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2-1

PCの構成/マザーボード

PCの構造

2

2-1

2-1-1 PCの構成

2-1-2 マザーボードの役割

2-1-3 マザーボードの規格

2-1-4 マザーボード上の部品

2-1-5 【演習】マザーボードの設置

PCの構成/マザーボード

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PCの構成1PCを構成する主な部品は、5大基本装置に当てはめると、以下の通りです。

装置 部品入力装置 キーボード、マウス、マイクロホン

記憶装置 メモリ、ハードディスク、光学式メディア(CD/DVD)ドライブ、フロッピーディスクドライブ

制御装置 CPU、チップセット、ビデオカード

演算装置 CPU、ビデオカード

出力装置 ディスプレイ、スピーカー

その他 マザーボード、電源ユニット、ケース、ケーブル類

各部品はマザーボードに接続され、ケースに収められています。接続された各部品間で電気信号

のやり取りをするための経路をバスと呼びます。

メモリモジュール

電源ケーブル

電源コネクター

光学式ドライブ

SATAハードディスク

SATAコネクター

IDEコネクターFD用コネクター

CPU

CPUソケットSSD

mSATA

PCIスロットPCI拡張カード

メモリソケット

AGPスロット

PCI-Expressスロット

IDEフラットケーブル

マザーボード

マザーボードのイメージと接続

2-1-1 PCの構成

PCを構成する部品を、5大基本装置(入力・記憶・制御・演算・出力)に当てはめて全体像を説明できるようになりましょう。学習ポイント

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PCの構成/マザーボード

PCの構造

2

2-1

タッチパッドマウスの代わりに使うポインティングデバイスの一種。主にノートPC

に内蔵されている。

ビープ音エラー時などに鳴るビーやプーといった単純な音のこと。

据え置き用PCは、本体の大きさや設置場所により、デスクトップ型やタワー型などと区別することがあります。

PCの種類 特徴デスクトップ型 本体が比較的小さいため、机上に置いて利用することが多い。

タワー型 本体がデスクトップ型より大きく、机上ではスペースをとるため、本体を床などに設置することが多い。

据え置き用PC

デスクトップ型の例 タワー型の例

デスクトップ型などの据え置き用PCと持ち運べるノートPCでは、大きさや携帯性が違うため、構

成する周辺機器やその接続方法が異なります。

周辺機器 据え置き用PCの接続方法 ノートPCの接続方法

ディスプレイ、キーボード、スピーカー、マイク

外付けただし、ビープ音※用のスピーカーは内蔵

内蔵

マウス 外付けマウスの代わりにタッチパッド※

などを内蔵ただし、マウスを外付け可能

CD/DVDドライブ、フロッピーディスクドライブ 内蔵 内蔵または外付け

PCの形態の違いによる周辺機器の接続方法の比較

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マザーボード上の部品1ここではマザーボード上の部品について確認しましょう。

③④ ⑤① ②

⑨⑩

⑯ ⑮ ⑭

2-1-4 マザーボード上の部品

ここでは、マザーボード上の部品について設置されている位置や形状について確認した後、主要な部品について、その役割や特徴を説明していきます。マザーボード上のさまざまな部品について、その役割と特徴を理解しましょう。

学習ポイント

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PCの構成/マザーボード

PCの構造

2

2-1

①ATX4ピンコネクター12V(CPU電源コネクター) ②CPUファン用電源コネクター 

③CPUソケット ④リテンショナー(CPUクーラーをセット) ⑤メモリスロット 

⑥ATX電源コネクター(24ピン) ⑦FDDコネクター ⑧チップセット(ノースブリッジ) 

⑨ IDEドライブコネクター ⑩CMOSバッテリ ⑪チップセット(サウスブリッジ) 

⑫SATAコネクター ⑬システムパネルコネクター(電源スイッチ/リセットスイッチなど) 

⑭予備ファン用コネクター ⑮USBコネクター(フロントパネル用) ⑯BIOS 

⑰PCIバススロット ⑱PCI-Express(×1)バススロット ⑲PCI-Express(×16)バススロット 

⑳バックパネルコネクター

① ② ⑤③

④ ④

⑦⑧

⑫⑪

⑭⑮⑯

マザーボード簡易図

上図は、写真にあるマザーボード上にある部品の位置と形状をわかりやすくしたものです。

ここでは2つのチップセットで構成されたマザーボードを例にしています。現在のマザーボードは、

⑪のチップセットがないマザーボードが一般的です。

詳しい内容は「2-3-3 チップセット」で説明します。

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主要部品の役割と特徴2マザーボード上の主要な部品について、その役割や特徴を理解しましょう。

● CPUソケット/CPUスロットCPUソケット、CPUスロットは、マザーボード上にCPUを実装するための挿込口です。CPUをは

んだ付けにするのではなく、CPUソケットやCPUスロットに装着することにより、後でCPUの交換

が可能になります。これは、必ずしも故障時の交換修理を目的とするだけでなく、より高性能の

CPUと交換しやすい環境を提供しているといえます。

CPUは半導体チップを小さな基板に実装し、カバーで覆い保護をしています。これをCPUパッケー

ジ(プロセッサーパッケージ)と呼び、パッケージの形状は同一ではなく複数の形状があります。ま

た、CPUをマザーボード上に実装する挿込口には、ソケットとスロットという大きく分けて2つの形

状があります。

CPUパッケージがPGA(ピージーエー:Pin Grid Array)やLGA(エルジーエー:Land Grid

Array)の場合は、ZIF(ジフ:Zero Insertion Force)と呼ばれるソケットでさまざまな種類がありま

す。ZIFは、レバーを上下することで、無理なく確実にCPUを着脱できる構造のソケットです。

CPUパッケージがSECC(セック:Single Edge Contact Cartridge)やSEPP(セップ:Single

Edge Processor Package)の場合は、Slot1やSlot2と呼ばれるスロットがあります。スロットは、

カードを挿し込むような形状です。

現在では、ほとんどがZIFソケットで、CPUスロットは使われていません。

  

ZIFソケット CPUスロット(Slot1)

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PCの構成/マザーボード

PCの構造

2

2-1

メーカー ソケット名 パッケージ 主な対応CPU

Intel

Socket7 PGA Pentium、MMX Pentium

Socket8 PGA Pentium Pro

Socket370 PGA Pentium III、Celeron

Socket423 PGA Pentium 4

Socket478 PGA Pentium 4、Celeron D

Socket603 PGA Xeon

Socket775 LGA Pentium 4、Core 2 Duo、Core 2

LGA1366 LGA Core iシリーズ

LGA1155 LGA Core iシリーズ(Sandy Bridge:サンディブリッジ)

LGA1156 LGA Core iシリーズ(Lynnfield:リンフィールド)

LGA1150 LGA Core iシリーズ(Haswell:ハスウェル)

LGA1151 LGA Core iシリーズ(Skylake:スカイレイク)

LGA1151 LGA Core iシリーズ(Kaby Lake:ケイビーレイク)

LGA2011 LGA Core iシリーズ(Sandy Bridge-E:サンディブリッジイー)など

AMD

SocketA PGA Athlon、Duron

Socket754 PGA Sempron、Athlon 64

Socket939 PGA Sempron、Athlon 64

Socket940 PGA Sempron、Athlon 64、Phenom

SocketAM2 PGA Athlon 64 X2

SocketAM2+ PGA Athlon 64 X2

SocketAM3 PGA Phenom IIなど

SocketAM3+ PGA FXシリーズ

SocketAM4 PGA AシリーズAPU

SocketFM1 PGA AシリーズAPU

SocketF PGA Opteronシリーズ

SocketFM2 PGA Athlon X4

SocketFM2+ PGA AシリーズAPU

CPUソケット

メーカー スロット名 主な対応CPU

IntelSlot1 Pentium II、Pentium III

Slot2 Pentium II Xeon、Pentium III Xeon

AMD SlotA Athlon

CPUスロット

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ファームウェアハードウェアの制御を行うためにハードウェアに組み込まれたソフトウェア。ハードウェアにあらかじめ搭載され、ハードウェアの基本制御を行うプログラムの総称で、PCの周辺機器や家電製品に搭載されている同様のプログラムも、ファームウェアと呼ぶ。

● BIOSBIOSは、マザーボード上のROMに記憶してあるプログラムで、ファームウェア※の一種です。マ

ザーボードに電源が入ると、BIOSが働き、接続された装置の故障診断などを行い、問題がなけれ

ばOS(オーエス:Operating System)を呼び出してPCを起動します。BIOSを記録しているROM

には、不揮発性(電源を切っても内容が消えない)の半導体メモリが使われています。

ROM BIOS

BIOSはプログラムなので、不具合の修正や機能拡張にともない、内容を更新できると都合がよい

ため、現在では、EPROM(イーピーロム:Erasable and Programmable ROM)やEEPROM(イー

イーピーロム:Electrically Erasable and Programmable ROM)という、書き換え可能なROMが

使われています。ユーザーでもBIOSの更新ができるよう、EEPROMが主流です。

EPROM 特殊な機器を使って内容の消去や書き込みを行う。専用のROMライターが必要。

EEPROM フラッシュROMとも呼ぶ。専用のROMライターを必要とせずBIOSを更新できる。

更新方法は各マザーボードによって異なり、BIOS上で作業する場合もあれば、OS上で作業できる

場合もあります。いずれの場合も、作業中に電源を切らないよう注意します。

なお、BIOSの内容を更新する行為は、多くのマザーボードメーカーが保証対象外としています。し

たがって、作業に失敗した場合、保証期間内であっても有償修理扱いになります。また、万一、作

業に失敗しても作業前の状態に復旧できるよう、予備を含め、ROM BIOSを2個搭載したマザー

ボードもあります。

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PCの構成/マザーボード

PCの構造

2

2-1

● CMOSバッテリCMOS(シーモス:Complementary Metal Oxide Semiconductor)バッテリとは、マザーボードに

内蔵されている電池です。BIOSプログラムは、不揮発性のROMに記録されますが、ユーザーが

変更したBIOSの設定値は、揮発性(電源を切ると内容が失われる)のCMOSメモリ※に記録され

ます。このBIOSの設定値をPCの電源を切っても消えないようにするために、電源供給を行うの

がCMOSバッテリです。

PCの電源を切り、次にPCを起動した際、正しい日時が表示されるのは、CMOSバッテリの電源

供給を受けているからです。CMOSバッテリの容量が低下すると、エラーの発生や日時がずれるなどの問題が生じます。この場合は、CMOSバッテリを交換します。また、ユーザーが変更した

BIOSの設定値を初期化したい場合は、CMOSバッテリを外すか、CMOSバッテリ近くのジャンパ

ピンを操作するなどの方法で、一時的にCMOSバッテリからの電源供給を止めることで初期化す

ることができます。

CMOSバッテリ

● メモリソケットメモリソケットは、マザーボード上にメインメモリを実装する挿込口でメモリスロットともいいます。

CPU同様、はんだ付けするのではなく、ソケットに装着します。こうすることにより、メモリの交換

や増設がしやすい環境を提供しています。

メモリには種類によって、SIMM(シム:Single Inline Memory Module)ソケット、DIMM(ディム:

Dual Inline Memory Module)ソケット、RIMM(リム:Rambus Inline Memory Module)ソケット

などがあり、それぞれソケットの形状が異なります。そのため、異なる種類のメモリを取り付けるこ

とはできません。無理に取り付けようとすると、壊れてしまいます。正しい組み合わせであっても、

向きが間違っていると、取り付けることはできないので注意が必要です。

CMOSメモリCMOSメモリはCMOSと呼ばれることもある。正確にはNVRAM

と呼ばれる電池とSRAMが組み合わされた構造のメモリ。当初NVRAMがCMOS構造を利用して作られたため、通称でこのように呼ばれる。BIOSなどの設定情報を記憶するために利用される。

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下図は、メモリソケットの一例です。この例の場合、真上から垂直にメモリを装着します。斜めになっ

てしまうと、うまく装着できないばかりか、壊してしまう恐れがあります。

   

〈表と裏、2列にピンが並ぶ〉

DIMM

DIMM断面

メモリソケット

DIMMソケット(168pin) DIMMソケットを横から見た断面図

● 拡張スロット拡張スロットは、コンピューターに機能を追加する拡張カードを装着するために設けられている挿込口です。マザーボードには、ISA(アイサ:Industrial Standard Architecture bus)バススロット、PCI

(ピーシーアイ:Peripheral Components Interconnect bus)バススロット、AGP(エージーピー:

Accelerated Graphics Port)バススロット、PCI-Express(ピーシーアイエクスプレス)バススロッ

トなどの拡張スロットがあります。

なお、ISAスロットは古い拡張スロット規格で、現在では搭載しないマザーボードが一般的になって

います。また、AGPスロットではなく、PCI-Express(x16)スロットを搭載したマザーボードや、PCI

スロットの代わりに、PCI-Express(x1)を混在したマザーボードが一般的です。

PCI-Expressバススロット(上:PCI-Express(×16)1本/下:PCI-Express(×1)2本)

最近のマザーボードは、多くの機能を最初からマザーボード上に実装しているため、以前に比べる

と、拡張スロットを使う機会は減りました。しかし、後から機能を追加できるというメリットもあるた

め、マザーボードを選ぶ時には、拡張スロットの種類と数を確認しておきましょう。

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答 え

確認問題

PCの構成/マザーボード

PCの構造

2

①バス②チップセット③ATX④ライザーカード⑤ZIF⑥BIOS⑦ファームウェア⑧CMOSバッテリ

⑨DIMM⑩Dual Inline Memory Module⑪PCI-Express⑫20⑬DIN

次の に当てはまる言葉を答えてください。

1 1. PCに接続された各部品間で電気信号をやり取りするための経路は ① です。

1 2. CPUやRAM、拡張カードなどの各装置を制御する部分を ② と呼びます。

1 3. 現在主流のマザーボードの規格は ③ です。

1 4. LPXやNLXでは、拡張カード用のスロットをマザーボードと平行に配置した追加基板である④ を採用しています。

1 5. CPUの着脱を容易にするレバー付きのCPUソケットは ⑤ ソケットです。

1 6. マザーボード上のROMに保存されているプログラムは ⑥ です。

1 7. 周辺機器、ネットワーク機器、家電など、ハードウェアの制御を行うためにハードウェアに組み込ま

れたソフトウェアは一般的に ⑦ と呼ばれています。

1 8. CMOSメモリの情報を保持するための電池は ⑧ です。

1 9. PC/AT互換機のメモリソケットにはSIMMソケット、 ⑨ ソケット、RIMMソケットがあります

が、現在の主流は ⑨ ソケットです。

1 10. DIMMは ⑩ の略です。

1 11. さまざまな拡張カードを装着可能な ISA、PCI、PCI-Expressのうち、最も新しい規格は ⑪

です。

1 12. ATXマザーボード上の電源コネクターは ⑫ ピンまたは24ピンです。

1 13. キーボードやマウス用のコネクターとして使用されてきたPS/2コネクターの形状はミニ ⑬

型コネクターです。

2-1 PCの構成/マザーボード

2-1

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217

章末問題

カスタムPCとメンテナンス

PCの構造

2

2-10

USBはシリアル転送方式インターフェースで、周辺装置を簡単に拡張することができます。専用のハブを利用することで、最大127台まで周辺機器の接続が可能です。EIDEは、内蔵型のハードディスクやCD/DVD-ROMドライブなど、2系統4台まで接続できます。SCSIはハードディスクなどの周辺機器をデイジーチェーンで最大7台まで接続できます。セントロニクス(IEEE1284)は主にプリンターなどを接続するためのインターフェースです。

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ハブを使用し、周辺機器を最大127台までツリー状に接続できる入出力インターフェースはどれですか。

a. EIDE

b. SCSI

c. セントロニクス

d. USB

Q2

アクセスが低速なメインメモリと高速なCPUの速度差を調整するために、両者の間にキャッシュメモリと呼ばれる高速で小容量のメモリを配置することがあります。コンピューターにはキャッシュメモリを2段階で構成しているものがあり、最初にアクセスするものを1次キャッシュと呼び、そこに必要なデータがない場合、次にアクセスするものを2

次キャッシュと呼びます。プロセッサーは、2次キャッシュ上にも該当するデータがなかった場合に主記憶装置へアクセスします。

Aⓐ

1次および2次キャッシュを備えたコンピューターの場合、プロセッサーがデータを読み出す際にアクセスする順番として、適切なものを選んでください。

a. 1次キャッシュ→2次キャッシュ→主記憶 b. 1次キャッシュ→主記憶→2次キャッシュ c. 2次キャッシュ→1次キャッシュ→主記憶 d. 主記憶→2次キャッシュ→1次キャッシュ

Q1

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ネットワークのトラブルシューティング

ハードウェアとネットワークの

トラブルシューティング

7

431

一般的なネットワークトラブル1ネットワークトラブルは、それぞれ原因となる事象が違うので視点を広くもって調査を行います。こ

こでは一般的なネットワークトラブルについて説明します。

● ネットワークに接続できない最初に物理的な部分、ケーブル接続が適切に行われているか、ネットワーク機器の電源が入ってい

るかどうかを確認します。その後、IPアドレスが割り振られているか、重複していないかどうかを調

べます。問題箇所が発見できれば、その部分を修復することで接続できるようになります。

そのほか、インターネット接続ができない場合や特定のアプリケーションで通信ができない場合は、使

用しているポートが許可されているかどうか、ルーターやファイアウォールなどの設定を確認します。

● APIPAアドレスIPアドレスを調べると「169.254.0.1」~「169.254.255.254」の範囲から一意な IPアドレスになっ

ていることがあります。これはAPIPA、あるいはリンクローカルアドレスと呼ばれ、クライアントが

DHCPサーバーからIPアドレスを取得できない場合に IPアドレスを自動的に割り当てる機能です。

クライアントにこの IPアドレスが振られていた場合には、最初にネットワークケーブルやネットワーク

機器に問題がないか確認します。

ネットワーク環境に問題がない場合は、DHCPサーバーに問題がないかどうかを確認します。

DHCPサーバーに問題がないにもかかわらず IPアドレスが不足している場合には、DHCPサーバー

の IPアドレスの範囲(アドレスプール)の不足が考えられます。この場合は IPアドレスの範囲を大き

くするといった対策が必要です。また、IPアドレスのリース期間設定が長いと、使用していないクラ

イアントに IPアドレスを貸与したままで、その結果不足していることもあります。この場合はリース期

間の短縮を行います。

7-5-4 一般的なネットワークトラブル

ネットワークを利用しているとトラブルに遭遇することがあります。ここでは一般的なネットワークのトラブルシューティングについて学習します。学習ポイント

7-5

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432

● ネットワーク接続が途切れる有線ネットワークで接続が途切れる場合は、ケーブルやネットワーク機器に問題がある可能性が高くなります。

最初にケーブルが切れていないかどうか確認し、接続ポートを変更するなどして問題が発生しない

か確認します。

その他ケーブルに損傷があったり、ノイズ源(モーター)のようなものがあると通信が安定しない場

合があります。このような場合はSTPケーブルのようなノイズを抑えるしくみが施されるケーブル

に取り換える、ネットワークケーブルをノイズ源から遠くに敷設するなどの対応を行います。

● IPアドレスバッティングDHCPを使って IPアドレスの供給を受けている場合はほとんど発生しませんが、固定 IPアドレスが

混在している場合、IPアドレスがバッティング(競合)することがあります。

この場合は IPアドレスバッティングのエラーが画面に表示されるので、IPアドレスを変更するか、そ

の IPアドレスを使用しているデバイスを停止させるなどの対応をします。

IPアドレスバッティングを調査する場合に使用できるコマンドがnbtstatです。ただし、Windowsネッ

トワークでNetBIOS over TCP/IP(NBT)が有効でない場合は、この方法を使用できません。

使用できるときは「nbtstat -A 競合しているIPアドレス」を入力して、どの端末と競合しているか

確認します。

転送速度の低下2帯域の大きさは有限なので1つの回線を多くの人数で使用すると転送速度が低下します。あまり

に遅い場合は、フロー制御や帯域を増やすなどの対策が必要になります。フロー制御とは、送信側と受信側で連絡を取り合い、受信側がデータを受け取れるように調整する機能のことです。

その他、インターネット接続を多くの人数で同時に行った場合でも同じように転送速度が遅くなり、

Webなどの表示が遅くなります。この場合はプロキシサーバーの設置を検討します。プロキシサー

バーは、過去にアクセスしたWebページを保存し、アクセスを高速化するだけでなく、内部コンピュー

ターの代理として外部コンピューターにアクセスするといったセキュリティ面でも効果があります。

ローカル接続3ネットワークの設定を確認して「ローカル接続のみ」と表示された場合は、その表示されたPCで

IPアドレスの設定を確認します。

まれにルーターなどからIPアドレスを取得できないため、このような現象になる場合があります。

ネットワーク状況の確認を行い特定のPCのみに発生する場合は、そのPCと他のPCとの異なる

点を修正します。その他、ルーターなどのファームウェアに問題がある場合があります。ファームウェ

アのアップデートがある場合は、内容を確認して適用し問題が解決するか確認します。

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ネットワークのトラブルシューティング

ハードウェアとネットワークの

トラブルシューティング

7

433

7-5

シナリオで見るトラブルシューティング4ネットワークコマンドを使ったトラブルシューティングを効率よく行うためには、実際に行われている

事例を学習することが早道です。ここでは実際どのように使われているか見ていきます。

● ケース1サーバーに接続できない場合は、最初にpingコマンドを接続サーバーに対して実行します。

ABCサーバー

クライアント

ping ABC

pingでの確認

サーバーに正常な IPアドレスが割り当てられているにもかかわらず、pingコマンドを実行しても応

答がない場合は、サーバーがダウンしてしまっている可能性があります。また、デフォルトゲートウェ

イやLAN内の他のホストに対してもpingコマンドで確認します。反応があるにもかかわらず接続

できない場合は、そのサーバーに対してアクセス権があるかどうか確認する必要があります。

● ケース2DNSが使用できない場合は、ホストドメイン名でサーバーやインターネットに接続することができま

せん。この場合は、IPアドレスでの接続では問題がないことを確認します。

ABCサーバー DNSサーバー

クライアント

ABC

192.X.X.X

ABC = 192.X.X.X

IPアドレス指定での接続確認