作成

されていない。

・食育計画を作成し、保育の計画に位置づける。

- 117 -- 116 -

② 食事の提供の状況 (ⅱ)食事計画と献立業務の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.143)

指摘事例 改善策等

・給与栄養量の目標

を設定していない。

・「食事摂取基準」を参考とし、給与栄養量の目標を設定する。

・献立表の内容が不

十分である。

例:献立表に給与栄

養量が記載されて

いない。

・毎日の給食を展示するとともに、2週間以上の献立表を作成し、献立

表に給与栄養量、素材等を記入する。離乳食についても、三回食(後

期食)以降については必ず給与栄養量を記載する。

・あらかじめ作成された献立に従って調理を行う。

② 食事の提供の状況 (ⅲ)栄養管理報告

●指摘事例及び改善策等

指摘事例 改善策等

・特定給食施設の栄

養管理報告を行って

いない。

・特定給食施設(1回100食以上又は1日250食以上の給食を提供

する施設)については、保健所に対し栄養管理報告を年2回(5月・1

1月)行う。

② 食事の提供の状況 (ⅳ)食事の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.143)

指摘事例 改善策等

・食事の中止又は

簡易な食事にして

いる。

例:午前中の園行事

(運動会等)の後、

簡易な食事にし

ている。

・開所日には献立を作成し、給食を提供する。

☆施設の都合で食事の提供を中止することは認められません。

・検査用保存食の

保存方法又は保存

期間が不適切であ

る。

・検査用保存食を適切に保管する。

☆検査用保存食及び原材料は、食事提供後 48 時間以上冷蔵保存してく

ださい。ただし、48 時間目が日曜日又は休日に当たる場合は、72 時

間以上保存してください。

なお、原材料及び調理済食品を 50g 程度ずつ清潔な容器又はビニール

袋に入れ、密封し、-20℃以下で 2 週間以上保存することが望ましい

です。原材料は特に、洗浄・殺菌等を行わず、購入した状態で保存す

ることが望ましいです。

- 118 -

② 食事の提供の状況 (ⅴ)給食供給者の届出等

●指摘事例及び改善策等

指摘事例 改善策等

・給食供給者の届

出をしていない。

・給食供給者(同一の施設等で週1回以上継続的に1回20食以上又

は1日50食以上の食事を提供する者)は、その事業の開始の日から

一月以内に、知事に届け出る。

☆給食開始届の内容に変更事由(代表者変更、所在地・名称の変更、食

品衛生責任者の変更、調理設備の大要の変更等)が生じた場合はその

事由の生じた日から 10 日以内に届け出る必要があります。

・食品衛生責任者

の氏名を掲示して

いない。

・食品衛生責任者の氏名を、調理場の見やすい場所に掲示する。食品

衛生責任者が変更になった場合は、速やかに新しい氏名を掲示する。

② 食事の提供の状況 (ⅵ)衛生管理

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.143)

指摘事例 改善策等

・調理・調乳担当者

の検便が未実施(不

適切)である。

例:雇入時や配置換

え時に検便を実施

していない。

・調理及び調乳業務に従事する職員については、その雇入れ及び配置

換えの際に必ず検便を実施し、検査結果を確認してから調理・調乳

業務に従事させる。

☆検便の結果が判明する前に調理・調乳業務に従事することは認めら

れません。

・調理・調乳担当者

の健康チェックが未

実施(不十分)であ

る。

例:調乳担当者の健

康チェックの記録

がない。

・調理・調乳担当者は、日々業務に従事する前に健康チェックを行う。

☆調理・調乳担当者は、自身の健康状態(下痢・嘔吐・発熱等感染症

が疑われる症状がないか、手指に傷や化膿創等がないか)について、

日々業務に従事する前にチェックし、記録する必要があります。な

お、健康チェックの記録は個人別・項目別に記録できることが望ま

しいです。

・調理室の衛生管理

が不適切である。

例:調理室の衛生点

検を毎日行ってい

ない又は記録して

いない。

・調理室の衛生管理について毎日自主点検を行い、衛生管理点検表

等を用いて記録する。

- 119 -- 118 -

③ 健康・安全の状況 (ⅰ)保健計画

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.144)

指摘事例 改善策等

・保健計画を作成し

ていない。

・保健計画を作成する。

③ 健康・安全の状況 (ⅱ)児童健康診断

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.144)

指摘事例 改善策等

・健康診断を年2回

行っていない。

例:健康診断を欠席

した児童に対する

配慮がない。

・健康診断を欠席した児童に対しても、一年に2回の定期健康診断を

確実に実施する。

・健康診断の実施時

期・方法が不適切で

ある。

例:入所時健康診断

を、4ヶ月以内の

健診結果がない母

子健康手帳の写し

で確認している。

例:入所時健康診断

の費用が保護者負

担となっている。

・入所児童に対し、入所時及び年2回の健康診断を園の費用負担で

行う。

・入所時健康診断を園で直接実施できない場合には、母子健康手帳

の写し(4ヶ月以内に受診しているもの)の提出をもって代える。

☆母子健康手帳の写しの提出を受ける場合は、健診結果が記載して

いるページの提出を受けてください。健診受診日の日付がない例、

予防接種の記録や分娩時の記録のページをコピーしている例が見

受けられます。

☆年2回の定期健康診断について、母子手帳の写しの提出をもって

これに代えることはできません。

☆嘱託医でない医師のもとで入所時健康診断を受診した場合も、受

診料は園で負担してください。

・健康診断の記録が

未作成(不十分)で

ある。

・全児童について健康診断の記録を作成し、適切に保管する。

③ 健康・安全の状況 (ⅲ)虐待などへの対応

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.145)

指摘事例 改善策等

・虐待等への対応

が不十分である。

・虐待が疑われる場合には、速やかに区市町村又は児童相談所に通告

し、適切な対応を図る。

☆子供の心身の状態等を観察し、不適切な養育の兆候が見られる場合に

は、区市町村(子ども家庭支援センター)や関係機関(児童相談所等)

と連携し、適切な対応を図る必要があります。

- 120 -

③ 健康・安全の状況 (ⅳ)疾病等への対応

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.145)

指摘事例 改善策等

・感染症の予防対

策(発生時まん延防

止対策・報告等)を

行っていない。

例:タオルを共用し

ている。

・衛生管理に努め、感染症の発生・まん延を防止する。

・タオルを共同で使用しない。

☆感染症のまん延につながるおそれがあるので、児童及び職員がタオ

ル、歯ブラシ、コップ等を共同で使用することは認められません。個

別のタオルやペーパータオル等を用意し、複数人で同じタオルを使用

しないようにしてください。

・乳幼児突然死症

候群の防止対策が

未実施(不適切)で

ある。

例:睡眠時チェック

表が未作成であ

る。

・乳幼児突然死症候群(SIDS)の防止対策のため、睡眠チェック表を作

成し、睡眠中の乳幼児の様子について細心の注意を払う。

☆午睡中、子供から目を離さないようにしてください。

☆午睡チェック表には、確認する項目(子どもの顔色、顔の向き、呼吸

等)が記載され、確認者がチェックの際にサイン等をすることが望ま

しいです。

③ 健康・安全の状況 (ⅴ)児童の安全管理の状況

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.145)

指摘事例 改善策等

・児童の事故防止に

配慮していない(不十

分である)。

例:事故発生後の再発

防止策が講じられ

ていない。

・不慮の事故が発生しないよう事故防止に十分配慮する。万が一事

故が発生した場合においては、再発防止策について職員間で検討

し、共通理解を図る。

・事故簿が未作成(経

過記録等不十分)で

ある。

例:事故簿が作成され

ていない。

・事故簿には、事故が発生した場合の対応記録(通院記録、保護者

とのやり取りの記録等)及び経過記録等を記載する。

☆保護者とのやり取りの記録、保護者の反応の記録がない事例が見受

けられます。また、完治まで長期間要した場合完治までの経過記録

が不十分であることが見受けられますので、注意してください。

・事故が発生した場合

の報告が行われてい

ない。

・死亡事故や重篤な事故等が発生した場合、速やかに区市町村に対

して事故報告を行う。

☆「特定教育・保育施設等における事故の報告等について」(平成27年2

月16日府政共生96号、26初幼教第30号、雇児保発0216第1号)及び

「特定教育・保育施設等における事故発生時等の対応について」(平成2

7年3月27日26福保子保第2984号)に従って、報告してください。

☆事故報告の対象となる事故については、第1報は原則事故発生当日に

行う必要があります。報告の対象となる可能性のある事故も含めて、第1

報を区市町村に報告してください。

☆初診の段階では治療に 30 日以上要しないと診断された場合でも、最終

的に 30 日以上要した場合には事故報告を行う必要があります。報告対

象の事故であると判明した時点で、速やかに報告してください。

- 121 -- 120 -

月220時間以下の利用の場合の月額

3歳未満児80,000円、3歳以上児77,000円

保育料の月額=[基本の保育料]+[給食代]+[おやつ代]

+[保育に直接必要な保育材料費]+[光熱水費]

+[年会費の12分の1]+[これらに係る消費税相当]

【会計経理】

① 保育料収入

保育料は自由に設定できますが、実施要綱に定める限度額を超えることはできません。

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.146)

指摘事例 改善策等

・保育料の徴収額が要綱

に定める限度額を超えてい

る。

例:月220時間以下の利

用であるにもかかわら

ず、上限額を超えて利用

料を徴収している。

・補助対象児童は保育料の月額の上限を次のとおりとする。

※長時間保育を行う際の2食目以降の給食代及びおやつ代並

びに入会金は含みません。

☆重要事項説明書に、保育料は実施要綱に定める保育料の範囲内

であることを明記することが必要です。

・保育料の変更が書面で

確認できない。

例:保育料の変更について、

契約変更に関する書面を

取り交わしていない。

・利用時間の変更等に伴い、保育料金が変更になる場合は、契

約変更に関する書面を取り交わし、変更内容が書面で確認でき

るようにする。

☆個々の利用者について、最新の契約内容を常に確認できるよう

に、契約書等を適切に作成し、保管してください。

・利用料等についてあらか

じめ説明をしていない。

例:利用料等の詳細につい

て契約書及び重要事項説

明書に記載されておら

ず、明示していない。(兄

弟割引、特定曜日の追加

利用における月極利用料

金、契約時間外の延長料

金等)。

・利用者等に対して契約時に、契約書及び別に定める重要事項

説明書を交付し、保育料及び自主事業の利用料等について、

各種割引や追加料金等を含めて、あらかじめ説明する。

☆重要事項説明書に記載している保育料の内容については、常に

確認し、記載漏れや誤りのないように注意してください。

- 122 -

【実費徴収の流れ】

1 利用実績に応じた実費等を徴収し、徴収簿に記載する。

2 領収書を発行する。

3 「現金出納帳」等を作成し、記入する。

② 徴収簿等

日常的に利用者から金銭を徴収する場合は、徴収簿又はそれに替わるものを作成し、記

録することが必要です。

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.147)

指摘事例 改善策等

・実費徴収について、徴収

簿等を作成していない。

・徴収簿又はそれに替わるものを作成する。

③ 領収書

利用者から金銭を受領した場合には領収書を発行する必要があります。

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.147)

指摘事例 改善策等

・領収書を発行していない。 例:入園料等、現金を受領

した事実を証する書面を

発行していない。

・現金収入が発生した場合には、領収書を発行する。

☆領収書は、金銭の授受の取引事実の根拠付けとなる重要な書類

ですので、必ず発行し、控えを保管してください。

④ 現金管理

現金は他の資産と比較して不適正な管理が行われる危険が大きいため、保管場所・保管

方法を明確にし、現金出納帳等による管理を行うことが欠かせません。加えて、金銭出納

担当と記録担当とを別の担当者にして牽制機能をもたせる、又、定期的及び不定期に第三

者が残高確認を行うなど、適正な現金管理体制が必要です。

●指摘事例及び改善策等(参考となる規定 p.147)

指摘事例 改善策等

・適正な現金管理を行って

いない。

例:現金の保管場所や管理

体制を明確にしていな

い。

例:現金出納帳等に実費収

入や残高の記載がない。

・現金取引が発生した場合には、定期的に複数の職員で残高確

認を行うなど、適正な現金管理を行う。また、現金出納帳又は

それに替わるものを作成して管理する。

☆リスク管理のため、現金を保育所に留め置く日数はできる限り

少なくしてください。

☆事故防止のため、当日中に現金出納帳等へ記入し、金銭残高を

日々確認するようにしてください。

現金収納の

場合

- 123 -- 122 - - 98 -

(2)参考となる規定及び通知等

【運営管理】

① 運営方針 (ⅰ) 利用者の人権の擁護、虐待の防止

● 保育所保育指針第 1 章_4 保育所の社会的責任(1)

保育所は、子どもの人権に十分配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して保育を行わ

なければならない。

● 児童虐待の防止等に関する法律第 2 条(児童虐待の定義)

この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児

童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以

下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人に

よる前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠

ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対す

る暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)

の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に

有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

● 児童虐待の防止等に関する法律第 3 条(児童に対する虐待の禁止)

何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。

① 運営方針 (ⅱ)個人情報の保護、秘密の保持

● 実施要綱 10 秘密保持等

(1)認証保育所の職員は、正当な理由なく、業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしては

ならない。

(2)認証保育所は、職員であった者が秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければなら

ない。

● 保育所保育指針第 1 章_4 保育所の社会的責任(3)

保育所は、入所する子ども等の個人情報を適切に取り扱うとともに、保護者の苦情などに対し、

その解決を図るよう努めなければならない。

● 東京都個人情報の保護に関する条例第 27 条(事業者の責務)

事業者は、個人情報の保護の重要性にかんがみ、事業の実施に当たっては、その取扱いに適正

を期し、個人の権利利益を侵害することのないよう努めなければならない。

① 運営方針 (ⅲ)契約状況

● 実施要綱 3 (1)認証保育所 A 型_オ 契約、(2) 認証保育所B型_オ 契約

利用者と事業者の間で直接契約を行う。

なお、契約の内容は、認証保育所の基準に定める開所時間及び開所日の利用が妨げられることの

ないものであること。

- 124 - - 99 -

● 実施要綱 11 契約書等の交付及び情報の開示

設置者においては、利用者等に対して契約時に、契約書及び別に定める重要事項説明書を交付し、

説明しなければならない。なお、契約書は2通作成し、双方で保管するものとする。

運営方針、施設概要、保育内容、保育料、職員配置基準等の情報は、別の定めにより開示しなけ

ればならない。

● 実施細目 9 重要事項説明書の交付

利用者と設置者が直接契約をするにあたり、次の事項を記載した重要事項説明書を作成し、利用

者に交付しなければならない。

(1)認証保育所の名称及び所在地

(2)設置者の氏名及び住所又は名称及び所在地

(3)施設及び設備の概要

(4)施設長の氏名

(5)給食、健診などのサービス内容

(6)施設の運営方針、職員体制

(7)保育料(要綱に定める保育料の範囲内であることを明記すること。)、自主事業及び利用料並

びに非常災害時の対策

(8)利用児童に関して契約している保険の種類、保険事故及び保険金額

(9)嘱託医の氏名、住所及び委託内容

(10)利用者からの苦情を受け付ける担当職員の氏名及び連絡先

● 児童福祉法第 59 条の 2 の 4

第 59 条の 2 第 1 項に規定する施設の設置者は、当該施設において提供されるサービスを利用す

るための契約が成立したときは、その利用者に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を

交付しなければならない。

一 設置者の氏名及び住所又は名称及び所在地

二 当該サービスの提供につき利用者が支払うべき額に関する事項

三 その他厚生労働省令で定める事項

● 児童福祉法施行規則第 49 条の 6

法第59条の2の4第3号に規定する厚生労働省令で定める事項は、次の各号に掲げるものとする。

一 施設の名称及び所在地

二 施設の管理者の氏名及び住所

三 当該利用者に対して提供するサービスの内容

四 保育する乳幼児に関して契約している保険の種類、保険事故及び保険金額

五 提携している医療機関の名称、所在地及び提携内容

六 利用者からの苦情を受け付ける担当職員の氏名及び連絡先

① 運営方針 (ⅳ)基本的事項の掲示等

● 実施細目 7 基本的事項の掲示

設置者は、次に掲げる事項を、認証保育所内の見やすい場所に掲示しなければならない。

(1)設置者の氏名又は名称及び施設長の氏名

(2)認証保育所の名称及び所在地

(3)建物その他の設備の規模及び構造

(4)認証保育所の開設年月日

(5)開所時間

(6)提供するサービスの内容及び保育料等

- 125 -- 124 - - 100 -

(7)年齢別の定員

(8)保育士その他の職員の配置数

● 児童福祉法第 59 条の 2 の 2

前条第1項に規定する施設の設置者は、次に掲げる事項を当該施設において提供されるサービス

を利用しようとする者の見やすい場所に掲示しなければならない。

一 設置者の氏名又は名称及び施設の管理者の氏名

二 建物その他の設備の規模及び構造

三 その他厚生労働省令で定める事項

● 児童福祉法施行規則第 49 条の 5

法第59条の2の2第3号に規定する厚生労働省令で定める事項は、次の各号に掲げるものとする。

一 施設の名称及び所在地

二 事業を開始した年月日

三 開所している時間

四 提供するサービスの内容及び当該サービスの提供につき利用者が支払うべき額に関する事項

五 入所定員

六 保育士その他の職員の配置数又はその予定

● 実施細目 8 情報の公開

設置者は次の情報を明示しなければならない。

(1)運営方針

(2)施設概要

(3)保育内容

(4)保育料

(5)年齢別の定員、開所時間、1日のスケジュール、保育目標等

(6)毎日の給食を展示するとともに、2週間以上の献立表を作成し、献立表に給与栄養量、素材

等を記入する。

(7)損益計算書や貸借対照表など財務諸表

① 運営方針 (ⅴ)運営委員会の設置

● 実施要綱 3(1) 認証保育所 A 型_カ 運営委員会の設置

設置者は、利用者等の意見を聴取するなど、利用者の立場に立った良質な保育サービスを提供す

るため、各施設に運営委員会を設置すること。

運営委員会には、社会福祉事業について知識経験を有する者、当該認証保育所の保育サービス利

用者(これに準ずる者を含む。)及び認証保育所設置主体の実務を担当する幹部職員を含むこと。

● 実施細目 3 運営委員会

要綱3(1)カにおいて「社会福祉事業について知識経験を有する者」とは、社会福祉に関する教

育や研究を行う者、社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に従事した経験を有する者及び認証保育

所事業の経営を行う上で必要かつ有益な専門知識を有する者をいう。例えば、認可保育所の幹部職

員や公認会計士、税理士、弁護士などは、これに該当する。

なお、運営委員会は定期的に開催し、運営委員会を開催した場合は、議事録を作成すること。

● 実施要綱 3(2)認証保育所B型

カ 設置者は、利用者からの意見を聴取する場を設けること。

- 126 - - 101 -

② 児童の入所状況 (ⅰ)認証定員の遵守

● 実施要綱 3(1)認証保育所 A 型_ウ 定員

(ア)定員の原則

a 20人から120人までとすること。

b 3歳未満児の定員を総定員の半数以上設定すること。

c 0歳児の定員を設定すること。

d 定員設定に当たっては、地域の保育需要を踏まえ当該区市町村と十分協議すること。

(イ)定員の弾力的運用

(ア)に基づき設定する定員の範囲内で保育することを原則とするが、本要綱に定める設備、面

積及び職員配置等の基準を満たしている場合には、定員を超えて保育を行うことができる。ただし、

連続する過去の2年度間常に定員を超えており、かつ、各年度の年間平均在所率(当該年度内にお

ける各月の初日の在所人員の総和を各月の初日の認証上の定員の総和で除したものをいう。)が

120パーセント以上の場合は、実態に合うように定員の見直しを行うこととする。

● 実施要綱 附則2

3(1)ウ(ア)bについては、区市町村の求めにより設定する場合は、この限りでない。

● 実施要綱 3 (2)認証保育所B型_ウ定員

(ア)定員の原則

a 6人から29人までとすること。

b 0歳児の定員を設定すること。

(イ)定員の弾力化

認証保育所A型に準じる。

② 児童の入所状況 (ⅱ)認証内容の変更

● 実施要綱 13(2)重要事項の変更

重要な認証事項を変更しようとする設置者は、別に定める内容変更届を知事に提出すること。

● 実施細目 13 内容変更(届)の手続

認証保育所の建物その他設備の規模構造、使用区分、 屋外遊戯場、定員等の運営方法又は代表者

若しくは施設長を変更しようとする設置者は、東京都認証保育所内容変更届 (第4号様式)に次に

掲げる書類を添付し、原則として変更しようとする日20日前(12により別園を設置する場合は別に

定める通知の提出期限)までに知事へ提出すること。

(1)建物の規模構造、使用区分(保育室、遊戯室、乳児室、ほふく室等の設置位置等)及び屋外遊戯

場の変更

ア 調査書 (第1号様式)

イ 区市町村の意見書(区市町村が、当該内容変更が適正であることを確認したことがわかるもの。以下同じ。)

ウ 建物・土地の状況(第3号様式)

エ 建物の変更前後の案内図、配置図及び平面図(必要に応じ提出のこと。)

オ 土地の実測図(変更がある場合のみ)

カ 建物・土地の登記事項証明書又は賃貸借契約書等(変更がある場合のみ)

キ 別園設置概要(第5号様式の2)(地方裁量型認定こども園の認定を受ける認証保育所で別園

を設置している場合)

ク その他知事が必要に応じて求める書類

(2)定員又は年齢区分の変更

認定こども園の認定を受ける認証保育所においては、短時間利用児の人数を変更した場合にも

- 127 -- 126 - - 102 -

知事へ届け出ること。

ア 調査書 (第1号様式)

イ 区市町村の意見書

ウ 職員の構成(第2号様式)

エ 別園設置概要(第5号様式の2)(地方裁量型認定こども園の認定を受ける認証保育所で別園

を設置している場合)

オ その他知事が必要に応じて求める書類

(3)代表者の変更

法人の代表者を変更した場合は、速やかに区市町村に変更内容を通知し、登記後速やかに知事

へ届け出ること。

ア 調査書 (第1号様式)

イ 代表者の履歴書(本人の顔写真が貼付されたもの)

ウ 登記事項証明書又は登記簿に記載されている事項の概要を記載した書面

エ 要綱7(2)イ(イ)aからcまでの要件を満たしている旨の誓約書(要綱7(7)イ(イ)に

基づく施設長との兼任を行う場合のみ)

オ その他知事が必要に応じて求める書類

(4)施設長の変更

ア 調査書 (第1号様式)

イ 区市町村の意見書

ウ 施設長の履歴書の写し(本人の顔写真が貼付されたもの)

エ 施設長の保育士登録証の写し

オ 要綱7(2)アに規定する施設長要件を満たすことを証する書面(勤務証明等)

カ 要綱7(2)イ(イ)aからcまでの要件を満たしている旨の誓約書(要綱7(27)イ(イ)に

基づく設置者との兼任を行う場合のみ)

キ その他知事が必要に応じて求める書類

(5)保育料

ア 区市町村の意見書

イ 改定前後の保育料金表

ウ 保護者への通知文書等の写し

エ その他知事が必要に応じて求める書類

なお、保育料の変更にあたっては、変更内容や変更理由等について利用者に対し、変更をしよ

うとする日以前、相当期間の余裕をもって十分説明を行うとともに周知すること。

(6)調理業務の委託又は外部搬入委託

ア 調査書 (第1号様式)

イ 区市町村の意見書

ウ 調理業務委託契約書又は外部搬入業務委託契約書の写し

エ その他知事が必要に応じて求める書類

(7)(1)から(6)までに掲げるもの以外で運営上の重要事項を変更した場合で、変更した日以前に

届け出ることができなかったものは、東京都認証保育所内容変更届 (第4号様式)に関係書類を添

付の上、変更後1か月以内に知事に提出すること。

● 実施要綱 15 認証書の交付

知事は、13により認証した場合は、「東京都認証保育所認証書」(第3号様式)を交付する。この

場合において、設置者は、交付された「東京都認証保育所認証書」を見やすい場所に掲示すること。

● 実施細目 10 東京都認証保育所適合証の交付

要綱 13 により認証を受けた認証保育所においては、設置者は別に定める東京都認証保育所適合

- 128 - - 103 -

証(以下「適合証」という。)を掲示しなければならない。(以下略)

③ 組織管理

● 労働基準法第 89 条(作成及び届出の義務)

常時 10 人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁

に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる

場合においては就業時転換に関する事項

二 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切

り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及

び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

四 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

五 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

六 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

七 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合において

は、これに関する事項

● 労働基準法第 24 条(賃金の支払)

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労

働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生

労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定め

がある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働

者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定が

ある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

● 労働基準法第 36 条(時間外及び休日の労働)

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、

労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面によ

る協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第 32 条から第 32 条の 5 まで若しくは第 40 条

の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」とい

う。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働さ

せることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の

延長は、1 日について 2 時間を超えてはならない。

● 労働基準法第 106 条(法令等の周知義務)

使用者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨、就業規則、第 18 条第 2 項、第 24 条第 1 項ただし

書、第 32 条の 2 第 1 項、第 32 条の 3、第 32 条の 4 第 1 項、第 32 条の 5 第 1 項、第 34 条第 2 項ただし

書、第 36 条第 1 項、第 37 条第 3 項、第 38 条の 2 第 2 項、第 38 条の 3 第 1 項並びに第 39 条第 4 項、

第 6 項及び第 7 項ただし書に規定する協定並びに第 38 条の 4 第 1 項及び第 5 項に規定する決議を、常

時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令

で定める方法によって、労働者に周知させなければならない。

- 129 -- 128 - - 104 -

④ 職員の状況 (ⅰ)職員

● 実施要綱 2(2)常勤職員

事業主と直接、期間の定めのない労働契約を結んでいる者(ただし、1 年以上の期間の労働契約

を結んでいる者を含む。)であって、当該認証保育所において1日6時間以上かつ月20日以上、常

態的に継続して勤務し、かつ、社会保険の被保険者であるものをいう。ただし、当該認証保育所が、

厚生年金保険法(昭和 29 年法律第 115 号)第 6 条第 1 項及び健康保険法 (大正 11 年法律第 70 号)

第 3条第3項に規定する適用事業所以外の施設であって、当該事業所に使用される者の2分の1以

上の同意を得ることができず、厚生労働大臣の認可を受けることができない場合は、社会保険の被

保険者であることを要しない。

● 実施要綱 7 職員

職員の配置基準等は、次のとおりとする。

(1)保育従事職員配置基準

ア 保育従事職員は保育士である常勤職員(以下「常勤有資格者」という。)を原則とする。ただ

し、次の全ての条件を満たす場合はこの限りではない。

(ア)ウにより算出した保育従事職員数の6割以上を常勤有資格者とすること。

(イ)設置者は常勤職員以外の職員についても指揮命令権を有すること。

(ウ)ウにより算出した保育従事職員に常勤職員以外の職員を充てる場合、常勤職員以外の職員の

総勤務時間数が、常勤職員を充てる場合の総勤務時間数を超えること。

イ 必要な保育従事職員の員数は、次の数とする。

0歳児3人につき一人以上、1歳児及び2歳児6人につき一人以上、3歳児20人につき一人以上、4

歳以上児30人につき一人以上とする。

ウ 総所要保育従事職員の算定方法

児童の定員数及び在籍数のそれぞれについて、イに定める利用児童の年齢ごとに対応する保育

従事職員数で除して小数点1位(小数点2位以下切り捨て)まで求め、これらを合計して小数点以

下を四捨五入して得た数を比較し、いずれか多い方とする。

これを算定式で表すと次のとおりとなる。

(0歳児数×1/3)+{(1歳児数+2歳児数)×1/6}+(3歳児数×1/20)+(4歳以上児数×1/30)

エ 開所時間中については、現に登園している児童数に対しアからウまでに規定する配置基準によ

り算出した数以上の保育従事職員を配置すること。なお、開所時間中は常勤有資格者一人以上を

含む2名以上の保育従事職員を配置しなければならない。

オ 保健師、助産師及び看護師については、保育士に準じた専門性を有する者とみなす。

カ 定員90人以下の施設にあってはウにより算出された人数に加え、1名以上の保育従事職員を確保

しなければならない。なお、当該保育従事職員に常勤職員以外の職員を充てる場合、常勤職員以

外の職員の総勤務時間数が、常勤職員を充てる場合の総勤務時間数を超えること。

(2)施設長

施設長を置くこと。施設長は、次の要件を全て満たす者又は知事が適当と認めた者であること。

ア 保育士であって、以下の施設において、1日6時間以上かつ月20日以上、同一施設で継続して1

年以上保育士として勤務した経験があること。

(ア)児童福祉施設

(イ)本要綱に基づく認証保育所

(ウ)保育室運営事業実施要綱(平成21年8月25日付21福保子保第697号 平成23年4月1日廃止)等

に基づき都が補助対象として認定した施設

(エ)小規模保育整備促進支援事業実施要綱(平成25年3月29日付24福保子保第2458号)等に基づ

き都が補助対象として認定した施設

- 130 - - 105 -

イ 原則として、専任の常勤職員であること。ただし、次に定める場合については兼任を可とする。

(ア)実施事業が認証保育所1園の運営のみである場合、代表者との兼任を可とする。

(イ)実施事業が複数の場合であって以下の要件を満たしている場合、1園に限り代表者との兼任

を可とする。

a 当該認証保育所の開設後であること。

b 当該認証保育所の管理運営に支障を来たすことのないようにすること。

c 他の実施事業に支障を来たすことのないよう必要な体制が確保されていること。

(ウ)定員20人未満の施設については、7(1)ウにより算出した保育従事職員との兼任を可とする。

(3) 調理員及び嘱託医を置くこと。調理員は、定員40人以下の施設においては一人、定員41人以上

の施設においては2人以上配置すること。ただし、「保育所における調理業務の委託について」(平

成10年2月18日付児発第86号厚生省児童家庭局長通知)に準じて給食業務を第三者に委託し、施設

内の調理室を利用して調理させる場合及び8に規定する特例による場合は、調理員を置かないこと

ができる。

● 児童福祉法第 18 条の 23

保育士でない者は、保育士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。

④ 職員の状況 (ⅱ)採用・退職

● 労働基準法第 15 条(労働条件の明示)

使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しな

ければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定め

る事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

2 前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労

働契約を解除することができる。

● 労働基準法施行規則第 5 条

使用者が法第15条第1項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、

次に掲げるものとする。ただし、第1号の2に掲げる事項については期間の定めのある労働契約で

あって当該労働契約の期間の満了後に当該労働契約を更新する場合があるものの締結の場合に限

り、第 4 号の 2 から第 11 号までに掲げる事項については使用者がこれらに関する定めをしない場

合においては、この限りでない。

一 労働契約の期間に関する事項

一の二 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項

一の三 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項

二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働

者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算

及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並び

に退職手当の支払の時期に関する事項

五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第 8 条各号に掲げる賃金並びに最低賃

金額に関する事項

六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項

七 安全及び衛生に関する事項

八 職業訓練に関する事項

- 131 -- 130 - - 106 -

九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

十 表彰及び制裁に関する事項

十一 休職に関する事項

2 法第 15 条第 1 項後段の厚生労働省令で定める事項は、前項第1号から第4号までに掲げる事項

(昇給に関する事項を除く。)とする。

3 法第15条第1項後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明ら

かとなる書面の交付とする。

● 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第 6 条(労働条件に関する文書の交付等)

事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働条件

に関する事項のうち労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)第 15 条第 1 項に規定する厚生労働省令

で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(次項及び第14条第1項において「特

定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」

という。)により明示しなければならない。

2 事業主は、前項の規定に基づき特定事項を明示するときは、労働条件に関する事項のうち特定事

項及び労働基準法第 15 条第 1 項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものについても、文

書の交付等により明示するように努めるものとする。

● 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則第2条(法第 6 条第 1 項の明示事項及び

明示の方法)

法第6条第1項の厚生労働省令で定める短時間労働者に対して明示しなければならない労働条件

に関する事項は、次に掲げるものとする。

一 昇給の有無

二 退職手当の有無

三 賞与の有無

四 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

2 法第6条第1項 の厚生労働省令で定める方法は、前項各号に掲げる事項が明らかとなる次のいず

れかの方法によることを当該短時間労働者が希望した場合における当該方法とする。

一 ファクシミリを利用してする送信の方法

二 電子メールの送信の方法(当該短時間労働者が当該電子メールの記録を出力することによる書

面を作成することができるものに限る。)

④ 職員の状況 (ⅲ)社会保険

● 健康保険法第 3 条(定義)

この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。

ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者とな

ることができない。

一 (略)

二 臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲

げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)

イ 日々雇い入れられる者

ロ 二月以内の期間を定めて使用される者

三~六 (略)

七 後期高齢者医療の被保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)第 50

条の規定による被保険者をいう。)及び同条各号のいずれかに該当する者で同法第 51 条の規定に

より後期高齢者医療の被保険者とならないもの(以下「後期高齢者医療の被保険者等」という。)

- 132 - - 107 -

八 厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険者でないこと

により国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る。)

● 厚生年金保険法第 9 条(被保険者)

適用事業所に使用される70歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

● 厚生年金保険法第 12 条(適用除外)

次の各号のいずれかに該当する者は、第9条及び第10条第1項の規定にかかわらず、厚生年金保

険の被保険者としない。

一 臨時に使用される者(船舶所有者に使用される船員を除く。)であって、次に掲げるもの。た

だし、イに掲げる者にあっては一月を超え、ロに掲げる者にあっては所定の期間を超え、引き続

き使用されるに至つた場合を除く。

イ 日々雇い入れられる者

ロ 二月以内の期間を定めて使用される者

二~四 (略)

● 内かん(昭和 55 年 6 月 6 日 保険局保険課長、社会保険庁健康保険課長、社会保険庁厚生年金保険課長)

もとより、健康保険及び厚生年金保険が適用されるべきか否かは、健康保険法及び厚生年金保険

法の趣旨から当該就労者が当該事業所と常用的使用関係にあるかどうかにより判断すべきものです

が、短時間就労者が当該事業所と常用的使用関係にあるかどうかについては、今後の適用に当たり

次の点に留意すべきであると考えます。

1 常用的使用関係にあるか否かは、当該就労者の労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総

合的に勘案して認定すべきものであること。

2 その場合、1 日又は 1 週の所定労働時間及び 1 月の所定労働日数が当該事業所において同種の業

務に従事する通常の就労者の所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上である就労者

については、原則として健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱うべきものであること。

3 2 に該当する者以外の者であっても 1 の趣旨に従い、被保険者として取り扱うことが適当な場合

があると考えられるので、その認定に当たっては、当該就労者の就労の形態等個々具体的事例に即

して判断すべきものであること。

● 雇用保険法第 5 条(適用事業)

この法律においては、労働者が雇用される事業を適用事業とする。

● 雇用保険法第 6 条(適用除外)

次に掲げる者については、この法律は、適用しない。

一 65 歳に達した日以後に雇用される者(同一の事業主の適用事業に同日の前日から引き続いて

65 歳に達した日以後の日において雇用されている者及びこの法律を適用することとした場合に

おいて第38条第1項に規定する短期雇用特例被保険者又は第43条第1項に規定する日雇労働被

保険者に該当することとなる者を除く。)

二 一週間の所定労働時間が 20 時間未満である者(この法律を適用することとした場合において

第43条第1項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

三 同一の事業主の適用事業に継続して 31 日以上雇用されることが見込まれない者(前 2 月の各

月において 18 日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者及びこの法律を適用することとし

た場合において第42条に規定する日雇労働者であって第43条第1項各号のいずれかに該当する

ものに該当することとなる者を除く。)

④ 職員の状況 (ⅳ) 関連帳簿等

● 実施要綱 12 施設に備える書類

認証保育所には別紙2に定める書類を整備し、備え付けておかなければならない。

- 133 -- 132 - - 108 -

● 労働基準法第 107 条(労働者名簿)

使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製

し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。

2 前項の規定により記入すべき事項に変更があつた場合においては、遅滞なく訂正しなければなら

ない。

● 労働基準法施行規則第 53 条

法第107条第1項の労働者名簿(様式第19号)に記入しなければならない事項は、同条同項 に

規定するもののほか、次に掲げるものとする。

一 性別

二 住所

三 従事する業務の種類

四 雇入の年月日

五 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)

六 死亡の年月日及びその原因

2 常時30人未満の労働者を使用する事業においては、前項第3号に掲げる事項を記入することを要

しない。

● 労働基準法第 108 条(賃金台帳)

使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚

生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

● 労働基準法施行規則第 54 条

使用者は、法第 108 条の規定によって、次に掲げる事項を労働者各人別に賃金台帳に記入しなけ

ればならない。

一 氏名

二 性別

三 賃金計算期間

四 労働日数

五 労働時間数

六 法第33条若しくは法第36条第1項の規定によって労働時間を延長し、若しくは休日に労働さ

せた場合又は午後10時から午前5時(厚生労働大臣が必要であると認める場合には、その定め

る地域又は期間については午後11時から午前6時)までの間に労働させた場合には、その延長

時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数

七 基本給、手当その他賃金の種類毎にその額

八 法第24条第1項の規定によって賃金の一部を控除した場合には、その額

2 前項第 6号の労働時間数は当該事業場の就業規則において法の規定に異なる所定労働時間又は休日の

定をした場合には、その就業規則に基いて算定する労働時間数を以てこれに代えることができる。

3 第 1項第7号の賃金の種類中に通貨以外のもので支払われる賃金がある場合には、その評価総額

を記入しなければならない。

4 日々雇い入れられる者(1箇月を超えて引続き使用される者を除く。)については、第1項第3号

は記入するを要しない。

5 法第41条各号の一に該当する労働者については第1項第5号及び第6号は、これを記入すること

を要しない。

● 労働基準法第 109 条(記録の保存)

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要

な書類を3年間保存しなければならない。

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④ 職員の状況 (ⅴ)健康管理

● 実施細目 6(3)入所児童及び職員の健康診断

イ 職員に対し、採用時及び1年に1回定期健康診断を行わなければならない。

● 労働安全衛生法第 66 条(健康診断)

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわな

ければならない。

5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。ただし、事業

者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医

師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明

する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

● 労働安全衛生規則第 43 条(雇入時の健康診断)

事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師

による健康診断を行わなければならない。ただし、医師による健康診断を受けた後、3 月を経過し

ない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、

当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。

一 既往歴及び業務歴の調査

二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

三 身長、体重、腹囲、視力及び聴力(千ヘルツ及び 4 千ヘルツの音に係る聴力をいう。次条第 1

項第3号において同じ。)の検査

四 胸部エックス線検査

五 血圧の測定

六 血色素量及び赤血球数の検査(次条第1項第6号において「貧血検査」という。)

七 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビッ

クトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマーグルタミルトランスペプチダーゼ(ガンマー GTP)の検査

(次条第一項第七号において「肝機能検査」という。)

八 低比重リポ蛋白コレステロール(LDL コレステロール)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL コレステロール)

及び血清トリグリセライドの量の検査(次条第1項第8号において「血中脂質検査」という。)

九 血糖検査

十 尿中の糖及び蛋白の有無の検査(次条第1項第10号において「尿検査」という。)

十一 心電図検査

● 労働安全衛生規則第 44 条(定期健康診断)

事業者は、常時使用する労働者(第 45 条第 1 項に規定する労働者を除く。)に対し、1 年以内ご

とに1回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

一 既往歴及び業務歴の調査

二 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

三 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

四 胸部エックス線検査及び喀痰検査

五 血圧の測定

六 貧血検査

七 肝機能検査

八 血中脂質検査

九 血糖検査

十 尿検査

十一 心電図検査

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● 労働安全衛生法第 66 条の 3(健康診断の結果の記録)

事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第 66 条第 1 項から第 4 項まで及び第 5 項ただ

し書並びに前条の規定による健康診断の結果を記録しておかなければならない。

● 労働安全衛生規則第 51 条(健康診断結果の記録の作成)

事業者は、第43条、第44条若しくは第45条から第48条までの健康診断若しくは法第66条第4

項の規定による指示を受けて行つた健康診断(同条第5項ただし書の場合において当該労働者が受

けた健康診断を含む。次条において「第 43 条等の健康診断」という。)又は法第 66 条の 2 の自ら

受けた健康診断の結果に基づき、健康診断個人票(様式第五号)を作成して、これを5年間保存し

なければならない。

● 労働安全衛生法第 12 条の 2(安全衛生推進者等)

事業者は、第 11 条第 1 項の事業場及び前条第一項の事業場以外の事業場で、厚生労働省令で定

める規模のものごとに、厚生労働省令で定めるところにより、安全衛生推進者(第 11 条第 1 項の

政令で定める業種以外の業種の事業場にあっては、衛生推進者)を選任し、その者に第 10 条第 1

項各号の業務(第 25 条の 2 第 2 項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合において

は、同条第 1 項各号の措置に該当するものを除くものとし、第 11 条第 1 項の政令で定める業種以

外の業種の事業場にあっては、衛生に係る業務に限る。)を担当させなければならない。

● 労働安全衛生規則第 12 条の 2(安全衛生推進者等を選任すべき事業場)

法第 12 条の 2 の厚生労働省令で定める規模の事業場は、常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使

用する事業場とする。

● 労働安全衛生規則第 12 条の 3(安全衛生推進者等の選任)

法第12条の2の規定による安全衛生推進者又は衛生推進者(以下「安全衛生推進者等」という。)

の選任は、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習を修了した者その他法第 10 条第 1 項各

号の業務(衛生推進者にあっては、衛生に係る業務に限る。)を担当するため必要な能力を有する

と認められる者のうちから、次に定めるところにより行わなければならない。

一 安全衛生推進者等を選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任すること。

二 その事業場に専属の者を選任すること。ただし、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサ

ルタントその他厚生労働大臣が定める者のうちから選任するときは、この限りでない。

2 次に掲げる者は、前項の講習の講習科目(安全衛生推進者に係るものに限る。)のうち厚生労働

大臣が定めるものの免除を受けることができる。

一 第 5条各号に掲げる者

二 第 10条各号に掲げる者

● 労働安全衛生規則第 12 条の 4(安全衛生推進者等の氏名の周知)

事業者は、安全衛生推進者等を選任したときは、当該安全衛生推進者等の氏名を作業場の見やす

い箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。

⑤ 建物設備等の管理

● 実施要綱 6 建物、設備の基準

認証保育所の構造及び設備は、建築基準法(昭和25年法律第201号)及び関係法令、「東京都福

祉のまちづくり条例」(平成7年東京都条例第33号)、「高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の

整備に関する条例」(平成15年東京都条例第155号)及び関係規程(以下「建築基準法等」という。)

の定めるところに従うほか、「認証保育所における室内化学物質対策実施基準」(別紙 1)に基づき

室内化学物質対策を必ず実施し、採光、換気等入所児童の保健衛生、危険防止に十分な注意を払い、

下記の基準による設備を有し、適切に運営すること。

(1)基準設備・面積等

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区 分 要 件

認証保育所A型 認証保育所B型

乳児室又はほふく

0歳児及び1歳児1人当たり3.3平方メ

ートル(内法面積)以上。

0歳児及び1歳児1人当たり2.5平方メ

ートル(内法面積)以上。

保育室又は遊戯室 2歳以上児1人当たり1.98平方メートル (内法面積) 以上。

医務室 静養できる機能を有すること。事務室等と兼用も可。

屋外遊戯場

2歳以上児1人当たり3.3 平方メートル

(児童が実際に遊戯できる面積) 以上。

保育所付近にある屋外遊戯場に代わる

べき場所を含む。

調理室 乳幼児が保育室から簡単に立ち入ることがないよう、保育室と区画されているこ

と。定員に見合う面積、設備を有すること。

便所・その他

便所には保育室用とは別に便所専用の手洗設備が設けられているとともに、保育

室及び調理室と区画されており、かつ児童が安全に使用できるものであること。

便所の数は幼児20人につき1以上であること。

(2)基準面積の弾力的運用

(1)のとおり、類型に応じた各区分の基準面積等を有することを原則とするが、認証保育所A型

において、定員の弾力的運用を行う場合であって、別に定める要件を満たす場合には、年度の途

中に限り、3(1)ウ(イ)の規定にかかわらず、「乳児室又はほふく室」の区分で定める基準面積

によらずに保育を行うことができる。

● 実施要綱 13(2)重要事項の変更 p.126参照

● 実施細目 13 内容変更(届)の手続 p.126参照

⑥ 災害対策等

● 実施細目 6(5)防災訓練等

ア 避難・消火訓練を月1回以上実施するとともに、地震想定訓練も実施すること。なお、必要に

応じて救命救急訓練も実施すること。

イ 訓練を実施するにあたっては、実際に火災や地震等が発生した場合の時間帯や場所など、様々

な状況を想定して行うこと。

ウ 訓練結果の記録を整備すること。

●「認可外保育施設に対する指導監督の実施について」(平成 13 年 3 月 29 日雇児発第 177 号)

の別添「認可外保育施設指導監督基準」(以下「認可外保育施設指導監督基準」という。)3 非常

災害に対する措置

(1)消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備が設けられていること。

(2)非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する定期的な訓練を実施すること。

ア 災害時に備え、消火器等の消火設備、非常口その他非常災害に必要な設備を設けるとともに、

非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する不断の注意と訓練をするよう努めなければな

らない。

イ 前号の計画に基づき、避難消火等の訓練は、少なくとも毎月1回は行わなければならない。

● 保育所保育指針第 5 章_2(2)事故防止及び安全対策

ア 保育中の事故防止のために、子どもの心身の状態等を踏まえつつ、保育所内外の安全点検に努

め、安全対策のために職員の共通理解や体制作りを図るととともに、家庭や地域の諸機関の協力

の下に安全指導を行うこと。

イ 災害や事故の発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施するとともに、外部からの不審者

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等の侵入防止のための措置や訓練など不測の事態に備えて必要な対応を図ること。また、子ども

の精神保健面における対応に留意すること。

● 消防法第 8 条

学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店(これに準ずるものとして政令で定める大規模な小

売店舗を含む。以下同じ。)、複合用途防火対象物(防火対象物で政令で定める2以上の用途に供さ

れるものをいう。以下同じ。)その他多数の者が出入し、勤務し、又は居住する防火対象物で政令

で定めるものの管理について権原を有する者は、政令で定める資格を有する者のうちから防火管理

者を定め、政令で定めるところにより、当該防火対象物について消防計画の作成、当該消防計画に

基づく消火、通報及び避難の訓練の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な

施設の点検及び整備、火気の使用又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の

維持管理並びに収容人員の管理その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。

2 前項の権原を有する者は、同項の規定により防火管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を所轄

消防長又は消防署長に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

● 消防法施行令第 1 条の 2 第 3 項第 1 号(防火管理者を定めなければならない防火対象物等)

3 法第8条第1項 の政令で定める防火対象物は、次に掲げる防火対象物とする。

一 別表第一に掲げる防火対象物(同表(十六の三)項及び(十八)項から(二十)項までに掲げ

るものを除く。次条において同じ。)のうち、次に掲げるもの

イ (略)

ロ 別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項イ、(十六)項イ並びに

(十六の二)項に掲げる防火対象物(同表(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物

にあっては、同表(六)項ロに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものを除く。)

で、収容人員が30人以上のもの

ハ (略)

別表第一

(六) ハ 次に掲げる防火対象物

(3) 助産施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童養護施設、児童自立支援施設、

児童家庭支援センター、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第 7項に

規定する一時預かり事業又は同条第9項に規定する家庭的保育事業を行う施設その

他これらに類するものとして総務省令で定めるもの)

● 消防法第 8 条の 3

高層建築物若しくは地下街又は劇場、キャバレー、旅館、病院その他の政令で定める防火対象物

において使用する防炎対象物品(どん帳、カーテン、展示用合板その他これらに類する物品で政令

で定めるものをいう。以下同じ。)は、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものでなければ

ならない。

● 消防法第 17 条の 3 の 3

第17条第1項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における

消防用設備等又は特殊消防用設備等(第8条の2の 2第 1項の防火対象物にあっては、消防用設備

等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対

象物のうち政令で定めるものにあっては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定

める資格を有する者に点検させ、その他のものにあっては自ら点検し、その結果を消防長又は消防

署長に報告しなければならない。

● 消防法施行令第 3 条の 2(防火管理者の責務)

防火管理者は、総務省令で定めるところにより、当該防火対象物についての防火管理に係る消防

計画を作成し、所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。

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2 防火管理者は、前項の消防計画に基づいて、当該防火対象物について消火、通報及び避難の訓練

の実施、消防の用に供する設備、消防用水又は消火活動上必要な施設の点検及び整備、火気の使用

又は取扱いに関する監督、避難又は防火上必要な構造及び設備の維持管理並びに収容人員の管理そ

の他防火管理上必要な業務を行わなければならない。

3 防火管理者は、防火管理上必要な業務を行うときは、必要に応じて当該防火対象物の管理につい

て権原を有する者の指示を求め、誠実にその職務を遂行しなければならない。

4 防火管理者は、消防の用に供する設備、消防用水若しくは消火活動上必要な施設の点検及び整備

又は火気の使用若しくは取扱いに関する監督を行うときは、火元責任者その他の防火管理の業務に

従事する者に対し、必要な指示を与えなければならない。

● 火災予防条例(昭和 37 年東京都条例第 65 号)第 55 条の 4(自衛消防訓練等)

令別表第一に掲げる防火対象物の管理について権原を有する者は、火災、地震その他の災害が発

生した場合の当該防火対象物における初期消火、通報連絡、避難誘導、消防隊への情報提供その他

の自衛消防の活動(以下「自衛消防活動」という。)を効果的に行うため自衛消防の組織を定め、自

衛消防活動に係る訓練(以下「自衛消防訓練」という。)を行うよう努めなければならない。

2 令第1条の2第 3項第1号及び第55条の3第 1項に規定する防火対象物の防火管理者は、防火管

理に係る消防計画に基づき自衛消防訓練を実施したときは、規則で定めるところにより、その実施

結果記録を作成し、これを保存しなければならない。

3 共同防火管理対象物の統括防火管理者は、共同防火管理協議事項に基づき自衛消防訓練を実施し

たときは、規則で定めるところにより、その実施結果記録を作成し、これを保存しなければならない。

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3 認証保育所講習会における質問事項への回答

No. 項目 質問事項 回答

1 定員  定員の見直しについて、過去2年度間のうち1年度のみが120%以上であった場合は見直し対象外となるか。(例:平成26年度125%、平成27年度115%)

 お見込のとおりです。ただし、それ以外の場合であっても、実態に合うように定員の見直しを行うことを妨げるものではありません。

2 160時間未満利用児童

 160時間の保育が必要でない児童(例:幼稚園利用)の認証保育所の利用について、区市町村によっては利用可となるところがあるが、都としての基準等はあるのか。 上記について、面積、使用区分の変更をしても、幼児が定員を超えてしまう場合、どのように対応すればよいか。

 都の規定上は160時間の保育が必要でない児童の利用契約は可能ですが、この場合、当該児童は補助対象外です。各区市町村はそれぞれ事業の実施主体として規定を整備していますので、個別案件については各区市町村に確認してください。 なお、160時間未満利用児童も含めて、認証保育所としての基準を遵守する必要がありますので、定員を超えて受け入れる場合は、職員配置や保育室の面積等が基準の範囲内であることを必ず確認してください。

3 内容変更  保育料の変更をする場合、どのような手続きが必要か。実施細目上の添付書類には含まれていないが、区より保育料計算表を求められている。

 内容変更の手続は、実施細目13に定めているところであり、東京都の規定上では、保育料計算表を求めていません。 ただし、区市町村では、意見書の作成にあたって、内容確認のために別途資料を求めることもあります。必要書類については、区市町村に御確認をお願いします。

4 内容変更  入会金を変更する際には、内容変更の手続きが必要か。

 入会金は、変更届出事項である保育料に含まれていないため、入会金の変更にあたっては、内容変更届の提出は必要ありません。

【実施要綱4 保育料(抄)】 なお、保育料の月額には、基本の保育料のほか、給食代、おやつ代、保育に直接必要な保育材料費、光熱水費、年会費(12分の1の額)及びこれらに係る消費税相当分を含むものとする。ただし、長時間保育を行う際に提供する2食目以降の給食代及びおやつ代並びに入会金は含まないものとする。

5 内容変更  施設長が結婚して苗字が変更になった場合、内容変更届は必要か。

 当該施設長が代表者を兼務している場合は、代表者変更とあわせて施設長変更に係る内容変更届を提出してください。 それ以外の場合は、変更届の提出は必須ではありませんが、施設内では改姓を確認できる書類を適切に管理しておくようにしてください(旧姓使用の場合を含む)。 なお、保育士証については、戸籍上の氏名・本籍地都道府県の変更があった場合、必ず書き換え交付の手続きを行ってください。

6 運営委員会  運営委員会の第三者委員の対象になる人を具体的に示してほしい。

 「社会福祉事業について知識経験を有する者」とは、社会福祉に関する教育や研究を行う者、社会福祉事業又は社会福祉関係の行政に従事した経験を有する者及び認証保育所事業の経営を行う上で必要かつ有益な専門知識を有する者をいいます。例えば、認可保育所の幹部職員や公認会計士、税理士、弁護士などは、これに該当します。

7 運営委員会  運営委員会について B型の場合、利用者からの意見を聴取する場を設けるとありますが、開催方法や議事録の作成をどのように行えばいいのか、教えてほしい。

 利用者の立場に立った良質な福祉サービスを提供するために、認証保育所B型においては、利用者からの意見の聴取する場を設けることを求めております。園として適切に利用者からの意見聴取を行う方法(例えば保護者懇談会のアンケートの活用など)を検討して下さい。また、聴取した意見を園運営の参考にできるよう議事録(記録)も備えてください。

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No. 項目 質問事項 回答

8 給与規程  就業規則等の給与規程について 就業規則には、「給与規程は別途定める」となっており、事業所ごとに労基署へ届出ているが、別途定めてある給与規程も届出る必要性はあるのか。

 労働基準法第89条に規定された事項のすべてを一つの就業規則に規定すると量が多くなるため、給与規程等別の規定に分けることが通常ですが、それらについても労働基準監督署へ届け出る必要があります。

9 常勤職員  常勤職員について、期間の定めのない労働契約を結んでいる者(1年以上の労働契約を結んでいる者を含む)等の要件があるが、その根拠となる通知はあるか。

 認証保育所における常勤職員については、実施要綱において、下記のとおり定められています。

【実施要綱 2 用語の定義 (2)常勤職員】 事業主と直接、期間の定めのない労働契約を結んでいる者(ただし、1年以上の期間の労働契約を結んでいる者を含む。)であって、当該認証保育所において1日6時間以上かつ月20日以上、常態的に継続して勤務し、かつ、社会保険の被保険者であるものをいう。ただし、当該認証保育所が、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第6条第1項及び健康保険法 (大正11年法律第70号)第3条第3項に規定する適用事業所以外の施設であって、当該事業所に使用される者の2分の1以上の同意を得ることができず、厚生労働大臣の認可を受けることができない場合は、社会保険の被保険者であることを要しない。

10 常勤職員  1年間(例:H27.4.1~H28.3.31)の労働契約を結んでいる職員は、「事業主と直接、期間の定めのない労働契約を結んでいる者(ただし、1年以上の期間の労働契約を結んでいる者ものを含む。)」に該当すると理解してよいか。

 お見込のとおりです。

11 常勤職員  園の就業規則では、週40時間(1日8時間×5日)勤務の者は常勤職員、週40時間未満勤務の職員は非常勤職員としているが、1年以上の雇用契約があり、社会保険に加入している週30時間(1日6時間×5日)勤務の職員も、実施要綱上の常勤職員の定義を満たすと思われる。週30時間勤務の職員であっても常勤職員として算定できるのか。 また、短時間勤務の職員を複数合わせて1人分の職員とカウントする場合の基準となる「常勤職員を充てる場合の総勤務時間数」はどのように考えたらよいか。30時間でよいのか。

 就業規則・雇用契約等において、非常勤職員やパート職員等とされている場合には常勤職員としてカウントできません。【平成22年6月7日付「東京都認証保育所事業実施要綱改正にかかるQ&A」】 貴園の就業規則において週40時間の職員を常勤職員としているのであれば、たとえ1日の勤務時間が6時間以上かつ1週間の勤務日数が5日以上で、雇用期間が1年以上とされていて、社会保険に加入していても、週30時間の職員は常勤職員以外の職員になります。 同様に、「常勤職員を充てる場合の総勤務時間数」の考え方については、貴園の場合は、常勤職員1名につき週40時間ということになります。

12 常勤職員  法人の正規職員の所定労働時間は週40時間である。雇用期間の定めのない週40時間勤務の時給制職員を常勤職員として扱うことは認められるか。

 給与制度が、年俸制・月給制・時給制のいずれかといったことは、常勤職員の定義に直接影響はありません。 ただし、複数の勤務先で勤務する職員、就業規則や雇用契約等において非常勤職員とされている職員等については、常勤職員とは認められません。

13 常勤有資格者

 児童を1名でも保育している場合には、保育従事職員を常時2名以上、うち1名以上は常勤有資格者を配置することとある。 2名のうち1名が常勤有資格者の場合は常勤有資格者の割合が6割に満たないがどのように考えればよいか。

 認証保育所においては、現に登園している児童数に対し実施要綱7(1)ウにより算出した総所要保育従事職員数の6割以上を常勤有資格者としなければなりません。 総所要保育従事職員数が1名の場合は、常勤有資格者1人以上を含む2名以上の保育従事職員を配置する必要があります。 なお、総所要保育従事職員数が2名の場合には、常勤有資格者1名では6割以上とならないため、常勤有資格者2名以上を含む2名以上の保育従事職員を配置する必要があります。

14 常勤有資格者

 保育従事職員のうち、常勤有資格者を6割以上とするとは、雇用契約を結ぶ全ての保育従事職員における割合か、または日々の職員配置における割合か。

 児童の定員数及び在籍数により算出した総所要保育従事職員の6割以上の常勤有資格者を配置(雇用)することが必要です。 また、開所時間中の配置については、現に登園している児童数により算出した総所要保育従事職員の6割以上を、常勤有資格者とすることが必要です。

15 保育士登録  中途採用の職員の登録証が手続中の場合は保育士として見なされないのか。

 お見込みの通りです。

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No. 項目 質問事項 回答

16 加配職員  実施要綱7(1)カの加配職員(定員90人以下の施設:1名以上)は、日々の配置において何時から何時まで配置する必要があるのか。

 実施要綱7(1)カの規定は、雇用上必要な基準職員に関する規定であり、日々の配置については適用されません。 なお、実施要綱7(1)アからオまでに規定する保育従事職員は、全て、雇用上及び日々の配置で必要な基準職員に関する規定になります。

17 施設長  勤務割上では必要な職員配置を行っていたが、急病等で突発的に出勤できなくなった場合、施設長が当該職員の代わりに、保育もしくは調理の業務に従事することは可能か。

 施設長は施設の管理業務に従事する専任の常勤職員であることが必要ですので、定員20人未満の施設を除き、保育従事職員や調理員と兼任することはできません。 ただし、職員の急病などの際に、時間的な問題等でどうしても他の職員が確保できない場合には、施設長が代わりに保育又は調理業務に従事することはやむを得ないと考えられます。 なお、施設長が調理・調乳業務に従事する場合は事前に検便検査において結果が適正であることを確認の上、当該業務に従事する必要があります。

18 施設長  定員40名以下の園で、1人しかいない調理師が有給休暇を取る場合でも、施設長が調理業務に入ることは許されないのか。

 施設長は、専任の常勤職員でなければなりません(実施要綱7(2)イ(ア)~(ウ)に該当する場合を除く。)が、実施要綱7(1)及び(3)により規定する職員を適正に配置した上で、園運営に必要な範囲で保育又は調理等の業務を行うことは差し支えありません。

19 施設長  上記質問の回答について以前の立入調査の際に、施設長が調理に入っているシフトを指摘された。土曜日であり、必要な配置基準を満たしていたが、今回の記載では「差し支えありません」とのこと。再度の説明してほしい。

 施設長は施設の管理業務に従事する専任の常勤職員であることが必要ですので、定員20人未満の施設を除き、保育従事職員や調理員と兼任することはできません。 ただし、職員の急病などの際に、時間的な問題等でどうしても他の職員が確保できない場合には、施設長が代わりに保育又は調理業務に従事することはやむを得ないと考えられます。

20 職員に関する帳簿

 タイムカードと出勤簿は両方必要なのか。タイムカードのみでは足りないのか。

 タイムカードのみで差し支えありません。

21 最低賃金  最低賃金が改定されたことに伴い、最低賃金に満たない時間給となったパート職員がいるが、対応が必要か。

 平成29年10月1日より東京都最低賃金は時間額958円に改正されていますので、最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。

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No. 項目 質問事項 回答

22 職員健康診断

 雇用時の健康診断は非常勤・パート・アルバイトも受けなくてはならないか。

 労働契約について、(A)雇用期間の定めが無く、(B)1週間の労働時間が、通常の労働者の4分の3以上ある場合、「常時使用する労働者」に該当し、労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しなければなりません。 (A)については、期間の定めのある労働契約であっても、1年の契約期間がある場合(深夜業等に従事する者については6カ月以上)や更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年雇用されている場合も含みます。 従って、非常勤職員やアルバイト職員であっても、1年(以上)使用する場合で、1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3以上ある場合には、健康診断の実施義務がある「常時使用する労働者」に該当します。 また、健康診断は事業者に実施する義務がありますが、事業者が指定した健康診断を希望せず、他の健康診断を受診し、その結果を事業者が入手した場合、その結果項目については事業者が行う健康診断に代えることができます。(他で実施した健康診断結果を事業者が強制的に提出させることはできません。) なお、上述の該当の有無は、あくまで労働安全衛生法に基づく義務の有無です。東京都としては、「常時使用する労働者」に該当しなくても、適宜、事業者が保育所として必要性を判断し、状況に応じて健康診断を実施することが望ましいと考えています。

※個別のケースについて、「常時使用する労働者」に該当するか不明の場合は、最寄りの労働基準監督署に御相談ください。

23 職員健康診断

 定期健康診断について、年度に1回実施していればよいか。 また、年度途中で採用した新規採用職員の定期健康診断については、翌年度の実施としてもよいか。

 事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定められた項目について、医師による健康診断を行わなければなりません。 なお、新規採用者の初めての定期健康診断については、雇入時健康診断から起算して1年以内に実施するようにしてください。

24 職員健康診断

 採用の際の健康診断の結果によって、例えば、視力や聴力等において、採否を決めざるを得ないような障害や病気が見つかった場合の判断基準はあるか。

 雇入時健康診断は採用した職員の健康管理のために行うものであって、採否を決めるためのものではありません。【昭和23.1.16基発第83号、昭和33.2.13基発第90号、昭和47.9.18基発第601号の1、平5.4.26事務連絡】

25 職員健康診断

 職員健康診断は「事業者が実施することが原則」となっているが、雇入時健康診断及び定期健康診断の費用は、園が全額負担しなければいけないのか。

 労働安全衛生法に基づく健康診断の費用については、事業者に健康診断の実施義務がありますので、事業者が負担すべきものです。【昭和47年09月18日基発第602号】

26 職員健康診断

 1年以内ということだが、例えばH27.4.1に健康診断を受けた職員は、次回はH28.3.31までに受診する必要があり、H28.4.1だと1年を超えるという考えですか。(毎年前倒しに受診する必要がありますか。)

 労働安全衛生規則第44条において、「事業者は、常時使用する労働者に対し、一年以内ごとに一回、定期に健康診断を行わなければならない」と規定されています。

27 保育所の設備

 実施要綱6(6)クに規定されているカーテン等の防炎処理の要件については、保育室等を3階以上に設ける場合のみ適用されるものか。

 保育所(防火対象物)で使用するカーテン等は、消防法第8条の3の規定に基づき、防炎性能を有するものでなければなりません。

28 災害対策等  避難・消火訓練の年間計画はどのように策定すればよいか。

 避難訓練及び消火訓練については、毎月1回以上実施する必要があります。災害の種別、発生場所、時間帯等、様々な災害想定により、施設の実態に合わせた効果的な訓練を実施できるようにしてください。 なお、必ず地震想定訓練を含むようにしてください。 また、計画(plan)、実施(do)、検証(check)、見直し(action)を繰り返し行う「PDCAサイクル」を取り入れ、常に改善を図ってください。

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No. 項目 質問事項 回答

29 災害対策等  引取訓練は、必ず行う必要があるのか。  引取訓練については、認証保育所において必ず行わなければならない事項とはされていませんが、非常災害に平静かつ迅速に対応するには、平素からの訓練が大切ですので、少なくとも年1回は引取訓練を含んだものを行うことが望まれます。この場合、降園時間などを活用して保護者の負担をできるかぎり少なくするよう配慮してください。

30 災害対策等  避難訓練と消火訓練をそれぞれ月1回実施する必要があるということか。「地震」と「火災」の想定を分けるということか。

 認証保育所においては、避難訓練と消火訓練をそれぞれ月1回以上実施しなければなりません。避難訓練は安全な場所への避難行動を伴う訓練、消火訓練は初期消火行動を伴う訓練としてください。 なお、災害区分が「地震」の場合でも、当該地震を起因とする火災が発生するという想定で、避難訓練及び消火訓練をあわせて実施することは差し支えありません。火災が発生しないという想定であれば、別に消火訓練を実施するようにしてください。

31 災害対策等  不審者対応訓練は、必ず行う必要があるのか。

 不審者対応訓練は、認証保育所において必ず行わなければならない事項とはされていませんが、園の安全管理上、不審者への対策を講じておくことは重要ですので、年1回以上実施するようにしてください。 なお、不審者対応訓練は「非常災害に対する訓練」には当たりませんので、不審者対応訓練を実施した月は、別に、火災・地震等の非常災害に対する避難訓練を行う必要があることに注意してください。

32 災害対策等 防災訓練について①避難訓練・消火訓練の双方を月1回行うこと②毎月初期消火訓練を行うこと①の消火訓練と②の初期消火訓練は別々に行うという意味か。消火訓練=初期消火訓練か。

 東京都認証保育所事業実施細目6(5)において、避難訓練及び消火訓練を月1回以上実施することを規定しています。また、消火訓練については、初期消火訓練を行うことを求めてます。

33 災害対策等  天窓があるが、避難訓練時(火災想定)天窓は開け、他の窓やドアは開けるようにしているが、どうか。

 避難及び消火訓練を月1回以上実施することを求めておりますが、正しい避難及び消火訓練の方法等は消防署にお問い合わせ下さい。

34 災害対策等  防災訓練について 「不審者訓練」に放火が入った訓練の場合、消火訓練にはあてはまらないでしょうか。

 消火訓練では出火原因を定めてはいませんので、不審者による放火でも消火訓練とみなすことはできます。 不審者対応訓練は、認証保育所において必ず行わなければならない事項とはされていませんが、園の安全管理上、不審者への対策を講じておくことは重要ですので、年1回以上実施するようにしてください。 なお、不審者対応訓練は「非常災害に対する訓練」には当たりませんので、不審者対応訓練を実施した月は、別に、火災・地震等の非常災害に対する避難訓練を行う必要があることに注意してください。

35 児童票  児童の年間成長記録について、年齢ごとの頻度の目安はあるか。 現在、0、1歳児は月1回、2歳児以上は2ヶ月に1回としているが、区市町村によって見解が異なるようである。

 特にありません。記録の頻度は、子どもの発達に応じて施設で判断していただいて結構です。区市町村の指導があればそれに従ってください。

36 指導計画  3歳未満児の個人別計画について、「3歳未満児」ということは、3歳の誕生日以降は個人別で指導計画を立てる必要はないということか。

 満3歳以降は、個人別指導計画の作成は必須ではありません。満3歳以降も個人別指導計画を作成するかどうかについては、子供一人一人の発達等を踏まえ、各園で判断してください。

37 休所  園内で複数の児童、職員が感染症に罹患しており、開園すれば感染症がまん延し、危険だと思われる場合でも、家庭保育の依頼や休園をしてはいけないのか。

休園等を要するほどの感染症が発生した場合には、保健所、区市町村、嘱託医等に速やかに連絡してください。その上で、これらの機関等の指導・助言を踏まえ、感染症のまん延を防止するために、家庭保育の依頼や休園をすることは、やむを得ないものとして差し支えありません。

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No. 項目 質問事項 回答

38 児童の健康診断

①入所時健康診断を欠席した場合の児童への個別診断費用は、園で負担するものなのか。②入所時の健康診断は、入所日から4ヶ月以内であれば、1歳児健診、6ヶ月健診等で替えることができるのか。

①お見込みの通りです。②お見込みの通りです。ただし、入所日から遡り4ヶ月以内に受診した乳幼児健康診断をもって入所時健康診断とする場合は、施設において確実に当該項目を確認の上、母子手帳の健診受診記録のページの写しを保管してください。

39 児童の健康診断

 母子手帳の入所日4ケ月以内の健康診断部分の写しを保管することは、入所時健康診断を受診する必要はないということでいいのか。あくまで母子手帳の写しは一時的なものと考え、入所後に受診することが必要か。

 母子手帳の写しの提出をもって、入所時健診に代えることができます。その場合、再度入所時健診を実施する必要はありません。

40 児童の健康診断

 母子手帳コピーの控えを一時保育で使用することがありますが、一時保育も4ケ月以内のものでないといけないのでしょうか。

 一時預かりの児童については、園での健康診断(またはそれに代わる母子手帳の写しの提出)の実施を義務付けていません。ただし、一時預かりであっても園として健康状態を把握しておくことが望ましいです。

41 児童の健康診断

 年2回の定期健康診断日に欠席した児童は母子手帳の健康診断に受診した記録があれば代えることができるのか、又はいつまでに受診すべきなのか。

 母子手帳の写しの提出で代えることができるのは、入所時の健診のみです。定期健診については、欠席した児童に対しても、なるべく速やかに園の費用負担で健康診断を実施してください。

42 児童の権利擁護

 児童の権利擁護に配慮した保育として、好き嫌いで緑黄色野菜を嫌がる子どもに食べさせようと試みることはいけないことなのか。また、食育に「好き嫌いなく食べる」とねらいを設定することはどうか。

 児童の食育の観点から、好き嫌いなく食べること等をねらいとし、児童の状況を見ながらうながすことは差し支えありません。ただし、嫌がる児童に無理に食べさせるといった行為は、児童の権利擁護の観点から適切ではありません。

43 事故報告の様式

 事故報告の様式について、保育所にて重傷事故が発生した場合の区市町村から厚生労働省への事故報告様式については、統一様式となっているかと思うが、保育所から区市町村あてに報告する様式についての定めはあるか。

 区市町村によって異なります。所在の区市町村にお問い合わせください。

44 事故事例  事故事例を参考にし、園運営に努めたいが方法はないか。

 死亡事故等の重篤な事故について、内閣府が「特定教育・保育施設等における事故情報データベース」として公表していますので、御参照ください。http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/index.html#database

45 午睡中の事故防止

 乳幼児突然死症候群の予防について 仰向け寝を徹底しているが、向きを変えるとすぐうつぶせ寝に体勢を変えてしまう。変えることで、睡眠がとれない。(安心して眠れない様子あり)児童のそばを離れない、観察を続けても向きをかえるのを徹底すべきか。

 乳児は、顔が見える仰向けに寝かせることが原則です。ただし、児童の状況に応じて、仰向けでない場合は傍を離れない、寝付いたら仰向けにするなど、適宜対応してください。

46 午睡中の事故防止

 午睡中のチェック表について子どもの午睡中の体位も書くようにとの事だが、ただでさえ人手不足でぎりぎりの現場で働いている中で、体位まで記入するのは難しい。

 体位については、助言事項として、睡眠中の児童の様子をより具体的に把握し記録するため記入が望ましいとしています。児童の安全を第一に考え、園の状況に応じて各園で判断してください。

47 午睡中の事故防止

 区市町村から睡眠チェック表は1,2歳児も5分間隔が望ましいと書面で提示されたので、0,1,2歳児は5分チェックにしています。 現実は、余裕のある人数ではなく休憩を削ってのチェックの仕事内容です。「望ましい」はあやふやなので、はっきりしてもらえると指示ができます。

 午睡チェックの間隔について、都指導監督基準上に定めはありません。都では、0歳児は5分、1・2歳児は10分を望ましい間隔としていますが、各区市町村の指導や園の状況に応じて、各園で判断してください。

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No. 項目 質問事項 回答

48 保育料  「契約の内容は、東京都認証保育所の基準に定める開所時間及び開所日の利用が妨げられることのないものであること」とされているが、契約の内容をもう少しわかるように教えてほしい。

 認証保育所の特色である、土曜日及び13時間以上開所の基準を、実質的に反故にする契約内容にならないようにして頂くことを規定したものです。具体的に時間設定や料金設定を行うにあたり不明な点があれば、区市町村を通じて事前に御相談ください。

49 保育料  年会費を別途年度末に徴収する場合は、月の保育料に分割して含めないといけないものなのか。

 年会費の徴収方法に関し、都指導監督基準上における定めはありません。なお、年会費等も含め、徴収する保育料の上限(但し、月曜日から土曜日までの開所時間中に月220時間以下の利用等をした場合に限る。)が要綱に定める限度額を超過することのないよう、十分留意してください。

50 保育料  保育料金の上限はオムツや英語教室などは含まれないのか。

 実施要綱4に記載の保育料については、基本の保育料のほか、給食代、おやつ代、保育に直接必要な保育材料費、光熱水費、年会費と定めがあります。英語教室については、保育料の規定に照らして当たらないと考えられるため、保育料の範囲には含まれません。また、オムツについては、オプションであれば保育料の範囲に含まれません。

51 備える書類  認証保育所に備える書類について、保存期間に定めはあるか。

 認証保育所に備える書類の保存年限に関し、都指導監督基準上の定めはありません。 各事業者において保存期間を定めるにあたっては、東京都社会福祉協議会発行の『社会福祉施設・事業者のための規程集(運営編)』等を参考に検討してください。

52 その他  資料全体を通して「子供」と記載しているが、都として「子ども」ではなく「子供」を使用する方針ですか。理由を示して。

 東京都公文規程に基づき、常用漢字に従って、都では「コドモ」を漢字表記としています。