②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317-...

35
②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか った。 心電図検査において QTc 間隔の投与前値からの変化量(平均値±標準偏差)は、投与開始 52 週後では 1.3±25.6 msec であったが、投与期間中最大で投与開始 12 週後に 12.8±22.3 msec であ り、治験薬の投与により延長が認められた。有害事象とされた QTc 間隔の延長は、「心電図 QT 補正間隔延長」が 14 名に 18 件、「心電図 QT 延長」が 3 名に 3 件認められ、いずれも因果 関係は否定されなかった。 2.7.6 - 317 -

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Page 1: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査

その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

った。

心電図検査において QTc 間隔の投与前値からの変化量(平均値±標準偏差)は、投与開始 52

週後では 1.3±25.6 msec であったが、投与期間中 大で投与開始 12 週後に 12.8±22.3 msec であ

り、治験薬の投与により延長が認められた。有害事象とされた QTc 間隔の延長は、「心電図

QT 補正間隔延長」が 14 名に 18 件、「心電図 QT 延長」が 3 名に 3 件認められ、いずれも因果

関係は否定されなかった。

2.7.6 個々の試験のまとめ

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7)結論

本剤は、2°HPT を合併する維持 HD 患者に対して血清 intact PTH 濃度 250 pg/mL 以下を目標

に 12.5~100 mg の範囲で用量を調整し、1 日 1 回連日 52 週間経口投与を行った結果、血清 intact

PTH 濃度を低下させ、投与終了時における血清 intact PTH 濃度 250 pg/mL 以下を達成できた被

験者の割合は 43.8%(105 名中 46 名)であった。また、本剤の投与により、オステオカルシ

ン濃度、TRACP 濃度及び NTx 濃度の低下が認められ、骨代謝を改善できる可能性が示唆され

た。

安全性に関しては、有害事象は 99.0%(105 名中 104 名)の被験者に、治験薬との因果関係

が否定できない有害事象は 84.8%(105 名中 89 名)の被験者に発現した。しかしながら、有

害事象に対する治療又は治験薬の用量調整により治験薬の投与を受けた 105 名中 82 名

(78.1%)の被験者において約 1 年間(52 週間)の治験薬投与が可能であった。

2.7.6 個々の試験のまとめ

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2.7.6.2.13 KRN1493/04-A12・・・・・・・・・・・・・・・・・資料 5.3.5.2-4

試験方法を表 2.7.6.2.13-1 に示した。

表 2.7.6.2.13-1 試験方法

項目 内容

治験の標題 腹膜透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とした KRN1493

一般臨床試験(第Ⅲ相)

治験実施

医療機関

他 15 施設

治験期間 20 年 月 日~20 年 月 日

治験の目的 腹膜透析(PD)施行中の 2°HPT 患者を対象に、本剤を 1 日 1 回 25 mg

より投与開始し、用量調整を行い 16 週間投与することで、有効性及び安

全性を検討した。

治験方法 本治験は、PD 施行中の 2°HPT 患者を対象としたオープン個体内用量調

整試験とした。治験薬の開始用量を 25 mg とし、投与開始後、被験者の血

清 intact PTH 濃度が 250 pg/mL 以下に維持されることを目標に、用量を 25、

50、75 及び 100 mg の範囲で調整した。なお、投与は 1 日 1 回経口投与と

し、16 週間連日投与した。

試験の種類 オープン個体内用量調整試験

被験者数 計画時:30 名

設定根拠:実施可能性を考慮し、PD 患者に対する本剤の有効性及び安全

性に関する情報が得られる被験者数として、30 名(登録被験者

数として)と設定した。

投 与:29 名

解析時:有効性解析対象集団;FAS 29 名、PPS 17 名

安全性解析対象集団;29 名

薬物動態解析対象集団;21 名

診断及び主要な

組み入れ基準

対象は、本治験の内容について十分な説明を受け、同意文書にて本治験

参加に対して自由意思による同意が得られ、以下の選択基準を満たし、除

外基準に抵触せず、本治験への参加が適格と判断された PD 施行中の

2°HPT 患者とした。

選択基準:

1)同意取得時に年齢が満 20 歳以上の患者

2)登録前 16 週間以上の PD 歴を有する安定期の慢性腎不全患者

3)前観察開始 2 週間前よりビタミン D 製剤(静注剤及び誘導体を含む)

の用法及び用量を変更(新規投与も含む)していない患者

4)前観察開始 2 週間前よりリン吸着薬(沈降炭酸カルシウム、塩酸セベ

2.7.6 個々の試験のまとめ

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ラマー、その他カルシウム製剤、アルミニウム製剤、ニセリトロール

及びコレスチミド)及びその他リン吸着作用を有する食品(酢酸カル

シウム、卵殻カルシウム及び通電処理蠣殻粉末)の用法及び用量を変

更(新規投与も含む)していない患者

5)前観察開始時及び前観察開始 2 週後に測定した血清 intact PTH 濃度(中

央測定値)がいずれも 300 pg/mL 以上の 2°HPT 患者

6)前観察開始 2 週後に測定した補正血清カルシウム濃度(施設測定値)

が 9.0 mg/dL 以上の患者

7)前観察開始後に他の血液浄化法(HD、血液濾過透析など)への変更、

PD 方法の変更(連続携行式腹膜透析から自動腹膜透析への変更など)

及び PD 液中のカルシウム濃度を変更していない患者

除外基準:

1)妊婦、授乳婦又は妊娠の疑いのある女性

2)過去に本剤の臨床試験に参加し治験薬の投与を受けた患者

3)登録前 24 週間以内に PTXを施行された患者

4)登録前 24 週間以内にビスフォスフォネート製剤の投与を受けた患者

5)登録前 12 週間以内に他の治験薬の投与を受けた患者

6)登録前 8 週間以内に腹膜炎、カテーテル感染症を発症し、PD の継続に

支障がある患者

7)前観察開始後に副甲状腺インターベンション療法(エタノール、酢酸、

又はビタミン D 製剤の副甲状腺内への注入療法)を受けた患者

8)高度な肝機能障害(前観察開始 2 週後の検査において ALT(GPT)又

は AST(GOT)のいずれかが 100 IU/L 以上である患者)又は肝硬変を

合併している患者

9)高度な心疾患(New York Heart Association 機能分類 ClassⅢ以上)を合

併している患者

10)コントロール困難な高血圧を有する患者(前観察開始日以降から登録

前までの来院時の血圧検査において、収縮期血圧 180 mmHg 以上かつ

拡張期血圧 120 mmHg 以上が 1 回でもある患者)

11)コントロール困難な糖尿病を有する患者

12)アナフィラキシーショックなどの重篤な薬物アレルギーが予測され

る患者又は薬物中毒・アルコール中毒の既往歴・現病歴がある患者

13)悪性新生物又は重篤な感染症などの重篤な合併症を有する患者

14)その他、治験責任医師等が被験者として不適当と認めた患者

使用薬剤 シナカルセト 25 mg 錠(フィルムコーティング錠)

ロット番号:

用法・用量 1)開始用量

1 日 1 回 25 mg

2.7.6 個々の試験のまとめ

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2)用量調整

血清 intact PTH 濃度 250 pg/mL 以下の維持を目標に、以下の基準に従っ

て被験者ごとに用量を 25、50、75 及び 100 mg の範囲で調整した。

(1)増量

投与開始 4 週後(5 週目投与開始前)より投与開始 15 週後(16 週目

投与開始前)までの各週において、以下の増量判定基準に従って増量の

可否を判定し、一段階ずつ増量した。

<増量判定基準>

①増量時までに、現在の用量を 4 週間以上維持している。

②増量 2 週前の血清 intact PTH 濃度(中央測定値)が 250 pg/mL を超え

ている。

③増量当日の補正血清カルシウム濃度(施設測定値)が 8.4 mg/dL 以上

である。

④増量する上で、安全性に問題がない。

(2)減量又は休薬

有害事象の発現、血清 intact PTH 濃度の過度の低下及び血清カルシウ

ム濃度の低下などにより、治験責任医師等が減量又は休薬が必要と判断

した場合は、治験薬の減量又は休薬とした。治験薬の減量幅(どの用量

まで減量するか)は、治験責任医師等が判断した。ただし、補正血清カ

ルシウム濃度が 7.5 mg/dL 未満に低下した場合は必ず休薬した。

(3)減量後の増量

減量後に再び増量するまでの期間及び増量幅は治験責任医師等が判

断した。なお、増量は減量直前の用量までとした。ただし、減量後にお

いても補正血清カルシウム濃度が 8.4 mg/dL 未満である場合は、増量を

禁止した。減量後 2 回目以降の増量については、(1)の増量基準に従っ

た。

(4)休薬後の再開

休薬した被験者において、治験責任医師等の判断で投与を再開した。

その際の用量は休薬前と同用量かそれより低い用量とした。なお、補正

血清カルシウム濃度が 7.5 mg/dL 未満へ低下し休薬した被験者では、8.4

mg/dL 以上に回復後に投与再開を可とした。休薬は 4 週間以内とし、治

験責任医師等が投与再開を困難と判断した場合には、治験中止とした。

なお、投与再開後の増量については、(1)の増量基準に従った。

投与期間 16 週間

評価項目 1)有効性

(1)主要評価項目

投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成を指標

とする有効率

2.7.6 個々の試験のまとめ

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(2)副次評価項目

①投与終了時における血清 intact PTH 濃度

②投与期間中における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成を指標

とする有効率

③投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 30%以上低下達成を指標と

する有効率

④投与終了時における血清リン濃度

⑤投与終了時における Ca×P 積

⑥投与終了時における骨代謝パラメータ(骨型 ALP 濃度、TRACP 濃度、

オステオカルシン濃度)

2)安全性

(1)有害事象

(2)投与期間中における 低補正血清カルシウム濃度

(3)投与終了時における補正血清カルシウム濃度

(4)臨床検査値

3)薬物動態

投与期間中における血漿中シナカルセトトラフ濃度の推移

解析方法 1)解析対象とするデータセット

有効性解析対象集団としては、適格であった被験者のうち、治験薬の投

与を受け、かつ治験薬投与開始後に血清 intact PTH 濃度の測定値が 1 つ以

上ある被験者を FAS とした。FAS のうち、重大な治験実施計画書の逸脱が

なく、投与開始日~投与終了日までの服薬率が 70%以上で、投与開始 16

週後に評価可能な血清 intact PTH 濃度の測定値が 1 つ以上ある被験者を

PPS とした。有効性は、FAS を主要な解析対象集団とした。

安全性解析対象集団は登録され少なくとも一度治験薬の投与を受けた

被験者とした。

2)人口統計学的及び他の基準値の特性

人口統計学的及び他の基準値に関する分布を示した。連続量に関して

は、要約統計量を算出するとともに、順序カテゴリーにも分類し、被験者

数・割合について集計した。ただし、不明及び欠測は被験者数のみを示し、

要約統計量及び順序カテゴリーの割合には含めなかった。カテゴリー項目

に関しては、被験者数及び割合を集計した。ただし、不明は被験者数のみ

を示し、カテゴリーの割合には含めなかった。

3)有効性

(1)主要評価項目

①投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成を指標

とする有効率

投与終了時に血清 intact PTH 濃度 250 pg/mL 以下を達成できた被験者

2.7.6 個々の試験のまとめ

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数及びできなかった被験者数とその割合並びに達成割合の両側 95%CI

を算出した。

(2)副次評価項目

①投与終了時における血清 intact PTH 濃度

投与終了時の血清 intact PTH 濃度測定値、投与開始前値に対する変化

量及び変化率の要約統計量(95%CI を含む)を算出した。

②投与期間中における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成を指標

とする有効率

投与期間中 1 回以上血清 intact PTH 濃度が 250 pg/mL 以下を達成でき

た被験者数及びできなかった被験者数とその割合並びに達成割合の両

側 95%CI を算出した。

③投与終了時における血清 intact PTH 濃度の投与開始前値に対する

30%以上低下達成を指標とする有効率

投与終了時に血清 intact PTH 濃度が投与開始前値に対して 30%以上の

低下を達成できた被験者数及びできなかった被験者数とその割合並び

に達成割合の両側 95%CI を算出した。

④投与終了時における血清リン濃度

投与終了時の血清リン濃度測定値、投与開始前値に対する変化量及び

変化率の要約統計量(95%CI を含む)を算出した。

⑤投与終了時における Ca×P 積

投与終了時の Ca×P 積、投与開始前値に対する変化量及び変化率の要

約統計量(95%CI を含む)を算出した。

⑥投与終了時における骨代謝パラメータ(骨型 ALP、TRACP、オステ

オカルシン)

投与終了時の各骨代謝パラメータ測定値、投与開始前値に対する変化

量及び変化率の要約統計量(95%CI を含む)を算出した。

4)安全性

(1)有害事象の発現及び程度

何らかの有害事象が発現した被験者の割合とその 95%CI を算出した。

また、有害事象の発現被験者数、発現件数及び発現割合を器官別大分類

別及び事象別に集計した。発現被験者数及び発現割合については事象ご

とに重症度別、発現時投与量別及び発現時期別の集計も行った。因果関

係が否定できない有害事象についても同様に集計した。

(2)投与期間中における 低補正血清カルシウム濃度

投与期間中の 低補正血清カルシウム濃度及び投与開始前値に対す

る変化量の要約統計量(95%CI を含む)を示した。

(3)投与終了時における補正血清カルシウム濃度

投与終了時の補正血清カルシウム濃度測定値、投与開始前値に対する

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 323 -

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変化量の要約統計量(95%CI を含む)を算出した。

(4)臨床検査値

治験期間中に測定された臨床検査項目に対して、臨床検査値一覧表を

作成した。一覧表ではすべての測定値を示し、基準値範囲を外れた測定

値には、その旨を付記した。また、臨床検査項目ごとに、個別推移図及

び要約統計量(平均値±標準偏差)の推移図、治験薬投与開始日からの

変化量の要約統計量(平均値±標準偏差)の推移図を作成し、併せて各

時点の変化量に対し対応のある t 検定を行い、治験薬投与開始日からの

変化の有意性について検討した。

5)薬物動態

血漿中未変化体トラフ濃度について、投与期間中の被験者ごとの推移図

を作成した。また、時点ごとに要約統計量を算出し、平均値と標準誤差又

は標準偏差を示す推移図を作成した。

2.7.6 個々の試験のまとめ

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1)被験者の内訳

被験者の内訳を図 2.7.6.2.13-1 に、治験薬投与後の中止被験者の理由内訳を表 2.7.6.2.13-2 に

示した。

同意取得後に前観察を開始した 41 名のうち、29 名が適格と判定され、登録された。登録さ

れた 29 名すべてに治験薬が投与されたが、6 名で治験が中止となったため、23 名が治験を完

了した。

治験薬が投与された 29 名のうち 6 名(20.7%)が有害事象の発現によって治験が中止され

た。

有効性解析対象集団の内訳を図 2.7.6.2.13-2 に示した。

登録適格被験者 29 名のうち FAS の定義に抵触する被験者が認められなかったため、FAS に

よる解析を 29 名で実施した。FAS のうち PPS の定義に抵触した被験者が 12 名認められたた

め、PPS による解析を 17 名で実施した。PPS 不採用理由として、「投与開始 16 週後に評価可

能な有効性に関する臨床検査項目の測定値がない被験者」に該当したものが も多く 9 名認め

られた。その他、「重大な治験実施計画書逸脱被験者」、「重大な治験実施計画書逸脱被験者」

及び「投与開始 16 週後に評価可能な有効性に関する臨床検査項目の測定値がない被験者」の

重複並びに「投与開始日~終了日までの服薬率が 70%未満の被験者」及び「投与開始 16 週後

に評価可能な有効性に関する臨床検査項目の測定値がない被験者」の重複にそれぞれ 1 名が該

当した。

薬物動態解析対象集団の内訳を図 2.7.6.2.13-3 に示した。

登録適格被験者 29 名のうち血漿中シナカルセトトラフ濃度集計対象集団の定義に 4 名の被

験者が抵触したため、25 名を血漿中シナカルセトトラフ濃度集計対象集団に採用した。更に、

血漿中シナカルセトトラフ濃度集計対象集団の 25 名のうち中止した 4 名を除いた投与完了被

験者 21 名を薬物動態解析対象集団とした。不採用理由として、「投与開始 4 週後以降に評価可

能な測定値がない被験者」に 2 名が該当し、「重大な治験実施計画書逸脱被験者」、「重大な治

験実施計画書逸脱被験者」及び「投与開始 4 週後以降に評価可能な測定値がない被験者」の重

複にそれぞれ 1 名が該当した。

また、本剤が投与されたすべての被験者 29 名を本治験における安全性解析対象集団とした。

2.7.6 個々の試験のまとめ

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解析対象:登録された被験者

Output Date:Output Filename:PGM File:

治験完了

23名

6名

治験薬投与前中止

治験薬投与後中止

29名

不適格

登録

41名

治験薬投与

12名

適格

0名

29名

図 2.7.6.2.13-1 被験者の内訳

表 2.7.6.2.13-2 治験薬投与後の中止被験者の理由内訳

被験者数(%)中止理由

被験者数 29名

1)被験者より同意撤回の申し入れがあった 0( 0.0)

2)有害事象の発現により、治験の継続が困難 6( 20.7)

3)2°HPTの病状が悪化し、治験の継続が困難 0( 0.0)

4)継続した休薬が4 週間を超えた 0( 0.0)

5)被験者が対象として不適格と判明した 0( 0.0)

6)その他、治験責任医師等が中止すべきと判断した 0( 0.0)

解析対象:登録の適格性が確認された被験者

Output Date:Output Filename:PGM File:

2.7.6 個々の試験のまとめ

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解析対象:登録の適格性が確認された被験者

Output Date:Output Filename:PGM File:

PPS採用

17名

適格

29名

FAS採用

12名

0名FAS不採用

29名

PPS不採用

図 2.7.6.2.13-2 有効性解析対象集団の内訳

解析対象:登録の適格性が確認された被験者

Output Date:Output Filename:PGM File:

21名

29名

4名

4名

25名

本登録

中止

治験完了

血漿中シナカルセトトラフ濃度集計対象集団不採用

血漿中シナカルセトトラフ濃度集計対象集団採用

図 2.7.6.2.13-3 薬物動態解析対象集団の内訳

2.7.6 個々の試験のまとめ

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2)治験実施計画書からの重要な逸脱

本治験において、8 名に重要な逸脱が認められた。

「治療方法や用法及び用量が不適切であった被験者」が 3 名に認められた。内訳は、治験薬

の増量に関する逸脱が 1 名、服薬時間の変更により投与から検査までの時間が短くなった被験

者が 1 名、 終検査日の検査前に服薬した被験者が 1 名であった。

「併用薬及び併用療法の規定に違反した被験者」に関する逸脱が 5 名に認められた。内訳は、

ビタミン D 製剤の用法及び用量に関する逸脱が 1 名、透析条件が変更された被験者が 4 名で

あった。

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 328 -

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3)人口統計学的及び他の基準値の特性

FAS の人口統計学的及び他の基準値の特性を表 2.7.6.2.13-3 に示した。

性別は、男性は 11 名(37.9%)、女性は 18 名(62.1%)であった。年齢(平均値±標準偏差)

は 55.9±9.4 歳、体重(平均値±標準偏差)は 54.55±10.50 kg であった。原疾患の分類は、慢性

糸球体腎炎が 29 名中 26 名(89.7%)、その他が 29 名中 3 名(10.3%)であった。なお、「その

他」に分類された疾患の内訳を表 2.7.6.2.13-4 に示した。PD 歴(平均値±標準偏差)は 82.0±46.6

ヶ月、合併症はすべての被験者で有しており、既往歴ありは 26 名(89.7%)であった。治験

薬投与開始時の併用薬剤は、ビタミン D 製剤併用ありが 15 名(51.7%)、リン吸着剤併用あり

が 25 名(86.2%)であった。治験薬投与前の血清 intact PTH 濃度(平均値±標準偏差)は

833.1±846.0 pg/mL、補正血清カルシウム濃度(平均値±標準偏差)は 10.18±0.67 mg/dL、血清

リン濃度(平均値±標準偏差)は 5.41±1.02 mg/dL 及び Ca×P 積(平均値±標準偏差)は

55.00±10.27 (mg/dL)2であった。

2.7.6 個々の試験のまとめ

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表 2.7.6.2.13-3 FAS の人口統計学的及び他の基準値の特性

カテゴリー /要約統計量

被験者数 29名男 11( 37.9)女 18( 62.1)平均値 55.9標準偏差 9.4平均値 156.40標準偏差 9.35平均値 54.55標準偏差 10.50慢性糸球体腎炎 26( 89.7)糖尿病性腎症 0( 0.0)慢性腎盂腎炎 0( 0.0)のう胞腎 0( 0.0)その他 3( 10.3)なし 0( 0.0)あり 29(100.0)なし 3( 10.3)あり 26( 89.7)平均値 82.0標準偏差 46.63未満 14( 48.3)3以上 15( 51.7)なし 15( 51.7)あり 14( 48.3)

治験薬投与開始時併用薬剤 なし 14( 48.3)(ビタミンD製剤) あり 15( 51.7)治験薬投与開始時併用薬剤 なし 4( 13.8)(リン吸着剤) あり 25( 86.2)治験薬投与前血清intact PTH濃度 平均値 833.1(pg/mL) 標準偏差 846.0治験薬投与前補正血清カルシウム濃度 平均値 10.18(mg/dL) 標準偏差 0.67治験薬投与前血清リン濃度 平均値 5.41(mg/dL) 標準偏差 1.02治験薬投与前Ca×P積 平均値 55.00

(mg/dL)2 標準偏差 10.27

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

年齢(歳)

身長(cm)

体重(kg)

PD液カルシウム濃度(mEq/L)

原疾患

被験者数(%)

項目 合計

性別

合併症

既往歴

PD歴(ヶ月)

サイクラー

表 2.7.6.2.13-4 原疾患分類で「その他」に分類された疾患の内訳

被験者識別コード 原疾患その他の内容(医師記載)

12-02-01 腎結核

12-07-01 不明:腎硬化症疑い

12-16-01 不明

解析対象:登録の適格性が確認された被験者

Output Date:Output Filename:PGM File:

2.7.6 個々の試験のまとめ

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4)有効性

本治験では FAS を有効性の主要な解析対象とし、以下に記述した。

(1)投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成を指標とする有効率

投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成の要約を表 2.7.6.2.13-5 に示

した。

投与終了時における血清 intact PTH 濃度が 250 pg/mL 以下を達成できた被験者は 29 名中 7

名であり、達成率は 24.1%で、その 95%CI は 10.3%~43.5%であった。

表 2.7.6.2.13-5 投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成の要約

被験者数 29名

血清intact PTH濃度250 pg/mL以下を達成できた被験者 7名(24.1%)

血清intact PTH濃度250 pg/mL以下を達成できなかった被験者 22名(75.9%)

達成率の両側95%CI 10.3%~43.5%

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

2.7.6 個々の試験のまとめ

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(2)投与終了時における血清 intact PTH 濃度

投与終了時における血清 intact PTH 濃度の要約を表 2.7.6.2.13-6 に、投与期間中の血清 intact

PTH 濃度の推移を図 2.7.6.2.13-4 に示した。

治験薬投与開始日の血清 intact PTH 濃度は、平均値で 833.1 pg/mL、中央値で 553.0 pg/mL で

あったが、投与終了時における血清 intact PTH 濃度の平均値及び中央値は共に低下し、それぞ

れ 672.9 pg/mL、362.0 pg/mL であった。

血清 intact PTH 濃度の平均値は、治験薬投与開始後一過性に上昇したが、投与開始 6 週後に

は 489.0 pg/mL に低下した。その後、投与開始 8 週後及び 16 週後ではそれぞれ 636.1 pg/mL 及

び 740.0 pg/mL であったが、その他の検査日ではいずれも 400~500 pg/mL の範囲内であった。

血清 intact PTH 濃度の中央値は、投与開始後経時的に低下し、投与開始 8 週後以降はおおむね

300 pg/mL 前後で推移した。

血清 intact PTH 濃度の投与前からの変化率の平均値は投与開始 6 週後以降、-30%以下で推移

した。変化率の中央値は投与開始 6 週後以降、-30%以下で推移し、10 週以降は-40%以下で推

移した。

表 2.7.6.2.13-6 投与終了時における血清 intact PTH 濃度の要約 29名

評価可能な 終血清intact PTH濃度(pg/mL) 平均値 672.9

標準偏差 1282.1

中央値 362.0

小値 39

大値 6930

95%CI下限 185.2

95%CI上限 1160.6

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

2.7.6 個々の試験のまとめ

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0

500

1000

1500

2000

2500

3000

-6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16

投与後経過時間(週)

血清

inta

ct P

TH濃

度(pg

/mL)

投与開始後経過週 -4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16被験者数 29 29 29 29 28 27 25 24 24 24 23

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

図 2.7.6.2.13-4 投与期間中の血清 intact PTH 濃度の推移(平均値±標準偏差)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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(3)投与期間中における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成を指標とする有効率

投与期間中における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成の要約を表 2.7.6.2.13-7 に示

した。

投与期間中における血清 intact PTH 濃度が 250 pg/mL 以下を達成できた被験者は 29 名中 13

名であり、達成率は 44.8%で、その 95%CI は 26.4%~64.3%であった。

表 2.7.6.2.13-7 投与期間中における血清 intact PTH 濃度の 250 pg/mL 以下達成の要約

被験者数 29名

血清intact PTH濃度250 pg/mL以下を達成できた被験者 13名(44.8%)

血清intact PTH濃度250 pg/mL以下を達成できなかった被験者 16名(55.2%)

達成率の両側95%CI 26.4%~64.3%

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

(4)投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 30%以上低下達成を指標とする有効率

投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 30%以上低下達成の要約を表 2.7.6.2.13-8 に示し

た。

投与終了時における血清 intact PTH 濃度が 30%以上低下を達成できた被験者は 29 名中 20 名

であり、達成率は 69.0%で、その 95%CI は 49.2%~84.7%であった。

表 2.7.6.2.13-8 投与終了時における血清 intact PTH 濃度の 30%以上低下達成の要約

被験者数 29名

血清intact PTH濃度30%以上の低下を達成できた被験者 20名(69.0%)

血清intact PTH濃度30%以上の低下を達成できなかった被験者 9名(31.0%)

達成率の両側95%CI 49.2%~84.7%

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

2.7.6 個々の試験のまとめ

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(5)投与終了時における血清リン濃度

投与終了時における血清リン濃度の要約を表 2.7.6.2.13-9 に、投与期間中の血清リン濃度の

推移を図 2.7.6.2.13-5 に示した。

血清リン濃度の平均値は、治験薬投与開始日及び投与終了時でそれぞれ 5.41 mg/dL 及び 5.21

mg/dL であり、変動は認められなかった。

血清リン濃度の平均値は、投与開始 6 週後に 5.07 mg/dL となり、その後、投与開始 14 週後

までは 5.0 mg/dL 前後で推移した。

表 2.7.6.2.13-9 投与終了時における血清リン濃度の要約 29名

評価可能な 終血清リン濃度(mg/dL) 平均値 5.21

標準偏差 1.17

中央値 5.40

小値 3.3

大値 7.5

95%CI下限 4.76

95%CI上限 5.65

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

0

1

2

3

4

5

6

7

-4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16

投与後経過時間(週)

血清

リン

濃度

(m

g/dL

投与開始後経過週 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16

被験者数 29 29 29 28 27 25 24 24 24 23

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

図 2.7.6.2.13-5 投与期間中の血清リン濃度の推移(平均値±標準偏差)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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(6)投与終了時における Ca×P 積

投与終了時における Ca×P 積の要約を表 2.7.6.2.13-10 に、投与期間中の Ca×P 積の推移を

図 2.7.6.2.13-6 に示した。

治験薬投与開始日の Ca×P 積は、平均値で 55.00 (mg/dL)2 であったが、投与終了時における

Ca×P 積の平均値は 48.42 (mg/dL)2に低下した。

Ca×P 積の平均値は、投与開始 4 週後に 49.38 (mg/dL)2 となり、その後、投与開始 16 週後ま

で 50 (mg/dL)2未満で推移した。

Ca×P 積の投与前からの変化率の平均値は、投与開始 6 週後に-12.62%となり、その後、投

与開始 16 週後まで-10%未満で推移した。

表 2.7.6.2.13-10 投与終了時における Ca×P 積の要約 29名

評価可能な 終Ca×P積((mg/dL)2) 平均値 48.42

標準偏差 12.05

中央値 46.80

小値 29.5

大値 78.1

95%CI下限 43.84

95%CI上限 53.01

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

0

10

20

30

40

50

60

70

-4 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16

投与後経過時間(週)

Ca×

P積(m

g/dL

)2

投与開始後経過週 -2 0 2 4 6 8 10 12 14 16

被験者数 29 29 29 28 27 25 24 24 24 23

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

図 2.7.6.2.13-6 投与期間中の Ca×P 積の推移(平均値±標準偏差)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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(7)投与終了時における骨代謝パラメータ

①骨型 ALP 濃度

投与終了時における骨型 ALP 濃度の要約を表 2.7.6.2.13-11 に、投与期間中の骨型 ALP 濃度

の要約を表 2.7.6.2.13-12 に示した。

骨型ALP濃度の平均値は、治験薬投与開始日及び投与終了時でそれぞれ 39.50 U/L及び 42.06

U/L であり、変動は認められなかった。

骨型ALP濃度の平均値は、投与開始 8週後及び 16週後ではそれぞれ 42.44 U/L及び 42.53 U/L

であった。

骨型 ALP 濃度の投与前からの変化率の平均値は、投与開始 8 週後及び 16 週後ではそれぞれ

5.55%及び 1.92%であった。

表 2.7.6.2.13-11 投与終了時における骨型 ALP 濃度の要約

29名

評価可能な 終骨型ALP濃度(U/L) 平均値 42.06

標準偏差 25.10

中央値 34.60

小値 13.7

大値 120.0

95%CI下限 32.51

95%CI上限 51.61

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

表 2.7.6.2.13-12 投与期間中の骨型 ALP 濃度の推移の要約

平均値 標準偏差 中央値 小値 大値 95%CI下限 95%CI上限

投与開始日 29名 39.50 14.14 38.90 15.7 66.2 34.12 44.88

投与開始8週後 25名 42.44 20.16 40.00 13.9 92.6 34.12 50.76

投与開始16週後 23名 42.53 27.43 32.00 13.7 120.0 30.67 54.40

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数骨型ALP濃度 (U/L)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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②TRACP 濃度

投与終了時における TRACP 濃度の要約を表 2.7.6.2.13-13 に、投与期間中の TRACP 濃度の

要約を表 2.7.6.2.13-14 に示した。

TRACP 濃度の平均値は、治験薬投与開始日の 8.89 IU/L から、投与終了時には 7.96 IU/L に

低下した。

TRACP 濃度の平均値は、投与開始 8 週後及び 16 週後ではそれぞれ 8.02 IU/L 及び 7.80 IU/L

と、経時的に低下した。

TRACP 濃度の投与前からの変化率の平均値も経時的に低下し、投与開始 8 週後及び 16 週後

ではそれぞれ-8.19%及び-10.51%であった。

表 2.7.6.2.13-13 投与終了時における TRACP 濃度の要約

29名

評価可能な 終TRACP濃度(IU/L) 平均値 7.96

標準偏差 2.11

中央値 7.70

小値 4.9

大値 12.9

95%CI下限 7.15

95%CI上限 8.76

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

表 2.7.6.2.13-14 投与期間中の TRACP 濃度の推移の要約

平均値 標準偏差 中央値 小値 大値 95%CI下限 95%CI上限

投与開始日 29名 8.89 2.46 8.80 5.8 14.0 7.95 9.82

投与開始8週後 25名 8.02 1.97 7.80 5.0 11.8 7.21 8.83

投与開始16週後 23名 7.80 2.04 7.50 4.9 12.9 6.91 8.68

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数TRACP濃度 (IU/L)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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③オステオカルシン濃度

投与終了時におけるオステオカルシン濃度の要約を表 2.7.6.2.13-15 に、投与期間中のオステ

オカルシン濃度の要約を表 2.7.6.2.13-16 に示した。

オステオカルシン濃度の平均値は、治験薬投与開始日の 107.33 ng/mL から、投与終了時に

は 80.92 ng/mL に低下した。

オステオカルシン濃度の平均値は、投与開始 8 週後及び 16 週後ではそれぞれ 87.72 ng/mL

及び 81.50 ng/mL と、経時的に低下した。

オステオカルシン濃度の投与前からの変化率の平均値は、投与開始 8 週後及び 16 週後では

それぞれ-17.77%及び-24.66%であった。

表 2.7.6.2.13-15 投与終了時におけるオステオカルシン濃度の要約

29名

評価可能な 終オステオカルシン濃度(ng/mL) 平均値 80.92

標準偏差 49.65

中央値 68.60

小値 23.5

大値 249.0

95%CI下限 62.03

95%CI上限 99.80

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

表 2.7.6.2.13-16 投与期間中のオステオカルシン濃度の推移の要約

平均値 標準偏差 中央値 小値 大値 95%CI下限 95%CI上限

投与開始日 29名 107.33 53.03 93.30 25.6 250.0 87.16 127.50

投与開始8週後 25名 87.72 51.85 69.80 32.9 265.0 66.32 109.12

投与開始16週後 23名 81.50 50.17 68.60 32.9 249.0 59.80 103.19

解析対象:FASOutput Date:Output Filename:PGM File:

被験者数オステオカルシン濃度 (ng/mL)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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Page 24: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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5)薬物動態

血漿中シナカルセトトラフ濃度集計対象集団のうち投与完了被験者 21 名を対象とした血漿

中シナカルセトトラフ濃度の推移を図 2.7.6.2.13-7 に示した。

血漿中シナカルセトトラフ濃度の平均値は、投与量の増加に伴って上昇し、投与開始 4 週後

では 3.015 ng/mL であり、投与開始 16 週後では 8.926 ng/mL であった。なお、投与量の平均値

は投与開始 4 週後では 25.0 mg であり、投与開始 16 週後では 48.2 mg であった。

(linear plot)●: 血漿中シナカルセト濃度、○: 投与量、n=14-21

解析対象:血漿中未変化体トラフ濃度集計対象集団のうち投与完了被験者

Output Date:Output File:

0

5

10

15

20

2 4 6 8 10 12 14 16 18

投与後経過時間 (週)

血漿

中シ

ナカ

ルセ

ト濃

度 (n

g/m

L)

0

20

40

60

80

100

投与

量 (m

g)

図 2.7.6.2.13-7 投与期間中の血漿中シナカルセトトラフ濃度の推移(平均値±標準偏差)

2.7.6 個々の試験のまとめ

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Page 25: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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6)安全性

有害事象の集計にあたり、治験責任医師等が症例報告書に記載した有害事象名は、

MedDRA/J version 7.0 を基に LLT で読み替え、SOC で分類した。なお有害事象名は PT で記載

した。

(1)有害事象及び因果関係が否定できない有害事象

有害事象発現状況一覧を表 2.7.6.2.13-17 に、因果関係が否定できない有害事象発現状況一覧

を表 2.7.6.2.13-18 に示した。

安全性解析対象集団 29 名中 28 名(96.6%)に 117 件の有害事象が発現した。事象別には、

「悪心」が も多く 13 名(44.8%)に 14 件発現した。その他、主な有害事象として、「鼻咽

頭炎」が 7 名(24.1%)に 7 件、「嘔吐」、「胃不快感」及び「食欲不振」が各 6 名(20.7%)に

それぞれ 7 件、6 件及び 6 件発現した。SOC 別に も多く発現した事象は「胃腸障害」に分類

されるもので、29 名中 22 名(75.9%)に 39 件であった。なお、本 SOC には「悪心」、「胃不

快感」及び「嘔吐」などが含まれている。その他、主なものとして、「感染症および寄生虫症」、

「臨床検査」及び「代謝および栄養障害」に分類される事象が各 10 名(34.5%)にそれぞれ

11 件、10 件及び 13 件、「筋骨格系および結合組織障害」に分類される事象が 9 名(31.0%)に

11 件発現した。重症度別には、高度と判定された事象が 3 名(10.3%)に 3 件発現した。その

内訳は、「腹膜炎」、「嘔吐」及び「胆石症」が各 1 名(3.4%)に 1 件であった。また、中等度

と判定された事象が 40 件、軽度と判定された事象が 74 件発現した。

因果関係が否定できない有害事象は、22 名(75.9%)に 55 件発現した。事象別には、「悪心」

が も多く 12 名(41.4%)に 13 件発現した。その他、主な有害事象として、「嘔吐」及び「胃

不快感」が各 6 名(20.7%)にそれぞれ 7 件及び 6 件、「食欲不振」が 5 名(17.2%)に 5 件発

現した。SOC 別に も多く発現した事象は「胃腸障害」に分類されるもので、29 名中 18 名

(62.1%)に 31 件であった。その他主なものとして、「臨床検査」及び「代謝および栄養障害」

に分類される事象が各 8 名(27.6%)にそれぞれ 8 件及び 9 件発現した。重症度別には、高度

と判定された事象は 1 名(3.4%)に「嘔吐」が 1 件発現した。また、中等度と判定された事

象が 19 件、軽度と判定された事象が 35 件発現した。

2.7.6 個々の試験のまとめ

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Page 26: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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表 2.7.6.2.13-17 有害事象発現状況一覧(1/2)

器官別大分類(MedDRA/SOC)事象名(MedDRA/PT)

28( 96.6) 117血液およびリンパ系障害 3( 10.3) 3

貧血 1( 3.4) 1鉄欠乏性貧血 1( 3.4) 1血小板減少症 1( 3.4) 1

心臓障害 1( 3.4) 1心筋虚血 1( 3.4) 1

耳および迷路障害 1( 3.4) 2耳介腫脹 1( 3.4) 2

眼障害 1( 3.4) 1眼痛 1( 3.4) 1

胃腸障害 22( 75.9) 39腹部不快感 1( 3.4) 1腹部膨満 2( 6.9) 2上腹部痛 1( 3.4) 1便秘 1( 3.4) 1下痢 1( 3.4) 1消化不良 1( 3.4) 1悪心 13( 44.8) 14腹膜炎 3( 10.3) 3逆流性食道炎 1( 3.4) 1胃不快感 6( 20.7) 6歯痛 1( 3.4) 1嘔吐 6( 20.7) 7

全身障害および投与局所様態 4( 13.8) 6胸痛 1( 3.4) 1倦怠感 1( 3.4) 1浮腫 2( 6.9) 2発熱 1( 3.4) 1腋窩痛 1( 3.4) 1

肝胆道系障害 1( 3.4) 1胆石症 1( 3.4) 1

感染症および寄生虫症 10( 34.5) 11毛包炎 1( 3.4) 1鼻咽頭炎 7( 24.1) 7咽頭炎 1( 3.4) 1副鼻腔炎 1( 3.4) 1カテーテル留置部位感染 1( 3.4) 1

傷害、中毒および処置合併症 3( 10.3) 3手骨折 2( 6.9) 2挫傷 1( 3.4) 1

臨床検査 10( 34.5) 10血中カルシウム減少 2( 6.9) 2血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1( 3.4) 1血中上皮小体ホルモン増加 1( 3.4) 1血圧低下 2( 6.9) 2血圧上昇 1( 3.4) 1心電図QT延長 1( 3.4) 1心電図T波振幅減少 1( 3.4) 1眼圧上昇 1( 3.4) 1

有害事象発現被験者数(%)/件数

安全性解析対象被験者数 29名

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 342 -

Page 27: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

-343-

表 2.7.6.2.13-17 有害事象発現状況一覧(2/2) 器官別大分類(MedDRA/SOC)

事象名(MedDRA/PT)

28( 96.6) 117代謝および栄養障害 10( 34.5) 13

食欲不振 6( 20.7) 6高カルシウム血症 1( 3.4) 1高カリウム血症 1( 3.4) 1低アルブミン血症 1( 3.4) 1低カルシウム血症 2( 6.9) 2低カリウム血症 1( 3.4) 1食欲減退 1( 3.4) 1

筋骨格系および結合組織障害 9( 31.0) 11関節痛 3( 10.3) 3関節炎 1( 3.4) 1筋痙攣 1( 3.4) 1筋痛 1( 3.4) 1脊椎症 1( 3.4) 1弾発指 1( 3.4) 1筋骨格硬直 2( 6.9) 3

神経系障害 3( 10.3) 3手根管症候群 1( 3.4) 1頭痛 1( 3.4) 1感覚減退 1( 3.4) 1

腎および尿路障害 2( 6.9) 2尿路結石 1( 3.4) 1腎腫大 1( 3.4) 1

生殖系および乳房障害 2( 6.9) 2前立腺炎 1( 3.4) 1乳房障害 1( 3.4) 1

呼吸器、胸郭および縦隔障害 3( 10.3) 3咽喉頭疼痛 1( 3.4) 1上気道の炎症 2( 6.9) 2

皮膚および皮下組織障害 4( 13.8) 5皮膚嚢腫 1( 3.4) 1接触性皮膚炎 2( 6.9) 2そう痒症 1( 3.4) 1発疹 1( 3.4) 1

血管障害 1( 3.4) 1高血圧 1( 3.4) 1

解析対象:安全性解析対象集団

Output Date:Output Filename:PGM File:

有害事象発現被験者数(%)/件数

安全性解析対象被験者数 29名

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 343 -

Page 28: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

-344-

表 2.7.6.2.13-18 因果関係が否定できない有害事象発現状況一覧

器官別大分類(MedDRA/SOC)事象名(MedDRA/PT)

22( 75.9) 55血液およびリンパ系障害 1( 3.4) 1

血小板減少症 1( 3.4) 1胃腸障害 18( 62.1) 31

腹部不快感 1( 3.4) 1腹部膨満 2( 6.9) 2上腹部痛 1( 3.4) 1便秘 1( 3.4) 1悪心 12( 41.4) 13胃不快感 6( 20.7) 6嘔吐 6( 20.7) 7

全身障害および投与局所様態 2( 6.9) 2倦怠感 1( 3.4) 1浮腫 1( 3.4) 1

臨床検査 8( 27.6) 8血中カルシウム減少 2( 6.9) 2血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1( 3.4) 1血中上皮小体ホルモン増加 1( 3.4) 1血圧低下 2( 6.9) 2心電図QT延長 1( 3.4) 1心電図T波振幅減少 1( 3.4) 1

代謝および栄養障害 8( 27.6) 9食欲不振 5( 17.2) 5高カルシウム血症 1( 3.4) 1低カルシウム血症 2( 6.9) 2食欲減退 1( 3.4) 1

筋骨格系および結合組織障害 2( 6.9) 2筋痙攣 1( 3.4) 1筋痛 1( 3.4) 1

神経系障害 1( 3.4) 1感覚減退 1( 3.4) 1

皮膚および皮下組織障害 1( 3.4) 1発疹 1( 3.4) 1

解析対象:安全性解析対象集団

Output Date:Output Filename:PGM File:

有害事象発現被験者数(%)/件数

安全性解析対象被験者数 29名

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 344 -

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-345-

(2)死亡、その他の重篤な有害事象及び他の重要な有害事象

本治験において死亡に至った有害事象は発現しなかった。

死亡以外のその他の重篤な有害事象の発現状況一覧を表 2.7.6.2.13-19 に示した。

死亡以外のその他の重篤な有害事象は、29 名中 8 名(27.6%)に 9 件発現した。事象別には、

「腹膜炎」が も多く 3 名(10.3%)に 3 件発現した。その他、「血小板減少症」、「浮腫」、「胆

石症」、「高カリウム血症」、「低アルブミン血症」及び「皮膚嚢腫」が各 1 名(3.4%)にそれ

ぞれ 1 件発現した。このうち「血小板減少症」については因果関係が否定されなかったが、他

の事象については因果関係が否定された。

重篤な有害事象以外で、治験薬の投与中止及び休薬に至った有害事象を、他の重要な有害事

象と定義し、その発現状況一覧を表 2.7.6.2.13-20 に示した。

治験薬の投与中止に至った有害事象は 29 名中 4 名(13.8%)に 5 件発現し、そのいずれに

ついても因果関係は否定されなかった。事象の内訳は「嘔吐」が 2 名(6.9%)、「悪心」、「食

欲不振」及び「発疹」が各 1 名(3.4%)であった。休薬に至った有害事象は 5 名(17.2%)に

5 件発現し、そのいずれについても因果関係は否定されなかった。事象の内訳は「胃不快感」

が 3 名(10.3%)、「悪心」及び「食欲不振」が各 1 名(3.4%)であった。

表 2.7.6.2.13-19 他の重篤な有害事象発現状況一覧 器官別大分類(MedDRA/SOC)

事象名(MedDRA/PT)

8( 27.6) 9血液およびリンパ系障害 1( 3.4) 1

血小板減少症 1( 3.4) 1胃腸障害 3( 10.3) 3

腹膜炎 3( 10.3) 3全身障害および投与局所様態 1( 3.4) 1

浮腫 1( 3.4) 1肝胆道系障害 1( 3.4) 1

胆石症 1( 3.4) 1代謝および栄養障害 2( 6.9) 2

高カリウム血症 1( 3.4) 1低アルブミン血症 1( 3.4) 1

皮膚および皮下組織障害 1( 3.4) 1皮膚嚢腫 1( 3.4) 1

解析対象:安全性解析対象集団

Output Date:Output Filename:PGM File:

有害事象発現被験者数(%)/件数

安全性解析対象被験者数 29名

2.7.6 個々の試験のまとめ

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表 2.7.6.2.13-20 他の重要な有害事象発現状況一覧

器官別大分類(MedDRA/SOC)事象名(MedDRA/PT)

29名 29名

4( 13.8) 5( 17.2)

5 5胃腸障害 3( 10.3) 4( 13.8)

悪心 1( 3.4) 1( 3.4)胃不快感 3( 10.3)嘔吐 2( 6.9)

代謝および栄養障害 1( 3.4) 1( 3.4)食欲不振 1( 3.4) 1( 3.4)

皮膚および皮下組織障害 1( 3.4)発疹 1( 3.4)

解析対象:安全性解析対象集団

Output Date:Output Filename:PGM File:

有害事象発現件数

中止 休薬

有害事象発現被験者数(%)

安全性解析対象被験者数

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 346 -

Page 31: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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(3)臨床検査値、バイタルサイン及び安全性に関連する他の観察項目

①補正血清カルシウム濃度

治験薬の薬効の延長として骨吸収の抑制を介した低カルシウム血症を生じる可能性が考え

られることから、個々の臨床的に重要な異常として補正血清カルシウム濃度の低下について検

討した。

投与期間中における補正血清カルシウム濃度の 低値の要約を表 2.7.6.2.13-21 に、投与終了

時における補正血清カルシウム濃度の要約を表 2.7.6.2.13-22 に示した。

投与開始時における補正血清カルシウム濃度(平均値±標準偏差)は、10.18±0.67 mg/dL で

あり、投与期間中の 低値は 8.89±0.86 mg/dL、 低値の変化量は-1.30±0.78 mg/dL であった。

また、投与期間中の 小値は 7.8 mg/dL であった。

投与終了時における補正血清カルシウム濃度(平均値±標準偏差)は 9.33±0.94 mg/dL と、投

与開始時に比して低下しており、その変化量は-0.85±0.88 mg/dL であった。

有害事象として「血中カルシウム減少」及び「低カルシウム血症」がそれぞれ 2 名(6.9%)

に発現し、いずれも因果関係が否定されなかった。「血中カルシウム減少」が発現した 2 名で

はいずれも治験薬の投与量が減量され、「低カルシウム血症」が発現した 2 名では治験薬は継

続されたものの沈降炭酸カルシウムが増量された。いずれの事象とも転帰は「消失・回復」で

あった。

表 2.7.6.2.13-21 投与期間中における補正血清カルシウム濃度の最低値(mg/dL)の要約

投与開始時 期間中の 低値 期間中の 低値変化量

被験者数 29名 29名 ー

平均値 10.18 8.89 -1.30

標準偏差 0.67 0.86 0.78

中央値 10.30 8.60 -1.40

小値 8.7 7.8 -2.8

大値 11.4 11.7 0.3

95%CI下限 9.93 8.56 -1.59

95%CI上限 10.44 9.21 -1.00

解析対象:安全性解析対象集団

Output Date:Output Filename:PGM File:

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 347 -

Page 32: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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表 2.7.6.2.13-22 投与終了時における補正血清カルシウム濃度の要約

29名

評価可能な 終補正血清カルシウム濃度(mg/dL) 平均値 9.33

標準偏差 0.94

中央値 9.20

小値 8.0

大値 11.7

95%CI下限 8.98

95%CI上限 9.69

解析対象:安全性解析対象集団

Output Date:Output Filename:PGM File:

被験者数

②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査

その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

った。

心電図検査において、投与開始日の QTc 間隔(平均値±標準偏差)は 428.6±29.8 msec であ

ったが、投与期間中はいずれもそれより大きく、 大値は投与開始 4 週後の 440.4±43.3 msec

であった。また、投与開始日からの変化量(平均値±標準偏差)は、投与開始 4 週後で 13.3±25.7

msec と 大で、有意な延長が認められた。QTc 間隔の変化量にはばらつきが大きく、 小値

はいずれの検査日においても-50 msec 未満であり、投与開始 12 週後及び 16 週後では-74 msec

及び-86 msec の被験者が認められた。また、 大値はいずれの検査日においても 40 msec 以上

であり、投与開始 4 週後及び 16 週後ではそれぞれ 71 msec 及び 75 msec 延長した被験者が認

められた。安静時 12誘導心電図検査に関して有害事象とされたものとして、「心電図 QT延長」

及び「心電図 T 波振幅減少」が各 1 名(3.4%)にそれぞれ 1 件発現し、いずれも因果関係が

否定されなかったが、治験薬の投与が継続され、投与完了後に未治療で消失・回復となった。

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 348 -

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7)結論

PD 施行中の 2°HPT に対して血清 intact PTH 濃度 250 pg/mL 以下を目標に本剤を 25~100 mg

の範囲で用量を調整しながら、1 日 1 回 16 週間連日経口投与した結果、経時的に血清 intact PTH

が低下し、24.1%(29 名中 7 名)の被験者で投与終了時に血清 intact PTH 濃度が 250 pg/mL 以

下に低下した。

安全性に関しては、29名中28名(96.6%)に117件の有害事象が発現し、そのうち22名(75.9%)

55 件の因果関係が否定されなかった。また、死亡は認められず、その他の重篤な有害事象、

治験薬の中止又は休薬に至った有害事象が発現したものの、いずれの事象とも治験薬の調整を

含めた適切な処置によって消失・回復した。

以上、本剤の PD 施行中の 2°HPT への有効性及び安全性が確認された。

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 349 -

Page 34: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

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2.7.6.2.14 KRN1493/04-A11・・・・・・・・・・・・・・・・・資料 5.3.5.2-5

試験方法を表 2.7.6.2.14-1 に示した。

表 2.7.6.2.14-1 試験方法

項目 内容

治験の標題 血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者を対象とした KRN1493

長期投与試験Ⅲ(第Ⅲ相)

治験実施

医療機関

他 38 施設

治験期間 20 年 月 日~20 年 月 日

治験の目的 HD 施行中の 2°HPT 患者を対象に、本剤を 1 日 1 回、25 mg より投与開

始し、用量調整を行い 52 週間投与することで、長期投与時の安全性及び

有効性を検討した。

治験方法 本治験は、治験への参加に関して文書による同意が得られ、前観察期間

中に測定した 2 回の血清 intact PTH 濃度が共に 300 pg/mL 以上の HD 施行

中の 2°HPT 患者を対象とした。これらの被験者について 52 週間のオープ

ン個体内用量調整デザインによる試験を実施した。本治験の開始用量は 25

mg とした。治験薬投与開始後、治験責任医師等は血清 intact PTH 濃度、

補正血清カルシウム濃度及び血清リン濃度の推移と安全性を勘案し、血清

intact PTH 濃度 250 pg/mL 以下の維持を目標に被験者ごとに用量(25、50、

75 又は 100 mg)を調整し、1 日 1 回、52 週間経口投与した。

試験の種類 オープン個体内用量調整試験

被験者数 計画時:200 名

設定根拠:本剤については慢性疾患に対し、長期間の投与が想定される新

医薬品であり、「平成 7 年 5 月 24 日付薬審第 592 号:致命的で

ない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段

階において安全性を評価するために必要な症例数と投与期間

について」によると、安全性を評価する為に必要と考えられる

被験者数は、1 年間の投与被験者で 100 名以上、6 ヶ月間の投

与被験者で 300~600 名とされている。本ガイドラインで必要

と考えられる被験者数を確保するため、中止・脱落などを考慮

し設定した。

投 与:200 名

解析時:有効性解析対象集団;199 名(FAS:199 名、PPS:180 名)

安全性解析対象集団;200 名

診断及び主要な

組み入れ基準

対象は、本治験の内容について十分な説明を受け、同意文書にて本治験

参加に対して自由意思による同意が得られ、以下の選択基準を満たし、除

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 350 -

Page 35: ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図 …...-317- ②その他の臨床検査値、バイタルサイン及び心電図検査 その他の臨床検査値及びバイタルサインにおいて臨床的に問題となるものは認められなか

-351-

外基準に抵触せず、本治験への参加が適格と判断された HD 施行中の

2°HPT 患者とした。

選択基準:

1)同意取得時に年齢が満 20 歳以上の患者

2)週 3 回の HD を受け、登録時までに 16 週間以上の HD 歴を有する安定

期の慢性腎不全患者

3)前観察開始 2 週後及び 3 週後の 大透析間隔後の透析前に測定した血

清 intact PTH 濃度(中央測定値)が共に 300 pg/mL 以上の患者

4)前観察開始 3 週後の 大透析間隔後の透析前に測定した補正血清カル

シウム濃度(中央測定値)が 9.0 mg/dL 以上の患者

5)前観察開始後にビタミン D 製剤(静注剤及び誘導体を含む)の用法及

び用量の変更(新規投与も含む)を行っていない患者

6)前観察開始後にリン吸着薬(沈降炭酸カルシウムなどのカルシウム製

剤、塩酸セベラマー、アルミニウム製剤、ニセリトロール、及びコレ

スチミド)及びリン吸着作用を有する食品(酢酸カルシウム、卵殻カ

ルシウム及び通電処理蠣殻粉末)の用法及び用量の変更(新規投与も

含む)を行っていない患者

7)前観察開始 2 週後以降に透析液カルシウム濃度及びダイアライザーの

変更を行っていない患者

除外基準:

1)妊婦、授乳婦又は妊娠の疑いのある女性

2)過去に本剤の臨床試験に参加し治験薬の投与を受けた患者

3)登録前 24 週間以内に PTx を施行された患者

4)前観察開始後に副甲状腺インターベンション療法(エタノール、酢酸、

又はビタミン D 及びその誘導体の副甲状腺内への注入療法)を受けた

患者

5)登録前 24 週間以内にビスフォスフォネート製剤の投与を受けた患者

6)高度な肝機能障害(前観察開始 3 週後の検査において AST(GOT)、

ALT(GPT)のいずれかが 100 IU/L 以上である患者)又は肝硬変を合

併している患者

7)高度な心疾患(New York Heart Association 機能分類 ClassⅢ以上)を合

併している患者

8)コントロール困難な高血圧を有する患者(前観察開始日以降から登録

前までの HD 前の血圧検査において、収縮期血圧 180 mmHg 以上かつ

拡張期血圧 120 mmHg 以上が 1 回でもある患者)

9)コントロール困難な糖尿病を有する患者

10)アナフィラキシーショックなど重篤な薬物アレルギーが予測される

患者、また薬物中毒・アルコール中毒の既往歴・現病歴がある患者

2.7.6 個々の試験のまとめ

- 351 -