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DNA複製系の全体像

複製装置

分子生物学の基礎第４版 (p151)

2010. 11.1： ＤＮＡの複製Ⅱ

1

sliding DNA clamp：スライディングクランプ（滑る留め金）（１）

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p203）

同一のサブユニットが複数個のドーナツ状に集合したもの

DNAポリメラーゼと強く結合し連続反応性を高める

2

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p204）

ＤＮＡポリメラーゼは本来、２０－１００塩基対を合成するたびにＤＮＡから離れ、拡散してしまう。

留め金のおかげでDNAポリメラーゼの拡散が防げる。 ＤＮＡポリメラーゼと留め金の親和性：

ＤＮＡポリメラーゼと留め金の親和性：

sliding DNA clamp：スライディングクランプ（２）

3

複製フォークでのＤＮＡ合成 複製フォークではリーディング鎖とラギング鎖が同時に合成される。

http://www.nig.ac.jp/museum/dataroom/replication/01_introduction/index.html

複製装置

4

DNAポリメラーゼⅢホロ酵素の構成

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p208）

DNAポリメラーゼⅢホロ酵素

ホロ酵素とは

核（コア）となる酵素活性とそれを増強する他の成分とが結合した多タンパク複合体の一般名

（留め金装着タンパク）

5

レプリソーム：

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p209）

前回紹介した複製フォーク

レプリソーム(replisome)

6

ラギング鎖（１）：

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p209）

7

ラギング鎖（２）：

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p209）

8

DNAヘリカーゼとDNAポリメラーゼⅢホロ酵素

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p211）

DNAヘリカーゼはDNAポリメラーゼⅢホロ酵素と結合することにより移動速度は１０倍上昇

→結合してないときは速度が遅くなる9

DNA複製の開始（１）

複製起点（origin of replication, ）

DNAを開き、複製を開始するための決まった部位

ストライヤー 生化学 第4版 東京化学同人 p805

ヌクレオチドのモチーフヌクレオチドのモチーフ

複製起点の例： OriC(大腸菌)

コンセンサス配列

特徴的なある程度共通した塩基配列

10

DNA複製の開始(2)

MALACINSKI FREIFELDER 分子生物学の基礎 第3版 東京化学同人 p148

DnaA

+ATP

245bp

初期複合体 解放複合体

11

DNA複製の開始(３)

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p220）

9ヌクレオチドのモチーフ

13ヌクレオチドのモチーフ

DnaCが触媒してDNAヘリカーゼの環を開き、１本鎖DNAの周りに環が取り付けられる

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DNA複製の開始(４)

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p220）

鎖ではプライマーゼがそれぞれ鋳型上でプライマーRNAを合成する

鎖でプライマーが合成された後、DNAポリメラーゼⅢホロ酵素が装着される

鎖の合成開始 13

DNA複製の開始(５)

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p220）

鎖に滑る留め金が装着され合成が始まる

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DNA複製（開始）

複製起点

（origin of replication, ori）

DnaA

15

レプリソーム

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p209）

DNAポリメラーゼⅢホロ酵素

16

複製の終了

ワトソン遺伝子の分子生物学 第５版 （p228）

複製の終了

環状染色体の場合、生じた娘DNA分子は二連環

トポイソメラーゼⅡによる絡まった環状DNAを効率よく引き離す

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複製開始の種類

MALACINSKI FREIFELDER 分子生物学の基礎 第3版 東京化学同人 p147, 150

一方向的複製２個の分岐点の内一方は複製起点の位置に固定

共有結合伸長プラスミドやウィルス等の単純な生物系においてみられる

二方向的複製各分岐点が完全な複製フォークを形成

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一方向的複製

MALACINSKI FREIFELDER 分子生物学の基礎 第3版 東京化学同人 p402

RNAプライマー

リーディング鎖ラギング鎖

複製装置の方向

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二方向的複製（１）

2個の複製フォークが反対方向に移動することになり、複製の速度は2倍

二方向的複製によるDNA合成の高速化

DNA複製が一方向に進むか二方向に進むかはDNAヘリカーゼがoriから反対方向に向かって移動できるかどうかで決定

20

二方向的複製（２）

MALACINSKI FREIFELDER 分子生物学の基礎 第3版 東京化学同人 p402

RNAプライマー

リーディング鎖

Bの

複製フォークBのリーディング鎖

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共有結合伸長（１） 共有結合伸長による複製

DNAポリメラーゼが 端にヌクレオチドを付加しながら環状DNA上を移動してゆくにつれて、親鎖の 端は排除されていく。

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共有結合伸長（２）

http://www.sci.sdsu.edu/~smaloy/MicrobialGenetics/topics/phage/roll-circle.GIF

nick

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まとめ： DNA複製系の全体像

複製フォークにおける複製装置（レプリソーム）

sliding DNA clamp：滑る留め金

DNAポリメラーゼⅢホロ酵素

ラギング鎖におけるDNA複製

DNA複製の開始

複製起点（origin of replication, ori）

DnaA, DnaB, DnaCの働き

複製の終了→トポイソメラーゼⅡの働き

複製開始の種類

一方向的複製・二方向的複製→プライマーを用いる

共有結合伸長→ローリングサークル複製24