①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対...

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文部科学省における 児童虐待防止に関わる施策について 令和2年9月 令和2年度 全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議 - 1094-

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Page 1: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

文部科学省における

児童虐待防止に関わる施策について

令和2年9月

令和2年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議

- 1094-

Page 2: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

文部科学省における児童虐待防止への対応

児童虐待防止に向けては、未然防止、早期発見・早期対応や虐待を受けた児童生徒の

支援が重要であり、学校・家庭・地域社会・関係機関が密接に連携することが必要。

1※下線部分は、令和2年度予算等関係

1.学校等における児童虐待防止への対応

①学校、教育委員会における児童虐待防止に向けた取組の周知

○児童虐待を受けたと思われる幼児児童生徒を発見した場合は、速やかに、これを市町村、児童相談所等に通告しなければ

ならないことなどを周知。

②児童虐待対応の手引き等の作成・配布、教職員研修の実施

○「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」を作成し、周知

○「学校現場における虐待防止に関する研修教材」を作成し、周知

○養護教諭のための児童虐待対応の手引きを作成し、配布

○教職員用研修教材「児童虐待防止と学校」(CD-ROM)を作成し、周知

○独立行政法人教職員支援機構における研修において、「児童虐待への対応」を取り上げ

③生徒指導等の観点から、児童虐待への対応・解決に貢献する取組を推進・周知

○要保護児童対策地域協議会(要対協)へ学校や教育委員会が参画するよう、生徒指導担当者連絡会議等において周知・促進

○スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等の専門家を活用した学校の教育相談体制の充実

○SN

S等を活用した相談体制の整備

○法務の専門家(スクールロイヤー)を活用した教育委員会における法務相談体制の整備等

2.未然防止・早期発見に資する家庭教育支援の推進

○地域における家庭教育支援の取組において、支援が届きにくい家庭への対応等の充実

○家庭教育支援や地域学校協働活動等の関係者向けに「児童虐待への対応のポイント」を作成し、周知等

- 1095-

Page 3: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

児童虐待の迅速・的確な対応(平時)

○学校、教育委員会は、要保護児童対策地域協議会(児童福祉法第25条の2)へ参画するなどして、関係機

関との一層の連携・協力を図る。

○児童相談所長会議等へ教育委員会担当者等が出席したり、教育委員会等が主催する各種会議への児童

相談所等関係機関からの参加、協力を求めたりするなどして、児童虐待の防止等のために関係機関との連

携の強化に努めること。

○幼児児童生徒の進学・転学に当たっては、法令にのっとり行うこととされている進学・転学先への文書の送

付はもとより、対面、電話連絡、文書等による学校間での引継ぎの実施、学校の担当者やスクールソーシャ

ルワーカー等によるケース会議の開催等により、支援が必要な幼児児童生徒に係る学校等の間の適切な連

携を進めること。

○個人情報保護の観点からどこまで情報を引き継げるかについては、適用される関係法令に基づき各学校

等が判断する。

○「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」(令和2年6月改訂)や教職員用研修教材「学校現場におけ

る虐待防止に関する研修教材」(令和2年1月)の適切な活用などによって教職員研修の充実を図る。

○学校その他児童の教育に関係する機関及び学校の教職員その他児童の教育に関連する職務に従事する

者は、児童相談所長等から児童虐待の防止等に関する資料等の提供を求められたときは、当該資料等を提

供することができる(国立・公立・私立の学校等)。

関係機関との連携の強化(虐待防止法第4条第1項、第5条第2項)

学校等から児童相談所への情報提供(虐待防止法第13条の4関係)

学校等の間の情報共有

児童虐待等に係る研修の実施

2

1.学校等における児童虐待防止への対応

- 1096-

Page 4: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

児童虐待の迅速・的確な対応(発見時)

児童虐待への早期対応(虐待防止法第6条第1項関係)

児童虐待の早期発見(虐待防止法第5条第1項関係)

○学校及び学校の教職員は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努

める必要がある。

①幼児児童生徒の心身の状況の把握について(学校保健安全法第9条関係)

児童虐待の早期発見の観点から、幼児児童生徒の心身の健康に関し健康相談を行うとともに、幼児児

童生徒の健康状態の日常的な観察により、その心身の状況を適切に把握。

②健康診断について(学校保健安全法第13条関係)

健康診断においては、身体測定、内科検診や歯科検診を始めとする各種の検診や検査が行われること

から、それらを通して身体的虐待及びネグレクトを早期に発見しやすい機会であることに留意。

○児童虐待を受けたと思われる幼児児童生徒を発見した場合は、速やかに、これを市町村、児童相談所等

に通告しなければならない。

○虐待の事実が必ずしも明らかでなくとも一般の人の目から見れば主観的に児童虐待が疑われる場合は通

告義務が生じる。

○法の趣旨に基づくものであれば、その通告が結果として誤りであったとしても、そのことによって刑事上、民

事上の責任を問われることは基本的には想定されない。

虐待を発見した場合

3

- 1097-

Page 5: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

○児童虐待の対応については、法令に基づき、早期発見・通告・情報提供が重要。

○一方、関係機関が協力・連携して対応することが必要であり、更なる体制整備が必要。

○学校へのスクールソーシャルワーカー(SSW)及びスクールカウンセラー(SC)の配置を充実。

令和2年度予算額

スクールソーシャルワーカー活用事業

1,806百万円、10,000中学校区【1,722百万円】

スクールカウンセラー等活用事業

4,866百万円、27,500校【4,738百万円】

※【

】は、昨年度予算額

○加えて、虐待対策のための重点加配。

SSW:1,000校

SC:1,000校

○SSW及びSCの活用促進に向けた職務内容の明確化や、資質向上のための研修の推進。

対応

<イメージ>

学校

関係機関

市町村、児童相談所、福祉

事務所、保健・医療機関、

警察、弁護士、家庭裁判所

・校内チーム体制の構築

・教職員のサポート

・教職員等への研修など

スクールソーシャルワーカー

スクールカウンセラー

連携・調整

連携・調整

家族

友人

地域

【児童虐待対策等】

・児童虐待

・生活困窮者対策

・就学援助

・生活保護

【問題行動等】

・いじめ

・暴力行為

・不登校等

児童生徒

※児童生徒が置かれた様々な環境への働きかけ

現状

学校での早期発見と適切な初期対応の推進

・ネットワークの構築

・関係機関との調整

・情報・行動連携など

4

- 1098-

Page 6: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

○野田市で起きた事案を踏まえて対策の強化を図るべき事項

(1

)市

町村

・児童

相談

所が

保護

者に

虐待

を告知

する

際に

は子

どもの

安全

を第一

とする

ととも

に、通

告者

保護

の観

点か

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告元

(児

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係る

通告

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者)

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(2

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校等

及び

その設

置者

にお

いて

は、保

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(虐

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、児童

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と連携

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町村

・児童

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おい

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保護

者との

関係

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ことで

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大な

事態

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ってしま

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ること

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分留

意す

ること

。(

※)

学校

等:

幼稚

園、小

学校

、中学

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務教

育学

校、高

等学

校、中

等教

育学

校、特

別支

援学

校、高

等専

門学

校、高

等課

程を置

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学校

、保育

所、地

域型

保育

事業

所、

認定

こども

園、認

可外

保育

施設

及び

障害

児通

所支

援事

業所

(3

)保

護者

から、

学校

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対して

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行使

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場合

には

、複数

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職員

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即座

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に連

絡した

上で

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。設置

者は

速や

かに

児童

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所・警

察等

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係機

関や

弁護

士等

の専

門家

と情報

共有

する

こととし

、関係

機関

が連

携して

対応

(4

)学

校等

は保

護者

等か

ら要保

護児

童等

が学

校等

を欠席

する

旨の

連絡

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るな

ど、欠

席の

理由

の説

明を受

けて

いる

場合

であ

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、そ

の理

由の

如何

にか

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らず、休

業日

を除き引

き続き7

日以

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場合

には

、定期

的な

情報

提供

の期

日を待

つこと

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速や

かに

市町

村又

は児

童相

談所

に情

報提

供す

る。

※不

登校

等に

よる

欠席

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って学

校等

が定

期的

な家

庭訪

問等

によ

り本人

に面

会で

き、状

況の

把握

を行

ってい

る場

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、入院

によ

る欠

席で

あって

学校

等が

医療

機関

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らの情

報等

によ

り状況

の把

握を

行って

いる

場合

を除

く。

(5

)研

修の

充実

に努

める

ほか

、学校

長等

の管

理職

に対

しても

、児童

虐待

に関

する

具体

的な

事例

を想定

する

ことな

どによる

実践

的な

研修

に取

り組む

こと。

児童虐待防止対策に係る学校等及びその設置者と市町村・児童相談所との連携の強化について

「児童

虐待

防止

対策

に係

る学

校等

及び

その設

置者

と市町

村・児

童相

談所

との連

携の

強化

につ

いて

(通

知)

」(

平成

31年

2月)

5

- 1099-

Page 7: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

○「学校、保育所、認定こども園及び認可外保育施設から市町村又は児童相談所への定期的な情

報提供に関する指針」(平成31年2月)

「「児

童虐

待防

止対

策の

強化

に向

けた

緊急

総合

対策

」の更

なる

徹底

・強化

につ

いて

」を踏

まえ、学

校と市

町村

、児童

相談

所等

の関

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連携

が十

分に

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する

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校等

から市

町村

又は

児童

相談

所へ

の児

童虐

待防

止に

係る

資料

、情報

の定

期的

な提

供に

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る手

続等

につ

いて

、文部

科学

省と内

閣府

、厚生

労働

省とで

協議

の上

、平成

30年

7月

に作

成した

指針

を更新

し、教

育委

員会

や学

校等

に通

知。

※「学校、保育所、認定こども園及び認可外保育施設から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供について(通知)」(平成31年2月)

学校等と市区町村又は児童相談所との連携が十分機能するよう努めるとともに、必要に応じて指針に基づく対応を図るよう、内閣府・厚生労働省と連名

で教育委員会、学校等に通知。

学校

・保育

所等

は保

護者

等か

ら要保

護の

幼児

児童

生徒

等が

学校

・保育

所等

を欠

席す

る旨

の連

絡が

ある

など、欠席の理由について説明を受

けている場合であっても、その理由の如何にかかわらず、休業日を除き引き続き7日以上欠席した場合には、定期的な情報提供の期日を待つ

ことなく、速やかに市町村又は児童相談所に情報提供する。

※不

登校

等に

よる

欠席

であ

って学

校・保

育所

等が

定期

的な

家庭

訪問

等に

より本

人に

面会

でき

、状況

の把

握を

行って

いる

場合

や、入

院に

よる

欠席

であ

って学

校・保

育所

等が

医療

機関

等か

らの情

報等

によ

り状況

の把

握を

行って

いる

場合

を除

く。

○「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」(令和2年6月改訂)

千葉県野田市で起きた事案も踏まえ、学校や教育委員会等の関係者が虐待と疑われる事案について、迷いなく

対応に臨めるよう、具体的な対応方法や留意事項についてまとめた手引き作成し、文部科学省のホームページに

おいて公表。

(URL)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1416474.htm

○「学校現場における虐待防止に関する研修教材」(令和2年1月)

学校等における虐待対応の実践的な研修に資するよう、具体的なケースを取り上げ、必要な対応のポイント等を

解説したほか、ロールプレイング例を掲載した教材を作成し、文部科学省のホームページにおいて公表。

学校、教育委員会における児童虐待防止に向けた取組の充実のための情報提供

平成31年2月の改訂により、以下の事項を追記

6

- 1100-

Page 8: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」の概要①

○「「

児童

虐待

防止

対策

の強

化に

向け

た緊

急総

合対

策」の

更な

る徹

底・強

化に

つい

て」(

平成

31年

2月8日

児童

虐待

防止

対策

に関

する

関係

閣僚

会議

)、「

児童

虐待

防止

対策

の抜

本的

強化

につ

いて

」(平

成31

年3月

19日

児童

虐待

防止

対策

に関

する

関係

閣僚

会議

)を

踏ま

え、学

校・教

育委

員会

等が

児童

虐待

の対

応に

留意

すべ

き事

項を

まとめ

たマ

ニュア

ルを

作成

1.

虐待

とは2

.虐

待が

及ぼ

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供へ

の影

響3

.学

校、教

職員

等の

役割

、責務

・虐待

の早

期発

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期対

応や

、関係

機関

(児

童相

談所

、市町

村(

虐待

対応

担当

窓口

)、警

察)

との速

やか

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携、

通告

元の

情報

不開

示な

ど、学

校や

教職

員が

求め

られる

具体

的な

役割

を解説

・関係

機関

であ

る児

童相

談所

、市町

村、警

察の

役割

を解説

4.

教育

委員

会等

設置

者の

役割

・教育

委員

会等

設置

者が

行うべ

き体

制強

化や

研修

等の

充実

【基

礎編

1.

通告

までの

流れ

・発生

予防

として

の幼

児児

童生

徒へ

の相

談窓

口周

知や

保護

者へ

の啓

発・教

職員

による

日頃

からの

観察

、DV問

題家

庭へ

の留

意、虐

待に

よる外

傷の

具体

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説、関

係機

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の報

告様

式等

を提示

・教員

個人

では

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校組

織とし

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早期

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との連

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ーム

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必要

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供や

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場合

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意事

項2

.通

告の

判断

に当

って・学

校は

守秘

義務

違反

や刑

事上

の責

任を気

にして

ため

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なく通

告す

ること

が重

要3

.通

告の

仕方

・市町

村、児

童相

談所

、警察

への

通告

等の

判断

、通告

等の

方法

と教育

委員

会等

への

連絡

※性

的虐

待に

つい

て、そ

の特

徴や

心身

の健

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の影

響、対

応方

法を解

【対

応編

1日

頃の

観察

から通

告ま

で】

7

- 1101-

Page 9: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」の概要②

1.

通告

後の

対応

・通告

後48

時間

以内

の児

童相

談所

の「安

全確

認」や

「情報

収集

」に対

する

協力

・一時

保護

所に

保護

された

子供

の通

学・通

園の

留意

点、一

時保

護解

除後

の留

意点

、長期

欠席

状況

の把

握、施

設入

所時

の連

携等

2.

要保

護児

童等

への

対応

・要保

護児

童対

策地

域協

議会

への

参画

や進

行管

理台

帳に

登録

された

子供

の出

欠状

況等

の情

報提

供7

日以

上欠

席した

場合

には

速や

かに

関係

機関

に情

報提

【対

応編

2通

告後

の対

応】

1.

虐待

を受

けた

子供

への

関わ

り・虐

待を

受け

た子

供へ

の心

のケ

アとし

て、学

校で

安心

して過

ごせ

るよう

な配

慮の

ポイン

ト2

.保

護者

への

対応

・保護

者の

要求

や相

談に

対し、

学校

はチ

ーム

で対

応す

る。「

親権

」を理

由に

した威

圧的

、拒絶

的な

態度

に対

しても

毅然

とした

対応

が重

要。学

校は

組織

的な

対応

や教

育委

員会

への

連絡

、関係

機関

との連

携に

よる対

応を行

う。・子

供を

就学

させな

いとい

った事

態に

も就

学義

務違

反対

応とし

て教

育委

員会

との連

携を行

う。・学

校、教

育委

員会

等は

、保護

者か

ら虐待

認知

の端

緒や

経緯

の開

示請

求が

あって

も漏

らして

はな

らない

。個

人情

報保

護条

例等

に基

づく請

求で

あって

も、子

供の

生命

を守る

上で

の支

障とな

らない

かな

ど慎重

に検

討す

る。

3.

転校

・進学

時の

学校

間の

情報

の引

継ぎ

・転居

の情

報は

関係

機関

と共有

し、学

校間

の確

実な

引継

ぎを行

う。

【対

応編

3子

供・保

護者

との関

わり方

、転校

・進学

時の

対応

8

- 1102-

Page 10: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

SNS等を活用した相談事業

令和

2年

度予

算額

21

0百

万円

(前年

度予

算額

:2

10

百万

円)

【イメージ】SNS等を活用した相談

SNS等

スクリーンショット

も送信可能で、SN

S上のトラブル等

を正確かつ容易に

伝えることができ

教育委員会、

総合教育センター

や民間団体等

で受信

(例)自殺をほのめかす等、命に関わる相談の場合の連絡の流れ

臨床心理士や

SNS等上の子供の

気持ちがわかる

若者等が対応

教育委員会等

(福祉部局と共同・連携)

安全を確認

学校

緊急の場合

警察、児童相談所等

と連携し対応

<背景>

○いじめを含め、様々な悩みを抱える児童生徒に対する相談体制の拡充は、相談に係る多様な

選択肢を用意し、問題の深刻化を未然に防止する観点から喫緊の課題。

○また、座間市におけるSNSを利用した高校生

3人を含む

9人の方が殺害された残忍な事件を

受け、ネットを通じて自殺願望を発信する若者が適切な相談相手にアクセスできるよう、これ

までの取組の見直しが求められている。

○スマートフォンの普及等に伴い、最近の若年層の用いるコミュニケーション手段においては、

SNSが圧倒的な割合を占めるようになっている。

(参考)

H30年[平日1日]コミュニケーション系メディアの平均利用時間(令和元年度版情報通信白書(総務省))

10代:携帯通話3.1分、固定通話0.0分、ネット通話5.1分、ソーシャルメディア利用71.6分、メール利用13.5分

<事業概要>①SNS等を活用した相談体制の構築に対する支援

②SNS等を活用した相談体制の在り方に関する調査研究

○事業形態:①補助事業(補助率:定額)

②委託事業

○実施主体:①原則、都道府県・指定都市

※但し、指定都市を除く市区町村は、将来的な都道府県等による広域的な

相談体制の構築に資すると認められる場合に限る。

②民間団体等

○実施箇所:①30箇所

②1団体

○事業内容:

・相談対象者

:原則、児童生徒

・相談受付時間:児童生徒が相談しやすい平日午後5時~午後10時までや、

長期休業明け前後や日曜日など。

・実施内容

:①既に相談体制が立ち上げられている地域において、児童生徒が相談しやすいよう

改善を図った相談体制を構築。(既に文部科学省の事業を実施した自治体に限る。)

②相談体制が立ち上げられていない地域においてSNS等を活用した相談を行いつ

つ、効果的・効率的な相談受付日や受付時間等、適正規模の相談体制の在り方、

相談技法やシステムの確立等の研究を行うとともに、SNS等を活用した相談と電話

相談の有機的な連携の仕組みを明らかにする調査研究。

SNS等

さらに、広く若者一般を対象としたSNSによる相談事業を実施する厚生労働省と、児童生徒を対象とする

文部科学省がそれぞれの取組から得た知見を共有するなど連携し、SNS等を活用した相談対応の強化を図る。

9

- 1103-

Page 11: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

【背景】

○虐

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委員

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町村

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科学

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教育委員会の法務相談体制の整備

域内

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道府

県・指

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市教

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都道府県・指定都市教育委員会

都道府県の弁護士会

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協力

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初期

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学校

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市町村

市町村

教育委員会

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府県

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置)

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2年

度よ

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10

- 1104-

Page 12: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

2.未然防止・早期発見に資する家庭教育支援の推進

○地域における家庭教育支援の取組

児童虐待防止の観点も含め、問題を抱え孤立しがちな家庭等に対し、アウトリーチ型家庭教育支援等を行う。

・家庭教育支援チームによる支援の推進

地域人材の養成を通じて家庭教育支援チーム(※)の組織化、家庭教育支援員の配置等を行い、

身近な地域における保護者への学習機会の提供や親子参加型行事の実施、相談対応等の支援

活動を実施することで、家庭教育支援を総合的に推進する。

※家庭教育支援チーム:子育て経験者をはじめとする地域の多様な人材を活用して、

保護者への学習機会や情報提供、相談対応等地域の実情に応じた多様な支援を行う体制

・地域における家庭教育支援基盤構築事業(補助事業)の実施

各地域における、地域人材の養成、家庭教育支援体制の構築、家庭教育を支援する取組に加え、

アウトリーチ型家庭教育支援を含めた取組の推進など、地域における家庭教育支援の基盤構築に

向けた取組を支援。

○児童虐待への対応のポイント(手引き)

地域で活動する家庭教育支援や地域学校協働活動等の関係者向けに

「児童虐待への対応のポイント(手引き)」を作成(令和元年8月(令和2年3月

一部改訂))し、その活用を周知。

https://www.mext.go.jp/content/20200327_mxt_chisui01-100014278_1.pdf

【ロゴ

マー

ク】

11

- 1105-

Page 13: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

○地

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<文部科学大臣表彰>

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国28

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科学

省講

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教育

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ムの

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庭教

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取組

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家庭

教育

支援

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平成

20年

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護者

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庭教

育を

行うこ

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よう、身近な子育て経験者や元教員等、地域の多様な人材を活用した「家庭教育支援チーム」の設置を促進

チームの構成・業務

趣旨・目的

国による支援

家庭

教育

支援

チー

ムロゴ

マー

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地域

にお

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家庭

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支援

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<活動事例>

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「家庭教育支援チーム」について

328

381

535

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779

家庭教育支援チーム数の推移

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庭教

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作成

。(

平成

30年

11月

441

※補助事業により支援している「家庭教育支援チーム」数と登録制度に

登録している「家庭教育支援チーム」数を合計したもの(各年度末現在)

12

- 1106-

Page 14: ①はじめに(修正)文 部 科 学 省 に お け る 児 童 虐 待 防 止 へ の 対 応 児 童 虐 待 防 止 に 向 け て は 、 未 然 防 止 、 早 期 発

地域における家庭教育支援基盤構築事業

令和

2年度

予算

額75

百万

円(前

年度

予算

額73

百万

円)

国1/3

都道府県1/3

市町村

1/3

【補助率】

背景

●核

家族

化、共

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親家

庭の

増加

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など、

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変化

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家族

世帯

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10)

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満)の

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数:

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元)〕

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庭教

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域に

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・やや

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(H25

)〕

●児

童相

談所

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件数

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貫して

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数:

11,6

31件

(H11

)→

159,

838件

(H30

)(H1

1年度

に比

べて

、約13

.7倍

)〕

地域人材の養成

家庭教育支援体制の構築

家庭教育を支援する取組

家庭教育支援員等の配置

●小

学校

等に

家庭

教育

支援

員を

配置

する

など身

近な

地域

にお

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家庭

教育

支援

の体

制を

強化

家庭教育支援チームの組織化

●家

庭教

育支

援員

などの

地域

人材

を中

心とし

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ーム

の組

織化

家庭教育支援員等の養成

●家

庭教

育に

関す

る情

報提

供や

相談

対応

等を

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養成

●支

援活

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・運営

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連携

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人材

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保護者への学習機会の効果的な提供

●就

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健診

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護者

会な

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くの親

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まる

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学習

機会

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供(

子育

ての

方法

、虐待

防止

等)

親子参加型行事の実施

●自

己肯

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など、

子育

ての

不安

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や社

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生き

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め、親

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ログラム

を展

相談対応や情報提供

●悩

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護者

など、

様々

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庭の

状況

に応

じて、家

庭教

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ーム

等に

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実施

【チーム構成員の例】

子育

て経

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、元教

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TA

関係

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SS

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員、児

童委

員、保

健師

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・連携

によ

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施●

保護

者に

寄り添

うアウト

リーチ

型支

援(※

)の実

施(※家庭教育の自主性を尊重しつつ、自宅や学校、企業等に出向いて、

個々の保護者に届ける支援(情報提供、相談対応、話し相手等))

全ての保護者が安心して家庭教育を行うことができる支援体制の構築

元教

PTA

関係

者子

育て

経験

地域の多様な人材の参画

(例

研修

リーダー

中核的人材の養成

●家

庭教

育支

援員

等に

対す

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修強

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子供

の育

ちを

めぐる

課題

(虐

待等

)対

応)

支援が届きにくい家庭への対応(アウトリーチ型支援)の充実

(児

童虐

待防

止等

※以下の取組を行う自治体(都道府県、市町村)を支援(計1,000カ所)

(都道府県等(指定都市、中核市を含む)の場合、補助率は国:1/

3、都道府県等

:2/3) 13

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地域の実情に応じた取組事例(和歌山県湯浅町)

【概要】

◆いじめや不登校、非行や万引き、校内暴力などの課題に対し、湯浅町家庭教育支援チームが平成21年度より訪問型家庭教育

支援を実施。現在は、健康福祉課と教育委員会が連携し、0歳児から中学校3年生までの全ての子育て家庭を訪問し、保護者に

寄り添い、孤立した家庭がないよう見守り支援を行っている。

【内容】

・町内の0歳児から中学校3年生までの全ての子育て家庭を、家庭教育情報誌

「すまいる」を配布しながら訪問。

・子育てに関する相談から世間話まで幅広く傾聴することで、保護者に寄り添い、

孤立した家庭がないよう見守り支援を実施。

・家庭・学校や地域、関係機関からの情報や相談の対応及び支援については、

ケースに応じて、学校や関係機関と連絡を密にし、役割分担をしながらチーム

対応を実施。

・平成27年度からは、健康福祉課の利用者支援事業の活用により、「福祉と教育

の一体型」で切れ目のない子育て支援を行う体制を整えている。

・SSWであるチームリーダーが要保護児童対策地域協議会に参加し連携(様々な情報共有が可能。)。

・5歳児健診を活用した連携(チェックリストを活用、関係者(※)による行動観察等を実施し、結果を共有。)。

※教育委員会(指導主事、SSW、子育て支援センター保育士、幼稚園長、保育所長、小学校校長(町内4校))、臨床心理士、小児科医、健康福祉課(保健師)

【主な効果】

・保健センター内に活動拠点を置くことにより、日頃から保健師や要保護児童対策地域協議会の職員と

連携・協働が可能。

・利用者支援事業を活用し福祉とも連携することで、未就学時から学齢期まで一貫した子育て・家庭

教育支援が可能。

・全世帯の状況把握が可能で、早期発見や迅速な対応につながる。

・気になる家庭に対して、継続的な支援や見守りが可能となる。

・全戸訪問のため、初回の訪問をスムーズに行うことができる。

・定期的に訪問するため、保護者にとっては、いつでも相談できる

という安心感につながっている。

・保護者と話をすることにより、学校への不信感などが解消され、

クレームが減少してきている傾向にある。

「家庭

訪問

」の様

◆情

報誌

「すま

いる

」のコン

セプ

ト:「つ

なが

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浅!

」・「

すま

いる

2」3

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~中

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すま

いる

」0才

児~

2才

児の

家庭

対象

・「全

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」町内

全家

庭対

象~

主な

内容

~・園

・学校

等紹

介・子

育て

アドバ

イス(

漫画

)・料

理レ

シピ

・行事

予定

など

※「教育・福祉の連携・協力推進協議会事例集(改訂版)」(令和元年8月文部科学省・厚生労働省)より

14

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