上州武尊山 雪山登山...

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上州武尊山 雪山登山 報告

【山 域】 谷川連峰

【場 所】 上州武尊山

【行動日】 2018年 3月3(土)〜4(日) 両日とも快晴

【参加者】 CL柘植秀樹 SL佐藤健一 大木裕見子 澤田淳子 加藤洋子 薗田富久美 澤田路子

【行 動】

3日 宝台樹スキー場第9クアッドリフトトップ12:00→(宝台樹尾根経由)1690m14:00→

15:00幕場

4日 幕場6:00→8:10上州武尊山8:30→10:00幕場 10:50→12:40リフトトップ→14:00

スキー場駐車場

【内容】 3日 (快晴)

関越自動車道の事故渋滞にはまり、予定よりかなり遅れてスキー場に到着。 遅れた出発で予定の幕営

地に届くかは雪次第となるが、幸い快晴無風の天候に恵まれ、なおかつ5月を思わせるような陽気であ

る。

スキー場の駐車場で身支度をする際も、あまりの暖かさに何を着て、何を持とうかかえって悩ましいく

らいである。リフトトップに降り立ち、スキーヤーを横目に隅っこでワカンを装着していると、陽気な

外人グループから写真を撮るよ、と申し出があり、出発前にそろってカシャ。

片言の日本語でフレンドリーこのうえなく、さい先いい楽しい気分でスタートする。

宝台樹スキー場で準備中 リフトトップで外人さんに撮ってもらう

リフトトップからすぐに左に回り込み、尾根に取り付くが、雪は比較的しまっていて、先行者のスキー

のトレースがあり、あまり沈まず歩けるのもありがたい。この分なら予定の幕営地に届くかもと期待が

膨らむ。

すぐに始まるダケカンバやブナの林の緩やかな尾根は柔らかく優しい。順にトップを交替して進むが、

高度を上げても風もなくとにかく暑い!大汗かきながら1時間ほど歩いて衣服調整するが、簡単に脱げ

ない冬用衣類もあり、テルモスの飲み物より冷たい水が何より美味い。確認ができないまま名倉ノオキ

を通過し、風が涼しく気持ちがいい1700m 付近で休憩。真っ白な谷川連峰を中心に180度の見渡

す展望が目に飛び込み、思わずみんなから歓声が飛ぶ。

リフトトップから宝台樹尾根に踏み込む 幸いトレースもあり気分は晴れやか

急登をこなして 1690mピークに到着 谷川方面の展望が開ける

左:沖武尊手前P 中:剣ヶ峰山 右:獅子ヶ鼻山 沖武尊山頂も見え始め、幕場予定地も近い

土曜で好天なのに人と出会わないと思っていたら、ひょっこりスノボーの単独青年と会う。この先の急

登がきつく山頂を断念して適当な所から滑走して戻るとのこと。二つに分離するスプリットボードを抱

えスノーシューを履いているこの青年こそがありがたい先行トレースの主だったようだ。

当然この主が戻った所からはノートレースのラッセルとなるが、時間は十分にある。1700m 付近か

ら一旦下って標高差50m とはいえ、まだかまだかと結構登り、予定の手小屋沢避難小屋付近よりだい

ぶ稼いだ先の絶好の幕営ポイントに到着。

整地し、車ごとに分かれて二張りのテントに潜り込み、早速乾杯!そして水作り。夕暮れ時にテント外

にいた加藤さんの雄叫びで、テント出口から夕陽に照らされる見事な山並を眺め、あとは持参アルコー

ルをちびちび。お隣の佐藤車テントからは、女子ト–クで盛り上がる明るい笑い声が聞こえてくる。雪の

山中テント泊の楽しいひと時である。

4日 (快晴)

4時起床、6時出発

本日も快晴無風。テント外に出て身支度する時も、素手で OK、まるで5月の春山だ。今日は夏道ルート

を避けて武尊山の北尾根に登りあげて登頂を目指すとのこと。これは夏道の途中にあるクサリやハシゴ

が埋まっていることが予想され、難ルート化しているためらしい。テント場からすぐに尾根を外れて傾

斜の緩いところから沢に下る。沢中はおだやかで適度に樹木も生えていて圧迫感は全くない。

まだ陽の射さない薄暗い沢中を進む 沢から北尾根の枝稜にとりつく

しばらく進むと背後に大展望が開けてくる 間もなく北尾根の稜線だ

20分ほど沢中を進んで、リーダーが「ここから尾根に取り付くよ」という声の場所で一本。ここから

は再び先頭を交代しながら進む。ゆるいアップダウンを繰り返すうちに、これから登る雪の斜面に太陽

の光が差し込んで黄金色に輝く。雪山ならではの雪と光のコラボレーション。

2020m あたりから急登になり、アイゼンに履き替えてピッケルを出し慎重に通過。気がつけば 180 度

の展望を臨むビューポイントに出て小休止。さらにワンピッチで山頂だ。抜けるような青空にぐるり白

く輝く山々の大パノラマの出迎えである。

北尾根のコルから 右:燧ヶ岳 左:至仏山 方面 北尾根唯一の難関部分に向かう

胸をつく急登はピッケルを深く刺して登る 急登を終えたあとの安息場所で一本

そして最後の登りはまるで富士山登頂 一歩一歩慎重にステップを刻む

川場スキー場からの先客若者グループから明るく挨拶される。写真を頼むと快く、そしていつの間にか

パンダ香香がちょこんと仲間に入ってくるという、びっくりおまけ付き。今時らしい若者のサービス精

神が嬉しい。(写真に注意)

彼等は剣ヶ峰を超えた所で雪洞を掘って泊まったとのこと、他にテントも二張りあって山頂からもよく

見える。日帰りコースだが、そんなライトな雪遊び登山も柔らかい発想でいいね!

ゆっくり首を回して見渡せば、見える山が百名山だらけというだけあって、谷川、至仏、日光白根、苗

場、越後三山、浅間山と山名をあげれば枚挙にいとまがない。

左:剣ヶ峰山 中央遠く:浅間山 奥左:皇海山 手前左:家ノ串 手前右:川場

剣ヶ峰

奥利根水源の山々を正面に降りる澤田路さん さきほどの安息場所でモグモグタイム

急傾斜部分は後ろ向きで慎重に降りる 下から見上げるとこんな感じ

大パノラマを堪能し、下山開始。急登のところは後ろ向き降りで緊張したが、再びワカンに履き替えて、

サクサク下りいつの間にかテント場に到着。撤収して背負うといつものことながら荷が減っているのに、

ザックが大きく重くなったと感じてしまう。あとは自分たちのトレースを辿って下るのみ。わずかに残

る雪モンスターが可愛く、天気がいいと繰り出してくるのか、可愛い動物たちの遊んでいるような足跡

がそこここに。

樹にしがみついている胎児のような残雪 余韻に浸りながら?宝台樹尾根を下山

最後の休憩をしていると、山スキーの4人パーティーが登ってくる。記録を見るとこのコースは日帰り

山スキーが多く、歩きは川場スキー場から登る方がノーマルらしい。雪山を味わい尽くした今回は、ア

ブノーマルなリーダーで良かった(なーんてね)

ゆるい尾根を戻る最後のワンピッチはなぜか長く感じ、いい加減飽きる頃、リフトトップに到着。その

先はボーダーの多いスキー場の端を邪魔にならないよう気を使いながら何度か横断して渡り歩き、1 時

間ほどで駐車場について行動終了。

帰りに薗田さんオススメの「鈴森の湯」で汗を流す。こじんまりして落ち着いた施設、さらにそこの食

堂のメニューはどれも美味しく安く、ボリュームたっぷり、一同大満足で帰路につく。

2日間とも大快晴に恵まれ、“季節外れに暑かった”ことを除けばラッセルの苦労はあまりないのにた

っぷり雪山を楽しんだ美味しいとこ取りのような山行だった。

リハビリ中の澤田(路)としてはCL、SL、メンバーのみなさんに感謝です。

記録担当 : 澤田路子

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