canpan 寄付税制 20120817
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©2012 Yanagisawa and Company
これからの時代のあたらしい資金調達の仕組み!
柳澤国際税務会計事務所講師:代表税理士 柳澤賢仁
話題のソーシャルフゔンディング・サービスのケーススタディと業法・税法の基礎知識
講師プロフィール
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■柳澤 賢仁 (やなぎさわ けんじ)
1976年生まれ
税理士
論文『不確実性の税務』で2007年度日税研究賞(税理士の部)を史上最年少で受賞した気鋭の税務戦略家。
慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了後、ゕーサー・ゕンダーセン税務事務所(現・KPMG税理士法人)に入社。フゔンドの決算・申告業務、不良債権や不動産の証券化業務、レバレッジド・リースなどのプロジェクト・フゔナンス業務、M&Aにおけるデューデリジェンス業務など、主に金融系の特殊税務に従事。
2004年に独立し、現在は柳澤国際税務会計事務所・株式会社柳澤経営研究所の代表・税理士。
[受賞歴]
2007年度日税研究賞
『不確実性の税務 -本邦所得税法上の居住者・非居住者の判定実務に関する一考察-』
[主な著作]
『資金繰らない経営』(2011/8 クロスメデゖゕ・パブリッシング)
クラウドフゔンディングとは何か?
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クラウドフゔンディングとは、、、
クラウドフゔンデゖングは、不特定多数の人から資金を集める行為である。群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、製品開発やベントの開催、チャリテゖなどの用途で利用されることが多い。ソーシャルフゔンディングとも呼ばれる。
一般に、製品開発やベントの開催には多額の資金が必要となる。クラウドフゔンデゖングでは、ンターネットを通じて不特定多数の人々に比較的少額の資金提供を呼びかけ、一定額が集まった時点でプロジェクトを実行することで、資金調達のリスクを低減することが可能になる。ソーシャルメデゖゕの発展によって個人でのプロジェクトの立ち上げや告知が容易になり、それに呼応する形でクラウドフゔンデゖングによる資金調達が活発になりつつある。米国ではKickstarterが有名。ゕートなどの分野に特化したサービスも多く、国内でもサービスが増加している。
クラウドフゔンデゖングにはその目的に応じて以下の3つのタプがあると言われている。 リターンを一切求めない「寄付型」、金銭以外のリターンがある「購入型」(作品やベント招待など)、金銭的リターンを想定する「投資型」 (事業が成功すれば、お金としてリターンがある)である。
ー wikipediaより
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Kickstarter
As of July 18, 2012, there were 64,216 launched projects (4,048 in
progress), with a success rate of 44.03%. The completed successful
projects had raised a total of $241 million.
- wikipedia
ケーススタディ(購入型1)
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CAMPFIRE
・掲載プロジェクト数:62
・サクセスプロジェクト数:50
・総支援額:¥18,383,846
(注:2011年12月末日にサクセスしているプロジェクトの総支援額)
- CAMPFIREウェブサト
ケーススタディ(購入型2)
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チャリティ・プラットフォーム
NPO法人チャリテゖ・プラットフォームが運営。
ケーススタディ(寄付型1)
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JustGiving Japan
一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンが運営。
ケーススタディ(寄付型2)
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Music Securities
ミュージックセキュリテゖーズ株式会社が運営。
第二種金融商品取引業者
ケーススタディ(投資型1)
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maneo
maneo株式会社が運営。
貸金業事業者
グループ会社が第二種金融商品取引業者
ケーススタディ(投資型2)
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AQUSH
株式会社エクスチェンジコーポレーションが運営。
貸金業事業者 兼 第二種金融商品取引業者
ケーススタディ(投資型3)
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AngelList
JOBS Act でどう変わる??
ケーススタディ(投資型?)
クラウドフゔンディングまとめ
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クラウドフゔンディングは資金調達の手法に過ぎない。
Kickstarter、CAMPFIREといった「購入型」は、
P/L取引の仲介であり、金商法や貸金業法の許可が不要。
一番かんたんにはじめやすい。
わかりやすくいうと、モノやサービスの売買の仲介を行って
いることになる。
Music Securities、maneo、AQUSHといった「投資型」は、
B/S取引であり、金商法の許可はもちろん、調達資金を融資
に使う場合には貸金業法の許可も必要。
わかりやすくいうと、証券化の技術を用いて資金を調達し、
各プロジェクトに投資していることになる。
チャリ・プラ、JustGivingといった「寄付型」は、
購入型と同様、基本的にはP/L取引の仲介だが、購入型と
異なり譲渡物がない。
わかりやすくいうと、寄付の仲介を行っていることになる。
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金融商品取引法
第2条第1項 有価証券の定義
第2条第2項 みなし有価証券の定義(「集団的投資スキーム」の定義など)
第28条第1項 第1種金融商品取引業の定義
第28条第2項 第2種金融商品取引業の定義
第29条 登録と独占業務
第197条の2 登録義務違反の罰則(五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金)
貸金業法
第2条 貸金業の定義第3条 登録第11条 独占業務第47条 登録義務違反の罰則(十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金)
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特定非営利活動促進法
第一章 総則
第二章 特定非営利活動法人
第三章 認定特定非営利活動法人及び仮認定特定非営利活動法人
第四章 税法上の特例
第五章 雑則
第六章 罰則
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(一般社団・財団法人法)
第一章 総則第二章 一般社団法人第三章 一般財団法人第四章 清算第五章 合併第六章 雑則第七章 罰則
寄付金税制とは何か?
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寄付は、「する側」と「される側」に分かれる。
そのいずれにも、税制は影響を及ぼす。
寄付金税務の一般論
法人
法人
個人
個人
個人
個人
法人
法人
贈与税課税相続税法
受贈益課税法人税法
寄付金課税法人税法
寄付金課税法人税法
受贈益課税法人税法
原則として無税所得税法
みなし譲渡所得課税所得税法
(の可能性)
受贈益課税所得税法
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相続税法
第21条 贈与税の課税
所得税法
第59条 贈与等の場合の譲渡所得等の特例
法人税法
第22条 各事業年度の所得の金額の計算
租税特別措置法
第40条 国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税第66条の11の2 認定特定非営利活動法人に対する寄附金の損金算入等の特例
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寄付される側がNPO法人等だった場合の、寄付した側の特例。
NPO法人等の寄付金税務
認定NPO法人
認定NPO法人
個人
個人
個人
個人
法人
法人
贈与税課税相続税法
受贈益課税法人税法
寄付金課税法人税法
受贈益課税法人税法
原則として無税所得税法
非課税租税特別措置法
受贈益課税所得税法
非課税租税特別措置法
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特定非営利活動促進法
第70条 特定非営利活動法人は、法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法
第二条第六号 に規定する公益法人等とみなす。(後略)
法人税法第2条6号 公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
法人税法第7条 内国公益法人等の非収益事業所得等の非課税
第71条 個人又は法人が、認定特定非営利活動法人等に対し、その行う特定非営利活動に係る事業に
関連する寄附又は贈与をしたときは、租税特別措置法 で定めるところにより、当該個人又
は法人に対する所得税、法人税又は相続税の課税について寄附金控除等の特例の適用がある
ものとする。
その他
非営利型一般財団法人(法人税法施行令第3条)、公益社団法人・公益財団法人(公益法人認定法第2条)、特定公益増進法人(所得税法第78条、所得税法施行令第217条、法人税法第37条、法人税法施行令第77条)等、寄付金税務の取扱いには、上記のほかにも様々な特例がある。
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寄付される側がNPO法人等だった場合の、寄付された側の特例。
NPO法人等の寄付金税務
認定NPO法人
認定NPO法人
個人
個人
個人
個人
法人
法人
贈与税課税相続税法
非課税法人税法
寄付金課税法人税法
非課税法人税法
原則として無税所得税法
非課税租税特別措置法
受贈益課税所得税法
非課税租税特別措置法
寄付金税制まとめ
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クラウドフゔンディングは資金調達の手法に過ぎない。
Kickstarter、CAMPFIREといった「購入型」は、
寄付行為ではないので、寄付金税制の適用は受けない。
プラットフォーマーもプロジェクト主体も通常の法人税
または所得税課税となる。
推測される会計処理は、預り金処理⇒収益処理。
Music Securities、maneo、AQUSHといった「投資型」も、寄付行為ではないので、寄付金税制の適用は受けない。プラットフォーマーもプロジェクト主体も通常の法人税または所得税課税となる。推測される会計処理は、TK預り金・貸付金処理⇒借入金処理。
チャリ・プラ、JustGivingといった「寄付型」は、
寄付行為そのもの又はその媒介を行っており、一定の要件を
満たせば、プラットフォーマーもプロジェクト主体も非課税の
可能性。
推測される会計処理は、預り金処理⇒(非課税)収益処理。
このセミナーのまとめ
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(1) まずは、「世の中に対して何をしたいのか?」を再確認。
(2) その上で、「どのスキーム・ストラクチャーが、その「したいこと」を実現しやすいか?」を検討。
(3) 現実問題として、いま持っている経営資源(ヒト・モノ・カネ・ノウハウ)では使いたいスキームを使えなさそう、ということであれば、妥協して、別のビジネスモデルを構築するのも当然あり。
(4) 一応、それぞれの収益シミュレーションをしておくことも必要かもしれない。
ご清聴ありがとうございました。
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ビジネスをスタートさせるなら…
○ストラクチャーの問題○各種業法の問題○法人設立の問題○許認可の問題○会計・税務の問題
上記の諸問題を解決する必要があります。
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