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1

CSS Nite in AOMORI, Vol.10「論より証拠。数値が語る育つWeb」

ビジネス成功の鍵は「顧客の声」にあり!

~成果を生み出すアンケート調査のコツ~

2016/08/20

リバース コンサルティング / 材 株式会社

成田 裕美

はじめまして

心理学出身の統計分析屋

人事・組織系コンサルファーム出身

データ分析・データ活用支援に従事

3

成田 裕美(なりた ひろみ)リバース コンサルティング

材 株式会社

専門統計調査士 / SAS認定プロフェッショナル ビジネスアナリスト

4

Web 統計

大きな共通点

5

Webも統計も「道具」である

道具を使って何を実現したい?

クライアントが儲ける仕組みを作るため

6

お悩み現状

ゴール理想

Web

統計

7

今回のテーマは「アンケート調査」

顧客満足

顧客の「声」を聞く

企業も顧客もハッピー

世間のお悩み

結論が分からない

具体的対策に落ちない

成果につながらない

8

やりっぱなしで終わってしまう

9

アンケート調査で成果を出す(お悩み⇒ゴールに到達する)

コツとノウハウがある!

10

成果につながる必勝パターン

11

①絞り込みと優先順位づけ

②比較して違いを明確に

③質的データを徹底活用

12

必勝パターン①

絞り込みと優先順位づけ

13

2

1

1

4

6

1

8

5

2

4

10

2

15

26

20

16

18

19

22

11

24

20

12

22

3

7

3

6

4

6

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

接客態度

品揃え

価格

探しやすさ

待ち時間

清潔感

顧客満足度調査

1:大変不満 2:やや不満 3:普通 4:やや満足 5:大変満足

このお店の最優先課題は何でしょう?

14

成果を生み出すための重要ポイント

ウチのお店はおもてなしを大切にしているから、お客さまにはリピーターになってもらって、コアなファンを増やしたい。

「得たい成果」を明確にする

「また来たいか?」も聞きましょう

例)

15

分析例

得たい成果=「リピート意向」を質問に追加

「リピート意向」に強く効いている要因を調べる

リピート意向(次回また来たいですか?)

接客態度

品揃え0.63

0.55

0.28

0.190.15

価格

待ち時間

探しやすさ

清潔感

0.30

相関係数

16

絞り込んで優先順をつける

接客態度

品揃え

価格

探しやすさ待ち時間

清潔感

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7

リピートへの重要度

満足度

CSポートフォリオ分析

A:強み・アピール

差別化要因お客さまが感じる価値

C:現状維持

今のままでOKリソースかけない

満足度

リピートへの重要度

B:最優先課題

真っ先に改善!リソースかける

D:一番最後

最終的に現状維持にもっていけばOK

A

B

17

成果を生み出すための重要ポイント

自分なりの仮説を持ちましょう

現状把握からステップアップ

自分の仮説が合っているかを検証

データ分析=仮説と検証の繰り返し

成功確率の高い対策へ

18

この仮説は合っていますか?

従業員の接客には力を入れているから、お客さまの満足度は高いのではないか?

最近安い競合店が出てきて、価格競争が不安。ウチの価格に不満があるのでは?

×

19

必勝パターン②

比較して違いを明確に

20

この商品をもっとたくさん売るには?

28

59

28

34

88

74

57

88

65

49

43

55

70

66

93

70

49

52

79

53

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

味が美味しい

体に良さそう

食べやすい

価格がお手頃

商品Aの購買理由

全く当てはまらない あまり当てはまらない どちらともいえない

まあまあ当てはまる かなり当てはまる

21

成果を生み出すための重要ポイント

「望ましい人」と「そうでない人」に分けて比較

たくさん買うお客さま VS 買わないお客さま

売れる営業マン VS 売れない営業マン

業績のいいチーム VS 業績の悪いチーム

分けて比較することで特徴が現れる

22

分析例 (1)

そんなに買わない(普通)

たくさん買う(優良)

単身 39 9 48

夫婦 35 15 50

ファミリー 18 36 54

計 92 60 152

「週にどれくらい買うのか」を質問に追加して分類

有意差あり(P=0.00***)

単身者・夫婦より、ファミリー層がたくさん買う

23

分析例 (2)

有意差あり(P=0.00***)

有意差あり(P=0.05*)

たくさん買う人の購買理由は、「体に良さそう」&「味が美味しい」

24

この商品をもっとたくさん売るには?

ターゲットは、健康志向のファミリー層

広告やDM、販促キャンペーンの対象はこの層

「美味しく食べて家族みんなで健康」をアピール

子供が喜ぶプレゼントで来店を促す

違いが分かると対策に落としやすい

25

意味のある差?vs

偶然の誤差?

26

販促活動への応用

0

500

1000

1500

2000

客単価の平均

A地域 B地域

1,730円1,850円

A地域に広告を出すのが有効でしょうか?

27

A/Bテストへの応用

ECサイトのA/Bテストの結果

商品を購入

商品を購入せず

合計

A(既存)240人(8%)

2,760人(92%)

3,000人

B(新デザイン)270人(9%)

2,730人(91%)

3,000人

新デザインが良いと言い切れるでしょうか?

28

効果測定への応用

対策の効果はあったといえるでしょうか?

対策前 後

29

意味のある差?vs

偶然の誤差?

どうやって分かるの?

30

誤差

キーワード

P値

データには誤差が含まれる

31

「差がある」といえるロジック

この差は偶然の誤差の範囲内なのか?

たまたま偶然に今回の差が生じる確率(=P値)

P値<.05であれば「差がある」といってよい

めったに起こらないこと=偶然ではなく必然

32

必勝パターン③

質的データを徹底活用

33

この調査の落としどころは何でしょうか?

「観光客の声」アンケート調査(沖縄県)

no 意見・感想 居住地 性別 年代 満足度

1 海岸の美化・清掃 航空運賃を安くする 那覇の交通渋滞緩和 関東 男性 30代 やや満足

2

花粉で悩んでいますので、今回過去に訪れて思い切り美味しいクシャミの出ない空気を吸えて幸せでした。今後花粉の時季に3ヶ月くらいを目途に滞在を考えております。そういう宿泊施設の宣伝等ありましたら、観光情報とともにインターネットで流していただくと利用しやすく有難く思っています。

関東 女性 60代 やや満足

3空港→国際通りまでタクシーを利用。乗車したらどちらまで、下車したらありがとうございますの基本動作が全く無い。沖縄の観光のためにもお客様に気持ちよく帰ってもらう為にも教育をした方が良い。

関東 男性 50代 やや満足

4気候が暖かくて住みやすく、沖縄の人たちは名古屋人と違ってのんびりしていて楽しい。車もせかす人もいなく運転しやすかった。今回友達と来たけど、次回は母と一緒に遊びに行きたいです。

中部 女性 20代 大変満足

5今回の旅行では連日観光バスを利用した中で、ガイドさんの案内や対応が素晴らしく感銘しました。このようなことが一層沖縄のイメージをアップさせていくことだと思われました。

近畿 男性 60代 大変満足

34

もっとたくさんの観光客に来てもらうために、どんな人に対してどんな商品・サービスが必要なのか?

35

この調査の落としどころは何でしょうか?

「観光客の声」アンケート調査(沖縄県)

no 意見・感想 居住地 性別 年代 満足度

1 海岸の美化・清掃 航空運賃を安くする 那覇の交通渋滞緩和 関東 男性 30代 やや満足

2

花粉で悩んでいますので、今回過去に訪れて思い切り美味しいクシャミの出ない空気を吸えて幸せでした。今後花粉の時季に3ヶ月くらいを目途に滞在を考えております。そういう宿泊施設の宣伝等ありましたら、観光情報とともにインターネットで流していただくと利用しやすく有難く思っています。

関東 女性 60代 やや満足

3空港→国際通りまでタクシーを利用。乗車したらどちらまで、下車したらありがとうございますの基本動作が全く無い。沖縄の観光のためにもお客様に気持ちよく帰ってもらう為にも教育をした方が良い。

関東 男性 50代 やや満足

4気候が暖かくて住みやすく、沖縄の人たちは名古屋人と違ってのんびりしていて楽しい。車もせかす人もいなく運転しやすかった。今回友達と来たけど、次回は母と一緒に遊びに行きたいです。

中部 女性 20代 大変満足

5今回の旅行では連日観光バスを利用した中で、ガイドさんの案内や対応が素晴らしく感銘しました。このようなことが一層沖縄のイメージをアップさせていくことだと思われました。

近畿 男性 60代 大変満足

36

成果を生み出すための重要ポイント

意見や感想を読み解く

参考資料の扱いはもったいない

どんな人がどんな言葉を多く発しているか

背後にある「理由」や「意味」を知る

選択式よりも深い情報が得られます

37

分析例

60代女性が多く発する言葉は「ホテル」と「時間」

テキストマイニングで「頻出ワード」を集計・分析

このターゲットのコメントに絞って読み込み

38

分析例

サービス内容 交通不便食事

ドタバタあわただしい

ホテルにはこだわりたい!

時間に追われるのイヤ!

ゆっくりしたい

39

60代女性が沖縄旅行に求める価値

もっとたくさんの観光客に来てもらうには?

思い思いにゆったり過ごす優雅な時間と空間

個人旅行をするには、交通の便と情報収集力がネック

・自由にプランを作れる!・足もついてる!・優雅なホテルでまったり♡

商品コンセプト

40

観光客アンケート調査の質問例

今までに一番感動した旅での体験は何ですか?

41

アンケート調査の進め方

42

質問作成から入ると行き詰る

全体設計が成否を決める

アンケート調査をやろう!

43

調査目的

把握内容

何のために?

何を知りたい?

全体設計

44

お店を選ぶ時に重視する要因当店を知ったきっかけ

商品・サービスに対する満足度(接客態度、価格、品ぞろえ等)

来店頻度 購入額

満足の理由 不満足の理由

総合評価(リピート意向等)

小売店の例

設計図を書いてみる

回答者の属性(年齢、性別、職業、家族構成、居住地など)

来店目的

45

全体設計(目的・内容)

分析方法

質問方法

データの種類

具体化

46

① 単純集計

② クロス集計

③ 度数分布

④ 代表値

⑤ 散布図・相関

カテゴリーデータ

※数えられないデータ

数量データ

※数えられる(四則演算ができる)データ

例)「男」「女」「はい」「いいえ」

例)「1.満足」「2.やや満足」「3.どちらでもない」「4.やや不満」「5.不満」

例)「年収」「購入金額」

テキストデータ ⑥ テキストマイニング例)その理由をご記入下さい

分析方法質問方法 データの種類

47

分析のパターンは無限大

ドツボにはまると危険です

48

設計をきちんとやると

早く結論にたどり着けます

49

回答サンプル数

多いほど良いというものではない!

一定数までは確かに多いほど良い

それ以上は、あまり誤差は変化しない

費用対効果を考えて決めましょう

50

サンプル数と誤差の関係

誤差

サンプル数

51

最低でも100は欲しい

統計的に言い切りたいなら・・・

300くらいがひとつの目安

回答数の目安

サンプル数×回収率=回答数

回収率を上げる工夫が大事

52

回答することで得られるメリットを用意

回収率を上げる工夫 (1)

物的メリット

もれなく/抽選で○○をプレゼント!

精神的メリット

お客様にもっと喜んで頂けるメニュー作りのために、あなたの声を是非お聞かせ下さい!

「ご協力お願いします」はこちらの都合

53

回答者に対する「思いやり」

一方的ではなく双方向で

回収率を上げる工夫 (2)

個人が特定されない

負担にならない質問量

答えたくない質問には配慮

個人情報は最低限に

結果報告や取り組み事例など

信頼関係を築くと本音が出やすい

54

効果的な質問の仕方

55

聞き方の種類(1):プリコード回答法

単一選択型

複数選択型

順位型

プリコード回答法

1つ選ぶ

いくつでも選べる

順位つけて選ぶ

56

聞き方の種類(2):自由回答法

数値回答型

文字回答型(自由記述)

自由回答法

金額や点数で答える

文章で自由に答える

57

答えやすい質問作成のポイント

短く、簡潔に、分かりやすく

誘導質問×

58

誘導質問の例

弊社ではお客さまへの日頃のご愛顧を感謝して、○○キャンペーンを開催中ですが、あなたのご感想をぜひお聞かせ下さい。

環境保護の目的からレジ袋を有料にする店が増えていますが、レジ袋の有料化に対するあなたのご意見をお聞かせ下さい。

余計なことは言わない。事実・実態を聞く

59

継続的に成果を上げる運用方法

60

単発で終わらせない工夫

机の肥やしにしない工夫

61

単発で終わらせない工夫

分析

調査実施

原因の見極め対策の

決定

実行

評価

仮説探索

仮説検証

成果を生み出すサイクルを回し続ける

62

机の肥やしにしない工夫 (1)

属性 満足 普通 不満 行の合計

性別男性 20% 18% 7% 45%

女性 40% 12% 3% 55%

年代

20代 18% 7% 1% 26%

30代 20% 8% 1% 29%

40代 10% 9% 3% 22%

50代 7% 3% 2% 12%

60代 5% 3% 3% 11%

列の合計 60% 30% 10% 100%

データの見方・解釈の仕方

訓練すればできます

63

机の肥やしにしない工夫 (2)

BIツール+クラウド

組織内で分析結果を共有

64

最後に

アンケート調査は「魔法の特効薬」ではなく、強力な「道具」

お客さまのリアルな本音 ⇒ 効果の高い対策の立案・実行

結果を読み解き、対策に落とすのはあくまで人間

知識+技術+実践でどんどん上達

継続的に成果を生み出すサイクルを回し続けていきましょう!

65

Finご清聴ありがとうございました

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