グラフィックレコードの研究 / tokyo graphic recorder 清水 淳子...

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Design

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の活動を基盤としたビジュアライズスキル分析

日本デザイン学会 第62回研究発表大会 2015/06/14

Session ID: D8-04 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssd/62/0/62_185/_article/-char/ja/

今、デザイナーは世の中でどのようなビジュアライズスキルを発揮すべきなのか?

清水 淳子 / Junko ShimizuTokyo Graphic Recorder

Theme?この研究で何を解くのか?

の活動を基盤としたビジュアライズスキル分析を行い、 今、デザイナーは世の中で どのようなビジュアライズスキルを発揮すべきなのかを考える

Theme?

http://tokyo-graphic-recorder.com/議論の可視化の可能性を探る活動

世の中の議論や対話のプロセスをリアルタイムでビジュアルとして 可視化する清水淳子個人の活動である。 2009年より開始、2013年3月にTokyo Graphic Recorderのサイトを立ち上げた。 今まで200以上の様々な人物や団体の課題に応じ、その都度手法を開発してきた。 本研究ではTokyo Graphic Recorderで実施したビジュアライズスキルの分析を行い、 これからのデザイナーの新しい活動領域を提起する。

?とは

※可視化 1 人の眼には見えない事物や現象を映像やグラフ・表などにして分かりやすくすること。 2 警察官・検察官が容疑者を取り調べる状況を録音・録画し、 当事者以外の関係者にも取り調べの内容を分かるようにすること。

History

様々な議論を集めたメディア編集部として

ジャーナリズムの新しい形として

イベントアーカイブのコンテンツとして

イベントでのパフォーマンスとして

2009

ファシリテーションとして

プレゼンコーチとして

取材など

2015

企業でUXDに活用

media

2013年6月テレビ東京WBS グラフィックレコーダーとして出演

2013年9月フジテレビまるわかり大辞典 グラフィックレコーダーとして出演

2013年10月 WIRED スティーブジョブズ特集にコメント掲載

2013年12月 ブレーン ニュークリエイター掲載

2013年12月 WIRED ぼくらの新•国富論グラフィックレコード掲載

2014年1月 段取りいい人の書類手帳ノート術

2014年4月 WebDesigning 未完成を共有する 永原康史氏と対談

2014年4月 キャリアハック「デザイン以外」の価値を見つける方法

2014年5月 電通報 清水淳子×吉田将英

2014年5月 ビートたけしのTVタックル グラフィックレコーダーとして出演

2014年10月日経デザイン対談

2015年6月 墨 「デザイン“すみずみ”異聞録」

http://dentsu-ho.com/articles/1036

http://goo.gl/3oqbEj

http://goo.gl/nRLMmU

media

workshop

2014年3月 グラフィックレコード入門WS@ロフトワーク

2014年4-7月 多摩美術大学ゲスト講師@多摩美術大学情報デザイン学科

2014年8月 グラフィックレコード入門@東京大学 

2014年10月 グラフィックレコードで行うUXデザイン@京都大学

2014年1月 グラフィックレコード入門講座@九州大学

2015年1月 ビュアルコミュニケーションエキスパートWS@ヤフー社内

2015年5月 議論の可視化がもたらす効果講演@Future Sync vol.5

2015年5月 課題解決×グラフィックレコードWS@東京大学 

http://goo.gl/aCjzPC

http://graphicrecord.peatix.com/

http://graphicrecordws.peatix.com/

http://goo.gl/dqhEie

http://goo.gl/vjVF4N

workshop

Why?何故、デザイナーが発揮すべき

ビジュアライズスキルを提起したいのか?

Why?

Vertical Creative

本質的課題をデザイナーが キーマンと共有できないままに 表層的な修正に追われる案件

美術大学卒業後 デザイナーの仕事のあり方に疑問を持ったことがきっかけである

何故起きているか?何故やるのかと言う本質的問いが無いままに、 手段が決定されて、現場で実行してる。

視点と経験、立場の違いで、 全員が十分に発言できてない。

デザイナーあるあるとして 定着して笑い合うコンテンツも国内外で多く存在する。

(確かに面白いが) デザイナーのあるべき姿としてそのままで良いのだろうか?

今の現状

http://clientsfromhell.net/

本質的な課題解決に貢献できる力を持っている。 課題発見へのアプローチを確立する必要がある。

デザインは何の為にある?

課題発見

課題解決

デザイナーの新しい活動領域提起に繋げで得た知見を

本質的解決を行うデザインが 世の中に増える流れを作りたい

What?どのようなものなのか?

議論の可視化世の中の議論や対話のプロセスを リアルタイムでビジュアルとして可視化する。 単なる情報整理や記録だけでなく、場の議論を整理し、 フィードバックを与えることで課題発見をし、 課題解決への道を探る手助けとなる。

何をするのか?

人々が集まり、言語で理解し合えないシーンであれば活用の意義がある。 グラフィックを介して意思疎通を行う。

どこで使うのか?

抽象的な話、イメージ 言葉がないもの / 構造

気持ち / 関係性

可視化する意義のある情報

※そもそも自分が理解できないもの、言語など 清水ならば、外国語

向いている 向いていない◎ ×

具象物 / 事実 コード / 計算

パースのついた建築 / 図面

写真やテキストで 記録できないもの

写真やテキストで 済むもの

※自分の専門性であるジャンル 清水ならば、デザインの分野

グラフィックレコードの仕組み

Recording

聞く 描く解釈 抽出

グラフィックレコードの仕組み

Recording

Feed back

聞く 描く解釈 抽出

見せる

グラフィックレコードの仕組み

素早く誰でも議論の全体像が掴める

Recording

Feed back

聞く 描く解釈 抽出

見せる

伝達速度UP、伝達情報量UP、伝達情報の精度UP

グラフィックレコードの仕組み

素早く誰でも議論の全体像が掴める伝達速度UP、伝達情報量UP、伝達情報の精度UP

グラフィックレコードを行う事で、 意思決定のスピードと精度が高まり、 組織にとって強力な優位性になり得る

【参考】2012 IBM 『Leading Through Connections(つながりにより優位性の構築)』リサーチレポートでは、イノベーションを起こす組織の1つの特徴として、「個」のレベルで顧客に対応することが挙げられている。更に高業績企業群は有用なデータにアクセスし、データから有意義な洞察を得て、洞察をアクションに結びつけることが他企業より優秀であることが示されている。この状態を実現する為にも素早い意思決定の活動は有益と考えられる。

グラフィックレコードの種類

課題解決議論から課題解決を目的とする

議論整理議論の整理を目的とする

グラフィックレコードの種類

課題解決議論から課題解決を目的とする

議論整理議論の整理を目的とする

目的が共有され活性化したと感じる

生み出した発想の品質向上を実感する

ビジュアルに好意と興味を持つ

議事録よりもわかりやすいと感じる

LV1

LV2

LV3

LV4

グラフィックレコードの種類

課題解決議論から課題解決を目的とする

議論整理議論の整理を目的とする

リアルタイム レコーディング

タイムラグ レコーディング

4

2

3

1議論終了時に 出来上がっている

議論終了時から 時間をかけて仕上げる

主な依頼主 : 編集者、ライター 目的 : インタビューや対談を可視化し雑誌に掲載する 類似 : イラストレーション / インフォグラフィック

1

議論整理 × タイムラグレコーディング1

主な依頼主 : イベント運営者、PR 担当、プロデューサー 内容 : イベントやテレビでのパスフォーマンスとして行う 類似 : フリップボード / パフォーマー

2 議論整理 × リアルタイムレコーディング

主な依頼主 : 企業の企画担当者 内容 : 発話の記録をまとめたり、プレゼンのスライド作成 類似 : プレゼンテーションスライド

課題解決 × ライムラグレコーディング3

主な依頼主 : 起業家、組織を率いるリーダー 内容 : 発話を促し、論点をまとめ、アイディアに繋げる 類似 : コンサルティング

4 課題解決 × リアルタイムレコーディング

How?どのようなメカニズムなのか?

ただ見せるだけでは良い議論の結果は得られない

集約して構造化一覧性を生む思い込みに気がつける

気になっていた 箇所を発言しやすくなる

本質的課題を深堀しやすくなる

解くべき課題が明らかになるルールが解るので 安心して発言できる

混線したまま議論する そのまま混乱を構造化する

集約して構造化一覧性を生む思い込みに気がつける

気になっていた 箇所を発言しやすくなる

本質的課題を深堀しやすくなる

解くべき課題が明らかになるルールが解るので 安心して発言できる

混線したまま議論する そのまま混乱を構造化する

議論の認識をグラフィックの力で合わせ メンバーのマインドセットをする

課題解決の為のグラフィックレコードで 生み出せるマインドの変化

議論のすれ違いから 個人に対して苛立ちが生まれる

GRがない会議

課題解決の為のグラフィックレコードで 生み出せるマインドの変化

議論のすれ違いから 個人に対して苛立ちが生まれる

解くべき課題が明らかになることで 個人に対し仲間意識が生まれる

GRがない会議 GR会議

課題解決の為のグラフィックレコードで 生み出せるマインドの変化

議論の本質を掴み全員でゴールに向かっていける同一の課題を共有することで仲間意識を向上させる

議論のすれ違いから 個人に対して苛立ちが生まれる

解くべき課題が明らかになることで 個人に対し仲間意識が生まれる

GRがない会議 GR会議

Education誰にでもできる?再現性はあるのか?

目的が共有され議論が活性化したと感じる

生み出した発想の品質向上を実感する

議事録よりもわかりやすいと感じる

LV3

LV4

課題解決議論から課題解決を目的とする

議論整理議論の整理を目的とする

STEP1 議論整理の為のWS2時間程の実習でまずは議論整理を体験し 一人で引き続き議論整理を勉強したいという モチベーションを作ることは可能である

単純なイラストとして好意を持つLV1

LV2議論整理入門WS

目的が共有され議論が活性化したと感じる

生み出した発想の品質向上を実感する

単純なイラストとして好意を持つ

議事録よりもわかりやすいと感じる

課題解決議論から課題解決を目的とする

議論整理議論の整理を目的とする

STEP2 課題解決の為のWS5時間程の実習でまずは課題解決を体験し 一人で引き続き課題解決を勉強したいという モチベーションを作ることも可能である

LV1

LV2

LV3課題解決入門WS

LV4

しかしGRを実際の仕事で プロとして活用していく為には 継続的な練習は欠かせない

また2つの条件がある

再現性はあるか?誰でもできるか?

可能であると予測する

状況に合わせて 使い分ける事

単なる議論整理ではなく、 課題解決に結びつける為には

使用タイミングを熟知する必要がある。

課題解決議論から課題解決を目的とする

議論整理議論の整理を目的とする

議論する業界に ニュートラルであること

公平を保つ立場で あること

ビジュアルは時に暴力にもなり得る。 言われた事を鵜呑みにしない 知識と態度が必要である。

議論の誘導になる危険性を認識する。

WSや教育の活動で得たノウハウを現在取りまとめている。 議論の可視化を誰でもチャレンジし、 実務で活用できるようにしたい。 世の中に溢れてる参加者が意義を見いだせない会議が、 グラフィックレコードの力で、 本質的な課題解決に結びつくようにしたい。

課題解決のためのグラフィックレコード出版を計画中

グラフィックレコードを より多くに人に

Summaryまとめると?

今、デザイナーが発揮すべき領域

いままでのデザイナー像

一人のヒーローとして アイディアを 展開させる。

グラフィックの力で。 みんなに考えさせる 問いかける、引き出す。

いままでのデザイナー像 これからのデザイナー像

一人のヒーローとして アイディアを 展開させる。

リーダーシップ 分業

いままでのディレクション

いままでのディレクション これからのディレクション

リーダーシップ 分業

フォロワーシップ 共創

例えば、データジャーナリズム

インターネット上で自由に得られるオープンデータを扱い、分析を行う。 データの収集や整理、分析、表現と、業務は多岐にわたるため、 専門知識を持ち寄り、チームで取り組むことが重要になっている。

サイエンティスト エンジニアジャーナリスト デザイナー

新しいものを生み出す為には、 異業種と組んで意思疎通を行いながら仕事する事が不可欠な時代

時代背景

2013年データジャーナリズムアワードより

しかし「優秀な専門家の意思」を つなぐ専門家は現状は少ないと思われる

時代背景

新しいものを生み出す為には、 異業種と組んで意思疎通を行いながら仕事する事が不可欠な時代

サイエンティスト エンジニアジャーナリスト デザイナー

時代背景

参考.ニューヨークタイムスの場合ニューヨーク・タイムズは、記者、編集者(デスク) カメラマンが中心となっていたが、体制を変え データを分析する「C.A.R.チーム」 データの可視化を担当する「グラフィックチーム」 そしてニュースアプリの構築などを担う 「インタラクティブニュースチーム」を 編集部門の中に位置付けた。

グラフィックレコードで 議論の可視化を行い

議論をリードする人物が 「優秀な専門家のハブ」として

機能する可能性がある

新しいものを生み出す為には、 異業種と組んで意思疎通を行いながら仕事する事が不可欠な時代

デザイナーは手仕事による課題解決だけではなく、 課題発見の現場に入り込み、本質的なものづくりを仕掛けるべきである。

その為にTokyo Graphic Recorderが持つ議論の可視化は有効なツールである。

今、デザイナーは世の中で どのようなビジュアライズスキルを発揮すべきなのか?

結論

(If You Want To Go Fast, Go Alone. If You Want To Go Far, Go Together)

!

「早く行きたいなら一人で、 遠くへ行きたいならみんなで行け」

アフリカのことわざ

議論の可視化は『みんな』を遠くに連れて行ける。

Future今後の可能性は?

企業内外で課題解決の為に 議論の可視化とUXデザインの 関係性の研究と実践を続ける

解決の為のGRは 機械(人工知能)に可能か? 人間のみに可能な営みか?

FUTURENEXT

清水個人が、UXデザイナー/ストラテジストとして プロになる挑戦をし続ける過程で

GRの進化の経過を観察し発信し続けたい

人間の議論はアルゴリズムに置き換え可能か? テクノロジーの進化により不要になるデザイン

不要にならないデザインの研究をしたい

Thank you!ご清聴ありがとうございました。

1986年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、webデザイナーとして勤務。np無料広告学校にてブランドと生活者をつなぐためのストラテジー構築とクリエイティブを学ぶ。その後、WATER DESIGN にて、既存の枠を超えた事業や商品流通を生むプロジェクトに携わりつつ、議論や対話のプロセスを構造化し、ビジュアルとしてリアルタイムで描きだすTokyo Graphic Recorderの活動を開始。現在Yahoo! JAPANにて、ビジネス×テクノロジー×デザインで生み出す次世代クリエイティブに挑戦中。

清水 淳子 / Junko ShimizuTokyo Graphic Recorder

https://twitter.com/4mimimizu

https://www.facebook.com/4mimimizu

http://tokyo-graphic-recorder.com/

4mimimizu@gmail.com

Session ID: D8-04 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssd/62/0/62_185/_article/-char/ja/日本デザイン学会 / 第62回研究発表大会 2015/06/14 発表サマリー

appendix参考資料

世界64カ国、1700人以上のCEOと

公共機関のリーダーへのインタビューを行い、

経済環境の変化やテクノロジーの進歩に対して

彼らがどのように対応しているかを調べたもの

IBM『Leading Through Connections(つながりにより優位性の構築)』リサーチレポート

2012 IBM Leading Through Connections(つながりにより優位性の構築)

リサーチレポートhttp://www-935.ibm.com/services/us/en/c-suite/ceostudy2012/

参考図書 /『行動観察』の基本 松波晴人著より

レポートの結論

イノベーションを起こす組織には3つの特徴がある

!

①価値観の共有を通じて社員に権限を委譲する

②パートナーシップによってイノベーションを増幅する

③「個」のレベルで顧客に対応する

IBM『Leading Through Connections(つながりにより優位性の構築)』リサーチレポート 参考図書 /『行動観察』の基本 松波晴人著より

業界平均を上回っていると回答した割合

有用なデータに アクセスする

データから 有意義な洞察を得る

低業績企業群 高業績企業群

54

57

%54

26

26

31

「個」のレベルで顧客に対応する際の 高業績企業群の特徴

洞察をアクションに 結びつける

IBM『Leading Through Connections(つながりにより優位性の構築)』リサーチレポート

「Leading Through Connections」(33ページ)

参考図書 /『行動観察』の基本 松波晴人著より

108% more

108% more

88% more

Thank you!EOP

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