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1

3Dプリンティングによる次世代の製品開発・製造プロセス

明治大学 理工学部 機械情報工学科

舘野寿丈

2

• 3Dプリンタの仕組み

• 3Dプリンタの特徴が生み出す設計における価値

Rapid prototyping 迅速試作

Rapid manufacturing 迅速製造

Additive manufacturing 付加製造

内容

3

• Rapid Prototyping (RP)試作を迅速に行う方法

• Rapid Manufacturing (RM)RPによる試作物をそのまま実用物とする方法

• Additive Manufacturing(AM)付着加工の方法として ASTMにて定義

3Dプリンタの名称

4

Additive Manufacturingの種類

• 7つの種類

• ISO/ASTM 標準化が開始されている

• 液槽光重合(Vat photo-polymerization)

• シート積層造形(Sheet lamination)

• 結合剤噴射(Binder jetting)

• 材料押出(Material extrusion)

• 材料噴射(Material jetting)

• 粉末床溶融結合(Powder bed fusion)

• 指向エネルギ堆積(Directed energy deposition)

5

• Rapid Prototyping (RP)試作を迅速に行う方法

• Rapid Manufacturing (RM)RPによる試作物をそのまま実用物とする方法

• Additive Manufacturing(AM)付着加工の方法として ASTMにて定義

試作ツールとしての価値

6

• 試作と修正を繰り返すことが多い

• 繰り返しを減らすことが開発リードタイム短縮につながる

製品の開発設計プロセス

試作設計 実験 評価

設計・製図クレイモデル・実機試作

感性試験・実機試験 意思決定

7

• バーチャル環境でのループを活用

• 修正が容易

• データの再利用・活用が容易

製品の開発設計でのコンピュータ支援

試作設計 実験 評価

設計・製図 クレイモデル・実機試作

感性試験・実機試験

3D-CADモデルによるデジタルモデリング

シミュレーション

意思決定

バーチャル

リアル

VR提⽰最適化

8

• デジタルデータを直接実体に変換できる

製品の開発設計でのコンピュータ支援

試作設計 実験 評価

設計・製図 クレイモデル・実機試作

感性試験・実機試験

3D-CADモデルによるデジタルモデリング

シミュレーション

意思決定

バーチャル

リアル

3Dプリンタによる試作

VR提⽰最適化

9

• 製図・試作の時間を短縮できる

製品の開発設計でのコンピュータ支援

試作設計 実験 評価

設計・製図 クレイモデル・実機試作

感性試験・実機試験

3D-CADモデルによるデジタルモデリング

シミュレーション

意思決定

バーチャル

リアル

3Dプリンタによる試作省略できる

VR提⽰最適化

10

新しいものづくりプロセス

要求されるスキルが多様なため,適切な試作サービス会社を見つけるのが困難

要求されるスキルが限定されるため多くの試作サービス会社で対応可能

• 試作のコスト

人件費

材料費・設備費

材料費・設備費

人件費

材料費・設備費

人件費 将来,試作コストは下がる可能性

⼈件費と材料費・設備費の割合イメージ

従来の外注試作

AMの外注試作

将来AMの外注試作

11

• サポート材は装置の種類によって異なる

• 時間を要するが,必須の作業

サポート材除去作業

造形部分に⽀持がないと重⼒により変形する

隙間をサポート材で埋めたり,柱で⽀えながら造形する

12

• 試作サービスにおける障がい者・高齢者就労の可能性

新しいものづくりの連携

要求されるスキルが限定されるので,障がい者や高齢者などの就労機会提供となる可能性

⽇刊⼯業新聞2014,5,28付紙⾯掲載の図を⼀部改変

エンドユーザー・メーカー・医療法⼈・コンシューマー

3Dプリントサービス企業

障害者就労⽀援事業所東久留⽶市

機械振興協会・技術支援・プリント機器貸し出し・作業スペース提供

協調

サポート

下請け納品納品

プリント発注

13

• Rapid Prototyping (RP)試作を迅速に行う方法

• Rapid Manufacturing (RM)RPによる試作物をそのまま実用物とする方法

• Additive Manufacturing(AM)付着加工の方法として ASTMにて定義

迅速製造ツールとしての価値

14

• 一部の3Dプリンタの価格が安くなった(一般の人でも手に入る)

• インターネット販売の普及(個人で製品を作って販売できる)

• 操作が簡単(試作のスキルがほとんどいらない)

生産革命:MAKERS 個人による「ものづくり」

15

• 試作・少量の生産に向いている

• 大量生産には向かない

3Dプリンタの造形時間とコスト

生産準備(型を作る) 製造 製造 製造

生産準備

製造

時間コスト

型を使う製造

3Dプリンタ 製造 製造

16

• 大量生産販売には分業が最も効率的

• 後戻りのプロセスを減らすことが大切

設計・製造・販売のプロセス(現状)

製品A 製品B 製品C 製品D

企画

設計

製造

販売

17

• カスタマイゼーション

• 後戻りのプロセスを有効に活用し,かつスピードアップを図る

• 3Dプリンタの活用で大きく変わる可能性

顧客指向の設計・製造・販売

製品A 製品B 製品C 製品D

企画

設計

製造

販売

顧客 顧客 顧客 顧客

プロ

ジェ

クトA

プロ

ジェ

クトB

プロ

ジェ

クトC

プロ

ジェ

クトD

18

小さな組織のネットワークによる製品開発・生産

• オープンイノベーションの形態

• 企業間のネットワークによる協業

企画

設計

製造

販売プロ

ジェ

クト

プロ

ジェ

クト

プロ

ジェ

クト

A社 B社

D社

D社

C社 プロ

ジェ

クト

A社

A社A社

D社

D社

製品A 製品B 製品C 製品D顧客 顧客 顧客 顧客

19

• 個別生産に向けた異種業界間の柔軟な連携

新しいものづくりの連携

インターネットと工場がつながる

ビジネスと製造がつながる

アドホックなネットワークの形成

企画

設計

開発

加⼯組⽴

販売

保守

20

複雑な製品の個別生産

• 量産モジュールとプリントモジュール

決まっている機能は,従来の方法により量産モジュールとして製造する

顧客の個別要求に合わせた機能は,AMによりプリントモジュールとして製造する

21

• Rapid Prototyping (RP)試作を迅速に行う方法

• Rapid Manufacturing (RM)RPによる試作物をそのまま実用物とする方法

• Additive Manufacturing(AM)付着加工の方法として ASTMにて定義

新たな加工ツールとしての価値

22

• 物体内部の加工が可能

• 異なる材料の一体成形が可能

加工原理

切削,研削など

カッター

対象物

除去加⼯

対象物

変形加⼯ 付着加⼯

板⾦曲げ,射出成形など

材料を追加して成形

ヘッド

対象物

材料を削ることで成形型にはめるなど,材料を変形させて成形

溶接,接着などAMも含まれる

23

• 物体内部の加工

• 最適化された形状の作製

• 一体化設計

革新的な製品

24

• 製品の一体化設計

新しい製品開発

組み立て作業をしない一体化設計に期待

プリントモジュール:ユーザ依存性や付加価値の高いモジュールをAMで製造

構造を複雑化できる 全⾃動化できる 組み⽴て作業を省略できる ⼀定の幾何精度を確保できる ブラックボックス化できる

25

• AMは3D-CADと共に,開発設計プロセスの効率化に寄与してきた

• 試作プロセスにおいては,試作サービス会社の形態が多様化する可能性がある

• 製造プロセスにおいては,アドホックな組織ネットワークによるカスタマイズサービスが期待される

• 製品開発においては,一体化設計の特徴を活かした製品が期待される

まとめ

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