第21回 防衛省 政策評価に関する有識者会議 ·...
Post on 14-Jul-2020
1 Views
Preview:
TRANSCRIPT
第21回 防衛省
政策評価に関する有識者会議
平成27年8月20日
- - 1
午後2時01分 開会
○山谷座長 それでは、ただいまから第21回防衛省政策評価に関する有識者会議を開催いたし
ます。
皆様、ご多用のところ出席いただきまして、どうもありがとうございました。
議事に入る前に、事務局からご挨拶がございます。
○豊田官房長 大臣官房長の豊田でございます。
本日はお忙しい中、委員の皆様には防衛省政策評価有識者会議にご出席賜りまして、誠にあ
りがとうございます。
本制度につきましては、平成13年の中央省庁等改革を機に導入されまして、政府全体として
実効性の向上と国民への説明責任を果たす観点から、さまざまな取り組みを進めてまいったと
ころでございます。
私ども防衛省におきましても、防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画の主要政策に関しまし
て、目標管理型の政策評価によりまして、評価の効果的・効率的な実施に取り組んでいるとこ
ろでございます。
また、防衛省では、本年中に防衛装備庁の発足を始め、大規模な組織改編を予定いたしてお
るところでございます。この再編を巡ります議論の一つに、いかに防衛装備庁が外部有識者の
皆様の意見をくみ取り、適正な業務を行うのかという点のご指摘があったところでございます。
このように防衛省にとりまして、有識者の皆様のご意見を得る機会というのは非常に重要な
ものと考えている次第でございます。
本日は、政策評価の充実を図る上で皆様から率直なご意見を賜るとともに、委員の皆様から
忌憚のないご意見をいただいて、私どもの政策に反映できればというふうに思っております。
どうぞよろしくご指導賜りますよう、お願い申し上げます。
○武藤審議官 大臣官房審議官の武藤でございます。
本日は皆様お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
政策評価制度に関しましては、政府全体としてもPDCAを軸としたマネジメントサイクル
の観点、あるいはその評価の、説明責任の徹底と、そういった観点から行政事業レビューとの
連携、あるいは評価の重点化・標準化に取り組んできているところでございます。
なお、私は行政事業レビューの担当もしておりますので、6月に公開プロセスが防衛省で行
われまして、そちらのほうにも参加させていただいたのですが、そちらでもいろいろと率直な
ご意見を賜ったところでございます。防衛省といたしましても、この行政事業レビューと政策
- - 2
評価、一方ではその役割分担の明確化ということも必要でしょうし、また、同時にその2つの
有機的な連携といったようなことにも取り組んで、わかりやすい政策評価を実現していくとい
うことが大事であろうと思ってございます。
本日は、幅広い、また忌憚のないご意見をいただければと思います。よろしくお願いいたし
ます。
○萬浪企画評価課長 官房長と審議官は所用のため、ここで退席させていただきます。
(豊田官房長、武藤審議官 退席)
○萬浪企画評価課長 なお、本日、宮崎委員はご欠席の連絡をいただいてございます。
それでは、座長、よろしくお願いします。
○山谷座長 それでは、議事に入らせていただきます。
本日の議題は、平成27年度の政策評価についてです。それでは、事務局からご説明をお願い
いたします。
○弘末評価班長 それでは、事務局から説明をさせていただきます。
それでは、本日の、まず次第についてご説明をさせていただきます。
まず、議題1で、本日の政策評価対象の項目につきまして、事務局からご説明させていただ
きます。次に議題2では、事前の事業評価のうち、新規研究開発事業1件、租税特別措置等1
件につきまして、それぞれの事業担当課から説明をさせていただき、残りの研究開発5件につ
きましては、事務局からまとめて概要説明をさせていただきます。実績評価につきましては、
25施策が対象でございますが、代表の施策について事務局から説明をさせていただきます。
以上の次第によりまして、本日の会議は、おおむね2時間を予定しております。
それでは、議題の1の説明をさせていただきます。
1ページでございますが、これは政策評価の対象項目の枠組みについて記載をしております。
本日は、事前の事業評価及び実績評価としての目標管理型の政策評価手法に該当する施策を対
象としております。
2ページですが、上段に防衛省の政策体系を記載しております。防衛省の政策体系は、大綱、
中期防に基づきまして基本目標を設定しております。その基本目標から政策分野として4つの
政策分野を設けております。各政策分野に25施策を設定しております。本日は、事前の事業評
価につきましては7件、実績評価は25施策ということで、委員の皆様のご意見を賜りたいと思
います。よろしくお願いします。
3ページ目でございますが、事業評価の案件の一覧になってございます。6件の研究開発事
- - 3
業と1件の租税特別措置等となっております。
次の4ページ目でございますが、目標管理型の政策評価の25施策になっております。4色で
区分をしてございますが、この色分けは政策分野毎になっております。なお、租税特別措置等
に関しましては、昨年もこの場で委員の皆様の意見をいただいた案件でございますが、結果的
に実現に至らなかったため、今年も要望しているものでございます。
では、議題2の平成27年度の政策評価書について、説明をさせていただきます。資料2に概
要、資料3に政策評価書の取りまとめをさせていただいております。目標管理型の政策評価に
つきましても資料2で概要、資料4、5に事前分析表、モニタリングに関する資料とまとめて
おります。
なお、委員の皆様からいただいたご意見につきましては評価書等にご意見として記載をさせ
ていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、まず研究開発事業の事前の事業評価ということで、資料2の5ページ、可変深度
ソーナーシステムについて、経理装備局の艦船武器課から説明をお願いいたします。
○艦船武器課担当 それでは、可変深度ソーナーシステム(バイ/マルチスタティック用)の
研究開発、これは事前の事業評価でございますが、資料2でご説明をさせていただきたいと思
いますので、よろしくお願いいたします。
○艦船武器課担当 5ページの初めに、可変深度ソーナーシステムの運用のイメージを示して
おります。ソーナーシステムということで、この中で赤色で示した捜索対象となる潜水艦を中
央部分に黄色で示しましたアクティブソーナーとして音を発する音源部、それに加え、発した
音が潜水艦から反射してくるものを受ける受波部から成る可変深度ソーナーシステムを開発す
るものでございます。
既存装備としまして、艦首ソーナーがございますが、この装備では捜索対象となる潜水艦の
静粛化やステルス化への対応が困難になりつつある現状がございまして、この音を発する音源
部の位置の深さを変えることで、潜水艦の探知能力を向上させるための開発でございます。
それに加えまして、既存の艦首ソーナーや本可変深度ソーナーシステムを搭載した他の艦と
も連携することで、さらに潜水艦の捜索能力を向上させることを狙う開発でございます。
開発試作の総経費としましては、約151億円を予定しております。期間は平成28年度から平
成32年度までで、開発試作の中で設計や試作品の製造を行った後、試験評価を実施する計画で
ございます。
必要性でございますが、中期防衛力整備計画におきましては、複数のソーナーの同時並行的
- - 4
な利用ということで、潜水艦に対する探知能力を向上させたソーナーの研究に取り組むことと
しており、この可変深度ソーナーシステムにつきましては、平成24年度からコアとなる技術に
ついての研究を実施しているところでございまして、潜水艦の静粛化などの状況を考慮します
と、研究から開発に移行する見通しが得られていることから、現時点で早期に可変深度ソーナ
ーシステムの開発に着手することとしています。
また、防衛生産・技術基盤戦略におきましては、光ファイバーを使用した受波器の技術につ
いては世界的に高い水準にあり、今後の方向性としまして複数のソーナーの同時並行的な利用
による探知能力の向上といった防衛需要ベースの先進技術に関する研究開発を重点的に実施す
るということとされております。
6ページをご覧いただきまして、効率性についてですが、受波器に従来では圧電素子を利用
した圧電方式を採用していましたが、その方式に換えてこの事業では光ファイバーを用いるこ
とで使用する部品を交換する間隔を延ばすことができることによりライフサイクルコストの抑
制を行うとともに、事業中におきましても、性能だけでなく経費等の観点からもトレードオフ
スタディを行いまして、経費の抑制を図る予定でございます。
また、平成24年度から27年度にかけて実施しております可変深度ソーナーシステム研究にお
いて得られておりますバイ/マルチスタティック戦術という複数の艦を相互に連携させて捜索
するという戦術に関する成果を反映させまして、効率的な経費の抑制と開発期間の短縮を図る
予定でございます。
続きまして、有効性についてですが、護衛艦の対潜戦の優位性を確保できる装備品を実現す
るために技術的知見を得ることとしており、技術的な課題としまして4つ挙げております。
1つ目はえい航音源送波技術でございます。これは、護衛艦からえい航するえい航体、音源
部の送波器、また、水中の流れに対する抵抗を減らすケーブル等に関する技術を確立するもの
でございます。
2つ目は受波アレイ技術でございます。光ファイバーを使った受波器方式により構成される
この曳航式のソーナー技術を確立しまして、従来のえい航式ソーナーではできないような潜水
艦の方位の左右弁別ができる技術を確立するものでございます。
3つ目は、吊下揚収部技術でございます。これは、音源部及び受波部につながる長いケーブ
ルを、艦上で巻き出したり巻き取ったりする効率的な技術に関するものでございます。これに
関しては光ファイバーを受波部に採用するため、光ファイバーの受波信号を艦上の処理部へ送
る機構を設計するとともに、従来の装備品よりも省人化と自動化を可能とするような吊下揚収
- - 5
部技術を確立するものでございます。
最後に、バイ/マルチスタティックの信号処理技術でございますが、バイ/マルチスタティ
ック戦術のために複数の艦艇で連携するための検出した音響の信号の処理、自艦や僚艦によっ
て連携して探知した情報を統合的に処理に関するもの、また、他の艦をどこに配置すべきかリ
コメンドする技術を確立するものでございます。
効果の把握の方法でございますが、試作品の設計製造及び試験を実施しまして、機能、性能、
の確認と技術を検証します。また、試作品の設計製造におきましては、技術審査を実施いたし
まして、この設計の技術的妥当性を確認します。さらに、国の研究開発評価に関する大綱的指
針に則りまして複数回の研究開発評価を実施しまして、適切に事業を実施してまいります。
最後に、今後の予定等につきましては、評価の結果を踏まえまして、平成28年度の概算要求
を実施する予定としております。また、事後検証につきましては、目標管理型政策評価におき
まして、施策レベルの政策評価で検証をしていく予定でございます。
説明は以上です。
○山谷座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問、ご意見ございましたら、どうぞよろしく
お願いいたします。
私のほうから確認ですが、今後の予定等で評価の結果を踏まえ平成28年度概算要求を実施す
ると。この評価の結果とは、本日の会議結果までを含むと考えてよろしいでしょうか。
○艦船武器課担当 そのとおりでございます。
○山谷座長 よろしいですね。ということは、理論上、理屈の上ですが、ここでノーとなった
ら予算要求はしないということになるのですか。
○艦船武器課担当 そのようなこともあり得ます。
○山谷座長 わかりました。ありがとうございます。
ほかの委員の方々、いかがでしょうか。
○山田委員 このような技術というのは、国際的に見てどういう水準にあるのですか。
○艦船武器課担当 光ファイバーを水中で音を検知するセンサーとして使用できることは、我
が国独自の技術でございます。単に他国では有していない技術という点だけでなく、高精度化
を実現し、パッシブソーナーとしても、捜索目標が左右どちらに潜んでいるのかというのが従
来技術より効率的に把握できる技術の実現が期待されるものです。
○山田委員 性能的には非常に国際的に見ても高い最先端のレベルの成果を出そうとしている
- - 6
ということですね。
○艦船武器課担当 そのとおりでございます。
○佐藤委員 ちょっとよろしいですか。前から申し上げているのですが、こういうものを我々
が評価するのは、非常に難しいですね。我々には、これを良い、悪いというほどの知見もござ
いませんし、そもそも前にもう4年間ぐらい研究をされて、その成果を踏まえて今後やるわけ
ですから、それを我々がノーと言うとか、そういうことは非常に難しいと思います。
ですから、その結果を踏まえてと言うけれども、なかなかそれは難しいと思うのが1つと、
それから、多分この光ファイバーだけではなくて、私の知っている限りでは、この技術の中で
マルチスタティックの運用というのは、多分どこの国もまだやっていないと認識しています。
いろんな国がトライをしているけれども、まだ完成したものはないというふうに私は理解して
います。
ですから、この技術というのは、恐らくソフトウエアの処理になるんでしょうけれども、音
の部分のソフトウエアの処理は大変難しいと思いますので、そういう意味では大変高度なとこ
ろを狙っているというふうに私は理解しています。その上で、日本は海に囲まれた国ですから、
私はこういう高度のものを狙って日本の安全に寄与するということは非常に重要だと思います。
細かいことはわかりませんけれども、是非頑張って世界一流のものを作っていただきたいと。
それが本当にいいものであれば、輸出の三原則も変わったわけですから、日本の安全保障に資
するのであれば、それを輸出できるようなものを作り上げていただければなというふうに思い
ます。
○細谷委員 私もよろしいですか。今、既にほかの委員の先生方がおっしゃっていたことと重
なってくるのですが、1つは技術的にどの程度必要なのかということは、もちろんあらゆる技
術がより性能が高いものが必要なのは当然と言えば当然なわけであって、そういった意味であ
らゆる技術は必要ということは言えるかもしれませんが、ここの必要性の説明のところでよく
わからないのが説明の5ページのところですね。つまり、これを見る限りでは当然導入すると
いうことは必要ということになると思うのですが、恐らく目的が何なのかということが明確に
なって、初めてその目的に整合した必要性というものが議論できるのだろうと思います。
ここはあくまでも政策評価の有識者会議ということで、中・長期的にどういう政策を、日本
の防衛政策を進めていく上でこれが必要なのかということと恐らくセットでなければ適切な判
断というのはなかなか難しいのではないでしょうか。
よく言われているとおり、日本の対潜能力というのは、世界でも最先端だと思いますし、こ
- - 7
れは日本の防衛省・自衛隊としても日本が持っている対潜能力というのは、まず第一にこれは
攻撃目的ではなくて防衛目的、専守防衛であって、そして、より正確な情報を持つということ
は重要なことだと思うのですが、なかなかお答えにくい質問になってしまうかもしれませんが、
世界で最先端の対潜能力を持っていて、それが有効であるということを考えたときに、どうい
う目的で使うのかということとして、推測されるものは、当然ながらそれは南シナ海で利用す
るのかどうかということではないでしょうか。言うまでもなく、海南島に巨大な中国の海軍基
地があって、そしてその中国がSLBMでアメリカ攻撃が可能になっていると。南シナ海は非
常に深いですから、したがって対潜能力上、探知は非常に難しい場所ですから、とてもじゃな
いけれどもフィリピンやベトナムが持ち得る技術ではないわけですよね。
ですから、アメリカとの関係を考えたときに、当然ながら日本の非常に高い対潜能力で中国
の潜水艦の移動の経路というものを情報を探知してほしいということは、同盟国として当然だ
と思います。南シナ海はかなり恐らくセンシティブな問題であって、逆に言うと中国は、潜水
艦、核兵器を搭載した潜水艦の行動が日本に探知されることは、一番嫌がることだと思います。
ですから、これだけ高い、世界で最先端の探知能力を持つということが持つ政策的なインプリ
ケーションを考えたときに、果たして、例えば東シナ海だけで日本の防衛目的で考えるのか、
あるいは同盟国アメリカの安全を考えた上で、より広域で必要なのかということによって、コ
スト・アンド・ベネフィットが全く変わってくると思います。
そう考えたときに、つまり政策を考慮せずしてより高い能力があったほうが日本の安全に資
するというのはある意味では当然の議論だと思いますが、恐らくはこれだけ高い技術を、日本
が対潜能力を向上させていくということが持つであろうインプリケーションを考えたときに、
それはオーストラリアを初めとした友好国に対しての先ほどおっしゃったような武器移転とい
うものももちろん、経済的、産業的な理由からしたらもちろん考慮に入れてしかるべきかと思
いますし、中・長期的な見通しとして政策的な必要性、技術的な必要性はよくわかるのですが、
政策的な必要性をもしもわかる範囲で二、三教えていただけると非常に参考になるのですが。
○艦船武器課担当 当課は装備品等の開発の基本というところは所管しておりますが、政策と
なるとなかなか我々のほうから言えるところというのは微妙なところはあるのですが、当然こ
の開発に当たっては、海上自衛隊の運用場面を念頭に置いた上で、こういった開発をする必要
性があるというところは当然考えておりますけれども、我々もどこまで言えるのかというのが
正直、なかなか言える立場にないところでございます。
○細谷委員 この委員会の目的は、恐らく技術的な必要性を議論する場ではないと思います。
- - 8
つまり政策目的があって、その政策目標を達成する上で、その技術的必要性がどの程度適切か
どうかを判断する場だと思いますので、技術的により高い技術が必要だという、これは自明な
ことであって、それが果たして日本の安全に資するかどうか、平和と安定に資するかどうかと
いうことが恐らく重要な判断材料、それにかける費用に見合った目的を達成できるかどうかと
いうことになってくると思いますので、こういった資料をお作りいただくときに、単に技術的
な必要性だけではなくて、もう少し付加的な説明が、それは恐らく担当課が別だと思いますか
ら、事前にもう少しその必要性に関して十分に議論していただいて、この場で言えること言え
ないことは当然あると思います。特に南シナ海で適用するかどうかということは当然それは政
治判断ですからこの場で言えるはずがないのは当然ですが、しかしながら、技術を進歩させる
ことが持つ政策的なインプリケーションというのを無視して技術の議論は多分できないと思い
ます。それは非常にやはり危険ですし、不適切だと思うので、可能な範囲はかなり限られてい
ると思いますが、ほかの能力に比べると対潜能力は日本の持つ自衛隊の能力の中で傑出してい
る能力だと思います。国際的に傑出している能力だと思いますので、その能力を高めていくと
いうことは基本的に望ましいことだと思いますが、それが当然ながらそれだけ高い能力を持つ
ことによって、より強くアメリカから、米軍からそれを活用してほしいという要望が来るのは
自明なことだと思いますので、もしも米軍に対してそれは困るということを言ったら、では何
のためにそんなものを作ったのかと、使う場所はないではないかという、一番重要なのは南シ
ナ海ではないかということを言われたときに、どのように返答するかということですよね。そ
れは恐らく上の政治レベルでは適切な答えは難しいと思うので、下のレベルできちんと政治に
上げられるような議論というものを、ほかの課の方と調整していただければと。どちらかとい
うと要望です。
○萬浪企画評価課長 1点だけ、担当課からもお答えしましたが、5ページの一番下の箱のと
ころの一番目の丸に書いておりますけれども、この必要性の中に3行だけ記載しております中
期防衛力整備計画云々においてというのは、これは中期防衛力整備計画にそのまま書いてある
文言であります。
したがって、まさにおっしゃるような南シナ海でどのようなオペレーションをやるかという
のは政策判断といいますか、我が省だけではない高度な政策判断が要るところであります。
能力としてこのような、これは深深度ですけれども、ソーナーといったツールを警戒監視能
力の向上のために持つべきであるということは中期防で決定しております。
決定しているのはなぜかと言うと、もちろんそれは作りたいから作っているというだけでは
- - 9
なくて、まさに中期防あるいは防衛計画の大綱あるいは同時に決めた国家安全保障戦略等々の
中で、我が国の防衛において我が国自身が特に自衛隊の手段を用いてやる、やらねばならない
領域の一番大きなものの一つとして周辺海空域の警戒監視があるからです。
警戒監視においては、その中で監視される対象というのは空もあれば海もありますけれども、
海の中の潜水艦というのは何分ソーナーを使うしか見ることができず、かつ探知される側の船
がどこの国の船かというのを一々明示できるかどうかは別として、その中により静かに深く潜
ってしまう国が出てきていることは、これは逃れようがない事実だと思いますので、それに対
して対抗する力といいますか、警戒監視ということでチェックする能力を高めていくためには、
こういった研究開発が必要なのだということだと思います。
ただ、それは深深度における探知の能力を上げるものであって、深深度というのは日本の周
りには幾つか、それは東シナ海と沖縄といいますか、南西諸島の間もそうですし、太平洋にも
ありますし、はたまた南シナ海にもあるのは事実でありますので、そこでどう使うかというの
はもちろんまた政策的な判断が要るのだとは思いますけれども、そういったものに対応するた
めには、必要な能力であり、今後この趨勢でいくと、潜って近づいてくる潜水艦のほうの能力
も上がってくるということを考えますと5年、10年さらに先のための能力としては必要なもの
だという判断ではないかと思います。
○山谷座長 今いろいろご意見ありましたが、書きぶりを、5ページの必要性など、少し工夫
をしていただくということが必要かと思います。
それから、例えば効率性も、今の細谷委員のご説明を踏まえると、少し書き方が変わってく
るのではないかという気がします。今のままだと経費の抑制だけですけれども、コストベネフ
ィットのお話も出ましたが、やはり効率性なども単なる経費の抑制だけではなくて、少し違っ
た書きぶりもあったほうが政策評価らしくてよろしいのではないかと思います。
ほかにご意見はございませんでしょうか。
○佐藤委員 一言で言わせていただくと、これは対潜の運用において浅いところよりも深深度
用のニーズが増えてきたと、そういうことで、こういうものがますます必要になってくるとい
うことだと思います。それは必要性のところに余りうまく書かれていないから、今のような議
論になってしまうのでしょうけれども、運用上は多分日本の対潜の仕方が深深度に向かってお
り、その結果やはり、もうちょっと深深度のものを開発していこうと、こういうことだと思い
ます。ですから、書き方の問題だけで、方向性は私は決して間違っているとは思わないのです
が、政策評価にふさわしい資料の作り方とすれば少し違うのかなというのは、わからないでも
- - 10
ありません。
○山谷座長 今回はこれで結構ですが、次回以降少し工夫をしていただくということで、宿題
でお願いいたします。
それでは、時間も参りましたので、次の説明に移りたいと思います。では、よろしくお願い
します。
○弘末評価班長 続きまして、その他の研究開発事業5件につきまして、事務局のほうから説
明させていただきます。
では、資料7ページでございますが、艦載砲用ロケットアシスト長射程弾技術の技術研究に
つきまして、説明させていただきます。
本研究は、島嶼部に対する敵の侵攻の阻止及び占領された場合の奪回のための対地攻撃を実
施する際、敵の攻撃や設置した機雷等、敵の脅威にさらされ、効果的な攻撃ができないことが
予測されます。
このため、可能な限り敵の脅威のない範囲からの攻撃が可能となるよう、艦載砲の射程を長
くすること及びこれに伴う命中精度の低下を防止するための技術研究を実施するものでござい
ます。
経費としましては、約24億円を予定しておりまして、研究期間は平成28年度から30年度まで、
この間に試作品の製作、性能確認試験を実施いたします。
本研究は、戦略的にも重要な分野であり、中期防衛力整備計画において、当該分野において
技術的優位性を確保し得るよう研究開発を推進するとされておりまして、早期に技術を獲得す
る必要があると考えております。
続きまして9ページ。消磁用UEP低減装置の研究について説明をさせていただきます。磁
気機雷の除去を安全に効率よく実施するため、艦艇から発生する水中電界による磁界を現状よ
りもより低減するための技術研究を実施するものでございます。
経費としましては、約10億円を予定しております。研究期間は平成28年度から32年度まで。
その間に試作品の製作、性能確認試験を実施いたします。本技術研究は、戦略的にも重要な分
野であり、中期防衛力整備計画においても、技術的優位性を確保し得るよう研究開発を推進す
ることとしております。
続きまして、11ページ。推進力偏向ノズルに関する研究について説明させていただきます。
将来の戦闘機に求められる高運動性能を確保するため、機体の姿勢制御機能の一部をエンジン
の排気(推力)の方向で補うというものでございまして、その偏向ノズルに関する技術研究を
- - 11
実施するものでございます。
経費としましては、約23億円を予定しておりまして平成28年度から32年度までの期間となっ
ております。その期間内に試作品の製作、性能試験を実施いたします。
本研究は、戦闘機の開発技術の蓄積や高度化を図るものでありまして、中期防衛力整備計画
におきましても戦略的な検討を推進し、必要な処置を講ずることとしております。
続きまして13ページ。将来戦闘機用小型熱移送システムに関する研究について説明をさせて
いただきます。
将来戦闘機の搭載アビオニクス(電子機器)の性能向上に伴いまして、電子機器の発熱に対
する冷却効率を向上させるための技術研究を実施するものでございます。
経費としましては、約19億円を予定しております。研究期間は平成28年度から32年度まで。
その間に試作品の製作、性能確認試験を実施いたします。
本研究は、戦闘機の開発技術の蓄積や高度化を図るためのものであり、中期防衛力整備計画
においても戦略的な検討を推進し、必要な処置を講ずることとしております。
続きまして15ページ。光波スマートセンサ技術の研究について説明をいたします。夜間にお
ける任務能力向上のため、上空の大気が発する微弱な近赤外線を検知することによる可視に近
い画像と、物体が発する赤外線を検知することによる物陰や遠方の目標画像を融合することに
より、視認性に優れ遠方の目標も確認できるよう、暗視能力を向上させるための技術研究を実
施するものでございます。
経費につきましては、約23億円を予定しております。研究期間は平成28年度から32年度まで、
その間に試作品の製作、機能試験を実施いたします。
本研究は戦略的にも重要な分野であり、中期防衛力整備計画においても技術的優位性を確保
し得るよう、研究開発を推進することとしております。
また、人命救助や災害派遣などにおいて利用ニーズが高まっていることから、早期に技術を
獲得する必要があると考えております。
以上、5件の説明になります。
○山谷座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまのご説明について、ご質問、ご意見ございますでしょうか。
○佐藤委員 質問よろしいですか。11ページのノズルなんですけれども、事前の説明でいただ
いた資料では、研究総経費が39億円になっていて、これが新しい資料では23億円に変更になっ
ているんですけれども、これは結構大きな金額減だと思います。それで、スケジュールを見ま
- - 12
すと全く同じに見えるんですけれども、16億円ぐらい減額されていますが、最初の計画との整
合性はどうなっているのですか。
○技術計画官付担当 事業の内容は概算要求の審議をしている過程の中で、必要なものなどを
それぞれ検討し、精査を進めてまいりまして、最終的に金額を決定しています。また、それと
同時に、線表等試験の期間が少し変更になっているかと思うのですが、そちらを反映した結果
でございます。
○佐藤委員 求めている結果は同じですか。
○技術計画官付担当 求めている結果につきましては、同じです。
○佐藤委員 でも、凄い金額の減ですよね。本当に大丈夫なんでしょうか。求めている結果は
同じでこれだけの予算減になると、相当厳しい気もするんですけれども。
○技術計画官付担当 そこのあたりにつきまして、中身を精査して、大丈夫と考えております。
○山谷座長 ほか、いかがでしょうか。
では、私のほうから1つ。評価のPDCAサイクルで申し上げると、ご存じだと思いますが、
これは実はプランニング段階の事前の評価なので、今までの防衛省の政策評価でも思っていた
ことですが、これが終わって終わりではなくて、例えば期間が32年度、33年度までいったら、
その段階でもう一度事後評価をやるとか、あるいはこの研究開発が実際に動き始めて途中でモ
ニタリングという形でやらないとPDCAサイクルとしては回らないので、事前の評価で終わ
りということではなく、それを意識してまた再度途中あるいは事後評価ということでお考えい
ただければと。これもまた宿題でございますので、よろしくお願いいたします。
少々時間がオーバー気味ですので、この件に関してはこれで打ち切らせていただきます。ど
うもありがとうございました。
それでは、次のご説明をお願いいたします。
○弘末評価班長 それでは、続きまして租税特別措置等に係る事前の事業評価として、予備自
衛官等である雇用者の数が増加した場合の法人税額等の特例措置の創設について、資料2の19
ページになります。
当該案件につきまして、人事教育局人材育成課から説明をさせていただきます。
○人材育成課担当 それでは、ご説明させていただきます。
予備自衛官等である雇用者の数が増加した場合の法人税額等の特例措置の創設についてです
が、まず予備自衛官等の雇用に関する税制改正要望につきましては、昨年度も要望いたしまし
て、結果、実現しなかったところでございます。そういった反省を踏まえまして、他省庁の税
- - 13
制などを勉強いたしまして制度設定を見直し、再度、今回要望したいと考えております。その
具体的な内容につきましては、後ほどご説明いたしますけれども、まず初めに事業の必要性と
あわせまして、この予備自衛官と即応予備自衛官の制度につきまして、簡単にご説明したいと
思います。
我が国に対する武力攻撃や大規模災害が発生した際、自衛隊は大きな人的勢力を必要といた
します。しかしながら、平素からその人的勢力を確保すると多大なコストを必要とすることか
ら、いざというときに速やかに必要な人的勢力を確保するため、非常勤の自衛隊員である予備
自衛官、即応予備自衛官の制度を防衛省では設けております。
この予備自衛官、即応予備自衛官は、普段は民間企業などで、おのおのの生業に従事しつつ、
予備自衛官は年5日間、即応予備自衛官は年30日間の訓練に従事し、いざというとき防衛招集
命令や災害招集命令などの招集命令を受けて、自衛官となって任務につくことになります。そ
の予備自衛官、即応予備自衛官の充足状況でありますが、平成26年度末で予備自衛官が員数4
万7,900人に対しまして、現員3万2,396人と67.6%。即応予備自衛官が員数8,175人に対しま
して、4,875人と59.6%。予備自衛官と即応予備自衛官を合わせまして、お手元の資料の上の
ほうのグラフにございますとおり、員数5万6,075人に対しまして、3万7,271人と66.5%とな
っております。そして、この充足状況でございますけれども、同じグラフにございますとおり、
年々右肩下がりとなっている状況でございます。
続きまして、なぜこのような状況になっているのかということでございますが、先ほど申し
上げましたとおり、予備自衛官、即応予備自衛官は、他に生計を立てるための生業を持ってい
るのですが、予備自衛官、即応予備自衛官であることと、この生業との両立を図ることの難し
さにあるのではないかと考えております。
例えば、予備自衛官、即応予備自衛官には3年間の任期を設けて採用しているのですけれど
も、平成25年度においては、その任期の途中に依願退職した予備自衛官の57%、即応予備自衛
官の79%が職場の事情を理由に退職しているという状況でございます。
このような背景から、お手元の資料の必要性のところにございますとおり、平成25年12月に
策定されました中期防衛力整備計画では、予備自衛官等の充足向上のため、雇用企業等に対す
るインセンティブを高めるための施策を実施するとされているところでございます。このよう
なことを受けまして、予備自衛官等の雇用企業等に対しインセンティブを高めるための施策と
して、税制改正要望をしたいと考えております。今回要望いたします法人税額等の特例措置の
目的、目標ですけれども、予備自衛官、即応予備自衛官を積極的に雇用する企業へのインセン
- - 14
ティブを向上させることにより、予備自衛官、即応予備自衛官の雇用を促進し、充足向上を図
るものでございます。
続きまして、昨年度との違いでございますけれども、昨年度の控除額の算定につきましては、
新たに雇用した予備自衛官等の人数掛ける幾らとしておりましたけれども、充足向上の観点か
らは新たな雇用創出のみならず、今いる雇用者の安定的な雇用についても考慮しなければなら
ないだろうということから、予備自衛官等である雇用者の増加数掛ける幾らという算定方法に
改めております。
具体的には、お手元の資料の概要の部分にございますとおり、予備自衛官、即応予備自衛官
である雇用者を1年間で2人以上、かつ10%以上増加させるなど一定の要件を満たした事業主
に対しまして、増加した予備自衛官等である雇用者1人当たり40万円の法人税額等の税額控除
を行うという制度を設け、企業へのインセンティブを与えることにより、企業行動を刺激し、
他に生業を持つ必要のある予備自衛官、即応予備自衛官の雇用を促進し、これにより現在の右
肩下がりの充足状況に歯どめをかけ、予備自衛官等の充足向上を図るというものでございます。
以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。
○山谷座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまのご説明に関して、質問あるいはコメントございますでしょうか。
もう一度確認させていただきたいのですが、去年はどこがまずかったのでしょうか。
○人材育成課担当 去年でございますけれども、先ほどお話ししたとおり、何人雇ったのかで、
そこに掛ける10%、税制の適用要件としては、その1点だけだったのですが、余りにもその制
度がふわっとしているといいますか、そういう制度設計の甘さというものがあったのではない
かと考えております。
今回要望するに当たりましては、我々も少し税制というところには疎いところで、他省庁の
制度を勉強いたしまして、雇用に関する既存の税制、それらを参考にその適用要件を設定した
というところでございます。
○山谷座長 ありがとうございます。
○細谷委員 すみません、よろしいですか。形式なことなのですが、こちらで議論をしてこち
らの会議で了承を得た場合には、これから予算策定に当たって財務省に折衝するということに
なるのでしょうか。
○人材育成課担当 はい。税制の場合、予算とは少し異なるのですが、まずは財務省の税制当
局と申しますか、税を扱っているところがございまして、そことの折衝と申しますか、そうい
- - 15
う手続になります。
○細谷委員 そこで当然、通らない可能性もあるわけですよね。
○人材育成課担当 もちろん我々は実現するためにやるのですけれども、当然そこには実現し
ないという可能性もあろうかと思います。
○細谷委員 他省庁の前例を参考にしたとおっしゃっていたのですが、財務省が了承するかど
うか、1つは前例との比較だと思いますが、他省庁の前例でこのような形の減税措置を、税額
控除を行っている例というのは、対象者はどのような人を対象にしているのでしょうか。ここ
では予備自衛官ということですが。
○人材育成課担当 対象者は、特定の人には限らず広く一般という形になっています。ほかに
は、特定の者に限ってという制度でありますと、障害者の雇用に関するものというものもござ
います。
○細谷委員 一般的には、恐らくはハンディキャップを背負った方の雇用のインセンティブを
上げるということで、当然、他省庁で同じような制度を持っているところはあると思いますが、
1つは予備自衛官がハンディキャップ者ではないため、同じ様に考えられないのではないでし
ょうか。
○人材育成課担当 そこも私どもも考えたところではあります。障害者の方との単純な比較は
出来ませんが、他方で予備自衛官という性質を捉えますと、普段の訓練もそうですが、いざと
いうときにある日突然いなくなるという性質を持っておりまして、ある意味そういうところと
いうのは、ハンディキャップという言い方が適切ではないかもしれませんが、こういう税制優
遇することについて社会的な理解と申しますか、そういうことは得られるのではないだろうか
と考えたところでございます。
○細谷委員 恐らく、去年も同じような議論を少ししたことは記憶していますが、予備自衛官
の数を確保するということは私も必要だと思いますし、また、先ほどのご説明であったとおり、
中期防衛力整備計画で記述があると。その目的を達成させるために何らかの措置をとらなけれ
ば十分な数が確保できないということもごもっともだと思いますが、有効性のところで3年間
この措置をとることによって、3年間で予備自衛官等が1,140人増加するという、この見積も
りが一番厳しく指摘されるであろうと思いますが。
○人材育成課担当 お手元の資料のグラフにありますとおり、この予備自衛官等の充足状況と
いうのは、一貫して右肩下がりでございます。この流れを食いとめると申しますか、食いとめ
て右肩を上げるという起爆と申しますか、発端にしたいと考えております。
- - 16
あわせまして、ほかにも我々も今年度から例えば予備自衛官等を雇用する事業所につきまし
て、その社会的な貢献を我々が認定いたしまして盾などを贈呈といいますか交付して、そうい
った他の制度とも相まって、その充足状況というのを改善していきたい、そのように考えてお
ります。
○細谷委員 恐らく財務省は税制で例外措置をとるということに対しては非常に抵抗があるの
で、相当強い事由がなければ税制の優遇措置等の差別化はなかなか認めないだろうという気が
します。予備自衛官を増加させることが必要だというのは、私はかなりの点で同意しています
が、この措置が最も効果的かどうかというところが恐らくポイントになってきて、この制度を
導入して3年後に減少が続くということも当然考えられるわけですよね。
それはつまり、やはり重要なのは予備自衛官の方が、なぜその予備自衛官になろうという方
が少ないのかということをどの程度事前に調査しているのかということが恐らくポイントにな
ると思いますが、予備自衛官の方がまず第一に予備自衛官であることによって就職が難しいと
いうこと、そしてその就職が難しい理由が、雇用事業者が予備自衛官を雇うことによって不利
益を被る可能性があるということに対する懸念があるということ、これについて一定程度の事
前の何らかの形での説得力のある論拠がないと、このような措置がそのままの形で予備自衛官
の増加に、少なくとも3年間でこの1,140人増加するということは、あり得ない。この制度が
ある程度理解してもらう、浸透するのに時間がかかると思いますし、これは事業者にとってメ
リットになるかもしれませんが、直接的な形でその経済的な利益を予備自衛官の方は得られる
わけではないので、予備自衛官の方を含めて、それが雇用事業者は徹底してこれを知る、この
ような利益があるということを知ることが当然ながら不可欠で、制度を厳密にしたことはいい
と思いますが、それによって逆に言うと事業者の方が非常にわかりにくい。どういう条件をク
リアすれば減税措置は得られるかということについて、わかりにくくなっている部分は当然な
がらあると思いますので、そこのところの説明が、これが確実に予備自衛官の増加につながる
という見通しについての何かもう少しきちんとした論拠が欲しいなということと、それが恐ら
く財務省と折衝するときに必ず必要になってくるのではないかという気がするのですが、その
点はいかがでしょうか。
○人材育成課担当 我々も今回、制度検討するに当たりまして、企業のほうにアンケートはと
っております。その対象ですが、主に退職自衛官を雇用している企業ですけれども予備自衛官
などは雇っていない企業に対してアンケートをとりました。予備自衛官等の雇用について、ど
のようにお考えですかという内容なのですが、約半数が雇用しようとは思わないと、そういう
- - 17
回答を得ているところでございます。
その半数の企業に、なぜ雇用しようと思わないのですかと聞いたところ、4分の3が業務に
支障が出ると。例えば訓練であるとか災害派遣等々の招集で抜けられるとローテーションに穴
があくとか、そういう業務に支障が出るので、その雇用ということをためらっているという回
答は得ているところでございます。
○細谷委員 それはかなり説得力ある資料ということになると思いますけれども。ありがとう
ございます。
○萬浪企画評価課長 補足をさせていただくと、先ほど担当のほうから、ほかの省庁の税制を
という話がありましたけれども、現在、法人税に対する減免措置に対する財務当局の反応は厳
しくなっております。ただ、その中の1つ、最近出てきているものとして、雇用促進税制とい
うものがありまして、これは厚労省がアベノミクスの最初の部分として平成26年から始めてい
るもの、さらにそれは去年だったと思いますけれども、地方創生の一環として、ある地方団体
が地方創生事業として、この市でこれだけ企業が雇ってくれれば税を減免するということで、
地方創生本部のほうもそれを借りる形でやっていると、最近のはやりの税制という言い方がど
うかは別として、最近よく使われている手法をほぼそのまま借りてきている形になっています
が、そういう意味では企業にとって、企業の特に税務・財務会計をやっている者にとっては割
となじみやすい仕組みにはなっているのではないかとは思います。
○細谷委員 ありがとうございます。
○佐藤委員 よろしいですか。これは昨年もお示しいただいた案で予備自衛官が増加するのか、
いろんな議論をしたと思います。
今回、見直されているのですが、私もこれを見ていて、もちろん予備自衛官を増やさなけれ
ばいけないということは方向性として正しいと思うのですが、この案で本当に増加するのかと
いう点に付いては、私はまだ疑問を持っています。
先ほど言われたように、アンケートをとられた結果採用するつもりがないというのは結構多
かったように、やっぱり業務に支障が出ることが問題だと思います。そうした問題がある時に、
この数字でその会社が本当に採用に踏み切るのかというと、その根拠が私には良くわからなく、
余りメリットがないんじゃないかと思います。特に、2名以上かつ10%以上の増加と、なって
いるわけですよね。これは1名でも増加してもらったほうが良いのに、何で2名にしているの
か、この辺も疑問があるところです。果たして一人あたり40万円の法人税減額で本当に魅力が
あるのかと。この優遇措置をもって目的の人数が増えるという算定をされた根拠に、非常に疑
- - 18
問があるところです。
○人材育成課担当 まず、ご質問は2点あったと思いますけれども、まず最初に40万円をどう
考えたかについてご説明いたします。
先ほど企画評価課長からもお話がございましたとおり、現行、厚生労働省の雇用促進税制と
いうものがございまして、こちらも雇用者を増やした場合、1人当たり幾らの税額控除という
仕組みになっているのですが、こちらの金額がまず40万円になっております。今回、人を増や
すに当たって、既存の税制と申しますかそちらのほうを参考にして控除額を設定したところで
ございます。
もう一つの2名以上10%についての考え方ですが、確かに我々とすれば1人でも増えていれ
ばいいと思うところもありますが、今回、制度設計するに当たって1つの事業所と申しますか、
法人について予備自衛官の増減のぶれ幅と申しますか、調査したのですが、正直、1人の増減
というのは意識せずとも発生する誤差と申しましょうか、そのような感じがいたしまして、あ
くまでもその企業が意識して取り組んでもらう、そういうところが重要なのかなと思いまして、
この2名以上という適用要件を設定したところでございます。
○佐藤委員 一般的な雇用と予備自衛官の雇用は違うと思います。やっぱり予備自衛官は会社
からみれば、さっき言われたように、何かあったときに2週間でも3週間でも不在になり、業
務に支障がでるわけですから、能力はあってもその辺がネックになるとすると、必ずしも一般
の雇用と同等で考えるわけにはいかないと思います。一般の雇用とはちょっと違いますよね。
予備自衛官の場合は。皆さんが余り採用したくないというところから始まっているわけですか
ら。この一般の40万ですが、ほかのケースでは何が条件によって待遇が変わることがあるので
しょうか。
○萬浪企画評価課長 厚労省の雇用促進税制は、誰が雇用されても変わりはありません。
○佐藤委員 しかし、予備自衛官の場合は、さっき言ったように事業者側からするとデメリッ
トがありますよというところから始まっているわけですからそれを同じ40万円の雇用促進の中
でやっても余り魅力は感じないんじゃないですかと思うのですが、如何でしょうか。
○萬浪企画評価課長 おっしゃるところはわかります。企業にとっては、年間何十日間いなく
なる、あるいは大災害があると突然もっと長期間いなくなる可能性がある者を雇うことになる
ため、40万円の法人税減免の制度がメリット、デメリットで言うと、デメリットを埋めて余り
あるほどの魅力になるか。
○佐藤委員 そうですね。同じ40万円ではなく、もうちょっと何か違うことを考えないと、本
- - 19
当に増やさなければいけないということは大変よく理解できますが、果たしてこの制度で3年
やってみたら目的とされる数が満たせるのかどうか非常に不安感があるというのが、正直なと
ころです。
やるからにはやっぱり目的を達せるような制度にしないとまずいと思いますが、これだと、
これはいいから是非やりましょうというような感覚にはならないところにちょっと不安感があ
るということです。
それから、もう一つ、東北の大震災のように、ああいう緊急の事態が生じたときに、予備自
衛官というのは招集すると必ず来なきゃいけないんでしたか。一言で来てくれるのと、行きま
すという人はもちろん来ていただくけれども、仕事の関係で行けませんと言われたら拘束力は
ないんですよね。
○人材育成課担当 法律上は一応、義務づけられています。いろいろな招集があるんですけれ
ども、防衛招集命令につきましては、正当な理由がなく出頭しなかった場合、懲役ないし禁固
という罰則が設けられています。
○佐藤委員 そうなのですか。
○人材育成課担当 はい。今お話しされました災害派遣のケースなのですけれども、災害派遣
については事前に、雇用者との関係というものもあろうかと思うので事前にその意向と申しま
すか、どのくらいの期間出頭可能かというような調整はすることが望ましいだろうというふう
に考えております。
○佐藤委員 その上で、仕事の都合で行けませんと言われたら、どうされるのでしょうか。
○人材育成課担当 やはり雇用者の理解というのを得るのが必要だと思っていまして、我々は
その広報と申しますか、そういうところで制度の重要性と申しますか、そういうところを日々
説明と申しますか、そういうことをしているところでございます。
○佐藤委員 私が申し上げたいことは、予備自衛官の雇用は当然増やさなければいけませんが、
何かあったときにちゃんと招集に応じてくれる人を増やさないと、幾らベースだけ増やしても
あまり意味がないのということです。その辺をトータルで見ていかないといけないのではない
でしょうか。
○人材育成課担当 まさにその点につきましては、雇っている企業もただ単に雇っているだけ
ではなくて、この制度の重要性をよくよく理解してもらうというのは大変重要だと思いまして、
先ほどもちょっとお話ししましたけれども、予備自衛官を雇用して、その訓練招集などに出頭
しやすい環境を整えている企業を協力事業所として認定いたしまして、これにその事業所で飾
- - 20
れるような盾を送りまして、人の目からもわかるような、この企業の社会的貢献性というので
しょうか、そういうのを評価できる制度なども考えておりまして、ここもいろいろとアイデア
を出したいというふうには思っております。
○佐藤委員 私は是非二本立てでやっていただくことが重要だと思うので、そのように是非や
っていただければと思います。
○山谷座長 よろしいですか。まさに事前評価の本質的なところで、これでうまくいくのかと
いうのと、もう一つは対財務省、主税局ですか、納得できるかどうかという、その辺りの懸念
はあるということで。これは、もし今回これをもう一回チャレンジされて財務省で査定されな
かった場合は、これで終わりということですか、それとももう一回チャレンジされるのでしょ
うか。
○人材育成課担当 予備自衛官等を雇う雇用者に対するインセンティブ施策というのは、いろ
いろなものが考えられると思います。当然、今回の要望を通すために努力してまいりますが、
仮に査定されなかった場合は、また再度何がいいのかということを検討して、現在の状況を打
開するための方法を考えていきたいとは思っております。
○山谷座長 私は青森出身で、田舎の経済の状況をよく存じているのですが、先ほどの協力事
業所に盾などのシンボリックな物を贈呈するより、もっと実益的なものであったほうが、良い
のかなという感じもあります。
○人材育成課担当 まさに、そこは両者兼ね合わせてということかと思います。私も岩手の出
身なのですが、田舎のほうですと、そういう大臣から送られたような物については、東京より
も大分高く評価してくれるという、そういう雰囲気もありますし、他方、今お話のございまし
たとおり、実益、今回の税制で言えばまさに税額控除のような、そういうものになろうかと思
いますが、その両者兼ね合わせて現在の状況の打開と申しますか、改善に努めてまいりたいと
思います。
○山谷座長 時間がかなりオーバーしていますので、この議論はこれでよろしいのではないで
しょうか。どうもありがとうございました。
○弘末評価班長 では、続きまして目標管理型の政策評価につきまして、代表案件4件につき
まして説明をさせていただきます。資料2の23ページになります。「周辺海空域における安全
確保」ということで、本施策は各種事態に対応して、広域にわたる常続監視や領空侵犯に対す
る即時適切な対応、グレーゾーン事態も含めシームレスな対応を目的とする施策となっており
ます。
- - 21
これらの多様な事態にシームレスかつ臨機に対応するために実効的な防衛力として統合機動
防衛力の構築というのを我々は目指しております。24ページにその統合機動防衛力の構築に関
する説明を少しさせていただいております。
昨今では、いわゆるグレーゾーン対応といった対応も含めて、自衛隊の対応する事態が増加
しているということで、これらの各種事態における実効的な抑止力、対処するために、その役
割を効果的に果たし得る態勢を保持することが重要というところで、各種事態、その各種事態
には国際平和交流と防衛交流を含めてなんですが、これらを想定して防衛省では能力評価を実
施しております。この能力評価を実施することで、その不足する能力等について強化するとい
う方針を出しております。
25ページに統合運用の観点からの能力評価ということで、イメージ図を示させていただいて
おります。これまでも防衛省においては必要な能力評価を行ってきておりますが、先ほども統
合機動防衛力を構築する上で想定される各種事態の統合運用による対応という基本的な考え方
を徹底すると同時に自衛隊全体の機能、能力に着目し、防衛力を評価し、防衛力整備において
重視されるべき機能・能力を明らかにするということにしております。
23ページの分析表に戻っていただいて、この施策につきましては、指標1から3まで設定し
ております。装備品の取得、部隊の新編、自衛隊の運用、取り組みというところでございます。
それぞれに個別の目標を設定しております。事前分析表につきましては、昨年26年度に作成し
たものと変更は生じておりません。
次、26ページの進捗状況、モニタリングの資料をご覧ください。指標1の装備品の取得に関
する目標に関しましては、航空機や艦船等の取得に関する目標を我々は7件設定しております
が、このページでは代表の2件、滞空無人機の導入と護衛艦の整備等を説明させていただきま
す。
滞空無人機につきましては、搭乗員に対する危険の負担を局限するというところで、広域に
おける常続監視態勢の強化というところもありまして、新たに3機導入することを決定してお
ります。平成26年度におきましては、滞空型無人機の性能等に係る情報や導入後の運用要領等
に係る検討も実施し、機種選定において全ての必須要求事項を満たす対空無人機、グローバル
ホークという型式を決定しているということでございます。
ページ下段の護衛艦に関しましては、大綱におきまして護衛艦部隊は54隻に増勢することと
しており、平成26年度においては対潜戦、対空戦、対水上戦等の各種活動に活用し得る汎用護
衛艦の1隻分の予算を計上しております。
- - 22
27ページをご覧ください。こちらは部隊新編・改編につきましてですが、こちらにつきまし
ては継続監視能力の強化のための共同部隊の新編を目標として設定をしております。特に滞空
型無人機、先ほどの滞空型無人機で収集した情報を陸・海・空3自衛隊等において活用するた
め、共同の部隊を新設した上で配備することとしております。平成26年度においては、共同の
部隊の新編に向けて統合プロジェクトチームを設置し、部隊のあり方、編成等について検討を
実施いたしました。
次、28ページお願いします。自衛隊の運用・取り組みでございます。目標としましては、周
辺海域の安全確保と領空侵犯措置の2つを設定しております。周辺海域の安全確保につきまし
ては、3自衛隊それぞれが保有している装備品におきまして、現在も24時間監視態勢をとって
おります。近年、中国の海軍艦艇や公船などの活動を踏まえまして、平素から海上保安庁との
現場を含めて警戒監視活動による得られた情報を共有するなど、関係省庁との連携を図ってお
ります。また、対領空侵犯措置につきましては、平成26年度の空自機による緊急発進回数が
943回と前年度と比べ133回の増加となっており、このような中で、戦闘機、E-2C早期警戒
機、E-767早期警戒管制機を効果的に運用し、領空侵犯を未然に防ぐなど、対処態勢を維持
しております。
29ページに警戒監視のイメージを添付させていただいております。時間の関係もありますの
で、当該施策の説明は以上とさせていただきます。
○山谷座長 ありがとうございます。
では、ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。
○佐藤委員 一番重要になってくるのが、私は統合運用ということだと思います。陸上自衛隊
の場合は、陸上総隊ですか、これを作られて陸上自衛隊の中の運用はいろいろ考えておられる
と思うのですけれども、何かあったときには3自衛隊がきちんと機能することが重要で、それ
は3自衛隊の統合運用になると思います。
実際アメリカを見ていますと、例えばハワイのシンクパックも海兵隊も含めて1つの司令部
があって統合運用しています。日本も統幕があって、統幕は幕僚として機能するのか作戦司令
部として機能するのかよくわからないんですけれども、運用の責任は統幕にあるのでしょうが、
果たして統幕が作戦司令部になれるのかという問題があると思います。そうであれば3自衛隊
を運用するようなジョイントフォースというのですか、ジョイントフォースコマンドというの
をどこかで検討する必要があるんじゃないかと私は個人的には思っているんですが、その辺は
どういうご検討をされているのですか。それなしには極端な話ですが、3自衛隊が有意義には
- - 23
機能しないんじゃないかと思うのですが、その辺はどうなんでしょうか。
○防衛政策課担当 先ほどご説明にありましたとおり、能力評価というものを今回やりました
が、これは今までと違いまして、陸・海・空それぞれの防衛力という視点から能力評価という
ものをやっていたのですが、今回大きく変えたのは、統合運用という視点に1本釘を刺しまし
て、横軸を刺しまして、そこで統幕が中心となりつつ、陸幕・海幕・空幕も一緒に、そして内
局も一緒になって、統合運用という視点で陸・海・空をどう運用して、足りない能力があるの
かというものを導き出した次第です。その中で出た結論の1つとして、周辺海空域のところで
海空優勢という言葉とかも出てきているのですけれども、そういった観点においては、統合運
用というものを非常に重視して議論しているという状況であります。
○佐藤委員 その議論をされているのでしょうけれども、3自衛隊を統合運用する態勢という
のですか、この辺はどういう位置づけになっているのか。この後にいろいろ資料にも出てくる
のですけれども、実際の部隊運用に関する業務は統合幕僚監部に一元化しているわけですね。
これは、幕僚としての運用の一元化なのか、作戦司令部としての機能を有するのか、実際3自
衛隊を統合運用するときの作戦の司令部というのは、やはり統合幕僚監部がやられるのですか。
○萬浪企画評価課長 よろしいですか。必要に応じて補足していただければと思いますが、統
幕の位置づけで申し上げれば、統幕は幕僚監部ですので、スタッフ組織でしかありません。し
たがって、作戦立案組織であり、決まった命令を執行するための補完組織でありますけれども、
指揮命令そのものを実施する組織ではありません。したがって3自衛隊を統合運用するときに、
3自衛隊統合運用といってもばらばらにやるという手もあるのかもしれませんけれども、今の
自衛隊の構想はそのときどきに臨時の統合任務部隊の指揮官を指名して、そのもとで指揮をす
るという感じになります。
○佐藤委員 それは、結論は出ているのですか。
○萬浪企画評価課長 少なくとも、今はそうです。ただ、先ほどお話がありましたように、そ
れでいいのかと、どういうものが今後あり得るのかという検討は不断に行っています。
○佐藤委員 そうですか。アメリカでいうジョイントタスクフォースというタスクフォースで
すね。何かあったときにタスクフォースを作って、そこにコマンダーを置いて指揮をさせると
いう考え方と思いますが、日本としてどのようなご検討がされているのかお伺いしたかったも
のです。
○萬浪企画評価課長 それは、この周辺海域の安全確保のお話ではありませんけれども、例え
ば最近、統合任務部隊を組んだものとしては2年前ですか、フィリピンの台風被害があったと
- - 24
きに、あそこに自衛隊を1,000人規模で送り出しましたけれども、あれは陸・海・空全部、混
ざっております。それを運用するために、ばらばらに運用するわけにはいかないので、海上自
衛官の将補ですけれども、海将補1人を任務部隊の司令官にして、その人が全てをコントロー
ルしました。
○佐藤委員 タスクフォースだということですね。わかりました。
○細谷委員 関連して、よろしいでしょうか。測定指標3のところで、周辺海域の安全確保の
ところですけれども、26年度施策の進捗状況ということで、このような情勢を受け、一番最後
のところですが、平素から海上保安庁と現場を含めて警戒監視活動により得られた情報を共有
するなど、関係省庁との連携を図り、我が国の防衛・警備の態勢に間隙を生じさせることがな
いように万全を期すと、28ページの真ん中辺りですが、これは今回の安保法制でもともと2013
年の防衛大綱、国家安全保障戦略でグレーゾーン事態の対処であるとかシームレスな対応とい
うことで、具体的に言えばこの周辺海域ということで言うと、海保と自衛隊、海自との連携、
情報共有、警戒監視活動における情報共有ということが、ある意味では防衛大綱、国家安全保
障戦略の売りであり看板だったわけですが、今回の安保法制は基本的には入っていませんよね。
唯一入っているのは電話閣議によってNSCから上がった治安出動、海上警備行動はとれる
ということで、これだけ看板にして売りにしたシームレスな対応というのが、ふたをあけてみ
て出てきたのは電話閣議はできますよというだけで、現行法でも十分できるし、もうやってい
るということなんですよね。私はそこにかなり疑問があって、具体的に中期防で平成26年から
30年度なので、平成26年度は初年度になると思うのですけれども、具体的に従来と比べて海保
と海自と関係省庁との連携で、あるいは警察もそうですが、明らかに連携が向上した変化は何
かあるのですか。つまり、何も変わっていないのに変わったと言っているように見えなくもな
いですけれども、具体的に何か平成26年度から明らかに平成25年度以前と比べて、このような
連携が向上し、海上の安全を確保する上でシームレスな対応が可能になっているという、この
辺りいかがでしょうか。
○事態対処課担当 2点あると思っておりまして、1点は情報共有の点です。26年度に特に情
報共有が深まったと思うところは、1つ、海上自衛隊と海上保安庁が共通の情報を見られるよ
うなシステムを入れているということ。
○細谷委員 ソフトか何かで、それがつながるようになっているということでしょうか。
○事態対処課担当 そのとおりです。リアルタイムに情報共有できるような機材を入れている
ということ。もう一点は、グレーゾーンの閣議決定を受けて、従来からやっていることでもあ
- - 25
るのですが、共同訓練についてです。不審船に対応する共同訓練というのは平成11年からずっ
とやってきてはいるのですが、グレーゾーンの閣議決定を受けて、詳細は言えないのですが、
閣議決定の趣旨を実現するべく訓練をやっているというところでございます。
○細谷委員 グレーゾーン事態の対処とシームレスな対応というのは相当大きな看板だったは
ずなので、防衛大綱、国家安全保障戦略と中期防で平成30年までやって、情報共有のための機
材導入して、ソフトウエアとしてその共有は可能になったということはわかるのですが、今後
三、四年の間、どのようになっていくのかが重要かと思います。
これは目標なのですが、ほかのところはかなり具体的に、例えばいろいろな装備の導入であ
るとか政策もそうですが、グローバルホークとか入っているのですが、シームレスに関すると
ころが、すっぽりとエアポケットみたいになっていて、今後の数年間で一体どういう具体的な
措置がとれるのかと。少なくとも安保法制に入っていないので、そうするとこれは現行法でや
るしかないですから、そうすると現行法として何かその短期・中期的なきちんとした具体的な
措置の計画がないと、結局は何も変わらないのではないかなと。先ほどの機材導入以外のとこ
ろをまた次回にでもこのあたり、もう少し具体的におっしゃっていただけると幸いです。
○山谷座長 これもまた宿題になろうかと思いますけれども、目標管理型ですので、目標とす
る具体的な数字があって、これがどの程度、毎年達成されているかということを出さないとい
けないことになっています。そういう意味で申し上げますと、今、細谷委員がおっしゃったよ
うな形でその数字の管理というところですが、何を買いましたではなくて、こういうことをし
ました、こういうことができました、まだここが足りないとか、その数字の管理で追っていく
必要があるので、そこはもう少し外の人間からもわかりやすいような形で示していただければ
よりよいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山田委員 1点いいですか。25ページの能力評価に基づく防衛力整備のイメージは、わかり
やすい絵だと思うのですけれども、これをブレイクダウンして、定量的、あるいは定性的に、
防衛力の増分や増分を下支えしている現状の部分が、その前のページに書いてある項目とつな
がるとわかりやすいと思います。
○山谷座長 これもまた宿題になりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、この件に関してはこれで終わりにさせていただきます。
では、次の説明をお願いいたします。
○弘末評価班長 では、31ページ、日米防衛協力の強化につきまして、説明をさせていただき
ます。当該施策は、米国の我が国及びアジア太平洋地域に対するコミットメントを維持・強化
- - 26
し、我が国の安全を確保するため、我が国自身の能力を強化することを前提として、日米防衛
協力のための指針の見直しを進めると同時に、共同訓練、演習、弾道ミサイル防衛、海賊対処、
人道支援・災害救援など各種協力を強化することを目的とした施策となっております。当該施
策では、幅広い分野における日米間の防衛協力のさらなる強化という指標を設定しております。
32ページをご覧ください。当該指標には、目標を2つ設定しておりますが、いわゆる日米防
衛協力のための指針、ガイドラインの見直しに関しましては、平成26年4月の日米首脳会談に
おいて、平成26年末までのガイドラインの見直しを初め幅広い安保防衛協力を進めることが確
認され、日米間で精力的に見直し作業が行われました。
同年10月には見直し後のガイドラインについての枠組みと目的を提示する日米防衛協力のた
めの指針の見直しに関する中間報告を公表いたしました。
さらに、同年12月の2+2共同発表において、日本の法制作業の進展を考慮しつつ、平成27
年前半におけるガイドラインの見直しの完了に向けて取り組むため、議論をさらに深めること
と決定しております。
ここまでが進捗になりますが、その後、日米間で精力的に見直し作業を行った結果、平成27
年4月27日に行われました2+2会合において、ガイドラインの見直しが了承されております。
○山谷座長 今のご説明に関して、何かご質問ございますでしょうか。
私から1点。他の省庁で例えば政策評価広報課という課の名前がついているところは、ある
種広報的な役所のPRに重きを置いているところがあるのですが、まさにこれはマネジメント
というよりは、むしろこういうことを考えて実施してきている、その実施の進捗状況がこうい
う具合になっていますという説明になろうかと思いますけれども、これはご了承いただくとい
うことでよろしいですか。
○山田委員 サイバー分野、もっと強調されてもいいという気がします。協力してかなり成果
が上がる部分ではないかと思います。サイバー攻撃やハッキングも含めて、そこでどういうよ
うな協力体制が進展してきているのかが、重要なポイントだと思います。
○日米防衛協力課担当 ご指摘ありがとうございました。まさに先生ご指摘のとおり、今回の
ガイドラインは幾つか特徴といいますか、売りとなるような部分があるのですが、サイバー分
野での協力というのは宇宙分野への協力とあわせて、1つ前の97年に策定したガイドラインと
比べて大幅に充実をされたところでございます。むしろ充実というよりも、新しく設けたと言
っていいかと思います。
それで、実は97年のガイドラインでは宇宙やサイバーについては、ほとんど全く記述がなか
- - 27
ったのですが、今般の最近の安全保障環境でありますとか日米の防衛協力の進展も踏まえて、
今回のガイドラインではわざわざ1つの章を設けてサイバーと宇宙の分野についての協力の方
向性というものを出させていただいたというところでございます。
○山谷座長 何かその辺りも少し記載したほうが良いのではないでしょうか。
○山田委員 そうですね。危機感というか、どういう危機が迫っているのかという表現がどこ
かにあるとその必然性がわかります。具体的な危機などがあるとよりわかりやすいと思います。
○日米防衛協力課担当 わかりました。ご指摘も踏まえて今後我々の施策の説明に努めてまい
ります。
○山谷座長 では、よろしいでしょうか。
では、これはこれで結構でございますので、どうもありがとうございました。
次をお願いいたします。
○弘末評価班長 次は、資料37ページでございます。「二国間・多国間共同訓練・演習の実
施」につきまして、説明をさせていただきます。
当該施策は、積極的かつ目に見える形で、アジア太平洋地域の安定化に向けた我が国の意思
と高い能力を示すとともに、関係国との相互運用性の向上と実際的な協力関係の構築・強化を
図るとともに、国際平和協力活動、大量破壊兵器等の拡散防止等に係る多国間演習等への参加
を通じ、グローバルな安全保障環境の改善に貢献することを目的とした施策となっております。
当該政策では、自衛隊による訓練・演習を適時・適切に実施するとともにアジア太平洋地域
の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善を目的とした二国間・多国間による共同訓練・
演習を積極的に推進するという指標を設定しております。
昨今、国際社会においては一国のみで対応することが極めて困難な課題が増加しており、同
盟国や安全保障上の利益を共有する関係国などと平素からの協力を推進しつつ、グローバルな
安全保障上の課題に対応する必要があります。上段に防衛交流・協力のイメージ図を記載して
おります。この中で赤枠の部分がございますが、各国との関係の深さと訓練の内容というのは
密接な関係にあり、まず部隊間の相互訪問や親善訓練から開始し、災害救援や人道支援などに
関する共同訓練を実施、最終的にはより関係の深い共同対処を前提とした訓練の実施に向けて
取り組んでおるものでございます。
38ページをご覧ください。当該施策におきましては、さまざまな二国間、多国間の共同訓練
を実施しており、二国間訓練では、NATO及びEUの海賊対処部隊とアデン湾において初の
共同訓練を実施いたしております。
- - 28
また、多国間訓練では、コブラ・ゴールドにおける在外邦人等輸送訓練において、外務本省
や在タイ日本国大使館などの協力を得て、同大使館員、その家族らとともに参加し、初めての
海外における陸上輸送訓練を実施しました。また、フランス軍主催の災害救難支援活動の訓練、
これは名称を南十字星と申しますが、これに初めて正式参加しており、国際社会の平和と安定
及び繁栄に向けて主に主導的な役割を果たすパートナーである欧州、この訓練ではフランスと
の連携を強化したところでございます。
これらの訓練に参加することで、自衛隊の各種技量の向上はもとより、関係各国間の各種調
整や意見交換を通じ協力の基盤を作る上で重要であり、防衛省・自衛隊としても引き続きこれ
らの訓練に積極的に取り組んでいく予定でございます。
参考としまして、39ページに各種訓練の概要資料を添付させていただいております。
以上で説明を終わります。
○山谷座長 これに関しては、いかがでしょうか。
○佐藤委員 質問なんですけれども、この資料5の37ページ、それと46ページを見ていただき
たいのですが、これは予算の額を見ると執行額が予算の状況より少ないということは、執行で
きなかった部分があるという理解でよろしいですか。これは計画したけれども、何らかの理由
によって執行できなかったということですか。
○運用支援課担当 そのとおりです。二国間、多国間の共同訓練に関しましては、どうしても
最初から予定が決まっているものも当然ございますけれども、急に入ってくるものもございま
す。また、国際情勢や、相手国の政情によって急遽訓練取りやめになったりするような場合が
ございますので、どうしてもそのような状況が発生することはございます。
○佐藤委員 それはよくわかります。それで、次に46ページを見ていただきたいのですけれど
も、まず予算を見ると、当初の予算に比べて、補正予算でかなり大きい予算があって、結局、
執行額が予算額より増えている理由と、もう一つはこの47ページにいろいろな訓練があるので
すが、この項目というのは、海洋安全保障の確保に訓練をやるというのはわかるのですが、補
正予算をとって何か訓練をしたのでしょうか。
これらの訓練は本来は37ページの二国間・多国間の共同訓練・演習の実施でやるようなアイ
テムだと思うのですが、補正予算がとれたからここでやられたのですか。この海洋安全保障の
ところにいっぱい訓練が書いてありますけれども、海洋安全保障の項目としてなじまないよう
な気がしますが。しかも、その海洋安全保障は、当初予算が少なく、補正予算がすごく多くな
っていますが、当初計画がどのようになっていて、それで、なぜこの訓練が海洋安全保障の項
- - 29
目に入ってきているのでしょうか。
○運用支援課担当 訓練に関しましてここに海洋安全保障のところに書いてあるNATOです
とかEUですとか、この海賊対処訓練というものは、アデン湾に展開しております自衛隊の部
隊がその任務がないときに、その空いた時間を利用して各国との友好親善もそうですし、海賊
対処の能力構築、能力向上も踏まえて訓練を行っているものでございまして、そのために予算
を取っているものではありません。
○佐藤委員 ということは、補正予算でやられたのですか。当初にはなかったのですか。
○運用支援課担当 それは派遣自体に関しまして補正予算で実施していますがこの訓練自体と
して特別にとったというものではなく、派遣している部隊をその場で空いている時間に訓練を
したというようなものでございますので、その訓練としてお金を取ったというわけではないと
いうことです。
○萬浪企画評価課長 よろしいですか。海洋安全保障の確保のところは、専ら海賊対処活動の
経費が載っています。事業としても海賊対処活動、すなわちアデン湾での活動が載っています。
アデン湾の活動自体は、毎年7月に1年ごとに計画を閣議決定で切り替えていまして、その関
係上、当初の予算には7月までしか計上できません。
○佐藤委員 7月までの分しか入らないから残りは補正で計上されているということですか。
○萬浪企画評価課長 はい。7月以降のものは補正予算なりで手当てをしており、当初が低く
て補正後の額が大きくなります。
○佐藤委員 4月から7月の分しか入らないのですね。わかりました。それで海賊は海洋安全
保障の分野に入るから、訓練もここに入れているということですか。
○萬浪企画評価課長 はい。
○佐藤委員 それでわかりました。
○山谷座長 よろしいでしょうか。
○細谷委員 1点だけすみません、簡単に。私は共同訓練演習がここ数年飛躍的に増えている
ことは大変結構なことだと思うのですが、安保法制が通って従来できなかったような訓練に加
わったりとか、できなかったような訓練内容が可能になると思うのですが、今までいろいろな、
逆に言うと障害があったと思うのですが、これはどうなんでしょうか、これは恐らく、来年度
から安保法制が執行されて、新しい内容の領域の訓練も可能になると考えられると思うのです
が、そのあたりはどうでしょうか。今わかる範囲で何かあれば。
○運用支援課担当 それは当然、そのようなことは考えられるとは思います。ただ、まだ法制
- - 30
が通っていない状況でございますので、これからになるかと思います。
ただし、それによって飛躍的に訓練を増大させるというよりは、工夫の余地というのは凄く
あるものと思ってございまして、今までやっているものを変更することで対応できるような場
があれば、例えば今まで参加している訓練の中で、そのような場を活用して新たな任務に対応
できるような訓練を行うような、より効果的といいますか、効率的な訓練の仕方というのを考
えていく必要があると考えています。
○山谷座長 では、少々時間が押していますので、この件に関しては終わりにします。
次は、防衛省改革をお願いします。
○弘末評価班長 防衛省改革について41ページをご覧下さい。
当該施策は、文官と自衛官の一体感を醸成するとともに、防衛力整備の全体最適化、統合運
用機能の強化ということを目的とした施策となっております。
この施策では、防衛副大臣を委員長とする防衛省改革検討委員会を設置し、平成25年8月に
取りまとめた省改革の方向性に基づき、文官及び自衛官の相互配置以下5件の指標を設定して
おります。
また、本年6月には防衛装備庁の新設や統合運用機能の強化に係る防衛省設置法が改正され
ております。
以上、進捗につきましては42ページで説明させていただきます。
各指標につきましての進捗でございますが、文官と自衛官の相互配置に関しましては、内部
部局への自衛官のポストの定員化や統合幕僚監部や各自衛隊への新たな文官ポストを定員化い
たしました。
また、防衛力整備の全体最適化・装備取得機能の強化に関しましては、陸・海・空自衛隊の
個別最適による防衛力の整備を排し、全体最適化された防衛力整備に係る新たな業務フローの
検討を開始するとともに、主要な事業について、プロジェクトマネージャー(PM)のもと、
組織横断的な統合プロジェクトチームを設置し、一貫した装備品のライフサイクル管理を行う
体制を整備すべく、PMに充てる大臣官房企画官を4名増員いたしました。
続きまして、統合運用機能の強化に関しましては、自衛隊の運用に関する意思決定について
的確性を確保した上で、より迅速なものとなるよう、実際の部隊運用に関する業務を統合幕僚
監部に一元化すべく組織について検討を開始しました。
政策立案・情報発信機能の強化に係る指標につきましては、国際関係業務の飛躍的増大や国
家安全保障会議との連接に対応した政策立案機能を強化いたしました。
- - 31
45ページに、参考としまして27年度組織改編後の組織図や装備庁の概要等を添付させていた
だいております。
以上で説明を終わります。
○山谷座長 ありがとうございます。
これは初歩的な質問なのですが、いろいろ新しいポストが増えていますが、定員の増加にな
っているのですか。
○企画評価課担当 そこはスクラップ・アンド・ビルドで基本的にやっておりますので、増え
ているということではないと思います。
○山谷座長 皆さん、大変じゃないですかね。どこからか持ってくるわけですね。
○企画評価課担当 そのとおりです。ただし、防衛装備庁などは防衛装備品取得にかかわる部
門が省内各所に分散して置かれていたということのデメリットでもございますので、それを集
約することによって、より業務は合理化するというところがメリットとしてあると考えており
ます。
○山谷座長 わかりました。ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
○山田委員 人材の育成はどのようになるのですか。重要なことですよね。
○企画評価課担当 そのとおりです。例えば防衛装備庁につきましては、新たにこういう装備
品の取得部門を一元化するということで、以前、防衛施設庁があったときに不祥事等が起こっ
て、非常に世間にご迷惑をおかけしたということで、コンプライアンスに対する教育等はしっ
かりやっていくとしております。また、新たな装備品の取得にかかわるような教育も、新しい
組織なのでしっかりやっていこうというようなことは考えております。
○山田委員 あとは、装備品の取得に関して、供給する側の産業に対する理解、技術に対する
理解が重要です。単に調達する側という立場だけで考えているような節もあります。産業の技
術や供給側の産業の分析など、国際的な視野も持って、考えていただきたいと思います。
○企画評価課担当 まさしくそのとおりで、私もそのように認識しております。防衛装備庁で
は、まさにその生産基盤に対して重点的にその政策をやっていくということを防衛省設置法の
任務に書かせていただきまして、まさしくその防衛装備庁の組織内においても、防衛産業に対
してその情報を分析したり、新たにその技術振興のためのいろいろ施策をやる専門部署を作っ
たりしております。
○山田委員 充実されてくるということなんですね。
- - 32
○企画評価課担当 そのとおりです。
○山谷座長 よろしいでしょうか。
時間が既にオーバーしていますので、それでは、この件に関してはこれで終わりにいたしま
す。どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題は全て終了いたしました。そろそろ時間も参りましたが、事務局から
何かございますでしょうか。
○萬浪企画評価課長 本日は、お忙しい中お越しいただきまして、なおかつ貴重なご意見を賜
りまして、ありがとうございました。委員の皆様からさまざまにご指摘をいただきました点に
つきましては、有識者のご意見ということで評価書に記載する予定でございますので、事務局、
私どもで意見を取りまとめさせていただきまして、後日、委員の皆様にご照会させていただき
たいと思っております。
次回につきましては、来年の3月になりますけれども、事後の実施計画などがございますの
で、ご意見を賜る機会がまたございますかと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思い
ます。
本日はどうもありがとうございました。
○山谷座長 それでは、時間となりましたので、これで防衛省政策評価に関する有識者会議を
終了いたします。
なお、今回の会議での発言内容については、これまでどおり事務局が発言者の名前を明記し
た形で議事録を作成し、委員の皆様のご了解を得て、防衛省のホームページにおきまして公表
することとしたいと存じますが、ご了解いただけますでしょうか。
○山谷座長 ありがとうございます。
では、これにて会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
午後4時02分 閉会
top related