20170305 srws予後grade

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予後の GRADE アプローチについて2017/3/5  ガイドライン勉強会

尼崎総合医療センター  Hospital Care Research Unit

片岡裕貴 辻本啓京都大学大学院 辻本康

2

この時間の目標

 予後GRADEと

 治療GRADEの違いを説明できる

3

治療の GRADE アプローチの目的は?

GRADE offers a transparent and structured process for developing and presenting summaries of evidence, including its quality, for systematic reviews and recommendations in health care.

4

J Clin Epidemiol. 2011 Apr;64(4):383-94

いずれも透明性のあるやり方で

• SR に基づきある効果サイズの推定の質 (=エビデンスの質)を評価• 推奨

5

復習

6

http://www.jsicm.org/ARDSGL/ARDSGL2016.pdf

相対効果は効果サイズのメタアナリシスから算出可能

→ 絶対効果を算出するためには コントロール群のリスク情報が必要!

7

応用として

そもそも効果サイズを算出可能なコントロールありの研究が存在しない CQ

(= P and I の予後なら分かる)

8

そんなあなたに

9

BMJ 2015;350:h870

「エビデンスの質」を未来のイベントリスク(=予後)に当てはめる

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治療のエビデンスの質

研究デザイン 下げる要因 上げる要因 エビデンスの質

RCT

観察研究

• 研究の限界  (risk of bias)• データの非一貫性  (heterogeneity)• エビデンスの非直接性  (indirectness)• データの不精確さ  (imprecision)• 出版バイアス   (publication bias)

• 効果の程度が大きい

  (Large effect)• 用量反応勾配  (dose-dependent gradient)• 交絡因子の影響  (plausible confounder)

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予後のエビデンスの質

研究デザイン 下げる要因 上げる要因 エビデンスの質

観察研究 • 研究の限界  (risk of bias)• データの非一貫性  (inconsistency)• エビデンスの非直接性  (indirectness)• データの不精確さ  (imprecision)• 出版バイアス   (publication bias)

• 効果の程度が大きい

  (Large effect)• 用量反応勾配  (dose-dependent gradient)• 交絡因子の影響  (plausible confounder)

12

※ 赤字は違うところ

予後研究のデザイン

基本は観察研究

13

タイプ ゴール コメント

全体の予後 広く定義された対象集団の典型的なリスクを確立

RCT のコントロール群を含む

予後因子 ある特徴が患者のリスクにどの程度影響するか確立

よくある「予後」研究

予後予測モデル 複数の予後因子を組み合わせたモデルを開発し、患者をリスク群に分ける

CHADS2 みたいな研究

予後研究の ROB14

タイプ ツール コメント

全体の予後 Iorio   2015予後因子 QUIPS予後予測モデル PROBAST まだ論文化されていない

全体の予後の ROB

影響するもの・ Pの定義・Oの定義とフォローアップ

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全体の予後の ROB  プライマリ

• 代表性があり、明確に定義された対象集団か?• 誰が最初の観察時に興味のあるアウトカムを持ってい

なかった?• 誰が似ていて、識別可能で、共通で、可能性のある疾

患の自然史の早期であるか?

• フォローアップ期間は十分長く、完全か?

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全体の予後の ROB  セカンダリ

• 客観的でバイアスのないアウトカム定義が用いられているか?

• アウトカムに影響を与えることが知られている、もしくは疑われている患者の特徴が全て報告されているか?

• 重要な予後因子で調整されているか?

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参考:予後因子研究の ROB

詳細は

18

http://annals.org/aim/article/1650776/assessing-bias-studies-prognostic-factors

参考:予後予測指標の ROB

※pdfスライドです※ 論文として fixしたものではありません

19

http://www.birmingham.ac.uk/Documents/college-mds/haps/projects/diagnostic-research/symposium2013/OralPresentations/84KarelMoons.pdf

注意点

まだまだ確立していない分野

→今後の動向に注意

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Imprecision

ガイドライン GRADE の imprecision「効果推定値に対する確信が,ある特定の推奨を支持する上でどの程度十分か」

→ 予後の場合も、 95%信頼区間が臨床判断の閾値をまたいでいるかどうかで判断(現時点では OIS は関係なし)

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出版バイアス

Heterogeneity が乏しそうであれば、 Egger test や Begg test

理論的に観察研究も「差がある」結果の方が出版されやすいあまり良い検証方法はない

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上げる要因

• 効果の程度が大きい  (Large effect)例:血友病患者での第 8 因子に対する抗体の産生もし、遺伝子変異ごとのリスクが以下の通りだった場合自然に抗体ができるリスクが 0.05 だったら

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上げる要因

• 交絡

 今のところ関係なし

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上げる要因(全体の予後の場合)

• 用量反応勾配  (dose-dependent gradient)→ 時間によって変わる、と考えれば

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参考:予後のメタアナリシスは?

RevManではできません

STATAのmetanパッケージhttp://www.stata-journal.com/article.html?article=sbe24_2

Rのmetaパッケージhttps://cran.r-project.org/web/packages/meta/meta.pdf

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この時間の目標

 予後GRADEと

 治療GRADEの違いを説明できる

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質問や資料、二次使用 OK

srws.hcru@gmail.com

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