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3級コンポジットレジン修復

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3級コンポジットレジン修復

検査・診断・治療計画・治療

3級コンポジットレジン修復

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3級コンポジットレジン修復 1.学習目標

2.治療計画の立案

2-1 医療面接

2-2 検査

2-3 診断・治療計画

2-4 説明・同意

3.窩洞形成

3-1 準備する器具

3-2 窩洞形成時の注意点

3-3 シェードテイキング

3-4 う蝕除去

3-5 窩縁形態の付与

3-6 窩洞の確認

4.簡易防湿

4-1 準備する器具

4-2 巻き綿花の挿入・確認

5.隔壁法(ストリップス使用) 5-1 準備する器具

5-2 ストリップスの挿入

5-3 ウェッジの挿入

5-4 装着状態の確認

6.歯面処理

6-1 準備する器具・材料

6-2 セルフエッチングプライマー処理

6-3 ボンディング

6-4 光照射

7.填塞

7-1 準備する器具・材料

7-2 コンポジットレジンの填塞

7-3 ストリップスによる圧接

7-4 光照射

8.仕上げ

8-1 準備する器具

8-2 仕上げ(形態修正)

9.修復物のチェック・研磨

9-1 準備する器具

9-2 修復物のチェック

9-3 最終研磨

10.術後管理

使用模型歯:A26A-21Y

3級コンポジットレジン修復

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1.学習目標

前歯隣接面う蝕に対する

3級コンポジットレジン修復法を習得する。

3級コンポジットレジン修復

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2.治療計画の立案

【到達目標】

検査・診断結果から適切な治療計画を立案できる。

【ポイント】

医療面接・検査から必要な情報を収集する。

得られた情報を基に適切な診断を行う。

適切な治療計画を立案する。

患者に治療計画を説明し同意を得る。

3級コンポジットレジン修復

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2-1.医療面接

日進次郎さんは1か月前から、

上顎前歯部が冷たいものにしみるようになってきたので

かかりつけの歯科医に相談に行きました。

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どうされましたか?

先生、 上の前歯が冷たいものにしみるんです。

その痛みについてもう少し話してくださいますか?

1か月前から歯の色が変わってきて、

冷たいものにもしみるんです。

1か月前から歯の色が変わってきて、

冷たいものにしみるのですね。

それは困りましたね。

3級コンポジットレジン修復

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他の症状、例えば何もしなくても痛いと

いうことはありませんか。

大丈夫です。

熱いものを飲んだり、咬んだ時はどうですか?

大丈夫です。

そうですか、大丈夫ですね?

はい。

では、お口の中を診てみましょう。

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【医療面接】

年齢:29歳

性別:男性

主訴:上顎左側前歯の変色部が水にしみる。

現病歴:1か月前に変色に気付き、冷水痛を生じた。

全身的既往歴:なし

3級コンポジットレジン修復

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2-2.検査

【検査結果】

視診 :#21( 1 )近心隣接面に軽度の変色を認める。

触診 :デンタルフロスでの引っかかりがある。

透照診:近心隣接面に暗影を認める。

打診 :水平(-),垂直(-)

温度診:エアにて一過性の疼痛を認める。

温熱刺激に疼痛を認めない。

歯髄電気診:生活反応を示す。(対照歯:#11・ 1 )

エックス線検査:二等分法

近心隣接面に象牙質に達する透過像を認める。

歯槽骨に吸収を認めない。

その他:他の歯には異常は見られない。

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2-3.診断・治療計画

【診断】

上顎左側中切歯(#21・ 1 )

近心隣接面う蝕 う蝕症第2度(C2)

【治療計画】

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2-4.説明・同意

左上の前歯がむし歯ですね。

他の歯には異常は見られませんでした。

むし歯は、歯と歯の間の面にあり

比較的小さく、神経には達していません。

左上の前歯を治療していきましょう。

はい、お願いします。

3級コンポジットレジン修復

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治療方法には、セメントを詰める方法と

プラスチックを詰める方法があります。

今回は丈夫で審美性に優れたプラスチックを詰める方法で

治療を行っていきますがよろしいでしょうか?

はい、お願いします。

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3.窩洞形成

【到達目標】

3級コンポジットレジン修復の窩洞形成ができる。

【ポイント】

う蝕範囲を考慮し、適切な窩洞外形を設定する。

適切な窩縁形態を付与する。

3級コンポジットレジン修復

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3-1.準備する器具

基本セット

シェードガイド

ピンセット

スプーンエキスカベーター

探針

デンタルミラー

練成充填器

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3-1.準備する器具

種類:ダイヤモンドポイント ペア型 EX-41

種類:スチールバー ラウンド型 #1/2~7

種類:ダイヤモンドポイント ラウンド型 BR-49

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3-2.窩洞形成時の注意点

開口度

1横指半

左右回転角

0度

術者の位置

12:00

作業姿勢を整える。

術者の位置 :12:00

開口度 :1横指半

患者頭部の前方傾斜 :0度

左右回転角 :0度

手指の固定位置 :#11,12( 2 1 )の切端

固定指の接触部位 :指先または第一関節外側

前方傾斜

基準位(0度、前方傾斜なし)

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3-3.シェードテイキング

1. シェードガイドを用いて近似色を選択する。 ※自然光下で行うことが望ましい。

3級コンポジットレジン修復

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3-4.う蝕除去

1. う窩の開拡を行う。

※今回は唇側より開拡を行う(便宜

形態)。

2. う蝕象牙質の除去を行う。 ※必要に応じ局所麻酔にて除痛を

行う。

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3-4-1.う窩の開拡

1. ダイヤモンドポイントを用いてう蝕エナメル質を除去する。 ※高速、軽圧、注水下にて行う。

※カーバイドバーを用いる場合もある。

【使用するバー・ポイント】

ダイヤモンドポイント MI-2P

EX-41

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3-4-2.う蝕象牙質の除去

1. スチールバーを用いてう蝕象牙質を除去する。 ※ 低速 、軽圧、注水下にて行う。

※ 口蓋側の遊離エナメル質は、できるだけ保存する。

※ 臨床ではう蝕象牙質の取り残しが無いように、う蝕検知液による染色状態を指標とし、細菌感染して再石灰化しえない死層であるう蝕象牙質第1層(外層)のみを除去する。

※ 臨床では手用切削器具(スプーンエキスカベーター)を用いる場合もある。

【使用するバー・ポイント】

スチールバー(ラウンド型)#1/2~7

#1/2~7

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3-5.窩縁形態の付与

1. ダイヤモンドポイントを用いて唇側窩縁にラウンドベベルを付与する。

【使用するバー・ポイント】

ダイヤモンドポイント BR-49

BR-49

象牙質 エナメル質

ラウンドベベル

3級コンポジットレジン修復

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3-6.窩洞の確認

1. う蝕象牙質の取り残しがないことを確認する。

2. 窩縁形態を確認する。

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4.簡易防湿

【到達目標】

適切な位置に巻き綿花を挿入し、防湿と術野の確保ができる。

【ポイント】

開口状態を保つ。

口唇を過度に引っ張らない。

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4-1.準備する器具

ピンセット デンタルミラー 巻き綿花 (ロールワッテ)

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4-2.巻き綿花の挿入・確認

1. 口唇をデンタルミラーなどで排除しながら巻き綿花を唇側に挿入 する。

2. 巻き綿花が確実に挿入できていることを確認する。

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【到達目標】

患歯にストリップスを適切に装着できる。

【ポイント】

ウェッジを適切に挿入する。

歯肉側窩縁部と隣接歯接触点部に緊密に適合させる。

5.隔壁法(ストリップス使用)

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5-1.準備する器具

ウェッジ ストリップス

ピンセット デンタルミラー

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5-2.ストリップスの挿入

1. ストリップスを歯間に挿入する。 ※歯間乳頭を傷つけないように注意する。

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5-3.ウェッジの挿入

1. ウェッジを唇側から挿入し、歯間分離を行うと共にストリップスを歯肉側窩縁に適合させる。 ※ウェッジを落とさないように注意する。

※歯間乳頭を傷つけないように注意す

る。

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5-4.装着状態の確認

1. 目視にてストリップスが歯肉側窩 縁部と隣接歯接触点部に密着し ていることを確認する。

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6.歯面処理

【到達目標】

接着システムを理解し、適切な接着処理ができる。

【ポイント】

窩洞全体に歯面処理を行う。

添付文書に記載されている操作上の注意事項を遵守する。

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6-1.準備する器具・材料

今回は、2ステップのセルフエッチング接着システムを用いる。

遮光板・混和(パイル)皿 マイクロブラシ

ボンディング材 セルフエッチングプライマー

光照射器・遮光シールド

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6-2.セルフエッチングプライマー処理

1. 塗布 2. 乾燥

1. マイクロブラシを用いてセルフエッチン グプライマーを窩洞全体に塗布する。 ※強くこすりつけない。

2. 20秒間放置する(添付文書に従う)。

エアブローにてしっかり乾燥する。 ※水洗は行わない。

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6-3.ボンディング

1. 塗布 2. エアブロー

マイクロブラシを用いてボンディング材を窩洞全体に塗布する。 ※強くこすりつけない。

軽くエアブローを行いボンディング材の厚みを均一にする。

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6-4.光照射

1. 光照射

光照射器を窩洞に近づけ、 10~20秒間照射する(添付文書に従う)。 ※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。

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7.填塞

【到達目標】 窩洞にコンポジットレジンを緊密に填塞できる。

ストリップスで圧接できる。

【ポイント】 自然光や無影灯でも重合が始まるので注意する。

気泡が入らないように填塞する。

硬化するまでストリップスを保持する。

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7-1.準備する器具・材料

遮光板・紙練板

コンポジットレジン レジン充填器

ガーゼ

光照射器・遮光シールド

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7-2.コンポジットレジンの填塞

1. 採取 2. 填塞

シリンジのプランジャーを回し、必要量を

紙練板上に採取する。 ※プランジャーは逆回しに戻して緩めておく。

※光が当たると重合が始まるため、必ず遮光

する。

コンポジットレジンを窩洞に填塞する。 ※窩洞の深さが2mm以上の場合は積層填塞

を行う。

※審美性を考慮しレイヤリングテクニックを行う

こともある。

※充填器に付着したレジンは乾いたガーゼで

拭き取る。

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7-3.ストリップスによる圧接

1. ストリップスを圧接する。

※歯肉縁下にレジンが流れ込まないうに 歯肉側から歯頂側に向けて圧接する。

2. 硬化するまで保持する。

1. 圧接

3級コンポジットレジン修復

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7-4.光照射

1. 光照射

1. 光照射器を填塞部に近づけ、照射する(添付文書に従う)。

※遮光シールドで目を保護し、直視はしない。

2. 硬化後、ウェッジ、ストリップスを除去する。

※口腔内に落とさないように注意する。

※照射が不十分と思われる部位があれば 追加照射する。

※コントラクションギャップ防止のため最初に

口蓋側から光照射を行うこともある。

3級コンポジットレジン修復

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8.仕上げ

【到達目標】

3級コンポジットレジン修復の適切な仕上げができる。

【ポイント】

歯質との境界を移行的に修正する。

摩擦熱が発生しないように考慮する。

3級コンポジットレジン修復

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8-1.準備する器具

スーパーファイン

ダイヤモンドポイント

ホワイトポイント

研磨用ディスク(粗) 仕上げ用カーバイドバー

今回は使用しない 今回は使用しない

今回は使用しない

研磨用ストリップス

(荒:ブルー)

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8-2.仕上げ(形態修正)

1. 形態修正を行う。 ※摩擦熱に注意する。

※歯質との境界を移行的に修正する。

※歯質を削らないように注意する。

※必要に応じてエアタービンとマイクロ モーターを使い分ける。

【使用するバー・ポイント】

研磨用ディスク(粗)

仕上げ用カーバイドバー

スーパーファインダイヤモンドポイント

ホワイトポイント

3級コンポジットレジン修復

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【患者説明】

むし歯を削って歯と同じ色のプラスチック材料を詰めました。

プラスチックが完全に固まるには24時間以上かかります。次回磨きますので来院してください。

はい、分かりました。

ありがとうございました。

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9.修復物のチェック・研磨

【到達目標】

3級コンポジットレジン修復の適切な研磨ができる。

【ポイント】

填塞後、24時間以降に研磨を行う。

摩擦熱が発生しないように考慮する。

3級コンポジットレジン修復

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9-1.準備する器具

研磨用ストリップス 研磨用ディスク(粗~細)

シリコーンポイント ゴム製研磨材 ホワイトポイント

各種研磨用器具

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9-2.修復物のチェック

1週間経ちましたね。

いかがですか。

とくに問題はありません。

それでは仕上げの磨きをしましょう。

お願いします。

【チェック項目】

・歯髄の状態

・色調の調和

3級コンポジットレジン修復

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9-3.最終研磨

1. 各種研磨用器具を用いて、仕上げ・研磨を行う。 ※低速、軽圧にて行う。

※摩擦熱に注意する。

※部位に応じた研磨用器具を選択する。

※オーバーハングの取り残しが無いことを確認する。

2. 隣接面は研磨用ストリップスを用 いる。

※接触点を削り過ぎないように注意

する。

【使用する器具】 各種ポイント

研磨用ディスク

研磨用ストリップス

3級コンポジットレジン修復

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【患者説明】 治療はこれで終わりです。

むし歯にならないように

メンテナンスを行っていきます。

半年後に来院してください。

ありがとうございました。

3級コンポジットレジン修復

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10.術後管理

【メンテナンス時のチェック項目】

修復物の脱離の有無

辺縁の適合性

二次う蝕の有無

摩耗の有無

修復物・歯質の破折の有無

色調の調和(修復物の変色・着色、辺縁部の着色)

歯髄の状態

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