国立大学法人 山口大学...

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環境方針(1)事業活動における環境負荷の低減 (2)環境貢献技術の創出(3)環境モラルの醸成 (4)地域との協調・コミュニケーション (5)法規制の遵守とマネジメントシステムの整備 ・充実

環境報告書2014ダイジェスト版国立大学法人 山口大学

En v i r o nmen t a l R e po r t 2 0 1 4

トップメッセージと環境理念【 表紙の写真:図書館 】

山口大学キャラクター「ヤマミィ」Ⓡ

国立大学法人山口大学  学長  岡 正朗

やっちょるよ! 1にリユース 2に節電やっちょるよ! 1にリユース 2に節電

 山口大学は、 8 学部 9 研究科を有する総合大学です。 1815 年 (文化 12 年)、 長州藩士 上田鳳陽先生によって創設された私塾 「山口講堂」 が源流であり、 2015 年には創基 200 周年を迎えます。 また、 明治維新を成し遂げた地にある大学であり、 新たなチャレンジ精神が満ちた独特の雰囲気が漂う場所にあります。 この精神は、 大学の理念 「発見し ・ はぐくみ ・かたちにする 知の広場」 に受け継がれ、 教育 ・ 研究 ・ 社会貢献により地域の発展、 日本そして世界の発展に貢献することを目指しています。 環境に関しても同様です。 本学は地球温暖化対策に関して 「環境マネジメントシステム体制」 を構築し、 環境マネジメントに関するPDCA (Plan・Do・Check・Action) サイクルを推進しています。 大学の教育 ・ 研究環境は高機能化や快適性の向上が求められる施設に対して消費エネルギーがどこまで軽減されるか取り組んでいます。 また教育面では学生 ・ 教員 ・ 職員が共に力を合わせ、 共に育み、 喜びを分かち合う " 山大スピリット " により地球温暖化対策に関してチャレンジする人材を輩出します。 一方の研究面では、 環境保全に関する優れた研究を世界に発信します。 さらに地域の皆様や地元との結びつきを強固にし、 環境保全および地域に求められる大学として社会貢献を推進していきます。 山口大学は地球温暖化対策に関してまた省エネに対しても皆様と共に歩みたいと思います。

環境理念 国立大学法人 山口大学は、「発見し・はぐくみ・かたちにする知の広場」の理念のもと、地域共生型キャンパスの創生と持続的発展可能な社会形成への貢献に努めるとともに、教職員、学生が自らの意欲を高め、その持てる能力を十二分に発揮して、地域環境の保全と環境負荷の低減をめざした取組み・活動を行います。

環境マネジメント体制

環境マネジメント対策推進会議

エネルギー管理地区責任者

最高管理責任者(学 長)

環境責任者、エネルギー管理統括者(財務施設担当副学長)

環境マネジメント対策部会

専門ワーキンググループエネルギー管理員

部局環境責任者

環境配慮推進員

構成員

環境マネジメント対策推進会議:  大学の環境方針、環境マネジメント中期計画,環境目標,行動計画の策定及び推進、環境報告書に関すること。エネルギー使用の合理化に関する取組方針,管理標準及び中長期計画、その他。

環境マネジメント対策部会:環境マネジメントの目標及び計画の立案・環境報告書の作成

環境配慮推進員:部局等における環境マネジメント推進に関する実施業務環境監査員:環境報告書の評価

環境マネジメント体制

環境マネジメントシステム

Plan

DoCheck

Action

監査による評価

 山口大学の環境マネジメント(PDCA)サイクルPlan:環境マネジメント推進会議が中期目標・目標年次目標等の計画を立案する。Do:各部局等で具体的な事項を実行及び運用する。Check:実行結果を 環境マネジメント対策部会議において評価を行う。Action:実行結果の見直を行う。

環境マネジメントシステムと PDCAサイクル

環境リスクマネジメント(1)自然災害・事故等に対する体制 (2)労働災害の防止に対する体制(3)化学物質の安全管理に対する体制

学 長

部 局 長

化学物質安全管理者

化学物質管理取扱責任者

化 学 物 質 取 扱 者

部局等委員会

化学物質安全管理委員会

化学物質統括安全管理者(人事労務担当副学長)

化学物質の安全管理体制図

 山口大学では共通教育において基礎知識を学び、その上で専門課程において様々な環境に関する授業を学ぶことにより、持続的発展可能な社会の構築に貢献できる創造性豊かな人材の育成を目的として開講しています。

共通教育:環境と人間教育学部:地理学II、欧米言語文化入門III、環境と生物、野外運動論、国際理解教育論経済学部:環境経済学理 学 部:環境化学、分析化学実験、有機化学実験、地球環境問題と法規制、地球環境変遷医 学 部:環境・予防医学ユニット、生活習慣病・疫学・地域医療、衛生統計・保健医療学、社会医学

基本実習、社会医学課題実習工 学 部:環境保全工学/循環型社会システム論、社会建設基礎工学、衛生工学Ⅰ・Ⅱ、建設環境工

学、化学物質リスク論、環境分析化学、環境概論、循環環境工学実験、環境管理論農 学 部:環境化学、環境微生物学、生産土壌学、植物栄養・肥料学、環境遺伝生化学、土壌微生物

学、基礎土壌学、環境物理学、環境計測学、土壌生化学実験、フィールド演習、環境生化学実験、農業気象学、環境植物学実験

共同獣医学部:獣医衛生学、獣医衛生学実習、公衆衛生学

環境マネジメントシステムの充実に努力しております

環境教育と安全教育

化学物質関連の講演会

附属学校における環境教育への取組

附属山口中学校の池の掃除

様々な環境教育を行っております環境教育 

マネジメントシステムの整備・充実

環境モラルの醸成

山口大学環境報告書2014

山口大学環境報告書2014

薬品調査の説明会 木を育てる仕事の説明会

地域

やっちょるよ! 1にリユース 2に節電やっちょるよ! 1にリユース 2に節電

総エネルギー量(524,707 GJ)   (原油換算量 13,537 kL)

上水  345 千m3井戸水 30 千m3雨水   1.6 千m3

紙類購入量 123t

温室効果ガス排出量      38,699 t-CO2

総排水量  357 千m3

電力     45,005 千kWh都市ガス   537千m3液化石油ガス 351 m3A重油    1,465kLその他油   109kL

化学物質23.5t、実験器具、グリーン調達物品、木材等

山口大学の教育・研究・社会貢献活動等

一般廃棄物    702 t産業廃棄物    639 t特別管理産業廃棄物 438 t実験廃液       28 tPRTR(第一種)     5 t  

電力     33,214t-CO2都市ガス  1233t-CO2液化石油ガス  2.0 t-CO2A重油    3,969 t-CO2その他油    281t-CO2調整前温室効果ガス排出量

CO2排出量の推移

CO2排出量面積原単位の推移

原油換算エネルギー消費量原油換算エネルギー内訳

マテリアルバランス

紙類購入実績

475 584 549 546 619 639

一般廃棄物推移 産業廃棄物推移

法令遵守しています

山口大学の環境負荷の内訳2013 年度の CO₂ の排出量は 35,729t と、前年度より8,284t 増加しました。全学面積原単位で CO₂ の排出比で 29.2%増加しました。主な原因は、電力の CO₂ 排出係数が昨年よりも約 33%高くなった事によります。

低濃度PCB変圧器の保管 学内の排水検査 学内排水の水質表示

事業活動における環境負荷の低減

法規制の遵守

山口大学環境報告書2014

山口大学環境報告書2014

域貢献

てくてく隊 「大人の天気」講座 峨眉山のゴミ拾いをする子供達クリーン作戦実施風景

学内排水、附属学校の調査を行いました。また学内の排水のphのチェックを行っております。学内の実験室、廃液処理施設について作業環境を行い安全であることを確認しております。

公開講座の解説、地域とのクリーン作戦、学内の案内を行い地域住民とコミニュケーションを行っております。地域住民とコミニュケーション

やっちょるよ! 1にリユース 2に節電やっちょるよ! 1にリユース 2に節電

国立大学法人山口大学 〒753-8511 山口県山口市吉田1677-1 TEL 083-933-5000(代表) URL http://www.yamaguchi-u.ac.jp/連絡先  施設環境部施設企画課  TEL 083-933-5125  FAX 083-933-5141  E-mail : si097@yamaguchi-u.ac.jp

編集 環境報告書専門ワーキング   大学研究推進機構准教授(編集長)藤原  勇   人文学部言語文化学科教授    Hintereder-Emde Franz   大学院理工学研究科教授     石黒 勝也   大学院理工学研究科准教授    村上ひとみ   大学院医学系研究科講師     田邊  剛   大学研究推進機構技術職員    山野 聖子   施設環境部施設企画課長     岡田 吉彦

廃棄物からのレアメタルの分離回収に関する研究            大学院理工学研究科 教授 新苗 正和

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 生活空間デザイン学研究室の学生は、下関市菊川町で毎年行われている「貴和の里につどう会」主催の都市農村交流イベントに参加しています。「貴和の里につどう会」が主催するイベントは、集落内にある民家・廃校・農地・山林などの資源を再生・活用したもので、現代に生きるわたしたちが普段経験できないような体験をすることができます。集落が高齢化・人口減少という問題を抱える中、に都市部で生活する人たちに農村の暮らしを体験してもらうことで、その魅力を伝えるという目的があります。「農村部における新たなコミュニティづくり」であるこの取り組みの中で、参加を通して、今後の地域社会にとって必要な組織や仕組みづくりなどを実際に現地で学んでいます。都市農村交流イベントで、「筍掘り」と「稲刈り」に参加しました。貴和の里の中には広大な竹林が広がっており、春にはたくさんの筍を「自分で見つけて」鍬を使って「自分の力で掘る」という体験しました。稲刈りも同様に体験しました。これは田植えから稲刈りまでの間の水田の管理がきちんと行われているからこそ成立する行事で、そこには華やかなイベント時に見えない努力が存在しています。地域に残された豊かな自然環境や知恵と技術を次の世代に継承していくためには、日々の取り組みが大切であり、今後は裏方の作業にも協力していきたいと考えています。

 日本は資源の少ない国です。小型家電リサイクル法に見られるように,日本国内で製品として使用された後の廃棄物などからレアメタルを回収してリサイクルするシステムの構築が強く望まれています。例えば,リチウムイオン電池は,パソコンや携帯電話など多くの機器の二次電池として使用されています。また,近年では地球温暖化問題から二酸化炭素排出量削減という観点で,電気自動車などの普及が促進されています。使用済みリチウムイオン電池や石油脱硫触媒などの廃棄物からレアメタルを分離回収する研究に取り組んでいます。リサイクルプロセスは,まず解体,粉砕,篩分け,磁力選別などの工程で電極材を含むダストを回収、次に化学的処理プロセスで塩酸によりレアメタルを含む金属を浸出し,EHPNA(2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルエステル)とTOA(トリ-n-オクチルアミン)の抽出剤を用いて溶媒抽出法によりコバルトをリチウムと分離・回収できることが分かりました。

貴和の里との交流                    大学院理工学研究科  中 純一

筍掘

備蓄倉庫及び防災トイレベンチ

山口大学吉田キャンパス内のチョウナミアゲハ , キアゲハ ,モンシロチョウ

トピックス

 昆虫の中でも,チョウは, クワガタやカブトムシと並ぶ,大変身近で親しみのある昆虫だと思います。多くの方は, 小学生の時にモンシロチョウを飼育したり, 昆虫の体は, 頭・胸・腹に分かれ,6本の脚を持つ,胸部に翅を持つものもいること, さらには,ホルモンの調節により昆虫の変態・脱皮が引き起こされることを学んだ方もいるでしょう。 現在, 私は山口県の大変恵まれた環境をもとに, チョウの環境適応に関する研究を進めています。チョウが環境にどのように応じて、その表現型などを変えています。キタテハの成虫は, 幼虫期の日長と温度によって翅の色彩パターンを変える季節型を持ちます。ナミアゲハは蛹になる場所の環境が異なると, 緑型あるいは褐色型の体色に変化します。ジャコウアゲハでは, 蛹になった時の周囲の湿度の違いにより, 蛹を枝や幹に固定しておく糸の色が変化します。

チョウの環境応答 ~環境がもたらす表現型の多様性~        大学院理工学研究科  准教授 山中 明

○ 参考文献:「環境報告ガイドライン(2012年度版)」・「山口大学2013要覧」○ 対象期間: 2013年4月1日~2014年3月31日○ 発 行 日: 2014年9月○ 対象範囲: 山口大学吉田、小串(附属病院を含む)、常盤キャンパス、教育学部附属学校(山口、光地区)を含む○ WEB配信: http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fms-01/kankyo/kankyo_index.html

 本研究室では炭素循環に関わる微生物について、微生物生態学的および産業利用可能性の観点から研究しています。炭素循環には微生物を含めた生物の代謝が大きく貢献しており、『有機炭素が生分解されて無機炭素(CO2)となる』プロセスと逆の『無機炭素(CO2)から有機炭素が生合成される』プロセスが存在します。後者のプロセスに関わる役者として“微細藻類”があり、アスタキサンチンを生産する微細藻類モノラフィディウム属GK12株の産業利用可能性を研究しています。アスタキサンチンは、高い抗酸化活性を持つカロテノイドで、医薬品、食品、化粧品、養殖魚の色揚活性が知られています。モノラフィディウム属GK12株は微細藻類で無機塩培養液で良好に生育することから、屋外培養でも良好な生育が観察され、実用化に期待できる生産株であるデータが得られ、養殖クルマエビに与えたところ、天然クルマエビと比較しても遜色のない色揚効果が確認されました。

微細藻類を使った、安価で効率的な有用物質生産法            農学部生物資源環境学科 准教授 藤井 克彦

 国的に、巨大地震に備えた防災対策への関心が高まってきています。近年、地球温暖化に伴う異常気象から集中豪雨災害が頻発しています。本学は、防災対策の整備事業として、吉田キャンパスの第1・2体育館及び第1・2武道場を山口市の地域住民の避難施設として整備しました。2013年度には、これらに隣接した位置に災害に使用可能な備蓄倉庫、防災用トイレ、炊き出し用かまど、防災井戸および太陽パネルを新しく設置しました。

大学施設の防災機能の向上                       施設環境部 施設企画課長  岡田 吉彦

防災井戸防災かまどベンチ 防災用太陽パネル

微細藻類のビニールハウス培養

やっちょるよ! 1にリユース 2に節電やっちょるよ! 1にリユース 2に節電

コバルトとリチウムの抽出曲線

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