箕面有料道路(国道423号バイパス)箕面トンネルについて · 2006-11-10 · 1...

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大阪府道路公社箕面有料道路建設事務所

工務課長 武 友 憲 重

目 次

1.まちづくり交付金の創設

【地域事業の紹介】

箕面有料道路(国道423号バイパス)箕面トンネルについて

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箕面有料道路(国道423号バイパス)箕面トンネルについて

箕面有料道路は、大阪中心部と北大阪地域及び京都府亀岡市を結ぶ国道423号の

バイパスとして新御堂筋を北に延伸する延長6.8㎞の自動車専用道路です。

箕面有料道路には下記の主要な三つの目的があります。

① 国土軸である第二名神高速道路に接続し、大阪都心部と全国を結ぶ広域ネット

ワークを形成。

② 箕面市北部等、北大阪地域の交通混雑の緩和に寄与。

③ 箕面市北部丘陵で事業中の「水と緑の健康都市(箕面森町みのおしんまち

)」へのアクセス道

路として寄与。

都市計画では、片側2車線のトンネルを上下線整備する予定ですが、当面は1

本のトンネルを2車線対面通行での運用で、平成19年春の暫定供用開始を目指し

ています。

箕面有料道路は、箕面市坊島~箕面市下止々呂美を結ぶ延長6.8㎞の内、約8割

にあたる、5.6㎞がトンネル構造となっています。

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(トンネル構造)

北摂山地を貫く延長5.6㎞の長大

トンネルは、暫定2車線供用する北

行き線(本坑)と当面は避難坑とし

て運用する南行き線の2本のトンネ

ル構造となります。

本坑と避難坑を結ぶ避難連絡坑は

約350m間隔で配置されます。

(トンネル設備)

トンネル内には照明・換気・ITV・

ラジオ再放送・消火・通報・警報・

避難誘導設備が設けられます。

設備の設置基準は、旧日本道路公

団の基準を準用し、トンネル延長・

交通量より、トンネルの非常用設備

等級は、最上位のAA級を採用して

います。

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(南坑口部の超大断面施工)

南坑口部においては、周辺市街地

環境への配慮から、本線への流出入

をトンネル内に設けたため、道路ト

ンネルとしては、日本一の大断面ト

ンネルの建設となりました。

本坑の南坑口部90m区間が掘削断

面積313㎡の超大断面区間です。

第2東名・名神の3車線トンネル

よりも一回り大きいものです。

本坑は南坑口部に向かって断面が

徐々に大きくなります。

掘削工法は、標準部は全断面工法

中間部は、上半先進工法、超大断面部

は側壁導坑先進工法を採用しました。

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超大断面部の地質は、砂、砂礫粘

土からなる大阪層群です。

有馬高槻構造線から派生した多数

の断層が存在し、非常に揉まれてい

る状態で、地下水位も高く、著しい

不良地山でした。

不良地山における超大断面トンネ

ル施工の問題点は2点ありました。

一つは切羽の安定性の維持、もう

一つはトンネル短期の安全性の確保

でした。

対策としては、長尺切羽補強工法

の採用と、切羽直近までの仮インバ

ートの施工を行いました。

長尺切羽補強工を採用し、断面の

早期閉合を図り、超大断面を掘削し

たのは日本初の事例です。

この功績により、平成17年度土木

学会技術賞を受賞しました。

(換気方式)

本トンネルの換気方式は、立坑集中排気縦流換気方式を採用しています。

トンネル内の排気ガスは、環境へ

の配慮から、南北坑口から排出させ

ないよう、トンネル内の36基のジェ

ットファンにより地下換気所に集中

させ、排風機2台によって立坑より

山の上に排出させる方式です。

ジェットファンは、煤塵・一酸化

炭素量、交通量等により、運転台数

は自動的に制御されます。

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(換気立坑)

換気立坑は、高さ337m、内径5.6m

で山頂よりショートステップ工法に

より施工しました。

本立坑の施工に際しては、工期短

縮、コスト縮減の観点より、日本で

は初めて二次覆工を省略した新工法

を採用しました。

平成16年度土木学会関西支部技術

賞受賞。

(火災時換気制御)

火災時は、トンネル内の風速を限

りなく『0ゼロ

』に近づけ、煙をトンネ

ル上面に貼り付け避難空間を確保す

る必要があります。

本 ト ン ネ ル は ジ ェ ットフ ァン の

正・逆転運転を自動的に制御しトン

ネル内の風を『0ゼロ

』に近づけます。

火災発生時の換気設備の運用

低 風 速 化 制 御 を採 用

ジェットファンの制御により、トンネル内風速をゼロに近づけ煙の拡散を防ぐ

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(トンネル湧水の情報化施工)

トンネル掘削による、施工中の突発湧水、地下水低下、沢水流量変化等を現場

で予測するシステム(SWING法)を構築し、施工・水枯渇対策に活用しています。

水枯渇による湧水の返還

は 、 将 来 ト ン ネ ル 湧 水 が

徐々に減ることを考慮しな

がら対策を講じる必要があ

ります。

本トンネルにおいて開発

した SWING法による予測に

より水返還量や対策方法を

決定しています。

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(交通安全対策)

本トンネルは延長5.6㎞と長大

であり、当面暫定2車線対面通行

により供用開始を迎えるため交通

安 全 確 保 に 係 る 諸 課 題 に つ い て

「箕面有料道路交通管理検討委員

会」を設置し検討しています。

委員会は、交通工学、火災時換

気に係る流体力学、交通心理学を

専門とする学識経験者、大阪府、

消防、西日本高速道路㈱、箕面市

からなる委員と警察により構成さ

れています。

委員会においては、交通安全確

保に係る施設や日常管理、緊急時

における体制構築や設備等の施設

計画及び運用計画に関する諸課題

の検討を行い、交通管理要領書を

まとめます。

右の写真は、対面通行による正

面衝突防止の観点より、中央帯を

従来型のソフト分離(ラバーポー

ル形式)にした場合とハード分離

(剛性防護柵)にした場合の走行

性、緊急時の避難、救急活動への

影響等について現地実験を実施し

た模様です。

箕面トンネルは来春の開通を目

指し、建設、管理体制構築の最終

段階を迎えています。

従来型ソフト分離(ラバーポール形式)の場合

ハード分離(剛性防護柵)の場合

救急活動への影響実験

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